JP2017079659A - ピートモス入り焼土製造方法及びピートモス入り焼土 - Google Patents

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Abstract

【課題】形崩れにくく、接着剤を使用しなくとも、ピートモスが流出、分離偏在しにくく、通気性、保水性、保肥力に優れ、植物育成促進効果のあるピートモス入り焼土を提供する。【解決手段】原料粘土にピートモスを混合してピートモス入り団粒土にし、そのピートモス入り団粒土を造粒・乾燥装置(ロータリーキルン)2で造粒・乾燥してピートモス入り粒状土にするとともに、原料粘土に含まれるSiO2の一部をガラス化させて、前記ピートモスを前記ピートモス入り粒状土の内部に封入し、調粒機5で調粒したピートモス入り調粒土を篩にかけてサイズ別に選別する。【選択図】図1

Description

本発明は、農耕用土壌や園芸用土壌として使用される焼土(焼赤土、焼黒土、焼赤土と焼黒土の混合品のいずれをも含む)であって、ピートモスを含む焼土(ピートモス入り焼土)の製造方法及びピートモス入り焼土に関するものである。
農耕や園芸に使用される土として、弱酸性の赤玉土が広く知られている。赤玉土は赤土を天日などで乾燥した後、赤土の塊を砕いて篩にかけ適度な大きさに分別したものであり、通気性、保水性、保肥力に優れ、弱酸性であることから、農耕用土壌や園芸用土壌として広く使用されている。しかし、近年は、資源の枯渇により赤玉土の供給量が減少しており、赤玉土の代替品の供給が望まれていた。このような事情の下、本件出願人は、本出願に先立ち、赤玉土の代替品となりうる焼土を開発した。
植物栽培用土としてピートモスがある。ピートモスは水苔やシダ等が堆積されてできたものであり、繊維質であり、通気性、保水性に優れ、軽量であり、撥水性もある。強酸性(pH3.5程度)であるため土壌のpH調整剤としても使用される。
市販のピートモスは乾燥しており、表面が撥水性となっているため、灌水しても水分を保持できない。また、見かけ比重が極度に軽く、土壌と混合しても灌水時に分離して、使用時に土壌中に均一に分布していないので、ピートモスの有用性を十分に発揮できない。この解決策として、ピートモス表面にベントナイトのような粘土質材の被膜を形成するものがあり、優れた吸水性を発揮できるようにした培養土がある(特許文献1)。しかしこの培養土は吸水性の粘度質材を微粉末にしてピートモスの表面にまぶして加圧する等、製造に多大な労力と時間がかかる。
ピートモスを界面活性剤で処理しての撥水性を抑制した撥水性抑制型ピートモスが提案されている(特許文献2)。このピートモスは経時的に撥水性抑制効果が劣化するほか、界面活性剤による植物への悪影響が懸念される。
ピートモスにベントナイト、PVAやEVA等のバインダー、肥料及び水を混合し、特殊な造粒機で造粒する方法もある(特許文献3)。しかし、この方法では、混合器で混合してから、造粒機で造粒する必要があるため、製造が面倒である。また、前記バインダーを使用しているため、植物への悪影響が懸念される。
特開平09−074896号公報 特開平10−164975号公報 特開2006−061081号公報
本発明の解決課題は、形崩れにくく、原料土に含ませたピートモスが散水や降雨によっても流出したり、分離偏在したりしにくく、通気性、保水性、保肥力に優れ、発育促進効果があり、農耕用土壌や園芸用土壌に適したピートモス入り焼土の製造方法とピートモス入り焼土を提供することにある。
