JP2002302589A - ポリオキシメチレン樹脂組成物 - Google Patents

ポリオキシメチレン樹脂組成物

Info

Publication number
JP2002302589A
JP2002302589A JP2001107435A JP2001107435A JP2002302589A JP 2002302589 A JP2002302589 A JP 2002302589A JP 2001107435 A JP2001107435 A JP 2001107435A JP 2001107435 A JP2001107435 A JP 2001107435A JP 2002302589 A JP2002302589 A JP 2002302589A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
acid
carbon atoms
polyoxymethylene
polymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001107435A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002302589A5 (ja
JP4889157B2 (ja
Inventor
Yukihiro Tsugai
幸裕 番
Yukiyoshi Sasaki
幸義 佐々木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Kasei Corp
Original Assignee
Asahi Kasei Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kasei Corp filed Critical Asahi Kasei Corp
Priority to JP2001107435A priority Critical patent/JP4889157B2/ja
Publication of JP2002302589A publication Critical patent/JP2002302589A/ja
Publication of JP2002302589A5 publication Critical patent/JP2002302589A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4889157B2 publication Critical patent/JP4889157B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polyoxymethylene Polymers And Polymers With Carbon-To-Carbon Bonds (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 強化剤を使用することなく、剛性、熱安定
性、クリープ性を大幅に改良し、更には寸法精度が著し
く優れると共に、溶融物の流動性及び熱安定性に優れる
ために外観にも優れた成形品を容易に成形できるポリオ
キシメチレン樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 単官能グリシジル化合物の存在下で、無
水ホルムアルデヒドをアニオン重合して得られる分岐ポ
リオキシメチレン重合体、または該重合体と線状ポリオ
キシメチレン重合体を含有するポリオキシメチレン樹脂
組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、剛性、熱安定性、
クリープ特性を大幅に改良し、寸法精度が著しく優れる
と共に、溶融物の流動性及び熱安定性に優れるために外
観にも優れた成形品を容易に成形できるポリオキシメチ
レン樹脂組成物に関するものである。該組成物は、溶融
物の流動性及び熱安定性に優れるために、外観にも優れ
た成形品として容易に成形できるので、自動車用の部
品、オフィスオートメーション機器用、電気機器用、電
子機器用の部品などの幅広い分野で使用出来る。
【0002】
【従来の技術】ポリオキシメチレン樹脂は、バランスの
取れた機械的特性、耐疲労性、耐摩擦・磨耗性、耐薬品
性、及び成形性に優れ、自動車、電気・電子機器、その
他精密機械、建材配管等に広く利用されている。しか
し、用途によってはさらに剛性、クリープ特性を向上さ
せる目的でガラス繊維、炭素繊維、アルミナ繊維、ガラ
スフレーク、タルク等の強化材を添加した組成物が提案
されている(例えば特開昭62−91551号、特開昭
63−235357号公報)。しかしながら上記のよう
な強化材を添加した強化ポリオキシメチレン樹脂組成物
は、ポリオキシメチレン樹脂組成物単独に比較して溶融
物の流動性が著しく低下するため、高温・高射出圧力で
成形すると樹脂の熱劣化や変色により成形品の外観が悪
くなり、さらに強化材が配向することで成形品のウエル
ド特性が低下したり、そりが大きくなるという問題があ
った。また、無機の結晶核剤をポリオキシメチレン樹脂
組成物に添加することで、機械的物性を改良した組成物
が提案されているが(例えば特開昭47−11136号
公報)、強化材を添加した組成物に比べて機械的物性の
改良の程度は小さく、要求される物性を必ずしも満足で
きないという問題があった。
【0003】また、トリオキサンを主モノマーとしてモ
ノグリシジル化合物、環状エーテル等をコモノマー成分
として重合して得られる分岐ポリオキシメチレンの剛
性、クリープ性の向上について開示されているが(例え
ば特開平11−279245号、特開2000−384
29号、特開2000−95829号、特開2000−
95830号、特開2000−264940号、特開2
001−2885号、特開2001−2886号、特開
2001−2887号公報等)、剛性、クリープ性改良
効果は必ずしも満足できるものではなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は上記の
如き課題を解決し、強化材を使用することなく、剛性、
熱安定性、クリープ性を大幅に改良し、更には寸法精度
が著しく優れると共に、溶融物の流動性及び熱安定性に
優れるために、外観にも優れた成形品を容易に成形でき
るポリオキシメチレン樹脂組成物を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために鋭意検討した結果、ホルムアルデヒド
にある種の特定のモノグリシジル化合物を共重合するこ
とによって、分岐構造を導入したポリオキシメチレン樹
脂組成物が、意外にも剛性、熱安定性、クリープ性を向
上する効果があることを見出し、本発明に至った。即ち
本発明は、1.単官能グリシジル化合物(b)の存在下
で、無水ホルムアルデヒド(a)をアニオン重合して得
られる分岐ポリオキシメチレン重合体(A)を含有する
ポリオキシメチレン樹脂組成物、
【0006】2.単官能グリシジル化合物(b)の存在
下で、無水ホルムアルデヒド(a)をアニオン重合して
得られる分岐ポリオキシメチレン重合体(A)100重
量部と線状ポリオキシメチレン重合体(B)0.1〜4
00重量部を含有するポリオキシメチレン樹脂組成物、 3.単官能グリシジル化合物(b)が、単官能グリシジ
ルエーテルである上記1または2に記載のポリオキシメ
チレン樹脂組成物、 4.単官能グリシジルエーテルが、下記式(1)、
(2)または(3)で表される上記1〜3のいずれかに
記載のポリオキシメチレン樹脂組成物、
【0007】
【化4】
【0008】(式中R1は炭素数1〜30のアルキレン
基、nは0〜30の整数であり、R2は炭素数1〜30
のアルキル基、または炭素数2〜40のアルケニル基ま
たはアルキニル基を表す。)
【0009】
【化5】
【0010】(式中R3はフェニル基の水素置換基を示
すものであり、ハロゲン基、アミノ基、アセチル基、炭
素数1〜12のアルキル基、アルコキシル基、炭素数3
のアリル基、炭素数6〜20のアリール基、または置換
アリール基を表し、nは0〜5の整数であり、R3は同
一でも異なっても良い。)
【0011】
【化6】
【0012】(式中R4は炭素数1〜30のアルキレン
基、置換アルキレン基、炭素数2〜20のポリアルキレ
ンオキシドグリコール残基、R5はハロゲン基、アミノ
基、アセチル基、炭素数1〜12のアルキル基、アルコ
キシル基、炭素数3のアリル基、または炭素数6〜20
のアリール基、または置換アリール基を表し、nは0〜
5の整数であり、R5は同一でも異なっても良い。)、
および5.上記1〜4のいずれかに記載のポリオキシメ
チレン樹脂組成物を成形して得られる自動車用の部品、
オフィスオートメーション機器、音楽、映像または情報
機器、通信機器、電気機器、電子機器、玩具、スポーツ
用品、家具、または住宅設備機器、に関するものであ
る。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明につき詳細に説明す
る。本発明のポリオキシメチレン樹脂組成物において、
基本骨格となる分岐ポリオキシメチレン重合体(A)
は、ホルムアルデヒド(a)と単官能グリシジル化合物
(b)を、公知の適量のアニオン重合触媒を用いて、分
子量調節剤と共に炭化水素等を溶媒として、公知のスラ
リー法、例えば特公昭47−6420号明細書や特公昭
47−10059号明細書に記載の重合方法等によって
得られるものである。ここでホルムアルデヒドは水、メ
タノール等の不純物を含まないものが望ましい。
【0014】単官能グリシジル化合物(b)とは、その
化合物内に1つのグリシジル基を有するもので、グリシ
ジル基に結合する有機基が、本発明における分岐ポリオ
キシメチレン重合体の分岐成分となる。単官能グリシジ
ル化合物(b)としては、前記一般式(1)、(2)、
(3)で表されるグリシジル化合物が好ましく、具体的
には、メチルグリシジルエーテル、エチルグリシジルエ
ーテル、ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシ
ルグリシジルエーテル、デシルグリシジルエーテル、ス
テアリルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテ
ル、2−メチルオクチルグリシジルエーテル、メトキシ
ポリエチレングリコールモノグリシジルエーテル、エト
キシポリエチレングリコールモノグリシジルエーテル、
ブトキシポリエチレングリコールモノグリシジルエーテ
ル、フェノキシポリエチレングリコールモノグリシジル
エーテル、p−ターシャリーブチルフェニルグリシジル
エーテル、sec−ブチルフェニルグリシジルエーテ
ル、n−ブチルフェニルグリシジルエーテル、フェニル
フェノールグリシジルエーテル、クレジルグリシジルエ
ーテル、ジブロモクレジルグリシジルエーテル等が挙げ
られる。好ましくは前記一般式(1)、(2)で表され
る化合物であり、特に好ましくはブチルグリシジルエー
テル、フェニルフェノールグリシジルエーテルである。
【0015】単官能グリシジル化合物(b)の混合量
