JP2681669B2 - 新規なキトサン化合物、その製造方法および保湿剤としての用途 - Google Patents
新規なキトサン化合物、その製造方法および保湿剤としての用途Info
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- JP2681669B2 JP2681669B2 JP26030988A JP26030988A JP2681669B2 JP 2681669 B2 JP2681669 B2 JP 2681669B2 JP 26030988 A JP26030988 A JP 26030988A JP 26030988 A JP26030988 A JP 26030988A JP 2681669 B2 JP2681669 B2 JP 2681669B2
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- chitosan
- hydroxyethyl
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- moisturizer
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- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K8/00—Cosmetics or similar toiletry preparations
- A61K8/18—Cosmetics or similar toiletry preparations characterised by the composition
- A61K8/72—Cosmetics or similar toiletry preparations characterised by the composition containing organic macromolecular compounds
- A61K8/73—Polysaccharides
- A61K8/736—Chitin; Chitosan; Derivatives thereof
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61Q—SPECIFIC USE OF COSMETICS OR SIMILAR TOILETRY PREPARATIONS
- A61Q19/00—Preparations for care of the skin
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- Health & Medical Sciences (AREA)
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- Polysaccharides And Polysaccharide Derivatives (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、化粧品や医薬品等の原料として有用でヒア
ルロン酸代替可能な新規なキトサン化合物に関するもの
である。
ルロン酸代替可能な新規なキトサン化合物に関するもの
である。
従来の技術 近年、化粧品の保湿剤や医薬品原料としてヒアルロン
酸が注目されている。ヒアルロン酸は多量の水と結合し
てゲルを形成し、皮膚の水分を保持し皮膚を柔軟にする
作用を有し、関節の潤滑作用と関連を持ち、化粧品、眼
科・外科用医薬品原料に広く用いられている。
酸が注目されている。ヒアルロン酸は多量の水と結合し
てゲルを形成し、皮膚の水分を保持し皮膚を柔軟にする
作用を有し、関節の潤滑作用と関連を持ち、化粧品、眼
科・外科用医薬品原料に広く用いられている。
従来、ヒアルロン酸の製造方法としては、牛の眼のガ
ラス液、ニワトリのトサカ、臍帯などの生体内の組織か
ら単離精製する方法と、ストレプトコッカス属の微生物
を利用した醗酵法(特開昭58-56692号)が知られてい
る。前者の方法では、コストが極めて高くなり、後者の
方法は特殊な設備と技術を必要とする欠点があった。そ
こで、ヒアルロン酸と同程度の性能を有する安価な代替
物が求められている。
ラス液、ニワトリのトサカ、臍帯などの生体内の組織か
ら単離精製する方法と、ストレプトコッカス属の微生物
を利用した醗酵法(特開昭58-56692号)が知られてい
る。前者の方法では、コストが極めて高くなり、後者の
方法は特殊な設備と技術を必要とする欠点があった。そ
こで、ヒアルロン酸と同程度の性能を有する安価な代替
物が求められている。
発明が解決しようとする問題点 本発明者らは、ヒアルロン酸がグルクロン酸とN−ア
