JP7064126B2 - 造粒土 - Google Patents

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本発明は、植物栽培用土壌や水槽用土壌として使用される造粒土に関するものである。
農耕や園芸に使用される土として、弱酸性の赤玉土が広く知られている。赤玉土は通気性、保水性、保肥力に優れ、更に弱酸性であることから、農耕用土壌や園芸用土壌として広く使用されている。しかし、近年は、資源の枯渇により赤玉土の供給量が減少しており、赤玉土の代替品の供給が望まれていた。
一方、従来から土壌に炭を混合することで土壌の保水性や透水性、保肥力が向上し、植物の成育促進効果があることが知られている。更に、食品製造時に発生する麦根、酒粕、又はふすま等の有機性廃棄物の炭化物が植物性培地として使用されている(特許文献1、特許文献2)。
土壌に炭化物を加えることで通気性や保水性を有すると共に腐食性のない培地成分となる。また、炭化物を目的に応じて砕くことで、植物の種類、植物の成育段階及び植物栽培容器の種類に適合した大きさの植物培養培地となる。
しかしながら炭を土壌に加えた場合、炭の比表面積が広い点や単位体積当たりの重量が水より軽い点が原因となり、折角加えた炭が土壌表面に浮き上がってきたり、肥料が炭に吸着したまま植物に供給されなかったり、更には、農業現場で土壌の肥沃土の目安となる炭素量/窒素量の比、所謂C/N比が大きくなりすぎるなど問題となっていた。更にまた、効果を発揮するために、原料粘土に対して多量の炭(2%~30%程度)を加える必要があり課題となっていた。
特開2015-211639 特開2003-325044
本発明の解決課題は、崩れにくく、散水や降雨によっても混合されている腐植物質や麦由来有機物が流出したり、分離偏在したりしにくく、通気性、保水性、保肥力に優れ、これら機能を有するのに適した表面積を有し、農耕用土壌や園芸用、水槽用土壌に適した造粒土を提供することにある。
上記目的を達成するための上位概念の発明1では、植物栽培用造粒土及び水槽用造粒土は、粘土以外に含まれる二酸化珪素を15wt%(重量%と記すこともある)以上30wt%以下、腐植物質を1wt%以上7wt%以下、麦由来有機物を0.01wt%以上0.5wt%以下を含み残部が粘土であり、デュロメータA型硬度が5以上60以下、陽イオン交換容量が30cmol(+)/kg以上50cmol(+)/kg以下に造粒固化したものである。この発明によれば、二酸化珪素及び粘土に含まれる珪酸塩の少なくとも一部が固化することで散水や降雨による腐植物質や有機物の流出や分離偏在を抑制することができる。また、腐植物質が造粒土の保肥力及び保水力を維持し、造粒土のpH(水素イオン指数と記することもある)の変化を緩衝し、加熱されることで空隙を制御して造粒土の表面積を増すことができる。また、麦由来有機物が硝酸細菌などの土壌細菌や微生物に好適な環境を与え、加熱されることで空隙が増え、造粒土の表面積を増すことができる。更にまた、原料土壌を温度450℃~900℃において造粒固化することで、二酸化珪素及び粘土に含まれる珪酸塩の一部を固化し、腐植物質及び麦由来有機物の被加熱物を保持することができる。
前記残部が粘土である原料土壌は弱酸性であって、二酸化珪素及び腐植物質を含むものが適する。一例としては、黒ボク土を用いることができる。例えば赤城山麓に堆積した榛名山火山灰であって堆積層の上層部分の黒ボク土が適する。この黒ボク土は弱酸性であり、二酸化珪素を含むことから前記原料土壌とするのに好適である。
この発明によれば、この原料土壌を造粒固化することで、加えた有用物質である麦由来有機物や腐植物質が散水や降雨により流出することや分離偏在することを抑制し、また、土壌の保肥力及び保水力を維持し、土壌のpHの変化を緩衝できる。
