JP2002293912A - 脂肪族−芳香族共重合ポリカーボネート樹脂 - Google Patents

脂肪族−芳香族共重合ポリカーボネート樹脂

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JP2002293912A JP2001092161A JP2001092161A JP2002293912A JP 2002293912 A JP2002293912 A JP 2002293912A JP 2001092161 A JP2001092161 A JP 2001092161A JP 2001092161 A JP2001092161 A JP 2001092161A JP 2002293912 A JP2002293912 A JP 2002293912A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透明性、耐衝撃性などの機械的特性に優れ、
屈折率とアッベ数のバランスを良好に保ち、低光弾性定
数等の光学的特性に優れ、流動性が良好であり、耐熱性
の向上した共重合ポリカーボネート樹脂を提供する。 【解決手段】 特定の構造を有する脂肪族ジオール成分
の構成単位および芳香族ジヒドロキシ成分の構成単位か
らなり、脂肪族ジオール成分の構成単位のモル分率が1
0〜90%であり、且つ脂肪族ジオール成分の構成単位
を誘導する脂肪族ジオール化合物の構造異性体比率(ト
ランス体/シス体)が100/0〜60/40である脂
肪族−芳香族共重合ポリカーボネート樹脂。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透明性、耐衝撃性
に優れ、屈折率とアッベ数のバランスが良好であり、低
複屈折率等の光学的特性が優れ、流動性が良好であり、
更に耐熱性を向上させた共重合ポリカーボネート樹脂に
関するものである。該共重合ポリカーボネート樹脂は、
各種分野、例えばレンズ、光ディスク基板、光ファイバ
ー、光学フィルム、光カード、プリズムなどのプラスチ
ック光学用成形品、殊にレンズに好適に利用できるもの
である。
【0002】
【従来の技術】2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン(通称ビスフェノールA)にホスゲンやジ
フェニルカーボネート等のカーボネート前駆体物質を反
応させて得られるポリカーボネート樹脂は、透明性、耐
熱性に優れ、また特に耐衝撃性等の機械特性に優れた性
質を有することからプラスチック光学材料として光ディ
スク基板、各種レンズ、プリズム、光ファイバーなどに
用いられている。しかしながら、該ポリカーボネート樹
脂では、光弾性定数が大きく、溶融流動性が比較的悪い
ために成形品の複屈折が大きくなってしまう事、また屈
折率は1.585と高いがアッベ数が30と低いため、
特にレンズ用途としては色収差の問題が出やすい事など
の欠点を有する。
【0003】このようなポリカーボネート樹脂の欠点を
解決するために、芳香族ジヒドロキシ化合物と脂肪族ジ
オール化合物との共重合ポリカーボネート樹脂がいくつ
か提案されている(特開平1−66234、特開平10
−120777、特開平11−228683、特開平1
1−349676、特開2000−63506)。これ
らの技術では、屈折率、アッベ数が未だ低かったり、光
弾性定数が高く成形品の複屈折が大きくなったり、成形
性、熱安定性等が不十分で満足する成形物が得られない
等の問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、透明
性、耐衝撃性に優れ、屈折率とアッベ数のバランスを良
好に保ち、複屈折率が低減される等の光学的特性が優
れ、流動性が良好であり、更に耐熱性を向上させた共重
合ポリカーボネート樹脂を提供することにある。
【0005】本発明者らは先に特定の構造を有する脂肪
族ジオールと芳香族ビスフェノールとから誘導される構
成単位を有する共重合ポリカーボネート樹脂を用いたプ
ラスチックレンズを提案した(特願2000−2494
40号参照)。本発明は、さらに鋭意研究した結果、脂
肪族ジオール成分の構造異性体に着目し、特定の構造異
性体比率(トランス体/シス体比)を有する脂肪族ジオ
ール成分を使用して得られた共重合ポリカーボネート樹
脂が、より耐熱性に優れることを見出し、本発明に到達
した。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明によれ
ば、下記一般式[1]
【0007】
【化5】
【0008】で表わされる構成単位及び下記一般式
[2]
【0009】
【化6】
【0010】[上記式[2]において、R1及びR2はそ
れぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜1
0のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素
数6〜20のシクロアルキル基、炭素数6〜20のシク
ロアルコキシ基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数
7〜20のアラルキル基、炭素数6〜10のアリールオ
キシ基、炭素数7〜20のアラルキルオキシ基であっ
て、m及びnは夫々0〜4の整数であり、Wは
【0011】
【化7】
【0012】好ましくは
【0013】
【化8】
【0014】であり、ここにR3、R4は同一又は異な
り、水素原子または炭素数1〜10の炭化水素基を表わ
し、R5及びR6はそれぞれ独立して水素原子又は炭素数