は、ホルムアルデヒド(a)100重量部に対して0.
001〜20重量部が好ましく、さらに好ましくは0.
1〜15重量部、特に好ましくは0.2〜10重量部で
ある。単官能グリシジル化合物が0.001重量部以下
であると、得られるポリオキシメチレン樹脂組成物の剛
性が低く、熱安定性が悪くなると共にクリープ特性も目
的を達するレベルに至らず、20重量部以上であると結
晶化度が著しく低下することから剛性が低くなる。
【0016】また、本発明で使用する分岐ポリオキシメ
チレン重合体(A)は、上記以外の分岐または架橋構造
を形成しうる化合物の存在下で重合を行っても良い。分
岐または架橋構造を形成しうる化合物としては、多価ア
ルコールまたは多官能性グリシジルエーテルであり、多
価アルコールとしては、グリセリン、トリメチレールプ
ロパン、ペンタエリスリトール、ジグリセリン、ソルビ
タン、ソルビタンモノエステル等が挙げられ、多官能性
グリシジルエーテルとしては、エチレングリコールジグ
リシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジル
エーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテ
ル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロー
ルプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリスルト
ールペンタグリシジルエーテル等が挙げられる。
【0017】該分岐ポリオキシメチレン重合体(A)の
製造に用いる重合触媒は、アニオン系重合触媒で有れば
特に限定はされず、例えばオニウム塩系重合触媒があ
り、下記一般式(4)で表されるものである。 [R6789M]+- (4) (式中、R6、R7、R8、R9は各々独立にアルキル基を
示し、Mは孤立電子対を持つ元素、Xは求核性基を示
す。) 上記一般式(4)で表されるオニウム塩系重合触媒のな
かでも、テトラエチルホスホニウムイオダイド、トリブ
チルエチルホスホニウムイオダイドの様な第4級ホスホ
ニウム塩系化合物やテトラメチルアンモニウムブロマイ
ド、ジメチルジステアリルアンモニウムアセテートの様
な第4級アンモニウム塩系化合物が好ましく用いられ
る。さらに好ましくは、ジメチルジステアリルアンモニ
ウムアセテートが用いられる。
【0018】重合触媒の導入量は、モノマー1kgに対
して、0.0003〜0.01molが好ましく、さら
に好ましくは0.0008〜0.005mol、特に好
ましくは0.001〜0.003molである。導入量
が0.0003molより少ないと、重合速度が遅くな
り、収率が低下し、経済的に好ましくない。導入量が
0.01molより多いと、重合系が不均一となり易
く、好ましくない。本発明における分岐ポリオキシメチ
レン重合体(A)の製造に用いる分子量調節剤として
は、アルコール、無水カルボン酸またはカルボン酸が用
いられ、好ましくは、メタノール、エタノール、無水プ
ロピオン酸、無水酢酸であり、特に好ましくは無水酢酸
である。分子量調節剤の導入量は、改質効果を発現する
分子量を得る為、モノマー1kgに対して、0.001
〜0.1molの範囲である。
【0019】本発明における分岐ポリオキシメチレン重
合体(A)の製造に用いる炭化水素等の溶媒としては、
ホルムアルデヒド(a)、単官能グリシジル化合物
(b)と反応しない化合物であればいかなる炭化水素で
も可能であるが、ペンタン、イソペンタン、ヘキサン、
シクロヘキサン、へプタン、オクタン、ノナン、デカ
ン、ベンゼン等が好ましい。特に好ましくはヘキサンで
ある。また、2種以上を混合して用いることも可能であ
る。本発明における分岐ポリオキシメチレン重合体
(A)の重合装置は、ホルムアルデヒド(a)、単官能
グリシジル化合物(b)を、適量の分子量調節剤でオニ
ウム塩系重合触媒を用いるものであれば特に制限するも
のではなく、公知の装置が使用され、バッチ式、連続式
等が可能である。好ましくは連続式重合装置である。
【0020】本発明の重合時における各化合物の混合方
法は、(1)単官能グリシジル化合物(b)、オニウム
塩系触媒、分子量調節剤をそれぞれ別々に溶媒である炭
化水素に混合して重合槽に導入する方法、(2)単官能
グリシジル化合物(b)とオニウム塩系触媒を混合した
溶液に分子量調節剤を混合して、溶媒である炭化水素に
混合して重合槽に導入する方法、(3)オニウム塩系触
媒と分子量調節剤を混合した溶液に単官能グリシジル化
合物(b)を混合して、溶媒である炭化水素に混合して
重合槽に導入する方法、(4)単官能グリシジル化合物
(b)と分子量調節剤を混合した溶液に、オニウム塩系
触媒を混合して、溶媒である炭化水素に混合して重合槽
に導入する方法が可能であるが、好ましくは(2)また
は(3)のグリシジル化合物(b)をあらかじめオニウ
ム塩系重合触媒または分子量調節剤に混合する方法であ
る。
【0021】この様にして得られた分岐ポリオキシメチ
レン重合体(A)の粗重合体は末端基の多くが水酸基で
あるので、熱的に不安定であり、実用価値が少ない。本
発明において、熱安定性に優れた分岐ポリオキシメチレ
ン重合体(A)とするためには、該分岐ポリオキシメチ
レン重合体(A)の全末端基に対する末端水酸基の濃度
を1mol%以下にする必要がある。この方法として
は、該分岐ポリオキシメチレン重合体(A)の末端水酸
基を(1)安定な末端基に化学処理する方法、(2)安
定な末端基となるまで化学分解する方法がある。一般に
ホルムアルデヒドまたはトリオキサンをモノマーとした
重合体、すなわちポリオキシメチレン単独重合体におい
ては(1)の方法が用いられるが、(1)の方法では、
副反応による副生成物が生成するためこれを除去するこ
とが必要となる等、生産工程が複雑化してしまう欠点が
ある。しかしながら、本発明では、重合体がその主鎖中
に安定な炭素−炭素結合を有する共重合体であるため、
(2)の方法で化学分解が可能であることから生産工程
が簡素化されるという優れた特徴を持つ。
【0022】(1)の方法としては、公知の温度での末
端基の化学処理条件で得る方法を挙げることができる。
即ち、重合体1kgに対してその化学処理剤を0.1〜
90kg仕込み、温度は140〜150℃で行い、時間
は20〜100分で行う必要がある。装置は、連続式で
もバッチ式でも可能であるが、好ましくは連続式装置で
ある。また、化学処理剤は、エステル化剤やエーテル化
剤等の化学処理剤を用いることができるが、本発明にお
ける末端基化学処理剤は、好ましくはエステル化剤を用
いる方法である。
【0023】化学処理剤としてエステル化剤を用いる方
法には、米国特許第3459709号明細書記載の大量
の酸無水物を用い、スラリー状態で行う方法と、米国特
許第3172736号明細書に記載の酸無水物のガスを
用いて気相で行う方法がある。該分岐ポリオキシメチレ
ン重合体(A)の末端基化学処理に用いるエステル化剤
としては、スラリー状態で行う方法、ガスを用いて気相
で行う方法のいずれにおいても、下記一般式(5)で表
される有機酸無水物や、無水安息香酸、無水コハク酸、
無水マレイン酸、無水グルタル酸、無水フタル酸などが
挙げられる。
【0024】R10COOCOR11 (5) (式中、R10、R11は、各々独立にアルキル基を示す。
10、R11は、同じであっても異なっていてもよい。) 上記一般式(5)で表される有機酸無水物の中では、無
水プロピオン酸、無水酢酸が好ましく、無水酢酸が特に
好ましい。有機酸無水物は1種で用いても良いが2種以
上を用いることも可能である。
【0025】また、気相でアセチル化を行う方法におい
ては、分岐ポリオキシメチレン重合体(A)中にオニウ
ム塩系重合触媒が残留していると、分岐ポリオキシメチ
レン重合体(A)の末端水酸基を化学処理する際に、該
オニウム塩系重合触媒が分岐ポリオキシメチレン重合体
(A)の分解反応を促進し、安定化反応における重合体
収率を著しく低下させると共に、分岐ポリオキシメチレ
ン重合体(A)を着色するという問題が特に顕著に現れ
ることから、特開平11−92542号明細書に記載の
方法によってオニウム塩系重合触媒を除去した後に末端
水酸基の安定化を行うことが特に好ましい。
【0026】化学処理剤としてエーテル化剤を用いる方
法としては、特公昭63−452号公報等があり、該分
岐ポリオキシメチレン重合体(A)の末端安定化に用い
るエーテル化剤としては、オルトエステル、通常は脂肪
族または芳香族酸と脂肪族、脂環式族または芳香族アル
コールとのオルトエステル、例えばメチルまたはエチル
オルトホルメート、メチルまたはエチルオルトアセテー
トおよびメチルまたはエチルオルトベンゾエート、およ
びオルトカーボネート、例えばエチルオルトカーボネー
ト、から選択する。エーテル化反応においては、p−ト
ルエンスルホン酸、酢酸及び臭酸のような中強度有機
酸、ジメチル及びジエチルスルフェートのような中強度
鉱酸等のルイス酸型の触媒を、エーテル化剤1kgに対
して0.001〜0.02kg導入すると良い。
【0027】エーテル化反応の好ましい溶媒は、ペンタ
ン、ヘキサン、シクロヘキサン及びベンゼン等の低沸点
脂肪族、脂環式族及び芳香族炭化水素、塩化メチレン、
クロロホルム及び四塩化炭素等のハロゲン化低級脂肪族
等の有機溶媒である。(2)の方法としては、例えば
(1)溶融状態の重合体に塩基性物質を注入し、ついで
混練する工程、及び(2)注入された上記塩基性物質の
蒸気及び遊離のホルムアルデヒドを開放する工程、とい
う少なくとも2段階の工程からなる末端安定化のための
操作を連続的に実施できる2軸スクリュー押し出し機等
によって、溶融したオキシメチレン重合体から揮発成分
を除去するといった方法を挙げることができる。上記の
塩基性物質としては、アンモニア、トリエチルアミン、
トリブチルアミン、下記(6)式で示される第4級アン
モニウム等の窒素化合物が挙げられる。また、塩基性物
質と共に水が存在していても良い。
【0028】 [R12131415+n-n (6) (式中、R12、R13、R14、R15は、各々独立して、炭
素数1〜30の非置換アルキル基または置換アルキル
基;炭素数6〜20のアリール基;炭素数1〜30の非
置換アルキル基または置換アルキル基が少なくとも1個
の炭素数6〜20のアリール基で置換されたアラルキル
基;または炭素数6〜20のアリール基が少なくとも1
個の炭素数1〜30の非置換アルキル基または置換アル
キル基で置換されたアルキルアリール基を表わし、非置
換アルキル基または置換アルキル基は直鎖状、分岐状、
または環状である。上記置換アルキル基の置換基はハロ
ゲン、水酸基、アルデヒド基、カルボキシル基、アミノ
基、またはアミド基である。また、上記非置換アルキル
基、アリール基、アラルキル基、アルキルアリール基は
水素原子がハロゲンで置換されていてもよい。nは1〜
3の整数を表わす。Xは水酸基、または炭素数1〜20
のカルボン酸、ハロゲン化水素以外の水素酸、オキソ
酸、無機チオ酸もしくは炭素数1〜20の有機チオ酸の
酸残基を表わす。)
【0029】第4級アンモニウム化合物は、上記一般式