本発明のピートモス入り焼土製造方法は、原料粘土を造粒・乾燥して焼土を製造する方法において、原料土となる粘土(原料粘土)に二酸化珪素(SiO)を含むものを使用し、その原料粘土にピートモスを混練して(練り込んで)団粒構造のピートモス入り団粒土(原料粘土とピートモスが凝集(集合)して、図2のように空間を備えた形態)とする団粒化工程、当該ピートモス入り団粒土を造粒・乾燥装置(例えば「ロータリーキルン」)で造粒・乾燥して、ピートモス入り粒状土にするとともに、原料粘土に含まれるSiOの一部をガラス化させて前記ピートモスを前記ピートモス入り粒状土の内部に封入(封印)する造粒・乾燥工程、そのピートモス入り粒状土を調粒機で調粒する調粒工程、調粒されたピートモス入り調粒土を篩にかけて二以上の粒径別(サイズ別)に選別する篩工程を備えた方法である。選別されるサイズは、一例として、粒径20mm以下が適する。
前記原料粘土は弱酸性であって、SiOを含むものが適する。一例としては、赤城山麓に堆積した榛名山火山灰であって堆積層の下層部分の粘土(赤城山麓から採掘される榛名山火山灰の下層粘土:腐葉土の下の黒土、黒土の下の赤土、黒土と赤土の混合物)が適する。この下層粘土は弱酸性であり、SiOを含むことから前記原料粘土とするのに好適である。
前記造粒・乾燥装置には発熱機から350〜800℃程度の熱風を送り込む。この場合の熱風温度は、好ましくは、原料粘土に含まれるSiOの一部がガラス化する程度の温度、例えば、600℃前後が望ましい。温度が高過ぎるとピートモスが分離する傾向になる。造粒・乾燥装置の出口側には集塵機を設けて、造粒・乾燥装置内で発生する粉末を集塵し、その一部又は全部を集塵する集塵工程や、集塵して外部に排出可能な集塵・排出工程を備えることもできる。
前記調粒工程は、造粒・乾燥装置から送られるピートモス入り粒状土の表面に付着している粉末を調粒機内で除去し、粒状土の熱(粗熱)を取り除いて粒状土の温度を下げて粒状土を硬化させる工程である。
本発明のピートモス入り焼土は、造粒・乾燥装置で造粒し、調粒機で調粒した焼土であり、原料粘土が弱酸性の粘土であり、原料粘土にピートモスが混練された団粒構造であり、前記団粒構造のピートモス入り団粒土が造粒・乾燥されてピートモス入り粒状土とされ、前記原料粘土に含まれるSiOの一部がガラス化して前記ピートモスが前記ピートモス入り粒状土の内部に封入されたものである。ピートモスが封入されたピートモス入り粒状土は粒径20mm以下の粒状に選別されたものとすることもできる。
本発明のピートモス入り焼土は、赤城山麓に堆積した榛名山火山灰の堆積層の下層の粘土(黒土又は赤土又は両者の混合土)を原料粘土とし、それにピートモスが混合されたピートモス入り団粒構造のものであってもよい。
本発明のピートモス入り焼土製造方法は次の効果を奏する。
(1)原料粘土を団粒化する際に、原料粘土にピートモスを混練するので、ピースモスが原料粘土に均一に混在したピートモス入り焼土が得られる。
(2)原料粘土をピートモス入り団粒土にしてから造粒・乾燥するため、水中でも形状保持可能な(形崩れしにくい)硬さ(強度)の焼土が得られ、原料粘土に含まれるSiOの一部がガラス化する程度の高温で乾燥するのでより一層、形崩れしにくくなり、通気性、保水性、保肥力に優れた農耕用或いは園芸用の焼土が得られる。
(3)ピートモスがSiOのガラス化により焼土に封入されるため、接着剤を使用しなくとも、ピートモスが流出したり、分離偏在したりしにくくなり、通気性、保水性、保肥力が長期間維持され、植物の発育促進効果のある農耕用或いは園芸用の焼土が得られる。
(4)接着剤を使用しないため、化学物質などの第三成分を含まない焼土となり、農耕用や園芸用の土壌として使用したときに、植物の生育阻害の心配がない。また、製造が容易になる他、製造コストも嵩張らない。
本発明のピートモス入り焼土は次の効果を奏する。
(1)ピートモスが原料粘土に略均一に混練され、封入されているため、植物栽培用土壌として使用してもピートモスが偏在しにくくなり、植物が均一に成長し易くなる。
(2)原料粘土に含まれるSiOの一部がガラス化している場合は、ピートモスが散水や降雨によって流出したり分離偏在したりし難くなる。
