JP2002300847A - 食品の加工・保存方法および加工食品 - Google Patents

食品の加工・保存方法および加工食品

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JP2002300847A JP2001106333A JP2001106333A JP2002300847A JP 2002300847 A JP2002300847 A JP 2002300847A JP 2001106333 A JP2001106333 A JP 2001106333A JP 2001106333 A JP2001106333 A JP 2001106333A JP 2002300847 A JP2002300847 A JP 2002300847A
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Toshinori Saito
利則 齋藤
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Showa Denko Plastic Products Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低コストで鮮度の高い加工食品を提供する。 【解決手段】 調味料が加えられた食品を脱水シートに
接触させた状態で容器内に保持する加工工程と、その保
持状態を維持したままで冷蔵または冷凍保存する保存工
程とを有する食品の加工・保存方法である。また、前記
容器は、加工食品の利用者に応じて設計されていること
が好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、食品の加工・保存
方法および加工食品に関する。
【0002】
【従来の技術】高浸透圧物質である水飴などを、ポリビ
ニルアルコールからなる半透膜で挟持したような脱水シ
ートは、従来より魚肉などの食品の加工に使用されてい
る。例えば、魚肉に塩を振りかけ、これを脱水シートで
包んだり挟んだりすることによって、魚肉中の水分を脱
水し、魚の干物を製造することができる。このような方
法によれば、常温あるいは冷蔵温度でも干物を製造で
き、従来の乾燥器を使用する方法、天日干しによる方
法、灰干しによる方法などに比べて、低温で衛生的に、
鮮度を保った状態で干物が得られる。また、魚肉に味
噌、味醂、醤油、粕などの調味料を加え、同様に脱水シ
ートで包んだり挟んだりすることによって、魚肉中の水
分の脱水と調味料の漬け込みを同時に行えるため、調味
料の魚肉への浸透性が向上し、少量の調味料により短時
間で効率的に漬魚を製造できる。その他に、調味料とし
て燻製風の香りの香料を含有する燻液を使用した燻製の
製造も行われている。
【0003】脱水シートは、このような食品加工の他、
食品の冷蔵・冷凍保存や冷蔵・冷凍輸送などにも使用さ
れている。魚肉などの食品を冷凍する場合、冷凍前に脱
水シートを使用して余分な水分を除去することによって
魚肉の凍結破壊を抑制して、食品の品質を高く維持でき
る。また、あらかじめ脱水シートを使用して、ドリップ
に相当する余分な水分を脱水しておくことによって、解
凍時や冷蔵時におけるドリップの発生も抑えることがで
きる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うに食品の加工、冷凍・冷蔵保存、輸送のそれぞれの工
程で脱水シートを用いようとすると、各工程ごとに脱水
シートを用意して、食品を包んだり、食品から取り外し
たりする必要があった。このようにそれぞれの工程ごと
に脱水シートを使用すると、脱水シートのコストが高く
なるうえ、手間もかかる。また、脱水シートの廃棄量が
多くなるという問題もあった。
【0005】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、低コストで鮮度の高い加工食品を提供することを課
題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の食品の加工・保
存方法は、調味料が加えられた食品を脱水シートに接触
させた状態で容器内に保持する加工工程と、その保持状
態を維持したままで冷蔵または冷凍保存する保存工程と
を有することを特徴とする。前記保存工程は、冷凍によ
ることが好ましい。前記容器は、加工食品の利用者に応
じて設計されていることが好ましい。前記保存工程に
は、加工された前記食品をその保持状態を維持し冷蔵ま
たは冷凍保存しながら輸送する輸送工程が含まれていて
もよい。本発明の食品の加工・保存方法は、魚肉の加工
・保存に適していて、特に加工工程が、干物製造工程、
漬魚製造工程、燻製魚製造工程のいずれか1種である場
合に適している。本発明の加工食品は、調味料が加えら
れた食品が脱水シートに接触した状態で容器内に保持さ
れて加工され、その保持状態のままで冷蔵または冷凍保
存されたことを特徴とする。前記保存は、冷凍によるこ
とが好ましい。前記容器は、加工食品の利用者に応じて
設計されていることが好ましい。また、前記食品として
は魚肉が適している。また、加工食品としては干物、漬
魚、燻製魚のいずれか1種が適している。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の食品の加工・保存方法は、調味料が加えられた
食品を脱水シートに接触させた状態で容器内に保持する
加工工程を有する。加工工程で使用する調味料としては
特に制限はなく、塩、砂糖、味噌、味醂、醤油、酒、粕
などを例示でき、これらを混合して使用してもよい。ま
た、燻製風の香りの香料と、食塩、砂糖、各種香辛料な
どが必要に応じて混合された燻液を使用することもでき
る。食品としても特に制限はなく、魚肉、牛肉、鶏肉、
豚肉などの食肉のほか、野菜、果物などを使用できる。
加工工程としては、例えば干物製造工程、漬魚製造工
程、燻製魚製造工程などが例示できる。すなわち、食品
として魚肉を使用し、この魚肉に調味料として塩を振り
塩、立て塩などの方法で加えると、魚の干物を製造する
ことができる。また、調味料として味噌、味醂、醤油、
粕などを使用すると、漬魚を製造できる。さらには、調
味料として燻液を使用することによって、燻製魚を製造
することもできる。なお、加工工程は常温で行っても良
いが冷蔵温度で行うと、食品の鮮度をより維持できる。
【0008】食品は、加工工程の前にあらかじめ前処理
をして可食部のみとしておくことが好ましい。例えば食
品が魚肉の場合には、あらかじめ魚の頭部、ヒレ、骨、
内蔵などを除去しておくことが好ましい。このように不
要部を除去しておくことによって、後の工程で発生する
廃棄物量を減らすことができるとともに、後の保存工程
において保存スペースを有効に使用することができる。
【0009】このように食品に調味料を加え、これを脱
水シートに接触させ容器内に保持することによって、食
品中の余分な水分を脱水シートで除去しながら調味料を
内部に浸透させることができる。その結果、食品への調
味料の浸透性が向上するとともに、余分な水によって調
味料が希釈されることもなく、少量の調味料によって短
時間で効率的に食品を加工することができる。また、余
分な水を除去しつつ加工することによって鮮度も維持で
きる。さらに、この加工工程でこのように余分な水分を
除去しておくことによって、後の保存工程においてこれ
を冷凍保存した場合の凍結破壊や、冷蔵保存した場合の
ドリップも防止できる。また、このような方法を使用す
ると、例えば干物を直接外気に曝さず、冷蔵温度でも製
造できるので、従来の乾燥器を使用する方法、天日干し
による方法、灰干しによる方法などに比べて衛生的で、
得られる干物の鮮度も高い。また、天日干しによる方
法、灰干しによる方法などの場合には、魚肉が腐敗しな
いように一定量以上の塩を加える必要があるが、このよ
うな方法によれば冷蔵しながら干物を製造できるので、
塩分を過剰に使用しなくても魚肉の腐敗を防止できる。
【0010】調味料が加えられた食品を、脱水シートに
接触させた状態で容器内に保持する具体的な方法として
は特に制限はなく、調味料が塗布あるいは振りかけられ
た食品を脱水シートで挟んだり包んだりした後、これを
容器内に入れて保持する方法や、容器に脱水シートを敷
いて、その上に調味料が塗布あるいは振りかけられた食
品を載置する方法が挙げられる。また、脱水シート上に
食品を載置した後、その上にさらに脱水シートと食品と
を交互に順次載置してもよい。この場合には、食品の段
数を1〜3段とすることが好ましい。3段を超えると、
容器内の食品温度を均一に温度管理できなくなる場合が
ある。なお、長い脱水シートを使用して、これを繰りか
えし折り返して、その間に調味料が加えられた食品を挟
むようにしてもよい。また、脱水シートから形成された
袋を使用し、これに調味料が加えられた食品を個別に入
れても良い。
【0011】脱水シートとしては、食品の内部から水分
を除く脱水能力を有したものであれば制限はなく、2枚
の半透膜の間に高浸透圧物質が挟持された浸透圧脱水シ
ートなどを例示できる。高浸透圧物質としては、10気
圧以上の浸透圧を有する水飴、砂糖、異性化糖、グルコ
ース、フラクトース、マンニトール、ソルビトール、還
元水飴などの糖類の水溶液や、グリセリン、プロピレン
グリコールなどが挙げられる。また、これらの高浸透圧
物質を使用する場合には、高浸透圧物質が吸水した場合
でも、一定の粘度を維持するように特公平4−3349
1号公報に開示されているような水溶液糊料を、高浸透
圧物質に添加して使用することが好ましい。半透膜とし
ては、普通セロファン、普通セロファンと紙との積層フ
ィルム、ポリビニルアルコールフィルム、コロジオン
膜、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム、ポリアミ
ドフィルムなどが例示できる。これらの中では、ポリビ
ニルアルコールフィルムが好ましい。
【0012】また、脱水シートの他の例としては、吸水
層と、その少なくとも一方の面に備えられた透水材とか
らなる脱水シートが挙げられる。吸水層は、高吸水性物
質である高分子吸水剤や、毛細管現象で吸水可能な物質
などから構成される。また、吸水層にはグリセリンやプ
ロピレングリコールなどの多価アルコールからなる吸湿
剤を添加して、吸湿能を向上させてもよい。高分子吸収
剤としては、一般に生理用品、紙おむつ、土壌改良剤な
どに使用されているものが使用できる。具体的には、澱
粉、セルロースなどのような多糖類に対して、水溶性ま
たは加水分解により水溶性となる重合性モノマー、また
はこの重合性モノマーのオリゴマー、コオリゴマーをグ
ラフト重合させ、必要に応じて加水分解させて得られた
親水性ポリマーを、架橋剤によって三次元構造としたも
のが挙げられる。なお、重合性モノマーとしては、アク
リル酸、メタクリル酸、マレイン酸、これらの塩やエス
テル、アミドなどの誘導体、アクリロニトリルなどが例
示できる。さらに高分子吸収剤としては、ポリエチレン
オキシド、ポリプロピレンオキシドなどのポリアルキレ
ンオキシド、ポリ−N−ビニルピロリドン、ポリ-N-ビ
ニルアセトアミド、ポリ−N−ビニルホルムアミドなど
のN−ビニル化合物の重合体、ポリアクリル酸やポリメ
タクリル酸およびその塩、エステル、アミドなどの誘導
体、ポリアクリルアミドなどの親水性ポリマーを架橋剤
によって三次元構造としたものが挙げられる。これらの
高分子吸水剤は、粉状、繊維状などの形態で、あるい
は、パルプや不織布で挟持されたり担持された形態で使
用できる。
【0013】毛細管現象を利用した物質としては、繊維
間隔が500μm以下の綿状、布状、不織布状の物質、
あるいは連続気泡(連続多孔質物質)を持つ発泡体など
表面積が大きく、毛細管を形成し、水分を保持するよう
な構造を有するものであればよい。さらには親水性の素
材であれば一層好ましい。具体的には、パルプ、木綿、
ポリアミド繊維、ポリビニルアルコール繊維などの親水
性繊維を綿状に集めたもの、合成繊維の不織布、発泡ウ
レタンなどの合成樹脂の連続気泡型の発泡体などが好ま
しい。透水材としては、紙、パルプ、布、不織布、連続
気泡の発泡体や、ポリオレフィンフィルムなどの非透水
性フィルムに多数の小孔を設けたものなどが挙げられ
る。
【0014】以上例示した脱水シートのうちでは、2枚
の半透膜の間に高浸透圧物質が挟持された浸透圧脱水シ
ートがより好ましい。このような脱水シートを使用する
と、食品内部から均一に脱水することができる。
【0015】また、本発明においては、吸水能力の高い
高吸水能力の脱水シートを使用することが好ましい。こ
こで、高吸水能力な脱水シートとは、加工工程で食品か
ら水分を脱水しても、後の保存工程で食品から発生する
ドリップなどをさらに吸水する能力を備えているもので
ある。このような高吸水能力な脱水シートとしては、半
透膜である2枚のポリビニルアルコールフィルムの間
に、高浸透圧物質が2mol/m2 以上、好ましくはコ
ストの面から2〜8mol/m2 封入されているような
浸透圧脱水シートを例示できる。
【0016】本発明においては、調味料が加えられた食
品を上述のような脱水シートに接触させた状態でこれを
容器内に一定時間、常温または冷蔵温度で保持すること
により、食品を加工し、その保持状態を維持したまま、
すなわち、容器から脱水シートを取り出したり、加工さ
れた食品を他の容器に移し替えたりすることなく、冷蔵
または冷凍保存する保存工程を行う。ここで、保存工程
は、冷蔵保存によっても冷凍保存によってもよいが、冷
凍保存が好ましい。冷凍保存することによって、水分や
調味料の移動を停止させて、加工の過度な進行をより確
実に止めることができる。このようにして加工工程と保
存工程を行うことによって、加工工程で使用した脱水シ
ートをそのまま保存工程でも引き続き使用することがで
きる。よって、余分な水分を除去しながら、少量の調味
料で効率的に加工工程を行った後、さらに、同じ脱水シ
ートで余分な水分を除去し、冷凍時の凍結破壊や、解凍
時、冷蔵時のドリップ発生を抑えながら保存工程を行う
ことができる。したがって、保存工程後にも加工工程直
後の鮮度がそのまま維持された高品質な加工食品を得る
ことができる。また、加工工程で使用した脱水シートを
取り外す必要がなく、同じ脱水シートをそのまま保存工
程でも使用できるので、脱水シートのコストを半減でき
るとともに、脱水シートの取り外しや食品の詰め替えな
どの手間もかからない。
【0017】さらに保存工程中に、食品をその保持状態
を維持し冷蔵または冷凍保存しながら輸送する輸送工程
を行う場合にも、同様に同じ脱水シートを使用し続ける
ことができる。よって、ドリップによって食品の表面に
水分が発生したような場合でも、水分を効果的に除去す
ることができる。また、このように効果的に水分を除去
できるので、海外などから長時間、長距離の輸送を行う
場合にも、鮮度を高く維持できる。このように、調味料
が加えられた食品を脱水シートに接触させた状態で容器
内に保持する加工工程と、加工食品をその保持状態を維
持したままで冷蔵または冷凍保存する保存工程とを行う
ことにより、鮮度のよい食品を低価格で消費者に提供す
ることが可能となる。
【0018】なお、加工工程および保存工程において
は、設定温度を変更することによって冷蔵と冷凍の両方
を行える冷蔵・冷凍装置を使用して、加工工程と保存工
程とをこの冷蔵・冷凍装置内で連続的に行ってもよい。
また、架台や台車を使用し、この上に食品が入った複数
の容器を載置することによって、例えば加工工程を冷蔵
装置内で行った後に、保存工程を別の冷凍装置内で行う
ような場合でも、冷蔵装置と冷凍装置間の運搬を容易に
行うことができる。
【0019】ここで食品を保持する容器としては熱伝導
性が良く、比較的短時間で食品に冷気を伝導可能なもの
であれば、その大きさ、材質、形状などには制限はな
く、食品の種類や量に応じて適宜設定できる。例えば、
リサイクル性を有し、安価であり、廃棄する場合にも廃
棄処理が簡単な耐水性ボール紙の箱型の容器などが好ま
しい。また、再利用することを想定して、金属やプラス
チックからなるトレー、コンテナなどを使用してもよ
い。また、スタッキング性のあるものや、折り畳める形
態のものを用いて、取扱性を高めることもできる。さら
に、通気口が形成された容器や、表面積の大きな容器、
例えば、高さが小さく扁平な容器などを使用すると、熱
伝導性が向上し好ましい。また、容器には、調味料の漏
れを防ぐためにポリエチレン製の内袋などを備えてもよ
い。加工工程および保存工程を、このような容器内に食
品を保持した状態で行うと、容器ごと積み重ねて運搬し
たり保存したりできるので、取扱性の点から好ましい。
【0020】さらに、本発明においては容器として、特
に、加工食品の利用者に応じて設計されたものを使用す
ることが好ましい。例えば、食品が加工工程および保存
工程の後、小売業者に卸され、スーパーなどの小売店で
販売される場合には、あらかじめ小売店で販売されるこ
とを想定して、少量の食品を保持することが可能な容
器、例えば数切れの食肉が入るような小型の容器を加工
工程で使用する。一方、食品が加工工程および保存工程
の後、料理店などに出荷される場合には、その料理店の
ニーズに応じた量の食品が入るような大きさの容器を加
工工程で使用する。このように加工工程において、食品
の利用者に応じてあらかじめ設計された容器を使用する
ことによって、加工工程から保存工程はもちろん、保存
工程後に利用者に届くまで、食品を別の容器に移し替え
たり、小分けしたりする必要が全くなくなり、そのまま
の形態で小売店の店頭に陳列して消費者に販売したり、
料理店に提供したりできる。また、脱水シートを、食品
が利用者に届くまで最大限有効に利用でき効率的である
とともに、食品が利用者に届くまでその鮮度を高く維持
することができる。また、各工程でそれぞれ別の脱水シ
ートを使用する場合にくらべて、手間がかからず低コス
トであるとともに、廃棄物量も最低限に抑えることがで
きる。さらに、食品を別の容器に移し替えたり、小分け
したりする必要がないので、衛生的であるとともに、在
庫管理が容易で、賞味期限管理なども簡便に行える。賞
味期限管理が簡便に実施できると、期限切れにより廃棄
される食品量が減り好ましい。
【0021】このような食品の加工・保存方法によれ
ば、調味料が加えられた食品を脱水シートに接触させた
状態で容器内に保持する加工工程と、その保持状態を維
持したままで冷蔵または冷凍保存する保存工程とを有す
るので、加工工程で使用した脱水シートを保存工程でも
引き続き使用でき、加工工程を効率的、かつ衛生的に行
った後、加工工程直後の鮮度を落とすことなく、保存工
程を行うことができる。すなわち、このような食品の加
工・保存方法によれば、脱水シートを取り替えたり、容
器を移し替えたりすることなく、少ない手間で低コスト
に、高品質な食品を提供することができる。また、容器
として、特に、加工食品の利用者に応じて設計されたも
のを使用することによって、脱水シートを非常に有効に
利用でき、廃棄物量を減らすことができるとともに、よ
り鮮度の高い食品を利用者に提供できる。このような方
法によれば、食品の鮮度を高く維持したまま利用者に提
供できるので、特に鮮度の重要な魚肉への使用に最適で
ある。
【0022】
【実施例】以下、本発明を具体例を挙げて説明する。 [実施例1]以下のようにしてアジの干物を製造した。
底面が50cm×35cmで高さが5cmの耐水性ボー
ル紙の箱型の容器を用意し、この底に50cm×70c
mの高吸水能力の脱水シート(2枚のポリビニルアルコ
ールフィルムの間に、高浸透圧物質が2mol/m2
入された脱水シート)を2つ折りにして敷いた。そし
て、ゼイゴを取ったアジを三枚におろして軽く洗浄し、
軽く塩をふった後、脱水シート上に並べた。さらに上か
ら同じ脱水シートを被せた後、容器にフタをした。この
ような容器をパレットの上に一定の間隔をあけて複数並
べ、それぞれの上に容器を10段積み上げた。これらを
5℃に温度制御された冷蔵庫内に入れて一晩放置した
後、−20℃に温度制御された冷凍庫内にパレットごと
移し入れ、凍結した。その後これを料理店に卸し、そこ
で常温解凍したところ、鮮度が高く、高品質で、美味な
アジの干物が得られた。
【0023】[実施例2]以下のようにしてタイの味噌
漬を製造した。底面が50cm×35cmで高さが5c
mの耐水性ボール紙の箱型の容器を用意し、この底に1
10cm×80cmのポリエチレン製シートを敷き、そ
の上に50cm×70cmの高吸水能力の脱水シート
(2枚のポリビニルアルコールフィルムの間に、高浸透
圧物質が2mol/m2 封入された脱水シート)を2つ
折りにして敷いた。その上に味噌を塗り、タイの切り身
を並べた。この切り身の上にさらに味噌を塗り、その上
に同じ脱水シートを敷いた。そして、底に敷いたポリエ
チレン製シートを折り返して上部を覆った後、容器にフ
タをした。このような容器をパレットの上に一定の間隔
をあけて複数並べ、それぞれの上に容器を10段積み上
げた。これらを5℃に温度制御された冷蔵庫内に入れて
一晩放置した後、−20℃に温度制御された冷凍庫内に
パレットごと移し入れ、凍結した。その後、これを料理
店に卸し、常温解凍したところ、鮮度が高く、高品質
で、美味なタイの味噌漬が得られた。
【0024】[実施例3]以下のようにして鮭の燻製を
製造した。底面が50cm×35cmで高さが5cmの
耐水性ボール紙の箱型の容器を用意し、この底に50c
m×70cmの高吸水能力の脱水シート(2枚のポリビ
ニルアルコールフィルムの間に、高浸透圧物質が2mo
l/m2 封入された脱水シート)を2つ折りにして敷い
た。そして、鮭のフィレに燻液を塗り、軽く塩をふった
後、脱水シート上に並べた。さらに上から同じ脱水シー
トを被せた後、容器にフタをした。このような容器をパ
レットの上に一定の間隔をあけて複数並べ、それぞれの
上に容器を10段積み上げた。これらを5℃に温度制御
された冷蔵庫内に入れて一晩放置した後、−20℃に温
度制御された冷凍庫内にパレットごと移し入れ、凍結し
た。その後これを料理店に卸し、そこで常温解凍したと
ころ、鮮度が高く、高品質で、美味な鮭の燻製が得られ
た。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように本発明の食品の加工
・保存方法によれば、調味料が加えられた食品を脱水シ
ートに接触させた状態で容器内に保持する加工工程と、
その保持状態を維持したままで冷蔵または冷凍保存する
保存工程とを有するので、脱水シートを取り替えたり、
容器を移し替えたりすることなく、少ない手間かつ低コ
ストで、高品質な食品を提供することができる。また、
容器として、特に、加工食品の利用者に応じて設計され
たものを使用することによって、脱水シートを非常に有
効に利用でき、廃棄物量を減らすことができるととも
に、より鮮度の高い食品を利用者に提供できる。このよ
うにして製造された本発明の加工食品は、安価であるう
え、鮮度が高く美味である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4B042 AC09 AD05 AD11 AD12 AG12 AG16 AH01 AK01 AK17 AP16 AP17 AP18 AP19

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 調味料が加えられた食品を脱水シートに
    接触させた状態で容器内に保持する加工工程と、 その保持状態を維持したままで冷蔵または冷凍保存する
    保存工程とを有することを特徴とする食品の加工・保存
    方法。
  2. 【請求項2】 前記保存工程は、冷凍によることを特徴
    とする請求項1に記載の食品の加工・保存方法。
  3. 【請求項3】 前記容器は、加工食品の利用者に応じて
    設計されていることを特徴とする請求項1または2に記
    載の食品の加工・保存方法。
  4. 【請求項4】 前記保存工程には、前記加工食品をその
    保持状態を維持し冷蔵または冷凍保存しながら輸送する
    輸送工程が含まれることを特徴とする請求項1ないし3
    のいずれかに記載の食品の加工・保存方法。
  5. 【請求項5】 前記食品が魚肉であることを特徴とする
    請求項1ないし4のいずれかに記載の食品の加工・保存
    方法。
  6. 【請求項6】 前記加工工程は、干物製造工程、漬魚製
    造工程、燻製魚製造工程のいずれか1種であることを特
    徴とする請求項5に記載の食品の加工・保存方法。
  7. 【請求項7】 調味料が加えられた食品が脱水シートに
    接触した状態で容器内に保持されて加工され、その保持
    状態のままで冷蔵または冷凍保存されたことを特徴とす
    る加工食品。
  8. 【請求項8】 前記保存は、冷凍によることを特徴とす
    る請求項7に記載の加工食品。
  9. 【請求項9】 前記容器は、当該加工食品の利用者に応
    じて設計されていることを特徴とする請求項7または8
    に記載の加工食品。
  10. 【請求項10】 前記食品が魚肉であることを特徴とす
    る請求項7ないし9のいずれかに記載の加工食品。
  11. 【請求項11】 干物、漬魚、燻製魚のいずれか1種で
    あることを特徴とする請求項10に記載の加工食品。
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