(6)で表わされるものであれば特に制限はないが、一
般式(6)におけるR12、R13、R14、及びR15が、各
々独立して、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数2
〜4のヒドロキシアルキル基であることが好ましく、こ
の内、更に、R12、R13、R14、及びR15の少なくとも
1つが、ヒドロキシエチル基であるものが特に好まし
い。具体的には、テトラメチルアンモニウム、テトラエ
チルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウム、テト
ラ−n−ブチルアンモニウム、セチルトリメチルアンモ
ニウム、テトラデシルトリメチルアンモニウム、1,6
−ヘキサメチレンビス(トリメチルアンモニウム)、デ
カメチレン−ビス−(トリメチルアンモニウム)、トリ
メチル−3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルアンモニ
ウム、トリメチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウ
ム、トリエチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウ
ム、トリプロピル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウ
ム、トリ−n−ブチル(2−ヒドロキシエチル)アンモ
ニウム、トリメチルベンジルアンモニウム、トリエチル
ベンジルアンモニウム、トリプロピルベンジルアンモニ
ウム、トリ−n−ブチルベンジルアンモニウム、トリメ
チルフェニルアンモニウム、トリエチルフェニルアンモ
ニウム、トリメチル−2−オキシエチルアンモニウム、
モノメチルトリヒドロキシエチルアンモニウム、モノエ
チルトリヒドロキシエチルアンモニウム、オクダデシル
トリ(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、テトラキ
ス(ヒドロキシエチル)アンモニウム等の、水酸化物;
塩酸、臭酸、フッ酸などの水素酸塩;硫酸、硝酸、燐
酸、炭酸、ホウ酸、塩素酸、よう素酸、珪酸、過塩素
酸、亜塩素酸、次亜塩素酸、クロロ硫酸、アミド硫酸、
二硫酸、トリポリ燐酸などのオキソ酸塩;チオ硫酸など
のチオ酸塩;蟻酸、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、イ
ソ酪酸、ペンタン酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリ
ン酸、安息香酸、シュウ酸などのカルボン酸塩等が挙げ
られる。中でも、水酸化物(OH-)、硫酸(HS
4 -、SO4 2-)、炭酸(HCO3 -、CO3 2-)、ホウ酸
(B(OH)4 - )、カルボン酸の塩が好ましい。カル
ボン酸の内、蟻酸、酢酸、プロピオン酸が特に好まし
い。これら第4級アンモニウム化合物は、単独で用いて
もよいし、また2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、上記第4級アンモニウム化合物に加えて、公知の
不安定末端部の分解促進剤であるアンモニアやトリエチ
ルアミン等のアミン類等を併用しても何ら差し支えな
い。
【0030】上記一般式(6)で表わされる少なくとも
一種の第4級アンモニウム化合物は、ポリオキシメチレ
ン共重合体と第4級アンモニウム化合物の合計重量に対
する、下記式(2)で表わされる第4級アンモニウム化
合物由来の窒素の量に換算して0.05〜50重量pp
m存在下に、ポリアセタールコポリマーの融点以上26
0℃以下の温度で、ポリアセタールコポリマーを溶融さ
せた状態で熱処理する必要がある。
【0031】P×14/Q (7) (式中、Pは第4級アンモニウム化合物のオキシメチレ
ン共重合体及び第4級アンモニウム化合物の合計重量に
対する量(ppm)を表わし、14は窒素の原子量であ
り、Qは第4級アンモニウム化合物の分子量を表わ
す。) 線状ポリオキシメチレン重合体(B)の分子構造は特に
限定するものではなく、ポリオキシメチレン単独重合体
(B−1)、ポリオキシメチレン共重合体(B−2)、
ポリオキシメチレンブロック共重合体(B−3)及び、
これらの混合物からなる群から選ばれる。
【0032】ポリオキシメチレン単独重合体(B−1)
とは、オキシメチレン基を主鎖に有し、重合体連鎖の両
末端がエステル基または、エーテル基により封鎖された
重合体を表し、ホルムアルデヒド及び公知の分子量調節
剤を原料とし、公知のオニウム塩系重合触媒を用いて、
炭化水素等を溶媒として公知のスラリー法、例えば特公
昭47―6420号公報や特公昭47−10059号公
報に記載の重合方法で得ることが出来る。該ポリオキシ
メチレン単独重合体(B−1)の製造に用いるオニウム
塩系重合触媒及び、該重合体の末端をエーテル基で封鎖
する方法及び、該重合体の末端をエステル基で封鎖する
方法については、上記の分岐ポリオキシメチレン重合体
(A)に準拠した触媒、方法を用いることが出来る。
【0033】ポリオキシメチレン共重合体(B−2)
は、例えば米国特許第2998409号明細書等の従来
公知の方法に準拠して製造されるものであり、ホルムア
ルデヒドまたは、その3量体であるトリオキサンもしく
は、4量体であるテトラオキサン等の環状オリゴマーを
主体とし、これと共重合しうる、分子中に炭素数2以上
のオキシアルキレンユニットを有する環状エーテル化合
物、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイ
ド、1,3ジオキソラン、1,3プロパンジオールホル
マール、1,4ブタンジオールホルマール、1,5ペン
タンジオールホルマール、1,6ヘキサンジオールホル
マール、ジエチレングリコールホルマール、1,3,5
−トリオキセパン、および1,3,6−トリオキオカン
からなる群から選ばれる1種または2種以上の混合物が
コモノマーとして該重合体樹脂中に導入されたものであ
る。コモノマーの含有量を、メチレンオキシド単位に対
する炭素数2以上のオキシアルキレン単位のモル比と定
義すると、コモノマー含有率は0.1〜30mol%の
範囲であることが必要であり、好ましくは0.2〜5m
ol%、更に好ましくは0.3〜2mol%、最も好ま
しくは0.3〜1.5mol%の範囲である。
【0034】該オキシメチレン共重合体(B−2)の製
造においては、上記原料の他に、公知の分子量調節剤、
例えばホルムアルデヒドの、メチル、エチル、プロピ
ル、イソプロピル、ブチル等の低級脂肪族の群から選ば
れるジアルキルアセタールとそのオリゴマー並びに、メ
チルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコー
ル、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール等の低
級脂肪族アルコール等及び、公知の重合触媒、例えばル
イス酸、殊にホウ酸、スズ、チタン、リン、ヒ素及びア
ンチモン等のハロゲン化物、例えば三弗化ホウ素、四塩
化スズ、四塩化チタン、五塩化リン、五弗化リン、五弗
化ヒ素及び五弗化アンチモン、及びその錯化合物等また
は塩の如き化合物、プロトン酸、例えばトリフルオロメ
タンスルホン酸、パークロル酸、プロトン酸のエステ
ル、殊にパークロル酸と低級脂肪族アルコールとのエス
テル、プロトン酸の無水物、殊にパークロル酸と低級脂
肪族カルボン酸との混合無水物、或いはイソポリ酸、ヘ
テロポリ酸、トリエチルオキソニウムヘキサフルオロホ
スファート、トリフェニルメチルヘキサフルオロアルゼ
ナート、アセチルヘキサフルオロボラート等を原料と
し、バッチ式の攪拌機付き反応槽及び、連続式のコニー
ダー、二軸スクリュー式連続押し出し混練機、二軸パド
ル型連続混合機等のセルフクリーニング型押し出し混合
機その他、これまでに提案されているトリオキサン等の
重合装置を使用して製造することが出来る。
【0035】カチオン開始剤を用いた連続塊状重合反応
によって得られた粗ポリオキシメチレン共重合体に含ま
れる重合触媒の失活は、アンモニア、トリエチルアミ
ン、トリ−n−ブチルアミン等のアミン類、或いは、ア
ルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物、無機酸
塩、有機酸塩等の触媒中和失活剤を含む水溶液及び/ま
たは有機溶剤中に投入した後濾過乾燥することにより行
われる。この場合、触媒中和失活剤として第4級アンモ
ニウム化合物を単独で用いる、あるいは上記触媒失活剤
と併用することも可能で、触媒の中和がより効果的に行
われるため好ましい方法である。また、アンモニア、ト
リエチルアミン等の蒸気と粗ポリオキシメチレン共重合
体を接触させて触媒を失活させる方法や、ヒンダードア
ミン類、トリフェニルホスフィン、水酸化カルシウム、
あるいは第4級アンモニウム化合物等の少なくとも1種
と粗ポリオキシメチレン共重合体を混合機で接触させて
触媒を失活させる方法も実施可能である。
【0036】重合触媒失活後の粗ポリオキシメチレン共
重合体の末端基を安定化する処理方法は、上記の分岐ポ
リオキシメチレン重合体(A)の末端基を分解処理する
方法に準拠することが出来る。ポリオキシメチレン共重
合体(B−2)の融点としては、好ましくは150〜1
73℃、特に好ましくは162〜171℃、最も好まし
くは163〜169℃の範囲であり、コモノマー含有量
によって調節することができる。
【0037】ポリオキシメチレンブロック共重合体(B
−3)とは、特開平3−79618号公報に記載された
オキシメチレン単位の繰り返しよりなる線状重合体の片
末端がアルキレンオキシド化合物で封鎖されたポリオキ
シメチレン重合体及び、特開平4−306215号公報
に記載されたポリオキシメチレンセグメント(r)とポ
リメチレンセグメント(s)から構成されるr−s、ま
たはr−s−rポリオキシメチレンブロック共重合体及
び、これらの混合物を表す。ポリオキシメチレンブロッ
ク共重合体(B−3)は、それ単独で用いても、公知の
潤滑剤を添加しても用いることが出来る。添加しうる潤
滑剤としては、例えばアルコール、エーテル、アルコー
ルのアルキレンオキシド付加物、カルボン酸のアルキレ
ンオキシド付加物、ポリアルキレンオキシドの末端エー
テル体、ポリアルキレンオキシドとカルボン酸のジエス
テル等のポリアルキレングリコール油、1,4ブタンジ
オールラウレート、ジイソデシルアジペート等のジエス
テル油、液状の低分子量ポリオレフィン、ヒドロキシポ
リオレフィン等のポリオレフィン油、シリコーン油、フ
ッ素油等が挙げられる。
【0038】本発明において分岐ポリオキシメチレン重
合体(A)100重量部に対する線状ポリオキシメチレ
ン重合体(B)の混合比は0.1〜400重量部が好ま
しく、さらに好ましくは1〜200重量部、特に好まし
くは5〜100重量部である。線状ポリオキシメチレン
重合体が0.1重量部以下であると、ポリオキシメチレ
ン樹脂組成物の剛性の改良効果が少なくなり、400重
量部よりも多いとポリオキシメチレン樹脂組成物のクリ
