JP2002004290A - 斜面補強緑化工法 - Google Patents

斜面補強緑化工法

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JP2002004290A
JP2002004290A JP2000318404A JP2000318404A JP2002004290A JP 2002004290 A JP2002004290 A JP 2002004290A JP 2000318404 A JP2000318404 A JP 2000318404A JP 2000318404 A JP2000318404 A JP 2000318404A JP 2002004290 A JP2002004290 A JP 2002004290A
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vegetation
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slope
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Noriyuki Sasahara
則之 笹原
Masanori Tanifuji
昌範 谷藤
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TENCHION KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 モルタル吹付機を用い、セメントや樹脂類に
よって補強を基礎とする従来の工法と比較して、植物の
生育に適した緑化基盤を提供するとともに、斜面を安定
化することができる斜面補強緑化工法を提供する。 【解決手段】 アスファルト乳剤を含む舗装材と、植生
材と水とを混合して含むスラリー(A)に、高分子凝集
剤水溶液(B)を混合、攪拌しながら施工面に吹付ける
工程を含む、斜面補強緑化工法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は斜面に対する補強と
植生を共存させる緑化工法に関する。
【0002】
【従来の技術】災害や開発により発生した裸地斜面の保
護に関する土木的な対処法としては次のような工法が取
られている。将来的に崩壊が予測されるような不安定な
斜面に対しては、予測される崩壊に対して抑止力がある
アンカー工や擁壁工を施工して斜面の安定を確保した上
で、植生工を施工している。
【0003】一方、崩壊の懸念が少ない安定した裸地斜
面に対しては、単に降雨水による表面侵食を防止する事
が目的の場合、植生工が施工されている。しかし、この
ような安定した裸地斜面でも、過剰に降雨水が浸透する
ことにより、不安定になり崩壊を来すこともある。この
為、より安全にと言う土木的な見地から斜面の安定を図
るためには、斜面全体を不透水性の層により覆うことが
好ましいとして、モルタルを斜面全体に吹付るといった
工法が施工されてきた。開発を優先する時代には上記の
ような土木的考えが優先されていた。即ち安定と考えら
れる斜面でも、降雨水の浸透により不安定になることを
懸念して、モルタル吹付工が裸地斜面に対して施工され
てきた。ところが、環境を重視する時代を迎えて、この
モルタル吹付工は景観を損なうだけでなく、周辺生態系
を破壊するとして敬遠され、このような斜面安定化工法
を採用する建設工事や道路工事が敬遠されるに至った。
【0004】このような状況下で、裸地斜面を安定化す
るために単純なモルタル吹付工に代わり、最も頻繁に施
工されている工法として、現場吹付簡易法枠工がある。
この工法は、モルタルを斜面全面に吹付ずに、格子状に
厚く吹付けて地山に安定性を与え、その格子枠内に植生
工を施工するといった工法である。この現場吹付簡易法
枠工は、植生可能な斜面安定工法と言われているが、斜
面をどの程度安定させることができるかが不明で、か
つ、本来の目的である降雨水の斜面への浸透を防止する
事は全く期待できない。また、吹付簡易法枠工は格子枠
内の植生基盤材を保護するものとされているが、降雨水
が格子法枠下部に、又は削孔部に集中し、かえって中詰
めした植生基盤の侵食を促進する結果となっている。
【0005】又、一方で厚層の植生基盤を吹付ける工法
において、植生基礎工としてラス金網を敷設する事が通
常実施されている。このラス金網は施工が危険であるば
かりでなく、木本類の生育の妨げともなり斜面の補強効
果も少ない。従来の厚層の植生基材吹付工では、吹付基
材の安定のためにやむを得ず敷設したものである。又、
これら法枠の設置やラス金網の敷設のためには斜面を均
一に平滑に整形(法面)する必要があった。いま開発現
場の生態を早期に回復させる上で問題となっているの
が、この平滑に削られた法面にあると言われている。周
辺と同化した現場をつくるためには自然と同じ凹凸のあ
る斜面をつくり生態回復を促進する事が必要となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の問題を解決する事が出来る、モルタルの吹付を基礎と
