JP2002302502A - セルロース誘導体の製造方法 - Google Patents

セルロース誘導体の製造方法

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JP2002302502A
JP2002302502A JP2001106541A JP2001106541A JP2002302502A JP 2002302502 A JP2002302502 A JP 2002302502A JP 2001106541 A JP2001106541 A JP 2001106541A JP 2001106541 A JP2001106541 A JP 2001106541A JP 2002302502 A JP2002302502 A JP 2002302502A
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cellulose
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acetate
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昌生 ▲ルイ▼
Masao Rui
Tomomi Iguchi
智美 井口
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Toto Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 一定の疎水性を有し安定性が優れており、且
つ反応性に富む官能基が導入されている、アルデヒド基
が含まれるセルロース誘導体の製造方法を提供する。 【解決手段】 無水グルコースユニットの2,3,6位
の炭素原子に結合している化学グループに、A群(酢酸
エステル基、プロピオン酸エステル基、酪酸エステル
基、メチルエーテル基、エチルエーテル基)から選択さ
れる化学グループを一定量導入してから、A群から選択
される化学グループが結合していない、2,3,6位の
炭素(アルコール基)を酸化してアルデヒド基に変換す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は産業材料、特にセル
ロース誘導体に係わる産業材料の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】自然界にもっとも豊富に存在する天然多
糖類であるセルロースを材料とする多糖類誘導体は、多
くの分野で利用されてきた。中でもセルロース誘導体の
一種である酢酸セルロースは分離膜、プラスチック、塗
料、繊維などとして、幅広く利用されている。自然に優
しい素材として、最近特に環境関連分野でも注目を集め
ている。もっとも汎用されている酢酸セルロースはアセ
チル置換度約2.4(酢化度55%)のジアセテートであ
る。分離膜としての応用は海水淡化や浄水装置用の逆浸
透膜や限外濾過膜などが挙げられる。また、過酸化水素
検出用バイオセンサの選択透過膜としても実用化されて
いる。プラスチックの材料とする酢酸セルロースは可塑
剤などを添加した後、フィルム、シート、または各種の
形に成型される。最近、特定の成分を添加して生分解性
プラスチックとしても応用されている。
【0003】図1に酢酸セルロースの分子構造を示す。
無水グルコースユニットの2、3、6位の炭素に結合し
ている官能基は水酸基または酢酸エステル基である。3
つの炭素原子に結合している水酸基の内、平均して何個
が酢酸エステル基に置換されているかを示すパラメータ
ーは置換度である。例えば、置換度2.4は、3つの炭素
原子に結合している水酸基の内、平均して2.4個が酢酸
エステル基に置換されており、水酸基が0.6個であるこ
とを意味する。グルコースユニット内における酢酸エス
テル置換基の位置分布はその製造方法によって異なる
が、工業的に製造されている市販品は大凡均一な分布を
有している。酢酸セルロースは置換度が高いほど、疎水
性が増大する。化学式からも分かるように、酢酸セルロ
ースに含まれている反応性のもっとも高い官能基は水酸
基であり、水酸基は自然界に近いマイルドな条件(中性
pH、室温)ではほとんど反応性を示さない。この反応性
の低さは疎水性とともに材料としての安定性をもたら
し、今日の広範囲にわたる利用につながる原因のひとつ
になっている。しかしながら、上記反応性の低さはまた
酢酸セルロースの利用範囲を制限するという側面があ
る。例えば、過酸化水素選択透過膜として化学センサま
たはバイオセンサに利用される場合、電極や酵素膜など
との親和性が低いという問題がある。プロピオン酸セル
ロース、酪酸セルロース、エチルセルロースなど、他の
工業的に汎用されているセルロース誘導体についても同
様なことが言える。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】かかる現状を鑑み本発
明者は、疎水性で安定性が優れており、且つ反応性に富
むアルデヒド基などの官能基が導入されているセルロー
ス誘導体の製造方法を提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する請求
項1のセルロース誘導体の製造方法は、無水グルコース
ユニットの2,3,6位の炭素原子に結合している化学
グループに、 A群:酢酸エステル基(-OCOCH3)、プロピオン酸エス
テル基(-OCOC2H5)、酪酸エステル基(-OCOCH2C
2H5)、メチルエーテル基(-OCH3)、エチルエーテル基
(-OC2H5)から選択される化学グループが、少なくとも
一種含まれており、さらに、前記A群から選択される化
学グループが結合していない炭素原子の内、少なくとも
一つがアルデヒド基(-CHO)に変換されていることを特
徴とする無水グルコースユニットが含まれているセルロ
ース誘導体を製造する方法であって、セルロースを出発
原料とし、前記A群から選択される化学グループを一定
量導入してから、前記A群から選択される化学グループ
が結合していない、残りの2,3,6位の炭素(アルコ
ール基)を酸化してアルデヒド基に変換することを特徴
とする。
【0006】上記課題を解決する請求項2のセルロース
誘導体の製造方法は、すでに前記A群から選択される化
学グループが一定量含まれているセルロース誘導体を出
発原料とし、前記A群から選択される化学グループが結
合していない、残りの2,3,6位の炭素(アルコール
基)を酸化してアルデヒド基に変換することを特徴とす
る。
【0007】上記課題を解決する請求項3の製造方法
は、前記A群から選択される化学グループが含まれてい
るセルロース誘導体を、溶媒に溶解してから、2,3,
6位の炭素(アルコール基)を酸化してアルデヒド基に
変換することを特徴とする。
【0008】上記課題を解決する請求項4の製造方法
は、前記A群から選択される化学グループが酢酸エステ
ル基(-OCOCH3)である酢酸セルロースを出発原料とす
ることを特徴とすることで、もっとも汎用性の高い酢酸
セルロースにアルデヒド基を導入する方法を提供する。
【0009】上記課題を解決する請求項5は、酢酸セル
ロースにクロム酸酸化法でアルデヒド基を導入する製造
方法を提供する。
【0010】上記課題を解決する請求項6〜9は、前記
クロム酸酸化の方法をより具体的に規定しているので、
効率よくアルデヒド基を酢酸セルロースに導入すること
ができる。
【0011】前記課題を解決する請求項10は、酢酸セ
ルロースを過ヨウ素酸によって酸化させるアルデヒドを
導入する製造方法を提供する。
【0012】前記課題を解決する請求項10〜22は、
前記過ヨウ素酸酸化の方法をより具体的に規定している
ので、効率よくアルデヒド基を酢酸セルロースに導入す
ることができる。
【0013】上記課題を解決する請求項23は、セルロ
ースを出発原料とし、2,3,6位の炭素(アルコール
基)を部分的に酸化してアルデヒド基に変換してから、
前記A群から選択される化学グループを一定量導入する
ことを特徴とする、製造方法を提供する。
【0014】
【発明の実施の形態】以下図面などを用いて本発明をさ
らに詳細に説明する。本発明の方法によって製造される
セルロース誘導体の出発原料であるセルロースは無水グ
ルコースがβ1−4グルコシド結合で連なった繊維状高
分子であり、2、3、6位の炭素に水酸基が結合してい
る(図1参照)。
【0015】まず、本発明の方法によって製造されるセ
ルロース誘導体の化学構造的特徴について説明する。無
水グルコースユニットの炭素に結合している化学グルー
プに、 A群:酢酸エステル基(-OCOCH3)、プロピオン酸エス
テル基(-OCOC2H5)、酪酸エステル基(-OCOCH2C
2H5)、メチルエーテル基(-OCH3)、エチルエーテル基
(-OC2H5)から選択される化学グループが、少なくとも
一種含まれている。
【0016】さらに、前記A群から選択される化学グル