前記二酸化珪素は原料土壌に15wt%以上30wt%以下含まれることが適する。好ましくは、造粒・乾燥時に二酸化珪素及び粘土に含まれる珪酸塩の一部が固化した際に、腐植物質が散水や降雨によって流出したり分離偏在したりし難くなる割合、例えば21wt%以上28wt%以下が好ましい。ここでいう二酸化珪素とは、粘土以外に含まれる二酸化珪素である。
この発明によれば、造粒・乾燥時に固化した二酸化珪素及び粘土に含まれる珪酸塩の一部が麦由来有機物や腐植物質を保持することができる。
前記の腐植物質は1wt%以上7wt%以下含まれることが適する。好ましくは、造粒土の保肥力及び保水力を維持し、造粒土のpHの変化を緩衝し、加熱されることで空隙が増え、造粒土の表面積が増す割合として2wt%以上6wt%以下が好ましい。この発明によれば、腐植物質が土壌の保肥力の目安となる陽イオン交換容量(cation exchange capacity : CECと記すこともある)及び保水力を維持し、土壌のpHの変化を緩衝し、加熱時に燃焼されることで空隙が増え、造粒土の表面積を増すことができる。
前記の麦由来有機物は0.01wt%以上0.5wt%以下含まれることが適する。好ましくは、微生物に好適な環境を与え、加熱時に燃焼されることで空隙が増え、造粒土の表面積が拡大する割合、例えば0.03wt%以上0.4wt%未満が好ましく、更には、0.05wt%以上0.1wt%未満がより好ましい。麦由来有機物の含有量が多すぎると、微生物が繁殖しすぎて利用直後の微生物環境が整わない段階で腐敗することがある。この発明によれば、加熱されることで空隙が増え、麦由来有機物が硝酸細菌などの土壌細菌や微生物に好適な環境を与え、造粒土の比表面積を増大することができる。
前記造粒固化は温度(造粒固化温度と記す場合もある)450℃~900℃程度の熱風によるものが適する。好ましくは、原料土壌に含まれる二酸化珪素及び粘土に含まれる珪酸塩の一部が固化する程度の温度であり、原料土壌に含まれる腐食物質及び麦由来有機物の一部が加熱される程度の温度、例えば700℃~750℃が好ましい。温度450℃~900℃程度の熱風で造粒固化することで原料土壌に含まれる二酸化珪素及び珪酸塩の一部が固化し、原料土壌に含まれる腐植物質及び麦由来有機物の一部を加熱することができる。
前記造粒土の硬度は、A型デュロメータにより測定した硬度が、5~60であると造粒土の形状が保たれるため、好適である。ここでいう硬度とは、造粒土30粒の平均硬度である。30粒以上の平均値として例えば50粒の平均値を測定してもよいが、平均値に変化は認められない場合が多いため、30粒程度の平均値をとることが好適である。
上記の上位概念の発明における造粒土の表面積の下位概念の発明2は、前記造粒土の表面積についての発明であり、表面積としては80m/g~170m/gが適する。好ましくは、硝酸細菌などの土壌細菌に好適な環境を与え、水中の汚れを吸着する程度の表面積、例えば140m/g~150m/gが好ましい。
上記の上位概念の発明における造粒土の麦由来物質の下位概念の発明は、前記造粒土に含まれる麦由来有機物についての発明であり、麦由来有機物がふすまであると、硝酸細菌などの土壌細菌や微生物の発生と働きが好適になるため好ましく用いることができる。
上述したように本発明の造粒土は崩れにくく、散水や降雨によっても混合されている腐植物質や麦由来有機物が流出したり、分離偏在したりしにくく、通気性、保水性、保肥力に優れ、これら機能を有するのに適した比表面積を有し農耕用土壌や園芸用、水槽用土壌に適した造粒土を提供できる。