する工法や、ラス金網の敷設、又均一な法面整形工を代
替する新たな自然な斜面をつくる斜面補強安定化工法を
提供する事である。また、本発明のさらなる目的は、斜
面の補強と同時に、植物の生育に適した緑化基盤を形成
する事が出来る工法を提供する事にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によると、アスフ
ァルト乳剤を含む舗装材と、植生材と水とを混合して含
むスラリー(A)に、高分子凝集剤水溶液(B)を混
合、攪拌しながら施工面に吹付ける工程を含む、斜面補
強緑化工法が提供される。この工法によると、モルタル
吹付を基礎とする工法や、ラス金網張り工などの従来の
工法よりも優れた斜面安定化と植物の生育に適した緑化
基盤を形成することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】舗装材 スラリー(A)はアスファルトを主体とした舗装材を含
む。アスファルトとしては、取り扱いが容易で植生や周
辺環境に無害のアニオン性、カチオン性またはノニオン
性の乳剤を用いる。舗装材は、一般に、緑化基盤を支持
する骨材を含み、このような骨材としては、剪定枝や建
設現場発生材、また、間伐材などの大量に発生する木材
を粉砕し、チップ化したもの(木片またはチップとも呼
ぶ)をリサイクルして有効利用することができる。木片
(チップ)を骨材とするアルファルト舗装は既に公園等
の歩道に用いられているはいるが、植生基盤としての性
能を期待したものではなく、従って、このような性質を
有するものではない。さらに、植生材とともに水を混合
してスラリー状にした舗装材をそのまま吹付けた場合、
アスファルト乳剤は基盤内で均一に分散し、撥水性を生
じかつ緻密な構造となるので適当でない。そこで、本発
明では、舗装材、植生材のスラリー吹付時に、高分子凝
集剤を混合して、アスファルト乳剤を、固体粒子(無機
固形分、有機資材)や骨材として混入した木片(チッ
プ)を核としてアスファルト乳剤を凝集させることによ
り、造成した基盤にアスファルト本来の強度や接着性を
損なうことなく生育基盤として植物生育に好適な保水
性、透水性に優れた団粒構造を与え、補強された植生基
盤の造成を可能にするものである。
【0009】本発明において、アニオン性、カチオン性
及びノニオン性のアスファルト乳剤を使用することがで
き、通常に市販されているものであってよい。アニオン
性アスファルト乳剤としてJIS規格PA−1、PA−
2、PA−3、PA−4、MA−1、MA−2、MA−
3及びクレー乳剤と称されているものが挙げられ、例え
ば、商品名FLS、S−コート(昭和シェル工業株式会
社製)、商品名クレー乳剤(東亜道路工業株式会社
製)、及び改質アスファルト乳剤商品名A,B,GS,
L−5(東亜道路工業株式会社製)等使用することがで
きる。
【0010】カチオン性アスファルト乳剤としてはJI
S規格PK−1、PK−2、PK−3、PK−4、MK
−1、MK−2、MK−3及び改質カチオン性アスファ
ルト乳剤が使用できる。
【0011】本発明で使用されるアスファルト乳剤のイ
オン性は植生材として用いる粘土、シルト等の固体粒子
の電荷によって選択することが考えられる。即ち、固体
粒子の母岩が石灰岩、玄武岩等の場合、固体粒子表面が
正電荷を有している場合が多く、このような粘性土、粘
土等の固体粒子を植生材の主材料として用いた場合、ア
ニオン性アスファルト乳剤を用い、一方、固体粒子の母
岩が石英、シリカ、花崗岩等の場合、その固体粒子表面
電荷が負電荷を有している場合が多く、このような固体
粒子を植生材の主材料として用いた場合、カチオン性ア
スファルト乳剤を用いることが植生基盤の形成上望まし
いと考えられる。しかしながら、粘土、シルト等の固体
粒子は、混合物であることが多いので、アニオン性、カ
チオン性及びノニオン性のアスファルト乳剤のいずれで
も好適に使用できることが多い。
【0012】アスファルト乳剤の添加量は、その種類に
よって若干変動するが、代表的には、アスファルト乳
剤、植生材等を含むスラリー(A)の乾燥固形分を基準
としてアスファルト乳剤の固形分が5〜30W /W %と
なる量であり、望ましくは6〜25W/W %となる量であ
る。5W/W %未満の混合量では、植生基盤造成後に、造
成された基盤が脆弱である傾向があり、十分な斜面補強
強度が得られないこともある。一方、30W/W %を越え
る添加量では、アスファルト乳剤のイオン性の影響が顕
著となり、高分子凝集剤での団粒構造形成反応が円滑で
なくなる恐れがある。また、基盤を造成することができ
たとしても、必要以上に固くなり、斜面の補強効果は十
分であるが、植物の生育に障害となる。さらには、高粘
度となって吹付が困難になる恐れがある。
【0013】補強剤(バインダー) スラリー(A)の舗装材は、所望により、アスファルト
乳剤の改質剤、即ち、補強剤(バインダー)を含んでよ
い。バインダーと凝集剤との凝集反応はアスファルト乳
剤と高分子凝集剤との凝集反応よりも緩慢であるか、又
は、このバインダーは高分子凝集剤と凝集反応を起こさ
ない。このようなバインダーは、アスファルト乳剤が、
