JP2002303949A - ハロゲン化銀乳剤およびその製造方法ならびに新規ピリジニウム化合物 - Google Patents

ハロゲン化銀乳剤およびその製造方法ならびに新規ピリジニウム化合物

Info

Publication number
JP2002303949A
JP2002303949A JP2001234986A JP2001234986A JP2002303949A JP 2002303949 A JP2002303949 A JP 2002303949A JP 2001234986 A JP2001234986 A JP 2001234986A JP 2001234986 A JP2001234986 A JP 2001234986A JP 2002303949 A JP2002303949 A JP 2002303949A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
silver halide
emulsion
silver
grains
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001234986A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinichi Ichikawa
慎一 市川
Shigeji Urabe
茂治 占部
Kazuyoshi Takahashi
和敬 高橋
Tadashi Inaba
正 稲葉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP2001234986A priority Critical patent/JP2002303949A/ja
Priority to US10/059,003 priority patent/US6773876B2/en
Publication of JP2002303949A publication Critical patent/JP2002303949A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03CPHOTOSENSITIVE MATERIALS FOR PHOTOGRAPHIC PURPOSES; PHOTOGRAPHIC PROCESSES, e.g. CINE, X-RAY, COLOUR, STEREO-PHOTOGRAPHIC PROCESSES; AUXILIARY PROCESSES IN PHOTOGRAPHY
    • G03C1/00Photosensitive materials
    • G03C1/005Silver halide emulsions; Preparation thereof; Physical treatment thereof; Incorporation of additives therein
    • G03C1/06Silver halide emulsions; Preparation thereof; Physical treatment thereof; Incorporation of additives therein with non-macromolecular additives
    • G03C1/07Substances influencing grain growth during silver salt formation
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03CPHOTOSENSITIVE MATERIALS FOR PHOTOGRAPHIC PURPOSES; PHOTOGRAPHIC PROCESSES, e.g. CINE, X-RAY, COLOUR, STEREO-PHOTOGRAPHIC PROCESSES; AUXILIARY PROCESSES IN PHOTOGRAPHY
    • G03C1/00Photosensitive materials
    • G03C1/005Silver halide emulsions; Preparation thereof; Physical treatment thereof; Incorporation of additives therein
    • G03C1/0051Tabular grain emulsions
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03CPHOTOSENSITIVE MATERIALS FOR PHOTOGRAPHIC PURPOSES; PHOTOGRAPHIC PROCESSES, e.g. CINE, X-RAY, COLOUR, STEREO-PHOTOGRAPHIC PROCESSES; AUXILIARY PROCESSES IN PHOTOGRAPHY
    • G03C1/00Photosensitive materials
    • G03C1/005Silver halide emulsions; Preparation thereof; Physical treatment thereof; Incorporation of additives therein
    • G03C1/04Silver halide emulsions; Preparation thereof; Physical treatment thereof; Incorporation of additives therein with macromolecular additives; with layer-forming substances
    • G03C1/047Proteins, e.g. gelatine derivatives; Hydrolysis or extraction products of proteins
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03CPHOTOSENSITIVE MATERIALS FOR PHOTOGRAPHIC PURPOSES; PHOTOGRAPHIC PROCESSES, e.g. CINE, X-RAY, COLOUR, STEREO-PHOTOGRAPHIC PROCESSES; AUXILIARY PROCESSES IN PHOTOGRAPHY
    • G03C1/00Photosensitive materials
    • G03C1/005Silver halide emulsions; Preparation thereof; Physical treatment thereof; Incorporation of additives therein
    • G03C1/015Apparatus or processes for the preparation of emulsions
    • G03C2001/0153Fine grain feeding method
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03CPHOTOSENSITIVE MATERIALS FOR PHOTOGRAPHIC PURPOSES; PHOTOGRAPHIC PROCESSES, e.g. CINE, X-RAY, COLOUR, STEREO-PHOTOGRAPHIC PROCESSES; AUXILIARY PROCESSES IN PHOTOGRAPHY
    • G03C2200/00Details
    • G03C2200/03111 crystal face
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03CPHOTOSENSITIVE MATERIALS FOR PHOTOGRAPHIC PURPOSES; PHOTOGRAPHIC PROCESSES, e.g. CINE, X-RAY, COLOUR, STEREO-PHOTOGRAPHIC PROCESSES; AUXILIARY PROCESSES IN PHOTOGRAPHY
    • G03C2200/00Details
    • G03C2200/43Process

