JP2529729B2 - キトサン誘導体の製造法 - Google Patents
キトサン誘導体の製造法Info
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- JP2529729B2 JP2529729B2 JP63297924A JP29792488A JP2529729B2 JP 2529729 B2 JP2529729 B2 JP 2529729B2 JP 63297924 A JP63297924 A JP 63297924A JP 29792488 A JP29792488 A JP 29792488A JP 2529729 B2 JP2529729 B2 JP 2529729B2
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- chitosan
- hydroxyethyl cellulose
- water
- aqueous solution
- condensate
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は天然に多量に存在するキチンを原料とするキ
トサンとヒドロキシエチルセルロースの縮合体の製造法
に関するものである。
トサンとヒドロキシエチルセルロースの縮合体の製造法
に関するものである。
キチンはエビ、カニなどの甲殻類、カブト虫、トンボ
などの昆虫類、茸、菌類の細胞壁など自然界に広く、ま
た豊富に分布している多糖であるが、酸性溶媒以外の溶
媒には不溶であるため、その殆どが活用されず廃棄され
てきた。
などの昆虫類、茸、菌類の細胞壁など自然界に広く、ま
た豊富に分布している多糖であるが、酸性溶媒以外の溶
媒には不溶であるため、その殆どが活用されず廃棄され
てきた。
このキチンの脱アセチル化物であるキトサンが機能性
高分子物質として近年脚光をあびているが、やはり中性
付近の水には溶けないため、その用途が限られるという
致命的を欠点を有していた。
高分子物質として近年脚光をあびているが、やはり中性
付近の水には溶けないため、その用途が限られるという
致命的を欠点を有していた。
本発明者らは中性の水に溶けるキトサン誘導体につい
て鋭意研究の結果、キトサンとヒドロキシエチルセルロ
ースの新規な縮合体が、保湿性などキトサンの優れた機
能を保持しつつ、中性の水に溶けることを見出し、本発
明を完成するに至った。
て鋭意研究の結果、キトサンとヒドロキシエチルセルロ
ースの新規な縮合体が、保湿性などキトサンの優れた機
能を保持しつつ、中性の水に溶けることを見出し、本発
明を完成するに至った。
即ち本発明は、キトサンとヒドロキシエチルセルロー
スを反応させてシッフ塩基を形成させたのち還元するこ
とを特徴とするキトサン・ヒドロキシエチルセルロース
縮合体の製造法である。
スを反応させてシッフ塩基を形成させたのち還元するこ
とを特徴とするキトサン・ヒドロキシエチルセルロース
縮合体の製造法である。
本発明に用いるキトサンはカニ、エビなどの甲羅や節
足動物の外骨格、菌、藻類の細胞壁などに多く含まれて
いるキチンを脱アセチル化して得られる物質で、下記の
式(I)のポリ−β−1,4−D−グルコサミンで表すの
が一般的である。通常のキチンのアセチル基を70%以上
脱アセチル化処理したものをキトサンと称する。
足動物の外骨格、菌、藻類の細胞壁などに多く含まれて
いるキチンを脱アセチル化して得られる物質で、下記の
式(I)のポリ−β−1,4−D−グルコサミンで表すの
が一般的である。通常のキチンのアセチル基を70%以上
脱アセチル化処理したものをキトサンと称する。
キトサンは、エビ、カニなどの甲羅を希塩酸で処理し
て炭酸カルシウムを除き、さらにアルカリで処理して蛋
白質その他の夾雑物を除き、水洗、乾燥して得られる。
さら必要に応じて塩酸に溶解後、再沈殿するなどの精製
処理を行ってもよい。キトサンの製造については従来多
くの方法が提案されており(例えば、特開昭50−12678
4、特公昭58−441号公報参照)、これらの公知の方法で
得られるものを使用することができる。また、現在では