本発明の実施例における、メダカを11日生育した時の水槽中の水溶液に含まれる亜硝酸イオン濃度及び硝酸イオン濃度の図である。 本発明の造粒土を用いてメダカを20日間飼育した際のメダカの残存数の図である。 原料土壌100wt%に対する二酸化珪素の割合に対する造粒土の表面積、陽イオン交換容量(cation exchange capacity : CECと記すこともある)、造粒土のデュロメータA型硬度及びCECと硬度の評価の図である。 造粒固化温度に対する造粒土のデュロメータA型硬度及び経済性の図である。 原料土壌100wt%に対する腐植物質の割合に対する陽イオン交換容量(CEC)及びCECの評価の図である。 原料土壌100wt%に対する麦由来物質の割合に対する水中の硝酸イオン濃度と亜硝酸イオン濃度の比の図である。 本発明の造粒土及び水苔を主成分とした園芸用土(以下、水苔含有園芸用土)を用いて栽培したトマトの根の写真である。
以下、本発明につき、より詳細に説明すると、本発明の造粒土は腐植物質、及び麦由来有機物を含み残部が粘土である原料土壌を加熱により造粒固化させた造粒土である。本発明の造粒土は、腐植物質を1wt%以上7wt%以下、麦由来有機物を0.01wt%以上0.5wt%以下を含み残部が粘土であり、デュロメータA型硬度が5以上60以下、陽イオン交換容量が30cmol(+)/kg以上50cmol(+)/kg以下である造粒土である。具体的な選別方法としては、二酸化珪素の含有率は原料となる土壌の蛍光X線分析の結果より算出された珪素の全元素に対するwt%(重量%と記すこともある)の値から確認することができる。このとき、粘土に含まれる珪素は、珪酸塩として存在していることが指摘されているため、注意する必要がある。また、腐植物質の含有率は、熊田法により定量し確認することができる。また、麦由来有機物の含有率は、本発明の造粒土は麦由来有機物及び腐植物質を含み残部が粘土である原料土壌に添加して製造するため、原料土壌と添加する麦由来有機物の質量から確認することができる。この原料土壌を加熱せず造粒のみした場合、デュロメータA型により測定した硬度は、30回の平均で3未満である。
本発明の造粒土における二酸化珪素の割合は、その一部が固化し、腐植物質が散水や降雨によって流出したり分離偏在したりし難くなる割合であり、その量は、原料土壌中の腐植物質の割合を考慮して適宜選択できるが、例えば、原料土壌100wt%に対して15wt%~30wt%、好ましくは22wt%~28wt%、より好ましくは24wt%~26wt%であると、より好適である。原料土壌に対する二酸化珪素の割合が少なすぎると、硬化部の割合が低く腐植物質の成分が流出しやすくなり結果として保肥力の目安である陽イオン交換容量(CECと記すこともある)が低くなる場合や硬度が低くなる場合があり、多すぎると表面積が小さくなり保肥力の目安であるCECが低くなる場合がある。
本発明の造粒土における腐植物質の割合は、土壌の保肥力及び保水力を維持し、土壌のpHの変化を緩衝し、加熱されることで空隙が増え、造粒土の表面積が拡大する割合であり、その量は、原料土壌中の二酸化珪素及びふすまの割合を考慮して適宜選択できるが、例えば、原料土壌100wt%に対して1wt%~7wt%、好ましくは2wt%~6wt%であるとより好適である。原料土壌に対する腐植物質の割合が少なすぎると、土壌の保肥力及び保水力が低下する場合があり、多すぎると、表面積が大きくなりすぎて、保肥力が高くなり、植物への栄養の供給が滞る場合がある。特にリン酸の保持力が高くなる場合がある。