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Spectroscopy & Molecular Physics (AREA)
  • Silver Salt Photography Or Processing Solution Therefor (AREA)
  • Pyridine Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】その厚さが非常に薄く、かつ非常に大きい面積
の主表面を持つ、主表面が(111)面である平板粒子
からなるハロゲン化銀乳剤を提供する。 【解決手段】 臭化銀含有量が70モル%以上である感
光性ハロゲン化銀粒子を含み、該ハロゲン化銀粒子の全
投影面積の60%以上が、平均粒子厚さが0.04μm
未満で、平均円相当直径が4μm以上であり、かつ、主
表面が(111)面である平板粒子である、ハロゲン化
銀乳剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、その粒子厚みが非
常に薄く、かつ高いアスペクト比を有する大きな円相当
直径を持つ平板粒子、それを含むハロゲン化銀乳剤及び
その製造方法に関する。また、このような平板粒子の製
造に適した新規な晶相制御剤化合物に関する。
【0002】
【従来の技術】平板状ハロゲン化銀粒子(以下「平板粒
子」という)は、その写真特性として 1)体積に対する表面積の比率(以下比表面積という)
が大きく、多量の増感色素を表面に吸着させることがで
きる為、固有感度に対して、色増感感度が相対的に高
い。 2)平板粒子を含む乳剤を塗布し、乾燥した場合、その
粒子が支持体表面に平行に配列する為塗布層の厚さを薄
くでき、その写真感光材料のシャープネスが良い。 3)レントゲン写真システムでは、平板粒子に増感色素
を加えると、ハロゲン化銀クロスオーバー光を顕著に減
少させることができ、画質の劣化を防止できる。 4)光散乱が少なく、解像力の高い画像が得られる。 5)ブルー光に対する感度が低い為、緑感光層または、
赤感光層に用いた場合に乳剤中からイエローフィルター
を除去できる。 この様に多くの利点を有する為、従来から高感度の市販
感光材料に用いられてきている。特公平6−44132
号、特公平5−16015号には、アスペクト比8以上
の平板粒子乳剤が開示されている。ここでいうアスペク
ト比とは、平板粒子の厚さに対する円相当直径の比率で
示される。さらに粒子の直径とは、乳剤を顕微鏡または
電子顕微鏡で観察した時、粒子の投影面積と等しい面積
を有する円の直径を指すものとする。また厚みは平板状
ハロゲン化銀を構成する二つの平行な主表面の距離で示
される。また、特公平4−36374号には、緑感乳剤
層、赤感乳剤層の少なくとも一層に、厚さ0.3μm未
満、直径0.6μm以上である平板粒子を用いることに
より、鮮鋭度と感度及び粒状性を向上させたカラー写真
感光材料が記載されている。
【0003】しかるに近年、ハロゲン化銀感光材料の高
感度化及び小フォーマット化が進み、より高感度で画質
の改良されたカラー感光材料が強く望まれている。その
為、より高感度で粒状性の優れたハロゲン化銀粒子乳剤
が要求されており、従来の平板状ハロゲン化銀乳剤で
は、これらの要求に応えるには、不十分であり、より一
層の性能向上が望まれていた。
【0004】また、アスペクト比の大きい平板粒子ほど
比表面積が大きくなるので上記の平板粒子の利点を大き
く活用する事ができる。即ち、より大きい表面積に増感
色素を吸着させ、1粒子当たりの光の吸収量を多くする
事により高感度を得る事を可能にする。その為これまで
より薄い平板粒子を調製する方法が幾多研究されてき
た。特公平5−12696号にはゼラチン中のメチオニ
ン基を酸化して無効化したゼラチンを分散媒として用い
て薄い平板粒子を調製する方法が開示されている。特開
平8−82883号にはアミノ基及びメチオニン基を無
効化したゼラチンを分散媒として用いて薄い平板粒子を
調製する方法が開示されている。また特開平10−14
8897号にはゼラチン中のアミノ基を化学修飾して、
少なくとも2個以上のカルボキシル基を導入したゼラチ
ンを分散媒として用いて薄い平板粒子を調製する方法が
開示されている。
【0005】円相当直径が非常に大きく、且つその厚さ
が非常に薄い平板粒子に関しては、米国特許第5612
175号に開示されている。該特許における実施例に
は、厚さが0.1μm未満で平均円相当直径が数μmの
臭化銀平板粒子が開示されている。実施例中もっとも薄
い平板粒子は、厚さが0.04μmで平均円相当直径が
3.9μmであった。欧州特許第896245号には、
厚さが0.048μmで平均円相当直径が3.74μm
の平板粒子がその実施例に開示されている。これらの特
許で開示されている平板粒子は、非常に厚さが薄く且
つ、非常に大きな主表面を有している為、高い感度と、
良好な粒状性が期待されるが、近年、より高い感度が要
求されるに至って、さらに薄く、さらに大きな主表面を
持つ平板粒子が切望されるに至った。
【0006】その中で晶相制御剤は薄い平板粒子を形成
させる上で有効な素材ではあるが、これまで知られた化
合物だけでは望みのアスペクト比に届かず、より高感化
するには更なる高性能な晶相制御剤、すなわちより高い
ハロゲン化銀の(111)面選択性を有する晶相制御剤
の開発が待ち望まれていた。一方、晶相制御剤そのもの
は増感色素の吸着や化学増感を阻害するという弊害を持
っているため、増感色素添加時および化学増感時には平
板粒子上に存在しないことが好ましい。このため一般的
には粒子形成後、増感色素を吸着させる前後に水洗等に
よる除去工程等を盛り込んでいるが、完全には除去でき
ておらず、十分な解決策がない状態である。そのため、
粒子形成後の除去が容易な晶相制御剤がの開発が望まれ
ていた。
【0007】自然界に存在する放射線によってハロゲン
化銀乳剤は徐々に感光し、長い時間が経過すると画像記
録の為の露光以前に既にそれによってかぶりが生じ、こ
れが露光後に得られる画質を著しく悪化させる事は、当
業界でよく知られた事実である。ハロゲン化銀乳剤にお
いては、露光によってハロゲン化銀粒子に潜像を形成せ
しめて画像を記録するが、高感度を達成するには、ハロ
ゲン化銀粒子のサイズを大きくして露光の際の光吸収量
を高める必要がある。一方自然界に存在する放射線の吸
収は、ハロゲン化銀粒子の体積に比例する事はよく知ら
れた事であり、結局、ハロゲン化銀乳剤の高感化と放射
線かぶり増加は同時に起こる事になり、これまでこの問
題の解決の為に多くの努力が為されて来たが、まだ明確
な解決方法は開発されていない。この難問を解決する有
力な方法として、厚さが非常に薄く且つ、主表面積が非
常に大きい粒子を実現する事が有力である。即ち、画像
記録の際、ハロゲン化銀粒子に吸収される光の量は、ハ
ロゲン化銀粒子の表面に吸着した増感色素量に比例し、
増感色素量は、ハロゲン化銀粒子の表面積に比例する事
は自明であるが、一方放射線の吸収は前述の様に、ハロ
ゲン化銀粒子の体積に比例する。従って本発明で開示さ
れる、非常に広い主表面積を持ち、その厚さが非常に薄
い事によって粒子体積を非常に小さくした平板粒子は、
該難問の解決を可能にするものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第一の目的
は、その厚さが非常に薄く、かつ非常に大きい面積の主
表面を持つ、主表面が(111)面である平板粒子から
なるハロゲン化銀乳剤を提供する事にある。本発明の第
二の目的は、高アスペクト比のハロゲン化銀粒子が形成
でき、かつ粒子形成後の除去が容易な晶相制御剤を提供
することにある。第三の目的は、その晶相制御剤を用い
て形成した高アスペクト比のハロゲン化銀粒子およびそ
れ含むハロゲン化銀乳剤の製造方法を提供する事にあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は以下の方
法により達成された。 (1)臭化銀含有量が70モル%以上である感光性ハロ
ゲン化銀粒子を含み、該ハロゲン化銀粒子の全投影面積
の60%以上が、平均粒子厚さが0.04μm未満で、
平均円相当直径が4μm以上であり、かつ、主表面が
(111)面である平板粒子である、ハロゲン化銀乳
剤。 (2)前記ハロゲン化銀粒子の全投影面積の75%以上
が、平均粒子厚さが0.04μm未満で、平均円相当直
径が4μm以上であり、かつ、主表面が(111)面で
ある平板粒子である、(1)記載のハロゲン化銀乳剤。 (3)前記ハロゲン化銀粒子の全投影面積の90%以上
が、平均粒子厚さが0.04μm未満で、平均円相当直
径が4μm以上であり、かつ、主表面が(111)面で
ある平板粒子である、(1)記載のハロゲン化銀乳剤。 (4)核形成、熟成、成長の工程を含み、下記一般式
(I)、(II)または(III)で表わされる化合物の少な
くとも1種を核形成時には存在させず、熟成時及び成長
時に存在させることによって、平板粒子を含む乳剤を得
るハロゲン化銀乳剤の製造方法であって、ハロゲン化銀
粒子の核形成及び/又は粒子成長を起こさせる反応容器
の外に混合器を設け、該混合器に水溶性銀塩の水溶液と
水溶性ハライドの水溶液を供給して混合することにより
ハロゲン化銀微粒子を形成し、ただちに該微粒子を反応
容器に供給し、該反応容器中でハロゲン化銀粒子の核形
成及び/又は成長を行わせることを特徴とする、
(1)、(2)または(3)に記載のハロゲン化銀乳剤
を製造する方法。
【0010】
【化5】
【0011】(式中、R1 はアルキル基、アルケニル
基、アラルキル基を表し、R2 、R3、R4 、R5 およ
びR6 はそれぞれ水素原子または置換基を表す。R2
3 、R3 とR4 、R4 とR5 、R5 とR6 は縮環して
もよい。ただし、R2 、R3 、R4 、R5 及びR6 の少
なくとも一つがアリール基を表す。X- は対アニオンを
表す。)
【0012】
【化6】
【0013】(式中、A1 、A2 、A3 及びA4 はそれ
ぞれ含窒素複素環ヘテロ環を完成させるための非金属原
子群を表し、それぞれが同一でも異なっていてもよい。
Bは2価の連結基を表す。mは0または1を表す。R
7 、R8 はそれぞれアルキル基を表す。Xはアニオンを
表す。nは0、1または2を表し、分子内塩のときnは
0または1である。) (5)核形成、熟成、成長の工程を含み、成長工程の一
部或いは全てにおいて、γ成分およびこれより高分子量
である成分を30%以上含むアルカリ処理骨ゼラチンを
存在せしめる事を特徴とする平板粒子を含むハロゲン化
銀乳剤の製造方法であって、ハロゲン化銀粒子の粒子成
長を起こさせる反応容器の外に、混合器を設け、該混合
器に水溶性銀塩の水溶液と水溶性ハライドの水溶液を供
給して混合することによりハロゲン化銀微粒子を形成
し、ただちに該微粒子を反応容器に供給し、該反応容器
中でハロゲン化銀粒子の成長を行わせることを特徴とす
る、(1)、(2)または(3)に記載のハロゲン化銀
乳剤を製造する方法。 (6)前記混合器において前記ハロゲン化銀微粒子の形
成の為の保護コロイドとして、エステル化ゼラチンを用
いることを特徴とする(4)または(5)に記載のハロ
ゲン化銀乳剤を製造する方法。 (7)下記一般式(IV)または一般式(V)で表される
化合物を含むハロゲン化銀乳剤。
【0014】
【化7】
【0015】(式中、R10、R11、R12、R13およびR
14はそれぞれ水素原子または置換基を表す。Y1、Y2
3、Y4およびY5はそれぞれ水素原子または置換基を
表す。但し、Y1、Y2、Y3、Y4およびY5のうち少な
くとも一つは、−SO2NH2、−SO2NHR15、−S
2N(R152、−SO3 -、−CONH2、−CONH
15、−CON(R152、−NHSO2NH2、−NH
SO2 NHR15、−NHSO2N(R152 および−S
2NHCOR15から選ばれた基である。X- は対アニ
オンを表し、naは化合物の電荷中和に必要な数を表
す。R15は置換もしくは無置換のアルキル基、アルケニ
ル基、アルキニル基またはアリール基を表す。)
【0016】
【化8】
【0017】(式中、Aは含窒素芳香族複素環を完成さ
せるための有機残基を表し、それぞれ異なっていてもよ
い。L1及びL2は2価の連結基を表す。Yは―C(=O)
―、―SO2―、−NHC(=O)―または―NHC(=S)
−を表わす。X- は対アニオンを表し、naは化合物の
電荷中和に必要な数を表す。) (8)前記一般式(IV)または(V)で表される化合物
の存在下で粒子形成されたことを特徴とするハロゲン化
銀乳剤。 (9)前記一般式(IV)または(V)で表される化合物
を粒子形成工程の一部または全部において存在させるこ
とにより、主表面が(111)面である平板粒子を含む
ハロゲン化銀乳剤を製造することを特徴とするハロゲン
化銀乳剤の製造方法。 (10)前記(4)の一般式(I)、(II)または(II
I)で表される化合物が前記一般式(IV)または(V)
で表される化合物であることを特徴とする(4)記載の
ハロゲン化銀乳剤の製造方法。 (11)前記一般式(IV)で表されるピリジニウム化合
物。 (12)前記一般式(IV)において、R10〜R14はそれ
ぞれ水素原子または炭素数1〜3のアルキル基であり、
1〜Y5はそれぞれ水素原子または−SO2NH2で表さ
れることを特徴とする(11)記載のピリジニウム化合
物。 (13)上記(1)〜(11)記載のハロゲン化銀乳剤
または記載の製造方法により作製されたハロゲン化銀乳
剤を含有するハロゲン化銀写真感光材料。
【0018】
【発明の実施の形態】平板状ハロゲン化銀粒子(平板粒
子)は、2つの対向する平行な主表面を有し、該主表面
の円相当直径(該主表面と同じ投影面積を有する円の直
径)と、主表面間の距離(即ち粒子の厚み)の比(アス
ペクト比)によって特徴づけられ、本発明においてはこ
のアスペクト比が2以上のものを平板粒子と呼ぶ。本発
明の平板粒子の平均直径(円相当)は4〜40μmが好
ましく、より好ましくは5〜30μmである。粒子の平
均厚みは0.04μm未満、好ましくは0.035μm
未満、さらに好ましくは0.03〜0.01μmであ
る。本発明のハロゲン化銀乳剤は、これに含まれるハロ
ゲン化銀粒子の全投影面積の60%以上が、平均粒子厚
さが0.04μm未満で、平均円相当直径が4μm以上
であり、かつ、主表面が(111)面である平板粒子で
占められているのが好ましく、全投影面積の75%以上
が該粒子で占められているのがより好ましく、90%以
上であるのがさらに好ましい。本発明に於ける粒子直
径、粒子厚みの測定は米国特許第4434226号に記
載の方法の如く、粒子の電子顕微鏡写真より求める事が
できる。即ち粒子の厚みの測定は、参照用のラテックス
とともに粒子の斜め方向から金属を蒸着し、そのシャド
ーウの長さを電子顕微鏡写真上で測定し、ラテックスの
シャドウの長さを参照にして計算する事により容易に知
る事ができる。但し、この測定法で得られる平板粒子の
厚さの値は、平板粒子の表面に吸着している保護コロイ
ド(一般にはゼラチンが良く用いられる)の厚さが含ま
れている。従って真の平板粒子の厚さは、電子顕微鏡写
真より求められた厚さから、吸着保護コロイド層の厚さ
を除く必要がある。
【0019】平板粒子に吸着したゼラチンの吸着厚さの
測定方法は、Journal of Imaging Science and Technol
ogy第40巻、185〜188頁(1996年)に記載
されている。即ち、吸着した時の占有面積が既知の色素
を、飽和吸着させる事によって平板粒子の厚さを算出す
るか、吸着ゼラチンを硬膜処理した後、ハロゲン化銀粒
子を溶解し去って、乾燥後、ゼラチンの厚さをAFM(原
子間力顕微鏡)を用いて測定する方法である。この両者
の方法でほぼ同じ値が得られ、吸着ゼラチンの厚さは片
面でほぼ4nmである事が該研究論文で報告されてい
る。本特許で開示する非常に厚さの薄い平板粒子におい
ては、この吸着ゼラチンの厚さを無視する事はできな
い。本発明において示す平板粒子の厚さは、この吸着し
たゼラチン層の厚さを含まないものである。
【0020】平板粒子は、その主表面が(111)と
(100)の二つに大別されるが、本発明の平板粒子
は、(111)面である双晶面を少なくとも1枚含み、
双晶面と平行な(111)面を主表面とする平板粒子で
ある。双晶面とは(111)面の両側ですべての格子点
のイオンが鏡像関係にある場合に、この(111)面の
事をいう。本発明における平板粒子は、完全な三角形
と、六角形及びその間の形を取り得る。平板粒子は一般
的には、3回回転対称が成立するが、本発明において
は、晶相制御剤を用いる為、3回回転対称性がない、い
わゆる「歪な」平板粒子がおうおうにして存在する。例
えば6角平板粒子においては6つの辺は一つおきに同じ
長さをもち、一つの辺の中心になす角度は、60度であ
る事が一般的であるが、本発明の平板粒子はこの規則性
を欠く場合がある。
【0021】平板粒子の異方性を表わすメジャーとし
て、平板粒子の円相当直径/粒子厚みであるアスペクト
比がよく用いられる。平板粒子乳剤の平均アスペクト比
は、個々の粒子で測定され、その平均値が算出されるべ
きであるが、円相当直径と平板粒子厚みをそれぞれ別個
に測定し、各々の平均値から平均アスペクト比を算出し
ても両者に大きな差は見られない事から、本発明におい
ては後者の方法が採用される。本発明の平板粒子は、大
きな円相当直径と非常に薄い厚みを有するので、当然、
非常に高いアスペクト比を有する。本発明の平板粒子の
平均アスペクト比は、好ましくは100以上2000未
満、より好ましくは100以上1000未満である。
【0022】本発明の平板粒子の調製においては、保護
コロイド水溶液を保持する反応容器に、銀塩水溶液とハ
ライド水溶液を添加するかわりにハロゲン化銀微粒子を
添加して核形成及び/又は成長を行う。この方法につい
ては、米国特許第4879208号、米国特許第510
4786号、特開平1−183644号、同2−443
5号、同2−43535号、同2−68538号にその
技術が開示されている。また平板粒子形成におけるヨウ
素イオンの供給法として、微粒子ヨウ化銀(粒子径0.
1μm以下、好ましくは0.06μm以下)乳剤を添加
しても良く、この際、ヨウ化銀微粒子の供給法として米
国特許第4879208号に開示されている製造法を用
いる事が好ましい。これらの微粒子添加による核形成及
び/または粒子成長を行う方法において、特開平10−
239787号、同11−76783号に開示された攪
拌槽を貫通する回転軸を持たない攪拌羽根を攪拌槽内で
回転駆動する混合器を用いて調製した微細なハロゲン化
銀粒子を反応容器に添加してハロゲン化銀粒子の調製を
行う方法が好ましい。
【0023】本発明においては、微粒子形成する混合器
の温度は、50℃以下、好ましくは40℃以下、より好
ましくは30℃以下、さらに20℃以下が好ましい。微
粒子が溶解し、平板粒子が成長する反応容器の温度は、
50℃以上、好ましくは60℃以上、より好ましくは7
0℃以上、さらに好ましくは80℃以上である。平板粒
子が成長する反応容器のpBr(=−log(Br- ))の値は、
2.0以下、好ましくは1.5以下、より好ましくは
1.2以下である。低いpBr即ち高い臭素イオン濃度
は、本発明の平板粒子の成長に必要な条件である。
【0024】平板粒子のハロゲン組成としては、臭化銀
含有率が70モル%以上のヨウ臭化銀、塩ヨウ臭化銀、
ヨウ臭塩化銀、塩臭化銀である。臭化銀含有率としては
好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上であ
る。本発明の平板粒子のハロゲン組成に関する構造につ
いては、X線回折、EPMA(XMAという名称もあ
る)法(電子線でハロゲン化銀粒子を走査して、ハロゲ
ン化銀組成を検出する方法)、ESCA(X線を照射し
て粒子表面から出てくる光電子を分光する方法)などを
組合せる事により確認する事ができる。
【0025】本発明で(111)主表面型平板粒子を形
成する際用いられる、前記一般式(I)、(II)または(II
I)で表わされる化合物の詳細を説明する。一般式(I)
において、R1 は炭素数1〜20の直鎖、分岐または環
状のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、イソプ
ロピル基、t−ブチル基、n−オクチル基、n−デシル
基、n−ヘキサデシル基、シクロプロピル基、シクロペ
ンチル基、シクロヘキシル基)、炭素数2〜20のアル
ケニル基(例えば、アリル基、2−ブテニル基、3−ペ
ンテニル基)、炭素数7〜20のアラルキル基(例え
ば、ベンジル基、フェネチル基)が好ましい。R1 で表
される各基はさらに置換されていてもよい。
