JPH067029A - 植物生育用資材とその製造法 - Google Patents
植物生育用資材とその製造法Info
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Abstract
を乱さず、育苗用培地やその移植用本田又は直植え専用
床として半永久的に使える植物生育用資材を提供する。 【構成】薬用草木やバーク、落葉、その他の各種植物繊
維から肥料成分を殆んど抽出し去った残渣物(A)と、
その残渣物(A)の含水率を低く調整作用すべき、籾殻
やオガ屑、粉砕バーク、ピートモス、その他の透水性及
び通気性に富む粒状有機物(B)とを混ぜ合わせて、約
40〜60℃に醗酵堆肥化すると共に、その醗酵作用の
持続する半熟状態において、包装製品化する。
Description
苗用培地を初め、その移植用本田又は直植え専用床など
としても有益な植物生育用資材と、その製造法に関す
る。
用育苗培土の各種製品が市販されているが、その何れも
植物の生育にとって、土が不可欠であると云う一般的な
考え方に基き、その土を主原料として、これにチツソや
ケイカル、リン酸、苦土、その他の化学肥料を混入させ
ている。
して、ピートモスを混入させた育苗培土でも、全く同様
の考え方に依拠している。又、製品としての軽量化を図
るため、土に代るバーミキユライトを使用した育苗培土
も見受けられるが、これでも上記化学肥料を混入させて
いることに変りはない。つまり、有機物資材のみから成
る育苗培土は、未だ市販されていない現状である。
生育用有機肥料としては、言うまでもなく堆肥が公知で
あるが、その現状では微生物による醗酵作用を促進さ
せ、腐敗してしまうことを防ぐために、消石灰や醗酵
剤、醗酵菌、硫安、化学肥料などを混入させたり、炭素
率(C/N比)を最適な約30〜40に調整すべく、そ
のチツソ資材として下水道の汚泥や動物の糞尿などを混
入させたり、更に含水率を最適な約50〜60%に保持
すべく、オガ屑や籾殻、粉砕バークなどの植物又は/及
びバーミキユライトや粉末ゼオライトなどの鉱物を混入
させたりして、その何れにしても醗酵熱−約60〜80
℃に完熟させている通例である。
育苗培土はあくまでも非金属鉱物の土を主原料としてい
るため、輸送や取扱い上重く、不便であることは勿論、
土壌としての品質安定性や物理性に劣る。その物理性を
改善するためには、例えばピートモスの混入やその他の
人工的なコントロールによって、透水性や通気性を向上
させなければならない。
その土に植物の肥料成分を与えるものであるため、その
成分の過多による茎の徒長や、逆な過少による肥料切れ
を起しやすく、前者の抑制が困難であると共に、後者の
追肥も非常に煩らわしく、その投入時期と量を誤ること
になる。
い、稲籾枯細菌病の原因になる関係上、育苗培土として
は炭化しない限り、そのままでは使用しないことが一般
常識とされている。
育用の肥料として考えられており、そのため肥料成分の
高い上記チツソ資材を混入したり、又有害菌を死滅させ
るべく、ガス消毒したり、或いは化学肥料を多く混入さ
せたりする結果、微生物における生息体系のバランスを
崩し、却って肥料切れを起しやすくなる。
奪い、低温化させるものと考えられており、そのためこ
のような資材を使用せず、上記チツソ資材や醗酵剤、醗
酵菌などを混入して、その醗酵作用を促進させている
が、その炭素率(C/N比)の調整も著しく困難であ
る。
℃と高く、そのため完熟に至る所要時間が長くなり、多
大の労力も要する。又、植物の高温障害を起す心配があ
るため、育苗培土として用いられていないことは勿論、
本田への追肥としても完熟状態で使用されている。その
結果、微生物の長期に亘る活発な働きを期待することが
できない。
の抜本的な解決を企図しており、そのために植物生育用