ープが結合されていない炭素原子の内、少なくとも一つ
がアルデヒド(-CHO)に変換されている無水グルコース
ユニットが含まれていることを特徴とする。アルデヒド
基が導入される位置は、本発明によれば、図1に示すグ
ルコースユニットの2,3,及び6位である。
【0017】前記A群から選択される官能基は主に本発
明によるセルロース誘導体のバルク材料としての性質、
特に溶解性、熱可塑性、融点、密度、強度、成型性、形
状安定性、耐候性、などの物理的な性質を規定する。官
能基の種類と共に、その含量(ここでその指標として置
換度を用いる)が重要である。一例を挙げると、主にエ
ステル系官能基を有する誘導体は置換度が1.5以上で水
不溶になり、置換度が高いほど、極性の低い溶媒に可溶
となる。エステル系誘導体の中では、その製造コストの
安さおよび広範囲に渡る応用が可能であることから、酢
酸エステルをメーン置換基とする、酢酸セルロース系誘
導体がもっとも望ましい。
【0018】前記A群から選択されるグループが結合し
ていない位置の炭素から変換されているアルデヒド基
(-CHO)は、主に2つの機能を担っている。ひとつは、
前記Aグループの官能基によって規定されている材料と
しての物理的性質に微調整を与える機能である。もうひ
とつは、材料に反応性という化学的な性質を付与すると
いう機能である。以下A群官能基が酢酸エステルである
酢酸セルロースを例に詳細に説明する。
【0019】工業的にもっとも大量に製造されている置
換度2.4〜2.5の二酢酸セルロースを例に挙げると、疎水
性が強く、アセトン、酢酸メチル、メチルセロソルブア
セテート、ジアセトンアルコールなどの中極性溶媒、ま
たはこれらの溶媒に水やエチルアルコールなどの強極性
溶媒を少量(20%以下)添加した混合溶媒に溶解する。
荷電を有していない。中性pHや室温などのマイルドな環
境ではほとんど他の物質と化学反応を起こさない。
【0020】一方、前記無水単糖ユニット上の炭素から
変換されているアルデヒド(-CHO)基を含む本発明によ
って製造される酢酸セルロース誘導体(以下アルデヒド
化酢酸セルロース、ACAと言う)の場合、アルデヒド
基は親水性が高く、また変換前のアルコール基(水酸
基)のように酸素と結合している水素を含まないので、
同置換度の酢酸セルロースに比べてわずかに異なる溶解
性を示す。例えば1無水グルコースユニット当たり0.1
〜1.5個の炭素原子がアルデヒド基に変換されているア
ルデヒド化酢酸セルロースは同置換度の酢酸セルロース
に比べて水の比率がより多いジアセトンアルコール/水
混合溶媒へ可溶である。また、置換度2.2の酢酸セルロ
ースはジアセトンアルコールに可溶であるが、同置換度
で無水グルコースユニット当たり0.1〜0.6個の炭素原子
がアルデヒド基に変換されているACAはジアセトンア
ルコールには完全に溶解せず、5-40%の水を含むジア
セトンアルコール/水混合溶媒に可溶となる。また、A
CAから製造された膜は、膜含水率が酢酸セルロース膜
と異なり、例えば分離膜として利用される場合、異なる
濾過および分離性能が発現される。
【0021】しかし、ACAのもっとも顕著な特徴は酢
酸セルロースの基本性質を有しながら、アルデヒドとい
う反応性官能基を有することである。反応性官能基の中
でも、アルデヒドは中性pHや常温など、自然に近いマイ
ルドな環境下で、活性化処理なしで例えばアミノ基、エ
ポキシ基、水酸基などを含む成分と反応する特徴をも
つ。その導入により従来の酢酸セルロースにはない多く
の機能が発現でき、材料としてより幅広い応用が考えら
れる。例えば、酵素、抗体や微生物などの生体触媒の固
定化単体としての利用、基板支持体や他の機能性膜との
密着性がよい過酸化水素選択膜や分離膜としての利用、
生分解性プラスチック原料としての利用、抗菌材料とし
ての利用、などが挙げられる。また、さらに他のセルロ
ース誘導体を製造する材料としても利用できる。
【0022】次に本発明によって製造されるセルロース
誘導体の化学構造について化学式を例示して具体的に説
明する。図3によって製造されるセルロース誘導体を構
成する単糖ユニットが取ることのできる構造を例示す
る。化学式1〜3は6位の炭素がアルデヒド基に変換さ
れている単糖ユニットの例であり、2、3位の炭素がケ
トン基に変換されてもよい。化学式4〜6は無水単糖ユ
ニットが開環されジアルデヒドの形になっている例であ
り、6位の炭素が同時にアルデヒド基に変換されてもよ
い。また、化学式7〜10は無水単糖ユニットの炭素が
カルボキシ基に変換されているものが含まれている例で
ある。図示のように同時にアルデヒドやケトン基が含ま
れてもよい。さらに、化学式11と12はカルボキシメ
チル基がエーテル結合を通して2位または6位の炭素に
結合している例である。化学式13から18はアミノ基
が導入されている単糖ユニット(式中のR1、R2は水素原
子またはアルキル鎖を示す)を示す例である。一般的に
アミノ基が一級アミンまたは2級アミンであることが望
ましい。式19から21はハロゲン基(X = Cl, Br,I)
が、そして式22から24はエポキシ基が導入されてい
る単糖ユニットの例である。また、式25から33に示
すように、より長い鎖長をもつ官能基が導入されている
単糖ユニットが含まれてもよい。
【0023】なお、図示の化学式において、ORは前記A
グループから選択される官能基を意味する。一般的に、
本発明によって製造されるセルロース誘導体の前記Aグ
ループの含量を置換度で表すと、1.5以上が多いの
で、式3または式5の方が誘導体を構成する全単糖ユニ
ットに占める比率が低いことが特徴となる。また後述製
造方法によっては、式1〜3または4〜5のどちらか一
方の構造を持つ単糖ユニットしか持たないケースもあ
る。
【0024】次に本発明による多糖類誘導体の製造方法
の基本的な考え方について説明する。本発明による多糖
類誘導体の出発原料として、セルロース、またはその誘
導体、例えば酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、プ
ロピオン酸セルロース、メチルセルロース、エチルセル
ロース、カルボキシメチルセルロース、などが挙げられ
る。
【0025】本発明による多糖類誘導体を製造する基本
的な方法として、次の三つの方法を挙げることができ
る。第一に、置換基を有しないセルロースから出発し、
まず無水グルコースユニットにA群から選択される化学
グループを所定量導入して、それから前記A群から選択
される化学グループが結合していない位置の炭素をアル
デヒド(-CHO)に変換する方法が挙げられる。第二に、
前記第一の方法とは逆の手法、すなわち、まずセルロー
スの無水グルコースユニットにある水酸基と結合してい
る炭素をアルデヒド(-CHO)に変換してから、前記A群
から選択される化学グループを導入する方法が挙げられ
る。第三の方法として、目的誘導体に導入予定の、前記
A群から選択された化学グループ、またはアルデヒド基
がすでに部分的に含まれているセルロース誘導体から出
発する方法が挙げられる。すなわち、前記A群から選択
される化学グループがすでに導入されている多糖類誘導
体、例えば酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、プロ
ピオン酸セルロース、メチルセルロース、エチルセルロ
ース、などからは、前記A群から選択される化学グルー
プが結合していない位置の炭素をアルデヒド(-CHO)に
変換する。
【0026】以上の説明で分かるように、第一および第
二の方法は大きく2段階の製造工程から構成されている
のに対して、第三の方法は中間原料から1段階で製造す
ることが特徴である。なお、前記A群から選択される化
学グループを含むセルロース誘導体の多くは、すでに工
業的に量産されているので、これらの化学グループの含
量および無水グルコースユニット上における存在位置が
目的とする製品の仕様に適合していれば、これらの誘導
体から出発する方が便利である。
【0027】第一および第二の方法における出発原料で
あるセルロースに関して、コットンリンター、木材パル
プ、アルカリセルロース、およびバクテリアセルロース
などが挙げられる。
【0028】まず、第一の方法について説明する。前記
A群から選択される化学グループを導入する第一の段階
では、導入しようとする化学グループの種類やその量に
より手法や薬品を適宜選択してもよいが、これらの化学
グループの無水グルコースユニットにおける結合位置に
対して特に制御しなくてもよい場合、従来確立されてい
る工業的生産手法を参考にして決めてもよい。
【0029】例えば、前記A群から選択される化学グル
ープが酢酸エステルのケースでは、前記セルロース原料
を水分含量が3〜5%になるように調整し、酢酸単独ま
たは硫酸を一部含んだ酢酸で前処理する。続いて前処理
したセルロースを容器に入れて、無水酢酸、酢酸、およ
