JP2002017158A - 植物育成培地用資材 - Google Patents
植物育成培地用資材Info
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Abstract
害を防ぎ、アンモニア過剰障害及び窒素肥料の極端な有
機化による植物の窒素欠乏症を防ぐことができる優れた
植物育成培地用資材を提供することを目的とする。 【解決手段】 浄水場発生土に有機物資材を添加して得
られる混合物のC/N比を10以上30以下に調整し、
次いで該混合物を堆積し、堆積内部の温度を40℃以上
50℃未満に維持して、堆積発酵することにより、ピシ
ウム属菌等の植物病原菌による植物の病害を防ぎ、アン
モニア過剰障害及び窒素肥料の極端な有機化による植物
の窒素欠乏症を防ぐことができる優れた植物育成培地用
資材が得られる。
Description
用した植物育成培地用資材に関する。更に詳細には、浄
水場発生土に有機物資材を添加して得られる混合物のC
/N比を10以上30以下に調整し、次いで該混合物を
堆積し、堆積内部の温度を40℃以上50℃未満に維持
して、堆積発酵して得られる植物育成培地用資材であっ
て、この資材を植物育成培地に用いた場合には、ピシウ
ム属菌等の植物病原菌による植物の病害を防ぎ、アンモ
ニア過剰障害及び窒素肥料の極端な有機化による植物の
窒素欠乏症を防ぐことができる優れた植物育成培地用資
材に関するものである。
水、又は湖沼に含まれる微細な粘土粒子を沈殿池で沈殿
させ、このヘドロ状の沈殿物を機械脱水してなる低水分
の板状の土壌であるため、有機性の肥料分を多く含んで
おり、農業用、緑化用の培養土の原料として有効性は高
い。しかし、浄水場から排出された直後の浄水場発生土
は、原水由来のピシウム属菌等の植物病原菌を含有して
いる場合が多く、浄水場発生土の農業利用はあまり進ん
でいない。ピシウム属菌は、ツユカビ目に属する菌で、
土壌中にある卵胞子や球形胞子のうは根の残査(根の
屑)などの栄養分と水がある条件下で速やかに発芽し、
菌糸が伸長して植物の根に感染する。また土壌水分が多
量に供給されたり、水中などの好適な条件になると、遊
走子嚢と呼ばれる器官を形成し、遊走子のうから出た遊
走子が植物の根にたどりつくと菌糸を伸長させ、植物の
根のなかに進入して感染する。卵胞子や球形胞子から伸
長した菌糸や遊走子からの菌糸は植物体内で旺盛に生長
し、植物細胞を分解させて養分を摂取する。このため、
感染した植物の根は褐色や黒色に変化して死に至る。こ
のようにピシウム属菌は、卵胞子や球形胞子などの耐久
生存器官、発芽、遊走子の形成、遊泳、感染という過程
で、常に水を必要とし、水媒感染する。また、高温性で
あるピシウム属菌の場合、30〜35℃で最も高い菌糸
の伸長がみられ、25〜30℃で著しい遊走子の発生が
認められる。しかし、温熱条件において42℃以上に長
期間さらすとピシウム属菌は不活化するとされている。
気消毒、乾熱殺菌、殺菌剤等の利用があげられるが、以
上のことを踏まえると、最も経済的な方法としては発酵
熱を利用した方法が考えられる。これに該当する技術と
しては、浄水場発生土に有機物資材を混合し、堆肥発酵
させる特開平5−207816号公報、特開平9−29
9991号公報に記載の技術がある。これは、浄水場発
生土に有機物資材を添加することにより、水分含量を約
50%に調整し、有機物分解に伴う発酵温度を50℃以
上に維持することで、マンガン酸化菌が有機物分解に伴
い増殖し、農作物のマンガン過剰障害の原因である2価
のマンガンが無害な4価のマンガンに酸化するため、農
作物のマンガン過剰障害を回避することを特徴としてい
る。しかし、堆積内温度が50℃以上で維持された場
合、得られた浄水場発生土を植物育成用培地として使用
すると、アンモニア過剰を引き起こす場合があった。そ
の理由として、硝酸化成菌の活動は一般的に25〜30
℃で行われ、15℃以下あるいは40℃以上では活動が
著しく抑制され、50℃では全く停止する(土の微生