本発明の造粒土における麦由来有機物の割合は、微生物に好適な環境を与え、加熱時に燃焼されることで空隙が増え、造粒土の表面積が拡大する割合であり、その量は、原料土壌中の二酸化珪素及び腐植物質の割合を考慮して適宜選択できるが、例えば、原料土壌100wt%に対して0.01wt%~0.5wt%、好ましくは0.03wt%~0.4wt%、より好ましくは0.05wt%~0.1wt%であるとより好適である。原料土壌に対する麦由来有機物の割合が少なすぎると、効果が認められない場合があり、多すぎると、腐敗が進み悪臭が発生する場合がある。
本発明の造粒土における造粒固化温度は、原料土壌に含まれる二酸化珪素及び珪酸塩の一部が固化する程度の温度であり、原料土壌に含まれる腐食物質及び麦由来有機物の一部が加熱される温度であり、その温度は、原料土壌中の二酸化珪素、腐植物質及び麦由来有機物の割合、更には、造粒土の比表面積の大きさを考慮して適宜選択できるが、例えば、450℃~900℃、好ましくは500℃~850℃、より好ましくは600℃~800℃であると、より好適である。造粒固化温度が低すぎると、固化部の割合が低く腐植物質の成分が流出しやすくなる場合があり、高すぎる際には比表面積が小さくなる傾向にある。更に処理温度が高いと経済性が低下するため、900℃を上限としている。
原料土壌を造粒固化して造粒土とするための装置は、熱風乾燥炉、電気炉、加熱乾燥機から選択される少なくとも1つを好ましく用いることができる。
原料土壌を造粒固化して造粒土とするための加熱時間は、5分~30分が好ましく、10分~25分がより好ましい。5分より短いと造粒土が十分な硬度を持たなくなり、30分より長いと比表面積が小さくなる傾向にある。
本発明の造粒土における表面積は、微生物に好適な環境を与え、水中の汚れを吸着する程度の比表面積であり、その表面積は80m/g~170m/gが好ましく、より好ましくは100m/g~155m/gであるとよく、120m/g~150m/gであるとより好適である。表面積が小さすぎると水中の汚れを吸着できない場合があり、大きすぎると保肥力が高すぎて植物への供給が滞る場合がある。
(実験例)
本件出願人は、本発明の造粒土の性状を調べるため、次の実験を行った。実験の概要と結果を以下に示す。以下、実験例、実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
[実験例1]
原料土壌として粘土以外の二酸化珪素の割合を10、15、21、23、25、27、29及び35wt%とし、腐植物質の割合を4.5wt%、麦由来有機物としてふすまを0.07wt%含み残部が粘土である原料土壌を混合し、温度700℃の熱風乾燥炉において10分間造粒固化した造粒土を作成した。これら造粒土の表面積ユアサアイオニクス製ガス吸着量測定装置を用いて測定したところ、二酸化珪素の割合毎に180、170、160、150、140、110、80及び60m/gだった。また、この造粒土に対し、富士平工業社製土壌分析器ZA-IIを用い陽イオン交換容量(CECと記すこともある)を測定したところ、二酸化珪素の割合毎に60、50、45、40、40、30、30及び15cmol(+)/kgだった。更に、この造粒土の硬度をデュロメータA型で測定したところ、その硬度は、30点の平均で20であった。これら造粒試験の結果とこの造粒土を植物栽培用土壌として用いた場合のCECの評価及び硬度の評価を図3に示す。
[実験例2]
原料土壌として粘土以外の二酸化珪素の割合を25wt%、腐植物質の割合を4.5wt%、麦由来有機物としてふすまを0.07wt%含み残部が粘土である原料土壌を、熱風乾燥炉を用い、温度350、450、620、700、850、950及び1000℃の各温度で10分間造粒固化した。このときの造粒土のデュロメータA型硬度は、造粒固化温度350℃で3、造粒固化温度450℃で12、造粒固化温度620℃で17、造粒固化温度700℃で20、造粒固化温度850℃で23、造粒固化温度950℃で30、造粒固化温度1000℃で40であり、造粒固化温度が高いほど硬度が高くなった。