び硫酸の混酸とともに撹拌し、2〜4時間酢化反応をさ
せ、混合液中に繊維状のものが残っていない完全な溶液
となっていれば酢酸エステル化反応が終了する。生成さ
れたものは置換度3の三酢酸セルロースで、これを加水
分解して所定の置換度の酢酸セルロースを製造する。加
水分解は、例えば前記酢酸エステル化反応の終了した溶
液に過剰の水を入れて、酢酸基の加水分解を行わせると
よい。置換度の調整はサンプル分析に基づく加水分解時
間で行う。
【0030】また、前記A群から選択される化学グルー
プがエチルエーテル基のケースでは、前記セルロース原
料を水酸化ナトリウムなどの強アルカリで処理し、アル
カリセルロースとしてから塩化エチレンまたはジエチル
硫酸などのエチル化剤を作用させて製造する。この場
合、エチルエーテル基の導入量は反応時間などで制御す
る。
【0031】一方、前記A群から選択される化学グルー
プの無水グルコースユニットにおける結合位置に対して
制御する場合は、位置選択的な合成手法を利用する。一
例として酢酸エステル基のケースを挙げると、セルロー
スを塩化リチウム-N,N-ジメチルアセトアミドなどの
溶媒系に均一に溶解してから、酢酸エステル化を行い、
エステル化薬品の選択や反応条件で酢酸エステル基の導
入量および導入位置を制御する。
【0032】以上前記A群から選択される化学グループ
が導入されているセルロース誘導体中間体を、水洗など
により精製し、次のステップの製造に供用する。なお、
精製された中間体は乾燥し、粉末状に粉砕することが望
ましい。
【0033】次にアルデヒド基を導入する製造方法につ
いて説明する。前記本発明による方法で製造されたセル
ロース誘導体の化学構造の記述からわかるように、アル
デヒド基の導入はすなわち、無水グルコースユニットに
残留しているアルコール基(水酸基)をアルデヒドに変
換するプロセスである。したがって、第二の段階は基本
的にはアルコールからアルデヒドを製造する方法を採用
することになる。アルコールからアルデヒドを製造する
方法は、化学合成の分野においてすでに多くの方法が開
発され、実用化されているが、酸化剤を利用する方法が
もっとも簡便で実用的である。もっとも、アルコールの
酸化をカルボン酸まで進むのを防いでアルデヒドのとこ
ろで停止させるには酸化剤の選択が重要である。本発明
においては、さらに、酸化しようとする原料が高分子で
あること、酸化剤の多くが水溶性であるのに対して本発
明での原料のほとんどが有機溶媒可溶である、などのこ
とから、酸化剤の選択と共に、材料を溶解する溶媒の選
択、薬剤の調整および混合方法、反応条件、などの諸項
目を、導入されている前記A群から選択される化学グル
−プの種類や、置換度、およびその配置、さらに目的と
するアルデヒド基の含量および配置により適宜決定する
ことが必要である。特に、誘導体中のアルデヒド基の含
量と共に、その各単糖ユニットにおける分布の不均一さ
が材料の特性、例えば溶解性に大きく影響を与えること
から、アルデヒド基が各単糖ユニットへほぼ均一に分布
していることが望ましい。したがって、前記セルロース
誘導体中間体を溶媒に溶かして均一溶液の状態にしてか
ら酸化反応を行わせることが望ましい。また、反応混合
液における酸化剤も同様に均一に分散させる方が望まし
く、より望ましくは被酸化物である前記セルロース中間
体と一緒に溶媒に溶解している状態で反応を行わせるこ
とである。
【0034】以下A群から選択される化学グループが酢
酸エステル基であるACAの製造を実施例として詳細に
説明する。
【0035】酸化方法について、一般的に用いられてい
るアルコールからアルデヒドへ酸化する方法から、諸般
状況に応じて適宜選択してよいが、反応条件のコントロ
ールのし易さなどから、クロム酸酸化および過ヨウ素酸
酸化による方法が望ましい。これらの方法に用いられる
酸化剤およびその派生物は水溶性であるため、後工程に
おける精製処理を水による洗浄で行うことができること
もメリットである。
【0036】まずクロム酸酸化について説明する。クロ
ム酸酸化に利用される酸化剤として、酸化クロム、二ク
ロム酸、クロム酸エステル、塩化クロミルなどが挙げら
れる。過度の酸化によるカルボン酸の生成を抑制するた
めに、酸化をアルデヒドの段階で止める工夫が必要であ
る。その例として、酸化クロム―硫酸―ピリジンからな
るJones酸化や、酸化クロム酸―ピリジン錯体を用いるC
ollins酸化、およびクロロクロム酸ピリジニウム(PC
C)またはニクロム酸ピリニジウム(PDC)を用いる
方法が挙げられる。中でもPCCまたはPDCを用いる
方法は酸化試薬の調整が容易で安定であり、さらに酸化
反応の操作も簡単であることから、もっとも好ましい酸
化方法である。PCCはさらに酸性環境に置いても酸化
が進行するので、酸性条件で行う必要のある場合は、P
CCを利用することが望ましい。なお、PCCとPDC
は自前で調整するか、市場から購入することができる。
【0037】具体的な製造プロセスについては、まず前
記酢酸エステルを含む酢酸セルロース中間体を所定溶媒
に溶解する。用いる溶媒は酢酸セルロースとPCCまた
はPDCとの両方を溶解する共通溶媒が望ましい。な
お、酢酸エステルの含量(置換度)により溶解可能な溶
媒が異なるので、実際の溶媒の選択基準はまず、酸化対
象となる酢酸セルロースを溶解できる溶媒を候補として
リストアップし、その中からPCCまたはPDCをも溶
解できる溶媒を絞り込む。最後に、用いられる酸化剤に
対する安定性、安全性、反応後精製のし易さ、溶媒の回
収及び廃棄のし易さ、コストなどの諸条件を勘案して決
定する。一般的に好ましい溶媒として、アセトン、酢酸
メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルセロ
ソルブ、メチルセロソルブアセテート、乳酸エチル、塩
化メチレン、塩化エチレン、ジメチルホルムアルデヒ
ド、ホルムアルデヒド、および水などが挙げられる。ア
セトン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケト
ン、メチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、
ジメチルホルムアルデヒドなどは単独溶媒として利用で
きる。ホルムアルデヒドおよび水などは混合溶媒の成分
として利用される。特に水は、上記溶媒への添加によ
り、幅広い置換度の酢酸セルロースを溶解することがで
きる。一般的に、置換度が低いほど、有機溶媒へ難溶と
なり、水の添加が必要となる。なお、ジアセトンアルコ
ールやエタノールなどのアルコール類の使用は、PCC
またはPDCにより酸化されることから、できるだけ避
ける。また、アセトン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチ
ルエチルケトン、メチルセロソルブ、およびメチルセロ
ソルブアセテートは、単独または水と混合した状態でP
CCおよびPDCを溶解するので、本方法ではこれらの
溶媒を優先的に選択することが望ましい。さらに、コス
トの安さおよび回収のし易さから、アセトンがもっとも
望ましい。
【0038】酢酸セルロースを上記で選択される溶媒に
溶解するに当たって、酢酸セルロースを所定容器に入れ
てから溶媒を投入し、撹拌する方法、および、まず溶媒
を容器に入れて、撹拌しながら所定量の酢酸セルロース
を投入する方法が挙げられるが、高分子である酢酸セル
ロースの溶解が低分子のものに比べて遅いこと、撹拌が
不十分な場合、ゲル化しなかなか分散しないことなどか
ら、後者の方がより短時間で溶解できるので、望まし
い。なお、酢酸セルロースは粉末の状態の方がより短時
間で溶解できる。また、投入に際しては投入速度が粉末
の溶媒への分散速度に適合するように調節されることが
好ましい。さらに、水などを添加し、混合溶媒とする場
合、最初に水と溶媒を混合するよりも、酢酸セルロース
を投入して、一定時間撹拌してから水を添加する方が、
望ましいケースがある。例えば、置換度2.0の酢酸セル
ロースは、アセトンに不溶であり、10〜40%の水を
添加した混合溶媒に可溶となるが、最初から水を添加す
ると、不溶物質の残留が見られる。
【0039】濃度に関しては、酢酸セルロースが完全に
溶解していれば、特に規定することはないが、濃度が高
いと撹拌し難くなるので、一般的に20%以下が好まし
い。
【0040】次に、溶解されている酢酸セルロースと酸
化剤との混合による酸化反応について説明する。酢酸セ
ルロース溶液に、PCCまたはPDCが素早く溶解する
場合、これらの酸化剤を固体のまま投入してもよいが、
酸化剤と酢酸セルロースとの素早い混合が均一な分布を
有するアルデヒド基の導入に重要である場合が多いの
で、特に製造スケールが大きい場合、予め同溶媒に溶解
してから投入する方が望ましい。添加によりまたは反応
により発熱するかどうかは事前の小ロット検討で確かめ
ておく。発熱がある場合、溶液を低温に冷やす工夫を講