(3)ピートモスが原料粘土に混練され、封入されているため、保水性向上、水はけ向上、保肥力向上、根張りの促進、植物の発育促進といった効果が期待できる。
(4)ピートモスを原料粘土に混練され、封入されているため、これまで焼土よりも一層、通気性、保水性、保肥力に優れ、農耕用土壌や園芸用土壌として使用するのに適する。
(5)ベントナイトや界面活性剤(接着剤)を使用することなく、ピートモスを原料粘土に混練、封入してあるので、接着剤による育成障害もない。
(6)ピートモスは強酸性であるため、原料粘土へのピートモスの混合割合を変えることにより、所望pH値の焼土となるため、pH調整剤を使用することなくpH調整ができ、発芽用から育苗用まで幅広く利用できる。
本発明のピートモス入り焼土製造方法の一例を示す説明図。 本発明におけるピートモス入り団粒土の団粒化構造の説明図。 本発明で使用するロータリ―キルンの内部構造の一例を示す説明図であり、(a)は縦断側面図、(b)縦断正面図。 (a)(b)は本発明のピートモス入り焼土(発明品)と従来品(出願人の既存の焼土にピートモスを混合しただけのもの)を水に浸漬した場合の実験結果を示す比較図(写真)。 (a)〜(d)は本発明のピートモス入り焼土(発明品)と従来品(出願人の既存の焼土にピートモスを混合しただけのもの)を使用して、えん麦を栽培した場合の比較図(写真)。
(ピートモス入り焼土の製造方法の実施形態1)
本発明のピートモス入り焼土製造方法の一例を、図面を参照して説明する。このピートモス入り焼土の製造方法は図1に示すように、原料粘土にピートモスを混練して原料粘土を団粒化構造(図2)の土(ピートモス入り団粒土)とする団粒化工程(STEP1)と、ピートモス入り団粒土の大きな塊を団粒土選別機1で取り除く選別工程(STEP2)と、ピートモス入り団粒土を造粒・乾燥装置2で造粒・乾燥して粒状の土(ピートモス入り粒状土)とする造粒・乾燥工程(STEP3)と、調粒機5によりピートモス入り粒状土の表面に付着している微塵粉を除去し、ピートモス入り粒状土の粗熱を除去して冷却して硬化させる調粒工程(STEP4)と、調粒済みの調粒土を篩6にかけて二以上のサイズ別に選別する篩工程(STEP5)を備えた方法である。前記ピートモス入り団粒土の大きな塊を取り除く選別工程(STEP2)は必ずしも必要ではなく、大きな塊がない場合、あるいは少ない場合は省略することができる。
[原料粘土]
この実施形態では、原料粘土として、赤城山麓から採掘される粘土を用いることができる。赤城山麓から採掘される粘土は、榛名山の火山灰が赤城山麓に堆積した積層土の下層土である。この下層土は経年変化により風化(完全風化)したものである。この粘土には腐葉土の下の黒土、黒土の下の赤土を使用することができる。これら黒土、赤土は弱酸性であり、SiOが含まれている。原料粘土は黒土と赤土を混合したものであってもよい。
前記ピートモスには汎用のピートモスを使用することができる。汎用のピートモスは乾燥状態である。汎用のピートモスは産地の異なるものがあるが、いずれの産地のものであっても使用可能である。汎用のピートモスは主に繊維状であり、そのまま使用することができるが、それを更に短く加工して、あるいは、粉末状に加工して使用することもできる。
[STEP1:原料粘土とピートモスの混合(団粒化工程)]
前記原料粘土は硬度が低く、植物育成土壌としては優れたものであるが、粒度が細かく水分量が多いため、このままでは農耕用土壌や園芸用土壌には必ずしも適さない。本発明では原料粘土にピートモスを混練して団粒構造の土(団粒土)にする。団粒土の構造の一例を図2に示す。図2の団粒土は粘土が粒状になった1次団粒が集まって2次団粒になり、2次団粒が集合した構成である。1次団粒間には小間隙があり、2次団粒間には大間隙がある。前記原料粘土は、ピートモスと混練し易くするためには、水分を50%前後含