物;土壌微生物研究会編、博友社;P362〜368;
1981)。このため、堆積内部の温度を50℃に維持
すると、硝酸化成が停止し、アンモニアから硝酸への酸
化が充分に行われないため、堆積内部に過剰のアンモニ
アが蓄積すると予想される。稲以外の農作物の多くは好
硝酸性植物であり、アンモニアが過剰に存在する場合、
アンモニアの過剰吸収、および拮抗作用によるCaおよ
び微量要素等の吸収阻害によって、生育阻害および枯死
にいたる。また、土壌にアンモニアが過剰に存在する状
態で温度が上昇すると、アンモニアがガス化する。アン
モニアガスが植物体内に入ると細胞の酸素を奪うため、
被害は急激であり、被害葉は黒ずんで萎凋する(作物の
要素欠乏過剰症;(社)農山漁村文化協会;P262〜
264、P213;1990)。また、培養土中に過剰
に蓄積したアンモニアは、徐々に硝酸化され、硝酸態窒
素の増加に伴いECが上昇するため、培養土の保存期間
中に化学性が変化し、その培養土を用いて植物を栽培す
ると場合によっては植物が高塩類障害を起こすことか
ら、培養土の品質安定化の面からも好ましくない。
比が上げられ、一般的には、C/N比が約20前後を境
にその性質が異なり、20以下であると、有機物の無機
化が進むが、これ以上であると無機態窒素の有機化が進
む。しかし、これらの堆積発酵特性は含水率、酸素供給
量とも関連しており、浄水場発生土は物理的に土壌に類
似していることから、含水率と気相率の変動が大きく、
一般的な有機物資材と異なる。特開平9−299991
号公報において、浄水場発生土に添加する有機物資材は
バークに特定されているが、C/N比については特に言
及していない。また、バーク等の木質物主体の有機物資
材はC/N比が100〜数100あり、木質系有機物に
多く含まれるリグニン等の難分解性炭素は、かなり高温
下で分解発酵すること、さらに完全に分解発酵させるた
めには、長期間を要する。このため、C/N比の高い有
機物資材を浄水場発生土の堆積発酵に使用する際には、
ある程度分解させるか、窒素肥料を添加することによ
り、C/N比を調整することが望ましい(バーク樹皮堆
肥 製造・利用の理論と実際;博友社;P41〜4
8)。
ウム属菌等の植物病原菌が混入していることがあるた
め、有機物を添加し堆積発酵処理により、堆積内部温度
を50℃以上に維持すると、以下のような問題点があげ
られる。 1. 堆積内部温度を50℃以上に維持した場合、硝酸
化成菌の不活性化によりアンモニアが過剰に蓄積する。 2. 浄水場発生土を堆積発酵させるために有機物を添
加するが、有機物のC/N比が高い場合、または混合後
の堆積物のC/N比が高い場合には、窒素の過剰な有機
化により、植物の生長に必要な無機態窒素が欠乏する。
に有機物資材を添加し堆積発酵させる際、浄水場発生土
と有機物資材との混合物のC/N比が10以上30以下
になるように調整し、且つ堆積内部温度を40℃以上5
0℃未満に維持して、堆積発酵して得られる資材が、植
物育成培地として用いた場合に、ピシウム属菌等の植物
病原菌による植物の病害を防ぎ、アンモニア過剰障害及
び窒素の極端な有機化による植物の窒素欠乏症を防ぐこ
とができるという、新たな知見に基づくものである。従
って、本発明は、浄水場発生土に有機物資材を添加して
得られる混合物のC/N比を10以上30以下に調整
し、次いで該混合物を堆積し、堆積内部の温度を40℃
以上50℃未満に維持して、堆積発酵して得られる植物
育成培地用資材である。
浄水処理過程で発生する沈積泥土を濃縮脱水したもので
ある。本発明で用いる浄水場発生土は無薬注処理法によ
り処理された凝集剤としてポリ塩化アルミニウムや硫酸
アルミニウムを添加し、加圧法により脱水処理したもの
が好ましい。また、本発明で用いる浄水場発生土は、含
水率が30から60重量%、特に40から60重量%に調
整されたものが好ましい。本発明では、浄水場発生土の
堆積開始時に、浄水場発生に有機物資材を添加してその
混合物のC/N比が10以上30以下、好ましくは15