資材として、薬用草木やバーク、落葉、その他の各種植
物繊維から肥料成分を殆んど抽出し去った残渣物と、そ
の残渣物の含水率を低く調整作用すべき、籾殻やオガ
屑、粉砕バーク、ピートモス、その他の透水性及び通気
性に富む粒状有機物とを混ぜ合わせて、約40〜60℃
に醗酵堆肥化すると共に、その醗酵作用の持続する半熟
状態において、包装製品化したことを特徴とする。
草木やバーク、落葉、その他の各種植物繊維から肥料成
分を殆んど抽出し去った残渣物と、その残渣物の含水率
を低く調整作用すべき、籾殻やオガ屑、粉砕バーク、ピ
ートモス、その他の透水性及び通気性に富む粒状有機物
とを混ぜ合わせて、約40〜60℃に醗酵堆肥化するこ
とを特徴とし、
その他の各種植物繊維から肥料成分を殆んど抽出し去っ
た残渣物と、その残渣物の含水率を低く調整作用すべ
き、籾殻やオガ屑、粉砕バーク、ピートモス、その他の
透水性及び通気性に富む粒状有機物とを混ぜ合わせて、
約40〜60℃に醗酵堆肥化すると共に、その醗酵作用
過程での無機質化などに起因する体積減少分量だけ上記
粒状有機物、若しくはパーライトや吸水性ポリマー、そ
の他の粒状無機物、又はバーミキユライトやゼオライ
ト、その他の粒状非金属鉱物を補充することを特徴とす
るものである。
原料がすべて土壌微生物の食料となる有機物であり、し
かもその微生物の活動上最適な住居となる団粒構造に堆
肥化されているため、従来のように土を主原料として、
これに高成分の化学肥料や有害菌の殺菌用薬品などを混
入させる方法に比し、その土壌微生物の食物連鎖又は生
息体系のバランスを乱すおそれがなく、その豊富な根圏
微生物相の造成により、発根力が強く、活着が良い最高
の植物生育状態を得ることができる。
物が、微生物の食料になると雖も、これらは植物の肥料
成分が殆んど無く、その土壌としての化学性が極めて低
く抑えられているため、従来のような肥料切れや肥焼け
を起すことがなく、却って植物を病気や冷害などに対す
る防禦機能の高い頑強な健康体に生育させることができ
るのである。
住環境とを整備して、その微生物を活発に働かしさえす
れば、醗酵作用が自づと適正に営なまれるため、従来の
ようにチツソ資材として、下水道の汚泥や家畜の糞尿、
醗酵剤などを投入することにより、炭素率(C/N比)
を人工的に調整する必要がなく、その意味から本発明の
植物生育用資材を容易に製造することができる。
に低く保たれ、そのため植物移植用本田や直植え専用床
へ、その追肥用として使う場合にはもとより、その育苗
用培土として使うも、種子焼けなどの高温障害を招来す
るおそれがない。
れも軽く、しかも産業廃棄物として安く大量に入手でき
るため、植物生育用資材の製造コストダウンを図れるほ
か、その混ぜ合わせ上の調整や運搬、管理なども極めて
容易に行なえる。
その醗酵作用過程での無機質化などによって、植物生育
用資材としての体積が経時的に減少することになる。こ
の点、本発明ではその減少した分量だけ上記粒状有機
物、若しくはパーライトや吸水性ポリマーなどの粒状無
機物、又はバーミキユライトやゼオライトなどの粒状非
金属鉱物を補充するようになっており、そうすれば土壌
微生物が依然として活動を持続し、その醗酵作用の進行
常態に保たれるため、本発明の植物生育用資材を半永久
的に使用することができる。
物は、全国どこでも容易・安価に入手できるほか、すべ
て軽量であるため、これを補充したとしても、依然とし
て輸送や取扱い上の便利さを維持でき、又粒状物である
ため、上記微生物の住環境に係る団粒構造を少しも阻害
するおそれがない。
と、その植物生育用資材の製造に当り、本発明では図1
のように、雑草やバーク、落葉、その他の多種多様な植
物繊維から肥料成分を殆んど抽出し去った残渣物(A)
と、籾殻やオガ屑、ピートモス、その他の粒状有機物