植生材や、含まれるならば、木片(チップ)を抱き込ん
で凝集し団粒化した後に、分離水とともに地山の土砂及
び岩の亀裂に徐々に浸透して、基盤と地山との接着性を
より強固なものとすることができる。又、基盤内へ残留
したバインダーは基盤の結持力を増強する。
【0014】アスファルトの改質剤(補強剤)として、
天然ゴムラテックス、スチレンブタジエンゴムラテック
ス、ポリブタジエンゴム、アクリルニトリルゴムラテッ
クス等のゴム系ラテックス、エチレン酢酸ビニル系エマ
ルジョン、アクリル系エマルジョン、エポキシ系エマル
ジョン、ウレタン系エマルジョン等の合成樹脂系エマル
ジョンが挙げられる。
【0015】スチレンブタジエン系ラテックスとして、
商品名:ローデックス(JSR製)、アクリル系エマル
ジョンとして、商品名:エコフロアーカラーコートバイ
ンダー(昭和シェル工業製)等が好適に使用できる。
【0016】植生材 スラリー(A)は植生材を含む。植生材としては、一般
に、保水性及び保肥性のある粘土、シルト及び砂等の無
機固形分及び天然植物繊維等の有機資材を主材料とし、
これに、更に植物種子、肥料成分及び、必要に応じて増
粘剤が加えた混合物である。
【0017】粘土、シルト及び細砂等の無機固形分は天
然品である腐食火山灰土(黒ぼく土)、マサ土、又、鉱
業製品であるゼオライト、ベントナイト、カオリン、ア
タパルジャイト、セピオライト、ハロイサイト等、さら
には陶土製造工場工程や採石場より発生する廃土、ダム
湖浚渫土、港湾河川浚渫土のような浚渫土、及び建設現
場発生土等を単独でまたは混合して用いることができ
る。
【0018】これらの無機固形分は粒子表面活性が高く
なる2ミクロン以下、即ち、国際土壌学会法で粘土と分
類される固形分が多いほど好ましい。粘土、シルト及び
細砂等の無機固形分は吹付時に混合する高分子凝集剤と
反応する核として働き、造成する基盤の団粒化に寄与す
る。一方、アスファルトを吸収、吸蔵し、アスファルト
による基盤結合の核としても働いていると考えられる。
【0019】有機資材は主に短繊維を含み、結合力増強
材として働き、アスファルトの固化後、形成される植生
基盤に一層強度を付与し、特に破断に対する強度を付与
するために混合される。用いる短繊維は基本的には1〜
50mm程度の繊維ならどの様な物でも用いることがで
きるが、具体的には杉皮粉砕品、バーク堆肥、オガ粉、
ピートモス、ココピート、コットンリンター等の天然短
繊維や、アセテート、ポパール、ポリエステル等の短繊
維、故紙叩解品、吸水性高分子をコートしたアクリル短
繊維等の合成短繊維等が用いられる。
【0020】植生材に含まれる種子は限定されないが、
好ましくは肥料木、例えばハギ類やカバノキ類などの先
駆樹と在来種等の組み合わせが挙げられる。又、植物の
生育に必要な肥料として化成肥料や堆肥なども使用でき
る。肥料中に含まれる窒素は、特に、木片を骨材として
含む場合には、木片の発酵時に起こる窒素欠乏による植
物の生育障害を回避する作用を有する。
【0021】植生材の添加混合量は、骨材を含む場合に
は、骨材との合計量で、スラリー(A)の乾燥固形分を
基準として、80〜95W/W %であることが望ましい。
又、植生材と骨材の混合比は乾燥重量比で骨材1に対し
て植生材1〜5が望ましい。骨材がこの比より大きくな
ると、骨材の嵩密度が小さいため多量の骨材を混合する
こととなり施工不能となり、又植生基盤としても構造が
粗くなりすぎるおそれがある。植生材の対骨材比を5よ
り大きくすると、造成される基盤が密になり、通気、通
水性等が悪化し、植生上好ましくなくなるおそれがあ
る。
【0022】増粘剤 大量の骨材(チップ)を混入したスラリーをスラリーポ
ンプにより送液するためには、ポンプ、導管(例えば、
ホース)及び吹付ノズルが骨材により閉塞しないよう
に、スラリーに粘性を付与することがひとつの対応策で
ある。このような観点から、スラリー(A)は、増粘剤
を含むことができる。本発明では、安定した流動性を維
持することのできる増粘剤として、ポリエチレングリコ
ール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PP
G)、ヒドロキシエチルセルローズ(HEC)、カルボ
キシメチルセルロース(CMC)、ポリビニルアルコー
ル等の合成水溶性高分子、ザンサンガム、グアーガム、
アラビアガム等の天然水溶性高分子、ポリアクリルアミ
ドの部分加水分解物であるアニオン性高分子凝集剤及び
合成エマルジョン等を必要に応じて用いることができ
る。アニオン性アスファルト乳剤を用いた場合には、ア
ニオン性、ノニオン性高分子凝集剤及び合成エマルジョ
ンが好適に使用できる。この様な高分子凝集剤としては
三洋化成工業(株)製のサンフロックAH(例えば、A
H210P)、AL、AS、及びNグレード、住友化学
工業(株)製のスミフロックFA、FNグレード等の汎
用アニオン、ノニオン性高分子凝集剤を用いることがで
きる。合成エマルジョンとしては三洋化成(株)製AE
−1を用いることができる。又、カチオン性アスファル
ト乳剤を用いた場合、PEG、PPG及び合成エマルジ
ョンが好適に使用できる。合成エマルジョンとしては上