【0026】R2 、R3 、R4 、R5 およびR6 はそれ
ぞれ同じであっても異なっていてもよく、水素原子また
はこれを置換可能な基(置換基)を表す。置換基として
は以下のものが挙げられる。ハロゲン原子、アルキル
基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリ
ール基、ヘテロ環基(例えば、ピリジル基、フリル基、
イミダゾリル基、ピペリジル基、モルホリノ基等)、ア
ルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、アシルアミ
ノ基、ウレイド基、ウレタン基、スルホニルアミノ基、
スルファモイル基、カルバモイル基、スルホニル基、ス
ルフィニル基、アルキルオキシカルボニル基、アシル
基、アシルオキシ基、りん酸アミド基、アルキルチオ
基、アリールチオ基、シアノ基、スルホ基、カルボキシ
基、ヒドロキシ基、ホスホノ基、ニトロ基、スルフィノ
基、アンモニオ基(例えば、トリメチルアンモニオ基
等)、ホスホニオ基、ヒドラジノ基等である。これらの
基はさらに置換されていてもよい。R2 とR3 、R3
4、R4 とR5、R5 とR6 は縮環してキノリン環、イ
ソキノリン環、アクリジン環を形成してもよい。
【0027】X- は対アニオンを表す。対アニオンとし
ては例えば、ハロゲンイオン(塩素イオン、臭素イオ
ン、ヨウ素イオン)、硝酸イオン、硫酸イオン、p−ト
ルエンスルホン酸イオン、トリフロロメタンスルホン酸
イオン等が挙げられる。
【0028】一般式(I)において好ましくは、R1
アラルキル基を表し、R2 、R3 、R4 、R5 およびR
6 の少なくとも一つがアリール基を表す。一般式(I)
においてより好ましくは、R1 がアラルキル基を表し、
4 がアリール基を表し、X- がハロゲンイオンを表
す。これらの化合物例が欧州特許公開(EP)第072
3187A号公報に晶相制御剤1〜29として記載され
ているが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0029】次に一般式(II)及び(III) の化合物につ
いて詳細に説明する。A1 、A2 、A3 およびA4 は、
含窒素複素環を完成させるための非金属元素を表し、酸
素原子、窒素原子、硫黄原子を含んでもよく、ベンゼン
環が縮環してもかまわない。A1 、A2 、A3 およびA
4 で構成される複素環は置換基を有してもよく、それぞ
れが同一でも異なっていてもよい。置換基としてはアル
キル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基、ハ
ロゲン原子、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリ
ールオキシカルボニル基、スルホ基、カルボキシ基、ヒ
ドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミド
基、スルファモイル基、カルバモイル基、ウレイド基、
アミノ基、スルホニル基、シアノ基、ニトロ基、メルカ
プト基、アルキルチオ基、アリールチオ基等が挙げられ
る。好ましい例としては、A1 、A2 、A3 およびA4
は5〜6員環(例えば、ピリジン環、イミダゾール環、
チアゾール環、オキサゾール環、ピラジン環、ピリミジ
ン環など)を挙げることができる。さらに好ましい例と
してピリジン環を挙げることができる。Bは2価の連結
基を表す。2価の連結基とはアルキレン、アリーレン、
アルケニン、−SO2 −、−SO−、−O−、−S−、
−CO−、−N(R9)−(R 9 はアルキル基、アリール
基、水素原子を表す。)を単独または組合せて構成され
るものを表す。好ましい例としては、Bはアルキレン、
アルケニレンを挙げることができる。
【0030】R7とR8 はそれぞれ炭素数1以上20以
下のアルキル基が好ましい。R7 とR8 は同一でも異な
っていてもよい。アルキル基とは、置換あるいは無置換
のアルキル基を表し、置換基としては、A1 、A2 、A
3 およびA4 の置換基として挙げた、アルキル基以外の
置換基と同様である。好ましい例としては、R7 とR8
はそれぞれ炭素数4〜10のアルキル基を表す。さらに
好ましい例として置換もしくは無置換のアリール置換ア
ルキル基を表す。X-はアニオンを表す。例えば、塩素
イオン、臭素イオン、沃素イオン、硝酸イオン、硫酸イ
オン、p−トルエンスルホナート、オギザラートを表
す。nは0、1または2を表し、分子内塩の場合にはn
は0または1である。
【0031】一般式(II)または一般式(III) で表され
る化合物の具体例として特開平2−32号に開示されて
いる化合物例(1)〜(42)及び米国特許第5,432,
052号に開示されている化合物例(1)〜(32)がある
が、本発明はこれらの化合物に限定されるものではな
い。
【0032】次に一般式(IV)で表される化合物につい
て詳細に説明する。一般式(I)で表される化合物の中
でも下記一般式(IV)で表される化合物が本発明の目的
において好ましい。
【0033】
【化9】
【0034】(式中、R10、R11、R12、R13およびR
14はそれぞれ水素原子または置換基を表す。Y1、Y2
3、Y4およびY5はそれぞれ水素原子または置換基を
表す。但し、Y1、Y2、Y3、Y4およびY5のうち少な
くとも一つは、−SO2NH2、−SO2NHR15、−S
2N(R152、−SO3 -、−CONH2、−CONH
15、−CON(R152、−NHSO2NH2、−NH
SO2 NHR15、−NHSO2N(R152 または−S
2NHCOR15から選ばれた基である。X- は対アニ
オンを表し、naは化合物の電荷中和に必要な数を表
す。R15は置換もしくは無置換のアルキル基、アルケニ
ル基、アルキニル基またはアリール基を表す。)
【0035】一般式(IV)におけるR10、R11、R12
13およびR14はそれぞれ水素原子または置換基を表
し、それぞれは同じであっても異なっていてもよい。R
10、R 11、R12、R13およびR14で表される置換基とし
ては、例えばハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原
子、ヨウ素原子);アルキル基[直鎖、分岐、環状の置
換もしくは無置換のアルキル基等を表す。それらはアル
キル基(好ましくは炭素数1から30のアルキル基、例
えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、t
−ブチル、n−オクチル、エイコシル、2−クロロエチ
ル、2−シアノエチル、2−エチルヘキシル)、シクロ
アルキル基(好ましくは、炭素数3から30の置換また
は無置換のシクロアルキル基、例えばシクロヘキシル、
シクロペンチル、4−n−ドデシルシクロヘキシル)、
ビシクロアルキル基(好ましくは炭素数5から30の置
換もしくは無置換のビシクロアルキル基つまり炭素数5
から30のビシクロアルカンから水素原子を一個取り去
った一価の基である。例えばビシクロ[1,2,2]ヘ
プタン−2−イル、ビシクロ[2,2,2]オクタン−
3−イル)、更に環構造が多いトリシクロ構造なども包
含するものである。以下に説明する置換基の中のアルキ
ル基(例えばアルキルチオ基のアルキル基)もこのよう
な概念のアルキル基を表す。] ;アルケニル基[直鎖、
分岐、環状の置換もしくは無置換のアルケニル基を表
す。それらは、アルケニル基(好ましくは炭素数2から
30の置換または無置換のアルケニル基、例えばビニ
ル、アリル、プレニル、ゲラニル、オレイル)、シクロ
アルケニル基(好ましくは、炭素数3から30の置換も
しくは無置換のシクロアルケニル基、つまり炭素数3か
ら30のシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一
価の基である。例えば2−シクロペンテン−1−イル、
2−シクロヘキセン−1−イル)、ビシクロアルケニル
基(置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基、好ま
しくは、炭素数5から30の置換もしくは無置換のビシ
クロアルケニル基、つまり二重結合を一個持つビシクロ
アルケンの水素原子を一個取り去った一価の基である。
例えば、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−1
−イル、ビシクロ[2,2,2]オクト−2−エン−4
−イル)を包含するものである。];アルキニル基(好
ましくは、炭素数2から30の置換または無置換のアル
キニル基、例えばエチニル、プロパルギル、トリメチル
シリルエチニル基);アリール基(好ましくは炭素数6
から30の置換もしくは無置換のアリール基、例えばフ
ェニル、p−トリル、ナフチル、m−クロロフェニル、
o−ヘキサデカノイルアミノフェニル);ヘテロ環基
(好ましくは5または6員の置換もしくは無置換の、芳
香族もしくは非芳香族のヘテロ環化合物から一個の水素
原子を取り除いた一価の基であり、更に好ましくは炭素
数3から30の5もしくは6員の芳香族のヘテロ環基で
ある。例えば2−フリル、2−チエニル、2−ピリミジ
ニル、2−ベンゾチアゾリル);シアノ基;ヒドロキシ
ル基;ニトロ基;カルボキシル基;アルコキシ基(好ま
しくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアル
コキシ基、例えばメトキシ、エトキシ、イソプロポキ
シ、t−ブトキシ、n−オクチルオキシ、2−メトキシ
エトキシ);アリールオキシ基(好ましくは、炭素数6
から30の置換もしくは無置換のアリールオキシ基、例
えばフェノキシ、2−メチルフェノキシ、4−t−ブチ
ルフェノキシ、3−ニトロフェノキシ、2−テトラデカ
ノイルアミノフェノキシ);シリルオキシ基(好ましく
は、炭素数3から20のシリルオキシ基、例えばトリメ
チルシリルオキシ、t−ブチルジメチルシリルオキ
シ);ヘテロ環オキシ基(好ましくは、炭素数2から3
0の置換もしくは無置換のヘテロ環オキシ基、1−フェ
ニルテトラゾールー5−オキシ、2−テトラヒドロピラ
ニルオキシ);アシルオキシ基(好ましくはホルミルオ
キシ基、炭素数2から30の置換もしくは無置換のアル
キルカルボニルオキシ基、炭素数6から30の置換もし
くは無置換のアリールカルボニルオキシ基、例えばホル
ミルオキシ、アセチルオキシ、ピバロイルオキシ、ステ
アロイルオキシ、ベンゾイルオキシ、p−メトキシフェ
ニルカルボニルオキシ);カルバモイルオキシ基(好ま
しくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のカル
バモイルオキシ基、例えばN,N−ジメチルカルバモイ
ルオキシ、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ、モル
ホリノカルボニルオキシ、N,N−ジ−n−オクチルア
ミノカルボニルオキシ、N−n−オクチルカルバモイル
オキシ);アルコキシカルボニルオキシ基(好ましく
は、炭素数2から30の置換もしくは無置換アルコキシ
カルボニルオキシ基、例えばメトキシカルボニルオキ
シ、エトキシカルボニルオキシ、t−ブトキシカルボニ
ルオキシ、n−オクチルカルボニルオキシ);アリール
オキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数7から
30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル
オキシ基、例えば、フェノキシカルボニルオキシ、p−
メトキシフェノキシカルボニルオキシ、p−n−ヘキサ
デシルオキシフェノキシカルボニルオキシ);アミノ基
(好ましくは、アミノ基、炭素数1から30の置換もし
くは無置換のアルキルアミノ基、炭素数6から30の置
換もしくは無置換のアニリノ基、例えば、アミノ、メチ
ルアミノ、ジメチルアミノ、アニリノ、N-メチル−アニ
リノ、ジフェニルアミノ);アシルアミノ基(好ましく
は、ホルミルアミノ基、炭素数1から30の置換もしく
は無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6から
30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルアミノ
基、例えば、ホルミルアミノ、アセチルアミノ、ピバロ
イルアミノ、ラウロイルアミノ、ベンゾイルアミノ、
3,4,5−トリ−n−オクチルオキシフェニルカルボ
ニルアミノ);アミノカルボニルアミノ基(好ましく
は、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアミノカ
ルボニルアミノ、例えばカルバモイルアミノ、N,N−
ジメチルアミノカルボニルアミノ、N,N−ジエチルア
ミノカルボニルアミノ、モルホリノカルボニルアミ
ノ);アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素
数2から30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニ
ルアミノ基、例えば、メトキシカルボニルアミノ、エト
キシカルボニルアミノ、t−ブトキシカルボニルアミ
ノ、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ、N−メ
チルーメトキシカルボニルアミノ);アリールオキシカ
ルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数7から30の置
換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルアミノ
基、例えばフェノキシカルボニルアミノ、p-クロロフェ
ノキシカルボニルアミノ、m-n−オクチルオキシフェノ
キシカルボニルアミノ);スルファモイルアミノ基(好
ましくは、炭素数0から30の置換もしくは無置換のス
ルファモイルアミノ基、例えばスルファモイルアミノ、
N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ、N−n−オ
クチルアミノスルホニルアミノ);アルキル及びアリー
ルスルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1から30の
置換もしくは無置換のアルキルスルホニルアミノ、炭素
数6から30の置換もしくは無置換のアリールスルホニ
ルアミノ、例えばメチルスルホニルアミノ、ブチルスル
ホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ、2,3,5
−トリクロロフェニルスルホニルアミノ、p−メチルフ
ェニルスルホニルアミノ);メルカプト基;アルキルチ
オ基(好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無
置換のアルキルチオ基、例えばメチルチオ、エチルチ
オ、n−ヘキサデシルチオ);アリールチオ基(好まし
くは炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリール
チオ、例えばフェニルチオ、p−クロロフェニルチオ、
m−メトキシフェニルチオ);ヘテロ環チオ基(好まし
くは炭素数2から30の置換または無置換のヘテロ環チ
オ基、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ、1−フェニ
ルテトラゾール−5−イルチオ);スルファモイル基
(好ましくは炭素数0から30の置換もしくは無置換の
スルファモイル基、例えばN−エチルスルファモイル、
N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル、
N,N−ジメチルスルファモイル、N−アセチルスルフ
ァモイル、N−ベンゾイルスルファモイル、N−(N
‘−フェニルカルバモイル)スルファモイル);スルホ
基;アルキル及びアリールスルフィニル基(好ましく
は、炭素数1から30の置換または無置換のアルキルス
ルフィニル基、6から30の置換または無置換のアリー
ルスルフィニル基、例えばメチルスルフィニル、エチル
スルフィニル、フェニルスルフィニル、p−メチルフェ
ニルスルフィニル);アルキル及びアリールスルホニル
基(好ましくは炭素数1から30の置換または無置換の
アルキルスルホニル基、6から30の置換または無置換
のアリールスルホニル基、例えばメチルスルホニル、エ
チルスルホニル、フェニルスルホニル、p−メチルフェ
ニルスルホニル);アシル基(好ましくはホルミル基、
炭素数2から30の置換または無置換のアルキルカルボ
ニル基、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリ
ールカルボニル基、炭素数4から30の置換もしくは無
置換の炭素原子でカルボニル基と結合しているヘテロ環
カルボニル基、例えばアセチル、ピバロイル、2−クロ
ロアセチル、ステアロイル、ベンゾイル、p−n−オク
チルオキシフェニルカルボニル、2―ピリジルカルボニ
ル、2―フリルカルボニル);アリールオキシカルボニ
ル基(好ましくは、炭素数7から30の置換もしくは無
置換のアリールオキシカルボニル基、例えばフェノキシ
カルボニル、o−クロロフェノキシカルボニル、m−ニ
トロフェノキシカルボニル、p−t−ブチルフェノキシ
カルボニル);アルコキシカルボニル基(好ましくは、
炭素数2から30の置換もしくは無置換アルコキシカル
ボニル基、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボ
ニル、t−ブトキシカルボニル、n−オクタデシルオキ
シカルボニル);カルバモイル基(好ましくは炭素数1
から30の置換もしくは無置換のカルバモイル、例えば
カルバモイル、N−メチルカルバモイル、N,N−ジメ
チルカルバモイル、N,N−ジ−n−オクチルカルバモ
イル、N−(メチルスルホニル)カルバモイル);アリ
ール及びヘテロ環アゾ基(好ましくは炭素数6から30
の置換もしくは無置換のアリールアゾ基、炭素数3から
30の置換もしくは無置換のヘテロ環アゾ基、例えばフ
ェニルアゾ、p−クロロフェニルアゾ、5−エチルチオ
−1,3,4−チアジアゾール−2−イルアゾ);イミ
ド基(好ましくは、N−スクシンイミド、N−フタルイ
ミド);ホスフィノ基(好ましくは、炭素数2から30
の置換もしくは無置換のホスフィノ基、例えばジメチル
ホスフィノ、ジフェニルホスフィノ、メチルフェノキシ
ホスフィノ);ホスフィニル基(好ましくは、炭素数2
から30の置換もしくは無置換のホスフィニル基、例え
ば、ホスフィニル、ジオクチルオキシホスフィニル、ジ
エトキシホスフィニル);ホスフィニルオキシ基(好ま
しくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換のホス
フィニルオキシ基、例えばジフェノキシホスフィニルオ
キシ、ジオクチルオキシホスフィニルオキシ);ホスフ
ィニルアミノ基(好ましくは、炭素数2から30の置換
もしくは無置換のホスフィニルアミノ基、例えばジメト
キシホスフィニルアミノ、ジメチルアミノホスフィニル
アミノ);シリル基(好ましくは、炭素数3から30の
置換もしくは無置換のシリル基、例えばトリメチルシリ
ル、t−ブチルジメチルシリル、フェニルジメチルシリ
ル);等を表わす。上記の置換基の中で、水素原子を有
するものは、これを取り去り更に上記置換基で置換され
ていてもよい。そのような置換基の例としては、アルキ
ルカルボニルアミノスルホニル基、アリールカルボニル
アミノスルホニル基、アルキルスルホニルアミノカルボ
ニル基、アリールスルホニルアミノカルボニル基が挙げ
られ、具体的には例えば、メチルスルホニルアミノカル
ボニル、p−メチルフェニルスルホニルアミノカルボニ
ル、アセチルアミノスルホニル、ベンゾイルアミノスル
ホニル基等が挙げられる。これらの置換基をここでは置
換基Vと称呼する。置換基Vは更に置換されていてもよ
い。
【0036】R10、R11、R12、R13およびR14で表さ
れる置換基として好ましくは、アルキル基、アリール
基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ
基、アシル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、カルバ
モイル基、スルファモイル基、アミノ基、アシルアミノ
基、アシルオキシ基、カルボキシ基、メルカプト基であ
り、より好ましくはアルキル基、ハロゲン原子、シアノ
基、ヒドロキシ基、アシル基、アルコキシ基、カルバモ
イル基、アミノ基、アシルアミノ基である。特に好まし