キチン、キトサンともに数社から上市されているので、
これら市販品を用いるのが簡便である。
て炭酸カルシウムを除き、さらにアルカリで処理して蛋
白質その他の夾雑物を除き、水洗、乾燥して得られる。
さら必要に応じて塩酸に溶解後、再沈殿するなどの精製
処理を行ってもよい。キトサンの製造については従来多
くの方法が提案されており(例えば、特開昭50−12678
4、特公昭58−441号公報参照)、これらの公知の方法で
得られるものを使用することができる。また、現在では
キチン、キトサンともに数社から上市されているので、
これら市販品を用いるのが簡便である。
一方、本発明で使用する下記の式(II)で示すことが
できるヒドロキシエチルセルロースは、セルロースに水
酸化ナトリウムを反応させてアルカリセルロースとし、
これにエチレンオキサイドを作用させて得られる水溶性
セルロースエーテルである。
できるヒドロキシエチルセルロースは、セルロースに水
酸化ナトリウムを反応させてアルカリセルロースとし、
これにエチレンオキサイドを作用させて得られる水溶性
セルロースエーテルである。
そのヒドロキシエチルセルロースは、グルコース単位
当りのエチレンオキサイドの置換モル数を表す平均モル
置換度(MS)が1.5〜6.0の範囲のもので、好ましくは1.
8〜2.5の範囲のものである。MSが1.5以下になると水へ
の溶解度が悪くなり、6.0以上のものは工業的製造に適
しない。その粘度はキトサン・ヒドロキシエチルセルロ
ース縮合体の使用目的に応じて、25℃における5%水溶
液粘度が5cps程度の低粘度のものから1%水溶液の粘度
が8000cps程度の高粘度のものまで、各種のものを使用
することができる。
当りのエチレンオキサイドの置換モル数を表す平均モル
置換度(MS)が1.5〜6.0の範囲のもので、好ましくは1.
8〜2.5の範囲のものである。MSが1.5以下になると水へ
の溶解度が悪くなり、6.0以上のものは工業的製造に適
しない。その粘度はキトサン・ヒドロキシエチルセルロ
ース縮合体の使用目的に応じて、25℃における5%水溶
液粘度が5cps程度の低粘度のものから1%水溶液の粘度
が8000cps程度の高粘度のものまで、各種のものを使用
することができる。
キトサンとヒドロキシエチルセルロースの反応は、キ
トサンを酸性水性溶媒に完全に溶解したものと、ヒドロ
キシエチルセルロース水溶液とを還元剤の存在下で、20
〜40℃の室温付近において混合攪拌することによって行
われる。
トサンを酸性水性溶媒に完全に溶解したものと、ヒドロ
キシエチルセルロース水溶液とを還元剤の存在下で、20
〜40℃の室温付近において混合攪拌することによって行
われる。
キトサンに対するヒドロキシエチルセルロースの反応
比率(重量比)は1:1〜15、好ましくは1:5〜10で、反応
時間は3時間〜15日間である。
比率(重量比)は1:1〜15、好ましくは1:5〜10で、反応
時間は3時間〜15日間である。
中間体として生成するキトサン・ヒドロキシエチルセ
ルロースシッフ塩基(III)は、系内で直ちに還元され
て、目的物のキトサン・ヒドロキシエチルセルロース縮
合体(IV)を得る。
ルロースシッフ塩基(III)は、系内で直ちに還元され
て、目的物のキトサン・ヒドロキシエチルセルロース縮
合体(IV)を得る。
還元剤としては、通常使用される水素化シアノホウ素
ナトリウム、その他のものが使用できる。
ナトリウム、その他のものが使用できる。
この一連の反応を式で示すと次の如くである。
〔式中Rは−(CH2CH2O)X−H又はHを示す。〕 反応終了後は水酸化ナトリウム水溶液で弱アルカリ性
とし、透析により塩分を除去精製する。更に不溶物を遠
心分離又は濾過により除去した後、冷凍乾燥あるいは減
圧濃縮、乾燥により、キトサン・ヒドロキシエチルセル
ロース縮合体を得ることができる。
とし、透析により塩分を除去精製する。更に不溶物を遠
心分離又は濾過により除去した後、冷凍乾燥あるいは減
圧濃縮、乾燥により、キトサン・ヒドロキシエチルセル
ロース縮合体を得ることができる。
本発明の製造法で得られるキトサン・ヒドロキシエチ
ルセルロース縮合体は中性の水に溶解し、高粘度水溶液