1〜3のアルキル基、pは4〜7の整数、R7及びR8
それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1
〜3のアルキル基である。]で表わされる構成単位から
なり、一般式[1]で表わされる構成単位のモル分率が
10〜90%であり、且つ一般式[1]で表わされる構
成単位を誘導する脂肪族ジオール化合物の構造異性体比
率(トランス体/シス体)が100/0〜60/40で
ある脂肪族−芳香族共重合ポリカーボネート樹脂が提供
される。
【0015】本発明の前記一般式[1]で表わされる構
成単位を誘導する脂肪族ジオール化合物としては、1,
2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキ
サンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノー
ルが挙げられる。中でも、1,4−シクロヘキサンジメ
タノールが好ましい。また、これらは単独または二種以
上組み合わせて用いてもよい。
【0016】本発明においては、上記脂肪族ジオール化
合物の構造異性体比率(トランス体/シス体比)が10
0/0〜60/40、好ましくは100/0〜70/3
0、より好ましくは100/0〜80/20、さらに好
ましくは100/0〜85/15のものが用いられる。
同じ組成の共重合体で比較した場合、上記範囲の脂肪族
ジオール化合物を用いることにより、得られる共重合ポ
リカーボネート樹脂は、より耐熱性に優れる利点を有す
る。
【0017】このような構造異性体比率の脂肪族ジオー
ル化合物は、テレフタル酸又はテレフタル酸ジアルキル
などをルテニウム及び錫触媒を用いて一段水素還元によ
り生成可能であるが、通常二段階水素還元により得られ
る。
【0018】具体的には、フタル酸ジアルキル、イソフ
タル酸ジアルキル、テレフタル酸ジアルキルなどを、ま
ず第8〜10族金属触媒存在下、芳香環核部位を水素還
元し、それぞれ対応する1,2−シクロヘキサンジカル
ボン酸ジアルキル、1,3−シクロヘキサンジカルボン
酸ジアルキル及び1,4−シクロヘキサンジカルボン酸
ジアルキルなどのシクロヘキサンジカルボン酸ジアルキ
ルにした後に、銅系触媒の存在下、エステル部位を水素
還元して得ることができる。
【0019】これらのジアルキルエステルを構成するア
ルキル基は、炭素数が1〜4であって、脂肪族一価アル
コールに由来するものが好適である。
【0020】シクロヘキサンジカルボン酸ジアルキルと
して、具体的には、1,4−シクロヘキサンジカルボン
酸ジメチル、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジエ
チル、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジプロピ
ル、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソプロピ
ル、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジブチル、
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソブチル、
1,3−シクロヘキサンジカルボン酸ジメチル、1,3
−シクロヘキサンジカルボン酸ジエチル、1,3−シク
ロヘキサンジカルボン酸ジプロピル、1,3−シクロヘ
キサンジカルボン酸ジイソプロピル、1,3−シクロヘ
キサンジカルボン酸ジブチル、1,3−シクロヘキサン
ジカルボン酸ジイソブチル、1,2−シクロヘキサンジ
カルボン酸ジメチル、1,2−シクロヘキサンジカルボ
ン酸ジエチル、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジ
プロピル、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソ
プロピル、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジブチ
ル、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソブチル
等が例示される。
【0021】還元反応で使用される銅系触媒としては、
エステル還元能を有する公知の銅含有触媒が使用でき、
具体的には、銅酸化物/クロム酸化物、銅酸化物/亜鉛
酸化物、銅酸化物/チタン酸化物、銅酸化物/鉄酸化
物、更にこれらの助触媒としてバリウム、マンガン、ア
ルミ、亜鉛又はマグネシウムなどの酸化物を含有する触
媒が例示される。以上の銅系触媒の内、銅酸化物/クロ
ム酸化物、銅酸化物/亜鉛酸化物成型触媒及びこれらに
酸化バリウムや酸化マンガン等の助触媒を含む成型触媒
が特に好ましい。
【0022】シクロヘキサンジカルボン酸ジアルキルの
還元反応の圧力としては、18〜30MPa、温度は2
00〜280℃の範囲が好適である。
【0023】かくして得られる反応粗物を減圧蒸留する
事により、精製された脂肪族ジオール化合物を得る事が
できる。
【0024】さらに、上記脂肪族ジオール化合物を溶媒
に加熱溶解した後、冷却して再結晶する事により、トラ
ンス体を濃縮精製する事ができる。
【0025】本発明において用いることのできる再結晶
溶媒としては、高温において上記脂肪族ジオール化合物
を十分溶解する溶解度を持ち、室温以下の温度において
特にトランス体構造の溶解度の低いものであることが好
ましい。このような溶媒としては、アルコール、エーテ
ル、エステル、ケトン、芳香族炭化水素などが挙げられ
る。