セチルグルコサミンが結合したムコ多糖類であることに
着目し、これと構造が類似したムコ多糖類の一種である
キチンをヒアルロン酸代替物の原料として鋭意研究を重
ね、本発明を完成するに至った。
セチルグルコサミンが結合したムコ多糖類であることに
着目し、これと構造が類似したムコ多糖類の一種である
キチンをヒアルロン酸代替物の原料として鋭意研究を重
ね、本発明を完成するに至った。
本発明の目的は、工業的に製造可能で安価なヒアルロ
ン酸代替物を提供することにある。
ン酸代替物を提供することにある。
問題点を解決するための手段および作用 上記問題点は本発明により解決される。すなわち、本
発明は一般式(I) 〔ただし式中Mは、水素原子またはアルカリ金属を表
し、nは10〜5000の整数を表す〕で示されるN−(3−
カルボキシプロパノイル)−6−O−(2−ヒドロキシ
エチル)キトサン、その製造方法およびこの化合物を含
む保湿剤に関するものである。
発明は一般式(I) 〔ただし式中Mは、水素原子またはアルカリ金属を表
し、nは10〜5000の整数を表す〕で示されるN−(3−
カルボキシプロパノイル)−6−O−(2−ヒドロキシ
エチル)キトサン、その製造方法およびこの化合物を含
む保湿剤に関するものである。
一般式(I)で示されるキトサン化合物は、新規物質
であるが、6−O−(2−ヒドロキシエチル)キトサン
に無水コハク酸を反応させることにより容易に得ること
ができる。
であるが、6−O−(2−ヒドロキシエチル)キトサン
に無水コハク酸を反応させることにより容易に得ること
ができる。
本発明の新規キトサン化合物の出発物質となる6−O
−(2−ヒドロキシエチル)キトサンは、キトサンとエ
チレンクロルヒドリンを溶媒中で反応させることにより
製造することができる。
−(2−ヒドロキシエチル)キトサンは、キトサンとエ
チレンクロルヒドリンを溶媒中で反応させることにより
製造することができる。
なお、キトサンは、菌・藻類からエビやカニなどの甲
殻類等下等動物の組織中に広く分布するムコ多糖類の1
種であるキチンを脱アセチル化することにより容易に得
られる。
殻類等下等動物の組織中に広く分布するムコ多糖類の1
種であるキチンを脱アセチル化することにより容易に得
られる。
6−O−(2−ヒドロキシエチル)キトサンと無水コ
ハク酸の反応は、水またはメタノールなどの有機溶媒も
しくは水と有機溶媒の混合物中において室温〜50℃の温
度で行えばよい。通常は、6−O−(2−ヒドロキシエ
チル)キトサンを上記溶媒中に攪拌下溶解し、そこへ少
量のアセトンまたはメタノールに溶解した無水コハク酸
を滴下すれば反応は完全に進行する。反応時間は通常2
〜48時間である。無水コハク酸は、6−O−(2−ヒド
ロキシエチル)キトサンに対して1〜20倍モル反応させ
ればよい。
ハク酸の反応は、水またはメタノールなどの有機溶媒も
しくは水と有機溶媒の混合物中において室温〜50℃の温
度で行えばよい。通常は、6−O−(2−ヒドロキシエ
チル)キトサンを上記溶媒中に攪拌下溶解し、そこへ少
量のアセトンまたはメタノールに溶解した無水コハク酸
を滴下すれば反応は完全に進行する。反応時間は通常2
〜48時間である。無水コハク酸は、6−O−(2−ヒド
ロキシエチル)キトサンに対して1〜20倍モル反応させ
ればよい。
反応終了後、中和し透析膜処理等で未反応原料を除
き、不純物の少ないN−(3−カルボキシプロパノイ
ル)−6−O−(2−ヒドロキシエチル)キトサンが得
られる。
き、不純物の少ないN−(3−カルボキシプロパノイ
ル)−6−O−(2−ヒドロキシエチル)キトサンが得
られる。
本発明の新規なN−(3−カルボキシプロパノイル)
−6−O−(2−ヒドロキシエチル)キトサンはヒアル
ロン酸と同程度の保水作用を示し、化粧品や医薬品原料
として好適な化合物である。
−6−O−(2−ヒドロキシエチル)キトサンはヒアル
ロン酸と同程度の保水作用を示し、化粧品や医薬品原料
として好適な化合物である。
実施例1 攪拌機を取り付けた500ml三つ口フラスコに6−O−
(2−ヒドロキシエチル)キトサン1.5gをはかり取り、
5%酢酸30mlを加え攪拌溶解させ、ついでメタノール12
0mlを加えて希釈した。無水コハク酸1.6g(2.2倍モル)
を最小量のアセトンに溶解したものを、激しく攪拌しな
がら滴下ロートを用いて滴下し、さらに室温で18時間攪
拌し反応を行った。
(2−ヒドロキシエチル)キトサン1.5gをはかり取り、
5%酢酸30mlを加え攪拌溶解させ、ついでメタノール12
0mlを加えて希釈した。無水コハク酸1.6g(2.2倍モル)
を最小量のアセトンに溶解したものを、激しく攪拌しな
がら滴下ロートを用いて滴下し、さらに室温で18時間攪