ープ性の改良効果は得られない。また、本発明の実施に
おいて、分岐ポリオキシメチレン重合体(A)と、線状
ポリオキシメチレン重合体(B)の混合の時期は、特に
限定されない。即ち、重合後、末端水酸基の安定化処理
後、ペレット造粒後、成形装置内での混合、その他のい
ずれの段階においても可能である。また、分岐ポリオキ
シメチレン重合体(A)と、線状ポリオキシメチレン重
合体(B)を予め混合してなるマスターバッチを、さら
に分岐ポリオキシメチレン重合体(A)または、線状ポ
リオキシメチレン重合体(B)と混合することで、所定
の混合の割合に調整する方法も用いることが出来る。
【0039】本発明のポリオキシメチレン樹脂組成物に
は、前記必須成分の他に、所望に応じて通常用いられる
公知の添加剤である酸化防止剤、ホルムアルデヒド反応
性窒素含有重合体または化合物、結晶核剤、ギ酸補足
剤、耐候(光)安定剤、離型(潤滑)剤、補強剤、導電
剤、熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、顔料、可塑
剤、過酸化物分解剤、塩基性補助剤、帯電防止剤、難燃
剤、染料、充填剤等を配合することも可能である。更に
本発明の組成物には、その物性を損なわない範囲で他の
重合体を配合することも可能である。これらの配合剤の
配合割合は適宜の範囲である。
【0040】酸化防止剤としてはヒンダートフェノール
系酸化防止剤が好ましい。具体的には、例えばn−オク
タデシル−3−(3’−5’−ジ−t−ブチル−4’−
ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、n−オクタデ
シル−3−(3’−メチル−5’−t−ブチル−4’−
ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、n−テトラデ
シル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒド
ロキシフェニル)−プロピオネート、1,6−ヘキサン
ジオール−ビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]、1,4−
ブタンジオール−ビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]、ト
リエチレングリコール−ビス−[3−(3−t−ブチル
−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネ
ート]、テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ
−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネ
ート]メタン、3、9−ビス[2−{3−(3−t−ブ
チル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオ
ニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]2,4,8,
10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン、N,
N’−ビス−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’
−ヒドロキシフェニル)プロピオニルヘキサメチレンジ
アミン、N,N’−テトラメチレン−ビス−3−(3’
−メチル−5’−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェノ
ール)プロピオニルジアミン、N,N’−ビス−[3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノー
ル)プロピオニル]ヒドラジン、N−サリチロイル−
N’−サリチリデンヒドラジン、3−(N−サリチロイ
ル)アミノ−1,2,4−トリアゾール、N,N’−ビ
ス[2−{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロピオニルオキシ}エチル]オキシア
ミド等がある。好ましくは、トリエチレングリコール−
ビス−[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒド
ロキシフェニル)−プロピオネート]及びテトラキス
[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’
−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンであ
る。これらの酸化防止剤は1 種類で用いても良いし、2
種類以上を組み合わせて用いても良い。
【0041】ホルムアルデヒド反応性窒素を含む重合体
または化合物の例としては、ナイロン4−6、ナイロン
6、ナイロン6−6、ナイロン6−10、ナイロン6−
12、ナイロン12等のポリアミド樹脂、及びこれらの
重合体、例えば、ナイロン6/6−6/6−10、ナイ
ロン6/6−12等を挙げることができる。また、アク
リルアミド及びその誘導体の共重合体、アクリルアミド
及びその誘導体と他のビニルモノマーとの共重合体やア
ミノ置換基を有するホルムアルデヒド反応性窒素原子を
含む化合物を挙げることができる。アクリルアミド及び
その誘導体と他のビニルモノマーとの共重合体の例とし
ては、アクリルアミド及びその誘導体と他のビニルモノ
マーとを金属アルコラートの存在下で重合して得られた
ポリ−β−アラニン共重合体を挙げることができる。こ
れらのホルムアルデヒド反応性窒素原子を含む重合体
は、1種類で用いても良いし、2種類以上を組み合わせ
ても良い。
【0042】また、アミノ置換基を有するホルムアルデ
ヒド反応性窒素原子を含む化合物の例としては、2,4
−ジアミノ−sym−トリアジン、2,4,6−トリア
ミノ−sym−トリアジン、N−ブチルメラミン、N−
フェニルメラミン、N,N−ジフェニルメラミン、N,
N−ジアリルメラミン、N,N’,N' −トリフェニル
メラミン、メレム、メロン、メラム、ベンゾグアナミン
(2,4−ジアミノ−6−フェニル−sym−トリアジ
ン)、アセトグアナミン(2,4−ジアミノ−6−メチ
ル−sym−トリアジン)、2,4−ジアミノ−6−ブ
チル−sym−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−ベ
ンジルオキシ−sym−トリアジン、2,4−ジアミノ
−6−ブトキシ−sym−トリアジン、2,4−ジアミ
ノ−6−シクロヘキシル−sym−トリアジン、2,4
−ジアミノ−6−クロロ−sym−トリアジン、2,4
−ジアミノ−6−メルカプト−sym−トリアジン、
2,4−ジオキシ−6−アミノ−sym−トリアジン、
2−オキシ−4,6−ジアミノ−sym−トリアジン、
N,N,N’,N−テトラシアノエチルベンゾグアナミ
ン、サクシノグアナミン、エチレンジメラミン、トリグ
アナミン、メラミンシアヌレート、エチレンジメラミン
シアヌレート、トリグアナミンシアヌレート、アンメリ
ン、アセトグアナミン等である。これらのホルムアルデ
ヒド反応性窒素原子を含む化合物は1種類で用いても良
いし、2種類以上を組み合せて用いても良い。
【0043】結晶核剤としては特に限定されず、公知の
有機核剤、無機核剤のいずれも使用することが可能であ
る。有機核剤としては、架橋構造を形成しうる化学成分
を用いて重合した架橋ポリオキシメチレン樹脂があり、
架橋成分を形成しうる化学成分の例としては、多価アル
コールまたは多官能性グリシジルエーテルがあり、多価
アルコールとしては、グリセリン、トリメチレールプロ
パン、ペンタエリスリトール、ジグリセリン、ソルビタ
ン、ソルビタンモノエステル等が挙げられ、多官能性グ
リシジルエーテルとしては、エチレングリコールジグリ
シジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエ
ーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテ
ル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロー
ルプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリスルト
ールペンタグリシジルエーテル等が挙げられる。他の有
機核剤としては、ベンジリデンソルビトール化合物、シ
ュウ酸カルシウム、シュウ酸ナトリウム、安息香酸カル
シウム、フタル酸カルシウム、酒石酸カルシウム、ステ
アリン酸マグネシウム等の有機塩類がある。無機核剤と
しては、窒化硼素等の窒化物、ホウ酸化合物、酸化亜鉛
などの金属酸化物、炭酸ナトリウム等の炭酸塩、その他
無機塩、アルミナ、タルク、マイカ、シリカ、カオリ
ン、白土、クレー、グラファイト、カーボンブラック、
亜鉛・アルミニウム粉末等、従来公知の核剤を用いるこ
とが出来る。
【0044】ギ酸補足剤としては、上記のアミノ置換ト
リアジンやアミノ置換トリアジンとホルムアルデヒドと
の重縮合物、例えばメラミン−ホルムアルデヒド重縮合
物等を挙げることができる。他のギ酸補足剤としては、
アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物、無機
酸塩、カルボン酸塩またはアルコキシドが挙げられる。
例えば、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシ
ウムもしくはバリウムなどの水酸化物、上記金属の炭酸
塩、リン酸塩、珪酸塩、ホウ酸塩、カルボン酸塩であ
る。
【0045】前記カルボン酸塩のカルボン酸としては、
10〜36個の炭素原子を有する飽和または不飽和脂肪
族カルボン酸が好ましく、これらのカルボン酸は水酸基
で置換されていてもよい。脂肪族カルボン酸としては、
カプリン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル
酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ヘ
プタデシル酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン
酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、ヘプタコ
サン酸、モンタン酸、メリシン酸、ラクセル酸、ウンデ
シレン酸、オレイン酸、エライジン酸、セトレイン酸、
エルカ酸、ブラシジン酸、ソルビン酸、リノール酸、リ
ノレン酸、アラキドン酸、プロピオ−ル酸、ステアロ−
ル酸、12−ヒドロキシドデカン酸、3−ヒドロキシデ
カン酸、16−ヒドロキシヘキサデカン酸、10−ヒド
ロキシヘキサデカン酸、12−ヒドロキシオクタデカン
酸、10−ヒドロキシ−8−オクタデカン酸、dl−エ
リスロ−9・10−ジヒドロキシオクタデカン酸等が挙
げられる。
【0046】前記カルボン酸塩の具体的な例としては、
ジミリスチン酸カルシウム、ジパルミチン酸カルシウ