一方、CECは、造粒固化温度350℃で50、造粒固化温度450℃で45、造粒固化温度620℃で40、造粒固化温度700℃で40、造粒固化温度850℃で35、造粒固化温度950℃で20、造粒固化温度1000℃で10cmol(+)/kgとなり、造粒固化温度が高くなると低下する傾向にあることがわかった。これら造粒試験の結果とこの造粒土を植物栽培用土壌として用いた場合のCECの評価及び硬度の評価を図4に示す。また温度が高くなるほど、経済性が低下するため、エネルギーや熱風乾燥炉の耐用年数などを考慮した経済性についても図4に列記する。
[実験例3]
原料土壌として粘土以外の二酸化珪素の割合を25wt%、麦由来有機物としてふすまの割合を0.07wt%とし、腐植物質の割合を0、0.5、1.0、2.5、4.0、5.5、7.0及び8.0wt%とし、残部を粘土とした原料土壌を作成した。この原料土壌を温度600℃にて造粒固化した造粒土を作成した。それぞれの造粒土の陽イオン交換容量(CECと記すこともある)とこの造粒土を植物栽培用土譲として用いた場合のCECの評価を図5に示す。また、この時の造粒土のデュロメータA型硬度は、腐植物質の添加量に係わらず、13から16であり、好適であった。
[実験例4]
原料土壌として粘土以外の二酸化珪素の割合を25wt%、腐植物質の割合を4.5wt%とし、麦由来有機物の割合を0、0.005、0.05、0.1、0.2、0.4、0.5及び0.6wt%とし、残部を粘土とした原料土壌を作成した。この原料土壌を600℃の熱風乾燥炉において10分間造粒固化した造粒土を作成した。このそれぞれの造粒土を放冷後、水9リットルに対し1kg加えた水槽を作成し、1週間放置後、30匹のメダカを飼育した。飼育後11日経過したのち、この水中における亜硝酸イオン濃度に対する硝酸イオン濃度の比[硝酸イオン濃度]/[亜硝酸イオン濃度]及び10人を対象とした臭気判定結果をまとめたものを図7で示す。なお、亜硝酸イオン濃度及び硝酸イオン濃度はイオンクロマトグラフにより測定した。
[実施例1]
原料土壌として粘土以外の二酸化珪素の割合を25wt%、腐植物質の割合を4.5wt%、麦由来有機物としてふすまを0.07wt%含み残部が粘土である原料土壌を温度700℃の熱風乾燥炉において10分間造粒固化した造粒土を作成した。この造粒土の表面積は、142m/gだった。この造粒土を放冷後、水9リットルに対し1kgを投入した水槽において水槽から採取した水中の生菌数を調査した。30日後の水中における生菌数は2.0×10個/mLであり、微生物の繁殖が確認された。
[実施例2]
実施例1と同じ造粒土を用い、この造粒土を水9リットルに対し1kgを投入した水槽においてメダカの飼育を行い、経過日数に対する生存数を調べた。20日飼育後において67%のメダカが生存していた。この水中の亜硝酸イオン(NO )濃度及び硝酸イオン(NO )濃度をイオンクロマトグラフにより調べたところ、11日飼育後においてNO 濃度及びNO 濃度はそれぞれ2ppm及び6ppmであり、メダカから発生したNHを硝酸細菌などの土壌細菌がNO に酸化し、更に微生物の働きによりNO がNO に変化した状況が確認できた。以上の結果を図1に示す。
[実施例3]
実施例1と同じ造粒土を用い、この造粒土において高さ60cmのトマトの苗を30日間栽培した。栽培に必要な水と肥料の量を調べた。肥料としては、油かすを用い、造粒土に対し1wt%の割合で混合した。トマトの葉に枯れが認められないように注意しながら栽培した場合に必要とした水と肥料の量は、後述する水苔含有園芸用土を用いた場合に必要とした水と肥料の量の50%程度だった。同量のトマトを収穫するためには、造粒土の場合は、水苔含有園芸用土を用いた場合の1/2程度の肥料の量で済んだ。また、根の張り方は、造粒土を用いた場合は水苔含有園芸用土を用いた場合に比べ1.5倍程度広く張り、好適であることが確認された。この根の張り方については、図7に結果を示した。