記AE−1を用いることができる。
【0023】高分子凝集剤 高分子凝集剤はアスファルト乳剤を吸蔵した固体粒子及
び含まれるならば木片(チップ)を絡めて凝集し団粒構
造を形成する。従って、通常に植生材として用いる無機
固形分粒子の電荷により高分子凝集剤を使い分ける必要
があると考えられるが、種々検討した結果、無機固形分
粒子が一般に正電荷および負電荷の両方のイオン性を有
する混合物として存在するために、アニオン性、カチオ
ン性及びノニオン性のいずれの高分子凝集剤も使用でき
ることが明らかになった。
【0024】高分子凝集剤による凝集効果により団粒構
造が形成されると、その団粒構造中にアスファルトが島
状、及び橋掛け状広がり、形成基盤全体をあたかも結合
したような状態とし、団粒構造を強固な構造とすると考
えられる。このように団粒構造を有したアスファルト舗
装では、適度な空隙と、適度に分散したアスファルト結
合構造、及び含有されるシルト、粘土等の固体粒子によ
り、アスファルト自体が持つ撥水性が低減し、植生基盤
として必要な保水、通水、通気性を有した構造が形成で
きる。この為、施工時にスラリー(A)に混合し、播種
した種子が順調に発芽、生育する。また、特に、舗装材
が骨材を含むときには、基盤表面に骨材として使用した
木片(チップ)の微小な突起が生じ、また、骨材による
適度な空隙を有するために、施工地近傍より飛来する自
然種の草木の定着、発芽、生育にも好適な構造となって
いる。
【0025】本発明において、市販のカチオン性、アニ
オン性、ノニオン性高分子凝集剤、例えば三洋化成工業
(商品名:サンフロック(例えば、(品番)CE682
P))、第一工業製薬(商品名:ハイセット)、ハイモ
(株)(商品名:ハイモロック)、住友化学工業(商品
名:スミフロック)等を適宜選択して使用できる。
【0026】固形分含量 本発明は、アスファルト乳剤および望ましくは木片(チ
ップ)を含む舗装材、植生材に水を混合してスラリー化
し、スラリーポンプを用いて、安全かつ容易に法面にア
スファルトを主体とした植生基盤を造成する方法であ
る。従って、舗装材が木片(チップ)を含む場合、不定
形である木片(チップ)をスラリーポンプで送液するた
めには、スラリー中の固形分含量に限界がある。送液性
はスラリー中の固形分含量及び植生材と骨材の比率によ
って変動する。舗装材の骨材と植生材との乾燥固形分混
合重量比が骨材1に対して植生材1〜5であるときに、
スラリー中の固形分含量(乾燥重量基準)は20〜60
w/w%であることが望ましい。
【0027】乾燥固形分含量が20w/w%以下である
と、固形分が過少となり、通常の施工面では法面表面で
薄いまたは斑な基盤層しか形成しないことがあり、植生
基盤、法面補強基盤として適切でない。厚い基盤層を形
成させるために、単位面積当たり多量のスラリーを吹付
けると、水分含量が多いため、凝集反応に伴って発生す
る分離水(遊離水)が多くなり、形成される基盤層が、
その遊離水によって流下し、崩落する可能性が高くな
る。また、骨材含量にもよるが、乾燥固形分含量が60
w/w%を越えると、スラリーポンプ、配管およびホー
スを閉塞する可能性が高くなり、仮に吹付けができたと
しても、形成される基盤が脆くなる傾向があり、好まし
くないことがある。
【0028】施工上の問題が生ぜず、形成される基盤が
法面補強の能力を有しかつ植生基盤として適切であるた
めには、乾燥固形分の範囲が20〜60w/w%であ
り、さらに好ましくは15〜50w/w%である。
【0029】また、別の観点から、スラリーポンプで送
液するためには、モルタル等の試験に用いられるフロー
値(試験法:高さ30cm、上径10cm、下径20c
mの円錐台状スランプコーンにスラリーを充填し、スラ
ンプコーンを垂直に引き上げたときに、広がったスラリ
ー直径を測定しフロー値とする)が50cm〜150c
mであることが望ましい。20〜60w/w%の範囲の
スラリーを用いた場合にはフロー値が上記範囲になるの
で、スラリーポンプ送液上も望ましい。
【0030】斜面補強緑化工法の施工法 本発明の工法は、建設現場で大量に発生する木材の有効
リサイクルの為、アスファルト舗装の骨材として活用
し、該アスファルト舗装が造成基盤を補強するため、ラ
ス金網敷設なしに施工でき、さらにその造成基盤が植生
基盤としての十分な性能を有することを特徴としてい
る。一般に木材をチップ化した木片(チップ)を舗装材
の骨材として緑化基盤を補強することを特徴としてい
る。
【0031】これらの木片(チップ)は流動性が悪く、
混合する他の材料と比較して比重が軽い為、スラリー
(A)の粘度を増加させても完全に木片(チップ)によ
るホースや吹付ノズルの閉塞を防止することは困難であ
る。そこで、安全な箇所(法尻やステップ)から吹付け
作業が行えるように、ノズルからの飛距離が大きく、送
液容量の大きなスラリーポンプを使用することが望まし
い。このスラリーポンプは小型でも大量のスラリーを送
液することができるが、送液するスラリーの濃度に限界
があり、あまり濃度を上げると送液不能になる。又、ス
ラリーを増粘することにより、導管(例えば、ホース)
内で木片が分離し、ホースやノズル内での閉塞を避けよ