ム、ジステアリン酸カルシウム、(ミリスチン酸−パル
ミチン酸)カルシウム、(ミリスチン酸−ステアリン
酸)カルシウム、(パルミチン酸−ステアリン酸)カル
シウムが挙げられ、中でも好ましくは、ジパルミチン酸
カルシウム、ジステアリン酸カルシウムである。本発明
においては、2種以上のギ酸補足剤を同時に添加しても
よく、何等制限するものではない。耐候(光)安定剤
は、ベンゾトリアゾール系、及び蓚酸アニリド系紫外線
吸収剤、及びヒンダードアミン系光安定剤の中から選ば
れる1種若しくは2種以上が好ましい。
【0047】ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤の例と
しては、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチル−フェ
ニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−
3,5’−ジ−t−ブチル−フェニル)ベンゾトリアゾ
ール、2−[ 2’−ヒドロキシ−3’,5’−ビス
(α,α−ジメチルベンジル)フェニル] ベンゾトリア
ゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t
−アミルフェニル] ベンゾトリアゾール、2−(2’−
ヒドロキシ−3,5’−ジ−イソアミル−フェニル)ベ
ンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3,5’
−ビス−(α、α−ジメチルベンジル)フェニル]−2
H−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−
4’−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール等が挙
げられる。
【0048】蓚酸アリニド系紫外線吸収剤の例として
は、2−エトキシ−2’−エチルオキザリックアシッド
ビスアニリド、2−エトキシ−5−t−ブチル−2’−
エチルオキザリックアシッドビスアニリド、2−エトキ
シ−3’−ドデシルオキザリックアシッドビスアニリド
等が挙げられる。これらの紫外線吸収剤はそれぞれ単独
で用いても良いし、2種類以上を組み合わせて用いても
良い。
【0049】ヒンダードアミン系光安定剤の例として
は、4−アセトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピ
ペリジン、4−ステアロイルオキシ−2,2,6,6−
テトラメチルピペリジン、4−アクリロイルオキシ−
2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(フェ
ニルアセトキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペ
リジン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テト
ラメチルピペリジン、4−メトキシ−2,2,6,6−
テトラメチルピペリジン、4−ステアリルオキシ−2,
2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−シクロヘキ
シルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジ
ン、4−ベンジルオキシ−2,2,6,6−テトラメチ
ルピペリジン、4−フェノキシ−2,2,6,6−テト
ラメチルピペリジン、4−(エチルカルバモイルオキ
シ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−
(シクロヘキシルカルバモイルオキシ)−2,2,6,
6−テトラメチルピペリジン、4−(フェニルカルバモ
イルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジ
ン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリ
ジル)−カーボネート、ビス(2,2,6,6−テトラ
メチル−4−ピペリジル)−オキサレート、ビス(2,
2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−マロネ
ート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペ
リジル)−セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラ
メチル−4−ピペリジル)−アジペート、ビス(2,
2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−テレフ
タレート、1,2−ビス(2,2,6,6−テトラメチ
ル−4−ピペリジルオキシ)−エタン、α、α’−ビス
(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルオキ
シ)−p−キシレン、ビス(2,2,6,6−テトラメ
チル−4−ピペリジルトリレン−2,4−ジカルバメー
ト、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリ
ジル)−ヘキサメチレン−1,6−ジカルバメート、ト
リス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジ
ル)−ベンゼン−1,3,5−トリカルボキシレート、
トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジ
ル)−ベンゼン−1,3,4−トリカルボキシレート、
1−[2−{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオニルオキシ}ブチル]−4−
[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオニルオキシ]2,2,6,6−テトラメ
チルピペリジン、1,2,3,4−ブタンテトラカルボ
ン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリ
ジノールとβ,β,β’,β’,−テトラメチル−3,
9−[2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,
5)ウンデカン]ジエタノールとの縮合物等が挙げられ
る。上記ヒンダードアミン系光安定剤はそれぞれ単独で
用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良
い。
【0050】中でも好ましい耐候剤は、2−[ 2’−ヒ
ドロキシ−3’,5’−ビス(α,α−ジメチルベンジ
ル)フェニル] ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒド
ロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾ
トリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−
ジ−t−アミルフェニル] ベンゾトリアゾール、ビス
(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニ
ル)セバケート、ビス−(N−メチル−2,2,6,6
−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート、ビス
(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)
セバケート、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸
と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノ
ールとβ,β,β’,β’,−テトラメチル−3,9−
[2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウ
ンデカン]ジエタノールとの縮合物である。
【0051】離型剤としては、アルコール、脂肪酸及び
それらの脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレングリコ
ール、平均重合度が10〜500であるオレフィン化合
物、シリコーンが好ましく使用される。補強剤として
は、無機フィラー、ガラス繊維、ガラスビーズ、カーボ
ン繊維が挙げられる。また、導電材としては、導電性カ
ーボンブラック、金属粉末または繊維が挙げられる。
【0052】熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン樹
脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリカーネート樹
脂、未硬化のエポキシ樹脂が上げられる。また、これら
の変性物も含まれる。熱可塑性エラストマーの代表例と
しては、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系
エラストマー、ポリスチレン系エラストマー、ポリアミ
ド系エラストマーが挙げられる。
【0053】本発明で用いられる顔料は、ポリオキシメ
チレン樹脂組成物100重量部に対して、0〜5重量部
の範囲で使用される。5重量部を超えると熱安定性が低
下し、好ましくない。顔料としては、無機顔料及び有機
顔料が挙げられる。無機顔料とは、樹脂の着色用として
一般的に使用されているものを言い、例えば、硫化亜
鉛、酸化チタン、硫酸バリウム、チタンイエロー、コバ
ルトブルー等を言う。有機顔料とは、縮合ウゾ系、ペリ
ノン系、フロタシアニン系、モノアゾ系等の顔料であ
る。本発明のポリオキシメチレン樹脂組成物は強化材を
使用することなく剛性、クリープ性を大幅に改良し、溶
融物の流動性及び熱安定性が優れるために、外観も優れ
た成形品を、従来公知の射出成形、押出成形、ブロー成
形、または加圧成形等の方法で容易に成形出来る。また
これらの成形後、切削加工することも可能である。
【0054】かかる成形品は、ギア、カム、スライダ
ー、レバー、アーム、クラッチ、フェルトクラッチ、ア
イドラギアー、プーリー、ローラー、コロ、キーステ
ム、キートップ、シャッター、リール、シャフト、関
節、軸、軸受け、及びガイト゛等に代表される機構部品、
アウトサート成形の樹脂部品、インサート成形の樹脂部
品、シャーシ、トレー、側板、などを提供する。それら
の部品は、プリンター及び複写機に代表されるオフィス
オートメーション機器用部品、VTR(Video Tape Rec
order )、ビデオムービー、デジタルビデオカメラ、カ
メラ及び、デジタルカメラに代表されるカメラ、または
ビデオ機器用部品、カセットプレイヤー、DAT、LD
(Laser Disk)、MD(Mini Disk )、CD(Compact
Disk)〔CD−ROM(Read Only Memory)、CD−R
