JPH0940701A - セルロースエステル化合物 - Google Patents
セルロースエステル化合物Info
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- JPH0940701A JPH0940701A JP19010695A JP19010695A JPH0940701A JP H0940701 A JPH0940701 A JP H0940701A JP 19010695 A JP19010695 A JP 19010695A JP 19010695 A JP19010695 A JP 19010695A JP H0940701 A JPH0940701 A JP H0940701A
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Abstract
置換体であるために分子置換度(MS)が大きなものと
なり得るセルロースエステル化合物であり、セルロース
本来の生分解性および親水性を維持しつつ水に不溶で、
また抗菌性金属塩でなくても抗菌性のあるセルロースエ
ステル化合物を提供することである。 【解決手段】 セルロースまたはセルロース誘導体の少
なくとも1つの水酸基とヒドロキシポリカルボン酸のカ
ルボキシル基とがエステル結合したセルロースエステル
化合物とする。また、下記式で示される部分構造を有す
るセルロースエステルグラフト共重合体である前記のセ
ルロースエステル化合物とする。 C6 H7 O2 (OA)3-m (ORx )m (式中、Aは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、カ
ルボキシメチル基または炭素数2〜5のアシル基を表わ
し、Rはヒドロキシポリカルボン酸であり、 (ORx )
m は重合度xのヒドロキシポリカルボン酸ポリマーのエ
ステル結合残基を表わし、X≧2、m=1〜3(自然
数)である。)
Description
ステル化合物に関する。
液の吸収剤として、カルボキシメチルセルロースの架橋
体、セルロースとアクリロニトリルのグラフト重合体の
加水分解物、セルロースとアクリル酸金属塩のグラフト
重合体などが知られている。
生分解性が損なわれるという問題点があった。
たは中性の水には溶解しないカルボン酸エステル系セル
ロース重合体の製造方法として、カルボン酸アルカリ金
属塩を触媒として、酢酸溶媒中でセルロース類と多価カ
ルボン酸無水物とをエステル反応させる方法が特開平5
−339301号に開示されている。さらに、同公報に
は、セルロースアセタートであるヘキサヒドロフタル酸
エステルなどのカルボン酸エステル系セルロース誘導体
が記載されている。
ノカルボン酸の環状ラクトンであるε−カプロラクトン
をエステルグラフトする方法も特開平6−220793
号公報に記載されている。
のカルボン酸エステル系セルロースは、セルロースの水
酸基にエステル結合するカルボン酸が、ヒドロキシモノ
カルボン酸または水酸基を有しないポリカルボン酸であ
って、以下のようにその物性が充分に改良されたもので
はなかった。
スのうち、エステル結合するカルボン酸がヒドロキシモ
ノカルボン酸であるものは、カルボキシル基を有しない
セルロース化合物となるので、イオン交換体等に利用で
きる可能性はない。
うち、エステル結合するカルボン酸が水酸基を有しない
ポリカルボン酸であるものは、モノマー置換体にはなる
が、ポリマー置換体にはなり得ず、すなわち分子置換度
(MS)の小さいものしか得られないため、イオン交換
体などの担体として利用した場合に充分な担持量がない
などの問題点があった。
エステル結合したセルロースは、それ自体、またはその
アルカリ金属塩においても抗菌性を有するものではなか
った。
して、カルボキシル基を有するセルロースエステル化合
物であり、またはポリマー置換体であるために分子置換
度(MS)が大きなものとなり得るセルロースエステル
化合物であって、しかもセルロース本来の生分解性およ
び親水性を維持しつつ水に不溶なものであり、置換され
たポリマーは、エステル結合であるために加水分解が可
能でC−C結合からなるポリマー置換体に比べて極めて