ものが望ましい。水分が少ないとピートモスが水分を吸収しにくくなり、多すぎるとピートモスが均一に分散しにくくなる。この数値は一例であり、この数値に限定されるものではなく、ピートモスを混練し易く、団粒化可能であればこの数値よりも多くても少なくてもよい。水分不足の場合は水を加えて水分量を多くし、水分過剰の場合は乾燥処理して水分調整することができる。
ピートモスを混練することにより原料粘土が団粒化し易くなる。大量の原料粘土を団粒化するには各種機器を使用して、原料粘土の塊を細かくしながら前記ピートモスと混練し、その作業を繰返して次第に団粒化することができる。原料粘土へのピートモスの混練量は1%〜70%、好ましくは10%〜30%(いずれも重量%)の範囲で任意に調整可能である。pH6.5程度の原料粘土にピートモスを10%に混練するとpH5.5程度のピートモス入り焼土が得られた。これらの数値は一例である。本発明はこの数値に限定されるものではなく、原料粘土に混合し易く、団粒化可能であればこの数値よりも多くても少なくてもよい。
[STEP2:団粒土の選別(選別工程)]
ピートモス入り団粒土に大きな塊が混在しているときは、団粒土選別機1(図1)で大きな塊(100mm程度)を除去してから、造粒・乾燥装置2に入れるのが好ましい。ピートモス入り団粒土に大きな塊が混在していないときは、この工程は省略することができる。
[STEP3:団粒土の造粒・乾燥(造粒・乾燥工程)]
ピートモス入り団粒土は造粒・乾燥装置2に入れて造粒・乾燥して粒状化するとともに、原料粘土に含まれるSiOの一部をガラス化させて前記ピートモスを焼土の内部に封じ込める(封印する)。粒状化された土(ピートモス入り粒状土)は適度な水分量まで乾燥したものとするのが望ましい。前記造粒・乾燥装置2には既存のロータリーキルンを使用することができる。ロータリーキルンには、例えば、株式会社大川原製作所製のRH202Bを用いることができるが、これ以外のロータリーキルンを用いることもできる。団粒土の含水量にもよるが、出願人使用のロータリーキルンでは350〜800℃にて約20分かけて造粒・乾燥を行う。ロータリーキルンには350〜800℃の熱風を送り込んで、ロータリーキルンの内部温度を350〜800℃、好ましくは600℃前後に維持するのがよい。350℃未満では乾燥に時間がかかり実用的でなく、800℃よりも高温だと、ピートモスが分離し易くなる。また、団粒土の表面のガラス化が過剰に進み、植物の生育に悪影響がある。ロータリーキルンを使用することにより各種サイズ(粒径)の粒状土が得られる。ロータリーキルンの撹拌翼の回転数を速くすると得られる粒状土のサイズが小さくなり、撹拌翼の回転数を遅くすると得られる粒状土のサイズが大きくなる。いずれの速度に設定しても実際は二種類以上のサイズの粒径が得られる。
ロータリーキルン2の一例は図3(a)(b)に示すように、耐熱材製の横長円筒状のドラムAの内周面にリフターBが取付けられ、破砕撹拌軸CがドラムA内の中心部長軸方向に配置され、破砕撹拌軸Cの外周に破砕撹拌翼Dが取付けられている。このロータリーキルン2はドラムAが回転するとリフターBが回転して、ドラムA内の炭入り団粒土がドラムAの底からドラムAの頂部に持ち上げられ、頂部から落下する間に、高速回転中の破砕撹拌翼Dで破砕される。この運動がドラムAの出口近くまで繰り返され、この間に、ドラムA内に送り込まれる熱風で乾燥される。また、大塊炭入り団粒土は破砕されて小塊(粒状土)となり、湿った表面が熱風と接触して乾燥される。小塊はさらに破砕されて粒状(粒状土)となって、ドラムAの出口から排出される。