くはアルキル基である。
【0037】R10、R11、R12、R13およびR14として
好ましくは、水素原子または炭素数1〜3のアルキル基
であり、より好ましくは水素原子である。
【0038】一般式(IV)におけるY1、Y2、Y3、Y4
およびY5はそれぞれ水素原子または置換基を表す。但
し、Y1、Y2、Y3、Y4およびY5のうち少なくとも一
つは、−SO2NH2、−SO2NHR15、−SO2N(R
152、−SO3 -、−CONH2、−CONHR15、−
CON(R152、−NHSO2NH2 、−NHSO2
HR15、−NHSO2N(R152 または−SO2NHC
OR15から選ばれた基である。これらの基を置換基Zと
する。Y1、Y2、Y3、Y4およびY5で表される置換基
としては、例えばR10、R11、R12、R13およびR14
表される置換基として挙げた置換基Vが適用できる。但
し、Y1、Y2、Y3、Y4およびY5のうち少なくとも1
つは置換基Zから選ばれた基である。置換基Vの中でY
1、Y2、Y3、Y4およびY5として好ましくは、炭素数
1〜20の直鎖、分岐または環状のアルキル基(例え
ば、メチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、n−
オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロ
ピル、シクロペンチル、シクロへキシル)、ハロゲン原
子(F、Cl、Br、I)、シアノ基、ニトロ基、ヒド
ロキシ基、アシル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、
カルバモイル基、スルファモイル基、スルホ基、アミノ
スルホニルアミノ基、アシルアミノスルホニル基、アミ
ノ基、アシルアミノ基、アシルオキシ基、カルボキシ
基、メルカプト基であり、より好ましくはアルキル基、
ハロゲン原子、シアノ基、カルバモイル基、スルファモ
イル基、スルホ基、アミノスルホニルアミノ基、アシル
アミノスルホニル基、アシル基、アルコキシ基、カルバ
モイル基、アミノ基、アシルアミノ基であり、より好ま
しくはアルキル基、ハロゲン原子、アシル基、アルコキ
シ基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホ基、
アミノスルホニルアミノ基、アシルアミノスルホニル
基、アミノ基、アシルアミノ基であり、特に好ましくは
アルキル基である。
【0039】Y1、Y2、Y3、Y4およびY5として好ま
しくは、水素原子またはY1〜Y5で表される置換基とし
て挙げた好ましい置換基である。より好ましくは水素原
子である。但し、Y1〜Y5の少なくとも一つは前記の置
換基Zである。
【0040】その置換基Zのうち内、好ましくは−SO
2NH2、−SO2NHR15または−SO2NHCOR15
あり、より好ましくは、−SO2NH2または−SO2
HCOR15であり、特に好ましくは−SO2NH2であ
る。Y1、Y2、Y3、Y4およびY5が置換基Zである好
ましい個数は3以下であり、より好ましくは2以下であ
り、最も好ましくは1である。また置換基Zの置換位置
として好ましくはY1またはY3であり、より好ましくは
3である。
【0041】R15は置換もしくは無置換のアルキル基、
アルケニル基、アルキニル基またはアリール基を表す。
好ましくはアルキル基であり、より好ましくは炭素数1
〜10の無置換のアルキル基である。例えば、メチル、
エチル、プロピルである。
【0042】一般式(IV)におけるnaは化合物の電荷
中和に必要な数であり、通常0〜3の数を表す。必ずし
も整数でなく、分数、小数でもよい。一般式(IV)にお
けるX-は対アニオンを表し、一般式(I)のX-と同義
であり、好ましい例も同じである。
【0043】一般式(IV)で表される化合物としてさら
に好ましくは下記一般式(IV−A)で表される化合物で
あり、特に好ましくは下記一般式(IV−B)で表される
化合物である。 一般式(IV−A)
【0044】
【化10】
【0045】(式中、Y1a、Y2a、Y4aおよびY5aはそ
れぞれ水素原子、一般式(IV)のY1〜Y5で表される置
換基または置換基Zを表す。Y3aは−SO2NH2 、−
SO2NHR15、−SO2N(R152、−SO3 -、−C
ONH2、−CONHR15、−CON(R152、−NH
SO2NH2、−NHSO2NHR15、−NHSO2N(R
152 または−SO2NHCOR15から選ばれた基を表
す。R15、na及びX-は一般式(IV)におけると同義で
ある。) 一般式(IV−B)
【0046】
【化11】
【0047】(式中、Y1a、Y2a、Y4aおよびY5aは一
般式(IV−A)のY1a、Y2a、Y4aおよびY5aと同義で
あり、好ましい範囲も同じである。na及びX-は一般式
(IV)におけると同義である。)
【0048】次に一般式(V)で表される化合物につい
て詳細に説明する。一般式(III)で表される化合物の
中でも下記一般式(V)で表される化合物が本発明の目
的において好ましい。
【0049】
【化12】
【0050】(式中、Aは含窒素芳香族複素環を完成さ
せるための有機残基を表す。L1及びL2は2価の連結基
を表す。Yは―C(=O)―、―SO2―、−NHC(=O)―
または―NHC(=S)−を表す。X- 、naは一般式(I
V)と同義である。R15は置換もしくは無置換のアルキ
ル基、アルケニル基、アルキニル基またはアリール基を
表す。)
【0051】一般式(V)におけるL1は二価の連結基
を表す。二価の連結基としては、アルキレン基、アリー
レン基、アルケニレン基を単独または組合せて構成され
る連結基が挙げられる。L1で表されるアルキレン基
は、直鎖あるいは分岐鎖のものであっても環状構造を含
んでいてもよく、炭素数1〜20のものが好ましい(例え
ばメチレン、エチレン、トリメチレン、プロピレン)。
アリーレン基は炭素数8〜20のものが好ましい(例えば
-CH2C6H4CH2-)。アルケニレン基は炭素数2〜20のも
のが好ましい(例えば-CH2CH=CHCH2-)。またそれらの
組合せでできる連結基は、炭素数3〜20が好ましい。
またL1は置換基を有していてもよく、その置換基とし
て置換基Vが挙げられる。置換基VのうちL1として好
ましくはアルキル基またはアリール基である。
【0052】L1としては好ましくは、置換または無置
換の炭素数1〜10のアルキレン基であり、より好ましく
は置換もしくは無置換のメチレン基、エチレン基または
トリメチレン基である。更に好ましくは無置換のメチレ
ン基またはエチレン基であり、最も好ましくは無置換の
メチレン基である。
【0053】一般式(V)におけるL2は二価の連結基
を表す。二価の連結基としては、炭素数1〜20のアル
キレン基、炭素数6〜18のアリーレン基、炭素数2〜
20のアルケニレン基、または炭素数2〜20のアルキ
レン基と―SO2―、―SO―、―O―、−S−、−C
O−、−NH―、―N(R16)―、-P(=O)=、カチオン
性基(具体的には窒素またはリンの4級塩構造、4級化
された窒素原子を含む含窒素複素環)の各基、あるいは
これらの組合せで構成される連結基が挙げられる(R16
は置換もしくは無置換のアルキル基、アルケニル基、ア
ラルキル基またはアリール基を表す)。L2で表される
二価の連結基として好ましくは、炭素数1〜16のアル
キレン基、炭素数2〜16のアルキレン基と−O−、ま
たは−S−との組合せで構成されたものであり、より好
ましくは炭素数1〜12のアルキレン基または炭素数2
〜12のアルキレン基と−O−との組合せで構成された
ものであり、さらに好ましくは炭素数2〜10のアルキ
レン基と−O−との組合せで構成されるものである。具
体例としてジエチレンオキシ、トリエチレンオキシなど
が挙げられる。
【0054】R16は置換もしくは無置換のアルキル基、
アルケニル基、アルキニル基またはアリール基を表す。
好ましくはアルキル基であり、より好ましくは炭素数1
〜10の無置換のアルキル基である。例えば、メチル、
エチル、プロピルである。
【0055】一般式(V)におけるYは―C(=O)―、
―SO2―、−NHC(=O)―、―NHC(=S)−を表
し、好ましくは―C(=O)―または―SO2―であり、よ
り好ましくは―C(=O)―である。
【0056】一般式(V)におけるAは含窒素芳香族複
素環を完成させるための有機残基を表す。ここでいう含
窒素芳香族複素環化合物とは、ピリジン誘導体、キノリ
ン誘導体、イソキノリン誘導体、ピロール誘導体、オキ
サゾール誘導体、チアゾール誘導体、イミダゾール誘導
体、ベンゾオキサゾール誘導体、ベンゾチアゾール誘導
体、ベンゾイミダゾール誘導体などであり、単環の化合
物であっても他の環と縮環した化合物であってもよい。
またこれらの複素環化合物は置換基を有していてもよ
い。置換基として例えば置換基Vが挙げられる。その中
でも好ましくはアルキル基、アルケニル基、アルキニル
基、アリール基、ヘテロ環基、アシルオキシ基、ハロゲ
ン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチ
オ基、アリールチオ基、アシル基、(アルキルもしくは
アリール)オキシカルボニル基、スルホ基(スルホナート
を含む)、カルボキシ基(カルボキシラートを含む)、メ
ルカプト基、カルボンアミド基、スルホンアミド基、ス
ルファモイル基、カルバモイル基、ウレイド基、チオウ
レイド基、(アルキルもしくはアリール) アミノ基、シ
アノ基またはニトロ基である。これらの置換基はさらに
他の置換基で置換されていてもよい。芳香族複素環化合
物の置換基として好ましくは、アルキル基、アリール
基、複素環基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリール
オキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキル
もしくはアリールアミノ基またはシアノ基が挙げられ
る。
【0057】一般式(V)においてAが形成する芳香族
複素環化合物としては好ましくはピリジン誘導体、キノ
リン誘導体、イソキノリン誘導体、ベンゾオキサゾール
誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、ベンゾイミダゾール
誘導体である。より好ましくはピリジン誘導体、キノリ
ン誘導体、イソキノリン誘導体であり、更に好ましくは
4-フェニルピリジン、イソキノリン、キノリンであり、
特に好ましくは4-フェニルピリジンである。
【0058】一般式(V)で表される化合物としてさら
に好ましくは下記一般式(V−A)で表される化合物で
あり、より特に好ましくは下記一般式(V−B)で表さ
れる化合物である。 一般式(V−A)
【0059】
【化13】
【0060】(式中、Laはアルキレン基、アリーレン
基、アルケニレン基を単独または組合せて構成される二
価の連結基を表す。Lbはアルキレン基、アリーレン
基、アルケニレン基、―SO2―、―SO―、―O―、
−S−、−CO−、−NH―、―N(R16)―各基とそ
れらの組合せで構成される二価の連結基を表し、R16
アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、またはアリ
ール基を表す。Yは一般式(V)のYと同義であり、好
ましい範囲も同じである。na及びX-は一般式(IV)に
おけると同義である。) 一般式(V−B)
【0061】
【化14】
【0062】(式中、Lbは一般式(V−A)のLbと
同義であり、好ましい範囲も同じである。na及びX-
一般式(IV)におけると同義である。)
【0063】Laは二価の連結基であり、アルキレン
基、アリーレン基、アルケニレン基を単独または組み合
わせ組合せて構成されるものを表す。好ましい例として
は、炭素数1〜20のアルキレン基、または炭素数2〜
20のアルケニレン基を挙げることができる。より好ま
しくは炭素数1〜4のアルキレン基または、炭素数2〜
4のアルケニレン基であり、さらに好ましくはメチレ
ン、エチレン、トリメチレンである。
【0064】Lbは二価の連結基を表し、炭素数1〜2
0のアルキレン基または炭素数2〜20のアルキレン基
と―SO2―、―SO―、―O―、−S−、−CO−、
−NH―との組合せで構成されるものを表す。好ましい
例としては、炭素数1〜10のアルキレン基、炭素数2
〜10のアルキレン基と−O−、または−S−との組合
せで構成されるものであり、より好ましくは炭素数1〜
12のアルキレン基、または炭素数2〜12のアルキレ
ン基と−O−との組合せで構成されるものであり、さら
に好ましくは炭素数2〜10のアルキレン基と−O−と
の組合せで構成されるものである。具体例としてはジエ
チレンオキシ、トリエチレンオキシなどが挙げられる。
【0065】次に、一般式(IV)および(V)で表され
る化合物の具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定さ
れるものではない。
【0066】
【化15】
【0067】
【化16】
【0068】
【化17】
【0069】
【化18】
【0070】
【化19】
【0071】
【化20】
【0072】上記の他、特開2001−92070号に
開示されている化合物(II−1)〜(II−76) が適用
できる。
【0073】一般式(IV)および(V)で表される化合
物は、容易に入手可能なアミン類より合成することがで
きる。以下に代表的化合物について具体的合成例を示
す。他の化合物についても、同様に合成することができ
る。説明は実施例の項を参照。
【0074】
【化21】
【0075】
【化22】
【0076】本発明に用いる一般式(I)、(II)、
(III)、(IV)および(V)で表わされる化合物は、ハ
ロゲン化銀結晶の(111)面に選択的に吸着する性質
が顕著で、これを(111)晶相制御剤と呼ぶ。(11
1)主表面型の平板粒子形成においてこれらの化合物を
存在させると該化合物が平板粒子の主表面に選択的に吸
着し平板粒子の厚さ方向の成長を抑制し、その結果薄い
平板粒子を得る事ができる。特に、一般式(IV)および
(V)で表される晶相制御剤は優れた面選択性を有して
おり、これらを用いて形成された粒子は、従来の晶相制
御剤を用いて形成した粒子よりさらに薄くすることがで
きる。特開平10-104769号には、核形成(双晶形成)時
に、(111)面晶相制御剤を用いてより薄い平板粒子
を調製する事が開示されている。本発明の(111)晶
相制御剤は、粒子形成工程のどの時期に存在させてもよ
いが、核形成時には存在させず、熟成及び成長時に存在
させることが好ましい。より具体的に言うと、該(11
1)晶相制御剤は、核形成終了後に添加するか、或いは
引き続き行われる熟成時に添加されるのが好ましい。さ
らに、平板粒子成長時にも該(111)晶相制御剤は存
在し、必要によって成長開始前、或いは成長中に該(1
11)晶相制御剤を添加する事が好ましい。より好まし
くは、該(111)晶相制御剤を平板粒子成長時に連続
的に添加する。
【0077】本発明のハロゲン化銀感光材料において、
一般式(I)、(II)、(III)、(IV)及び(V)で
表される晶相制御剤は2種以上を併用することができ
る。
【0078】本発明に用いる一般式(I)、(II)、
(III)、(IV)及び(V)で表される晶相制御剤の添
加量はハロゲン化銀1モル当たり、5×10-4〜5モル
であることが好ましく、特に5×10-3〜5×10-1
ルであることがより好ましい。
【0079】本発明で使用するゼラチンとしては、アル
カリ処理でも酸処理でも良いが、通常アルカリ処理ゼラ
チンが良く用いられる。特に不純物イオンや不純物を除
去した脱イオン処理や限外ろ過処理を施したアルカリ処
理ゼラチンを用いる事が好ましい。アルカリ処理ゼラチ
ンの他、酸処理ゼラチン、ゼラチンのアミノ基を置換し
たフタル化ゼラチン、琥珀化ゼラチン、トリメリットゼ
ラチン、フェニルカルバミルゼラチン、炭素数が4〜1
6の脂肪族炭化水素やゼラチンのカルボキシル基を置換
したエステル化ゼラチンの様な誘導体ゼラチン、低分子
量ゼラチン(分子量1000〜8万で具体例として、酵
素で分解したゼラチン、酸及び/またはアルカリで加水
分解したゼラチン、熱で分解したゼラチンを挙げる事が
できる)、高分子量ゼラチン(分子量11万〜30
万)、メチオニン含量が50μモル/g以下のゼラチ
ン、チロシン含量が30μモル/g以下のゼラチン、酸
化処理ゼラチン、メチオニンがアルキル化によって不活
性化したゼラチンを用いる事ができるし、それらの二種
類以上の混合物を用いる事もできる。高分子量ゼラチン
に関しては特開平11−237704号に開示されてい
る。また特開平4−226449号、同3−37643
号に記載されている、かぶり抑制剤残基を置換基として
有するゼラチンを用いる事もできる。本発明において粒
子形成行程で用いられるゼラチンの量は、1〜60g/
銀モル、好ましくは3〜40gである。本発明の化学増
感行程におけるゼラチンの濃度は1〜100g/銀モル
が好ましく、1〜70g/銀モルがより好ましい。
【0080】本発明の乳剤の調製時に用いられる保護コ
ロイドとして、及びその他の親水性コロイド層のバイン
ダーとしては、ゼラチンを用いるのが有利であるが、そ
れ以外の親水性コロイドも用いることができる。
【0081】例えば、ゼラチン誘導体、ゼラチンと他の
高分子とのグラフトポリマー、アルブミン、カゼインの
ような蛋白質;ヒドロキシエチルセルロース、カルボキ
シメチルセルロース、セルロース硫酸エステル類のよう
なセルロース誘導体;アルギン酸ソーダ、澱粉誘導体の
ような糖誘導体;ポリビニルアルコール、ポリビニルア
ルコール部分アセタール、ポリ−N−ビニルピロリド
ン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリル
アミド、ポリビニルイミダゾール、ポリビニルピラゾー
ルのような単一あるいは共重合体の如き多種の合成親水
性高分子物質を用いることができる。
【0082】ゼラチンとしては石灰処理ゼラチン、Bu
ll.Soc.Sci.Photo.Japan.No.
16.P30(1966)に記載されたような酵素処理
ゼラチンを用いてもよく、また、ゼラチンの加水分解物
や酵素分解物も用いることができる。
【0083】本発明の乳剤は脱塩のために水洗し、新し
く用意した保護コロイド分散にすることが好ましい。こ
の際の保護コロイドは上述した親水性コロイドおよびゼ
ラチンを用いることができる。この際、分子量分布が2
8万以上の成分を30%以上、好ましくは35%以上含
んでいるゼラチンを用いることは好ましい。水洗の温度
は目的に応じて選べるが、5ーC〜50℃の範囲で選ぶ
ことが好ましい。水洗時のpHも目的に応じて選べるが2
〜10の間で選ぶことが好ましい。さらに好ましくは3
〜8の範囲である。水洗時のpAg も目的に応じて選べる
が5〜10の間で選ぶことが好ましい。水洗の方法とし
てヌードル水洗法、半透膜を用いた透析法、遠心分離
法、凝析沈降法、イオン交換法のなかから選んで用いる
ことができる。凝析沈降法の場合には硫酸塩を用いる方
法、有機溶剤を用いる方法、水溶性ポリマーを用いる方
法、ゼラチン誘導体を用いる方法などから選ぶことがで
きる。
【0084】本発明に記載のゼラチンの分子量分布は、
高速液体クロマトグラフィー法によって測定される。該
方法の詳細は写真用ゼラチン試験法合同審議会によって
制定された「パギイ法」 写真用ゼラチン試験法第7版
(1992年版)31〜33頁に記載されている。写真
用ゼラチンは、生体のコラーゲンを加水分解し調製し、
その分子は、分子量10万未満のサブα成分、分子量1
0万付近のα成分、分子量20万付近のβ成分、分子量
30万付近のγ成分、および分子量30万より大きい大
分子量成分であるボイド成分から成り立っている。本発
明の請求項4にかかわるゼラチンは、上記の成分のうち
で、γ成分とボイド成分の和、即ち分子量28万以上の
高分子量成分を全体の30%以上含むアルカリ処理骨ゼ
ラチンを存在せしめる事を特徴とする。一般的なアルカ
リ処理ゼラチンのパギイ法に基づく測定例に関しては、
写真学会誌第58巻1号(1995)12頁Fig.6に記
載されている。ここではボイド成分はH成分と呼んでい
る。
【0085】本発明に基づいてハロゲン化銀乳剤を製造
するに当って、粒子形成時から塗布時までに添加するこ
とのできる添加剤に特に制限はない。また、既知のあら
ゆる技術との組み合せを用いることができる。これらに
関しては、次の文献の記載を参考にすることができる。
結晶形成過程で成長を促進する為に、また、粒子形成お
よび/または化学増感時に化学増感を効果的にならしめ
るためにハロゲン化銀溶剤を用いることができる。しば