うとしても、送液上、増粘にも限界がある。そこで、本
発明では、スラリーポンプを通過するまでは送液限界ま
でのスラリー濃度及び粘度に抑え、ポンプ通過後に高分
子凝集剤を混合する。これにより、スラリーの一部を凝
集させ、これを一体化し、混合した木片の分離を防止し
て、ホースや吹付ノズル内での閉塞を防止することがで
きる。
【0032】図1には、本発明の斜面補強緑化工法に使
用できる吹付装置1の概略図が示されている。スラリー
タンク2には、アスファルト乳剤を主体とした舗装材と
植生材を水で混合して得たスラリー(A)が貯蔵されて
いる。一方、高分子凝集剤タンク3には、高分子凝集剤
水溶液(B)が貯蔵されている。スラリー(A)はスラ
リーポンプ4により圧送され、高分子凝集剤溶液(B)
は凝集剤ポンプ5により圧送されるようになっている。
スラリー(A)および高分子凝集剤(B)は、それぞ
れ、スラリー調節コック6および凝集剤調節コック7に
より、流量を調節することができるようになっている。
スラリー(A)および高分子凝集剤(B)は、スラリー
ポンプ4の吐出口側の出口付近で混合され、導管(例え
ば、ホース)を通して吹付ノズル8から施工面に吹付け
られる。このように、ポンプの立ち上がり(吐出口)側
の出口付近でカチオン性の高分子凝集剤水溶液(B)を
混入することにより、スラリー(A)は、所望により含
まれる増粘剤の増粘効果に加えて、高分子凝集剤特有の
ヌメリが出てホース内の管内抵抗を軽減するばかりでな
く、凝集反応によりスラリーを一体化して、木片(チッ
プ)等の骨材の分離を回避することにより、ホースや吹
付ノズル内での閉塞を全くなくし、吹付ノズル8の吐出
口から勢いよく吐出する。
【0033】図2および図3には、それぞれ、異なるタ
イプの吹付ノズル8の断面図を示している。図2の吹付
ノズルにおいて、ホースを通して送液されるスラリー
(A)と高分子凝集剤水溶液(B)との混合物(以下に
おいて、「基材」とも呼ぶ)は、吹付ノズル8の基材導
入口9から導入され、基材吐出口10を介して攪拌筒1
1で攪拌されながらノズル先端12から吹付けられる。
攪拌筒11には邪魔板13が具備されており、攪拌を促
進するようになっている。図2のノズルには、さらに、
空気吸引口14が設けられており、運転時に空気吸引口
14が、例えば、吸引効果により、減圧状態となって、
空気を吸引するようになっている。このようにして、吸
引した空気を媒体として、凝集反応を確実にし、植生材
の固体粒子や木片(チップ)等の骨材を核として団粒化
して、施工面に吹付けられ、そこに安定付着される。ま
た、ノズル8は連続繊維導入口15を有しており、ここ
から連続繊維16を混入することにより、形成される基
盤をさらに補強することもできる。
【0034】一方、足場の悪い箇所で、吹付作業を行う
場合には、安全確保のためにポンプの送液量を減量しな
ければならないことがある。このような場合には、上記
のような吸引効果による減圧状態は期待できない。従っ
て、図3に示すような吹付ノズル8では、圧搾空気を圧
入するためのコンプレッサー(図示せず)から送られる
空気を空気調節コック17で流量調節できるようになっ
ている。このようにして、吸引した空気を媒体として、
凝集反応を確実にすることができる。
【0035】調合の要領は好ましくは以下の通りであ
る。先ず、アスファルト乳剤と骨材としての木片(チッ
プ)を主体とした舗装材と粘土、シルト等を主体とした
植生材に、種子、肥料及び必要に応じて増粘剤を混合し
たものに水を加えてスラリー(A)を形成し、スラリー
タンク2に貯蔵する。一方、高分子凝集剤タンク3に
は、高分子凝集剤を水に溶解して凝集剤水溶液(B)を
貯蔵する。
【0036】施工の要領は好ましくは以下の通りであ
る。先ず、凝集剤ポンプ5を起動し、スラリー調節コッ
ク7を開ける。次に、スラリーポンプ4を起動し、スラ
リー調節コック6を開ける。凝集剤の送液量は、吹付装
置作業員が凝集反応を確認しながらポンプ5を調節す
る。吹付ノズル作業員は、ノズル内への空気の吸引状況
や攪拌筒内部での攪拌状況を確認しながら施工面に吹付
ける。
【0037】上記の要領で施工した結果、木片(チッ
プ)や植生材を核として凝集反応し団粒化したアスファ
ルト乳剤は、アスファルト本来の接着性を失う事無く施
工面へ付着後硬化し基盤を強化すると共に植物の生育に
必要な適度な透水性を確保する事が出来た。更に凝集反
応時に脱水する水と共に流出したバインダーは、徐々に
地山や岩の亀裂に浸透し地山を補強すると共に地山と基
盤の接着性を高めた。又、多少基盤内へ残留したバイン
ダーは木片(チップ)や植生材を核として団粒化した団
粒間の結合力を強化しより強靱な基盤を形成した。
【0038】本発明の工法では、更に基盤を緊結補強す
る事を目的として、上記の通り、吹付ノズルの空気吸引
口へ予め連続繊維を誘導しておくことにより、吐出する
基材と共に吹付け連続繊維混入基盤を造成する事ができ
る。
【0039】
【実施例】実施例1 図1〜3に示すような吹付装置及び吹付ノズルを用いて
裸地斜面へ吹付け施工した。先ず、以下の配合の舗装緑
化基盤材のスラリー(A)及び高分子凝集剤水溶液
(B)を製造した。