分解性に優れ、また、抗菌性金属塩でなくてもそれ自体
で抗菌性を発揮するセルロースエステル化合物を提供す
ることである。
め、この発明においては、セルロースまたはセルロース
誘導体の少なくとも一つの水酸基とヒドロキシポリカル
ボン酸のカルボキシル基とがエステル結合してなるセル
ロースエステル化合物としたのである。
るセルロースエステルグラフト共重合体である上記セル
ロースエステル化合物としたのである。
ルボキシメチル基または炭素数2〜5のアシル基を表わ
し、Rはヒドロキシポリカルボン酸であり、 (ORx )
m は重合度xのヒドロキシポリカルボン酸ポリマーのエ
ステル結合残基を表わし、X≧2、m=1〜3(自然
数)である。)
合物は、セルロースまたはセルロース誘導体がヒドロキ
シポリカルボン酸と以下の〜のように反応して生成
するものと考えられる。
の1つのカルボキシル基は、セルロースのグルコース残
基の水酸基と脱水反応して、エステル結合を生成し、ま
た、架橋結合も生成する。
キシポリカルボン酸のカルボキシル基のうち、エステル
結合していないカルボキシル基と、セルロースにエステ
ル結合していないヒドロキシカルボン酸の水酸基とが新
たに脱水反応してエステル結合を生成し得る。この場合
にはグラフト共重合体を構成する。
β位の水素と脱離反応して二重結合を生じ得る。
上記反応によってヒドロキシポリカルボン酸と反応し、
この化合物はモノマー置換体に比べて分子置換度(M
S)が大きくなっており、特にカルボキシル基も増加し
て、親水性などの物性が改善される。また、架橋結合を
有するので、カルボキシル基が増加しても水に不溶であ
る。
物は、分子置換度(MS)が大きくなり得るため、カル
ボキシル基の量が多くなり、イオン交換量が多くなると
考えられる。そして、カルボキシル基それ自体が若干の
抗菌性を有しており、上記のようにこれが増加すること
が、抗菌性の向上に寄与していると考えられる。
酸は、水酸基を有する2価以上のカルボン酸であって、
下記の化1の式で表わされるものである。
ニルまたは−COOHもしくは−CH2 COOH基を表
わし、X、Yはそれぞれ水素、メチル基またはエチル基
であり、XまたはYの一方が水酸基であってよく、nは
0、1、2を示す。ただし、式中のカルボキシル基のう
ち少なくとも1個を除く残りのカルボキシル基はエステ
ル化されていてもよい。) このようなヒドロキシポリカルボン酸の具体例として
は、リンゴ酸、α−メチルリンゴ酸、α−オキシ−α´
−メチルコハク酸、α−オキシ−α´−エチルコハク
酸、α−オキシ−α,α´−ジメチルコハク酸、トリメ
チルリンゴ酸、α−フェニルリンゴ酸、タルトロン酸、
α−オキシグルタール酸、クエン酸などが挙げられる。
これらは光学活性のd体またはl体またはそれらの混合
物であってもよい。
シポリカルボン酸ポリマー、例えばリンゴ酸のポリマー
であるポリリンゴ酸の製造方法としては、まずリンゴ酸
のモノエステルを合成し、脱水剤を用いて重合する方
法、またそのモノエステルのラクトンや二量体の環状エ
ステルを合成し、これを無水条件下に重合するという方
法があるが、合成が多段階にわたり、反応条件も無水条
件を必要とするなど工業的に現実的な方法とはいえな
い。一方、単にリンゴ酸を減圧下に加熱縮合してポリリ
ンゴ酸を合成する方法は、より工業的な方法であるか
ら、この方法をこの発明に適用した。
ステル化合物、例えばリンゴ酸−セルロースエステルの
合成方法として、 リンゴ酸からのポリリンゴ酸の生成反応を伴うリン
ゴ酸とセルロースとの脱水反応をワンポット(one pot)
で行なう方法、 上記方法で生成したポリリンゴ酸とセルロースとの
脱水反応による方法を採用した。
有利であると考えられる。
ンゴ酸において、式中のカルボキシル基のうち少なくと
も1個を除く残りのカルボキシル基がエステル化されて
いる場合を下記の化2式に例示した。
ボキシル基を表わす。) 上式のように、本願発明に用いるエステル化されたヒド
ロキシポリカルボン酸は、α−モノエステル(I)で
も、β−モノエステル(II)でもよい。そして、式中の
Rは、飽和または不飽和の脂肪族基または芳香族基であ