ロータリーキルン2には熱風発生機3から350〜800℃、好ましくは600℃前後の熱風を送り込む。ロータリーキルン2の出口側には集塵機(ブロワー)4を設けて、ロータリーキルン2内で発生する微粉末土を集塵し、一部を外部に排出し、一部をロータリーキルン2内に戻して、熱風を有効利用する。清浄な空気を外部から取り込んで熱風発生機3に送り込んで、熱風発生機3の燃焼効率を向上させるのが望ましい。
[STEP4:造粒・乾燥した粒状土の調粒(調粒工程)]
ロータリーキルン2で造粒、乾燥されたピートモス入り粒状土は表面に微細な粉末が付着しており、温度が高いため、そのままではピートモス入り粒状土同士が融着(接着)することがある。本発明では、ロータリーキルン2で造粒・乾燥された炭入り粒状土を調粒機5(図1)で処理して、粒状土の表面に付着している微細粉末を除去し、表面の余分な水分を除去する。また、粒状土の粗熱をとって温度を下げて硬化させて、形崩れし難く、取扱いが容易な焼土とする。
調粒機5には汎用のもの、例えば、耐熱材製で円筒状のものを用いることができる。前記構造の調粒機5を用いる場合、調粒機5を回転させ、その調粒機5内に、ロータリーキルン2で造粒、乾燥させたピートモス入り粒状土を入れ、10〜20分で調粒機5から送り出されるようにするのが望ましい。
[STEP5:調粒された調粒土の選別(篩工程)]
調粒機5で調粒されたピートモス入り調粒土は、上下に多段に設けた篩6(図1)により、サイズ(粒径)別に選別して、製品とする。得られる製品の水分量は5%以下が望ましいが、この数値に制約されるものではない。また、篩6の最下段の下に落ちた篩下微粉末土は回収して、本発明の前記原料粘土に混合して原料粘土を団粒化するのに利用することができる。一例として図1に示す篩6は4段であり、上から下に順次、6.2〜15.0mm、4.0〜6.2mm、1.6〜4.0mm、0.7〜1.6mmの大きさ(サイズ)の網目の篩としたが、篩の網目サイズは他の寸法とすることができる。
(ピートモス入り焼土の製造方法の実施形態2)
本発明のピートモス入り焼土の製造方法では、前記実施形態1の団粒化工程において、原料粘土に、必要に応じて、微粉末土や炭粉末を混練することもできる。
前記微粉末土は粒径0.05〜2.0mm(平均粒径0.7mm程度)のものが適する。この数値は一例である。本発明はこの数値に限定されるものではなく、団粒化可能であればこの数値よりも大きくても小さくてもよい。例えば、前記実施形態1におけるSTEP5の篩工程で、篩6の最下段の下に落ちた篩下微粉末土(篩下微粉末土:アンダーサイズの微粉末土)を回収して使用することができる。前記微粉末土は水分量5%以下のものが適する。篩下微粉末土の混合割合は、原料粘土に対し篩下微粉末土が容積比1/10〜3/10、好ましくは1/5程度となる量が適する。
原料粘土に混練する前記炭粉末は、例えば、前駆体が木、竹、椰子殻、ピッチ、燻炭等の炭やそれらの活性炭を粉末状にしたものを用いることができる。混練する炭粉末は粒径1mm以下程度のものが適する。また、炭粉末の混練量は、原料粘土に対して2〜30%(重量)程度が適する。炭或いは活性炭は異なる材質、粒径のものを一種のみならず二種以上混合して使用することもできる。
(ピートモス入り焼土の製造方法の実施形態3)
本発明のピートモス入り焼土の製造方法では、前記実施形態1の団粒化工程において、原料粘土に、必要に応じて、ピートモス、微粉末土、炭粉末の他に、バーミキュライト、パーライト、その他の栽培用土に適したもの、窒素系肥料、リン系肥料、カリウム系肥料等の肥料、植物育成剤、植物ホルモン剤、土壌改良剤、発芽抑制剤、その他の植物成長調整剤類を混合して団粒構造にすることもできる。それらの混練量は任意に設定可能である。
(ピートモス入り焼土)