しば用いられるハロゲン化銀溶剤としては、水溶性チオ
シアン酸塩、アンモニア、チオエーテル、チオ尿素類な
どを挙げることができる。例えば、チオシアン酸塩(米
国特許2222264号、同2448534号、同33
20069号各明細書など)、アンモニア、チオエーテ
ル化合物(例えば米国特許3271157号、同357
4628号、同3704130号、同4297439
号、同4276347号各明細書など)、チオン化合物
(例えば特開昭53−144319号、同53−824
08号、同55−77737号各公報など)、アミン化
合物(例えば特開昭54−100717号公報など)、
チオ尿素誘導体(例えば、特開昭55−2982号公
報)、イミダゾール類(特開昭54−100717号公
報)、置換メルカプトテトラゾール(特開昭57−20
2531号公報)などを挙げることができる。
【0086】本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤の製
造は、これまで知られているあらゆる方法を用いること
ができる。すなわち、ゼラチン水溶液を有する反応容器
に効率の良い攪拌のもとに銀塩水溶液およびハロゲン塩
水溶液を添加する。具体的方法としては、P.Glafkides
著 Chemie et Phisique Photographique (Paul Montel
社刊、1967年) 、G.F.Duffin著 Photographic Emulsion
Chemistry (The Focal Press 刊、1966年) 、V.L.Zeli
kman et al著 Making and Coating Photographic Emuls
ion (The Focal Press刊、1964年) などに記載された方
法を用いて調製することができる。すなわち、酸性法、
中性法、アンモニア法等のいずれでもよく、また可溶性
銀塩と可溶性ハロゲン塩を反応させる形式としては、片
側混合法、同時混合法、それらの組合せなどのいずれを
用いてもよい。同時混合法の一つの形式として、ハロゲ
ン化銀が生成される液相中のpAgを一定に保つ方法、
すなわち、いわゆるコントロールド・ダブルジェット法
を用いることもできる。また、英国特許1535016
号明細書、特公昭48−36890号、同52−163
64号各公報等に記載されているような、硝酸銀やハロ
ゲン化アルカリ水溶液の添加速度を粒子成長速度に応じ
て変化させる方法や、米国特許4242445号明細
書、特開昭55−158124号公報等に記載されてい
るような水溶液濃度を変化させる方法を用いて臨界過飽
和度を越えない範囲において早く成長させることが好ま
しい。これらの方法は、再核発生を起こさず、ハロゲン
化銀粒子が均一に成長するため、好ましく用いられる。
【0087】反応容器に銀塩溶液とハロゲン塩溶液を添
加する代りに、あらかじめ調製された微粒子を反応容器
に添加して、核形成および/または粒子成長を起こさせ
て、ハロゲン化銀粒子を得る方法を使うことが好まし
い。この技術に関しては特開平1−183644号、特
開平1−183645号各公報、米国特許487920
8号明細書、特開平2−44335号、特開平2−43
534号、特開平2−43535号各公報に記載されて
いる。この方法によれば、乳剤粒子結晶内のハロゲンイ
オンの分布を完全に均一にすることができ、好ましい写
真特性を得ることができる。
【0088】さらに本発明においては、種々の構造を持
った乳剤粒子を用いることができる。粒子の内部(コア
部)と外側(シェル部)から成る、いわゆるコア/シェ
ル二重構造粒子、さらに特開昭60−222844号公
報に開示されているような三重構造粒子や、それ以上の
多層構造粒子が用いられる。乳剤粒子の内部に構造をも
たせる場合、上述のような包み込む構造だけでなく、い
わゆる接合構造を有する粒子を作ることもできる。これ
らの例は、特開昭59−133540号、特開昭58−
108526号各公報、欧州特許199290A2号明
細書、特公昭58−24772号、特開昭59−162
54号各公報などに開示されている。接合する結晶は、
ホストとなる結晶と異なる組成をもってホスト結晶のエ
ッジやコーナー部、あるいは面部に接合して生成させる
ことができる。このような接合結晶は、ホスト結晶がハ
ロゲン組成に関して均一であっても、あるいはコア−シ
ェル型の構造を有するものであっても形成させることが
できる。接合構造の場合には、ハロゲン化銀同志の組み
合わせは当然可能であるが、ロダン銀、炭酸銀などの岩
塩構造でない銀塩化合物をハロゲン化銀と組み合わせ接
合構造をとることが可能であれば用いてもよい。
【0089】これらの構造を有するヨウ臭化銀粒子の場
合、例えばコア−シェル型の粒子において、コア部のヨ
ウ化銀含有量が高く、シェル部のヨウ化銀含有量が低く
ても、また逆に、コア部のヨウ化銀含有量が低く、シェ
ル部のヨウ化銀含有量が高い粒子でもよい。同様に接合
構造を有する粒子についても、ホスト結晶のヨウ化銀含
有率が高く、接合結晶のヨウ化銀含有率が相対的に低い
粒子であっても、その逆の粒子であってもよい。また、
これらの構造を有する粒子の、ハロゲン組成の異なる境
界部分は、明確な境界であっても、組成差により混晶を
形成して不明確な境界であってもよく、また積極的に連
続的な構造変化をつけたものでもよい。本発明に用いる
ハロゲン化銀乳剤は、EP−0096727B1、EP
−0064412B1各明細書などに開示されているよ
うな、粒子に丸みをもたらす処理、あるいはDE−23
06447C2明細書、特開昭60−221320号公
報に開示されているような表面の改質を行なってもよ
い。
【0090】本発明における化学増感としては、硫黄増
感、セレン増感、テルル増感、といったカルコゲン増感
と、貴金属増感及び還元増感をそれぞれ単独あるいは組
合せて用いる事ができる。
【0091】特開2001−42466に記載の一般式
(I)の化合物を添加するとさらに高感度なハロゲン化
銀感光材料を得ることができる。特開2001−424
66に記載の一般式(I)の化合物は、乳剤調製時、感
材製造工程中のいかなる場合に使用してもよい(例え
ば、粒子形成時、脱塩工程、化学増感時、塗布前な
ど)。特開2001−42466に記載の一般式(I)
の化合物は、乳剤層中に使用するのが好ましいが、乳剤層
と共に保護層や中間層に添加しておき、塗布時に拡散さ
せてもよい。
【0092】特開2001−42466に記載の一般式
(I)の化合物はハロゲン化銀1モル当り、1×10-9
〜5×10-2モル、さらに好ましくは1×10-8〜2×
10 -3モルの割合でハロゲン化銀乳剤層に含有させる。
【0093】硫黄増感においては、不安定硫黄化合物を
用い、P.Grafkides 著、Chimie etPhysique Photograph
ique (Paul Momtel社刊、1987年、第5版)、Research
Disclosure 誌307巻307105号などに記載され
ている不安定硫黄化合物を用いることができる。具体的
には、チオ硫酸塩(例えば、ハイポ)、チオ尿素類(例
えば、ジフェニルチオ尿素、トリエチルチオ尿素、N−
エチル−N'−(4−メチル−2−チアゾリル)チオ尿
素、カルボキシメチルトリメチルチオ尿素)、チオアミ
ド類(例えば、チオアセトアミド)、ローダニン類(例
えば、ジエチルローダニン、5−ベンジリデン−N−エ
チル−ローダニン)、フォスフィンスルフィド類(例え
ば、トリメチルフォスフィンスルフィド)、チオヒダン
トイン類、4−オキソ−オキサゾリジン−2−チオン
類、ジポリスルフィド類(例えば、ジモルフォリンジス
ルフィド、シスチン、ヘキサチオカン−チオン)、メル
カプト化合物(例えば、システィン)、ポリチオン酸
塩、元素状硫黄などの公知の硫黄化合物および活性ゼラ
チンなども用いることができる。
【0094】セレン増感においては、不安定セレン化合
物を用い、特公昭43−13489号、同44−157
48号、特開平4−25832号、同4−109240
号、特願平3−53693号、同3−82929号各公
報などに記載されている不安定セレン化合物を用いるこ
とができる。具体的には、コロイド状金属セレン、セレ
ノ尿素類(例えば、N,N−ジメチルセレノ尿素、トリ
フルオロメチルカルボニル−トリメチルセレノ尿素、ア
セチル−トリメチルセレノ尿素)、セレノアミド類(例
えば、セレノアセトアミド、N,N−ジエチルフェニル
セレノアミド)、フォスフィンセレニド類(例えば、ト
リフェニルフォスフィンセレニド、ペンタフルオロフェ
ニル−トリフェニルフォスフィンセレニド)、セレノフ
ォスフェート類(例えば、トリ−p−トリルセレノフォ
スフェート、トリ−n−ブチルセレノフォスフェー
ト)、セレノケトン類(例えば、セレノベンゾフェノ
ン)、イソセレノシアネート類、セレノカルボン酸類、
セレノエステル類、ジアシルセレニド類などを用いれば
よい。また更に、特公昭46−4553号、同52−3
4492号各公報などに記載の比較的安定なセレン化合
物、例えば亜セレン酸、セレノシアン化カリウム、セレ
ナゾール類、セレニド類なども用いることができる。
【0095】テルル増感においては、不安定テルル化合
物を用い、カナダ特許800958号、英国特許129
5462号、同1396696号各明細書、特願平2−
333819号、同3−53693号、同3−1315
98号、同4−129787号各公報などに記載されて
いる不安定テルル化合物を用いることができる。具体的
には、テルロ尿素類(例えば、テトラメチルテルロ尿
素、N,N'−ジメチルエチレンテルロ尿素、N,N'−
ジフェニルエチレンテルロ尿素)、フォスフィンテルリ
ド類(例えば、ブチル−ジイソプロピルフォスフィンテ
ルリド、トリブチルフォスフィンテルリド、トリブトキ
シフォスフィンテルリド、エトキシ−ジフェニルフォス
フィンテルリド)、ジアシル(ジ)テルリド類(例え
ば、ビス(ジフェニルカルバモイル)ジテルリド、ビス
(N−フェニル−N−メチルカルバモイル)ジテルリ
ド、ビス(N−フェニル−N−メチルカルバモイル)テ
ルリド、ビス(エトキシカルボニル)テルリド)、イソ
テルロシアナート類、テルロアミド類、テルロヒドラジ
ド類、テルロエステル類(例えば、ブチルヘキシルテル
ロエステル)、テルロケトン類(例えば、テルロアセト
フェノン)、コロイド状テルル、(ジ)テルリド類、そ
の他のテルル化合物(ポタシウムテルリド、テルロペン
タチオネートナトリウム塩)などを用いればよい。
【0096】貴金属増感については、P.Grafkides 著、
Chemie et Physique Photographique (Paul Momtel社
刊、1987年、第5版)、Research Disclosure 誌307
巻307105号などに記載されている、金、白金、パ
ラジウム、イリジウム等の貴金属塩を用いる事ができ、
なかでも特に金増感が好ましい。具体的には、カリウム
クロロオーレート、カリウムオーリチオシアネート、硫
化金、金セレナイドに加えて、米国特許第504948
5号に記載の、ビス(1,4,5−トリメチルー1,
2,4−トリアゾリウム−3−チオレート)金(1)テ
トラフルオロボレイト、米国特許第2642361号、
同5049484号、同5049485号の各明細書に
記載の金化合物も用いる事ができる。還元増感について
は、前述のP.Grafkides 著、Chemie et Physique Photo
graphique (Paul Momtel社刊、1987年、第5版)、Rese
arch Disclosure 誌307巻307105号などに記載
されている公知の還元性化合物を用いる事ができる。具
体的にはアミノイミノメタンスルフィン酸(別名、二酸
化チオ尿素)、ボラン化合物(例えば、ジメチルアミン
ボラン)、ヒドラジン化合物(例えば、ヒドラジン、パ
ラトリルヒドラジン)、ポリアミン化合物(例えば、ジ
エチレントリアミン、トリエチレンテトラミン)、塩化
第一スズ、シラン化合物、レダクトン類(例えば、アス
コルビン酸)、亜硫酸塩、アルデヒド化合物、水素ガス
などを用いればよい。また高pHや銀イオン過剰(いわゆ
る銀熟成)の雰囲気で還元増感を施してもよい。
【0097】これらの化学増感は単独でも2種以上を組
合せてもよいが、組合せるときは、特にカルコゲン増感
と金増感の組合せが好ましい。また、還元増感は、ハロ
ゲン化銀粒子の形成時に施すのが好ましい。本発明で用
いられるカルコゲン増感剤の使用量は、使用するハロゲ
ン化銀粒子、化学増感条件などにより変わるが、ハロゲ
ン化銀1モル当り10-8〜10-2モル、好ましくは、1
-7〜5×10-3モル程度を用いる。本発明で用いられ
る貴金属増感剤の使用量は、ハロゲン化銀1モル当り1
-7〜10-2モル程度を用いる。本発明における化学増
感の条件に特に制限はないが、pAgとしては6〜1
1、好ましくは7〜10であり、pHとしては4〜10
が好ましく、温度としては40〜95℃が、さらには4
5〜85℃が好ましい。
【0098】次に実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明はこれらによって限定されるものではない。
【0099】実施例では以下の晶相制御剤を使用した。
【0100】
【化23】
【0101】
【実施例】合成例1:化合物(IV−1)の合成 (中間体1−1)の合成 三つ口フラスコに硫酸100mL(1.8mol)を入
れ、よく攪拌しながら氷−メタノールで冷却した。内温
を35〜45℃に保ちながらベンジルアミン107.2
g(1mol)を滴下した。滴下後、冷却浴を除き、次
に氷冷下で30%発煙硫酸267.0g(1mol)を
滴下した。この時内温は約60℃まで上昇した。滴下後
60℃で30分攪拌し、反応液を氷500gに滴下し
た。析出した結晶を減圧濾取し、飽和食塩水50mL、
ついでメタノール100mLでかけ洗いし、化合物(1
−1)84.1g(収率45.0%)を得た。
【0102】(中間体1−3)の合成 三つ口フラスコに化合物(1−1)37.4g(0.2
mol)と0.04M酢酸ナトリウム1Lを入れ、よく
攪拌しながら酢酸を加えてpH3.3にした。次に外温
を40℃にして、水60mLに溶解させた亜硝酸ナトリ
ウム13.8g(0.2mol)を滴下した。滴下後2
時間反応させた(外温40℃)ことにより反応系は均一
になった。反応溶媒を減圧留去し、さらにトルエン30
0mLを加えて減圧留去して水を完全に除き、粗(1−
2)を得た。そのまま、トルエン200mLを加えてよ
く攪拌しながら、塩化チオニル51mL(0.7mo
l)とDMF1mLを加え、70℃で1時間反応させ
た。トルエンと残塩化チオニルを減圧留去し、次に酢酸
エチルを加えて不溶の無機塩を減圧濾去し、酢酸エチル
を減圧留去して化合物(1−3)28.0g(収率6
2.2%)を得た。
【0103】(中間体1−4)の合成 三つ口フラスコに化合物(1−3)33.8g(0.1
5mol)とアセトニトリル225mLを加え、よく攪
拌しながら氷−メタノールで冷却した。内温を15〜2
0℃に保ちながらアンモニアガスを吹き込んだ。ガスの
吸収がなくなったことを確認し、水225mLを添加し
た。析出した結晶を減圧濾取し、水200mLでかけ洗
いして化合物(1−4)28.4g(収率91.8%)
を得た。
【0104】化合物(IV−1)の合成 三つ口フラスコに化合物(1−4)20.5g(0.1
mol)、4−フェニルピリジン15.5g(0.1m
ol)およびイソプロピルアルコール45mLを入れ、
よく攪拌しながら3時間加熱還流させた(結晶析出)。
アセトニトリル150mLを加えて減圧濾取し粗(IV−
1)を得た。得られた粗(IV−1)をナスフラスコに入
れ、メタノール300mLを加えて加熱溶解させた。ゴ
ミ取り濾過作業を行い、よく攪拌しながらイソプロピル
アルコール300mLをゆっくり加えた。析出した結晶
を減圧濾取し、アセトニトリル50mLでかけ洗いして
晶相制御剤(IV−1)32.3g(収率89.6%)を
得た。構造はNMRより確認した。1H NMR(300MHz DM
SO-d6)δ6.0(2H,s)、7.5(2H,s)、7.7(3H,m)、7.9(4H,d
d)、8.1(2H,d)、9.0(4H,dd)。
【0105】合成例2:化合物(V−1)の合成 (中間体2−1)の合成 三つ口フラスコにエチレングリコールビス(3−アミノ
プロピル)エーテル17.6g(0.1mol)とアセ
トニトリル150mLを入れた。次によく攪拌しなが
ら、トリエチルアミン24.3g(0.24mol)を
加えた。氷―メタノールで冷却させ、内温を5℃以下に
保ちながらクロルアセチルクロライド24.8g(0.
22mol)を滴下した。滴下後室温で1時間反応さ
せ、アセトニトリルを減圧留去した。希塩酸水300m
Lと酢酸エチル500mLを加えて激しく振盪させ、1
0分静置後水層を除去し、さらに重曹水300mLを加
えて同操作を行い、酢酸エチル層を硫酸マグネシウムで
乾燥させた。乾燥剤を濾去し、酢酸エチルを減圧慮去し
て化合物(2−1)27.0g(収率82.0%)を得
た。
【0106】化合物(V−1)の合成 三つ口フラスコに化合物(2−1)26.3g(0.0
8mol)、4−フェニルピリジン24.8g(0.1
6mol)およびイソプロピルアルコール150mLを
入れ、よく攪拌しながら2時間加熱還流させた。次にメ
タノール200mLを加えて室温に戻し、活性炭1gを
加えて20分攪拌させた。反応系をセライト濾過し溶媒
を減圧留去して、粗(V−1)を得た(油状)。得られ
た粗(V−1)にメタノール80mLを加えて加熱還流
させ、還流させたまま酢酸エチル800mLをゆっくり
加えた。系を室温に戻してメタノール−酢酸エチルをデ
カントで除いた。この精製作業をさらに2回行い、晶相
制御剤(V−1)38.8g(油状。収率76.0%)
を得た。構造をNMRより確認した。1H NMR(300MHz
DMSO-d6)1.7(4H,t)、3.7(6H,m)、3.5(6H,m)、5.6(4H,
s)、7.6(6H,m)、8.4(8H,dd)、9.1(4H,d)、9.2(2H,t)。
【0107】実施例1 純臭化銀平板粒子乳剤 乳剤1−A(本発明) 特開平10−239787号に記載された第2図に示さ
れたシステムにおいて、同、第1図に示された混合器
(混合器内体積0.5mL)を用いて、下記の様にして
平板粒子を調製した。この実施例では核形成も粒子成長
も混合器で行う方法を示す。混合器に、0.0029M
の硝酸銀水溶液250mLと、低分子量ゼラチン(平均
分子量4万)0.1質量%を含む0.0089MのKB
r水溶液250mLを連続的に10分間かけて一定流量
で添加し、得られた乳剤を連続的に反応容器に10分間
かけて受け、500mLの核乳剤を得た。その際混合器
の撹拌回転数は2000rpmであった。(核形成) 核形成終了後、反応容器内の核乳剤を良く攪拌しなが
ら、0.8MのKBr溶液11mLと、晶相制御剤IV−
1を0.1ミリモルを含む10質量%のトリメリットゼ
ラチンを200mL添加し、温度を上昇させ75℃にし
30分間放置した。(熟成) 特開平11−237704号に記載された、PAGI法
によって測定した分子量分布において、ボイドとγ部分
の和が全体に占める割合が40%である該特許の本文記
載のビニルスルホン系架橋剤[H−6]によって架橋さ
れた石灰処理ゼラチンの10質量%溶液を300mL添
加して溶解した。さらに1/50Mの晶相制御剤Iを6
0mL添加した。その後再び混合器に、0.6Mの硝酸
銀水溶液1000mLと、低分子量石灰処理骨ゼラチン
(平均分子量4万)を90g含むKBr0.6Mの水溶
液1000mLを92分間で、一定流量で添加した。混
合器で生成した微粒子乳剤は連続的に反応容器に添加さ
れた。その際混合器の撹拌回転数は2000rpmであっ
た。同時に、1/50Mの晶相制御剤IV−1の溶液90
mLと、1.45MのKBr溶液92mLを一定流量で
反応容器に92分間連続添加した。反応容器の攪拌翼
は、800rpmで回転され、よく攪拌された。(成長) 粒子成長中、硝酸銀を70%添加した時点でIr Cl6
810-8mol/molAg添加しドープした。さらに、粒子成
長終了前に黄血塩溶液が混合器に添加された。黄血塩は
粒子のシェル部3%(添加銀量換算で)に局所濃度で3
10-4mol/molAgの濃度になる様にドープされた。添加
終了後、乳剤を35℃に冷却し、通常のフロキュレイシ
ョン法で水洗し、石灰処理骨ゼラチンを70g添加、溶
解しpAgを8.7、pHを6.5に調製後、冷暗所に
保存した。表−1に得られた平板粒子の特性を示す。
【0108】乳剤1−B(比較) 乳剤1−Aの核形成において、低分子量ゼラチン(平均
分子量4万)0.1質量%を含む0.0089MのKB
r水溶液250mLに晶相制御剤I 0.1ミリモルを