【0040】
【表1】
【0041】上記のように調製したスラリー(A)と高
分子凝集剤水溶液(B)とを10:1の割合(容積)で
前記した施工要領で裸地斜面へ吹付け施工した。ホース
内やノズルを閉塞する事無く、団粒化した基材を裸地斜
面へ吹付ける事が出来た。造成された舗装緑化基盤は裸
地斜面上に固く付着し、又固着後散水しても、表面で撥
水性による水球や、水溜まりを作る事無く、内部へ散水
した水が浸透した。
【0042】更に、施工の際、本発明による舗装緑化基
盤の効果を確認するため以下の供試体を作製した。
【0043】1.耐侵食性及び透水性試験 供試体:長さ180cm、巾90cm、深さ7cmの箱の底面
へ厚さ1cmのヤシマットを張り付け裸地斜面に立て厚さ
7cmになるまで上記の通り吹付けた。 対照区:上記と同じ箱の底へ厚さ1cmのヤシマットを張
り付け、その上へ約40cm角の枠をモルタルを用いて形
成し、その枠内へ以下の配合の従来法による緑化基盤材
をモルタルガンを用い厚さ7cmになるよう吹付けた。 生育基盤材 バーク堆肥70%、ピートモス30%混合物 1400L 肥料(N:P2 5 :K2 O 3:10:10) 2.5kg 侵食防止剤(酢ビ系エマルジョン) 3.5kg 清水 180L
【0044】このようにして得られた2種の緑化基盤を
吹付後、1週間放置し、その後、高さ5mより直径3mm
の雨滴を、20〜100mm/hrの条件で45度の傾斜角
で設置されている供試板上の緑化基盤に落下させた。1
時間の降雨により緑化基盤中に浸透して流れ出た水の量
(浸透水量:L)と、緑化基盤表面上を流れ落ちた水の
量(流下水量:L)と、降雨により流れ出た土の量(流
出土量:g)を測定した。
【0045】 試験結果 降雨量 浸透水量 流下水量 流出土量 (mm/hr) 本発明 対照 本発明 対照 本発明 対照 20 5 0 13 18 0 0 50 6 15 40 35 0 20 100 8 30 87 60 5 50
【0046】本発明の工法により造成される基盤は、従
来法による対照と比較して、降雨量の変化による浸透水
量の変化が緩慢であり、植物の生育に必要な水分の供給
はするが、過剰の降雨水の浸透を防止して、植物に良好
な生育環境を与える事が分かった。さらに、本発明の工
法による基盤では、この安定的な浸透水量に伴い、流出
土量が少なく、施工斜面の崩壊を抑制する効果が期待出
来ることが分かった。従来法では、降水した水が枠によ
りせき止められ、水が枠内に下部に集中し、この集中水
による緑化基盤の侵食が目立ち、そして降雨量変化によ
る浸透水の変化が極端になっている。降雨水の過剰な浸
透による斜面の崩壊の防止効果及び植物生育環境の点
で、本発明は従来技術より優れていると言える。
【0047】2.発芽生育試験 50cm長さ、25cm巾、10cm深さの育成箱中に、マサ
土を5cm充填し、その上に上記と同様に舗装緑化基盤を
5cmの厚さで施工した。この基盤中には下表の種子を混
入した。又、同一条件で黒ぼく土を充填し、対照区とし
た。種子配合 配合量(粒数) ヤマハギ 30 コマツナギ 30 ヤシャブシ 30 試料を20℃の温室内にいれ、毎日、適量の散水を行
い、発芽状況を調査した。
【0048】 試験結果 本発明に係る基盤 10日目 20日目 30日後 成立本数 生育度 成立本数 生育度 成立本数 生育度 ヤマハギ 15 1 20 2.5 20 5 コマツナギ 5 0.5 10 1.0 15 3 ヤシャブシ 0 − 2 0.3 5 1 「本」 「cm」 対照区 10日目 20日目 30日後 成立本数 生育度 成立本数 生育度 成立本数 生育度 ヤマハギ 18 1 25 2.5 25 6 コマツナギ 5 0.5 15 1.0 20 3 ヤシャブシ 0 − 5 0.5 8 1 「本」 「cm」 発芽本数は対照区と比較して、若干少なかったが、生育
度はほぼ同等であり、緑化基盤として十分な機能を発揮
するものと期待出来る。
【0049】3.造成基盤の引張強度 本工法で造成された基盤層の強度、凝集力を引張強度を
測定し求めた。本実施例の処方によりアスファルト乳剤
を固形分換算約20%含有するスラリー(A)に高分子
凝集剤水溶液(B)を10:1で混合した。吹付基盤層
の状態にするため分離水を自然脱水し、造成基盤を縦横
5cm長さ10cmの型枠に充填した。ある程度固化した
後、型枠より取りだし、風乾、固化し、テストピースと
した。又、対照として標準アスファルトコンクリート処
方、(骨材13mmトップの砂利にアスファルト乳剤5%
添加)、にて同様テストピースを作成した。乾燥、固化
後のテストピースの引張強度を島津製作所製引張、圧縮
強度試験機を用い、25℃、引張速度10mm/min で測
定した。 「引張強度」 繰り返し 1 2 3 4 5 平均 本工法基盤 11.5 12.3 11.4 10.9 12.1 11.6 対照 9.8 10.0 9.5 11.3 11.4 10.4 「kg/cm2
【0050】本工法では、骨材として、通常使用されて
いる砂利、砕石に代えて、木材チップを用いているが、
標準アスファルトコンクリート処方よりアスファルト乳
剤含有量が多く、又基盤内へ残留したバインダーの結合