が得られる。
ルセルロース縮合体は中性の水に溶解し、高粘度水溶液
が得られる。
この高粘度水溶液はヒドロキシエチルセルロースに比
し、粘度の温度依存性が小さいという特性を有し、石油
の三次回収におけるポリマー功法、マイセラーポリマー
攻法などのケミカル攻法用の高粘度ポリマー水溶液とし
ての利用が期待される。
し、粘度の温度依存性が小さいという特性を有し、石油
の三次回収におけるポリマー功法、マイセラーポリマー
攻法などのケミカル攻法用の高粘度ポリマー水溶液とし
ての利用が期待される。
また、中性領域で水溶性で、かつキトサンの持つ保湿
性などの機能を保持しているので、化粧品、医薬、食品
分野など広い用途も期待できる。
性などの機能を保持しているので、化粧品、医薬、食品
分野など広い用途も期待できる。
以下にこの発明の実施例を記載してより具体的に説明
する。
する。
実施例 1 脱アセチル化度0.83の市販キトサンを精製して使用し
た。即ち、キトサン3gを1%塩酸水溶液に溶かし、ナイ
ロン製濾紙で濾過して不純物を除去した後、アセトン中
に沈殿させた。1%アンモニア水で中性にした後、沈殿
物をアセトン次いでエーテルで洗浄し、減圧乾燥し、精
製キトサンを得た。
た。即ち、キトサン3gを1%塩酸水溶液に溶かし、ナイ
ロン製濾紙で濾過して不純物を除去した後、アセトン中
に沈殿させた。1%アンモニア水で中性にした後、沈殿
物をアセトン次いでエーテルで洗浄し、減圧乾燥し、精
製キトサンを得た。
500mlの三ツ口セパラブルフラスコに精製キトサン0.5
gをとり、1%酢酸水溶液25mlとメタノール25mlの混合
(1:1)溶媒を加え、攪拌してキトサンを完全に溶かし
た。
gをとり、1%酢酸水溶液25mlとメタノール25mlの混合
(1:1)溶媒を加え、攪拌してキトサンを完全に溶かし
た。
ヒドロキシエチル基の平均モル置換度(MS)が1.85、
5%水溶液粘度85cps(B型粘度計、30rpm)のヒドロキ
シエチルセルロース(ダイセル化学工業(株)製;商品
名HECダイセル SP−200)の2.5gを水150mlに溶かし、
これをキトサン溶液に加え、水素化シアノホウ素ナトリ
ウム1.2gを添加して、室温で5日間攪拌した。
5%水溶液粘度85cps(B型粘度計、30rpm)のヒドロキ
シエチルセルロース(ダイセル化学工業(株)製;商品
名HECダイセル SP−200)の2.5gを水150mlに溶かし、
これをキトサン溶液に加え、水素化シアノホウ素ナトリ
ウム1.2gを添加して、室温で5日間攪拌した。
反応液を1N−水酸化ナトリウム水溶液で弱アルカリ性
(pH9)にし、7日間透析した。遠心分離により水溶部
と不溶部にわけ、水溶部を減圧蒸発したのち凍結乾燥
し、目的のキトサン・ヒドロキシエチルセルロース縮合
体1.5gを得た。その元素分析値はC42.80%、H6.85%、N
0.28%であった。
(pH9)にし、7日間透析した。遠心分離により水溶部
と不溶部にわけ、水溶部を減圧蒸発したのち凍結乾燥
し、目的のキトサン・ヒドロキシエチルセルロース縮合
体1.5gを得た。その元素分析値はC42.80%、H6.85%、N
0.28%であった。
実施例 2 実施例1で用いた精製キトサン0.5gを500mlの三ツ口
セパラブルフラスコにとり、1%酢酸水溶液25mlとメタ
ノール25mlの混合(1:1)溶媒を加え、攪拌してキトサ
ンを完全に溶かした。
セパラブルフラスコにとり、1%酢酸水溶液25mlとメタ
ノール25mlの混合(1:1)溶媒を加え、攪拌してキトサ
ンを完全に溶かした。
MSが1.85、5%水溶液粘度85cpsのヒドロキシエチル
セルロース(ダイセル化学工業(株)製;商品名HECダ
イセル SP−200)5.0gを水200mlに溶かし、これをキト
サン溶液に加え、水素化シアノホウ素ナトリウム1.2gを
添加して、室温で5日間攪拌した。
セルロース(ダイセル化学工業(株)製;商品名HECダ
イセル SP−200)5.0gを水200mlに溶かし、これをキト
サン溶液に加え、水素化シアノホウ素ナトリウム1.2gを
添加して、室温で5日間攪拌した。
反応液を1N−水酸化ナトリウム水溶液で弱アルカリ性