含ませ、核形成後0.1ミリモルの晶相制御剤IV−1の
添加をやめた以外は、乳剤1−Aと同様におこなった。
表−1に得られた平板粒子の特性を示す。
【0109】乳剤1−C(比較) 乳剤1−Aにおいて、熟成後に添加する、ボイドとγ部
分の和が全体に占める割合が40%である架橋された石
灰処理ゼラチンの替わりに、ボイドとγ部分の和が全体
に占める割合が20%であるアルカリ処理骨ゼラチンを
添加した以外は、乳剤1−Aと同様に行った。
【0110】乳剤1−D(比較) 乳剤1−Aにおいて、成長中に一定流量で反応容器に9
2分間連続添加する、1.45MのKBr溶液92mL
の替わりに、0.48MのKBr溶液を同量添加した以
外は、乳剤1−Aと同様に行った。表−1に得られた平
板粒子の特性を示す。
【0111】乳剤1−E (比較) 乳剤1−Aの成長前及び成長工程中に添加した、1/5
0Mの晶相制御剤Iの溶液60mL及び90mLの添加
をやめた以外は乳剤1−Aと同様に行った。表−1に得
られた平板粒子の特性を示す。
【0112】
【表1】
【0113】 *残存微粒子の銀量/使用した全銀量×100
【0114】表−1において、円相当径とは、平板粒子
の投影面積を円に換算した時の円の直径を表わし、平板
粒子比率とは、全投影面積に対するアスペクト比が5以
上の平板粒子の投影面積の比である。本発明の平板粒子
は、その厚さが非常に薄く、且つ円相当径が非常に大き
い。乳剤1−Bでは、立体的な粒子が混入しており、そ
の為平板粒子比率が低下した。これらの乳剤を最適に化
学増感、分光増感してその写真性能を比較し、乳剤1−
Aが顕著に感度が高い事を確認した。
【0115】実施例2 ヨウ臭化銀平板粒子乳剤 乳剤2−A(本発明) 実施例1で用いた混合器に、0.0029Mの硝酸銀水
溶液250mLと、低分子量ゼラチン(平均分子量4
万)0.1質量%を含む0.0089MのKBr水溶液
250mLを連続的に10分間かけて一定流量で添加
し、得られた乳剤を連続的に反応容器に10分間かけて
受け、500mLの核乳剤を得た。その際、混合器の撹
拌回転数は2000rpmであった。(核形成) 核形成終了後、反応容器内の核乳剤を良く攪拌しなが
ら、0.8MのKBr溶液11mLと、晶相制御剤IV−
1を0.1ミリモルを含む10質量%のトリメリットゼ
ラチンを200mL添加し、温度を上昇させ75℃にし
30分間放置した。(熟成) 特開平11−237704号に記載された、PAGI法
によって測定した分子量分布において、ボイドとγ部分
の和が全体に占める割合が40%である該特許の本文記
載のビニルスルホン系架橋剤[H−6]によって架橋さ
れた石灰処理ゼラチンの10質量%溶液を300mL添
加して溶解した。その後、0.04MのAl(NO3)3・9H2O
溶液を60mL添加し、2分後に1/50Mの晶相制御
剤Iを60mL添加した。その後再び混合器に、0.6
Mの硝酸銀水溶液1000mLと、低分子量メチルエス
テル化ゼラチン(平均分子量4万)を90g及び3モル
%のKIを含むKBr0.59Mの水溶液1000mL
を、92分間で、一定流量で添加した。混合器で生成し
た微粒子乳剤は連続的に反応容器に添加された。その際
混合器の撹拌回転数は2000rpmであった。同時に、
1/50Mの晶相制御剤IV−1の溶液90mLと、1.
45MのKBr溶液92mLを一定流量で反応容器に9
2分間連続添加した。反応容器の攪拌翼は800rpmで
回転され、よく攪拌された。(成長) 粒子成長中、硝酸銀を70%添加した時点でIrCl6
810-8mol/molAg 添加しドープした。さらに、粒子
成長終了前に黄血塩溶液が混合器に添加された。黄血塩
は粒子のシェル部3%(添加銀量換算で)に局所濃度で
3×10-4mol/molAgの濃度になる様にドープされた。
添加終了後、乳剤を35℃に冷却し、通常のフロキュレ
イション法で水洗し、石灰処理骨ゼラチンを70g添
加、溶解しpAgを8.7、pHを6.5に調製後、冷
暗所に保存した。表−2に得られた平板粒子の特性を示
す。
【0116】乳剤2−B(比較) 乳剤2−Aの成長工程に入る前に添加される、ボイドと
γ部分の和が、全体に占める割合が40%であるビニル
スルホン系架橋剤[H−6]によって架橋された石灰処
理骨ゼラチンの替わりに、ボイドとγ部分の和が全体に
占める割合が20%であるアルカリ処理骨ゼラチンを添
加した以外は、乳剤2−Aと同様に行った。表−2に得
られた平板粒子の特徴を示す。
【0117】乳剤2−C(比較) 乳剤2−Aの熟成時に用いられる0.1ミリモル晶相制
御剤IV−1、および成長前および成長中に添加される1
/50Mの晶相制御剤Iの溶液60mL及び90mLを
添加をしなかった以外は乳剤2−Aと同様に行った。表
−2に得られた平板粒子の特性を示す。 乳剤2−D(本発明) 乳剤2−Aにおいて、成長の工程で混合器で微粒子を形
成する際の保護コロイドとして、低分子量メチルエステ
ル化ゼラチンの替わりに、低分子量石灰処理骨ゼラチン
(平均分子量4万)を用いた以外は、乳剤2−Aと同様
に行った。表−2に得られた平板粒子の特性を示す。
【0118】実施例3 ヨウ臭化銀平板粒子乳剤(比
較) 乳剤3−A よく撹拌された反応器に水1.0リットルと低分子量骨
ゼラチン(平均分子量2万)3gとKBr0.5gを添
加して溶解し45℃に保った溶液中によく撹拌しなが
ら、0.5Mの硝酸銀溶液5mLと0.3MKBr溶液
10mLを20秒かけて添加した。(核形成) 0.8MのKBr溶液を22mLと、晶相制御剤IV−1
を0.1ミリモルを含む10%のトリメリットゼラチン
水溶液を300mL添加し、30分かけて75℃まで昇
温した。75℃で5分間熟成した。(熟成) その後よく攪拌された反応容器に、0.6Mの硝酸銀水
溶液1000mLと、KIを3モル%含むKBr0.6
Mの水溶液1000mLと、1/50Mの晶相制御剤I
の溶液150mLを各々一定流量でトリプルジェットで
58分間で連続添加した。反応容器の攪拌翼は800rp
mで回転された。(成長) 添加終了後、乳剤を35℃に冷却し、通常のフロキュレ
イション法で水洗し、石灰処理骨ゼラチンを70g添
加、溶解しpAgを8.7、pHを6.5に調製後、冷
暗所に保存した。
【0119】実施例4 ヨウ臭化銀平板粒子乳剤(比
較) 乳剤4−A よく撹拌された反応器に水1.0リットルと低分子量骨
ゼラチン(平均分子量2万)3gとKBr0.5gを添加
して溶解し45℃に保った溶液中に撹拌しながら、0.
5Mの硝酸銀溶液5mLと0.3MKBr溶液10mL
を20秒かけて添加した。(核形成) 0.8MのKBr溶液を22mLと、晶相制御剤IV−1
を0.2ミリモルを含む10%のトリメリットゼラチン
水溶液を300mLを添加し、30分かけて75℃まで
昇温した。75℃で5分間熟成した。(熟成) その後よく攪拌された反応容器に、2.52MのKBr
水溶液を200mL添加した後、0.6Mの硝酸銀水溶
液1000mLと、KIを3モル%含むKBr0.6M
の水溶液1000mLを58分かけてダブルジェットで
連続添加した。反応容器の攪拌翼は、800rpmで回転
された。(成長) 添加終了後、乳剤を35℃に冷却し、通常のフロキュレ
イション法で水洗し、石灰処理骨ゼラチンを70g添
加、溶解しpAgを8.7、pHを6.5に調製後、冷
暗所に保存した。
【0120】実施例5 大サイズ平板粒子乳剤(本発
明) 乳剤5−A 実施例1の乳剤1−Aにおいて、熟成後に、架橋された
ゼラチンの添加と同時に、0.04MのAl(NO3)3・9H2O
溶液を60mL添加し、さらに成長工程において、混合
器に添加される低分子量石灰処理骨ゼラチン90gの替
わりに、低分子量メチルエステル化ゼラチン(平均分子
量4万)を90gを添加した以外は乳剤1−Aと同じに
行った。得られた平板粒子の特性を表−2に示す。
【0121】
【表2】
【0122】 *残存微粒子の銀量/使用した全銀量×100 実施例1の結果と同様に本発明の平板粒子は、その厚さ
が非常に薄く、且つ円相当径が非常に大きい。
【0123】実施例6 実施例1の乳剤1−A、及び実施例2の乳剤2−Aを最
適に化学増感、分光増感し、特開平9−146237号
実施例2の試料201第3層の乳剤として使用し、同特
開平の実施例と同じ処理をして良好な結果を得た。更
に、乳剤1−A、及び2−Aを最適に化学増感し、分光
増感し、特開平10−20462号実施例2の試料11
0の第3層の乳剤として使用し、同特開平の実施例と同
じ処理をして良好な結果を得た。
【0124】実施例7 晶相制御剤の面選択性を以下に述べる吸着熱測定により
評価した。カロリーメーターはTokyoRico社製
のMultipurposeCalorimeterM
odelMPC−IIを使用した。円相当径0.5μmの
pH6.5に調整した臭化銀立方体および八面体乳剤を
各4.5gとpH6.5のコルトバッファ1.5mLを
カロリーメーター測定用の内セルに入れる。外セル側に
飽和吸着量の30%に相当する晶相制御剤を5mLのp
H6.5コルトバッファに溶解した液を入れる。カロリ
ーメーターにセルを40℃3時間設置した後、内セルを
振動させて、発熱した熱量を測定した。表−3に得られ
た晶相制御剤の特性を示す。
【0125】
【表3】
【0126】表−3より、本発明の晶相制御剤IV−1、
V−1、V−2は比較化合物例のI、IIに比べて、八面
体(111面)と立方体(100面)との吸着熱の差が
大きく、より(111)面吸着選択性が高いことがわか
る。
【0127】実施例8 純臭化銀平板粒子乳剤 乳剤8―A(比較) 特開平10−239787号記載された図2示されたシ
ステムにおいて、同、第1図に示された混合器(混合器
内体積0.5mL)を用いて、下記の様にして平板粒子
を調製した。この実施例では核形成も粒子成長も混合器
を用いて行う方法を示す。混合器に、0.0029Mの
硝酸銀水溶液250mLと、低分子量ゼラチン(平均分
子量4万)0.1質量%を含む0.0089MのKBr
水溶液250mLを連続的に10分間かけて受け、50
0mLの核乳剤を得た。その際混合器の攪拌回転数は2
000rpmであった。(核形成) 核形成終了後、反応容器内の核乳剤を良く攪拌しなが
ら、0.8MのKBr溶液11mLと、晶相制御剤Iを
0.1ミリモルを含む10質量%のトリメリットゼラチ
ンを200mL添加し、温度を上昇させ75度にし30
分間放置した。(熟成) 特開平11−237704号に記載された、PAGI法によ
って測定した分子量分布において、ボイドとγ部分の和
が全体に占める割合が40%である該特許の本文記載の
ビニルスルホン系架橋剤[H−6]によって架橋された
石灰処理ゼラチンの10質量%溶液を300mL添加し
て溶解した。さらに1/50Mの晶相制御剤Iを60m
L添加した。その後再び混合器に、0.6Mの硝酸銀水
溶液1000mLと、低分子量石灰処理ゼラチン(平均
分子量4万)を90g含むKBr0.6Mの水溶液10
00mLを92分間で、一定量添加した。混合器で生成
した微粒子乳剤は連続的に反応容器に添加された。その
際混合器の攪拌回転数は2000rpmであった。同時
に、1/50Mの晶相制御剤Iの溶液90mLと、1.
45MのKBr溶液92mLを一定流量で反応容器に9
2分間連続添加した。反応容器の攪拌翼は、800rp
mで回転され、よく攪拌された。(成長) 粒子成長中、硝酸銀を70%添加した時点でIrCl6
を8×10-8mol/molAgを添加しドープした。
さらに、粒子成長終了前に黄血塩溶液が混合器に添加さ
れた。黄血塩は粒子のシェル部3%(添加銀量換算で)
に局所濃度で3×10-4mol/molAgの濃度にな
る様にドープされた。添加終了後、乳剤を35℃に冷却
し、通常のフロキュレーション法で水洗し、石灰処理ゼ
ラチンを70g添加、溶解しpAgを8.7、pHを
6.5に調整後、冷暗所に保存した。再分散後化合物
(I−75)1×10-4 mol/molAg を添加し、40℃で1
0分間経過させた。表―4に得られた平板粒子の特性を
示す。
【0128】乳剤8−B(本発明) 乳剤8−Aにおいて、熟成後に使用する晶相制御剤に晶
相制御剤Iの代わりに晶相制御剤IV−1を使用する以外
は、乳剤8−Aと同様に行った。表―4に得られた平板
粒子の特性を示す。
【0129】乳剤8−C(比較) 乳剤8−Aにおいて、熟成後に使用する晶相制御剤に晶
相制御剤Iの代わりに晶相制御剤IIを使用する以外は、
乳剤8−Aと同様に行った。表―4に得られた平板粒子
の特性を示す。
【0130】乳剤8−D(本発明) 乳剤8−Aにおいて、熟成後に使用する晶相制御剤に晶
相制御剤Iの代わりに晶相制御剤V−1を使用する以外
は、乳剤8−Aと同様に行った。表―4に得られた平板
粒子の特性を示す。
【0131】乳剤8−E(本発明) 乳剤8−Aにおいて、熟成後に使用する晶相制御剤に晶
相制御剤Iの代わりに晶相制御剤V−2を使用する以外
は、乳剤8−Aと同様に行った。表―4に得られた平板
粒子の特性を示す。
【0132】
【表4】
【0133】表−4より、本発明の晶相制御剤を使用し
た乳剤8−B、D、Eは乳剤8−A、Cに比べて著しく
平板粒子の平均厚さが薄く、かつ平均円相当径が大きい
ことがわかる。また、本発明の乳剤8−B、D、Eはい
ずれも平板粒子比率も高いことがわかる。すなわち本発
明の晶相制御剤は高アスペクト比の平板粒子を形成する
上で優れている。
【0134】
【化24】
【0135】実施例9 ヨウ臭化銀平板粒子乳剤 乳剤9−A(比較) 特開平10−239787号記載された図2示されたシ
ステムにおいて、同、第1図に示された混合器(混合器
内体積0.5mL)を用いて、下記の様にして平板粒子
を調製した。この実施例では核形成も粒子成長も混合器
を用いて行う方法を示す。混合器に、0.0029Mの
硝酸銀水溶液250mLと、低分子量ゼラチン(平均分
子量4万)0.1質量%を含む0.0089MのKBr
水溶液250mLを連続的に10分間かけて受け、50
0mLの核乳剤を得た。その際混合器の攪拌回転数は2
000rpmであった。(核形成) 核形成終了後、反応容器内の核乳剤を良く攪拌しなが
ら、0.8MのKBr溶液11mLと、晶相制御剤I を
0.1ミリモルを含む10質量%のトリメリットゼラチ
ンを200mL添加し、温度を上昇させ75度にし30
分間放置した。(熟成) 特開平11−237704号に記載された、PAGI法によ
って測定した分子量分布において、ボイドとγ部分の和
が全体に占める割合が40%である該特許の本文記載の
ビニルスルホン系架橋剤[H−6]によって架橋された
石灰処理ゼラチンの10質量%溶液を300mL添加し
て溶解した。その後、0.04MのAl(NO33・9
2O溶液を60mL添加し、2分後に1/50Mの晶
相制御剤Iを60mL添加した。その後再び混合器に、
0.6Mの硝酸銀水溶液1000mLと、低分子量石灰
処理ゼラチン(平均分子量4万)を90g及び3モル%
のKIを含むKBr0.59Mの水溶液1000mLを
92分間で、一定量添加した。混合器で生成した微粒子
乳剤は連続的に反応容器に添加された。その際混合器の
攪拌回転数は2000rpmであった。同時に、1/5
0Mの晶相制御剤Iの溶液90mLと、1.45MのK
Br溶液92mLを一定流量で反応容器に92分間連続
添加した。反応容器の攪拌翼は、800rpmで回転さ
れ、よく攪拌された。(成長) 粒子成長中、硝酸銀を
70%添加した時点でIrCl6を8×10-8mol/
molAgを添加しドープした。さらに、粒子成長終了
前に黄血塩溶液が混合器に添加された。黄血塩は粒子の
シェル部3%(添加銀量換算で)に局所濃度で3×10
-4mol/molAgの濃度になる様にドープされた。
粒子成長終了5分後、増感色素1を飽和吸着量の70%
添加し、pBrを4.6に調整した。該pBr調整後、
75℃のまま40分間経過した後、乳剤を35℃に冷却
し、通常のフロキュレーション法で水洗し、石灰処理ゼ
ラチンを70g添加、溶解しpAgを8.7、pHを
6.5に調整した。再分散後化合物(I−75)1×10
-4 mol/molAg を添加し、40℃で10分間経過させ
た。表―5に得られた平板粒子の特性を示す。
【0136】乳剤9−B(本発明) 乳剤9−Aにおいて、熟成後に使用する晶相制御剤に晶
相制御剤Iの代わりに晶相制御剤IV−1を使用する以外
は、乳剤9−Aと同様に行った。表―5に得られた平板
粒子の特性を示す。
【0137】乳剤9−C(比較) 乳剤9−Aにおいて、熟成後に使用する晶相制御剤に晶
相制御剤Iの代わりに晶相制御剤IIを使用する以外は、
乳剤9−Aと同様に行った。表―5に得られた平板粒子
の特性を示す。
【0138】乳剤9−D(本発明) 乳剤9−Aにおいて、熟成後に使用する晶相制御剤に晶
相制御剤Iの代わりに晶相制御剤V−1を使用する以外
は、乳剤9−Aと同様に行った。表―5に得られた平板
粒子の特性を示す。
【0139】乳剤9−E(本発明) 乳剤9−Aにおいて、熟成後に使用する晶相制御剤に晶
相制御剤Iの代わりに晶相制御剤V−2を使用する以外
は、乳剤9−Aと同様に行った。表―5に得られた平板
粒子の特性を示す。
【0140】
【表5】
【0141】平板粒子に吸着している晶相制御剤の残存
量を、粒子形成時の晶相制御剤の添加量に対する割合で
示した。試料に溶剤チオ硫酸アンモニウムを加え、ハロ
ゲン化銀粒子を溶解し、高速液体クロマトグラフィーに
より晶相制御剤を定量した。表−5より、本発明の晶相
制御剤を使用している乳剤9−B、D、Eは乳剤9−
A、Cに比べて平板粒子の平均厚さ、主平面である(1
11)面の大きさ、平板粒子比率のいずれもが優れてお
り、さらに平板粒子上における晶相制御剤の残存量も少
ないことがわかる。
【0142】
【化25】
【0143】実施例10 実施例9の各乳剤をチオ硫酸ナトリウム、塩化金酸、チ
オシアン酸カリウムを添加して最適に化学増感を行っ
た。これら化学増感を施した各乳剤それぞれにゼラチ
ン、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを加えて、
下塗布層を有するトリアセチルセルロースフィルム支持
体上に、ゼラチン、ポリメチルメタクリレート粒子、
2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジンナ
トリウム塩を含む保護層と共に押し出し法によりそれぞ
れ銀量2g/m2で塗布し、塗布試料10−A〜Eを得
た。
【0144】塗布試料10−A〜Eは、富士写真フィル
ム社製青色バンドパスフィルターBPN−42を用いて
センシトメトリー用露光(1秒)を光学楔を介して与え
た後、下記の処方で得た現像液で、20℃10分間現像
した後、常法により停止、定着、水洗、乾燥し、光学濃
度を測定した。カブリは、試料の最小光学濃度で求め、
感度は、カブリ+0.2の光学濃度を得るのに必要な露
光量の逆数の対数で評価し、塗布試料10−Aを100
とする相対値として示した。表―6にこれらの結果を示
した。
【0145】現像液 メトール 2.5g L−アスコルビン酸 10.0g ナボックス 35.0g KBr 1.0g 水を加えて1Lとし、pHを9.6に合わせる。
【0146】
【表6】
【0147】表-6から、本発明の晶相制御剤を使用した
塗布試料10−B、D、Eは、塗布試料10−A、Cと
比べて著しく感度の高いことがわかる。このことは、本
発明の乳剤10−B、D、Eの平板粒子の表面積/体積
比が比較試料に比べて高いこと、及び晶相制御剤の残存
量が少ないためと推定される。
【0148】実施例11 実施例8の乳剤8−Bを最適に化学増感を施し、特開平
9−146237号実施例2の試料201第6層の乳剤
として使用しても、同実施例と同じ処理をして良好な結
果を得られた。
【0149】
【発明の効果】本発明の晶相制御剤を使用すると、その
厚さが非常に薄く、かつ非常に大きい面積の主表面を持
つ、主表面が(111)面である平板粒子からなるハロ
ゲン化銀乳剤が得られ、感度が増加する。また、平板粒
子形成後の除去が容易な晶相制御剤を用いたハロゲン化
銀粒子の製造方法を提供する事ができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03C 1/015 G03C 1/015 1/047 1/047 1/07 1/07 (72)発明者 高橋 和敬 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写真 フイルム株式会社内 (72)発明者 稲葉 正 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写真 フイルム株式会社内 Fターム(参考) 2H023 BA01 BA03 BA04 CD00 4C055 AA04 BA01 CA01 DA01 EA01 GA01