(Recordable)、CD−RW(Rewritable)を含む〕、D
VD(Digital Video Disk)〔DVD−ROM、DVD
−R、DVD−RW、DVD−RAM(Random Access
Memory )、DVD−Audioを含む〕、その他光デ
イスクドライブ、MFD(Micro Floppy Disk)、MO
(Magnet Optical Disk)、ナビゲーションシステム及
びモバイルパーソナルコンピュータに代表される音楽、
映像または情報機器、携帯電話およびファクシミリに代
表される通信機器用部品、電気機器用部品、電子機器用
部品、自動車用の部品として、ガソリンタンク、フュエ
ルポンプモジュール、バルブ類、ガソリンタンクフラン
ジ等に代表される燃料廻り部品、ドアロック、ドアハン
ドル、ウインドウレギュレータ、スピーカーグリル等に
代表されるドア廻り部品、シートベルト用スリップリン
グ、プレスボタン等に代表されるシートベルト周辺部
品、コンビスイッチ部品、スイッチ類及び、クリップ類
の部品、さらにシャープペンシルのペン先及び、シャー
プペンシルの芯を出し入れする機構部品、洗面台及び、
排水口及び、排水栓開閉機構部品、自動販売機の開閉部
ロック機構及び、商品排出機構部品、衣料用のコードス
トッパー、アジャスター及び、ボタン、散水用のノズル
及び、散水ホース接続ジョイント、階段手すり部及び、
床材の支持具である建築用品、使い捨てカメラ、玩具、
ファスナー、チェーン、コンベア、バックル、スポーツ
用品、自動販売機、家具、楽器及び、住宅設備機器に代
表される工業部品、などとして好適に使用できる。
【0055】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれら実施例により限定されるものでは
ない。実施例及び比較例における用語及び測定法は、以
下の通りである。 <MI(melt index:g/10min)>A
STM D1238により、東洋精機製のMELT I
NDEXERを用いて190℃、2169gの条件下で
メルトインデックス(g/10min)を測定した。
【0056】<曲げ試験>東芝(株)製IS−80A射
出成形機を用い、シリンダー温度200℃、射出圧力6
0kgf/cm2、射出時間15秒、冷却時間25秒、
金型温度70℃にて試験片を作成し、ASTMD790
に基づき測定した。
【0057】<引張試験>東芝(株)製IS−80A射
出成形機を用い、シリンダー温度200℃、射出圧力6
0kgf/cm2、射出時間15秒、冷却時間25秒、
金型温度70℃にて試験片を作成し、ASTMD638
に基づき測定した。
【0058】<IZOD衝撃強さ(J/m)>東芝
(株)製IS−80A射出成形機を用い、シリンダー温
度200℃、射出圧力5.9MPa、射出時間15秒、
冷却時間25秒、金型温度70℃にて試験片を作成し、
ASTMD256に基づき、温度23℃、ノッチ有りに
て測定した。
【0059】<耐クリープ性>東芝(株)製IS−80
A射出成形機を用い、シリンダー温度200℃、射出圧
力5.9MPa、射出時間15秒、冷却時間25秒、金
型温度70℃にて、寸法110mm×6.5mm×3m
mの短冊状の試験片を作成した。この試験片に22MP
aの引っ張り応力をかけて、80℃の空気中に放置し、
試験片が破壊されるまでの時間を測定した。破壊される
までの時間が長いほど、耐クリープ性に優れる。
【0060】<熱安定性>前述の方法で成型した試験片
を140℃、空気中に放置し、試験片の引っ張り強度が
仕込み前の引っ張り伸度に対して60%以下となる時間
を日数で示した。
【0061】<二次収縮率(%)>曲げ弾性率測定用試
験片作成と全く同じ射出成形機、射出条件で試験片を作
成した。成形完了後、23℃、湿度50%の環境下に4
8時間放置した後の流動方向の寸法をD1(mm)と
し、成形完了後、23℃、湿度50%の環境下に72時
間放置した後、120℃で24時間加熱し、その後23
℃で48時間放置した後の流動方向の寸法をD2(m
m)として、次式に従い二次収縮率を(%)を求めた。 二次収縮率(%)=(D1−D2)/金型寸法×100 ただし、金型寸法は130mm、厚さは3mmで、値が
小さい程二次収縮性に優れる。
【0062】<表面外観>前述の方法で成型した試験片
の表面にメルトフラクチャーが発生しているか否かを3
段階にて評価した。メルトフラクチャーの発生がないも
のを○、0.5〜1cmの長さで発生しているものを
△、1cm以上の長さで発生しているものを×とした。 <%、ppm>特に断らない限り、全て重量基準であ
る。
【0063】
【実施例1、および2】攪拌羽根の付いた連続式にモノ
マー等を供給できるタンクに脱水したホルムアルデヒド
ガス100重量部、触媒としてジメチレルジステアリル
アンモニウムアセテートを0.1重量部、n−ブチルグ
リシジルエーテルを2または4重量部と分子量調節剤と
して無水酢酸を0.07重量部を連続的にフィードしな
がら、58℃で重合した。得られた粗ポリオキシメチレ
ン重合体をヘキサンと無水酢酸の1対1混合溶媒に入
れ、140℃、2.0時間末端基を化学処理した。得ら
れた重合体を120℃、3hr、1mmHGで真空乾燥
した。乾燥したポリオキシメチレン重合体100重量部
に対して、酸化防止剤として、2,2’−メチレンビス
−(4−メチル−t−ブチルフェノール)を0.3重量
部添加し、210℃に設定されたL/D=25のベント
付き二軸押出機を用い、スクリュー回転数100rp
m、吐出量5kg/hrの条件下で溶融混練して樹脂組
成物をペレット化し、80℃で3時間乾燥した。得られ
たペレットのMIを測定した。このペレットを樹脂温度
200℃、金型温度70℃でASTM−D−638に準
拠するダンベルを射出し、曲げ強度、引張強度、Izo
d衝撃値、熱安定性を測定した。結果を表1、および2
に示した。
【0064】
【実施例3、4】グリシジルエーテルが、o−フェニル
フェノールグリシジルエーテルである以外は実施例1、
2と同様の方法で重合、ペレット化、成形を行い、各物
性の測定を行った。
【0065】
【実施例5】実施例2の方法で得られた重合体100重
量部に対し、n−ブチルグリシジルエーテルを導入しな
い以外は実施例1と同様の方法で重合した線状重合体を
20重量部混合して実施例1と同様の方法でペレット
化、成形を行い、各物性の測定を行った。
【0066】
【実施例6】実施例4の方法で得られた重合体100重
量部に対し、o−フェニルフェノールグリシジルエーテ
ルを導入しない以外は実施例3と同様の方法で重合した
線状重合体を20重量部混合して実施例1と同様の方法
でペレット化、成形を行い、各物性の測定を行った。
【0067】
【実施例7、および8】実施例2の方法で得られた重合
体ペレット100重量部に対し、線状ポリオキシネチレ
ン重合体[旭化成のTENAC−2010、TENAC
−C3510のそれぞれ]を20重量部混合して実施例
1と同様の方法で成型を行い、各物性の測定を行った。
【0068】
【実施例9、および10】実施例4の方法で得られた重
合体ペレット100重量部に対し、線状ポリオキシネチ
レン重合体[旭化成のTENAC−2010、TENA
C−C3510のそれぞれ]を20重量部混合して実施
例1と同様の方法で成型を行い、各物性の測定を行っ
た。
【0069】
【実施例11、および12】分子量調節剤である無水酢
酸を0.26重量部とする以外は実施例1、および2と
同様の方法で重合、ペレット化、成形を行い、各物性の
測定を行った。
【0070】
【実施例13、および14】実施例12の方法で得られ
た重合体100重量部に対し、n−ブチルグリシジルエ
ーテルを導入しない以外は実施例1、および11と同様
の方法で重合した線状重合体を20重量部混合して実施
例1と同様の方法でペレット化、成形を行い、各物性の
測定を行った。
【0071】
【実施例15、および16】実施例12の方法で得られ
た重合体ペレット100重量部に対し、線状ポリオキシ
ネチレン重合体[旭化成のTENAC−2010、TE
NAC−C3510のそれぞれ]を20重量部混合して
実施例1と同様の方法で成型を行い、各物性の測定を行
った。
【0072】
【実施例17、および18】攪拌羽根の付いた連続式に
モノマー等を供給できるタンクに脱水したホルムアルデ
ヒドガス100重量部、触媒としてジメチレルジステア
リルアンモニウムアセテートを0.1重量部、n−ブチ
ルグリシジルエーテルを4重量部と分子量調節剤として
無水酢酸を0.07または0.26重量部を各々連続的
にフィードしながら、58℃で重合した。得られた粗ポ
リオキシメチレン重合体100重量部に対して、第4級
アンモニウム化合物として水酸化コリン蟻酸塩(トリメ
チル−2−ヒドロキシエチルアンモニウムフォルメー
ト)を含有した水溶液1重量部を添加して、均一に混合
した後120℃で乾燥した。水酸化コリン蟻酸塩の添加
量は窒素の量に換算して20ppmとした。水酸化コリ
ン蟻酸塩の添加量は、添加する水酸化コリン蟻酸塩を含
有した水溶液中の水酸化コリン蟻酸塩の濃度を調整する
ことにより行った。この乾燥後のポリオキシメチレン重
合体100重量部に対して、酸化防止剤として、2,
2’−メチレンビス−(4−メチル−t−ブチルフェノ
ール)を0.3重量部添加し、210℃に設定されたL
/D=25のベント付き二軸押出機を用い、スクリュー
回転数100rpm、吐出量5kg/hrの条件下で溶
融混練して樹脂組成物をペレット化し、80℃で3時間
乾燥した。得られたペレットのMIを測定した。このペ
レットを樹脂温度200℃、金型温度70℃でASTM
−D−638に準拠するダンベルを射出し、曲げ強度、
引っ張り強度、Izod衝撃値、熱安定性を測定した。
結果を表1、2に示した。
【0073】
【比較例1】n−ブチルグリシジルエーテルを導入しな
い以外は実施例1と同様の方法で重合、ペレット化、成
形を行い、各物性の測定を行った。
【0074】
【比較例2】n−ブチルグリシジルエーテルを導入しな
い以外は実施例11と同様の方法で重合、ペレット化、
成形を行い、各物性の測定を行った。
【0075】
【比較例3、および4】線状ポリオキシネチレン重合体
[旭化成のTENAC−2010、TENAC−C35
10のそれぞれ]のペレットを実施例1と同様の方法で
成形を行い、各物性の測定を行った。
【0076】
【表1】
【0077】
【表2】
【0078】
【発明の効果】本発明は、強化剤を使用することなく、
剛性、熱安定性、クリープ特性を大幅に改良し、寸法精
度が著しく優れると共に、溶融物の流動性及び熱安定性
に優れるために外観にも優れた成形品を容易に成形でき
るポリオキシメチレン樹脂組成物を提供することができ
る。
フロントページの続き Fターム(参考) 4F071 AA40 AH12 AH16 AH17 AH18 BA01 BB05 4J002 CB00W CB00X FD040 FD050 FD070 GM00 GM02 GM04 GM05 GN00 GP00 GQ00 4J032 AA02 AA33 AB04 AB06 AC01 AC13 AD25 AE03 AE04 AF04 AF06 AF08