以上25以下になるように調節する。これにより、堆積
発酵終了後に得られる資材のC/N比が安定し、これを
植物育成培地に用いた場合に、植物育成に必要な肥料分
の過剰な有機化による植物の窒素欠乏を抑え、安定的に
植物に肥料を供給することができる。
る有機物資材は、そのC/N比が20以上100以下が
好ましく、特に30以上80以下が好ましい。これに適
合する有機物資材としては、バーク、おが屑、剪定枝チ
ップ等が当てはまる。バーク、おが屑等のように難分解
性炭素を含有し、C/N比が通常100〜数100以上
である有機物資材を使用する場合には、該有機物資材を
窒素源を添加しない状態で、1〜10年の期間堆積さ
せ、C/N比を好ましくは20以上100以下、特に好
ましくは30以上80以下に調整したものが用いられ
る。窒素源を添加しない状態で、1〜10年の期間堆積
することにより、C/N比が20〜100であるバー
ク、おが屑等の有機物資材を得ることができる。これを
浄水場発生土に添加することにより、安定した発酵条件
にすることが可能となる。
添加して得られる混合物を、堆積発酵させる。堆積発酵
は、通常、高さ1.5から3.5m、望ましくは2.5
から3mで、広さ10から1000m2に堆積し、通
常、4週間から30週間程度、好ましくは4から12週
間程度放置することにより、実施される。また、ショベ
ル式発酵槽、うねみぞ式発酵層、横型発酵層などの通常
の装置を利用して実施することもできる。本発明では、
このようにして堆積発酵させる際に、堆積内の温度を、
40℃以上50℃未満に、好ましくは45℃以上48℃
以下維持する。堆積内温度は、例えば、堆積山の表層か
ら50cm程度の深さに熱電対を設置して測定される温
度である。温度を40℃以上50℃未満に維持するに
は、例えば、切り返しを行うことにより達成できる。切
り返しは、通常、2から6週間の間隔で行うのが好まし
い。切り返しを行うことにより、発酵温度の下降及び過
剰な上昇を防ぎ、温度を維持することができる。かくし
て、ピシウム属菌等の植物病原菌による植物の病害を防
ぎ、アンモニア過剰障害及び窒素肥料の極端な有機化に
よる植物の窒素欠乏症を防ぐことができる本発明の植物
育成培地用資材が得られる。本発明の資材は、そのまま
植物育成培地として用いることもでき、また、通常使用
される肥料、土壌改良剤などを添加して、植物育成培地
として利用することもできる。
更に詳細に説明する。 実施例1堆積温度条件の検討 1)方法 本実施例では浄水場発生土の堆積発酵する際、適正な発
酵温度について検討するため、インキュベーターを用
い、異なる温度条件で浄水場発生土を保存し、浄水場発
生土中の植物病原菌密度、浄水場発生土の化学性、植物
育成用培地として用いた場合の品質について調査した。
浄水場より発生した直後の浄水場発生土は、最大容水量
の60%に調整した後、約2リットル容のポリエチレン
袋に約1リットルずつ入れ試料とした。小分けにされた
浄水場発生土は、植物育成用チャンバーに入れ、暗黒条
件下で温度が35、38、41、44、47、49、5
0、53、56、59℃の条件で3ヶ月間保管した。個
々の袋にはあらかじめ植物病原菌であるPythium
aphanidermatumの汚染土をナイロンメ
ッシュシートで包含したものを入れ、処理開始から1ヶ
月後に試料を取り出し菌密度を測定した。また、発酵終
了時の培地について、pH、EC、アンモニア態窒素、
水溶性マンガン含有量を測定した。さらに、植物育成培
地として使用し、ユウガオによる植物検定試験を行っ
た。ユウガオはバーミキュライトを詰めた稲用育苗箱に
播種後、子葉展開時に個々の植物育成用培地に移植し
た。移植後2週間目に生体重、マンガン過剰障害、アン
モニア過剰障害の有無について調査した。植物育成用培
地の組成は浄水場発生土を原土とし、原土:50容量
%、バーク堆肥:30容量%、ピートモス:15容量
%、ココファイバー:5容量%とした。
結果を示した。表1から明らかなように、処理開始から
1ヶ月後において、35、38℃ではかなり高い密度で