(B)とを用い、その植物繊維の残渣物(A)と粒状有
機物(B)とを混ぜ合わせて、醗酵熱−約40〜60℃
に堆積醗酵させるのである。
切使用しておらず、植物にとっての化学肥料やその他の
肥料成分も実質上皆無であり、土壌の化学性を不要化し
ている。又、醗酵作用についてもこれを促進すべき炭素
率(C/N比)の調整が全く不要であり、醗酵剤や醗酵
菌、その他の薬品も一切混入していない点に特徴があ
る。
枯死してしまい、微生物も吸着しないと考えられてお
り、そのために少しでも肥料成分の高い資材が投与され
ている通例であるが、これではその肥料成分の調整や投
与の時期・量を定めることが難しく、その管理を誤ると
植物の生育上、却って肥料切れや肥焼けの状態を惹起す
る結果となる。
わば肥満児に相当し、運動不足や病気しやすい身体を作
ることとなる。植物の根についても、動かずに食餌でき
るとすれば、その毛根を伸ばそうとせず、表皮細胞の薄
い軟弱・過保護な生育状態になるわけである。
はこれを植物にとっての有害菌と有益菌や、好気性と嫌
気性に各々区別し、その有害菌や嫌気性微生物を殺した
り、或いは無菌状態に保つため、ガス消毒や薬品の投与
を行なっている。
におけるバランスを人工的に乱してしまい、却って植物
の生育に悪影響を及ぼし、半永久的な効果を期待でき
ず、病気や冷害に対して防禦機能のない植物を生育する
に至るのである。
率のほか、炭素率(C/N比)が重視されており、その
炭素含有率−約30〜40に調整しなければ、腐敗を招
くと考えられており、そのために下水道の汚泥や動物の
糞尿、その他のチツソ資材を投入し、その高い醗酵熱−
約60〜80℃の堆肥として製造されている。
葉や昆虫の糞・死骸、その他の多種多様な有機物の風化
であり、又醗酵作用とは土壌微生物の活発な生存状態を
意味し、その微生物の生活上上記糞や死骸などの発生す
ることは当然であるとの考え方に立脚して、土壌そのも
のを各種微生物の住居と食料から形作り、これを提供す
ることによって、微生物の食物連鎖又は生息体系のバラ
ンスを常時最良の状態に保つため、土を一切使わず、そ
の代りを各種植物繊維の残渣物(A)に担わせている。
仮定した場合、人間は利己的な考え方に基き、これを殺
そうとして、薬剤を散布する。そうすると、蛙は全滅す
るが、その蛙の食料であった昆虫が大発生し、或いは蛙
を食料とした蛇や、更に蛇を食料とした鼬や鷲などの生
存も左右され、その生息体系のバランスが崩れることに
なる。
るが、このことは土壌中の肉眼に見えない微生物の世界
でも同様であり、人工的な化学肥料や薬品などの投与に
よって、惹き起されることに変りがない。従来のよう
に、微生物を好気性と嫌気性や、有害菌と有益菌に各々
区別し、その有害菌などの死滅を図ることこそ、人間本
意の利己主義であり、微生物の食物連鎖又は生息体系の
バランスを悪化する。醗酵作用もこれ抜きには語れな
い。
N比)の調整が不可欠であり、そのために上記肥料成分
の高い各種チツソ資材を混入させているが、上記考え方
から各種微生物の生活に最良の住居と食料さえ用意すれ
ば、醗酵作用は自づと適正に、且つ半永久的に持続され
ることになる。
の残渣物(A)が、あらゆる土壌微生物の住居と食料を
提供しているのである。その意味から、食料にならない
非金属鉱物の土を使用せず、その微生物が食餌しやすい
植物繊維有機物として、雑草や粉砕バーク、落葉、その
他の多種多様物を広く採集使用している。
どの製薬メーカーから産業廃棄物として、多量に排出さ
れる薬用の草木を初め、ビールやコーヒー、酒、その他
の食品製造メーカーからやはり廃棄物として、多量に排
出される食品原料の草木が、最も効果的であると言え
る。
いて、その草木がエキスの抽出上粉砕され、もはや原形
をとどめず、肥料成分も殆んどない植物繊維のみになっ