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単官能グリシジル化合物(b)の存在下
    で、無水ホルムアルデヒド(a)をアニオン重合して得
    られる分岐ポリオキシメチレン重合体(A)を含有する
    ポリオキシメチレン樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 単官能グリシジル化合物(b)の存在下
    で、無水ホルムアルデヒド(a)をアニオン重合して得
    られる分岐ポリオキシメチレン重合体(A)100重量
    部と線状ポリオキシメチレン重合体(B)0.1〜40
    0重量部を含有するポリオキシメチレン樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 単官能グリシジル化合物(b)が、単官
    能グリシジルエーテルである請求項1または2に記載の
    ポリオキシメチレン樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 単官能グリシジルエーテルが、下記式
    (1)、(2)または(3)で表される請求項1〜3の
    いずれかに記載のポリオキシメチレン樹脂組成物。 【化1】 (式中R1は炭素数1〜30のアルキレン基、nは0〜
    30の整数であり、R2は炭素数1〜30のアルキル
    基、または炭素数2〜40のアルケニル基またはアルキ
    ニル基を表す。) 【化2】 (式中R3はフェニル基の水素置換基を示すものであ
    り、ハロゲン基、アミノ基、アセチル基、炭素数1〜1
    2のアルキル基、アルコキシル基、炭素数3のアリル
    基、炭素数6〜20のアリール基、または置換アリール
    基を表し、nは0〜5の整数であり、R3は同一でも異
    なっても良い。) 【化3】 (式中R4は炭素数1〜30のアルキレン基、置換アル
    キレン基、炭素数2〜20のポリアルキレンオキシドグ
    リコール残基、R5はハロゲン基、アミノ基、アセチル
    基、炭素数1〜12のアルキル基、アルコキシル基、炭
    素数3のアリル基、または炭素数6〜20のアリール
    基、または置換アリール基を表し、nは0〜5の整数で
    あり、R5は同一でも異なっても良い。)
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載のポリオ
    キシメチレン樹脂組成物を成形して得られる自動車用の
    部品、オフィスオートメーション機器、音楽、映像また
    は情報機器、通信機器、電気機器、電子機器、玩具、ス
    ポーツ用品、家具、または住宅設備機器。
JP2001107435A 2001-04-05 2001-04-05 ポリオキシメチレン樹脂組成物 Expired - Fee Related JP4889157B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001107435A JP4889157B2 (ja) 2001-04-05 2001-04-05 ポリオキシメチレン樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001107435A JP4889157B2 (ja) 2001-04-05 2001-04-05 ポリオキシメチレン樹脂組成物