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 臭化銀含有量が70モル%以上である感
    光性ハロゲン化銀粒子を含み、該ハロゲン化銀粒子の全
    投影面積の60%以上が、平均粒子厚さが0.04μm
    未満で、平均円相当直径が4μm以上であり、かつ、主
    表面が(111)面である平板粒子である、ハロゲン化
    銀乳剤。
  2. 【請求項2】 核形成、熟成、成長の工程を含み、下記
    一般式(I)、(II)または(III)で表わされる化合物
    の少なくとも1種を核形成時には存在させず、熟成時及
    び成長時に存在させることによって、平板粒子を含む乳
    剤を得るハロゲン化銀乳剤の製造方法であって、ハロゲ
    ン化銀粒子の核形成及び/又は粒子成長を起こさせる反
    応容器の外に混合器を設け、該混合器に水溶性銀塩の水
    溶液と水溶性ハライドの水溶液を供給して混合すること
    によりハロゲン化銀微粒子を形成し、ただちに該微粒子
    を反応容器に供給し、該反応容器中でハロゲン化銀粒子
    の核形成及び/又は成長を行わせることを特徴とする、
    請求項1に記載のハロゲン化銀乳剤を製造する方法。 【化1】 (式中、R1 はアルキル基、アルケニル基、アラルキル
    基を表し、R2 、R3 、R4 、R5 およびR6 はそれぞ
    れ水素原子または置換基を表す。R2 とR3 、R 3 とR
    4 、R4 とR5 、R5 とR6 は縮環してもよい。ただ
    し、R2 、R3 、R 4 、R5 及びR6 の少なくとも一つ
    がアリール基を表す。X- は対アニオンを表す。) 【化2】 (式中、A1 、A2 、A3 及びA4 はそれぞれ含窒素複
    素環を完成させるための非金属原子群を表し、それぞれ
    が同一でも異なっていてもよい。Bは2価の連結基を表
    す。mは0または1を表す。R7 、R8はそれぞれアル
    キル基を表す。Xはアニオンを表す。nは0、1または
    2を表し、分子内塩のときはnは0または1である。)
  3. 【請求項3】 核形成、熟成、成長の工程を含み、成長
    工程の一部或いは全てにおいて、γ成分およびこれより
    高分子量である成分を30%以上含むアルカリ処理骨ゼ
    ラチンを存在せしめる事を特徴とする平板粒子を含むハ
    ロゲン化銀乳剤の製造方法であって、ハロゲン化銀粒子
    の粒子成長を起こさせる反応容器の外に、混合器を設
    け、該混合器に水溶性銀塩の水溶液と水溶性ハライドの
    水溶液を供給して混合することによりハロゲン化銀微粒
    子を形成し、ただちに該微粒子を反応容器に供給し、該
    反応容器中でハロゲン化銀粒子の成長を行わせることを
    特徴とする、請求項1または2に記載のハロゲン化銀乳
    剤を製造する方法。
  4. 【請求項4】 前記混合器において前記ハロゲン化銀微
    粒子の形成の為の保護コロイドとして、エステル化ゼラ
    チンを用いることを特徴とする請求項2または3に記載
    のハロゲン化銀乳剤を製造する方法。
  5. 【請求項5】下記一般式(IV)または一般式(V)で表
    される化合物を含むことを特徴とするハロゲン化銀乳
    剤。 【化3】 (式中、R10、R11、R12、R13およびR14はそれぞれ
    水素原子または置換基を表す。Y1、Y2、Y3、Y4およ
    びY5はそれぞれ水素原子または置換基を表す。但し、
    1、Y2、Y3、Y4およびY5のうち少なくとも一つ
    は、−SO2NH2、−SO2NHR15、−SO2
    (R152、−SO3 -、−CONH2、−CONHR 15
    −CON(R152、−NHSO2NH2、−NHSO2
    HR15、−NHSO 2N(R152 および−SO2NHC
    OR15から選ばれた基である。X- は対アニオンを表
    し、naは化合物の電荷中和に必要な数を表す。R15
    置換もしくは無置換のアルキル基、アルケニル基、アル
    キニル基またはアリール基を表す。) 【化4】 (式中、Aは含窒素芳香族複素環を完成させるための有
    機残基を表し、それぞれ異なっていてもよい。L1及び
    2は2価の連結基を表す。Yは―C(=O)―、―SO
    2―、−NHC(=O)―または―NHC(=S)−を表わ
    す。X- は対アニオンを表し、naは化合物の電荷中和
    に必要な数を表す。)
  6. 【請求項6】前記一般式(IV)または(V)で表される
    化合物の存在下で粒子形成されたことを特徴とするハロ
    ゲン化銀粒子乳剤。
  7. 【請求項7】前記一般式(IV)または(V)で表される
    化合物を粒子形成工程の一部または全部において存在さ
    せることにより、主表面が(111)面である平板粒子
    を含むハロゲン化銀乳剤を製造することを特徴とするハ
    ロゲン化銀粒子乳剤の製造方法。
  8. 【請求項8】請求項2記載の一般式(I)、(II)また
    は(III)で表される化合物が前記一般式(IV)または
    (V)で表される化合物であることを特徴とする請求項
    2記載のハロゲン化銀乳剤の製造方法。
  9. 【請求項9】前記一般式(IV)で表されるピリジニウム
    化合物。
JP2001234986A 2001-02-02 2001-08-02 ハロゲン化銀乳剤およびその製造方法ならびに新規ピリジニウム化合物 Pending JP2002303949A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001234986A JP2002303949A (ja) 2001-02-02 2001-08-02 ハロゲン化銀乳剤およびその製造方法ならびに新規ピリジニウム化合物
US10/059,003 US6773876B2 (en) 2001-02-02 2002-01-30 Silver halide emulsion, production process thereof and novel pyridinium compound