ているため、植物生育用資材の素として非常に使いやす
く、又多種多様な微生物の食料となる養分も広く含まれ
ているからである。
として醗酵堆肥化する場合、隙間のない堆積状態になる
ため、保水力と保温性に優れる一方、透水性と通気性並
びに緩衝性がない。その結果、腐熱しやすく、醗酵作用
の促進に役立つ。
肥化する際の取扱いや輸送上便利であり、更に産業廃棄
物として、これを安価に且つ大量に入手することが容易
であって、植物生育用資材の製造コストダウンも図れる
からである。
植物繊維の残渣物(A)は、肥料成分を殆んど含有せ
ず、土壌としての化学性が不要化されている結果、植物
は食料を求めて、その根を積極的に伸ばさざるを得ず、
効果的な根張り状態を得られると共に、あたかも原始人
のように頑強な健康体として生育することになる。
物の住居と看做した場合、その通気性と透水性、緩衝性
がないことは、土壌としての物理性に劣り、微生物を活
発に運動させることができない。これでは、やはり醗酵
作用も円滑に営まれないこととなる。
富む籾殻やオガ屑、粉砕バーク、ピートモス、その他の
粒状有機物(B)を混入させ、これによって上記植物繊
維残渣物(A)の含水率を低下させるのである。これら
は上記残渣物(A)に比して、腐熱し難いと雖も、やは
り有機物であるため、微生物の食料となり得る。しか
も、粒状物であるため、植物生育用資材の全体を団粒構
造化することとなり、その結果微生物を永く活発に働か
せることができ、延いては醗酵作用の持続にも役立つの
である。
性の籾殻が最も効果的であり、これをそのままで又は適
当に粉砕して使用することが好ましい。
肥料成分がなく、そのため従来から育苗培土としてはも
とより、本田への追肥用としても使われていないが、そ
の植物の肥料成分がないからこそ、上記したように植物
の活力的な根張りと、頑強な健康体としての生育状態を
得られるのである。
り、腐熱し難いため、その透水性や通気性、緩衝性に富
むこととも相俟って、又微生物が速やかに食餌し難いこ
ととも相俟って、上記団粒構造を半永久的に保持するこ
とができる。
水力が殆んどないため、上記保水力の高い植物繊維残渣
物(A)の含水率を低下させるべき、効果的な調整材と
して働くことになり、醗酵作用を適正に行なわせること
ができるのである。
様に、大変軽量であるため、輸送や取扱い上やはり便利
であり、更に日本での主食品として、しかも廃棄されて
いる現状であるため、その大量を容易に且つ安価に入手
することができ、植物生育資材の量産効果を最大限に期
待し得るからである。
物(A)と粒状有機物(B)は、その土壌の物理性につ
いて相反する関係の性質を有し、それにも拘らず何れも
有機物として、植物の肥料成分が殆んどない点では、相
共通する。
(B)とを混ぜ合わせるに当たっては、その粒状有機物
(B)を約40〜70%とし、残部を植物繊維の残渣物
(A)とする体積比率のもとに混ぜ合わせ、戸外(田
畑)や室内、バツグ内において約40〜60℃に醗酵堆
肥化するのである。
記数値のみならず、資材全体を100%と仮定した場合
にその粒状有機物(B)を約40%、上記残渣物(A)
を約60%とする比率から、同じく粒状有機物(B)を
約90%、残渣物(A)を約10%とする比率までの許
容範囲において、自由に調整することができる。
用する時には、これを多量に混入すればする程、資材の
全体的なチツソ成分が奪われるので、これを残渣物
(A)の含有するチツソ成分などとの関係において、そ
の籾殻の混入比率を適当に選定すれば良い。何れにして
も、その混入比率の選定によって、上記団粒構造を自由
自在に調整管理することができ、その意味からも本発明
の植物生育用資材を簡便に製造し得ることとなる。
熱が上記の約40〜60℃として、相当に低く維持され
ている。上記のように本発明の場合、醗酵作用が微生物