じる。それ以外の場合は、特に温度などが制御された環
境でなくてもよい。酸化剤の投入量は、PCCまたはP
DCの場合、モル比で酢酸セルロース中の残留水酸基の
1から3倍の範囲が望ましい。なお、水酸基の一部分だ
けを酸化したい場合、酸化剤の量をより少なくする。
【0041】酸化剤を投入して完全に混合してから、3
0〜300分間の時間範囲で酸化反応を行わせる。な
お、期間中反応液を撹拌することが好ましい。
【0042】酸化反応が所定時間になったら、精製工程
に移行する。反応液には目的とするアルデヒド化セルロ
ース以外に、未反応の酸化剤、副生成物、溶媒が残って
いるので、生産物であるアルデヒドセルロースをこれら
の物質から分離精製する必要がある。分離精製という目
的が達成される限り、どんな方法でもよいが、操作のし
易さおよびコストの観点から、水による沈澱とそれから
の洗浄がもっとも好ましい。
【0043】沈澱の一般的なガイドラインとして、容量
比で反応液の5倍以上の水に反応液を投入する方法が挙
げられる。具体的に、予め準備した水の容器に、撹拌し
ながら反応液を添加する方法や、水の流れに反応液を連
続的に投入する方法などが考えられる。また、節水およ
び溶媒の回収との視点から、反応液と水とを混合する前
に、溶媒を部分的に抽出してから、混合することが望ま
しい。溶媒抽出の方法として、アスピレーターなどによ
る減圧抽出などの方法が挙げられる。なお、溶媒抽出は
反応液が混濁になる段階で終了することが望ましい。溶
媒の過度の抽出はアルデヒド化セルロース誘導体の塊状
固化をもたらし、却ってその後での洗浄に支障を来すの
で、避ける。洗浄はガラスフィルターや濾紙などによる
濾過洗浄が望ましい。洗浄水量に関する一般的な目安と
して、溶媒抽出後の反応液に対して20〜50倍の容量
が挙げられる。なお、実際の製造ケースでは、濾過液中
の溶媒または酸化剤残留濃度を分析して洗浄水量を決定
することが好ましい。
【0044】洗浄が完了した後、ケーキ状の製造精製物
質を回収し、60℃以下の温度環境で乾燥する。乾燥時
間は温度および湿度により異なるが、4〜48時間の範
囲で充分である。なお、具体的なケースにおいては、乾
燥時間は乾燥物の秤量によりその質量減少がなくなるこ
とを確認した上で決定されるべきである。
【0045】最後に、乾燥品を必要に応じて粉末上に粉
砕して製造工程が完了する。保存は室温環境で行う。
【0046】なお、上記クロム酸酸化法で製造したアル
デヒド化セルロース誘導体は、反応原理上、アルデヒド
基は無水グルコースユニットの6位に位置する。2,3
位のところにはケトン基が同時に導入される。化学構造
でいうと、図3の1〜3の構造となる。
【0047】一方、2,3位にアルデヒド基を導入した
い、またはケトン基の含まないアルデヒド化セルロース
誘導体を製造したい場合、別の方法を利用する。
【0048】図1から、2,3位にアルデヒド基を導入
するには、グルコース間を1,2位、2,3位、または
3,4位の間で切って開環させる必要がある。もっとも
簡便な方法は1,2−ジオールをアルデヒドに酸化する
方法である。すなわち、隣合う炭素の間に水酸基がつい
ているところを切断し、同時に切断された二つのアルコ
ールをアルデヒドに酸化する方法である。具体的な方法
としては過ヨウ素酸や四酢酸塩などによる酸化が挙げら
れる。特に選択性の高さ、操作のし易さおよび精製工程
の簡単さから、過ヨウ素酸による酸化が望ましい。
【0049】過ヨウ素酸が有機溶媒に不溶なので、従来
では水に不溶なジオールを酸化する場合、過ヨウ素酸を
水分を含んだシリカゲルなどの媒体に吸着させ、シリカ
ゲルを被酸化物の溶液に分散させて行う固液不均一反応
系や、相関移動溶媒を用い二層系液不均一反応系で酸化
を行わせる、などの方法が用いられている。
【0050】本発明者は、酢酸セルロースを始めとする
前記A群から選択される化学グループが含まれるセルロ
ース誘導体の多くが、水を含む混合溶媒に可溶であると
いう特徴に着目し、反応液に一定量の水を含ませるなど
の工夫で、有機溶媒中において均一溶液系での過ヨウ素
酸による酸化反応を行わせる方法を発見し完成した。以
下詳細に説明する。
【0051】まず、水の含まれた混合溶媒に前記セルロ
ース誘導体を溶解する。混合溶媒に含まれる有機溶媒と
して、アセトン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチ
ルケトン、メチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテ
ート、乳酸エチル、および4−ヒドロキシ−4−メチル
−2−ペンタノン(ジアセトンアルコール)、メタノー
ル、エタノール、塩化メチレン、塩化エチレン、ジメチ
ルホルムアルデヒド、ホルムアルデヒド、クロロホル
ム、などが挙げられる。より好ましくはアセトン、酢酸
メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルセロ
ソルブ、メチルセロソルブアセテート、乳酸エチル、4
−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン(ジアセト
ンアルコール)、およびジメチルホルムアルデヒドから
選択されるものであり、もっとも望ましい溶媒はアセト
ンである。なお、これらの溶媒を複数種混合して使用し
てもよい。
【0052】また、混合溶媒に含まれる水の量は、酸化
されるセルロース誘導体の種類や性質、および使用され
る有機溶媒の種類などに応じて適宜決定してよいが、水
の含量が少ないと、後述工程で添加された過ヨウ素酸が
溶解できず、均一な酸化反応ができない恐れがある。一
方、過ヨウ素酸の溶解との視点から、水含有量の上限に
は特に制限を設けなくてもよいが、余り多くなると、被
酸化対象であるセルロース誘導体が溶解しないか、溶解
しているが過ヨウ素酸の投入で沈澱が生じる恐れが大き
くなる。以上のことから、一般的に好ましい範囲とし
て、有機溶媒の3−50容量パーセントが挙げられる。
より好ましくは5−30容量パーセントである。
【0053】上記混合溶媒に溶解する前記セルロース誘
導体の濃度は、セルロース誘導体の種類やその性質(置
換度、粘度)、および選択された溶媒など、種々の状況
を勘案して適宜決定してよい。一例として、セルロース
誘導体が酢酸セルロースであり、溶媒がアセトンの場
合、その濃度は溶媒1Lあたり1〜500gの範囲が挙
げられる。しかし、あまり濃度が低いと、製造効率が悪
くコストアップにつながることから、より好ましい下限
は溶媒1Lあたり5gであり、より好ましくは溶媒1L
あたり10gである。一方、濃度が高いと、高分子であ
る故、溶液の粘度が著しく増大し、後述工程での過ヨウ
素酸添加時、混合ができず、沈澱が生じる恐れがあるこ
とから、好ましい上限が溶媒1Lあたり200gであ
り、より好ましくは溶媒1Lあたり100gである。
【0054】溶解する方法としては、最終的に均一溶液
になれば特に限定することはないが、溶媒を混合してか
ら前記セルロースを溶解すると、溶解に時間がかかる、
または完全に溶解しないケースが出る。この場合、まず
セルロース誘導体を有機溶媒と混合して一定時間撹拌し
てから、所定量の水を添加すると、溶解時間の短縮また
は沈澱の防止に有効である。
【0055】次に、酸化剤である過ヨウ素酸について説
明する。用いられる過ヨウ素酸は酸(HIO4、HIO4・2H
2O、など)、またはナトリウム、カリウムなどの塩の形
(NaIO 4、KIO4)のいずれでもよいが、塩の方が取り扱
い易い。なお、酸性条件で不安定な化学グル−プが含ま
れるセルロース誘導体の場合には、過ヨウ素酸塩を利用
する。
【0056】次に過ヨウ素酸酸化剤とセルロース誘導体
溶液との混合方法について説明する。無希釈または固体
のまま過ヨウ素酸酸化剤を前記混合溶媒に溶解されたセ
ルロース誘導体溶液に投入するか、水溶液にしてから両
者を混合する方法が考えられる。前者については、過ヨ
ウ素酸を迅速に溶解することが困難な場合があるが、混
合溶媒に30%以上の水が含まれて、かつ更なる水の添
加でセルロース誘導体が沈澱する場合に有効である。過
ヨウ素酸による酸化は、反応の進行が早いので、セルロ
ース誘導体と過ヨウ素酸酸化剤を早く均一に混合させる
ことが均一アルデヒド基分布を有する製品の製造に重要
である。一方、過ヨウ素酸を水に溶解してから、前記混
合液に投入することは沈澱を防ぎながら素早く混合させ
ることができるということが本発明者によって明らかに
された。具体的な混合方法として、予め調整された過ヨ
ウ素酸溶液を、撹拌しながら前記セルロース誘導体を含
む混合液に、投入するという方法がある。投入速度は両
者の混合具合および沈澱の有無などの状況を勘案して決
定してよいが、一般的に2〜5分間かけてゆっくり投入
することが望ましい。なお、過ヨウ素酸酸化剤の溶液の
濃度および投入量は、酸化されるセルロース誘導体の種
類および濃度、目的アルデヒド基導入量、反応時間な