拌し反応を行った。
反応終了後、水150mlを加え次いで反応液を2N水酸化
ナトリウム水溶液でpHを10とし、ナトリウム塩とした
後、透析膜を用いて5日間イオン交換水で透析し、未反
応物を除いた。ついで不溶物をグラスフィルターを用い
て濾過し、濾液を減圧濃縮した後凍結乾燥し、さらにデ
シケーターにて五酸化リンを乾燥剤として5時間減圧乾
燥を行い、白色のN−(3−カルボキシプロパノイル)
−6−O−(2−ヒドロキシエチル)キトサンナトリウ
ム塩1.61g(収率82.1%、置換度41.0%)を得た。構造
の確認はIRおよび13C−NMRにより行い、N−(3−カル
ボキシプロパノイル)−6−O−(2−ヒドロキシエチ
ル)キトサンナトリウム塩であることが確かめられた。
また、平均分子量の測定はGPCにより測定した。その結
果を以下に示す。
ナトリウム水溶液でpHを10とし、ナトリウム塩とした
後、透析膜を用いて5日間イオン交換水で透析し、未反
応物を除いた。ついで不溶物をグラスフィルターを用い
て濾過し、濾液を減圧濃縮した後凍結乾燥し、さらにデ
シケーターにて五酸化リンを乾燥剤として5時間減圧乾
燥を行い、白色のN−(3−カルボキシプロパノイル)
−6−O−(2−ヒドロキシエチル)キトサンナトリウ
ム塩1.61g(収率82.1%、置換度41.0%)を得た。構造
の確認はIRおよび13C−NMRにより行い、N−(3−カル
ボキシプロパノイル)−6−O−(2−ヒドロキシエチ
ル)キトサンナトリウム塩であることが確かめられた。
また、平均分子量の測定はGPCにより測定した。その結
果を以下に示す。
・平均分子量 4.43×104 実施例2 無水コハク酸の量を5.9g(8.1倍モル)とした他は実
施例1に準じて反応を行い、白色のN−(3−カルボキ
シプロパノイル)−6−O−(2−ヒドロキシエチル)
キトサンナトリウム塩1.78g(収率87.6%、置換度50.7
%)を得た。
施例1に準じて反応を行い、白色のN−(3−カルボキ
シプロパノイル)−6−O−(2−ヒドロキシエチル)
キトサンナトリウム塩1.78g(収率87.6%、置換度50.7
%)を得た。
・平均分子量 4.70×104 実施例3 無水コハク酸の量を11.9g(16.3倍モル)とした他は
実施例1に準じて反応を行い、白色のN−(3−カルボ
キシプロパノイル)−6−O−(2−ヒドロキシエチ
ル)キトサンナトリウム塩1.71g(収率83.0%、置換度5
4.7%)を得た。
実施例1に準じて反応を行い、白色のN−(3−カルボ
キシプロパノイル)−6−O−(2−ヒドロキシエチ
ル)キトサンナトリウム塩1.71g(収率83.0%、置換度5
4.7%)を得た。
・IR −COOH : 1200〜1300,1420,1710cm-1 −O− : 1070〜1150cm-1 −CONH− : 1550,1655,3300cm-1 −OH : 1050,3200〜3400cm-1 ・13C−NMR a:177〜190ppm b:102ppm c:71 76ppm d:61ppm e:56 63ppm f:34ppm ・平均分子量 4.46×104 実施例4 [吸湿試験法] 硫酸アンモニウム飽和水溶液により相対湿度81%とし
たデシケーターと炭酸カリウム飽和水溶液によって相対
湿度を43%としたデシケーターを20℃恒温室中に用意
し、乾燥した各試料を直径4.5cmの結晶皿に1gを精秤
し、デシケーターに放置した。放置40時間後に各試量の
重量を精秤した。放置後の試料重量から吸湿量を次式に
よって増加率として求めた。
たデシケーターと炭酸カリウム飽和水溶液によって相対
湿度を43%としたデシケーターを20℃恒温室中に用意
し、乾燥した各試料を直径4.5cmの結晶皿に1gを精秤
し、デシケーターに放置した。放置40時間後に各試量の
重量を精秤した。放置後の試料重量から吸湿量を次式に
よって増加率として求めた。
吸湿増加率=[(Wn−Wo)/Wo]×100 Wo:放置前の重量 Wn:放置後の重量 [保湿試験法] 各試料に約10%の水を加えた後、結晶皿中に精秤採取
し、炭酸カリウム飽和水溶液(相対湿度43%)を含むデ
シケータ中に放置し、20℃恒温室に放置した。放置40時
間後に各試料を精秤した。保湿性の指標として次式の水
分残存率を用いた。
し、炭酸カリウム飽和水溶液(相対湿度43%)を含むデ
シケータ中に放置し、20℃恒温室に放置した。放置40時
間後に各試料を精秤した。保湿性の指標として次式の水
分残存率を用いた。
水分残存率=(Hn/Ho)×100 =[(Wn−S)/(Wo−S)]×100 Ho:添加水分量 Hn:放置後の水分量 Wo:放置前の含水試料重量 Wn:放置後の試料重量 S :乾燥試料重量 測定結果を第1表に示す。