【0026】例えば、アルコール類としては、メタノー
ル、エタノール、1−プロパノール、イソプロパノー
ル、1−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、
2−ブタノール、tert−ブタノール、1−ペンタノ
ール、2−メチル−1−ブタノール、イソアミルアルコ
ール、1−ヘキサノール、1−ヘプタノール、1−オク
タノール、1−ノニルアルコール、1−デシルアルコー
ル、1−ウンデシルアルコール、1−ドデシルアルコー
ル、アリルアルコール、シクロペンタノール、シクロヘ
キサノール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエ
タノール、2−ブトキシエタノール、エチレングリコー
ル、プロピレングリコールなどを挙げる事ができる。
【0027】エーテル系溶媒としては、ジエチルエーテ
ル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジ
ブチルエーテル、ジイソブチルエーテル、ジ−n−アミ
ルエーテル、ジイソアミルエーテル、メチルブチルエー
テル、メチル−n−アミルエーテル、メチルイソアミル
エーテル、エチルプロピルエーテル、エチルイソプロピ
ルエーテル、エチルブチルエーテル、エチルイソブチル
エーテル、エチル−n−アミルアルコール、エチルイソ
アミルエーテル、ジアリルエーテル、エチルアリルエー
テル、アニソール、フェネトール、ジフェニルエーテ
ル、ジベンジルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4
−ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、
エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコ
ールジブチルエーテル等を挙げる事ができる。
【0028】エステル系溶媒としては、酢酸エチル、酢
酸イソブチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸
n−アミル、酢酸イソアミル、プロピオン酸メチル、プ
ロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、プロピオン
酸イソプロピル、プロピオン酸n−アミル、プロピオン
酸イソアミル、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸イソブチ
ル、酪酸n−ブチル、酪酸イソブチル、酪酸n−アミ
ル、酪酸イソアミル、イソ酪酸メチル、イソ酪酸エチ
ル、イソ酪酸イソブチル、イソ酪酸n−ブチル、イソ酪
酸イソブチル、イソ酪酸n−アミル、イソ酪酸イソアミ
ル、吉草酸メチル、吉草酸エチル、吉草酸イソブチル、
吉草酸n−ブチル、吉草酸イソブチル、吉草酸n−アミ
ル、吉草酸イソアミル、イソ吉草酸メチル、イソ吉草酸
エチル、イソ吉草酸イソブチル、イソ吉草酸n−ブチ
ル、イソ吉草酸イソブチル、イソ吉草酸n−アミル、イ
ソ吉草酸イソアミル、安息香酸メチル、安息香酸エチ
ル、安息香酸イソブチル、安息香酸n−ブチル、安息香
酸イソブチル、安息香酸n−アミル、安息香酸イソアミ
ル等を挙げる事ができる。
【0029】ケトン溶媒としては、アセトン、メチルエ
チルケトン、ジエチルケトン、イソプロピルメチルケト
ン、ジイソプロピルケトン、ブチルメチルケトン、イソ
ブチルメチルケトン、シクロブタノン、シクロペンタノ
ン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノン等を挙げる事
ができる。
【0030】芳香族炭化水素化合物としては、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、メシチレン等を挙げる事がで
きる。
【0031】これらのうち、特に好ましくはエステル類
であり、更に好ましくは炭素数2〜5の脂肪族カルボン
酸のエステルである。また、上記溶媒を2種類以上混合
して用いてもよい。
【0032】再結晶は公知の方法で実施することがで
き、構造異性体比率に応じて2回以上の多数回の再結晶
を実施してもよい。再結晶で得られた結晶は、濾別、洗
浄後、適当な条件で乾燥し、ポリカーボネート樹脂の原
料として用いられる。
【0033】また、前記一般式[2]で表わされる構成
単位を誘導する芳香族ジヒドロキシ化合物としては、例
えば、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ビス(4−
ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)−1−フェニルエタン、2,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−
ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,
1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−ト
リメチルシクロヘキサン、2,2−ビス(3−フェニル
−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス
(3−イソプロピル−4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)オクタン、2,2−ビス(3−ブロモ−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−
ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2
−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)
プロパン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−シクロ
ヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1
−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニ
ル)シクロヘキサン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)
ジフェニルメタン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3
−メチルフェニル)フルオレン、1,1−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)シクロペンタン、ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)エ−テル、ビス(4−ヒドロキシ−3−
メチルフェニル)エ−テル、ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スル
ホキシド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィ
ド、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)スル
ホン、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)ス
ルホキシド、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニ
ル)スルフィド、ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシ
フェニル)スルホン、ビス(3−フェニル−4−ヒドロ
キシフェニル)スルホキシド、ビス(3−フェニル−4
−ヒドロキシフェニル)スルフィド、1,3−ビス{2
−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル}ベンゼ
ン、1,4−ビス{2−(4−ヒドロキシフェニル)−
2−プロピル}ベンゼン等が挙げられる。
【0034】なかでも、1,1−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)−1−フェニルエタン、2,2−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビ
ス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロ
パン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロ
ヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−
3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシ−
3−メチルフェニル)スルホン、9,9−ビス(4−ヒ
ドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、1,3−
ビス{2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピ
ル}ベンゼン、1,4−ビス{2−(4−ヒドロキシフ
ェニル)−2−プロピル}ベンゼンが好ましく、殊に
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン[通
称ビスフェノールA]、1,1−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサ
ン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、9,9
−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオ
レンが好ましい。また、これらは単独または二種以上組
み合わせて用いてもよい。
【0035】また、第三成分として上記一般式[1]で
表わされる脂肪族ジオール化合物に、3,9−ビス(2
−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−2,4,
8,10−テトラオキサスピロ(5・5)ウンデカン、
トリシクロ[5.2.1.02, 6]デカンジメタノー
ル、デカリンジメタノールなどの脂肪族ジオール化合物
を、脂肪族ジオール化合物成分中好ましくは10モル%
以下併用してもよい。
【0036】前記脂肪族−芳香族共重合ポリカーボネー
ト樹脂は、その構成単位すべてのモル分率の合計を10
0モル%とした時に、前記一般式[1]で表わされる構
成単位のモル分率が10〜90%であり、好ましくは2
0〜80%、より好ましくは20〜70%、最も好まし
くは30〜70%である。90%を超えると耐熱性の低
下および屈折率の低下をきたすことがあり、10%未満
ではアッベ数が低下し、複屈折率とアッベ数のバランス
が悪くなり、レンズ材料としては適当でない。
【0037】また、本発明の共重合ポリカーボネート樹
脂は、共重合状態を制限するものではなく、ランダム、
ブロック、交互共重合状態のどれでもよく、またそれら