り、その例としては、メチル、エチル、プロピル、イソ
プロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、te
rt−ブチル、ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘ
プチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデ
シル、ビニル、1−プロペニル、アリル、イソプロペニ
ル、エチニル、シクロペンチル、シクロプロピル、シク
ロヘキシ、フェニル、トリル、キシリル、メシリル、ク
メニル、ベンジル、フェニチル、スチリル、シナミル、
ビフェニルナフチル、アントリル、フェナントリル、ヒ
ドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシフェ
ニルなどの基が挙げられる。
カルボン酸またはそのポリマーと、セルロースとの脱水
縮合を行なう反応温度は、原料化合物の種類によって選
択されるが、通常50〜200℃の範囲である。なぜな
ら、50℃未満の低温では反応時間が極めて長くなって
実用性がなくなり、200℃を越える高温では、分解が
起こり易くなり、しばしば着色を伴うことになるからで
ある。このような傾向から特に好ましい反応温度は、1
00〜150℃である。
たは加熱溶融したヒドロキシポリカルボン酸を用いる方
法、またはヒドロキシポリカルボン酸の溶液に浸漬し乾
燥したものを用いる等の簡便な方法が挙げられる。
ンゴ酸を用い、上記の各方法で得たセルロースエステル
化合物のリンゴ酸の結合量は、グルコース残基当たり1
以下であった。それ故に、主鎖セルロースの枝ポリマー
であるポリリンゴ酸の重合度は1であり、グラフト化し
ていない可能性がある。しかし、反応濾液中のポリリン
ゴ酸の重合度を測定すると2〜3であり、一般に「ホモ
ポリマーの重合度=枝ポリマーの重合度」といわれてい
ることから、枝ポリマーの重合度は2〜3であると考え
られ、このことより本品は、リンゴ酸とセルロースとの
グラフト体であるといえる。
リリンゴ酸の構造式を示した。
るリンゴ酸、またはクエン酸とセルロースとのセルロー
スエステル化合物の合成例である実施例1〜14につい
て以下に説明する。
法) DL−リンゴ酸10gを常圧下150℃で加熱溶融さ
せ、ついでセルロースパウダー(ナーゲル社製)0.5
gを加え、130℃±10℃の一定温度に調節し20時
間加熱を続けた。反応終了後、THFを加えて攪拌し、
不溶解物を濾別し、THF、水、エタノール、メチレン
クロライドでよく洗い、減圧乾燥し、0.7gのセルロ
ースエステル化合物(実施例1)を得た。
素ナトリウム水溶液を加え、相当するナトリウム塩(実
施例2)とした。
て、赤外線吸収(IR)スペクトルを調べ、結果を以下
に示した。
した核磁気共鳴スペクトル(プロトンNMR)を調べて
下記のようにリンゴ酸の存在を確認し、また純粋のグル
コースと比較してグルコースの存在を確認した。
0℃に加熱して溶融させた後、セルロースパウダー(ナ
ーゲル社製)0.5gを加え、130℃±10℃の一定
温度に調節した。徐々に減圧し生成水の気化による発泡
が緩やかになって系内圧力を1.0mmHg以下に保て
るようになった時20時間加熱を続けた。反応終了後、
THFを加えて攪拌し、不溶解物を濾取し、THF、
水、エタノール、メチレンクロライドでよく洗い、減圧
乾燥し、0.7gのセルロースエステル化合物(実施例
3)を得た。
リウム水溶液を加え、相当するナトリウム塩(実施例
4)とした。
て、赤外線吸収(IR)スペクトルを調べ、結果を以下
に示した。
した核磁気共鳴スペクトル(プロトンNMR)を調べて
下記のようにリンゴ酸の存在を確認し、また純粋のグル
コースとの比較をおこなってグルコースの存在を確認し
た。
それに基づく元素分析の計算値と実測値を調べた。
M D871−72に準拠)]105℃で2時間乾燥し
たリンゴ酸−セルロースエステル(酸型)の1gに75
%エタノール40mlを加えて50℃で30分加熱し、
次いで0.5Nの水酸化ナトリウム40mlを加えて1
5分加温した後、密封して48時間室温で放置し、0.