第1表の結果から、本発明によって得られたN−(3
−カルボキシプロパノイル)−6−O−(2−ヒドロキ
シエチル)キトサンは、ヒアルロン酸と同程度の保水性
を有する化合物であることが分かる。
−カルボキシプロパノイル)−6−O−(2−ヒドロキ
シエチル)キトサンは、ヒアルロン酸と同程度の保水性
を有する化合物であることが分かる。
発明の効果 本発明のN−(3−カルボキシプロパノイル)−6−
O−(2−ヒドロキシエチル)キトサンは、ヒアルロン
酸と同等の保水作用を有し、化粧品および医薬品の原料
として最適である。
O−(2−ヒドロキシエチル)キトサンは、ヒアルロン
酸と同等の保水作用を有し、化粧品および医薬品の原料
として最適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09K 3/00 C09K 3/00 N
Claims (3)
- 【請求項1】一般式(I) 〔ただし式中Mは、水素原子またはアルカリ金属を表
し、nは10〜5000の整数を表す〕で示されるN−(3−
カルボキシプロパノイル)−6−O−(2−ヒドロキシ
エチル)キトサン。 - 【請求項2】6−O−(2−ヒドロキシエチル)キトサ
ンと無水コハク酸とを反応させることを特徴とする一般
式(I) 〔ただし式中Mは、水素原子またはアルカリ金属を表
し、nは10〜5000の整数を表す〕で示されるN−(3−
カルボキシプロパノイル)−6−O−(2−ヒドロキシ
エチル)キトサンの製造方法。 - 【請求項3】一般式(I) 〔ただし式中Mは、水素原子またはアルカリ金属を表
し、nは10〜5000の整数を表す〕で示されるN−(3−
カルボキシプロパノイル)−6−O−(2−ヒドロキシ
エチル)キトサン化合物を含むことを特徴とする保湿
剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26030988A JP2681669B2 (ja) | 1988-10-15 | 1988-10-15 | 新規なキトサン化合物、その製造方法および保湿剤としての用途 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26030988A JP2681669B2 (ja) | 1988-10-15 | 1988-10-15 | 新規なキトサン化合物、その製造方法および保湿剤としての用途 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02107601A JPH02107601A (ja) | 1990-04-19 |
JP2681669B2 true JP2681669B2 (ja) | 1997-11-26 |
Family
ID=17346239
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26030988A Expired - Fee Related JP2681669B2 (ja) | 1988-10-15 | 1988-10-15 | 新規なキトサン化合物、その製造方法および保湿剤としての用途 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2681669B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE19744745A1 (de) * | 1997-10-10 | 1999-04-15 | Henkel Kgaa | Anionische Biopolymere |
KR100481465B1 (ko) * | 2002-11-11 | 2005-04-14 | 성균관대학교산학협력단 | 키토산-히아루론산으로 이루어진 이온성 복합지지체 |
CN1294152C (zh) * | 2005-03-02 | 2007-01-10 | 济南大学 | 疏水改性的丁二酰化壳聚糖衍生物及其制备方法 |
CN102585036A (zh) * | 2012-03-05 | 2012-07-18 | 中国药科大学 | 两亲性壳聚糖衍生物及其制备方法与在药物制剂中的应用 |
-
1988
- 1988-10-15 JP JP26030988A patent/JP2681669B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02107601A (ja) | 1990-04-19 |
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Legal Events
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