の活力的な生存そのものを意味するとの考え方に立脚
し、その炭素率(C/N比)を調整すべきチツソ資材と
して、従来のように下水道の汚泥や動物の糞尿などを一
切混入しておらず、上記植物繊維の残渣物(A)と粒状
有機物(B)とを使用しているに過ぎないため、又それ
にも拘らず微生物の働きやすい環境が造成されているた
め、上記低い醗酵熱のもとに醗酵作用させることができ
るのであり、このことも本発明の特徴をなす。
培土して使うも、その種子の焼けてしまうおそれなく、
又移植用本田や直植え専用床へ追肥するも、その植物の
高温障害などを起すおそれがない。
が良く、腐熱し難い硬質な籾殻などは、醗酵熱を奪い去
り、低温化させるものと考えられているため、その長時
間と多大の労力によって完熟状態に至るまで醗酵させて
いる。
物の活動終了に近く、未熟は言わばその前工程であっ
て、何れも微生物の活力に劣るため、その最も腐熟醗酵
しやすい植物繊維の残渣物(A)と、これと全く逆な性
質の粒状有機物(B)とを混ぜ合わせて、堆積醗酵させ
ることにより、その低い醗酵熱−約40〜60℃の半熟
状態に保っている。このことは、実際上適宜の時期に堆
肥を切り返し操作することにより、実施可能でもある。
2のように一定単位量づつビニールやその他の包装袋
(C)へ充填し、製品として出荷するのである。(1)
はその包装袋(C)の通気孔を示している。
として、未だ微生物の活動による醗酵作用過程にあり、
そのため上記植物繊維の残渣物(A)や粒状有機物
(B)が無機質化されることになり、又製品全体の重量
や圧力なども作用するので、図3のようにその体積が徐
々に減少する。その体積減少比率は、約6ケ月の経過に
よって、約10〜20%である。
殻やオガ屑、粉砕バーク、ピートモスなどの粒状有機物
(B)を補充するのである。そうすれば、休眠状態にあ
る微生物が再度活動し、その醗酵作用が持続することに
なるため、本発明の植物生育用資材を半永久的に使用す
ることができる。その増量材としてもありふれているた
め、上記製品を購入したデイーラーやユーザーにおい
て、自由自在に補充することができることになる。
イトや吸水ポリマー、その他の粒状無機物又はバーミキ
ユライトやゼオライト、その他の粒状非金属鉱物を増量
材とし、これを約50%の体積比率を最大限度として、
上記と同様に補充してもさしつかえない。
%の体積比率のもとに使用するも、その粒状物であるこ
とに変りがないため、微生物の活動に有効な住居として
の団粒構造を維持することができ、その微生物の食料を
上記植物繊維の残渣物(A)から得られるので、微生物
は支障なく働き、醗酵作用を営なむことになるからであ
る。そして、その増量材の何れも土ではなく、従って上
記した輸送や取扱い上の軽量さも達成できるのである。
各種薬用草木の残渣物(A)と、粒状有機物(B)とし
ての籾殻とを約50%づつの体積比率に混ぜ合わせ、醗
酵堆肥化した植物生育用資材を本発明者が三重県農業技
術センターに搬入し、その成分の分析試験を受けた結果
は表1に示す通りである。又、上記残渣物(A)につい
てのみ、その植物に対する肥料成分の分析試験を受けた
結果は、表2に示す通りである。
素が籾殻の成分であり、その余のすべてが残渣物(A)
の成分をなすが、その残渣物(A)の成分中炭素や粗脂
肪、粗繊維が微生物の有効な食料になっていると考えら
れる。
ことに役立ち、透水係数や最大容水量、容積重の高い数
値は、土壌としての優れた物理性を意味し、微生物の生
活上有効な団粒構造に維持されていることが明らかであ
る。
に、その粒状物における大小混合状態の良好さは、土壌
としての団粒構造化に寄与しているものと評価され、そ
の全体として多種多様な微生物の生活上、最高の住環境
が形作られている。
値を比較すると、籾殻の混入によって植物の肥料成分が