の混合状態でもよい。
【0038】本発明の脂肪族−芳香族共重合ポリカーボ
ネート樹脂を製造する方法としては、酸結合剤の存在下
に、上記芳香族ジヒドロキシ化合物及び脂肪族ジオール
化合物とホスゲンとの反応を行う方法(溶液法)、又は
炭酸ジエステルとを加熱溶融下、エステル交換反応をさ
せる方法(溶融法)が好ましく採用される。
【0039】該溶液法では、酸結合剤としてピリジン、
キノリン、イソキノリン、ジメチルアニリン等の芳香族
第三級アミンがあげられ、殊に、ピリジンが好適なもの
として用いられる。これらは単独または有機溶媒を用い
希釈して反応が行われる。
【0040】該有機溶媒としては、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン等の炭化水素、ジクロロメタン、クロロホ
ルム、ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベン
ゼン等のハロゲン化炭化水素が用いられ、特にジクロロ
メタン、クロロホルム、ジクロロエタン、クロロベンゼ
ン、ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素が好まし
く、殊にジクロロメタンがもっとも好ましい。
【0041】該酸結合剤の使用量は、通常ホスゲンに対
して、2〜100モル当量用いられ、好ましくは、2〜
50モル当量用いられる。反応温度は通常0〜100℃
で、好ましくは、0〜40℃で行われる。反応時間は通
常数分〜数日間、好ましくは、10分間〜5時間行われ
る。
【0042】また、末端停止剤として単官能フェノール
類を使用することができる。単官能フェノール類は末端
停止剤として分子量調節のために一般的に使用され、ま
た得られたポリカーボネート樹脂は、末端が単官能フェ
ノール類に基づく基によって封鎖されているので、そう
でないものと比べて熱安定性に優れている。かかる単官
能フェノール類の具体例としては、例えばフェノール、
p−tert−ブチルフェノール、p−クミルフェノー
ルおよびイソオクチルフェノールが挙げられる。また、
他の単官能フェノール類としては、長鎖のアルキル基あ
るいは脂肪族ポリエステル基を置換基として有するフェ
ノール類または安息香酸クロライド類、もしくは長鎖の
アルキルカルボン酸クロライド類を使用することができ
る。
【0043】これらの末端停止剤は、得られたポリカー
ボネート樹脂の全末端に対して少くとも5モル%、好ま
しくは少くとも10モル%末端に導入されることが望ま
しく、また、末端停止剤は単独でまたは2種以上混合し
て使用してもよい。
【0044】また、溶融法では、炭酸ジエステルとして
は、置換されていてもよい炭素数6〜12のアリール
基、アラルキル基あるいは炭素数1〜4のアルキル基な
どのエステルが挙げられる。具体的にはジフェニルカー
ボネート、ビス(クロロフェニル)カーボネート、m―
クレジルカーボネート、ジナフチルカーボネート、ビス
(ジフェニル)カーボネート、ジメチルカーボネート、
ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネートなどが挙
げられ、なかでもジフェニルカーボネートが好ましい。
【0045】炭酸ジエステルは、脂肪族ジオール化合物
と芳香族ジヒドロキシ化合物の合計1モルに対して0.
97〜1.20モルの割合で用いられることが好まし
く、特に好ましくは1.00〜1.10モルの割合であ
る。
【0046】また、重合速度を速めるために重合触媒を
用いることができ、かかる重合触媒としては、例えば水
酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、二
価フェノールのリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩
等のアルカリ金属化合物、水酸化カルシウム、水酸化バ
リウム、水酸化マグネシウム等のアルカリ土類金属化合
物、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエ
チルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルアミン、ト
リエチルアミン等の含窒素塩基性化合物、アルカリ金属
やアルカリ土類金属のアルコキシド類、アルカリ金属や
アルカリ土類金属の有機酸塩類、亜鉛化合物類、ホウ素
化合物類、アルミニウム化合物類、珪素化合物類、ゲル
マニウム化合物類、有機スズ化合物類、鉛化合物類、オ
スミウム化合物類、アンチモン化合物類マンガン化合物
類、チタン化合物類、ジルコニウム化合物類などの通常
エステル化反応、エステル交換反応に使用される触媒を
用いることができる。触媒は単独で使用してもよいし、
2種以上組み合わせて使用してもよい。これらの重合触
媒の使用量は、原料の芳香族ジヒドロキシ化合物及び脂
肪族ジオール化合物1モルに対し、好ましくは1×10
-9〜1×10-2当量、より好ましくは1×10-8〜5×
10-3当量の範囲で選ばれる。また、必要に応じて分子
量調節剤、酸化防止剤等を加えてもよい。
【0047】具体的には、不活性ガスの存在下に温度1
20〜180℃で脂肪族ジオール化合物、芳香族ジヒド
ロキシ化合物と炭酸ジエステル及び触媒とを加熱しなが
ら溶融混合する。その後、66.5〜0.67kPa、
好ましくは26.6〜1.33kPaの範囲まで減圧を
行い、反応温度を150〜350℃、好ましくは150
〜300℃の範囲で昇温し、生成するアルコールまたは
フェノールを留出させてエステル交換反応を進行させ