効果があったためか十分な強度を有していた。又、骨材
として木材チップを使用し、団粒反応により多孔性構造
を有しているためか、造成基盤層に弾力性が見られ、破
壊迄の変位が大きかった。
【0051】4.地山との接着性 4.1.地山との接着性(1) 造成基盤層が地山より剥離、崩落しない為には、基盤層
と地山が接着する事が必要である。地山の表面は、施工
地によって大きく異なっている。地山層が岩盤、又は岩
盤に近い状態のモデルとして表面が円滑なコンクリート
板を用い以下試験した。実施例1の処方によりスラリー
(A)に高分子凝集剤水溶液(B)を10:1で混合
し、45°の勾配に立てたコンクリート板の上に置いた
縦横10cm、高さ6cmの型枠内に充填した。その際基盤
層の中層部へステンレス棒で作成した縦横7cmのフック
を網面に対して垂直に固定した。分離水が自然脱水し、
ある程度乾燥後、型枠を取り外し、常温で乾燥固化し、
テストピースとした。対照として標準アスファルトコン
クリート処方、(骨材13mmトップの砂利にアスファル
ト乳剤5%添加)、にて同様テストピースを作成した。
乾燥、固化後のテストピースの引っ張り接着強度を島津
製作所製引張、圧縮強度試験機を用い、コンクリート板
を固定し、コンクリート板面に対して垂直にフックを引
っ張り速度10mm/min 、25℃で引っ張り、接着強度
を測定した。
【0052】 「接着強度」 繰り返し 1 2 3 4 5 平均 本工法基盤 8.7 8.8 8.5 9.3 8.2 8.7 対照 5.1 6.5 6.5 5.9 6.3 6.1 「kg/cm2 」 接着力は本工法基盤は団粒化し、多孔性となっているた
め、接着面積が少ないと考えられ対照より低いと考えら
れたが、接触面および点でのアスファルト乳剤の濃度が
高く、分離水と共に流出したバインダーの接着効果があ
ったためか強い接着力を有していた。
【0053】4.2.地山との接着性 地山が砂層、礫層などの場合、岩盤の場合と異なった本
工法基盤層との接合、接着性が必要である。本工法に
は、高分子凝集剤と反応しにくいバインダー成分が加え
られ、分離水と共に地山層に浸透し、それによって地山
と本工法基盤の結合と、地山層の安定化が更に強化され
る。分離水中のバインダー成分の接合、接着効果を以下
の方法で確認した。
【0054】4.2.1.地山層結合力 実施例1の処方によりスラリー(A)に高分子凝集剤水
溶液(B)を10:1で混合した。10×10×10cm
の容器に乾燥砂5cmを敷き、作製した混合基盤を分離水
と共に5cmの厚さで充填した。50℃の乾燥機で乾燥、
固化後、本工法基盤層を垂直方向に静かに引き上げ、基
盤層底面に付着した砂層を目視観察した。基盤層底面よ
り、砂を噛み込んだ根状のバインダー成分の固化物が多
数下がっていた。砂層に分離水中に含まれるバインダー
成分が浸透し、固化する事により、本工法基盤層と地山
を接着、接合すると共に砂層を固定化し安定なものとし
ていた。
【0055】4.2.2.分離水中バインダー成分の結
合力 実施例1の処方によりスラリー(A)に高分子凝集剤水
溶液(B)を10:1で混合した。混合後分離水を集
め、分離水に厚さ1mm、巾10mm、長さ150mmの綿布
を浸し、縦横15cmのスレート板に長さ100mm分を貼
りつけ後、風乾した。対照としてアスファルト乳剤20
%水溶液を作製し、同様綿布を浸漬し、スレート板に貼
り、乾燥させた。島津製作所製圧縮、引張試験機を用い
て、25℃、2mm/min の速度で剥離試験を行った。 「引っ張り強度」 繰り返し 1 2 3 4 5 平均 本工法分離水 65 90 95 70 85 81 g/cm 対照 90 110 100 110 100 102 本工法分離水は主成分のアスファルト乳剤は団粒化し、
基盤層中に残留しているので、分離水中のアスファルト
乳剤の濃度は対照より低い為、引っ張り強度は低い値に
なったと考えられる。しかしながら、分離水中のバイン
ダー成分の結合力は十分残存していると考えられる。
【0056】実施例2 以下の配合のスラリー(A)および高分子凝集剤(B)
を用いて、実施例1と同様の手順を繰り返した。
【0057】
【表2】
【0058】本処方での各資材の混合率(乾燥基準)は
以下の通りであった。 スラリー(A)の乾燥固形分に対するアスファルト乳剤固形分 12.1w/w% スラリー(A)中の乾燥固形分 35.3w/w% 植生材/骨材比 3
【0059】実施例1と同様の優れた基盤が得られた。
【0060】1.耐侵食性及び透水性試験 実施例1と同様の手順で試験した。結果を以下に示す。 試験結果 降雨量 浸透水量 流下水量 流出土量 (mm/hr) 本発明 対照 本発明 対照 本発明 対照 20 7 0 15 18 0 0 50 8 15 38 35 0 20 100 10 30 85 60 6 50
【0061】2.発芽生育試験 実施例1と同一の手順で試験を行った。但し、基盤評価
は施工後、30日後60日後および90日後に行った。