5Nの塩酸を中和点より1.0ml多く加えこれを正確
に計量し、一昼夜放置した。そして、フェノールフタレ
インを指示薬として0.5N水酸化ナトリウムで滴定
し、下記の式によって結合リンゴ酸(%)を求めた。
(A−B)Nb]×(F/W) (式中、A=サンプルに使用した水酸化ナトリウムの量
(ml) B=ブランクに使用した水酸化ナトリウムの量(ml) Nb=水酸化ナトリウムの規定度 C=サンプルに使用した塩酸量(ml) D=ブランクに使用した塩酸量(ml) F=リンゴ酸 6.705 W=使用したサンプルの重量(g) この結果、結合リンゴ酸量は44.0%で、グルコース
残基当たりのリンゴ酸結合量は0.86個であり、元素
分析の理論値と実測値との間に良好な一致がみられた。
酸とフマル酸の割合を測定した。この結果、リンゴ酸:
フマル酸=2:1(リンゴ酸は加熱により分子内脱水し
てフマル酸になる)であった。
ゴ酸結合量測定に用いた水溶液を濾過し、セルロースを
除去し、濾液を凍結乾燥してD2 O溶媒でNMRを測定
し、下記のピークの積分値の比からその割合を求めた。
酸型混合のため) [架橋の程度]別ロットのNa塩型のリンゴ酸−セルロ
ースエステルについて、上記の分析法1と同様に測定し
た。これよりNa量を計算し、前記測定した結合リンゴ
酸量との比から架橋度を測定した。
いでセルロースパウダー(ナーゲル社製)1gを加え、
アスピレータで20mmHgに保って90℃で5時間反
応(予備重合)させ、さらに真空ポンプで1mmHg以
下に減圧して66時間反応させた。反応終了後、生成物
を水、エタノール、メチレンクロライドでよく洗い、減
圧乾燥し、1.2gのセルロースエステル化合物(実施
例5)を得た。
トリウム水溶液を加え、相当するナトリウム塩(実施例
6)とした。
て、赤外線吸収(IR)スペクトルを調べ、結果を以下
に示した。
した核磁気共鳴スペクトル(プロトンNMR)を調べて
下記のようにリンゴ酸の存在を確認し、また純粋のグル
コースとの比較をおこなってグルコースの存在を確認し
た。
酸水溶液(50%)20mlを加え、1昼夜浸漬した
後、濾過した。この濾過物4.0gを130℃±10℃
の一定温度に調節し、アスピレータで減圧して20時間
加熱を続けた。反応終了後、炭酸水素ナトリウム水溶液
を加えて攪拌し、不溶解物を濾取し、水、エタノールで
よく洗い、減圧乾燥し、3.0gのセルロースエステル
化合物のナトリウム塩(実施例8)を得た。
を加え、相当する酸型の誘導体(実施例7)とした。
て、赤外線吸収(IR)スペクトルを調べ、結果を以下
に示した。
した核磁気共鳴スペクトル(プロトンNMR)を調べて
下記のようにリンゴ酸の存在を確認し、また純粋のグル
コースと比較してグルコースの存在を確認した。
枝ポリマーであるポリリンゴ酸の重合度は1であった
が、グラフト反応濾液中のポリリンゴ酸の重合度を測定
すると2〜3であり、ホモポリマーの重合度=枝ポリマ
ーの重合度であることは一般的に認められていることか
ら、実施例1〜8は、リンゴ酸とセルロースのグラフト
共重合体であるといえる。また、実施例1〜8は、全て
水に不溶であり、吸水した際に膨潤が殆ど起こらなかっ
た。
または枝ポリマーであるポリリンゴ酸の重合度を向上さ
せるために、実施例1のグラフト共重合体に対して、さ
らにαβ型ポリリンゴ酸とを反応させた。
DMSO5.0mlに溶かし、これに実施例1のリンゴ
酸−セルロースエステル化合物を2.0g添加した。こ
れをアスピレータで20mmHgに保ち、90℃で5時
間、予備重合反応させた。次いでポンプで1mmHg以
下に減圧して66時間反応させ、反応終了後、水、エタ
ノール、メチレンクロライドでよく洗い、減圧乾燥させ
た。
て、赤外線吸収(IR)スペクトルを調べ、結果を以下
に示した。
酸化ナトリウムによる生成物の加水分解および滴定法に
よって求め、結果を下記に示した。
応後結合したリンゴ酸およびフマル酸の量はともに増加
しており、全結合量に対するフマル酸の割合も増加した
といえる。
系で反応させて得られる混成セルロースエステルの実施
例について以下に述べる。
ロース(コダック社製、DS=2.46)10.0gと
リンゴ酸20.0gを常圧下で約180℃に加熱溶融し
て均一な溶液とし、その後減圧し系内圧力を1mmHg
に減圧して3時間加熱を続けた。反応終了後、水を加え
て析出物を濾取し、2.0gのセルロースエステル化合
物(実施例10)を得た。
酸、リンゴ酸、フマル酸の量比(グルコース残基当た
り)を前記した滴定法およびNMRによって求め、結果
を下記に示した。
液を加え、相当するナトリウム塩(実施例11)とし
た。
て、赤外線吸収スペクトル(KBr法)を調べ、結果を
以下に示した。
ロース(DS=2.46)10.0gとリンゴ酸20.