ピシウム属菌が検出された。41℃では若干検出された
ものの、44℃以上では検出されなかった。
浄水場発生土の化学性の測定結果を示した。表2から明
らかなように、浄水場発生土の化学性について、pH、
ECには処理区間の差はみられなかった。アンモニア態
窒素は温度が49℃になるまで緩やかに増加し、50℃
以上では急激な上昇がみられた。水溶性マンガン含有量
は35、38℃でかなり高い値となったが、41℃以上
ではほとんど検出されなかった。
果を示した。表3から明らかなように、ユウガオによる
植物検定について、38℃以下、50℃以上で生育が劣
り、50℃以上では温度の上昇に伴い、生体重は減少し
た。マンガン過剰障害は35℃、38℃で著しく、41
℃以上ではみられなかった。アンモニア過剰障害は50
℃以上でみられ、56℃、59℃で著しかった。
ンガンの不溶化のためには約40℃以上の温度が必要で
あるものの、50℃以上では硝酸化成菌の活性が抑制さ
れるため、浄水場発生土にアンモニアが過剰に蓄積し、
植物育成培土として利用した際に植物にアンモニア過剰
障害を引き起こし、生育を停滞させることが明らかとな
った。従って、浄水場発生土を堆積発酵する際の適正な
発酵温度は、40℃以上50℃未満であることが判っ
た。
物資材の添加と堆積温度管理が病原菌密度、浄水場発生
土の化学性、又これを植物育成用培養土として用いた場
合のユウガオの生育に与える影響について検討した。 1)方法 処理は、混合物全体に対する容積比として、浄水場発生
土に有機物資材としてバークを30容量%混合したもの
を二つ設置し、対照区として有機物資材を加えない浄水
場発生土のみのものを、それぞれ全体の容積が50m3
以上になるように堆積した。個々の堆積山には表層から
50cmの深さに熱電対を設置し、発酵温度を測定し、
浄水場発生土と有機物資材の混合物について、一つは堆
積内部温度が50℃になる前にショベルローダーにより
切り返し作業を行い(40〜50℃管理区)、もう片方
は切り返し作業は行わなかった(放任区)。また、対照
区も切り返し作業を行わなかった。調査は堆積内部の発
酵温度を経時的に調査し、また、植物病原菌であるPy
thium aphanidermatumの汚染土
(5200cfu/g乾土)をナイロンメッシュシート
で包含し、個々の堆積内部の表層から50cmの深さに
埋設し、堆積2週間後に埋設したピシウム属菌の菌密度
を測定した。また、発酵終了後の培地について、硝酸態
窒素、アンモニア態窒素、水溶性マンガン含有量を測定
した。また、試験終了後の浄水場発生土を主体とした植
物育成用培地を作成し、ユウガオを用いた植物検定試験
を行った。植物育成用培地の組成は浄水場発生土を原土
として、原土:50容量%、バーク堆肥:30容量%、
ピートモス:15容量%、ココファイバー:5容量%で
実施した。
た。表4から明らかなように、堆積内部温度について、
40〜50℃管理区は堆積期間中40℃以上50℃未満
を推移し、放任区は堆積1週間目までに急激な温度上昇
がみられ、堆積から6週間目までは50〜60℃を推移
した。対照区はほとんど温度が高まらず、30℃前後を
推移した。
菌密度を測定した結果を示した。表5から明らかなよう
に、堆積開始から2週間目に埋設したピシウム属菌を掘
り出し、菌密度を調査したところ、放任区、40〜50
℃管理区では検出されず、対照区では高い菌密度であっ
た。
の化学性を調べた結果を示した。表6の結果から明らか
なように、pHは放任区>40〜50℃管理区>対照区
であり、ECは対照区>放任区>40〜50℃管理区で
あった。アンモニア態窒素含有量は放任区>対照区>4
0〜50℃管理区となり、40〜50℃で管理区が最も
低い値となった。水溶性マンガンは、対照区のみ522
mg/kgと高い値となった。
とした植物育成用培地を作成し、ユウガオを用い植物検
定試験を行った結果を示した。表7の結果から明らかな
とおり、放任区、対照区では発芽2週間後の苗の生育に
停滞がみられ、葉色の褐変、萎縮症状等のアンモニア過