相当奪われていることが明らかであり、その土壌として
の化学性が低く抑制されている結果、頑強な植物の生育
に役立っていると考えられる。
生育用資材を用いて、各種植物を栽培した結果、次の評
価を得ることができた。 (1) 従来のバーミキユライトを使った専用床土に播
種したブロツコリーの苗は、45日間経過するや肥料切
れを起したが、本発明の植物生育用資材を培土として使
った場合、その苗は180日間経過するも、肥料切れや
その他の異常を生じなかった。 (2) 従来の水稲育苗床土では、根の密集繁茂したマ
ツトが完成するまでに、20〜25日間を要し、その2
5日以降になると、徒長や肥料切れを起したため、植付
けに対応できる期間は僅か5日間である。これに反し
て、本発明の植物生育用資材を水稲育苗床土として使っ
た場合、そのマツト完成までの所要期間が10〜13日
に短縮され、約50日間は徒長や肥料切れを起さない結
果、上記植付け対応期間が約40日間の延長となった。 (3) 従来の水稲育苗床土では、25日間経過する
と、苗葉が黄色化し、床土が腐敗すると共に、根が赤く
変色し始めたが、本発明の植物生育用資材を水稲苗床土
として使った場合、その25日間経過するも、葉色が全
く変化せず、根は白く、床土に腐敗などの変化も起らな
かった。 (4) 従来の水稲育苗法では、育苗箱にて浸種→発芽
→播種を行なって後、その育苗箱を出芽器の内部に移し
入れ、その暗室下において箱積みし、約30℃に加温す
ることにより出芽させると共に、引続き光の受け入れ可
能なシート内へ棚積みし、約25℃に加温することによ
り緑化させ、最後にその育苗箱を上記出芽器からビニー
ルハウスへ移し入れ、その平置き状態のもとに硬化させ
ている。つまり、上記箱積み出芽の設定温度(30℃)
と、棚積み緑化の設定温度(25℃)は、何れもサーモ
スタツトの使用による出芽器の室内温度を意味し、その
ため比較的に高い数値である。 (5) これに反して、本発明の植物生育用資材を使っ
て水稲育苗する場合、上記設定温度を約20〜22℃に
低下させることができた。その理由としては、植物生育
用資材の原料自身が保温力に富むほか、醗酵熱−約40
〜60℃の未完熟な醗酵作用を持続しているからである
と考えられ、その意味から出芽器における室内温度の変
化に左右されず、又光熱費を著しく低減できるほか、有
機米と同様な有機苗として、その販売上の付加価値も与
えることができる。 (6) 又、上記と同じ理由によって、従来のような出
芽器内での強制的な出芽や強制的な緑化を行なう必要が
なく、上記播種後の育苗箱をそのまま直接にビニールハ
ウスへ移し入れて、そのビニールハウス内において箱積
み出芽させた後、その育苗箱の平置き状態において緑化
と硬化を行なわせることもできる。ビニールハウス内で
の自然に近い条件のもとで、出芽と緑化を行なわせるこ
とができる結果、更に一層丈夫な健苗を得られるほか、
育苗箱の移し入れ回数を1回省略できるので、労務管理
費の節減にもなる。 (7) そして、その同じ育苗箱を用いた条件のもと
で、本発明の植物生育用資材を用いた上記育苗法と、従
来の育苗法とを比較した場合、その育苗床土としての使
用量と収穫箱数の関係は次の通りであった。つまり、従
来の育苗法ではその育苗床土の18〜20Kg(小袋重
量)を使って収穫できた箱数が5〜7箱であり、同じく
育苗床土の800〜950Kg(大袋重量)を使って収
穫できた箱数が250〜300箱であったに対し、本発
明の上記育苗法ではその植物生育用資材の10〜13K
g(小袋重量)を使うことにより収穫できた箱数が7〜
9箱であり、同じく資材の450〜600Kg(大袋重
量)を使うことにより収穫できた箱数が380〜450
箱であった。
では、その構成上薬用草木やバーク、落葉、その他の各