本発明のピートモス入り焼土は前記製造方法の団粒化工程、団粒土の選別工程、団粒土の造粒・乾燥工程、調粒工程、篩工程を経て製造された焼土である。具体的には、弱酸性の原料粘土にピートモスが混練された団粒構造であり、この団粒構造のピートモス入り団粒土が造粒・乾燥されてピートモス入り粒状土とされ、前記原料粘土に含まれるSiOの一部がガラス化して前記ピートモスが前記ピートモス入り粒状土の内部に封入されたものである。ピートモスが封入されたピートモス入り粒状土は粒径20mm以下の粒状に選別されたものとすることもできる。
本発明のピートモス入り焼土は、赤城山麓に堆積した榛名山火山灰の堆積層の下層の粘土(黒土又は赤土又は両者の混合土)を原料粘土とし、それにピートモスが混合されたピートモス入り団粒構造の焼土であってもよい。また、微粉末土、炭粉末、バーミキュライト、パーライト、その他の栽培用土に適したもの、窒素系肥料、リン系肥料、カリウム系肥料等の肥料、植物育成剤、植物ホルモン剤、土壌改良剤、発芽抑制剤、その他の植物成長調整剤類の一又は二以上を混練して団粒構造にしたものであってもよい。
(実験例)
本件出願人は、本発明のピートモス入り焼土の性状を調べるため、次の実験を行った。実験の概要と結果を以下に示す。
[実験1]
本件出願品(発明品)と、従来品(出願人の既存の焼土にピートモスを混合しただけのもの)をコップに入れてから水に浸漬したところ、従来品(図4(b))はピートモスが焼土から分離して水の上面に浮き、かつ焼土の中でも分離、偏在があったが、発明品(図4(a))は、ピートモスが浮上せず、焼土の中での分離、偏在もしなかった。
前記実験より、発明品は従来品に比べて形崩れしにくく、ピートモスが流出、分離偏在しにくくなることが判明した。この理由は、本発明では原料粘土にピートモスを単に混合するのではなく、原料粘土を団粒化するときに原料粘土にピートモスを混練して(練り込んで)、原料粘土と一体化させ団粒構造にしてから造粒、乾燥させ、原料粘土に含まれるSiOの一部がガラス化するほど高温で乾燥することにより、ピートモスが原料粘土に封入され、得られた焼土が固くなるためであると思われる。
[実験2]
従来品(出願人の既存の焼土にピートモスを混合しただけのもの)と、ピートモスを混練したピートモス入り焼土(発明品)を使用して、えん麦を栽培した場合の、両者の比較写真を図5(a)〜(d)に示す。図5(a)〜(d)のいずれの左側が発明品での栽培説明、右側が従来品での栽培説明である。
1.図5(a):プラスチック容器に発明品と従来品を入れ、播種して発芽させ、生育させた。
2.図5(b):栽培したえん麦をプラスチック容器から取り出した。発明品の焼土は形崩れしていないが、従来品の焼土は底部が少しばらけた(形崩れした)。
3.図5(c):栽培したえん麦をプラスチック容器から取り出して底面を見たところ、発明品よりも従来品の方が底面に根(白色)が多く張っているように見えた。
4.図5(d):図5(c)の土を水洗いで落として、えん麦の根の張り具合を見たところ、発明品では根が横に広がっており、毛細根の数が多かったが、従来品では根が縦方向には伸びているが横への広がりは発明品よりも少なく、毛細根の数も発明品よりも少なかった。従来品で根が縦方向には伸びているのは焼土の間の隙間が大きいため根が下に向かって伸びたものと思合われる。
従来品は給水後の水が切れ易いが、発明品は水切れしにくかった(保水性が良かった)。このため、顆粒、粉末、液体の肥料を施しても流出しにくく、効果が長持ちした。発明品の場合は、空き瓶やコップなどの排水口のない容器で育成しても種は腐らず、発芽した。いちご、観葉植物、野菜の種も腐らず発芽し、生育し、植物育成状況も従来品よりも良好であった。
1 団粒土選別機
2 造粒・乾燥装置(ロータリーキルン)
3 熱風発生機
4 集塵機(ブロワー)
5 調粒機
6 篩
A ドラム
B リフター
C 破砕撹拌軸
D 破砕撹拌翼

Claims (10)

  1. 原料粘土を造粒・乾燥して焼土を製造する方法において、