【0062】 試験結果 本発明に係る基盤 30日後 60日後 90日後 成立本数 生育度 成立本数 生育度 成立本数 生育度 ヤマハギ 20 5 23 15 23 35 コマツナギ 15 3 20 13 19 21 ヤシャブシ 15 1.5 17 5 18 15 「本」 「cm」 対照区 30日目 60日目 90日後 成立本数 生育度 成立本数 生育度 成立本数 生育度 ヤマハギ 21 5 25 16 25 36 コマツナギ 17 4 15 13 20 22 ヤシャブシ 16 1.6 16 7 18 16 「本」 「cm」
【0063】3.造成基盤の引張強度 実施例1と同様の手順で試験を行った。本例において
は、アスファルト乳剤を固形分換算で約11%含有する
スラリー(A)を用いた。結果を以下に示す。
【0064】 「引張強度」 繰り返し 1 2 3 4 5 平均 本工法基盤 8.8 10.1 8.5 9.9 10.3 9.5 対照 9.8 10.0 9.5 11.3 11.4 10.4 「kg/cm2
【0065】4.地山との接着性 実施例1における4.1.に記載される通りの手順を用
いて試験を行った。結果を以下に示す。
【0066】 「接着強度」 繰り返し 1 2 3 4 5 平均 本工法基盤 5.5 7.1 7.3 6.4 6.8 6.6 対照 5.1 6.5 6.5 5.9 6.3 6.1 「kg/cm2
【0067】実施例3 アニオン性アスファルト乳剤の代わりに、カチオン性ア
スファルト乳剤を使用したことを除いては、実施例2に
配合表に記載される通りの処方で、施工を行い、実施例
1および2と同様の優れた基盤が得られた。
【0068】発芽生育試験 実施例1および2と同様に試験を行ったが、種子配合は
以下の通りであり、そして21日後の発芽状況を調べ
た。種子配合 配合量(粒数) ヤマハギ 30 コマツナ 30
【0069】 試験結果 21日後 本発明に係る基盤 対照区 成立本数 生育度 成立本数 生育度 ヤマハギ 20 5 22 5.5 コマツナ 29 10 29 9.5 「本」 「cm」 上記の通り、発芽本数および生育度は本発明と対照区と
ほぼ同等であった。
【0070】
【発明の効果】本発明の安定化緑化工法は、モルタルの
吹付を基礎とする従来の工法と比較して、植物の生育に
適した緑化基盤を提供すると共に、斜面を安定化するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の工法に使用出来る吹付装置を示す概略
図である。
【図2】吹付装置に使用される吹付ノズルの1態様の断
面図である。
【図3】吹付装置に使用される吹付ノズルの別の態様の
断面図である。
【符号の説明】
1…吹付装置 2…スラリータンク 3…高分子凝集剤タンク 4…スラリーポンプ 5…凝集剤ポンプ 6…スラリー調節コック 7…凝集剤調節コック 8…吹付ノズル 9…基材導入口 10…基材吐出口 11…攪拌筒 12…ノズル先端 13…邪魔板 14…空気吸引口 15…連続繊維導入口 16…連続繊維 17…空気調節コック

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アスファルト乳剤を含む舗装材と、植生
    材と水とを混合して含むスラリー(A)に、高分子凝集
    剤水溶液(B)を混合、攪拌しながら施工面に吹付ける
    工程を含む、斜面補強緑化工法。
  2. 【請求項2】 前記舗装材は木片をさらに含む、請求項
    1記載の斜面補強緑化工法。
  3. 【請求項3】 ポンプ吐出口側の出口付近で混入し、導
    管先端に取付けられた吹付ノズル内で攪拌および混合す
    ることによって反応させながら施工面へ吹付ける、請求
    項1または2記載の斜面補強緑化工法。
  4. 【請求項4】 スラリー(A)は、スラリー(A)の乾
    燥固形分を基準として、アスファルト乳剤の乾燥固形分
    が5〜20w/w%となるように調製される、請求項1
    〜3のいずれか1項記載の斜面補強緑化工法。
  5. 【請求項5】 舗装材中の骨材と、植生材との混合重量
    比は、乾燥固形分を基準として、骨材1に対して植生材
    1〜5である、請求項1〜4のいずれか1項記載の斜面
    補強緑化工法。
  6. 【請求項6】 スラリー(A)中の乾燥固形分濃度は2
    0〜60w/w%である、請求項1〜4のいずれか1項
    記載の斜面補強緑化工法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006020553A (ja) * 2004-07-07 2006-01-26 Giken Kogyo Kk 緑化資材およびそれを用いた緑化工法
JP2006307175A (ja) * 2005-03-30 2006-11-09 Raito Kogyo Co Ltd 繊維露出型造粒物の製造方法、緑化資材及びこの緑化資材を用いた緑化方法
CN101836546A (zh) * 2010-05-04 2010-09-22 四川大学 西北地区植物群落的构建方法
JP7361677B2 (ja) 2020-08-27 2023-10-16 東興ジオテック株式会社 傾斜地の防草工法

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