種植物繊維から肥料成分を殆んど抽出し去った残渣物
(A)と、その残渣物(A)の含水率を低く調整作用す
べき、籾殻やオガ屑、粉砕バーク、ピートモス、その他
の透水性及び通気性に富む粒状有機物(B)とを混ぜ合
わせて、約40〜60℃に醗酵堆肥化すると共に、その
醗酵作用の持続する半熟状態において、包装製品化して
あるため、冒頭に述べた従来技術の課題を悉く改良でき
る効果がある。
育用資材の原料がすべて土壌微生物の食料となる有機物
であり、しかもその微生物の活動上最適な住居となる団
粒構造に堆肥化されているため、従来のように土を主原
料として、これに高成分の化学肥料や有害菌の殺菌用薬
品などを混入させる方法に比し、その土壌微生物の食物
連鎖又は生息体系のバランスを乱すおそれがなく、その
豊富な根圏微生物相の造成により、発根力が強く、活着
が良い最高の植物生育状態を得ることができる。
が、微生物の食料になると雖も、これらは植物の肥料成
分が殆んど無く、その土壌としての化学性が極めて低く
抑えられているため、従来のような肥料切れや肥焼けを
起すことがなく、却って植物を病気や冷害などに対する
防禦機能の高い頑強な健康体に生育させ得る効果があ
る。
住環境とを整備して、その微生物を活発に働かしさえす
れば、醗酵作用が自づと適正に営なまれるため、従来の
ようにチツソ資材として、下水道の汚泥や家畜の糞尿、
醗酵剤などを投入することにより、炭素率(C/N比)
を人工的に調整する必要がなく、又半熟状態として醗酵
作用の常時進行中にあるため、その効果を半永久的に期
待できる効果もある。
に低く保たれ、そのため植物移植用本田や直植え専用床
へ、その追肥用として使う場合にはもとより、その育苗
用培土として使うも、種子焼けなどの高温障害を招来す
るおそれがない。
木やバーク、落葉、その他の各種植物繊維から肥料成分
を殆んど抽出し去った残渣物(A)と、その残渣物
(A)の含水率を低く調整作用すべき、籾殻やオガ屑、
粉砕バーク、ピートモス、その他の透水性及び通気性に
富む粒状有機物(B)とを混ぜ合わせて、約40〜60
℃に醗酵堆肥化するようになっているため、その各種植
物繊維残渣物(A)と粒状有機物(B)が何れも軽量で
あり、安く大量に入手できることとも相俟って、本発明
における植物生育用資材の量産効果を最大限に発揮させ
得るほか、その混ぜ合わせ比率の調整なども極めて容易
に行なえる効果があり、その製造や管理上特別の熟練を
要することもない。
活動中に維持されているため、その製品の体積は経時的
に減少することになるが、この点本発明では請求項3に
記載の通り、その減少した分量だけ上記粒状有機物
(B)、若しくはパーライトや吸水性ポリマーなどの粒
状無機物、又はバーミキユライトやゼオライトなどの粒
状非金属鉱物を増量材として、補充するようになってい
るため、その補充により微生物の活動も半永久的に持続
させることができるのである。
物は、全国どこでも容易・安価に入手できるほか、すべ
て軽量であるため、これを補充したとしても、依然とし
て輸送や取扱い上の便利さを維持でき、又粒状物である
ため、上記微生物の住環境に係る団粒構造を少しも阻害
するおそれがない。
屑などの粒状有機物(B)を約40〜70%とし、残部
を多種多様な薬用草木の残渣物(A)とする体積比率の
もとに混ぜ合わせて、約40〜60℃に醗酵堆肥化する
ならば、上記実施例の説明から明白なように、移植用本
田や直植え専用土の追肥としてはもとより、水稲や野菜
の培地としても最適な生育用資材を得ることができ、又
戸外(田畑)にて上記体積比率を簡単に調整し得るの
で、著しく実益大であると言える。
す説明図である。
る。
面図である。
Claims (4)
- 【請求項1】薬用草木やバーク、落葉、その他の各種植
物繊維から肥料成分を殆んど抽出し去った残渣物(A)