剰障害がみられたが、40〜50℃管理区では順調に生
育し、アンモニア過剰障害もみられなかった。また、対
照区ではマンガン過剰症がみられたが、40〜50℃管
理区、放任区ではみられなかった。
て利用する浄水場発生土は、有機物資材を添加し、堆積
発酵させる際、堆積内部の温度を40℃以上50℃未満
に維持し、切り返し作業をして管理することが望ましい
ことが判った。
って左右されることから、浄水場発生土に添加する有機
物資材の混合割合を変えることにより、適正なC/N比
について検討した。 1) 方法 含水率50重量%に調整された浄水場発生土に、バーク
堆肥を混合物全体の容積比として、0、10、20、3
0、40、50容量%混合し、それぞれについて全体の
容積が50m3以上になるように堆積した。使用したバ
ーク堆肥は鶏糞等の窒素肥料を添加せず、約5年間野積
みした広葉樹と針葉樹のバーク混合品とした。堆積後の
管理は堆積内部温度が40℃以上50℃未満になるよう
に、50℃になる前にショベルローダーにより切り返し
作業を行った。調査は発酵終了時に、個々の処理区の浄
水場発生土のpH、EC、無機態窒素含有量を測定し、
さらに浄水場発生土を主体とした植物育成用培地を作成
し、ユウガオを用いた植物検定試験を行った。植物育成
用培地の組成は浄水場発生土を原土として、原土:50
容量%、バーク堆肥:30容量%、ピートモス:15容
量%、ココファイバー:5容量%とした。
8から明らかなように、C/N比はバークの混合割合が
増すに従い高まった。
測定結果を示した。表9の結果から明らかなように、堆
積後にはEC、バークの混合割合が増すに従い低下し、
混合割合が50%では無機態窒素含有量は0mg/kg乾土
であった。
行った結果を示した。表10の結果から明らかなよう
に、バーク混合割合20、30容量%区の生育が最もよ
く、50容量%区では生体重が小さく、葉色が薄く、子
葉は黄化した。0容量%区は葉色が濃く、生育が停滞
し、一部に葉の褐変等のマンガン過剰障害がみられた。
物を混合し堆積発酵させる場合、堆積時における混合物
のC/N比が10以上30以下になるように混合割合を
調節する事が望ましいことが判った。
検討 本実施例ではバークやおが屑等のC/N比の高い有機物
資材が堆積期間、堆積発酵方法等によって化学的な性状
が大きく異なることから、浄水場発生土の堆積発酵に好
適な有機物資材の性状について調査した。 1) 方法 供試したバークの前歴、C/N比等は表11に示した通
りであり、個々の処理区のバークと浄水場発生土を混合
し、全体の容積が50m3以上となるように堆積した。
浄水場発生土に対するバークの混合割合は、混合時のC
/N比が20〜30になるように調節した。切り返し作
業はすべての処理区で40〜50℃になるように管理し
た。調査は堆積表面から50cmの深さに熱電対を設置
し、経時的な温度データを測定した。植物病原菌である
Pythium aphanidermatumの汚染
土をナイロンメッシュシートで包含し、個々の堆積内部
の表層から50cmの深さに埋設し、堆積2週間後に埋
設した培養土を掘り出し、ピシウム属菌属の菌密度を測
定した。また、試験終了後の浄水場発生土について、p
H、EC、無機態窒素含有量と水溶性マンガン含有量を
調査した。また、浄水場発生土を主体とした植物育成用
培養土を作成し、ユウガオによる植物検定を行った。培
養土の組成は浄水場発生土を原土とし、原土:50容量
%、バーク堆肥:30容量%、ピートモス:15容量
%、ココピート:5容量%とした。
結果を示した。表12に示した結果から、堆積内部温度
はバーク(6)を除いたすべての区で温度上昇がみられ
た。
ム属菌菌密度の測定結果を示した。表13の結果から明
らかように、バーク(6)を除いて検出されなかったが、
バーク(6)では高い値となった。
た結果を示した。表14の結果から明らかなように、p
Hはバーク(6)が他区に比べ低く、その他は6.0〜
6.5とほぼ適正であった。また、ECはバーク(1)で
0.1と低く、バークのC/N比の低下とともに上昇