(pH9)にし、7日間透析した。遠心分離により水溶部
と不溶部にわけ、水溶部を減圧蒸発したのち凍結乾燥
し、目的のキトサン・ヒドロキシエチルセルロース縮合
体4.1gを得た。その元素分析値はC44.05%、H7.11%、N
0.47%であった。
(pH9)にし、7日間透析した。遠心分離により水溶部
と不溶部にわけ、水溶部を減圧蒸発したのち凍結乾燥
し、目的のキトサン・ヒドロキシエチルセルロース縮合
体4.1gを得た。その元素分析値はC44.05%、H7.11%、N
0.47%であった。
実施例 3 実施例2において反応を室温で3.5日間行った場合、
得られたキトサン・ヒドロキシエチルセルロース縮合体
は3.5gであった。その元素分析値はC43.2%、H7.07%、
N0.09%であった。
得られたキトサン・ヒドロキシエチルセルロース縮合体
は3.5gであった。その元素分析値はC43.2%、H7.07%、
N0.09%であった。
Claims (1)
- 【請求項1】キトサンとヒドロキシエチルセルロースを
反応させてシッフ塩基を形成させたのち還元することを
特徴とするキトサン・ヒドロキシエチルセルロース縮合
体の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63297924A JP2529729B2 (ja) | 1988-11-25 | 1988-11-25 | キトサン誘導体の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63297924A JP2529729B2 (ja) | 1988-11-25 | 1988-11-25 | キトサン誘導体の製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02145602A JPH02145602A (ja) | 1990-06-05 |
JP2529729B2 true JP2529729B2 (ja) | 1996-09-04 |
Family
ID=17852853
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63297924A Expired - Lifetime JP2529729B2 (ja) | 1988-11-25 | 1988-11-25 | キトサン誘導体の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2529729B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH1067804A (ja) * | 1996-08-29 | 1998-03-10 | Wakunaga Pharmaceut Co Ltd | キトサン誘導体およびその製造法並びにその用途 |
WO1999001479A1 (en) * | 1997-07-03 | 1999-01-14 | National Starch And Chemical Investment Holding Corporation | Chitosan derivatives and methods of manufacturing the same |
DE102006020035A1 (de) | 2006-04-26 | 2007-10-31 | B. Braun Melsungen Ag | Herstellung und Verwendung von Poly(hydroxyethylstärke)chitin- und Poly(Carboxymethylstärke)chitin-Verbindungen |
-
1988
- 1988-11-25 JP JP63297924A patent/JP2529729B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02145602A (ja) | 1990-06-05 |
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