    原料粘土にSiOを含むものを使用し、その原料粘土にピートモスを混練してピートモス入り団粒土とする団粒化工程、
    前記ピートモス入り団粒土を造粒・乾燥装置に熱風を送り込んで造粒・乾燥して、ピートモス入り粒状土にするとともに、原料粘土に含まれるSiOの一部をガラス化させて前記ピートモスを前記ピートモス入り粒状土の内部に封入する造粒・乾燥工程、
    前記ピートモス入り粒状土を調粒機で調粒する調粒工程、
    前記調粒されたピートモス入り調粒土を篩にかけて二以上のサイズ別に選別する篩工程を備えた、
    ことを特徴とするピートモス入り焼土製造方法。
  2. 請求項1記載のピートモス入り焼土製造方法において、
    造粒・乾燥装置の出口に設けた集塵機により、造粒・乾燥装置内で発生する粉末を集塵してその一部又は全部を集塵する集塵工程を備えた、
    ことを特徴とするピートモス入り焼土製造方法。
  3. 請求項1又は請求項2記載のピートモス入り焼土製造方法において、
    調粒機での調粒が、造粒・乾燥装置から送られるピートモス入り粒状土の表面に付着している粉末を除去し、熱を取り除いて粒状土の温度を下げてピートモス入り粒状土を硬化させる工程である、
    ことを特徴とするピートモス入り焼土製造方法。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のピートモス入り焼土製造方法において、
    団粒化工程において原料粘土に微粉末土、炭粉末、バーミキュライト、パーライト等の培土、窒素系肥料、リン系肥料、カリウム系肥料、植物成長調整剤類のいずれか一又は二以上を混合してピートモス入り団粒土にする、
    ことを特徴とするピートモス入り焼土製造方法。
  5. 請求項4記載のピートモス入り焼土製造方法において、
    原料粘土に混合する微粉末土が、粒径0.05〜2.0mm(平均粒径0.7mm程度)である、
    ことを特徴とするピートモス入り焼土製造方法。
  6. 請求項4又は請求項5記載のピートモス入り焼土製造方法において、
    団粒化工程において原料粘土に混合する微粉末土が、請求項1から請求項4記載のいずれか1項に記載の、ピートモス入り焼土製造方法における篩工程で篩の下に落下する篩下微粉末土である、
    ことを特徴とするピートモス入り焼土製造方法。
  7. 団粒化工程において原料粘土を団粒化し、造粒・乾燥装置で造粒・乾燥し、調粒機で調粒した焼土において、
    原料粘土がSiOを含み、弱酸性の粘土であり、
    団粒土が原料粘土にピートモスが混練された団粒構造のピートモス入り団粒土であり、
    前記団粒構造のピートモス入り団粒土が造粒・乾燥されてピートモス入り粒状土とされ、
    前記原料粘土に含まれるSiOの一部がガラス化して前記ピートモスが前記ピートモス入り粒状土の内部に封入された、
    ことを特徴とするピートモス入り焼土。
  8. 請求項7記載のピートモス入り焼土において、
    ピートモスが封入されたピートモス入り粒状土が粒径20mm以下の粒状に選別されたものである、
    ことを特徴とする団粒土入り焼土。
  9. 請求項7又は請求項8記載のピートモス入り焼土において、
    原料粘土が赤城山麓に堆積した榛名山火山灰であって堆積層の下層の粘土である、
    ことを特徴とするピートモス入り焼土。
  10. 請求項7から請求項9のいずれか1項に記載のピートモス入り焼土において、
    ピートモス入り団粒土が、微粉末土、炭粉末、バーミキュライト、パーライト等の培土、窒素系肥料、リン系肥料、カリウム系肥料、植物成長整剤類のいずれか一又は二以上が原料粘土に混合されたものである、
    ことを特徴とする炭入り焼土。
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