し、バーク(6)では2.0と最も高い値となった。無機
態窒素もECとほぼ同様の傾向を示した。また、水溶性
マンガン含有量はバーク(1)、(2)では検出されなかった
のに対し、バーク中のC/N比の低下とともに増加し、
バーク(6)では顕著に高い値となった。
果について示した。表15の結果から明らかなように、
播種後2週間目の生体重はバーク(2)、(3)、(4)、(5)
が、バーク(1)、(6)に比べ高く、中でも(3)、(4)が最も
高かった。また、バーク(6)では葉縁の褐変等のマンガ
ン過剰障害がみられ、バーク(1)では子葉が黄化し、生
育が著しく抑制されるなどの窒素欠乏症状がみられた。
堆積発酵させるとともに、植物育成用培養土として使用
した場合、植物に窒素欠乏症、マンガン過剰症等が生じ
ることなく、肥沃度の安定した浄水場発生土を得るため
に、堆積発酵の際、浄水場発生土に添加する有機物資材
が窒素を添加しない状態で、1〜10年、より好ましく
は5〜10年の期間堆積され、C/N比が20以上10
0以下、好ましくは30以上80以下に調整されている
ことが望ましいことが判った。
添加して得られる混合物を堆積させたとき、内部温度を
40℃以上50℃未満で管理することにより、微生物に
よる有機物分解を維持しつつ、ピシウム属菌等の植物病
原菌及び雑草種子を死滅させ、さらに、植物育成培地用
資材として利用した場合、植物のアンモニア過剰症が回
避でき、また、微生物の窒素消費による植物の窒素欠乏
を回避することができる。さらに本発明では、浄水場発
生土に有機物資材を添加して得られる混合物のC/N比
を10以上30以下に管理することで、堆積発酵終了後
のC/N比が安定し、植物育成に必要な肥料分の過剰な
有機化による植物の窒素欠乏を抑え、安定的に植物に肥
料を供給することができる。
Claims (5)
- 【請求項1】 浄水場発生土に有機物資材を添加して得
られる混合物のC/N比を10以上30以下に調整し、
次いで該混合物を堆積し、堆積内部の温度を40℃以上
50℃未満に維持して、堆積発酵して得られる植物育成
培地用資材。 - 【請求項2】 添加する有機物資材は、C/N比が20
以上100以下である請求項1の植物育成培地用資材。 - 【請求項3】 添加する有機物資材が、窒素源を添加し
ないで1から10年間堆積したバーク、おが屑及び剪定
枝チップから選ばれる木質系資材である請求項1または
2の植物育成培地用資材。 - 【請求項4】 浄水場発生土に有機物資材を添加して得
られる混合物を堆積発酵させる際に、切り返しを行う請
求項1から3のいずれかの植物育成培地用資材。 - 【請求項5】 植物育成培地用に用いた場合に、植物病
原菌障害、植物のアンモニア過剰症及び/又は窒素欠乏
症が軽減される請求項1から4のいずれかの植物育成培
地用資材。
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JP2012031007A (ja) * | 2010-07-30 | 2012-02-16 | Sumitomo Forestry Co Ltd | バーク堆肥の効率的製造方法 |
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JP2000041479A (ja) * | 1998-08-04 | 2000-02-15 | Hokuriku Regional Constr Bureau Ministry Of Constr | 脱水ケーキの処理法とこれによって得られた植生資材 |
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2000
- 2000-06-30 JP JP2000198745A patent/JP4532683B2/ja not_active Expired - Fee Related
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