0gを常圧下で約180℃に加熱して溶融して均一な溶
液とし、その後減圧し系内圧力を1mmHgで20時間
加熱を続けたところ、固化し、水、アセトン、メタノー
ルに溶けなかった。
属塩の抗菌性について説明する。
ロースエステル化合物に対して、繊維製品衛生加工協議
会が規定するシェークフラスコ法に準拠し、振盪速度1
90±10rpm、振盪時間1時間とし、試験菌株は黄
色ブドウ球菌(スタフィロコッカス アウレウス、St
aphylococcus aureus)(IFO1
2732)を用いて行ない、結果を表1に示した。
ら銀塩の合成 実施例2(ワットマン社製:CF−11使用)の3.1
450g(交換容量1.62meq/g)を水300m
lに懸濁した後、硝酸銀水溶液(AgNO3 :水=0.
8396g:10ml)を加え、遮光下にて16.8時
間攪拌反応させた。
し、固形分を50%エタノール、100%エタノールの
順に洗浄し、乾燥処理(P2 O5 +シリカゲル、3日
間)し、リンゴ酸−セルロースエステル(銀塩)3.5
01g(水分率3.11%)を得た。
(銀塩)の銀含有率をチオシアン酸アンモニウム定量法
(Vollhard法)によって測定したところ、銀含
有率12.98%(無水物)、12.58%(含水試
料)であった。
て、前記した抗菌性試験を行ない、結果を表1中に併記
した。
(Vollhard法)においては、試料を乾燥し、秤
量後に900℃で灰化し、生成した金属銀を硝酸水溶液
で溶解して硝酸銀溶液とし、加温してNO2 ガスを追い
出し、指示薬として硫酸第2鉄アンモニウムを加えて標
準チオシアン酸アンモニウムで滴定した。
製:CF−11)5.0gにクエン酸水溶液(50%)
50mlを加えて3時間浸漬し、これを濾過して固形分
17.5gをアスピレーター減圧下140℃で2時間反
応させ、さらに真空ポンプの減圧下155℃で10時間
反応させた。これに水を加えて濾過し、水、アセトンで
よく洗い、乾燥させて収量5.6gのクエン酸−セルロ
ースエステル(H型、水分4.57%)の実施例13を
得た。
て、前記した抗菌性試験を行ない、結果を表1中に併記
した。
酸水素ナトリウムを加えてナトリウム塩とし、このクエ
ン酸−セルロースエステル(Na塩)2.4071g
(交換容量1.78meq/g)を水300mlに懸濁
した後、硝酸銀水溶液(AgNO3 :水=0.673
g:10ml)を加えて遮光下に18時間攪拌反応し
た。
50%エタノール100%エタノールの順に洗浄し、乾
燥処理(P2 O5 +シリカゲル、3日間)し、クエン酸
−セルロースエステル(銀塩)2.6484g(水分率
2.06%)を得た。
(銀塩)の銀含有率をチオシアン酸アンモニウム定量法
(Vollhard法)によって測定したところ、銀含
有率14.44%(無水物)、14.15%(含水物)
であった。
て、前記した抗菌性試験を行ない、結果を表1中に併記
した。
トマン社製:CF−11)10.0gに無水マレイン酸
40.0g、炭酸ナトリウム0.2gを、油浴上で14
0℃(マレイン酸のmp140〜142℃)3時間攪拌
しながら加熱した。これにアセトンを加えて濾過し、固
形分を乾燥して収量11.72gのマレイン酸−セルロ
ースエステル(H型、水分3.72%)を得た(比較例
1)。
スエステル(H型)に炭酸水素ナトリウムを加え、攪拌
後濾過し、固形分を水洗してNa塩を得た。交換容量
1.50meq/g(灰分アルカリ度法)(比較例2) このようにして得られた比較例1および2に対して、前
記した抗菌性試験を行ない、結果を表1中に併記した。
377g(交換容量1.50meq/g)を水300m
lに懸濁した後、硝酸銀水溶液(AgNO3 :水=0.