[比較例1]
ふすまを籾殻に変更した以外はすべて実施例1と同じ製法で製造した造粒土(以下、ふすまなし造粒土とする)を作成した。このふすまなし造粒土の比表面積は、146m/gだった。また、このふすまなし造粒土30粒の平均のデュロメータA型硬度は21だった。この造粒土を水9リットルに対し1kgを投入した水槽において水槽から採取した水中の生菌数を調査した。ふすまなし造粒土を投入した水槽において水槽から採取した水中の生菌数を調査した結果、30日後の水中における生菌数は2.5×10個/mLであり実施例1の生菌数に比べ1/10程度であった。
[比較例2]
比較例1で作成した造粒土を投入した水槽においてメダカの飼育を行い、経過日数に対する生存数を調べた。この造粒土を水9リットルに対し1kgを投入した水槽においてメダカの飼育を行い、経過日数に対する生存数を調べた。20日飼育後において17%のメダカが生存していた。この水中の亜硝酸イオン(NO )濃度及び硝酸イオン(NO )濃度をイオンクロマトグラフにより調べたところ、11日飼育後においてNO 濃度及びNO 濃度はそれぞれ6ppm及び3ppmであり、メガカから発生したアンモニア態窒素(NHと記すこともある)を微生物がNO に酸化した後、NO からNO が生成しづらい状況が確認できた(図1)。
水中では、タンパク質等の分解によって生じたアンモニア態窒素が動物に対し毒性の強い亜硝酸態窒素を経て硝酸態窒素へと変化する。メダカの飼育11日目において、本発明の造粒土(本件出願品)を投入した水中の亜硝酸イオン濃度及び硝酸イオン濃度はそれぞれ2ppm及び6ppmであった。また、比較例1で作成した造粒土を投入した水中の亜硝酸イオン濃度及び硝酸イオン濃度はそれぞれ6ppm及び3ppmであった。これらのことから、メダカの飼育により生成した窒素量はほぼ同じであるが、ふすまを用いた造粒土を用いることにより硝酸細菌などの土壌細菌や微生物が活性化し、亜硝酸態窒素の分解が促進されたことが示唆された。
[比較例3]
造粒土のかわりに水苔含有園芸用土を用いた以外は同じ条件で30日間トマトの栽培を行い、栽培に必要な水と肥料の量を調べた。実施例1と全く同じ条件の場合、トマトの育成が悪く、葉色が茶色くなり、肥料の欠乏症が疑われた。水苔含有園芸用土を用いた栽培において、適切な栽培を行った場合に必要とした水と肥料の量は、本発明の造粒土においてトマトを栽培した場合に必要とした水と肥料の量の約2倍であった。また、水苔含有園芸用土を用いた栽培において、適切な栽培を行った場合でもトマトの根の張りは、造粒土を用いた場合に比べ、2/3程度であることが確認された。実施例3と比較例3で実施したトマトの根の張りを撮影した図を図7に示す。

Claims (3)

  1. 粘土以外に含まれる二酸化珪素を15wt%以上30wt%以下、腐植物質を1wt%以上7wt%以下、麦由来有機物を0.01wt%以上0.5wt%以下を含み残部が粘土である原料土壌を造粒固化し、デュロメータA型硬度が5以上60以下、陽イオン交換容量が30cmol(+)/kg以上50cmol(+)/kg以下であることを特徴とする、造粒土。
  2. 前記造粒土の表面積が80m/g~170m/gである請求項1に記載の造粒土。
  3. 前記麦由来有機物がふすまである請求項1から2いずれか一項に記載の造粒土。


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