ど、諸般条件を勘案して決定する。一般的な好ましいガ
イドとして、過ヨウ素酸塩の場合、その濃度は10〜7
50mMの範囲であり、より好ましくは20〜500m
Mの範囲である。また、投入量は酢酸セルロースの場
合、酢酸セルロース溶液1容量に対して、0.05〜
0.8容量が望ましく、より望ましくは0.1〜0.5
の範囲である。
【0057】なお、過ヨウ素酸酸化剤溶液は、必ずしも
安定ではないので、酸化反応を行わせる当日に調整する
ことが望ましい。混合してからの酸化反応時間は、数分
間から数百分間の範囲にあることが一般的に好ましい。
より望ましくは10〜120分間である。
【0058】所定時間反応を行わせたら、精製工程に移
行する。反応液には目的とするアルデヒド化セルロース
以外に、未反応の酸化剤、副生成物、溶媒が残っている
ので、生産物であるアルデヒドセルロースをこれらの物
質から分離精製する必要がある。分離精製という目的が
達成される限り、どんな方法でもよいが、操作のし易さ
およびコストの観点から、水による沈澱とそれからの洗
浄がもっとも好ましい。
【0059】沈澱の一般的なガイドラインとして、容量
比で反応液の5倍以上の水に反応液を投入する方法が挙
げられる。具体的に、予め準備した水の容器に、撹拌し
ながら反応液を添加する方法や、水の流れに反応液を連
続的に投入する方法などが考えられる。また、節水およ
び溶媒の回収との視点から、反応液と水とを混合する前
に、溶媒を部分的に抽出してから、混合することが望ま
しい。溶媒抽出の方法として、アスピレーターなどによ
る減圧抽出などの方法が挙げられる。なお、溶媒抽出は
反応液が混濁になる段階で終了することが望ましい。溶
媒の過度の抽出はアルデヒド化セルロース誘導体の塊状
固化をもたらし、却ってその後の洗浄に支障を来すの
で、避ける。洗浄はガラスフィルターや濾紙などによる
濾過洗浄が望ましい。洗浄水量に関する一般的な目安と
して、溶媒抽出後の反応液に対して20〜50倍の容量
が挙げられる。なお、実際の製造ケースでは、濾過液中
の溶媒または酸化剤残留濃度を分析して洗浄水量を決定
することが好ましい。
【0060】洗浄が完了した後、ケーキ状の製造精製物
質を回収し、60℃以下の温度環境で乾燥する。乾燥時
間は温度および湿度により異なるが、4〜48時間の範
囲で充分である。なお、具体的なケースにおいては、乾
燥時間は乾燥物の秤量によりその質量減少がなくなるこ
とを確認した上で決定されるべきである。
【0061】前記精製過程において、未酸化のジオール
が残っている場合、特に初期の沈澱の段階では、過ヨウ
素酸が溶液の状態になっているので、酸化反応が精製過
程においても進行する可能性がある。その場合、固体と
なっているセルロース誘導体の酸化が不均一に進むこと
が予想され、その結果、アルデヒド分布または含量の不
均一な製品になる恐れがある。したがって、アルデヒド
の分布および含量の均一さが求められ、なお且つアルデ
ヒド含量が一定量に制御されることが求められる製造工
程においては、前記反応時間などの反応条件を制御する
とともに、所定時間になったら、セルロースのアルデヒ
ド化反応を素早く停止させる必要がある。
【0062】その方法として、本発明ではジオールを含
む水溶性低分子薬品の利用を例示する。具体的には、前
記反応液を沈澱させる水に予めジオールを含む薬品を溶
解させる。ジオールを含む薬品として、しょ糖、ブドウ
糖、果糖などの低分子糖類、または、グリセロールなど
のアルコールが例として挙げられる。なかでもコストの
安さおよび洗浄による除去のし易さから、しょ糖が望ま
しい。また、その濃度は反応液に含まれる過ヨウ素酸の
濃度などを勘案して適宜決定してよいが、好ましい濃度
としては10〜100mMの範囲が挙げられる。
【0063】沈澱が終了した後の工程は上記方法と同様
である。
【0064】なお、上記製造工程はすべて室温(20〜
30℃)において行ってよい。
【0065】次に第二の製造方法について説明する。第
二の方法は前記第一の方法と同様にセルロースを出発原
料とするが、目的とする化学グループを導入する手順が
逆である。すなわち、まずセルロースの無水グルコース
ユニットにある水酸基と結合している炭素をアルデヒド
基(-CHO)に変換してから、残りの位置に前記A群から
選択される化学グループを導入する。
【0066】第一ステップのアルデヒド基を導入する製
造方法は、基本的に前記第一の製造方法における第二段
階の方法に準じて行ってよい。ただし、セルロースに前
記A群から選択される化学グループが含まれていないこ
とから、溶媒の選択及び反応後の精製プロセスに違いが
ある。また、所定量のアルデヒド基を導入するにはアル
デヒド化反応条件の制御がより重要である。以下この二
点を中心に説明する。
【0067】セルロースは一般的に水に不溶であるが、
特にバクテリアから由来する低分子セルロース(分子量
数万程度)などの場合、水に可溶なものもある。
【0068】水に可溶なセルロースを原料とした場合、
PCC、過ヨウ素酸、またはその他の水に可溶な酸化剤
を使用し、水を溶媒とする。すなわち、セルロースを水
に溶解してから酸化剤(水溶液またはそのまま)を投入
し酸化反応を行うとよい。アルデヒド基導入量を制御す
る方法として、反応時間および酸化剤の投入量の調整、
および酸化剤の選択が挙げられる。一般的に酸化反応の
進行が早いので、両者を組み合わせて制御することが望
ましい。所定時間後反応を中止するには前記第一の方法
で述べた低分子糖類を添加する。過ヨウ素酸はジオール
のみ酸化することから、過ヨウ素酸を酸化剤として選択
すると、反応が100%進行しても三分の一の水酸基
(6位)が残留し前記A群から選択される化学グループ
の導入に利用できること、およびPCCなどのクロム酸
酸化のように、副生成物としてのケトン基が形成されな
いことから、特に位置選択的にアルデヒド基および前記
A群から選択される化学グループが導入されるセルロー
ス誘導体を合成する場合、過ヨウ素酸の使用が望まし
い。このケースでは、アルデヒドの導入量が無水グルコ
ースユニットあたり最大2個あってもよい場合、過ヨウ
素酸を過剰に添加し1時間以上酸化反応を行わせるとよ
い。また、アルデヒドの導入量が無水グルコースユニッ
トあたり2個以下の所定量に制御する場合、過ヨウ素酸
の投入量および酸化時間の制御によって簡単に達成する
ことができる。必要に応じて所定時間になったら、前記
第一の方法で述べた低分子糖類を添加し、酸化反応を完
全に中止させてから精製工程に移行する。
【0069】また、水に不溶なセルロースを原料とした
場合、セルロースを不溶のまま水に懸濁して水中酸化反
応を行わせてもよいが、すでに述べたように、アルデヒ
ド基分布の不均一さが懸念される場合は、下記均一溶媒
系で行うことが望ましい。すなわち、前記第一の方法と
同じように、セルロースを塩化リチウムーN,N-ジメ
チルアセトアミドなどの溶媒系に均一に溶解してから酸
化反応を行う。
【0070】第一ステップ反応後、場合によっては精製
プロセスを設けないで直接第二ステップの製造工程に移
行してもよいが、一般的に中間生産物であるアルデヒド
化セルロースをある程度精製してから行った方がよい。
精製法に関しては、アルデヒド化後でも水に不溶なセル
ロースの場合、前記第一製造方法に準じて行ってよい。
また、水に可溶なセルロースの場合、前記沈澱・濾過洗
浄による方法(この場合、沈澱に使用される溶媒は水の
代わりに、エタノール、アセトンなどの有機溶媒が例と
して挙げられる)の他に、精製される生成物が高分子で
あること、除去されるべき成分は低分子であることに着
目し、透析や限外濾過など、膜分離に基づく方法、など
が挙げられる。
【0071】次に第二のステップ、すなわち前記A群か
ら選択される化学グループを導入する製造工程に入る。
具体的な製造方法および工程に関しては、前記第一の方
法で説明した第一段階の工程に準じてよい。だだし、ア
ルデヒド基がすでに導入されているので、特に溶媒に溶
解して均一系で製造する方法においては、セルロースを
溶解する溶媒と異なる組成の溶媒が必要な場合がある。
例えば、アルデヒド基の導入量に応じて、溶媒に一定量
の水またはエタノールを添加する。
【0072】最後に、第三の製造方法について説明す
る。この方法は基本的に第一の製造方法の第一段階を省
略した方法であることから、製造方法および工程は前記
第一の方法に準じて行ってよく、詳細説明を省略する。
ここでは主に入手された出発原料に含まれる、A群から
選択される化学グループの含量が、目的含量とは異なる
場合に、その含量を調整する方法について、A群から選
択される化学グループが酢酸エステル基である、酢酸セ
ルロースを例として説明する。
【0073】特に数キロ以下と少量のACAを生産する
場合、セルロースから製造するよりも酢酸セルロースか
ら出発する方がコスト的なメリットが大きい。もっとも
安価に入手されやすい市販酢酸セルロースは置換度が2.
4〜2.5のものである。一方、製品であるACAに含まれ
る酢酸エステル基は、その要求含量は必ずしもこの範囲
に合致するとは限らない。一定量のアルデヒド基の導入
を確保するには、酢酸エステル基の置換度を下げること
がしばしば求められる。
【0074】図6には代表的な2つの製造方法、すなわ
ち、クロム酸酸化法であるPCCによる方法、および過
ヨウ素酸酸化による方法について、アルデヒド基の最大
導入可能量と酢酸エステル基置換度との関係を示す。な
お、このグラフは酢酸エステル基の無水グルコースユニ
ット上における位置分布、および各無水グルコースユニ
ットへの分布とも均一であることを想定して得られた統
計的な予想図である。図から分かるように、導入したい
アルデヒドの含量によって、酢酸エステル基の置換度の
最大値が決まる。実際の場合、この図から得られた情報
と共に、目的製品の要求スペックおよび製造方法、製造
条件など、諸般条件を勘案して出発原料の酢酸エステル
置換度を決定する。
【0075】次に、目標とする酢酸エステル置換度が入
手原料のそれよりも低い値に決まった場合、置換度の調
整を行う製造工程に入る。置換度を調整する方法の一例
として、アルカリまたは酸による加水分解が考えられ
る。加水分解に用いられるアルカリの例として、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウムなどの強アルカリ試薬、お
よび、メチルアミン(CH3NH 2)、ジメチルアミン(HN
(CH3)2)、ヘキシルアミン(H(CH2)6NH2)、1,6−ヘ
キサンジアミン(H2N(CH2)6NH2)などのアミン系弱アル
カリ試薬が挙げられる。また、酸としては塩酸、硫酸な
どが例として挙げられる。
【0076】なお、加水分解は試薬によって位置選択性
があることから、適宜に選択された試薬および加水分解
条件により、トータル置換度だけでなく、必要に応じて
酢酸エステルの位置分布を制御することが可能である。
例えば、ジメチルアミンや1,6−ヘキサンジアミンな
どのアミン系試薬を用いると、6位に酢酸エステル置換
基がより多く分布する酢酸セルロースが得られる。ま
た、硫酸などの強酸を用いると、6位に酢酸エステル置
換基がより多く分布する酢酸セルロースが得られる。し
たがって、2,3位にアルデヒド基をできるだけ多く含
有するACAを製造する場合、1,6−ヘキサンジアミ
ンによる加水分解と過ヨウ素酸酸化とを組み合わせた製
造方法が有効である。反対に、6位により多くのアルデ
ヒドを導入したい場合、硫酸による加水分解とPCCな
どによるクロム酸酸化とを組み合わせた製造方法を利用
すればよい。一方、水酸化ナトリウムなどの強アルカリ
による加水分解は位置選択性がほとんどないので、酢酸
エステル基の位置分布が均一なACAを製造する場合に
適している。さらに、強アルカリによる加水分解は、反
応が早く脱アセチル化反応に投入されるアルカリとの間
にほとんど化学量論的な関係が成立することから、アル
カリ投入量によって置換度を簡単に制御することができ
る。
【0077】置換度の調整が終わったら、前記説明した
第一の方法における第二の段階の方法と工程に準じてア
ルデヒド基を導入し、製造が完了する。
【0078】以上ACAを例として本発明によるセルロ
ース誘導体の製造方法を説明したが、他のプロピオン酸
エステル、エチルエーテルなど、他の化学グループを含
む誘導体の製造も類義した方法に準じて製造できること
は言うまでもない。
【0079】最後に、本発明による方法で製造されたセ
ルロース誘導体の評価方法について説明する。製造方法
および条件を具体的に決定するプロセス、および決定さ
れた製造工程の品質管理(QC)において、適切な製品
の評価方法の確立が必要不可欠であることは言うまでも
ない。QC工程における評価項目としてはできるだけ正
確で簡単な方法がよいので、ほとんどの場合、製品の特
定溶媒への溶解性および溶液粘度の管理により賄うこと
ができる。一方、置換度、アルデヒド基含量、などの要
求仕様を達成するための製造方法と製造条件を決定する
プロセスにおいては、上記溶解性と粘度による評価が不
十分であり、置換度およびアルデヒド基含量の分析が必
要である。
【0080】前記A群から選択されるグループの含量
(置換度)を評価するには、従来用いられる方法、例え
ば加水分解による容量分析法などを利用するとよい。一
方、アルデヒド基を分析する方法としては、アルデヒド
官能基を分析または定量する方法、例えば銀鏡テストな
どの化学的な方法、および赤外分光分析法やNMRなどの
機器分析法が例として挙げられる。
【0081】
【実施例】本発明を以下の実施例によってさらに詳細に
説明するが、本発明はこれら実施例によって限定される
ものではない。
【0082】実施例1 酢酸セルロースの製造 容量約2Lの容器に精製されたセルロース繊維100g
と氷酢酸500gを順に入れて、繊維が完全に湿潤され
るまで室温で約2時間放置した。続いて無水酢酸250
gおよび濃硫酸10gからなる混合液を投入し、4時間
撹拌して透明な高粘度液体を得た。続いて22gの脱イ
オン水を投入し、さらに17時間撹拌した。最後に、別
に用意された約5Lの水が入っている容器に、撹拌しな
がら上記液を投入し沈澱させた。続いて沈澱させた酢酸
セルロース繊維をガラス濾過器に投入し、約10Lの水
で濾過洗浄した。濾過洗浄されたウェットの繊維を3L
の脱イオン水とともに5Lの容器に入れて、ホットプレ
ートで15分間煮沸した。その後再びガラス濾過器に投
入し、5Lの水で濾過洗浄した。濾過洗浄後、ケーキ状
の酢酸セルロース繊維を細かく分散させ、50℃の乾燥
機に入れて24時間乾燥させた。こうして、位置分布が
ほぼ均一の置換度2〜2.2の酢酸セルロースを約14
0g製造した。
【0083】実施例2 酢酸セルロースの置換度調整
その1 500mLのナスフラスコにアセトン180mLおよび
脱イオン水20mLを入れて、マグネティックスターラ
ーで撹拌しながら5gの市販酢酸セルロース(置換度2.
45)を投入し、完全に溶解するまで30分間撹拌した。
つづいて、撹拌しながら0.15mol/Lの水酸化ナトリウム
溶液31.4mLを3〜5分間掛けてゆっくり添加した。さ
らに30分間撹拌した後、マグネティック撹拌子を取り
出し、アスピレーターで溶液が白濁するまでアセトンを
抽出した。最後に、別に用意された約2Lの水が入って
いる容器に、撹拌しながら上記混濁液を投入し沈澱させ
た。続いて沈澱させた酢酸セルロース繊維をガラス濾過
器に投入し、約5Lの水で濾過洗浄した。濾過洗浄後、
ケーキ状の酢酸セルロース繊維を細かく分散させ、35
℃の乾燥機に入れて48時間乾燥させた。こうして、位
置分布がほぼ均一の置換度2.2の酢酸セルロースを約
4.5g製造した。同様の方法で置換度2.0(0.15mol/Lの
水酸化ナトリウム56.5mL使用)の酢酸セルロースを製
造した。
【0084】実施例3 酢酸セルロースの置換度調整
その2 500mLのナスフラスコにジメチルスルホキシド(D
MSO)180mLを入れて、マグネティックスターラ
ーで撹拌しながら5.0gの市販三酢酸セルロース(置
換度2.9)を投入し、完全に溶解するまで30分間撹拌
した。つづいて、撹拌しながら6.5gの脱イオン水を
ゆっくり添加した。次に恒温槽で溶液温度を60℃に保
温してから、同様に撹拌しながら1,6−ヘキサンジア
ミン4.8gをゆっくり添加した。80℃で4.5時間
撹拌した後、実施例2と同様、別に用意された約2Lの
水が入っている容器に、撹拌しながら上記反応液を投入
し沈澱させた。続いて沈澱させた酢酸セルロース繊維を
ガラス濾過器に投入し、約5Lの水で濾過洗浄した。濾
過洗浄後、ケーキ状の酢酸セルロース繊維を細かく分散
させ、35℃の乾燥機に入れて48時間乾燥させた。こ
うして、6位における置換度が1に近く、トータル置換
度が約2.4の酢酸セルロースを約4.2g製造した。
【0085】実施例4 酢酸セルロースの置換度調整
その3 500mLのナスフラスコにジメチルスルホキシド(D
MSO)180mLを入れて、マグネティックスターラ
ーで撹拌しながら5.0gの市販三酢酸セルロース(置
換度2.9)を投入し、完全に溶解するまで30分間撹拌
した。つづいて、撹拌しながら11gの脱イオン水をゆ
っくり添加した。次に恒温槽で溶液温度を80℃に保温
してから、同様に撹拌しながらジメチルアミン3.5g
をゆっくり添加した。80℃で12時間撹拌した後、実
施例2と同様、別に用意された約2Lの水が入っている
容器に、撹拌しながら上記反応液を投入し沈澱させた。
続いて沈澱させた酢酸セルロース繊維をガラス濾過器に
投入し、約5Lの水で濾過洗浄した。濾過洗浄後、ケー
キ状の酢酸セルロース繊維を細かく分散させ、35℃の
乾燥機に入れて48時間乾燥させた。こうして、6位に
おける置換度が1に近く、トータル置換度が約2.0の
酢酸セルロースを約4g製造した。
【0086】実施例5 PCC法によるACAの製造
その1 ナスフラスコに25mLのアセトンをいれて、撹拌しなが
ら前記実施例1で製造した置換度2.0の酢酸セルロース
1.0gを投入した。約10分間撹拌した後、さらに5mL
の脱イオン水を添加して完全に透明な溶液になるまで撹
拌した。続いて、1.5gのPCCを20mLのアセトンで
溶解した溶液を撹拌しながら添加し、90分間撹拌し
た。所定時間になったら、別途用意した約2Lの水が入
っている容器に、撹拌しながら上記反応液を投入し沈澱
させた。続いて沈澱させた酢酸セルロース繊維をガラス
濾過器に投入し、約5Lの水で濾過洗浄した。濾過洗浄
後、ケーキ状の酢酸セルロース繊維を細かく分散させ、
35℃の乾燥機に入れて48時間乾燥させた。こうし
て、6位にアルデヒド基が導入されたACAを合成し
た。アルデヒド基の存在は赤外分光分析で確認した。
【0087】実施例6 過ヨウ素酸酸化によるACAの
製造 その1 ナスフラスコに35mLのアセトンをいれて、撹拌しなが
ら前記実施例2で製造した置換度2.2の酢酸セルロース
1.0gを投入した。約10分間撹拌した後、さらに5mL
の脱イオン水を添加して完全に透明な溶液になるまで撹
拌した。続いて、250mmol/Lの過ヨウ素酸ナトリウ
ム溶液(溶媒:脱イオン水)10mLを撹拌しながらゆ
っくり添加し、さらに30分間撹拌した。所定時間にな
ったら、別途用意した約2Lの水が入っている容器に、
撹拌しながら上記反応液を投入し沈澱させた。続いて沈
澱させた酢酸セルロース繊維をガラス濾過器に投入し、
約5Lの水で濾過洗浄した。濾過洗浄後、ケーキ状の酢
酸セルロース繊維を細かく分散させ、35℃の乾燥機に
入れて48時間乾燥させた。こうして、2,3位にアル
デヒド基が導入されたACAを合成した。アルデヒド基
の存在は赤外分光分析で確認した。
【0088】実施例6 過ヨウ素酸酸化によるACAの
製造 その2 ナスフラスコに25mLのアセトンをいれて、撹拌しなが
ら前記実施例3で製造した置換度2.4の酢酸セルロース
1.0gを投入した。約10分間撹拌した後、さらに15m
Lのジメチルホルムアミドおよび5mLの脱イオン水を添
加して完全に透明な溶液になるまで撹拌した。続いて、
250mmol/Lの過ヨウ素酸ナトリウム溶液(溶媒:脱
イオン水)5mLを撹拌しながらゆっくり添加し、さら
に30分間撹拌した。所定時間になったら、別途用意し
た約2Lの水が入っている容器に、撹拌しながら上記反
応液を投入し沈澱させた。続いて沈澱させた酢酸セルロ
ース繊維をガラス濾過器に投入し、約5Lの水で濾過洗
浄した。濾過洗浄後、ケーキ状の酢酸セルロース繊維を
細かく分散させ、35℃の乾燥機に入れて48時間乾燥
させた。こうして、2,3位にアルデヒド基が導入され
た置換度2.4のACAを合成した。アルデヒド基の存
在は赤外分光分析で確認した。
【0089】実施例7 過ヨウ素酸酸化によるACAの
製造 その3 ナスフラスコに25mLのアセトンをいれて、撹拌しなが
ら前記実施例4で製造した置換度2.0の酢酸セルロース
1.0gを投入した。約10分間撹拌した後、さらに10m
Lのジメチルホルムアミドおよび5mLの脱イオン水を添
加して完全に透明な溶液になるまで撹拌した。続いて、
250mmol/Lの過ヨウ素酸ナトリウム溶液(溶媒:脱
イオン水)10mLを撹拌しながらゆっくり添加し、さ
らに30分間撹拌した。所定時間になったら、別途用意
した約2Lの水が入っている容器に、撹拌しながら上記
反応液を投入し沈澱させた。続いて沈澱させた酢酸セル
ロース繊維をガラス濾過器に投入し、約5Lの水で濾過
洗浄した。濾過洗浄後、ケーキ状の酢酸セルロース繊維
を細かく分散させ、35℃の乾燥機に入れて48時間乾
燥させた。こうして、2,3位にアルデヒド基が導入さ
れた置換度2.0のACAを合成した。アルデヒド基の
存在は赤外分光分析で確認した。
【0090】実施例8 過ヨウ素酸酸化によるACAの
製造 その4 ナスフラスコに35mLのアセトンをいれて、撹拌しなが
ら前記実施例2で製造した置換度2.0の酢酸セルロース
1.0gを投入した。約10分間撹拌した後、さらに5mL
の脱イオン水を添加して完全に透明な溶液になるまで撹
拌した。続いて、50mmol/Lの過ヨウ素酸ナトリウム
溶液(溶媒:脱イオン水)10mLを撹拌しながら2分
間掛けて添加し、さらに15分間撹拌した。所定時間に
なったら、別途用意した約2Lの50mmol/Lのしょ糖水
溶液が入っている容器に、撹拌しながら上記反応液を投
入し沈澱させた。続いて沈澱させた酢酸セルロース繊維
をガラス濾過器に投入し、約5Lの水で濾過洗浄した。
濾過洗浄後、ケーキ状の酢酸セルロース繊維を細かく分
散させ、35℃の乾燥機に入れて48時間乾燥させた。
こうして、2,3位にアルデヒド基が導入された置換度
2.0のACAを合成した。赤外分光分析で確認したと
ころ、アルデヒド基含量は前記実施例7の製品の30%
〜50%であった。
【0091】実施例9 過ヨウ素酸酸化によるセルロー
スのアルデヒド化 その1 ビーカーに80mLの塩化リチウム水溶液(濃度1M)を
用意し、セルロース粉末5.0gを投入した。完全に溶
解した後、150mmol/Lの過ヨウ素酸ナトリウム水溶
液20mLを撹拌しながら2分間掛けて添加し、さらに
60分間撹拌した。所定時間になったら、別途用意した
約200mLのアセトンが入っている容器に、撹拌しながら
上記反応液を投入し沈澱させた。続いて沈澱させた酢酸
セルロース繊維をガラス濾過器で濾過し、脱イオン水で
溶解してから再度アセトンで沈澱させた。同様な操作を
もう一回して、ウェット状のセルロース粉末を回収し
た。回収したセルロース繊維を35℃の乾燥機に入れて
24時間乾燥させた。こうして、ほぼすべての無水グル
コースユニットが2,3位に開環されてアルデヒド基が
導入されたアルデヒド化セルロースを合成した。
【0092】実施例10 過ヨウ素酸酸化によるセルロ
ースのアルデヒド化 その2 ビーカーに80mLの塩化リチウム水溶液(濃度1M)を
用意し、セルロース粉末5.0gを投入する。完全に溶
解した後、50mmol/Lの過ヨウ素酸ナトリウム水溶液
10mLを撹拌しながら素早く添加し、さらに10分間
撹拌した。所定時間になったら、別途用意した500mM
のグルコース溶液10mLを添加した。続いて反応液を透
析チューブ(カットオフ分子量:5000)に入れて、脱イ
オン水で20時間透析を行った。透析が終了した後、凍
結乾燥機で乾燥し、無水グルコースユニットの2,3位
が部分的に開環されてアルデヒド基が導入されたアルデ
ヒド化セルロースを合成した。
【0093】実施例11 アルデヒド化セルロースから
ACAを製造する その1 前記実施例9または実施例10で製造されたアルデヒド
化セルロース1.0gと氷酢酸5.0gを順に入れて、約30
分間放置した。続いて無水酢酸2gおよび濃硫酸0.2g
からなる混合液を投入し、2時間撹拌した。最後に、別
に用意した約0.5Lの水が入っている容器に、撹拌しな
がら上記液を投入し沈澱させた。続いて沈澱させた酢酸
セルロース繊維をガラス濾過器に投入し、約2Lの水で
濾過洗浄した。濾過洗浄されたウェットの繊維を0.5L
の脱イオン水とともに1Lのビーカーに入れて、ホット
プレートで15分間煮沸した。その後再びガラス濾過器
に投入し、2Lの水で濾過洗浄した。濾過洗浄後、ケー
キ状の酢酸セルロース繊維を細かく分散させ、50℃の
乾燥機に入れて24時間乾燥させた。こうして、酢酸エ
ステル基がメーンに6位に分布しているACAを製造し
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】 セルロース誘導体の一種である酢酸セルロ