8412g:10ml)を加えて遮光下に18時間攪拌
し反応させた。
固形分を50%エタノール、100%エタノールの順に
洗浄し、乾燥処理(P2 O5 +シリカゲル、3日間)
し、マレイン酸−セルロースエステル(銀塩)3.29
84g(水分率1.55%)を得た。
(銀塩)の銀含有率をチオシアン酸アンモニウム定量法
(Vollhard法)によって測定したところ、銀含
有率12.92%(無水物)、12.72%(含水物)
であった。
て、前記した抗菌性試験を行ない、結果を表1中に併記
した。
0.0gに無水フタル酸40.0g、炭酸ナトリウム
0.2gを、油浴上で140℃(フタル酸のmp210
℃)3時間攪拌しながら加熱した。これにアセトンを加
えて濾過し、固形分を乾燥して収量9.55gのフタル
酸−セルロースエステル(H型、水分2.89%)を得
た。
性試験を行ない、結果を表1中に併記した。
酸と類似のマレイン酸をセルロースに化合させた比較例
1〜3は、H型、Na塩、銀塩共に防菌作用は発揮され
なかった。また、H型のフタル酸−セルロースエステル
である比較例4については、却って菌が増殖した。
であるリンゴ酸またはクエン酸をセルロースに化合させ
た実施例1、2、13では、H型またはNa塩で添加率
1mg/mlで充分な防菌作用が認められた。また、銀
塩である実施例12、14では、前記の1万分の1の添
加量でも銀イオンが12.5ng/ml以上存在すれ
ば、充分な防菌作用が発揮された。
ポリカルボン酸のカルボキシル基を、セルロースのグル
コース残基の水酸基と脱水反応して、エステル結合を生
成させたセルロースエステル化合物としたので、セルロ
ースの諸物性を改善し得る新規なセルロースエステル化
合物となり、このものは、セルロース本来の生分解性お
よび親水性を維持しつつ水に不溶なものとなり、置換さ
れたポリマーは、エステル結合であるために加水分解が
可能でC−C結合からなるポリマー置換体に比べて極め
て分解性に優れ、また抗菌性金属塩でなくてもそれ自体
で抗菌性のあるセルロースエステル化合物となる利点が
ある。さらに銀イオンを担持させると顕著な抗菌性を示
す。
Claims (3)
- 【請求項1】 セルロースまたはセルロース誘導体の少
なくとも一つの水酸基とヒドロキシポリカルボン酸のカ
ルボキシル基とがエステル結合してなるセルロースエス
テル化合物。 - 【請求項2】 下記式で示される部分構造を有するセル
ロースエステルグラフト共重合体である請求項1に記載
のセルロースエステル化合物。 C6 H7 O2 (OA)3-m (ORx )m (式中、Aは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、カ
ルボキシメチル基または炭素数2〜5のアシル基を表わ
し、Rはヒドロキシポリカルボン酸であり、 (ORx )
m は重合度xのヒドロキシポリカルボン酸ポリマーのエ
ステル結合残基を表わし、X≧2、m=1〜3(自然
数)である。) - 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載のセルロ
ースエステル化合物の銀塩からなる抗菌剤。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP19010695A JP3970947B2 (ja) | 1995-07-26 | 1995-07-26 | セルロースエステル化合物 |
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---|---|---|---|
JP19010695A JP3970947B2 (ja) | 1995-07-26 | 1995-07-26 | セルロースエステル化合物 |
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JPH0940701A true JPH0940701A (ja) | 1997-02-10 |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008106208A (ja) * | 2006-10-27 | 2008-05-08 | Daicel Chem Ind Ltd | 環状エステル変性グルカン誘導体の製造方法 |
JP2008525571A (ja) * | 2004-12-23 | 2008-07-17 | オルガノクリック エービー | アミンおよびアルコールの修飾 |
WO2013022025A1 (ja) * | 2011-08-08 | 2013-02-14 | 王子ホールディングス株式会社 | 微細繊維状セルロースの製造方法、不織布の製造方法、微細繊維状セルロース、微細繊維状セルロース含有スラリー、不織布、及び複合体 |
JP2022088989A (ja) * | 2020-12-03 | 2022-06-15 | 晴夫 浜田 | 銀イオン及び有機酸を含有する殺菌剤及びその製造方法 |
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1995
- 1995-07-26 JP JP19010695A patent/JP3970947B2/ja not_active Expired - Fee Related
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