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001027141 2001-02-02
JP2001-27141 2001-02-02
JP2001234986A JP2002303949A (ja) 2001-02-02 2001-08-02 ハロゲン化銀乳剤およびその製造方法ならびに新規ピリジニウム化合物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002303949A true JP2002303949A (ja) 2002-10-18

Family

ID=26608861

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001234986A Pending JP2002303949A (ja) 2001-02-02 2001-08-02 ハロゲン化銀乳剤およびその製造方法ならびに新規ピリジニウム化合物

Country Status (2)

Country Link
US (1) US6773876B2 (ja)
JP (1) JP2002303949A (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4262401B2 (ja) * 2000-09-28 2009-05-13 富士フイルム株式会社 ハロゲン化銀写真感光材料
CN105555136A (zh) * 2013-07-17 2016-05-04 拜耳作物科学股份公司 具有杀线虫性能的杂环磺酰氨基(硫代)羰基衍生物

Family Cites Families (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06289518A (ja) * 1993-04-05 1994-10-18 Fuji Photo Film Co Ltd ハロゲン化銀カラー写真感光材料
US5411851A (en) * 1994-02-14 1995-05-02 Eastman Kodak Company Grain growth process for the preparation of high bromide ultrathin tabular grain emulsions
JP3383476B2 (ja) * 1994-12-19 2003-03-04 富士写真フイルム株式会社 写真用ハロゲン化銀乳剤の製造方法
US5612175A (en) 1996-01-26 1997-03-18 Eastman Kodak Company Epitaxially sensitized tabular grain emulsions exhibiting enhanced speed and contrast
FR2767204B1 (fr) 1997-08-08 1999-09-10 Eastman Kodak Co Emulsion aux halogenures d'argent a grains tabulaires a haut taux de bromure de grandes tailles
JP2000250157A (ja) * 1999-02-26 2000-09-14 Fuji Photo Film Co Ltd 感光性ハロゲン化銀写真乳剤およびこれを含有するハロゲン化銀写真感光材料
JP2001147500A (ja) * 1999-09-09 2001-05-29 Fuji Photo Film Co Ltd ハロゲン化銀写真乳剤及びその製造方法
US6403295B1 (en) * 1999-09-09 2002-06-11 Fuji Photo Film Co., Ltd. Silver halide photographic emulsion and process for preparing the same
US6458522B1 (en) * 1999-09-17 2002-10-01 Fuji Photo Film Co., Ltd. Silver halide photographic light-sensitive material and processing method thereof
JP2001092070A (ja) * 1999-09-17 2001-04-06 Fuji Photo Film Co Ltd ハロゲン化銀写真感光材料およびその処理方法
JP2001343717A (ja) * 2000-03-29 2001-12-14 Fuji Photo Film Co Ltd 平板状ハロゲン化銀乳剤の製造方法
JP4262401B2 (ja) * 2000-09-28 2009-05-13 富士フイルム株式会社 ハロゲン化銀写真感光材料

Also Published As

Publication number Publication date
US20020155399A1 (en) 2002-10-24
US6773876B2 (en) 2004-08-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2002303949A (ja) ハロゲン化銀乳剤およびその製造方法ならびに新規ピリジニウム化合物
JP3568057B2 (ja) ハロゲン化銀写真乳剤とその製造方法
JP4073128B2 (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
US6093527A (en) Benzimidazolocarbocyanine dye, and silver halide emulsion and silver halide light-sensitive photographic material containing the same
JP4021571B2 (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
JP2001147500A (ja) ハロゲン化銀写真乳剤及びその製造方法
JP2002107859A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
JP2778861B2 (ja) ハロゲン化銀写真用乳剤及び写真感光材料
JP4221860B2 (ja) ハロゲン化銀乳剤及びハロゲン化銀写真感光材料
JP2001343717A (ja) 平板状ハロゲン化銀乳剤の製造方法
JP2003172985A (ja) ハロゲン化銀乳剤の製造方法
JP2002040587A (ja) 平板状ハロゲン化銀写真乳剤の製造方法
JP2002090957A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料及びハロゲン化銀写真乳剤
JPH0527353A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
JP2001330930A (ja) ハロゲン化銀カラー写真感光材料
JPH11143007A (ja) ハロゲン化銀乳剤及びハロゲン化銀写真感光材料
JP2001264910A (ja) ハロゲン化銀写真乳剤の製造方法
JP2000035626A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
JP2004334200A (ja) ハロゲン化ガリウム錯体、ガリウム錯体組成物をハロゲン化銀乳剤粒子にドープする方法、ガリウムドープされたハロゲン化銀乳剤およびそれを含む写真要素
JPH08328191A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
JP2000047344A (ja) ハロゲン化銀写真乳剤
JP2000066330A (ja) 写真用添加剤、ハロゲン化銀乳剤、化学増感方法及びハロゲン化銀感光材料
JP2002268168A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
JP2001264909A (ja) ハロゲン化銀乳剤及びハロゲン化銀カラー写真感光材料
JP2002287279A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050913

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20060324

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20061124

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20071108

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20071115

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20071122

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20071205

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071212

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080423