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2002302589A true JP2002302589A (ja) 2002-10-18
JP2002302589A5 JP2002302589A5 (ja) 2008-05-08
JP4889157B2 JP4889157B2 (ja) 2012-03-07

Family

ID=18959760

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001107435A Expired - Fee Related JP4889157B2 (ja) 2001-04-05 2001-04-05 ポリオキシメチレン樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4889157B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005003232A1 (ja) * 2003-07-08 2005-01-13 Polyplastics Co., Ltd. ポリアセタール樹脂組成物

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0370766A (ja) * 1989-07-20 1991-03-26 Hoechst Celanese Corp 耐衝撃性の高い改良アセタール重合体組成物
JP2001002886A (ja) * 1999-06-23 2001-01-09 Polyplastics Co 分岐ポリアセタール樹脂組成物

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0370766A (ja) * 1989-07-20 1991-03-26 Hoechst Celanese Corp 耐衝撃性の高い改良アセタール重合体組成物
JP2001002886A (ja) * 1999-06-23 2001-01-09 Polyplastics Co 分岐ポリアセタール樹脂組成物

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005003232A1 (ja) * 2003-07-08 2005-01-13 Polyplastics Co., Ltd. ポリアセタール樹脂組成物
CN1331940C (zh) * 2003-07-08 2007-08-15 汎塑料株式会社 聚缩醛树脂组合物

Also Published As

Publication number Publication date
JP4889157B2 (ja) 2012-03-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4560260B2 (ja) 低分子量オキシメチレン重合体及びその組成物
JP4605904B2 (ja) ポリオキシメチレンコポリマーおよびその組成物
US6384179B2 (en) Polyacetal resin composition
US7816433B2 (en) Polyacetal resin composition and article thereof
JP5371897B2 (ja) ポリアセタールコポリマーの製造方法
JP4270787B2 (ja) ポリオキシメチレン樹脂組成物
US8765850B2 (en) Polyacetal resin composition and preparation process thereof
JP6931312B2 (ja) ポリアセタール樹脂組成物
JP4624963B2 (ja) 分岐ポリオキシメチレン共重合体の製造方法
JP2008260874A (ja) ポリアセタール樹脂組成物
JP4931275B2 (ja) ポリアセタール樹脂組成物
JP4387619B2 (ja) 分岐ポリオキシメチレン共重合体及びその樹脂組成物
JP4248712B2 (ja) ポリオキシメチレン樹脂改質剤及びこれを用いたポリオキシメチレン樹脂組成物
JP5312704B2 (ja) ポリアセタール樹脂組成物
JP2017160332A (ja) ポリアセタールコポリマー、ポリアセタールコポリマーの製造方法、およびポリアセタール樹脂組成物
JP2002302589A (ja) ポリオキシメチレン樹脂組成物
JP2017160333A (ja) ポリアセタールコポリマー、コポリマーの製造方法、およびポリアセタール樹脂組成物
JP5028758B2 (ja) ポリアセタール樹脂組成物、およびその製造方法
JP2001172345A (ja) ポリオキシメチレン樹脂改質剤及びこれを用いた樹脂組成物及び成形体
JP2000159850A (ja) ポリアセタールコポリマー及びその組成物
JP2006063319A5 (ja)
JP2000119485A (ja) ポリアセタール樹脂組成物
JP3335906B2 (ja) ウェルド物性を改良したポリアセタール樹脂組成物
JP2007211193A (ja) 新規なポリオキシメチレン重合体
JPH11343383A (ja) 耐候性ポリアセタール樹脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080325

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080325

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20101222

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110118

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111212

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111213

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4889157

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141222

Year of fee payment: 3

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees