JP2002296780A - 感光性樹脂組成物 - Google Patents

感光性樹脂組成物

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JP2002296780A
JP2002296780A JP2001100586A JP2001100586A JP2002296780A JP 2002296780 A JP2002296780 A JP 2002296780A JP 2001100586 A JP2001100586 A JP 2001100586A JP 2001100586 A JP2001100586 A JP 2001100586A JP 2002296780 A JP2002296780 A JP 2002296780A
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group
acid
meth
polymer
cyclic olefin
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JP2001100586A
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Junji Odemura
順司 小出村
Kohei Kawahara
耕平 川原
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Zeon Corp
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Nippon Zeon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 平坦性、耐熱性、透明性、耐薬品性等の諸性
能に優れるとともに、脱ガス性が良く、低誘電性に優
れ、微細なパターン状硬化膜を容易に形成することがで
きる感光性樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 環状オレフィン系重合体と、溶解制御剤
と、光酸発生剤と、架橋剤とを含有する感光性樹脂組成
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、感光性樹脂組成物
に関する。さらに詳しくは、電子部品に用いられる保護
膜等を形成するための材料、または層間絶縁膜、特に、
液晶表示素子、集積回路素子、固体撮像素子等の層間絶
縁膜を形成するための材料として好適な低誘電性の感光
性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子、集積回路素子、固体撮像
素子等の電子部品や、液晶ディスプレー用カラーフィル
ターなどには、その劣化や損傷を防止するための保護
膜、素子表面や配線を平坦化するための平坦化膜、電気
絶縁性を保つための絶縁膜等が設けられている。また、
薄膜トランジスタ型液晶表示素子や集積回路素子には、
層状に配置される配線の間を絶縁するために層間絶縁膜
が設けられている。しかし、従来知られている電子部品
用の絶縁膜形成用の熱硬化性材料を用いて、例えば層間
絶縁膜を形成する場合には、必要とするパターン形状の
層間絶縁膜を得るための工程数が多く、しかも十分な平
坦性を有する層間絶縁膜が得られないという問題がある
ため、微細なパターニングが可能な新しい感光性絶縁膜
形成材料の開発が求められてきた。また、近年、配線や
デバイスの高密度化にともない、これらの材料に低誘電
性が求められるようになってきた。
【0003】このような要求に対応して、エステル基含
有のノルボルネン系単量体を開環重合し、水素添加した
後、エステル基部分を加水分解して得られるアルカリ可
溶性環状オレフィン重合体と、キノンジアジド化合物
と、メチロールメラミン等の架橋剤とを含有する組成物
が提案された(特開平10−307388号公報)。し
かし、この組成物による被膜は電気特性に優れるもの
の、加熱時に変色及びガス生成が起きて透明性及び密着
性に欠けることがあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、平坦
性、耐熱性、低誘電性、耐薬品性等の諸性能のバランス
に優れるとともに、脱ガス性が良く、密着性及び透明性
に優れ、微細なパターン状硬化膜を容易に形成すること
ができるポジ型感光性樹脂組成物を提供することにあ
る。本発明者らは、上記目的を達成するべく検討した結
果、環状オレフィン系重合体と、それのアルカリ水性液
に対する溶解性を制御する溶解制御剤と、光酸発生剤と
を有し、架橋体を形成し得る組成物を用いることによっ
て、本発明の目的を達成できることを見出し、この知見
に基づいて本発明を完成するに到った。
【0005】
【課題を解決するための手段】かくして本発明によれ
ば、(1)環状オレフィン系重合体と、溶解制御剤と、
光酸発生剤と、架橋剤とを含有する感光性樹脂組成物
(第一発明組成物)、(2)重合性不飽和基を含有する
環状オレフィン系重合体と、溶解制御剤と、光酸発生剤
とを含有する感光性樹脂組成物(第二発明組成物)、及
び、(3)上記(1)又は(2)記載の感光性樹脂組成
物を架橋してなる硬化膜を有する電子部品、が提供され
る。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明(上記第一発明又は第二発
明及びこれらを用いてなる硬化膜を有する電子部品の発
明)で使用する環状オレフィン系重合体は、脂環式構造
を有するオレフィン(以下、「環状オレフィン」という
ことがある。)由来の繰り返し単位を含有する重合体で
ある。脂環式構造としては、シクロアルカン構造やシク
ロアルケン構造などが挙げられるが、機械的強度、耐熱
性などの観点から、シクロアルカン構造、殊にノルボル
ナン構造が好ましい。また、脂環式構造としては、単環
及び多環(縮合多環、橋架け環、これらの組み合わせ多
環など)が挙げられる。脂環式構造を構成する炭素原子
数は、格別な制限はないが、通常4〜30個、好ましく
は5〜20個、より好ましくは5〜15個の範囲である
ときに、機械的強度、耐熱性、及び成形性の諸特性が高
度にバランスされ好適である。また、本発明で使用され
る環状オレフィン系重合体は、通常、熱可塑性のもので
ある。
【0007】環状オレフィン系重合体中の環状オレフィ
ン由来の繰り返し単位の割合は、使用目的に応じて適宜
選択されるが、通常30〜100重量%、好ましくは5
0〜100重量%、より好ましくは70〜100重量%
である。環状オレフィン由来の繰り返し単位の割合が過
度に少ないと、耐熱性に劣り好ましくない。
【0008】環状オレフィン系重合体は、通常、環状オ
レフィンを付加重合又は開環重合し、必要に応じて不飽
和結合部分を水素化することによって得られる。或い
は、環状オレフィン系重合体は、芳香族オレフィンを付
加重合し、該重合体の芳香環部分を水素化することによ
って得られる。
【0009】環状オレフィン系重合体を得るために使用
される環状オレフィンとしては、ビシクロ〔2.2.
1〕−ヘプト−2−エン(慣用名:ノルボルネン)、5
−メチル−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エ
ン、5,5−ジメチル−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプ
ト−2−エン、5−エチル−ビシクロ〔2.2.1〕−
ヘプト−2−エン、5−ブチル−ビシクロ〔2.2.
1〕−ヘプト−2−エン、5−ヘキシル−ビシクロ
〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5−オクチル−ビ
シクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5−オクタ
デシル−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、
5−エチリデン−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2
−エン、5−メチリデン−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘ
プト−2−エン、5−ビニル−ビシクロ〔2.2.1〕
−ヘプト−2−エン、
【0010】5−プロペニル−ビシクロ〔2.2.1〕
−ヘプト−2−エン、5−メトキシ−カルビニル−ビシ
クロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5−シアノ−
ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5−メチ
ル−5−メトキシカルボニル−ビシクロ〔2.2.1〕
−ヘプト−2−エン、5−エトキシカルボニル−ビシク
ロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、ビシクロ〔2.
2.1〕−ヘプト−5−エニル−2−メチルプロピオネ
イト、ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−5−エニル−
2−メチルオクタネイト、
【0011】ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エ
ン−5,6−ジカルボン酸無水物、5−ヒドロキシメチ
ルビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5,6
−ジ(ヒドロキシメチル)−ビシクロ〔2.2.1〕−
ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシ−i−プロピルビシ
クロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5,6−ジカ
ルボキシ−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エ
ン、ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン−5,
6−ジカルボン酸イミド、5−シクロペンチル−ビシク
ロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5−シクロヘキ
シル−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5
−シクロヘキセニル−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト
−2−エン、5−フェニル−ビシクロ〔2.2.1〕−
ヘプト−2−エン、
【0012】トリシクロ〔4.3.0.12,5 〕デ
カ−3,7−ジエン(慣用名:ジシクロペンタジエ
ン)、トリシクロ〔4.3.0.12,5 〕デカ−3
−エン、トリシクロ〔4.4.0.12,5 〕ウンデ
カ−3,7−ジエン、トリシクロ〔4.4.0.1
2,5 〕ウンデカ−3,8−ジエン、トリシクロ
〔4.4.0.12,5 〕ウンデカ−3−エン、テト
ラシクロ〔7.4.0.110,1
2,7 〕−トリデカ−2,4,6−11−テトラエ
ン(別名:1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テト
ラヒドロフルオレン)、テトラシクロ〔8.4.0.1
11,14 .02,8 〕−テトラデカ−3,5,
7,12−11−テトラエン(別名:1,4−メタノ−
1,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロアント
ラセン)、
【0013】テトラシクロ〔4.4.0.12,5
7,10〕−ドデカ−3−エン(慣用名:テトラシク
ロドデセン)、8−メチル−テトラシクロ〔4.4.
0.1 2,5 .17,10〕−ドデカ−3−エン、8
−エチル−テトラシクロ〔4.4.0.12,5 .1
7,10〕−ドデカ−3−エン、8−メチリデン−テト
ラシクロ〔4.4.0.12,5 .17,10〕−ド
デカ−3−エン、8−エチリデン−テトラシクロ〔4.
4.0.12,5 .17,10〕−ドデカ−3−エ
ン、8−ビニル−テトラシクロ〔4.4.0.1
2,5 .17,10〕−ドデカ−3−エン、8−プロ
ペニル−テトラシクロ〔4.4.0.12,5 .1
7,10〕−ドデカ−3−エン、8−メトキシカルボニ
ル−テトラシクロ〔4.4.0.12,5 .1
7,10〕−ドデカ−3−エン、8−メチル−8−メト
キシカルボニル−テトラシクロ〔4.4.0.1
2,5 .17,10〕−ドデカ−3−エン、8−ヒド
ロキシメチル−テトラシクロ〔4.4.0.12,5
7,10〕−ドデカ−3−エン、8−カルボキシ−テ
トラシクロ〔4.4.0.12,5 .17,10〕−
ドデカ−3−エン、
【0014】8−シクロペンチル−テトラシクロ〔4.
4.0.12,5 .17,10〕−ドデカ−3−エ
ン、8−シクロヘキシル−テトラシクロ〔4.4.0.
2, .17,10〕−ドデカ−3−エン、8−シ
クロヘキセニル−テトラシクロ〔4.4.0.1
2,5 .17,10〕−ドデカ−3−エン、8−フェ
ニル−テトラシクロ〔4.4.0.12,5 .1
7,10〕−ドデカ−3−エン、ペンタシクロ〔6.
5.1.13,6 .02,7 .09,13〕ペンタ
デカ−3,10−ジエン、ペンタシクロ〔7.4.0.
3,6 .110,13 .02,7 〕−ペンタデ
カ−4,11−ジエン、
【0015】5−フェニルビシクロ〔2.2.1〕ヘプ
トー2−エン、テトラシクロ〔6.5.0.
2,5 .08、13〕トリデカー3,8,10,1
2−テトラエン(1,4−メタノー1,4,4a,9a
−テトラヒドロフルオレンともいう)、テトラシクロ
〔6.6.0.12,5 .18,13〕テトラデカー
3,8,10,12−テトラエン(1,4−メタノー
1,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロアント
ラセンともいう)のごときノルボルネン系単量体;
【0016】シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘ
キセン、3,4−ジメチルシクロペンテン、3−メチル
シクロヘキセン、2−(2−メチルブチル)−1−シク
ロヘキセン、シクロオクテン、3a,5,6,7a−テ
トラヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデン、シクロ
ヘプテンのごとき単環のシクロアルケン;ビニルシクロ
ヘキセンやビニルシクロヘキサンのごときビニル系脂環
式炭化水素系単量体;シクロペンタジエン、シクロヘキ
サジエンのごとき脂環式共役ジエン系モノマー;などが
挙げられる。
【0017】芳香族オレフィンとしては、スチレン、α
−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、ビニルナフタレ
ン、ビニルトルエンなどが挙げられる。
【0018】環状オレフィン及び/又は芳香族オレフィ
ンは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせ
て用いることができる。環状オレフィン系重合体は、前
記環状オレフィン及び/又は芳香族オレフィンと、これ
らと共重合可能な単量体とを共重合して得られるもので
あってもよい。環状オレフィン又は芳香族オレフィンと
共重合可能な単量体としては、エチレン、プロピレン、
1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、3−メチル
−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル
−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチ
ル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、
4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−エチル−1−ヘ
キセン、3−エチル−1−ヘキセン、1−オクテン、1
−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキ
サデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンなどの炭
素数2〜20のエチレンまたはα−オレフィン;1,4
−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、
5−メチル−1,4−ヘキサジエン、1,7−オクタジ
エンなどの非共役ジエン;等が挙げられる。これらの単
量体は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わ
せて使用することができる。なお、α−オレフィンに
は、環状オレフィンの開環共重合に使用されると分子量
調整剤として機能するものもある。
【0019】環状オレフィン又は/及び芳香族オレフィ
ンの重合方法及び必要に応じて行われる水素添加の方法
は、格別な制限はなく、公知の方法に従って行うことが
できる。環状オレフィン系重合体としては、例えば、ノ
ルボルネン系単量体の開環重合体及びその水素添加物、
ノルボルネン系単量体の付加重合体、ノルボルネン系単
量体とビニル化合物との付加重合体、単環シクロアルケ
ン重合体、脂環式共役ジエン重合体、ビニル系脂環式炭
化水素重合体及びその水素添加物、芳香族オレフィン重
合体の芳香環水素添加物などが挙げられる。これらの中
でも、ノルボルネン系単量体の開環重合体及びその水素
添加物、ノルボルネン系単量体の付加重合体、ノルボル
ネン系単量体とビニル化合物との付加重合体、芳香族オ
レフィン重合体の芳香環水素添加物が好ましく、特にノ
ルボルネン系単量体の開環重合体の水素添加物が好まし
い。前記の環状オレフィン系重合体は、それぞれ単独
で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができ
る。
【0020】本発明で使用する環状オレフィン系重合体
は、アルカリ水性液に対して可溶性であっても、不溶性
であってもよい。環状オレフィン系重合体がアルカリ可
溶性である場合は、少なくとも極性基を含有することが
好ましい。かかる極性基としては、ヒドロキシル基、カ
ルボキシル基、アルコキシル基、エポキシ基、グリシジ
ル基、オキシカルボニル基、カルボニル基、アミド基、
エステル基、酸無水物基などが挙げられる。これらの極
性基のなかでも、カルボキシル基、エステル基、アミド
基、酸無水物基、ヒドロキシル基などの酸性基又は酸誘
導体型残基が好ましい。
【0021】環状オレフィン系重合体に極性基を導入す
るためには、例えば、該官能基を有する単量体を(共)
重合成分として(共)重合することによって、又は、前
記の単量体を重合して得られた環状オレフィン系重合体
に極性基含有化合物を変性反応によってグラフト変性す
ることによって行うことができる。本発明においては後
者の変性反応によって得られるものが好適である。
【0022】極性基を有する化合物の具体例としては、
アクリル酸、メタクリル酸、α−エチルアクリル酸、2
−ヒドロキシエチル(メタ)アクリル酸、マレイン酸、
フマール酸、イタコン酸、エンドシス−ビシクロ[2.
2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸、メ
チル−エンドシス−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5
−エン−2,3−ジカルボン酸などの不飽和カルボン酸
化合物及びこれらのエステル又はアミド;無水マレイン
酸、クロロ無水マレイン酸、ブテニル無水コハク酸、テ
トラヒドロ無水フタル酸、無水シトラコン酸などの不飽
和カルボン酸無水物などが挙げられる。
【0023】環状オレフィン系重合体と極性基を有する
化合物との変性反応は、公知の方法によって行うことが
できる。該変性反応は、通常、ラジカル開始剤の存在下
に環状オレフィン系重合体と極性基を有する化合物とを
共存させることにより行う。ラジカル開始剤としては、
ベンゾイルペルオキシド、ジクロルベンゾイルペルオキ
シド、ジクミルペルオキシド、ジ−tert−ブチルペ
ルオキシド、ラウロイルペルオキシド、tert−ブチ
ルペルアセテート、tert−ブチルペルベンゾエー
ト、tert−ブチルベルフェニルアセテート、ter
t−ブチルペルイソブチレ−ト、tert−ブチルペル
−sec−オクトエート、tert−ブチルペルピパレ
ート、クミルペルピパレート、tert−ブチルペルジ
エチルアセテートなどを挙げることができる。また、ア
ゾビスイソブチロニトリル、ジメチルアゾイソブチレー
トなどのアゾ化合物を挙げることができる。これらラジ
カル開始剤のうち有機ペルオキシド、有機ペルエステル
などが好適に使用される。これらのラジカル開始剤は、
それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用い
ることができる。ラジカル開始剤の使用割合は、環状オ
レフィン系重合体100重量部に対して通常0.001
〜50重量部、好ましくは0.01〜40重量部、より
好ましくは0.1〜30重量部の範囲である。
【0024】変性反応の条件は、特に限定されず、例え
ば、反応温度は、通常0〜400℃、好ましくは60〜
300℃、より好ましくは80〜200℃で、反応時間
は、通常1分〜24時間、好ましくは30分〜10時間
の範囲である。変性率は、重合体がアルカリ可溶性を呈
する程度にすることが好ましい。アルカリ可溶性を呈す
るためには、重合体中の総単量体単位数を基準として、
通常10〜200モル%、好ましくは30〜150モル
%、より好ましくは50〜100モル%、特に好ましく
は60〜80モル%の範囲である。変性率がこの範囲に
あるときに、低誘電性、透明性、耐熱性、耐溶剤性、現
像性及び表面硬度特性等の特性が高度にバランスされ好
適である。
【0025】変性率は、変性率=X×100(%)で表
される値であり、H−NMR測定に基づき算出する
ことができる。すなわち、H−NMR測定データか
ら極性基含有不飽和化合物由来の水素のピーク面積の総
和Aと、環状オレフィン系重合体グラフト変性物中の環
状オレフィン系重合体由来の水素のピーク面積の総和B
をそれぞれ求める。重合体変性反応で反応した極性基含
有不飽和化合物1分子が有する水素原子数をC、環状オ
レフィン系重合体の単量体1単位が有する水素原子をD
とすると、 (D−X)/(C×X)=B/A の関係がある。この式から変性率X(%)を知ることが
できる。例えば、極性基含有不飽和化合物が無水マレイ
ン酸の場合は、Cは3であり、環状オレフィン系重合体
がエチルテトラドデセン開環重合体水素化物の場合は、
Dは22である。
【0026】本発明に使用される環状オレフィン系重合
体が、酸無水物基を有する化合物又はエステル基を有す
る化合物を環状オレフィン系重合体に変性させたもので
ある場合には、変性反応で導入された酸無水物基又はエ
ステル基を加水分解又はアミド化することが好ましい。
加水分解又はアミド化するために使用する化合物とし
て、水;メチルアミン、エチルアミン、ブチルアミン、
ペンチルアミン、アリルアミン、ジアリルアミン、ビニ
ルアミン;ジメチルアミン、ジプロピルアミンのごとき
アミン;などが挙げられる。これらのうち、第一級アミ
ン、殊に不飽和炭素−炭素結合を有する第一級アミンが
好ましい。また、加水分解又はアミド化を促進させるた
めに使用する化合物として、水酸化カリウム、水酸化ナ
トリウム;トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ
ブチルアミン;トリフェニルホスフィン等が挙げられ
る。これらのうち、金属水酸化物が好ましい。
【0027】本第二発明組成物において使用される重合
性不飽和基を含有する環状オレフィン系重合体におけ
る、重合性不飽和基の代表例としては、炭素−炭素不飽
和二重結合を有する官能基が挙げられる。具体的には、
ビニル基、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル
基などが挙げられる。これらの重合性不飽和基を環状オ
レフィン系重合体に含有させる方法としては、例えば、
重合性不飽和基を有する単量体を(共)重合成分として
(共)重合する方法、又は、前記の単量体を重合して得
られた環状オレフィン系重合体に、重合性不飽和基含有
化合物を変性反応によって付加する方法が挙げられる。
本第二発明組成物においては後者の変性反応による方法
が好適である。変性反応で重合性不飽和基を含有させる
ためには、環状オレフィン系重合体として、酸性基又は
酸誘導体型残基を有するものを用いることが好ましい。
酸性基又は酸誘導体型残基があることによって重合性不
飽和基を有する化合物が変性反応しやすくなる。
【0028】変性反応に用いられる重合性不飽和基含有
化合物としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリ
レート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−
ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレ
ート、グリセドールジ(メタ)アクリレート、3−アク
リロイロキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリ
レート、2−アクリロイロキシエチルフタル酸、2−ア
クリロイロキシエチルコハク酸、2−アクリロイロキシ
エチル−2−ヒドロキシエチル−フタル酸、2−アクリ
ロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、ペンタエリス
リトールジ(メタ)アクリレートモノステアレート、ペ
ンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートのごとき
ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレート類;p−
アミノ安息香酸(メタ)アクリロイルエタノールエステ
ル、p−アミノ安息香酸トリス(メタ)アクリロイルペ
ンタエリスリトールエステルのごときアミノ基を有する
(メタ)アクリレート類;グリシジル(メタ)アクリレ
ート、シクロヘキセンオキサイド(メタ)アクリレート
(ダイセル社製 M−100、A200)のごときエポ
キシ基を有する(メタ)アクリレート類;などの(メ
タ)アクリレート;
【0029】エチレングリコールビニルエーテルのごと
きヒドロキシル基を有するビニルエーテル類;グリシジ
ルビニルエーテル、グリシジルビニルベンジルエーテル
のごときエポキシ基を有するビニルエーテル類;アリル
グリシジルエーテル;ビニルフェノールのごときヒドロ
キシル基を有するビニル化合物類;4−ビニル−1−シ
クロヘキセン−1,2−エポキシドのごときエポキシ基
を有するビニル化合物類;4−ビニルアニリンのごとき
アミノ基を有するビニル類;アリルアルコール、アリル
フェノールのごときヒドロキシル基を有するアリル化合
物類;アリルグリシジルエーテルのごときエポキシ基を
有するアリル化合物類;アリルアミン、アリルアニリン
のごときアミノ基を有するアリル化合物類;などが挙げ
られる。重合性不飽和基を有する化合物による変性反応
は、公知の方法によって行うことができる。該変性反応
は、通常、乾燥した溶媒中で反応温度0〜100℃、好
ましくは25〜80℃の範囲で行う。また、反応促進の
ためにアミン系又はリン系の触媒を用いることができ
る。さらにゲル化を抑制するために重合禁止剤(ハイド
ロキノン類等)を添加することもできる。
【0030】本発明組成物に使用される環状オレフィン
系重合体の分子量は、使用目的に応じて適宜選択される
が、トルエン,テトラヒドロフラン(THF)、クロロ
ホルム、ジメチルアセトアミドなどを溶媒とするゲルパ
ーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定さ
れるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)で、通
常3,000〜500,000、好ましくは5,000
〜100,000、より好ましくは7,000〜50,
000の範囲である。環状オレフィン系重合体の重量平
均分子量(Mw)がこの範囲にあるときに、現像性、平
坦性、耐溶剤性、耐熱性及び強度特性に特に優れ好適で
ある。本発明に使用される環状オレフィン系重合体のガ
ラス転移温度は、格別な限定はないが、通常50℃以
上、好ましくは80℃以上、より好ましくは100℃以
上であるときに耐熱性に優れ好適である。
【0031】本発明で用いる溶解制御剤は、環状オレフ
ィン系重合体のアルカリ水性液に対する溶解性を制御す
る性質を有する。溶解制御剤は酸解離性基を有する疎水
性の物質であるが、後述の光酸発生剤が酸を生成するこ
とにより、酸解離性基が解離して親水性に変じる。溶解
制御剤は、疎水性の物質である間は環状オレフィン系重
合体のアルカリ水性液に対する溶解性を抑止し、親水性
に変じると環状オレフィン系重合体の溶解性を促進す
る。すなわち、当初、溶解制御剤は環状オレフィン系重
合体と混合された状態では、アルカリ水性液を寄せつけ
ず、そのため溶解抑制剤として働く。一方、酸が供給さ
れると溶解制御剤は親水性に変じてアルカリ水性液を呼
び込むので、環状オレフィン系重合体をアルカリ水性液
に分散させる作用を有する。このとき、環状オレフィン
系重合体がアルカリ可溶性極性基を有すると、容易にア
ルカリ水性液に流出するので好ましい。このように、酸
の供給を受けると溶解制御剤は溶解促進剤として働く。
かかる溶解制御剤としては、例えば、フェノール性水酸
基、カルボキシル基等の酸性官能基に、酸の存在下で解
離しうる1種以上の基(以下、「酸解離性基」とい
う。)を導入した化合物を挙げることができる。このよ
うな酸解離性基としては、例えば、置換メチル基、1−
置換エチル基、シリル基、1−分岐アルキル基、ゲルミ
ル基、アルコキシカルボニル基、アシル基、環式酸解離
性基等の酸解離性基等を挙げることができる。
【0032】前記置換メチル基としては、例えば、メト
キシメチル基、メチルチオメチル基、エトキシメチル
基、メトキシエトキシメチル基、ベンジルオキシメチル
基、ベンジルチオメチル基、フェナシル基、ブロモフェ
ナシル基、メトキシフェナシル基、メチルチオフェナシ
ル基、シクロプロピルメチル基、ベンジル基、ジフェニ
ルメチル基、トリフェニルメチル基、ブロモベンジル
基、ニトロベンジル基、メトキシベンジル基、メチルチ
オベンジル基、エトキシベンジル基、エチルチオベンジ
ル基、ピペロニル基、メトキシカルボニルメチル基、エ
トキシカルボニルメチル基等を挙げることができる。ま
た、前記1−置換エチル基としては、例えば、1−メト
キシエチル基、1−エトキシエチル基、1−メチルチオ
エチル基、1−n−ブトキシエチル基、1,1−ジメト
キシエチル基、1−フェノキシエチル基、1−フェニル
チオエチル基、1,1−ジフェノキシエチル基、1−ベ
ンジルオキシエチル基、1−ベンジルチオエチル基、1
−シクロプロピルエチル基、1−フェニルエチル基、
1,1−ジフェニルエチル基、1−メトキシカルボニル
エチル基、1−エトキシカルボニルエチル基等を挙げる
ことができる。また、前記1−分岐アルキル基として
は、例えば、イソプロピル基、t−ブチル基、1,1−
ジメチルプロピル基等を挙げることができる。また、前
記シリル基としては、例えば、トリメチルシリル基、エ
チルジメチルシリル基、メチルジエチルシリル基、トリ
エチルシリル基、イソプロピルジメチルシリル基、メチ
ルジイソプロピルシリル基、トリイソプロピルシリル基
等を挙げることができる。また、前記ゲルミル基として
は、例えば、トリメチルゲルミル基、エチルジメチルゲ
ルミル基、メチルジエチルゲルミル基、トリエチルゲル
ミル基、イソプロピルジメチルゲルミル基、フェニルジ
メチルゲルミル基、メチルジフェニルゲルミル基等を挙
げることができる。
【0033】また、前記アルコキシカルボニル基として
は、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニ
ル基、イソプロポキシカルボニル基、t−ブトキシカル
ボニル基等を挙げることができる。前記アシル基として
は、例えば、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル
基、ヘプタノイル基、ヘキサノイル基、バレリル基、ピ
バロイル基、イソバレリル基、ラウリロイル基、ミリス
トイル基、パルミトイル基、ステアロイル基、オキサリ
ル基、マロニル基、スクシニル基、グルタリル基、アジ
ポイル基、ピペロイル基、スベロイル基、アゼラオイル
基、セバコイル基、アクリロイル基、プロピオロイル
基、メタクリロイル基、クロトノイル基、オレオイル
基、マレオイル基、フマロイル基、メサコノイル基、カ
ンホロイル基、ベンゾイル基、フタロイル基、テレフタ
ロイル基、ナフトイル基、メシル基等を挙げることがで
きる。前記環式酸解離性基としては、例えば、シクロプ
ロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シク
ロヘキセニル基、4−メトキシシクロヘキシル基等の脂
環式骨格を有する基のほか、テトラヒドロピラニル基、
メチルテトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル
基、メチルテトラヒドロフラニル基、テトラヒドロチオ
フラニル基、3−ブロモテトラヒドロピラニル基等を挙
げることができる。これらの酸解離性基のうち、1−メ
トキシエチル基、1−エトキシエチル基、1−n−ブト
キシエチル基、t−ブチル基、t−ブトキシカルボニル
基、テトラヒドロピラニル基、メチルテトラヒドロピラ
ニル基、テトラヒドロフラニル基、メチルテトラヒドロ
フラニル基等が好ましい。
【0034】溶解制御剤は、低分子化合物のものと高分
子化合物のものとがある。溶解制御剤は、単独でまたは
2種以上を混合して使用することができ、また、低分子
化合物と高分子化合物とを併用することもできる。本発
明においては高分子化合物からなる溶解制御剤が好まし
い。低分子化合物の具体例としては、下記式(1)〜
(5)で表される化合物を挙げることができる。
【0035】
【化1】
【0036】〔式(1)において、Rは置換メチル
基、1−置換エチル基、1−分岐アルキル基、シリル
基、ゲルミル基、アルコキシカルボニル基、アシル基又
は環式酸解離性基を示し、複数存在するRは相互に
同一でも異なってもよく、Rは炭素数1〜4のアルキ
ル基、フェニル基または1−ナフチル基を示し、複数存
在するRは相互に同一でも異なってもよく、pは1
以上の整数、qは0以上の整数で、p+q≦6であ
る。〕
【0037】
【化2】
【0038】〔式(2)において、RおよびR
は式(1)と同義であり、Dは単結合、−S−、−O
−、−CO−、−COO−、−SO−、−SO−、
−CR −(但し、2つのRは相互に同一でも異なって
もよく、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数
2〜11のアシル基、フェニル基又はナフチル基を示
す。)又は、
【0039】
【化3】
【0040】(但し、Rは前記に同じであり、xは
0〜4の整数である。)を示し、p、q、r及びsはそ
れぞれ0以上の整数で、p+q≦5、r+s≦5、p+
r≧1である。〕
【0041】
【化4】
【0042】〔式(3)において、RおよびR
は式(1)と同義であり、Rは水素原子、炭素数1
〜4のアルキル基またはフェニル基を示し、p、q、
r、s、t及びuはそれぞれ0以上の整数で、p+q≦
5、r+s≦5、t+u≦5、p+r+t≧1であ
る。〕
【0043】
【化5】
【0044】〔式(4)において、RおよびR
は式(1)と同義であり、Dは式(2)と同義であり、
は式(3)と同義であり、複数存在するR
相互に同一でも異なってもよく、p、q、r、s、t、
u、v及びwはそれぞれ0以上の整数で、p+q≦5、
r+s≦5、t+u≦5、v+w≦5、p+r+t+v
≧1である。〕
【0045】
【化6】
【0046】〔式(5)において、R及びR
式(1)と同義であり、Rは式(3)と同義であ
り、複数存在するRは相互に同一でも異なってもよ
く、p、q、r、s、t、u、v及びwはそれぞれ0以
上の整数で、p+q≦5、r+s≦5、t+u≦5、v
+w≦4、p+r+t+v≧1である。〕
【0047】また、高分子の溶解制御剤としては、例え
ば、酸解離性基含有樹脂を使用することができる。酸解
離性基含有樹脂としては、例えば、下記酸解離性基含有
樹脂(I)、酸解離性基含有樹脂(II) 等を挙げるこ
とができる。酸解離性基含有樹脂(I)は、フェノール
性水酸基、ナフトール性水酸基、カルボキシル基等の酸
性官能基を1種以上含有するアルカリ可溶性樹脂中の該
酸性官能基の水素原子を、1種以上の酸解離性基で置換
した構造を有する樹脂で、側鎖を有することもある直鎖
状重合体からなり、それ自体としてはアルカリ不溶性ま
たはアルカリ難溶性の樹脂である。ここで「アルカリ不
溶性またはアルカリ難溶性」とは、酸解離性基含有樹脂
を含有する感光性樹脂組成物を用いて絶縁性パターン被
膜を形成する際に採用されるアルカリ現像条件下で被膜
を現像した場合に、当該被膜の初期膜厚の50%以上が
現像後に残存する性質を意味する。酸解離性基含有樹脂
(II) は、主鎖に脂環式骨格を有するアルカリ不溶性
またはアルカリ難溶性の酸解離性基含有樹脂で、それ自
体としてはアルカリ不溶性またはアルカリ難溶性の樹脂
である。
【0048】酸解離性基含有樹脂(I)における酸解離
性基(以下、「酸解離性基(i)」という。)として
は、上記した置換メチル基、1−置換エチル基、1−分
岐アルキル基、シリル基、ゲルミル基、アルコキシカル
ボニル基、アシル基、環式酸解離性基等を挙げることが
できる。酸解離性基含有樹脂(I)における酸解離性基
(i)の含有率(酸解離性基含有樹脂中の酸性官能基と
酸解離性基(i)との合計数に対する酸解離性基数の割
合)は、好ましくは5〜100%、さらに好ましくは2
0〜100%である。この場合、酸解離性基(i)の含
有率が小さすぎるとパターン解像度が低下するおそれが
ある。
【0049】酸解離性基含有樹脂(I)の製造法として
は、例えば、(イ)予め製造したアルカリ可溶性樹脂に
1種以上の酸解離性基(i)を導入する方法、(ロ)1
種以上の酸解離性基(i)を有する重合性不飽和化合物
を(共)重合する方法、(ハ)1種以上の酸解離性基
(i)を有する重縮合性成分を(共)重縮合する方法等
を挙げることができる。酸解離性基含有樹脂(I)の製
造法(イ)に使用されるアルカリ可溶性樹脂としては、
例えば、酸性官能基を有する繰返し単位を1種以上有す
る付加重合系樹脂あるいは重縮合系樹脂を挙げることが
できる。付加重合系のアルカリ可溶性樹脂における酸性
官能基を有する繰返し単位としては、例えば、o−ヒド
ロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロ
キシスチレン、p−ヒドロキシ−α−メチルスチレン、
p−カルボキシスチレン、p−(2−カルボキシエチ
ル)スチレン、p−カルボキシメトキシスチレン、p−
(2−カルボキシエトキシ)スチレン、p−カルボキシ
メチルカルボニルオキシスチレン等の(α−メチル)ス
チレン誘導体;2−ヒドロキシ−1−ビニルナフタレ
ン、7−ヒドロキシ−1−ビニルナフタレン、3−ヒド
ロキシ−1−イソプロペニルナフタレン、8−ヒドロキ
シ−1−イソプロペニルナフタレン、4−カルボキシ−
1−ビニルナフタレン、7−カルボキシ−1−ビニルナ
フタレン等のビニルナフタレン誘導体あるいはイソプロ
ペニルナフタレン誘導体;(メタ)アクリル酸、クロト
ン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン
酸、メサコン酸、けい皮酸等の不飽和カルボン酸類;
(メタ)アクリル酸2−カルボキシエチル、(メタ)ア
クリル酸2−カルボキシプロピル、(メタ)アクリル酸
3−カルボキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−カル
ボキシブチル等のカルボキシル基含有不飽和カルボン酸
エステル類等の酸性官能基を有する重合性不飽和化合物
中の重合性不飽和結合が開裂した単位を挙げることがで
きる。これらの繰返し単位のうち、p−ヒドロキシスチ
レン、p−ヒドロキシ−α−メチルスチレン、p−カル
ボキシスチレン、(メタ)アクリル酸等の重合性不飽和
結合が開裂した単位が好ましい。
【0050】付加重合系のアルカリ可溶性樹脂は、酸性
官能基を有する繰返し単位のみから構成されていてもよ
いが、得られる樹脂がアルカリ可溶性である限り、他の
重合性不飽和化合物の重合性不飽和結合が開裂した繰返
し単位を1種以上含有することができる。前記他の重合
性不飽和化合物としては、例えば、スチレン、α−メチ
ルスチレン、4−t−ブチルスチレン、1−ビニルナフ
タレン、4−メチル−1−ビニルナフタレン、1−イソ
プロペニルナフタレン、4−クロロ−1−ビニルナフタ
レン、5−メトキシ−1−ビニルナフタレン等のビニル
芳香族化合物;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)ア
クリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、
(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)ア
クリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸
ノルボルニル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メ
タ)アクリル酸トリシクロデカニル、(メタ)アクリル
酸ジシクロペンテニル、(メタ)アクリル酸アダマンチ
ル等の(メタ)アクリル酸エステル類;
【0051】酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビ
ニル等のビニルエステル類;(メタ)アクリロニトリ
ル、α−クロロアクリロニトリル、クロトンニトリル、
マレインニトリル、フマロニトリル等の不飽和ニトリル
化合物;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル
(メタ)アクリルアミド、メサコンアミド、シトラコン
アミド等の不飽和アミド化合物;N−ビニル−ε−カプ
ロラクタム、N−ビニルピロリドン、ビニルピリジン、
ビニルイミダゾール等の他の含窒素ビニル化合物等を挙
げることができる。これらの他の重合性不飽和化合物の
うち、スチレン、α−メチルスチレン、(メタ)アクリ
ル酸メチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチ
ル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピルや、
(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸
トリシクロデカニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペン
テニル、(メタ)アクリル酸アダマンチル等のエステル
基中に脂環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステル
類等が好ましい。
【0052】また、前記重縮合系のアルカリ可溶性樹脂
は、1種以上のフェノール類と1種以上のアルデヒド類
とを、場合により他の繰返し単位を形成しうる重縮合成
分とともに、酸性触媒の存在下、水媒質中または水と親
水性溶媒との混合の水性液中で重縮合することによって
製造することができる。前記フェノール類としては、例
えば、フェノール、o−クレゾール、p−クレゾール、
2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、3,4
−キシレノール、2,3,5−トリメチルフェノール、
レゾルシノール、カテコール、ピロガロール、1−ナフ
トール、2−ナフトール等を挙げることができ、また前
記アルデヒド類としては、例えば、ホルムアルデヒド、
トリオキサン、パラホルムアルデヒド、ベンズアルデヒ
ド、アセトアルデヒド、プロピルアルデヒド、フェニル
アセトアルデヒド等を挙げることができる。付加重合系
および重縮合系のアルカリ可溶性樹脂における酸性官能
基を有する繰返し単位の含有率は、該繰返し単位および
他の繰返し単位の種類により一概に規定できないが、通
常、10〜100モル%、好ましくは15〜100モル
%である。
【0053】酸解離性基含有樹脂(i)の製造法(ロ)
に使用される、酸解離性基(i)を有する重合性不飽和
化合物としては、例えば、前記(イ)の方法で例示した
酸性官能基を有する重合性不飽和化合物中の該酸性官能
基の水素原子を、酸解離性基(i)で置換した化合物を
挙げることができ、また、酸解離性基含有樹脂(I)の
製造法(ハ)に使用される酸解離性基(i)を有する重
縮合性成分としては、例えば、前記酸解離性基含有樹脂
(I)の製造法(イ)で例示したフェノール類のフェノ
ール性水酸基の水素原子を酸解離性基(i)で置換した
化合物とアルデヒド類とを挙げることができる。製造法
(ロ)あるいは製造法(ハ)においても、酸解離性基
(i)を有する重合性不飽和化合物あるいは酸解離性基
(i)を有する重縮合性成分以外に、他の重合性不飽和
化合物あるいは他の重縮合性成分を、通常、60重量%
以下、好ましくは50重量%以下の量で使用することも
できる。酸解離性基含有樹脂(I)の製造法(イ)にお
ける付加重合系のアルカリ可溶性樹脂を製造する際の重
合、および、同製造法(ロ)における重合は、例えば、
ラジカル重合開始剤、アニオン重合触媒、配位アニオン
重合触媒、カチオン重合触媒等を適宜に選定し、塊状重
合、溶液重合、沈澱重合、乳化重合、懸濁重合、塊状−
懸濁重合等の適宜の重合方法により実施することができ
る。
【0054】酸解離性基含有樹脂(I)の具体例として
は、4−t−ブトキシスチレン/4−ヒドロキシスチレ
ン共重合体、4−t−ブトキシカルボニルオキシスチレ
ン/4−ヒドロキシスチレン共重合体、4−(1−エト
キシエトキシ)スチレン/4−ヒドロキシスチレン共重
合体、4−(1−n−ブトキシエトキシ)スチレン/4
−ヒドロキシスチレン共重合体、4−テトラヒドロピラ
ニルオキシスチレン/4−ヒドロキシスチレン共重合体
等のスチレン系樹脂;4−t−ブトキシ−1−ビニルナ
フタレン/4−ヒドロキシ−1−ビニルナフタレン共重
合体、4−t−ブトキシカルボニルオキシ−1−ビニル
ナフタレン/4−ヒドロキシ−1−ビニルナフタレン共
重合体等のビニルナフタレン系樹脂;
【0055】(メタ)アクリル酸t−ブチル/(メタ)
アクリル酸メチル共重合体、(メタ)アクリル酸t−ブ
チル/(メタ)アクリル酸トリシクロデカニル/(メ
タ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸t−ブト
キシカルボニル/(メタ)アクリル酸トリシクロデカニ
ル/(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸
テトラヒドロピラニル/(メタ)アクリル酸トリシクロ
デカニル/(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アク
リル酸メチルテトラヒドロフラニル/(メタ)アクリル
酸トリシクロデカニル/(メタ)アクリル酸共重合体、
(メタ)アクリル酸t−ブチル/(メタ)アクリル酸ト
リシクロデカニル/(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシ
プロピル共重合体、(メタ)アクリル酸t−ブトキシカ
ルボニル/(メタ)アクリル酸トリシクロデカニル/
(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル共重合体、
(メタ)アクリル酸テトラヒドロピラニル/(メタ)ア
クリル酸トリシクロデカニル/(メタ)アクリル酸2−
ヒドロキシプロピル共重合体、等の(メタ)アクリル系
樹脂等が挙げられる。
【0056】次に、酸解離性基含有樹脂(II)におけ
る脂環式骨格としては、例えば、シクロアルカン類に由
来する骨格のように単環でも、ビシクロ[ 2.2.1]
ヘプタン、テトラシクロ[ 4.4.0.12,5 .1
7,10]ドデカン等に由来する骨格のように多環でも
よい。酸解離性基含有樹脂(II)における酸解離性基
は、適宜の位置に存在することができるが、前記脂環式
骨格に存在することが好ましい。また、前記脂環式骨格
は、酸解離性基以外の置換基、例えば、ハロゲン原子、
炭素数1〜10の炭化水素基、炭素数1〜10のハロゲ
ン化炭化水素基等を1種以上有することもできる。酸解
離性基含有樹脂(II)としては、前記環状オレフィン
系重合体を得るための環状オレフィンとして挙げた中の
ノルボルネン系単量体由来の繰返し単位を1種以上有す
る樹脂が好ましい。
【0057】ノルボルネン系単量体由来の繰り返し単位
における酸解離性基(以下、「酸解離性基(ii)」と
いう。)としては、−RCOOR、−R
CORもしくは−RCN{但し、Rは−
(CH−を示す。iは0〜4の整数であり、
は炭素数1〜10の炭化水素基、炭素数1〜10
のハロゲン化炭化水素基、テトラヒドロフラニル基、テ
トラヒドロピラニル基、カルボブトキシメチル基、カル
ボブトキシエチル基、カルボブトキシプロピル基もしく
はトリアルキルシリル基(但し、アルキル基の炭素数は
1〜4である。)を示す。Rは炭素数1〜10の炭
化水素基または炭素数1〜10のハロゲン化炭化水素基
を示す。}、または脂環式骨格中の炭素原子と結合して
形成した、下式で表される含酸素複素環構造あるいは含
窒素複素環構造が好ましい。
【0058】
【化7】
【0059】{但し、Rは水素原子、ハロゲン原
子、炭素数1〜8のアルキル基もしくは炭素数1〜4の
−SO10(但し、R10は炭素数1〜4のアル
キル基もしくは炭素数1〜4のハロゲン化アルキル基で
ある。)を示す。}
【0060】酸解離性基(ii)において、−R
OORとしては、例えば、メトキシカルボニル基、
t−ブトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル
基、i−プロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボ
ニル基、2−メチルプロポキシカルボニル基、1−メチ
ルプロポキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル
基、n−デシルオキシカルボニル基、シクロペンチルオ
キシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル
基、4−t−ブチルシクロヘキシルオキシカルボニル基
等の(シクロ)アルコキシカルボニル基;フェノキシカ
ルボニル基、4−t−ブチルフェノキシカルボニル基、
1−ナフチルオキシカルボニル基等のアリーロキシカル
ボニル基;ベンジルオキシカルボニル基、4−t−ブチ
ルベンジルオキシカルボニル基等のアラルキルオキシカ
ルボニル基;テトラヒドロピラニルオキシカルボニル
基;
【0061】メトキシカルボニルメチル基、イソプロポ
キシカルボニルメチル基、2−メチルプロポキシカルボ
ニルメチル基、t−ブトキシカルボニルメチル基、シク
ロヘキシルオキシカルボニルメチル基、4−t−ブチル
シクロヘキシルオキシカルボニルメチル基等の(シク
ロ)アルコキシカルボニルメチル基;フェノキシカルボ
ニルメチル基、1−ナフチルオキシカルボニルメチル基
等のアリーロキシカルボニルメチル基;ベンジルオキシ
カルボニルメチル基、4−t−ブチルベンジルオキシカ
ルボニルメチル基等のアラルキルオキシカルボニルメチ
ル基;2−メトキシカルボニルエチル基、2−エトキシ
カルボニルエチル基、2−n−プロポキシカルボニルエ
チル基、2−(2−メチルプロポキシ)カルボニルエチ
ル基、2−(1−メチルプロポキシ)カルボニルエチル
基等の(シクロ)アルコキシカルボニルエチル基;2−
フェノキシカルボニルエチル基、2−(1−ナフチルオ
キシカルボニル)エチル基等の2−アリーロキシカルボ
ニルエチル基;2−ベンジルオキシカルボニルエチル
基、2−(4−t−ブチルベンジルオキシカルボニル)
エチル基等の2−アラルキルオキシカルボニルエチル基
等を挙げることができる。
【0062】また、−ROCORとしては、例
えば、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、バレ
リルオキシ基、カプロイルオキシ基、オクタノイルオキ
シ基、デカノイルオキシ基、ウンデカノイルオキシ基、
シクロヘキシルカルボニルオキシ基、4−t−ブチルシ
クロヘキシルカルボニルオキシ基等の(シクロ)アシロ
キシ基;ベンゾイルオキシ基、4−t−ブチルベンゾイ
ルオキシ基、1−ナフトイルオキシ基等のアリールカル
ボニルオキシ基;ベンジルカルボニルオキシ基、4−t
−ブチルベンジルカルボニルオキシ基等のアラルキルカ
ルボニルオキシ基;アセチルオキシカルボニルメチル
基、プロピオニルオキシカルボニルメチル基、ブチリル
オキシカルボニルメチル基、シクロヘキシルカルボニル
オキシメチル基、4−t−ブチルシクロヘキシルカルボ
ニルオキシメチル基等の(シクロ)アシロキシメチル
基;ベンゾイルオキシメチル基、1−ナフトイルオキシ
メチル基等のアリールカルボニルオキシメチル基;ベン
ジルカルボニルオキシメチル基、4−t−ブチルベンジ
ルカルボニルオキシメチル基等のアラルキルカルボニル
オキシメチル基;2−アセチルオキシエチル基、2−ブ
チリルオキシエチル基、2−シクロヘキシルカルボニル
オキシエチル基、2−(4−t−ブチルシクロヘキシル
カルボニルオキシ)エチル基等の2−(シクロ)アシロ
キシエチル基;2−ベンゾイルオキシエチル基、2−
(1−ナフトイルオキシ)エチル基等の2−アリールカ
ルボニルオキシエチル基;2−ベンジルカルボニルオキ
シエチル基、2−(4−t−ブチルベンジルカルボニル
オキシ)エチル基等の2−アラルキルカルボニルオキシ
エチル基等を挙げることができる。また、−RCN
としては、例えば、シアノ基、シアノメチル基、2−シ
アノエチル基、2−シアノプロピル基、3−シアノプロ
ピル基、4−シアノブチル基等を挙げることができる。
これらの酸解離性基(ii)のうち、−RCOOR
が好ましく、さらに好ましくは−COORであ
り、特に好ましくはメトキシカルボニル基、t−ブトキ
シカルボニル基、テトラヒドロピラニルオキシカルボニ
ル基等である。
【0063】さらに、ノルボルネン系単量体由来の繰り
返し単位の脂環式骨格の置換基のハロゲン原子として
は、例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等を挙げるこ
とができ、また炭素数1〜10の1価の炭化水素基とし
ては、例えば、メチル基、エチル基、2−メチルプロピ
ル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基、n−ヘキ
シル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基基等の
(シクロ)アルキル基;フェニル基、4−t−ブチルフ
ェニル基、1−ナフチル基等のアリール基;ベンジル
基、4−t−ブチルベンジル基等のアラルキル基等を挙
げることができ、また炭素数1〜10の1価のハロゲン
化炭化水素基としては、例えば、前記炭素数1〜10の
1価の炭化水素基のハロゲン化誘導体を挙げることがで
きる。
【0064】酸解離性基含有樹脂(ii)は、例えば、
下記(ニ)〜(チ)の方法により製造することができ
る。 (ニ):酸解離性基(ii)含有ノルボルネン誘導体
(以下、「ノルボルネン誘導体(α)」と記す。)を、
場合により、開環共重合可能な他の不飽和脂環式化合物
とともに、開環(共)重合する方法、 (ホ):ノルボルネン誘導体(α)と、エチレン、無水
マレイン酸等の共重合可能な単量体とを付加共重合する
方法、 (ヘ):前記(ニ)または(ホ)の方法により得られた
樹脂を、常法により部分的に加水分解および/または加
溶媒分解する方法、 (ト);前記(ヘ)の方法により得られた樹脂中の酸性
官能基の少なくとも一部に、常法により酸解離性基(i
i)を導入する方法、 (チ):酸解離性基(ii)含有ノルボルネン誘導体中
の該酸解離性基(ii)が解離した酸性官能基を含有す
るノルボルネン誘導体(以下、「ノルボルネン誘導体
(β)」と記す。)を、開環(共)重合あるいは付加共
重合して得られた(共)重合体中の該酸性官能基の少な
くとも一部に、常法により酸解離性基(ii)を導入す
る方法、などが挙げられる。
【0065】本発明に用いる光酸発生剤は、光に感応し
てブレンステッド酸又はルイス酸を生成する物質であ
る。光の照射によって生成したブレンステッド酸又はル
イス酸は、溶解制御剤の酸解離性基を酸性官能基に変え
る。溶解制御剤は、酸性官能基を持つことにより、それ
まで親油性ゆえに寄せ付けなかったアルカリ水性液を呼
び込む作用を顕わすようになる。光酸発生剤としては、
例えば、オニウム塩、ハロゲン化有機化合物、α,α−
ビス(スルホニル)ジアゾメタン化合物、α−カルボニ
ル−α−スルホニル−ジアゾメタン化合物、スルホン化
合物、有機酸エステル化合物、有機酸アミド化合物、有
機酸イミド化合物などの中から選ばれる。
【0066】オニウム塩の具体例としては、スルホニウ
ム塩、ジアゾニウム塩、アンモニウム塩、ヨードニウム
塩、ホスホニウム塩、アルソニウム塩、オキソニウム塩
等でアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、芳香族
基、ヘテロ環状基を有するものが挙げられ、特にスルホ
ニウム塩が好ましい。これらオニウム塩の対アニオン
は、特に限定されず、例えば、アンチモン酸、硼素酸、
砒素酸、燐酸、スルホン酸、カルボン酸、あるいはこれ
らのハロゲン化物が挙げられ、特にアンチモン酸が好ま
しい。具体例としては、トリアリールスルホニウムヘキ
サフルオロアンチモネート等が挙げられる。
【0067】ハロゲン化有機化合物の具体例としては、
ハロゲン含有オキサジアゾール化合物、ハロゲン含有ト
リアジン化合物、ハロゲン含有アセトフェノン化合物、
ハロゲン含有ベンゾフェノン化合物、ハロゲン含有スル
ホキサイド化合物、ハロゲン含有スルホン化合物、ハロ
ゲン含有チアゾール化合物、ハロゲン含有オキサゾール
化合物、ハロゲン含有トリアゾール化合物、ハロゲン含
有2−ピロン化合物、ハロゲン含有脂肪族炭化水素化合
物、ハロゲン含有芳香族炭化水素化合物、ハロゲン含有
ヘテロ環状化合物、スルフェニルハライド化合物などを
挙げることができる。さらに、ハロゲン化有機化合物と
しては、トリス(2,3−ジブロモプロピル)ホスフェ
ート、トリス(2,3−ジブロモ−3−クロロプロピ
ル)ホスフェート、クロロテトラブロモエタン、ヘキサ
クロロベンゼン、ヘキサブロモベンゼン、ヘキサブロモ
シクロドデカン、ヘキサブロモビフェニル、トリブロモ
フェニルアリルエーテル、テトラクロロビスフェノール
A、テトラブロモビスフェノールA、ビス(ブロモエチ
ルエーテル)テトラブロモビスフェノールA、ビス(ク
ロロエチルエーテル)テトラクロロビスフェノールAな
どが挙げられる。これらの光酸発生剤は、単独で、また
は2種以上を組み合わせて使用することができる。光酸
発生剤の量は、環状オレフィン系重合体100重量部に
対して、通常、0.5〜20重量部であり、好ましくは
1〜15重量部、特に好ましくは1〜10重量部であ
る。光酸発生剤が少なすぎると環状オレフィン系重合体
がアルカリ水性液に対して分散性又は溶解性を発現しな
いおそれがあり、逆に、光酸発生剤が多すぎると、パタ
ーン形成が少なくなる可能性がある。
【0068】本第一発明組成物に必須成分として用いら
れる架橋剤としては、重合性不飽和基含有架橋剤、及
び、酸性基、酸誘導体型残基、水酸基などへの反応性を
有する官能基反応性架橋剤が挙げられる。尚、これらの
架橋剤は、第二発明組成物においても添加することがで
きる。重合性不飽和基含有架橋剤の例としては、エチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグ
リコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジ
オールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオー
ルジ(メタ)アクリレート、ジメチロールトリシクロデ
カンジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオール
ジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、トリメチロールプロパンアクリル酸
安息香酸エステル、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチル
グリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロール
プロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリト
ールトリ(メタ)アクリレート、エポキシアクリレート
樹脂類(EH−1001、ES−4004、EX−C1
06、EX−C300、EX−C501、EX−020
2、EX−5000など、共栄化学社製)、ジアリルフ
タレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシ
アヌレート、ジビニルベンゼンなどが挙げられる。これ
らのうち、カルボキシル基や水酸基などのアルカリ可溶
性官能基を有する架橋剤は、感光性樹脂組成物のアルカ
リ現像性を高めることができ好ましい。また、脂環式構
造を有するものも好ましい。本第一発明組成物における
重合性不飽和基含有架橋剤の配合量は、環状オレフィン
系重合体100重量部に対して、通常、1〜100重量
部、好ましくは5〜50重量部、さらに好ましくは10
〜30重量部である。この範囲で重合性不飽和基含有架
橋剤を使用することによって、解像度を向上させること
ができる。
【0069】官能基反応性架橋剤の具体例として、住友
バイエルンウレタン社製のスミジュールN−75、スミ
ジュールN3200、スミジュールHT、スミジュール
N3500、デスモジュールN3400、デスモジュー
ルBL3175、デスモジュールE3265などのヘキ
サメチレンジイソシアネート系ポリイソシアネート;デ
スモジュールBL4165、デスモジュールZ437
0、デスモジュールE41、デスモジュールTPLS2
135、デスモジュールTPLS2078、クラレンU
I、クラレンTPLS2147などのイソホロンジイソ
シアネート系ポリイソシアネート;スミジュールL、ス
ミジュールL1375、スミジュールL1365、デス
モジュールIL、SBUイソシアネート0817、スミ
ジュールFL−2、スミジュールFL−3、スミジュー
ルFL−4、デスモジュールHL、デスモジュールAP
ステーブル、デスモジュールCTステーブル、デスモジ
ュールBL1100、デスモジュールBL1190、デ
スモジュールBL1265、デスモジュールE116
0、デスモジュールE1240、デスモジュールE14
などのトリレンジイソシアネート系ポリイソシアネー
ト;スミジュールE21−1、スミジュールE21−
2、デスモジュールE22、デスモジュールE23、デ
スモジュールE25、デスモジュールE2680、デス
モサーム2170、デスモサーム2265などのジフェ
ニルメタンジイソシアネート系ポリイソシアネート;デ
スモジュールE27;デスモジュールTPLS211
7、クラレンTPLS2007、クラレンTPLS21
22などの水添ジフェニルメタンジイソシアネート系ポ
リイソシアネート;
【0070】エポキシ化合物、エポキシ樹脂、好ましく
は脂環式構造含有のエポキシ化合物又は樹脂;1,4−
ジ−(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、1,4−ジ
ー(ヒドロキシメチル)ノルボルナン;1,3,4−ト
リヒドロキシシクロヘキサン;ヘキサメチレンジアミン
などが挙げられる。これらの中でも、スミジュールBL
3175、デスモジュールTPLS2759、デスモジ
ュールTPLS2957、デスモジュールTPLS20
62、バイヒドロール116などのヘキサメチレンジイ
ソシアネート系ポリイソシアネート、デスモジュールA
Pステーブル、デスモジュールCTステーブル、デスモ
ジュールBL1100、デスモジュールBL1265な
どのトリレンジイソシアネート系ポリイソシアネート、
デスモサーム2170、デスモサーム2265などのジ
フェニルメタンジイソシアネート系ポリイソシアネー
ト、デスモジュールTPLS2117、クラレンTPL
S2007、クラレンTPLS2122などの水添ジフ
ェニルメタンジイソシアネート系ポリイソシアネート、
デスモジュールTPLS2135、デスモジュールTP
LS2078、クラレンUI、クラレンTPLS214
7などのイソホロンジイソシアネート系ポリイソシアネ
ート;などのブロック型イソシアネートが好ましい官能
基反応性架橋剤の量は、環状オレフィン系重合体100
重量部に対して、通常、1〜100重量部、好ましくは
5〜50重量部、さらに好ましくは10〜30重量部で
ある。官能基反応性架橋剤をこの範囲の量で使用するこ
とによって、感光した後に行う後硬化処理(ポストベー
ク処理)において、環状オレフィン系重合体中の酸性基
又は酸誘導体型残基と反応して、感光性樹脂組成物の硬
化物の耐熱性、低誘電性、低吸水性などを向上させるこ
とができる。
【0071】さらに本発明の感光性樹脂組成物には、ス
トリエーション(塗布すじあと)の防止、現像性の向上
等の目的で、界面活性剤を含有させることができる。界
面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンラウリル
エーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテルル等
のポリオキシエチレンアルキルエーテル類;ポリオキシ
エチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレ
ンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアリ
ールエーテル類;ポリオキシエチレンジラウレート、ポ
リオキシエチレンジステアレート等のポリオキシエチレ
ンジアルキルエステル類等のノニオン系界面活性剤;エ
フトップEF301、同303、同352(新秋田化成
(株)製)、メガファックF171、同F172、同F
173(大日本インキ化学工業(株)製)、フロラード
FC−430、同FC−431(住友スリーエム(株)
製)、アサヒガードAG710、サーフロンS−38
2、同SC−101、同SC−102、同SC−10
3、同SC−104、同SC−105、同SC−106
〔旭硝子(株)製〕等のフッ素系界面活性剤;オルガノ
シロキサンポリマーKP341〔信越化学工業(株)
製〕、ポリフローNo. 57、同95〔共栄社油脂化学
工業(株)製〕等の(メタ)アクリル酸共重合体系界面
活性剤が挙げられる。上記界面活性剤は、感光性樹脂組
成物の固形分100重量部に対して、通常、2重量部以
下、好ましくは1重量部以下の量で必要に応じて用いら
れる。
【0072】本発明の感光性樹脂組成物には、耐熱性、
耐薬品性を向上する目的で熱酸発生剤を配合することも
できる。本発明で用いられる熱酸発生剤は、加熱により
酸を発生する物質である。例えば、スルホニウム塩、ベ
ンゾチアゾリウム塩、アンモニウム塩、ホスホニウム塩
のごときオニウム塩が挙げられる。これらの中でも、ス
ルホニウム塩およびベンゾチアゾリウム塩が好ましい。
スルホニウム塩の具体例としては、4−アセトフェニル
ジメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、
4−アセトフェニルジメチルスルホニウムヘキサフルオ
ロアルセネート、ジメチル−4−(ベンジルオキシカル
ボニルオキシ)フェニルスルホニウムヘキサフルオロア
ンチモネート、ジメチル−4−(ベンゾイルオキシ)フ
ェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジ
メチル−4−(ベンゾイルオキシ)フェニルスルホニウ
ムヘキサフルオロアルセネート等のアルキルスルホニウ
ム塩;ベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホ
ニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−アセトキシ
フェニルベンジルメチルスルホニウムヘキサフルオロア
ンチモネート、ベンジル−4−メトキシフェニルメチル
スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ベンジル
−3−クロロ−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニ
ウムヘキサフルオロアルセネート、4−メトキシベンジ
ル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサ
フルオロホスフェート等のベンジルスルホニウム塩;
【0073】ジベンジル−4−ヒドロキシフェニルスル
ホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジベンジル−
4−ヒドロキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロホ
スフェー、ジベンジル−4−メトキシフェニルスルホニ
ウムヘキサフルオロアンチモネート、ベンジル−4−メ
トキシベンジル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウム
ヘキサフルオロホスフェート等のジベンジルスルホニウ
ム塩;p−クロロベンジル−4−ヒドロキシフェニルメ
チルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、p−
ニトロベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホ
ニウムヘキサフルオロアンチモネート、3,5−ジクロ
ロベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウ
ムヘキサフルオロアンチモネート、o−クロロベンジル
−3−クロロ−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニ
ウムヘキサフルオロアンチモネート等の置換ベンジルス
ルホニウム塩などが挙げられる。
【0074】ベンゾチアゾニウム塩の具体例としては、
3−ベンジルベンゾチアゾリウムヘキサフルオロアンチ
モネート、3−ベンジルベンゾチアゾリウム ヘキサフ
ルオロホスフェート、3−ベンジルベンゾチアゾリウム
テトラフルオロボレート、3−(p−メトキシベンジ
ル)ベンゾチアゾリウム ヘキサフルオロアンチモネー
ト、3−ベンジル−2−メチルチオベンゾチアゾリウム
ヘキサフルオロアンチモネート、3−ベンジル−5−
クロロベンゾチアゾリウム ヘキサフルオロアンチモネ
ート等のベンジルベンゾチアゾリウム塩が挙げられる。
これらの熱酸発生剤うち、4−アセトキシフェニルジメ
チルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、ベンジ
ル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサ
フルオロアンチモネート、4−アセトキシフェニルベン
ジルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネー
ト、ジベンジル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウム
ヘキサフルオロアンチモネート、3−ベンジルベンゾチ
アゾリウムヘキサフルオロアンチモネート等が好ましく
用いられる。これらの熱酸発生剤は、単独であるいは2
種以上組み合わせて用いることができる。
【0075】本発明の感光性樹脂組成物には、基板との
密着性を向上させる目的で、密着助剤を含んでいてもよ
い。このような密着助剤としては、官能性シランカップ
リング剤等が挙げられる。該官能性シランカップリング
剤の具体例としては、トリメトキシシリル安息香酸、γ
−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニル
トリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ
−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ−グ
リシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4
−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン
等が挙げられる。該密着助剤の量は、環状オレフィン系
重合体100重量部に対して、通常、20重量部以下、
好ましくは0.05〜10重量部、特に好ましくは1〜
10重量部である。
【0076】さらに本発明の感光性樹脂組成物には、必
要に応じて増感剤、帯電防止剤、保存安定剤、消泡剤、
顔料、染料等を含んでいてもよい。増感剤としては、ベ
ンゾフェノン、アントラキノン、1,2−ナフトキノ
ン、1,4−ナフトキノン、ベンズアントロン、p,
p'−テトラメチルジアミノベンゾフェノン、クロラニ
ル、アデカオプトマーSP100のごときカルボニル化
合物;ニトロベンゼン、p−ジニトロベンゼン、2−ニ
トロフルオレン、ニトロピレンのごときニトロ化合物;
アントラセン、クリセンのごとき芳香族炭化水素;ジフ
ェニルジスルフィドのごときイオウ化合物;ニトロアニ
リン、2−クロロ−4−ニトロアニリン、5−ニトロ−
2−アミノトルエン、テトラシアノエチレンのごとき窒
素化合物が挙げられる。保存安定剤としては、ヒドロキ
ノン、メトキシフェノール、p−t−ブチルカテコー
ル、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾールのごとき
ヒドロキシ芳香族化合物;ベンゾキノン、p−トルキノ
ンのごときキノン化合物;フェニル−α-ナフチルアミ
ンのごときアミン化合物;4,4'−チオビス(6−t
−ブチル−3−メチルフェノール)、2,2'−チオビ
ス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)のごとき
硫黄化合物などが挙げられる。
【0077】本発明の感光性樹脂組成物は、第一発明組
成物においては環状オレフィン系重合体、溶解制御剤、
光酸発生剤及び架橋剤を必須成分とし、第二発明組成物
においては重合性不飽和基を含有する環状オレフィン系
重合体、溶解制御剤及び光酸発生剤の他に必要に応じて
架橋剤を配合成分とする。さらに第一、第二発明組成物
とも状況により上記の任意成分を加え、均一に混合する
ことによって容易に調製することができる。第一、第二
発明組成物とも、通常、適当な溶媒に溶解されて溶液状
態で用いられる。
【0078】該溶媒としては、例えば、メタノール、エ
タノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール
類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル
類;メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブア
セテート等のセロソルブエステル類;エチレングリコー
ルモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチル
エーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、
ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレン
グリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモ
ノメチルエーテル等のグリコールエーテル類;プロピレ
ングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレング
リコールプロピルエーテルアセテート等のプロピレング
リコールアルキルエーテルアセテート類;ベンゼン、ト
ルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;メチルエチル
ケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、4−ヒド
ロキシ−4−メチル−2−ペンタノン等のケトン類;2
−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2
−メチルプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メ
チルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロ
キシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸
メチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキ
シプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸エチ
ル、3−エトキシプロピオン酸メチル、酢酸エチル、酢
酸ブチル、乳酸エチル等のエステル類;
【0079】ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−
ピロリドン等の非プロトン性極性溶媒が挙げられる。N
−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミ
ド、N−メチルホルムアニリド、N−メチルアセトアミ
ド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリ
ドン、ジメチルスルホキシド、ベンジルエチルエーテ
ル、ジヘキシルエーテル、アセトニルアセトン、イソホ
ロン、カプロン酸、カプリル酸、1−オクタノール、1
−ノナノール、ベンジルアルコール、酢酸ベンジル、安
息香酸エチル、シュウ酸ジエチル、マレイン酸ジエチ
ル、γ−ブチロラクトン、炭酸エチレン、炭酸プロピレ
ン、フェニルセロソルブアセテート等の溶媒を用いるこ
ともできる。これらの溶媒のうち、溶解性および塗膜の
形成のしやすさから、ケトン類、グリコールエーテル類
又はアミド類が好ましく用いられる。本発明の感光性樹
脂組成物の固形分濃度は、特に限定されないが、通常5
〜40重量%である。また、上記のようにして調製され
た感光性樹脂組成物溶液は、0.2〜1μm程度のフィ
ルタ等を用いて異物などを除去した後、使用に供するこ
とが好ましい。
【0080】本発明の感光性樹脂組成物は、液晶表示素
子、集積回路素子、固体撮像素子等の電子素子や、液晶
ディスプレー用カラーフィルターなどの劣化や損傷を防
止するための保護膜、素子表面や配線を平坦化するため
の平坦化膜、電気絶縁性を保つための絶縁膜、特に、薄
膜トランジスタ型液晶表示素子や集積回路素子の層間絶
縁膜等の各種電子部品用硬化膜の材料として好適であ
る。上記各種の硬化膜を形成するには、本発明の感光性
樹脂組成物の溶液を上記各種素子の基板表面等に塗布
し、加熱し、溶媒を除去して製膜することができる。基
板表面への感光性樹脂組成物溶液の塗布方法としては、
例えばスプレー法、ロールコート法、回転塗布法等の各
種の方法を採用することができる。次いでこの塗膜は、
加熱(プリベーク:Pre−Bake)される。加熱す
ることによって、溶媒が揮発し、流動性のない塗膜が得
られる。加熱条件は、各成分の種類、配合割合等によっ
ても異なるが、通常60〜120℃で10〜600秒間
程度である。
【0081】次に加熱された塗膜に所定パターンのマス
クを介して光を照射する。光照射を受けた光酸発生剤は
酸を生成する。生成した酸が、それまで環状オレフィン
系重合体と混ざり合ってアルカリ水性液を寄せつけにく
くしていた溶解制御剤の酸解離性基を酸性官能基に変化
せしめるため、アルカリ水性液が容易に環状オレフィン
系重合体に接触してこれをアルカリ水性液に分散もしく
は溶解せしめることが可能となる。光照射後、必要に応
じて加熱(PEB処理:Post Exposure
Bake)した後、光照射によりアルカリ水性液に分散
性もしくは溶解性となった不要な部分をアルカリ性の現
像液で洗浄、除去することにより現像する。なお、Po
st Exposure Bakeを行うことにより、
パターンの現像(不要部分の抜け)性が良好になること
がある。環状オレフィン系重合体がアルカリ溶解性極性
基を有していると、現像液による流出がより容易になる
ので好ましい。
【0082】パターンを現像するためのアルカリ水性液
としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、
炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリ
ウム、アンモニア水等の無機アルカリ類;エチルアミ
ン、n−プロピルアミン等の第一級アミン類;ジエチル
アミン、ジ−n−プロピルアミン等の第二級アミン類;
トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、N−メチル
ピロリドン等の第三級アミン類;ジメチルエタノールア
ミン、トリエタノールアミン等のアルコールアミン類;
テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチル
アンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウム
ヒドロキシド、コリン等の第四級アンモニウム塩;ピロ
ール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.
0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4.
3.0]−5−ノナン等の環状アミン類などのアルカリ
類の水溶液を用いることができる。また上記アルカリ水
溶液に、メタノール、エタノール等の水溶性有機溶媒、
界面活性剤等を適当量添加した液を現像液として使用す
ることもできる。
【0083】現像時間は、通常30〜180秒間であ
る。また現像方法はパドル法、液盛り法、ディッピング
法等のいずれでもよい。現像後、流水洗浄を行い、圧縮
空気や圧縮窒素で乾燥させることによって、基板上の水
分を除去し、パターン状被膜が形成される。その後この
パターン状被膜に、必要に応じて高圧水銀灯等による光
線を全面照射する。続いて、ホットプレート、オーブン
等の加熱装置により、所定温度、例えば150〜250
℃で、所定時間、例えばホットプレート上なら5〜30
分間、オーブン中では30〜90分間加熱処理(ポスト
ベーク:PostBake)をする。ポストベークによ
り、本第一発明組成物を用いたときは環状オレフィン系
重合体と架橋剤とが反応し、本第二発明組成物を用いた
ときは環状オレフィン系重合体自らが持つ重合性不飽和
基により架橋し、さらに架橋剤を添加した場合は第一発
明組成物における上記効果も加わって、パターン状架橋
被膜を得ることができる。加熱処理は、低酸素雰囲気
中、具体的には酸素濃度10ppm以下の雰囲気中で行
うことが好ましい。
【0084】
【実施例】以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明を
具体的に説明する。なお、実施例中、「部」は、特に断
りのない限り「重量部」のことである。 <試験及び評価方法> (1)変性率 環状オレフィン系重合体主鎖の水素添加率及び環状オレ
フィン系重合体のグラフト変性率は、H−NMRに
より測定した。 (2)加水分解率 加水分解後の環状オレフィン系重合体の変性物の加水分
解率は、FT−IR、第一級アミンによる修飾後の環状
オレフィン系重合体グラフト変性物の修飾率はH−N
MRにより測定した。 (3)分子量 数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)は、
ジメチルアセトアミドを溶媒とするゲル・パーミエーシ
ョン・クロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレ
ン換算値として測定した。 (4)誘電率 JIS C6481に準じて、1MHz(室温)での誘
電率(ε)を測定した。
【0085】(5)耐熱寸法安定性 パターン状薄膜を形成したシリコン基板を220℃のオ
ーブンを用いて60分間加熱し、加熱前の膜厚に対する
加熱後の膜厚の割合が、95%超の場合を○、90〜9
5%の場合を△、90%未満の場合を×とした。 (6)平坦性 塗膜つきの、1μmの段差を有するシリコン酸化膜基板
の最大段差(d)を、接触式の膜厚測定器を用いて測定
し、dが5%未満の場合を○、dが5%以上の場合を×
として評価した。 (7)透明性 塗膜つきのガラス基板(コーニング7059、コーニン
グ社製)の透過率を、日本分光社製紫外可視近赤外分光
光度計(V−570)を用いて400〜800nmの波
長での最低光線透過率(t)を測定し、tが95%以上
の場合を○、tが93%以上で95%未満の場合を△、
tが93%未満の場合を×として評価した。 (8)耐熱変色性 上記の塗膜付きガラス基板を220℃のオーブンで60
分間加熱した後、このガラス基板の透過率を上記(7)
と同様に測定し、加熱前後の変化率(T)を算出し、T
が1%未満の場合を○、Tが2%以上で3%の場合を
△、Tが3%以上の場合を×として評価した。
【0086】(9)耐溶剤性 パターン状薄膜を形成したガラス基板(パターン状塗膜
を形成したシリコン基板と方法で作製)を70℃のジメ
チルスルフォキシド中に15分間浸漬して、浸漬後の膜
厚と浸漬前の膜厚との差の浸漬前膜厚に対する百分率
〔膜厚変化率(S)〕を求める。Sが10%未満の場合
を○、Sが10%超の場合を△、膨潤が激しく膜が基板
から剥がれた場合を×として評価した。 (10)脱ガス性 塗膜つきの、1μmの段差を有するシリコン酸化膜基板
を、樹脂量が一定になる様に1cm角に切り取り、これ
を230℃×10分の条件で加熱し、発生したガスを冷
却したガラストラップ内で捕集した後、ガスクロマトグ
ラフィー/マススペクトロメトリーによって発生ガス成
分の総量(G)を測定し、Gが3ppm未満の場合を
○、Gが3ppm以上で5ppm未満の場合を△、Gが
5ppm以上の場合を×とする基準にて評価した。
【0087】[合成例1]重合性不飽和基含有環状オレ
フィン系重合体の製造 六塩化タングステン、トリイソブチルアルミニウム及び
イソブチルアルコールからなる重合触媒と分子量調整剤
として1−ヘキセンを用い、8−エチルテトラシクロ
[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセ
ン(以下、ETDと略す。)を開環重合した。得られた
開環重合体を、各々ニッケルアセチルアセトナートとト
リイソブチルアルミニウムの水素添加触媒を用いて水素
化し、水素化率が99%以上の開環重合体水素添加物を
得た。次いで、オートクレーブ中で開環重合体水素添加
物100部、無水マレイン酸150部、及びt−ブチル
ベンゼン400部とアニソール500部を混合し、13
5℃に昇温した。この反応容器に、ジクミルペルオキシ
ド15部を10分割し12分間隔で逐次添加した後、3
時間反応させた。次いで反応液を大量のイソプロパノー
ル中に滴下し、凝固、乾燥し、無水マレイン酸変性ポリ
マーを得た。Mnは8900、無水マレイン酸変性率は
65モル%であった。無水マレイン酸変性ポリマー10
0部を乾燥したジメチルアセトアミドで溶解させた後、
アリルアミン20部を添加して常温にて1時間反応させ
た。この反応溶液を上記と同様に大量のノルマルヘキサ
ンで凝固、乾燥してアリル変性ポリマー(ポリマーA)
を得た。このポリマーAは、FT−IRによる分光分析
からアミド基を豊富に含むもので、アリル基含有率が6
3モル%であった。
【0088】[合成例2]環状オレフィン系重合体の製
造 8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ
[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
250部を窒素置換した反応容器に仕込み、60℃に加
熱した。これにトリエチルアルミニウム(1.5モル/
l)のトルエン溶液0.62部、tert−C
OH/CHOHで変性(tert−C
OH/CHOH/W=0.35/0.3/1:
モル比)したWCl溶液(濃度0.05モル/l)
3.7部を加え、80℃で3時間攪拌、加熱して開環重
合体溶液を得た。重合転化率は90%、Mwは17,0
00であった。得られた重合体溶液4,000部をオー
トクレーブに入れ、これにRuHCl(CO)〔P(C
〕30.4部を加え、水素ガス圧を1
00kg/cm、反応温度165℃の条件で3時間
攪拌、加熱した。得られた反応溶液を冷却した後、水素
ガスを除き、水素添加重合体溶液を得た。得られた水素
添加重合体溶液を大量のメタノールに注いで重合体を凝
固させた。水素添加率は実質100%であった。乾燥し
た水素添加重合体100部、N−メチルピロリドン10
0部、プロピレングリコール500部、水酸化カリウム
(8.5%)84.5部を反応器に仕込み、温度190
℃で4.5時間攪拌、加熱した。得られた反応溶液を大
量の水、テトラヒドロフラン及び塩酸の混合溶液に注い
で加水分解物を凝固させた。凝固ポリマーを水洗、乾燥
して加水分解ポリマー(ポリマーB)を得た。加水分解
率は96%であった。
【0089】[合成例3]溶解制御剤Aの合成 メタクリル酸t−ブチル60部、メタクリル酸20部、
イソボニルメタクリレート20部、アゾビスイソブチロ
ニトリル2部、t−ドデシルメルカプタン1.5部およ
びエチレングリコールジメチルエーテル250部を仕込
み、70℃にて6時間重合した。これをノルマルヘキサ
ン中で凝固した後、樹脂分をろ過・真空乾燥してMnが
7,300であるメタクリル酸t−ブチル−メタクリル
酸メチルランダム共重合体(溶解制御剤A)を得た。
【0090】[実施例1]合成例1で得たポリマーA1
00部に対して、合成例3で得られた溶解制御剤A25
部、光酸発生剤としてトリアリールスルホニウムヘキサ
フルオロアンチモネート〔SP−172 旭電化工業
(株)製〕5部、増感剤としてSP−100〔旭電化工
業(株)製〕1部、密着剤としてγ―グリシドキシプロ
ピルトリメトキシシラン1部および界面活性剤〔メガフ
ァックF172 大日本インキ化学工業(株)製〕0.
05部を、固形分濃度が25重量%となるようにジメチ
ルアセトアミドに溶解した。調製した溶液を0.45μ
mのミリポアフィルターにてろ過し、シリコン基板上、
ガラス基板上、および1μmの段差を有するシリコン酸
化膜基板上にそれぞれスピンコートした後、90℃にて
2分間ホットプレート上でプリベークして、膜厚3.0
μmの塗膜を形成した。得られた塗膜付きのシリコン基
板上に所定のパターンを有するマスクを置き、波長36
5nm、光強度5mW/cmの紫外線を空気中で5
0mJ/cmのエネルギー量となるように照射し
た。照射後に110℃のホットプレート上でPEB処理
を2分間行った。次いで0.3wt%のテトラメチルア
ンモニウム水溶液を用いて、25℃×60秒間の現像処
理を行った。その後、超純水でリンス処理を1分間行っ
た。こうしてポジ型のパターンを有する薄膜を形成し
た。このパターンが形成されたシリコン基板と露光・現
像処理をしていない塗膜付きのガラス基板および塗膜付
きの1μmの段差を有するシリコン酸化膜をホットプレ
ート上で200℃で30分間加熱する事により、パター
ンおよび塗膜のポストベークを行い、パターン状薄膜を
形成したシリコン基板、塗膜付きガラス基板及び塗膜付
きのシリコン酸化膜の1μmの段差を有する基板を得
た。得られた各種の基板を用いて、誘電率、透明性、耐
熱変色性、平坦性、耐熱寸法安定性、耐溶剤性、脱ガス
性を評価した。結果を表1に示す。
【0091】[実施例2]合成例3で得られた溶解制御
剤A25部を、溶解制御剤B〔Di―BOC Bisp
henolA、ミドリ化学(株)製、2,2−ビス(4
−ブトキシカルボキシフェニル)プロパン〕20部に代
えた他は実施例1と同様にして、パターン状薄膜を形成
したシリコン基板、塗膜付きガラス基板及び塗膜付きの
1μmの段差を有するシリコン酸化膜基板を得た。得ら
れた各種の基板をおよび用いて、誘電率、透明性、耐熱
変色性、平坦性、耐熱寸法安定性、耐溶剤性、脱ガス性
を評価した。結果を表1に示す。 [実施例3]ポリマーA100部をポリマーB100部
に代え、溶解抑止剤A25部を20部に減じ、トリアリ
ルイソシアネート20部を加える他は実施例1と同様に
して、パターン状薄膜を形成したシリコン基板、塗膜付
きガラス基板及び塗膜付きの1μmの段差を有するシリ
コン酸化膜基板を得た。得られた各種の基板をおよび用
いて、誘電率、透明性、耐熱変色性、平坦性、耐熱寸法
安定性、耐溶剤性、脱ガス性を評価した。結果を表1に
示す。 [実施例4]トリアリルイソシアネート20部をジペン
タエリスリトールヘキサアクリレート〔DPHA、日本
化薬(株)製〕20部に代える他は実施例3と同様にし
て、パターン状薄膜を形成したシリコン基板、塗膜付き
ガラス基板及び塗膜付きの1μmの段差を有するシリコ
ン酸化膜基板を得た。得られた各種の基板をおよび用い
て、誘電率、透明性、耐熱変色性、平坦性、耐熱寸法安
定性、耐溶剤性、脱ガス性を評価した。結果を表1に示
す。
【0092】[比較例1]合成例1で得たポリマーA1
00部、光酸発生剤として1,1,3−トリス(2,5
−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル−3−フェニル)
プロパン(1モル)と1,2−ナフトキノンジアジド−
5−スルホン酸クロリド(1.9モル)との縮合物20
重量部、架橋剤としてアルコキシルメチル化メラミン
〔CYMEL300、三井サイテック(株)製〕25
部、接着助剤としてグリシドキシプロピルトリメトキシ
シラン5部、界面活性剤〔メガファックF−172、大
日本インキ化学工業(株)製〕0.05部をシクロヘキ
サノン550部に混合、溶解後、0.45μmのミリポ
アフィルターにてろ過した。この組成物を用いた他は実
施例1と度王朝にしてパターン状薄膜を形成したシリコ
ン基板、塗膜付きガラス基板及び塗膜付きの1μmの段
差を有するシリコン酸化膜基板を得た。得られた各種の
基板をおよび用いて、誘電率、透明性、耐熱変色性、平
坦性、耐熱寸法安定性、耐溶剤性、脱ガス性を評価し
た。結果を表1に示す。 [比較例2]比較例1において、ポリマーAに代えてポ
リマーBを用いた他は比較例1と同様にして、パターン
状薄膜を形成したシリコン基板、塗膜付きガラス基板及
び塗膜付きの1μmの段差を有するシリコン酸化膜基板
を得た。得られた各種の基板をおよび用いて、誘電率、
透明性、耐熱変色性、平坦性、耐熱寸法安定性、耐溶剤
性、脱ガス性を評価した。結果を表1に示す。
【0093】
【表1】
【0094】表1が示すように、本発明例(実施例1〜
4)は、低誘電特性、耐熱寸法安定性、平坦性、耐熱変
色性、透明性、耐溶剤性及び脱ガス性のいずれの特性に
も優れる。一方、溶解制御剤を用いていないと、低誘電
特性、耐熱寸法安定性、平坦性及び耐溶剤性に優れてい
ても、耐熱変色性、透明性及び脱ガス性に劣った(比較
例1、2)。
【0095】
【発明の効果】本発明の感光性樹脂組成物は、シリコン
基板上などに塗布乾燥し、パターン露光し、その後現像
することによって、平坦性、耐熱性、透明性、耐薬品性
等の諸性能に優れるとともに、脱ガス性が良く、低誘電
性に優れ、微細なパターン状薄膜を容易に形成すること
ができる。本発明の感光性樹脂組成物によって得られる
硬化膜は、絶縁材料として、例えば、半導体素子、発光
ダイオード、各種メモリー類のごとき電子素子;ハイブ
リッドIC、MCM、プリント配線基板等のオーバーコ
ート材;多層回路基板の層間絶縁膜;液晶ディスプレー
の絶縁層など各種の電子部品用硬化膜として好適であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03F 7/40 501 G03F 7/40 501 H01L 21/027 H01L 21/30 502R Fターム(参考) 2H025 AA00 AA06 AA07 AA08 AA10 AB15 AB16 AB17 AC01 AD03 BC51 BE00 BE10 BG00 CB08 CC20 FA03 FA12 FA17 FA29 2H096 BA11 BA20 EA02 FA01 GA08 HA01 4J002 BC022 BC122 BG012 BG072 BH022 BK001 BK002 CD003 CE001 CK023 EA048 ED056 EE036 EH007 EH078 EH126 EL028 EN137 EP007 EQ017 ER008 EU198 EV066 EV076 EV196 EV216 EV217 EV237 EV297 EW177 FD143 FD148 FD202 FD206 FD207 FD310 GP03 GQ00 GQ01 GQ05

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 環状オレフィン系重合体と、溶解制御剤
    と、光酸発生剤と、架橋剤とを含有する感光性樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】 重合性不飽和基を含有する環状オレフィ
    ン系重合体と、溶解制御剤と、光酸発生剤とを含有する
    感光性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の感光性樹脂組成物
    を架橋してなる硬化膜を有する電子部品。
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