と、その残渣物(A)の含水率を低く調整作用すべき、
籾殻やオガ屑、粉砕バーク、ピートモス、その他の透水
性及び通気性に富む粒状有機物(B)とを混ぜ合わせ
て、約40〜60℃に醗酵堆肥化すると共に、 その醗酵作用の持続する半熟状態において、包装製品化
したことを特徴とする植物生育用資材。 - 【請求項2】薬用草木やバーク、落葉、その他の各種植
物繊維から肥料成分を殆んど抽出し去った残渣物(A)
と、その残渣物(A)の含水率を低く調整作用すべき、
籾殻やオガ屑、粉砕バーク、ピートモス、その他の透水
性及び通気性に富む粒状有機物(B)とを混ぜ合わせ
て、約40〜60℃に醗酵堆肥化することを特徴とする
植物生育用資材の製造法。 - 【請求項3】薬用草木やバーク、落葉、その他の各種植
物繊維から肥料成分を殆んど抽出し去った残渣物(A)
と、その残渣物(A)の含水率を低く調整作用すべき、
籾殻やオガ屑、粉砕バーク、ピートモス、その他の透水
性及び通気性に富む粒状有機物(B)とを混ぜ合わせ
て、約40〜60℃に醗酵堆肥化すると共に、 その醗酵作用過程での無機質化などに起因する体積減少
分量だけ上記粒状有機物(B)、若しくはパーライトや
吸水性ポリマー、その他の粒状無機物、又はバーミキユ
ライトやゼオライト、その他の粒状非金属鉱物を補充す
ることを特徴とする植物生育用資材の製造法。 - 【請求項4】粒状有機物(B)を約40〜70%とし、
残部を各種植物繊維の残渣物(A)とする体積比率のも
とに混ぜ合わせて、約40〜60℃に醗酵堆肥化すると
共に、 その醗酵作用の半熟状態において包装することを特徴と
する請求項2又は3記載の植物生育用資材の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4176250A JP2668097B2 (ja) | 1992-06-09 | 1992-06-09 | 植物生育用資材とその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP4176250A JP2668097B2 (ja) | 1992-06-09 | 1992-06-09 | 植物生育用資材とその製造法 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH067029A true JPH067029A (ja) | 1994-01-18 |
JP2668097B2 JP2668097B2 (ja) | 1997-10-27 |
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ID=16010284
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP4176250A Expired - Lifetime JP2668097B2 (ja) | 1992-06-09 | 1992-06-09 | 植物生育用資材とその製造法 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2668097B2 (ja) |
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-
1992
- 1992-06-09 JP JP4176250A patent/JP2668097B2/ja not_active Expired - Lifetime
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JP2668097B2 (ja) | 1997-10-27 |
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