ースの基本構造を示す図である。
【図2】 本発明による多糖類誘導体のベースとなる
多糖類の基本構成単位のひとつである、無水グルコース
の化学構造式を例示する図である。図にある数字は炭素
の順番を示す。
【図3】 本発明による選択透過膜を構成する材料で
ある多糖類誘導体に含まれる単糖ユニットの構造を例示
する図である。
【図4】 本発明による選択透過膜を構成する材料で
ある多糖類誘導体に含まれる単糖ユニットの構造を例示
する図である。
【図5】 本発明による選択透過膜を構成する材料で
ある多糖類誘導体に含まれる単糖ユニットの構造を例示
する図である。
【図6】 酢酸エステル置換基の分布が均一の場合、
置換度とアルデヒドの最大導入量との関係を示す図であ
る。

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無水グルコースユニットの2,3,6
    位の炭素原子に結合している化学グループに、 A群:酢酸エステル基(-OCOCH3)、プロピオン酸エス
    テル基(-OCOC2H5)、酪酸エステル基(-OCOCH2C
    2H5)、メチルエーテル基(-OCH3)、エチルエーテル基
    (-OC2H5)から選択される化学グループが、少なくとも
    一種含まれており、さらに、前記A群から選択される化
    学グループが結合していない炭素原子の内、少なくとも
    一つがアルデヒド基(-CHO)に変換されていることを特
    徴とする無水グルコースユニットが含まれているセルロ
    ース誘導体を製造する方法であって、セルロースを出発
    原料とし、前記A群から選択される化学グループを一定
    量導入してから、酸化処理を行うことを特徴とする、セ
    ルロース誘導体の製造方法。
  2. 【請求項2】 無水グルコースユニットの2,3,6
    位の炭素原子に結合している化学グループに、 A群:酢酸エステル基(-OCOCH3)、プロピオン酸エス
    テル基(-OCOC2H5)、酪酸エステル基(-OCOCH2C
    2H5)、メチルエーテル基(-OCH3)、エチルエーテル基
    (-OC2H5)から選択される化学グループが、少なくとも
    一種含まれており、さらに、前記A群から選択される化
    学グループが結合していない炭素原子の内、少なくとも
    一つがアルデヒド基(-CHO)に変換されていることを特
    徴とする無水グルコースユニットが含まれているセルロ
    ース誘導体を製造する方法であって、すでに前記A群か
    ら選択される化学グループが一定量含まれているセルロ
    ース誘導体を出発原料として酸化処理を行うことを特徴
    とする、セルロース誘導体の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記A群から選択される化学グループ
    が含まれているセルロース誘導体を、溶媒に溶解してか
    ら、酸化処理を行ってアルデヒド基を導入することを特
    徴とする、請求項1または請求項2に記載のセルロース
    誘導体の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記A群から選択される化学グループ
    が酢酸エステル基(-OCOCH3)である酢酸セルロースを
    出発原料とする、請求項3に記載のセルロース誘導体の
    製造方法。
  5. 【請求項5】 前記溶媒に溶解している酢酸セルロー
    スを酸化させる方法は、クロム酸酸化法である、請求項
    4に記載のセルロース誘導体の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記クロム酸酸化法で利用する酸化剤
    は、クロロクロム酸ピリジニウム(PCC)、または二
    クロム酸ピリジニウム(PDC)である、請求項5に記
    載のセルロース誘導体の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記PCC、またはPDCを、前記酢
    酸セルロースを溶解する溶媒と同組成の溶媒に溶解して
    から、前記酢酸セルロース溶液とを混合して、一定時間
    酸化反応を行わせる工程を含むことを特徴とする、請求
    項6に記載のセルロース誘導体の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記酢酸セルロース、およびPCCま
    たはPDCを溶解する溶媒は、アセトン、酢酸メチル、
    酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルセロソルブ、
    メチルセロソルブアセテート、乳酸エチル、から選択さ
    れるものである、請求項5から7のいずれか1項に記載
    のセルロース誘導体の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記酢酸セルロース、およびPCCま
    たはPDCを溶解する溶媒は、アセトンである、請求項
    8に記載のセルロース誘導体の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記A群から選択される化学グルー
    プが含まれているセルロース誘導体を酸化する方法は、
    過ヨウ素酸による方法である、請求項3または請求項4
    に記載のセルロース誘導体の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記酢酸セルロースを溶解する溶媒
    は、2から50容量パーセントの水が含まれている混合
    溶媒であることを特徴とする、請求項10に記載のセル
    ロース誘導体の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記混合溶媒に含まれる有機溶媒
    は、アセトン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチル
    ケトン、メチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテー
    ト、乳酸エチル、および4−ヒドロキシ−4−メチル−
    2−ペンタノン(ジアセトンアルコール)、から選択さ
    れるものである、請求項12に記載のセルロース誘導体
    の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記混合溶媒に含まれる有機溶媒
    は、アセトンである、請求項12に記載のセルロース誘
    導体の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記混合溶媒に含まれる水の量は、
    5―30容量パーセントである、請求項11から13の
    いずれか1項に記載のセルロース誘導体の製造方法。
  15. 【請求項15】 前記混合溶媒に溶解している酢酸セ
    ルロースの濃度は、溶媒1L当たり5〜200gの範囲
    にある、請求項11から14のいずれか1項に記載のセ
    ルロース誘導体の製造方法。
  16. 【請求項16】 前記混合溶媒に溶解している酢酸セ
    ルロースの濃度は、溶媒1L当たり10〜100gの範
    囲にある、請求項15に記載のセルロース誘導体の製造
    方法。
  17. 【請求項17】 前記過ヨウ素酸を水溶液の形で、前
    記混合溶媒に溶解している酢酸セルロース溶液に添加し
    て、酸化反応を行わせることを特徴とする、請求項10
    から16のいずれか1項に記載のセルロース誘導体の製
    造方法。
  18. 【請求項18】 前記過ヨウ素酸水溶液に含まれる過
    ヨウ素酸の濃度は、20〜500mMの範囲にあること
    を特徴とする、請求項17に記載のセルロース誘導体の
    製造方法。
  19. 【請求項19】 前記過ヨウ素酸水溶液の前記酢酸セ
    ルロース溶液への添加量は、酢酸セルロース溶液1容量
    に対して、0.1〜0.5容量の範囲にあることを特徴
    とする、請求項17または請求項18に記載のセルロー
    ス誘導体の製造方法。
  20. 【請求項20】 前記酸化反応の時間は10〜120
    分であり、所定時間になったら、反応液をその5倍以上
    の容量の水に入れて目的とするセルロース誘導体生成物
    を沈澱させて、水による濾過洗浄によって生成物を精製
    する工程を含むことを特徴とする、請求項17から19
    のいずれか1項に記載のセルロース誘導体の製造方法。
  21. 【請求項21】 前記酸化反応の時間は10〜120
    分であり、所定時間になったら、反応液をその5倍以上
    の容量の低分子糖類を溶解した水に入れて目的とするセ
    ルロース誘導体生成物を沈澱させて、水による濾過洗浄
    によって生成物を精製する工程を含むことを特徴とす
    る、請求項17から19のいずれか1項に記載のセルロ
    ース誘導体の製造方法。
  22. 【請求項22】 低分子糖類がしょ糖であり、その濃
    度が10〜100mMの範囲にあることを特徴とする、
    請求項21に記載のセルロース誘導体の製造方法。
  23. 【請求項23】 無水グルコースユニットの2,3,
    6位の炭素原子に結合している化学グループに、 A群:酢酸エステル基(-OCOCH3)、プロピオン酸エス
    テル基(-OCOC2H5)、酪酸エステル基(-OCOCH2C
    2H5)、メチルエーテル基(-OCH3)、エチルエーテル基
    (-OC2H5)から選択される化学グループが、少なくとも
    一種含まれており、さらに、前記A群から選択される化
    学グループが結合していない炭素原子の内、少なくとも
    一つがアルデヒド基(-CHO)に変換されていることを特
    徴とする無水グルコースユニットが含まれているセルロ
    ース誘導体を製造する方法であって、セルロースを出発
    原料とし、2,3,6位の炭素(アルコール基)を部分
    的に酸化してアルデヒド基に変換してから、前記A群か
    ら選択される化学グループを導入することを特徴とす
    る、セルロース誘導体の製造方法。
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