る。その際還流をさせながら反応を行っても良く、その
還流比は、反応槽に戻す流量:系外に出す流量は、好ま
しくは90:10〜0:100であり、より好ましくは
80:20〜10:90であり、さらに好ましくは7
0:30〜30:70である。反応槽に戻す流量比が9
0%以下であれば、反応効率が良好で、ポリカーボネー
ト樹脂の熱劣化などがなく好ましい。
【0048】最終的には、133Pa以下まで減圧し、
200℃〜350℃の温度でアルコールまたはフェノー
ルの留出を容易にし反応を完結させる。反応時間は通常
2〜10時間程度である。このような反応は、連続式で
も良くまたバッチ式で行ってもよい。上記の反応を行う
に際して用いられる反応装置は、槽型、管型、塔型また
は押し出し機型であってもよい。
【0049】また、反応後期に触媒失活剤を添加するこ
ともできる。使用する触媒失活剤としては、公知の触媒
失活剤が有効に使用されるが、この中でもスルホン酸の
アンモニウム塩、ホスホニウム塩が好ましく、更にドデ
シルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩等
のドデシルベンゼンスルホン酸の上記塩類やパラトルエ
ンスルホン酸テトラブチルアンモニウム塩等のパラトル
エンスルホン酸の上記塩類が好ましい。またスルホン酸
のエステルとしてベンゼンスルホン酸メチル、ベンゼン
スルホン酸エチル、ベンゼンスルホン酸ブチル、ベンゼ
ンスルホン酸オクチル、ベンゼンスルホン酸フェニル、
パラトルエンスルホン酸メチル、パラトルエンスルホン
酸エチル、パラトルエンスルホン酸ブチル、パラトルエ
ンスルホン酸オクチル、パラトルエンスルホン酸フェニ
ル等が好ましく用いられ、その中でも、ドデシルベンゼ
ンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩が最も好まし
く使用される。
【0050】これらの触媒失活剤の使用量はアルカリ金
属化合物および/またはアルカリ土類金属化合物より選
ばれた前記重合触媒1モル当たり0.5〜50モルの割
合で、好ましくは0.5〜10モルの割合で、更に好ま
しくは0.8〜5モルの割合で使用することができる。
さらに必要に応じて分子量調節剤、酸化防止剤等を加え
てもよい。
【0051】本発明の共重合ポリカーボネート樹脂は、
ジクロロメタン中、20℃、0.7g/100mlの濃
度で測定した比粘度が、好ましくは0.25〜0.8、
より好ましくは0.3〜0.7、さらに好ましくは0.
35〜0.65である。かかる範囲の比粘度であると、
耐衝撃性が十分であり、光学用成形品材料として好適で
ある。
【0052】本発明の共重合ポリカーボネート樹脂の耐
熱性は、ガラス転移温度(Tg)で90〜140℃が好
ましく、より好ましくは92〜135℃、さらに好まし
くは94〜130℃である。
【0053】本発明の共重合ポリカーボネート樹脂の流
動性(Q値)は、25〜300×10-3cm3/Sが好
ましく、より好ましくは50〜250×10-3cm3
S、さらに好ましくは80〜200×10-3cm3/S
である。
【0054】本発明の共重合ポリカーボネート樹脂は、
レンズ、光ディスク基板、光ファイバー、光学フィル
ム、光カード、プリズムなどのプラスチック光学用成形
品材料として好ましく用いられ、特にプラスチックレン
ズ材料として好ましく用いられる。該プラスチックレン
ズは、射出成形、圧縮成形、押出成形、射出圧縮成形等
各種の成形方法により成形され、なかでも射出圧縮成形
が光学歪みの少ないレンズを成形でき最も好ましい方法
である。
【0055】射出圧縮成形において、シリンダー温度は
200〜300℃、金型温度は40〜90℃が好まし
い。成形に当たって、必要に応じて離型剤を配合する事
ができる。
【0056】離型剤としては飽和脂肪酸エステルが一般
的であり、例えばステアリン酸モノグリセライド等のモ
ノグリセライド類、ステアリン酸ステアレート等の低級
脂肪酸エステル類、セバシン酸ベヘネート等の高級脂肪
酸エステル類、ペンタエリスリトールテトラステアレー
ト等のエリスリトールエステル類が使用される。
【0057】また、必要に応じて亜リン酸エステル系の
熱安定剤を配合してもよい。亜リン酸エステル系の熱安
定剤としてはトリフェニルホスファイト、トリス(ノニ
ルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−te
rt−ブチルフェニル)ホスファイト、テトラキス
(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’
−ビフェニレンジホスホナイト、ビス(2,6−ジ−t
ert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリ
トールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−
ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジ
ホスファイト、トリス(エチルフェニル)ホスファイ
ト、トリス(ブチルフェニル)ホスファイト及びトリス
(ヒドロキシフェニル)ホスファイト等が好ましい。
【0058】耐候性の向上及び有害な紫外線をカットす
る目的で、本発明の共重合ポリカーボネート樹脂には更
に紫外線吸収剤を配合する事ができる。かかる紫外線吸
収剤としては、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシ
ベンゾフェノンに代表されるベンゾフェノン系紫外線吸
収剤;例えば2−(3−tert−ブチル−5−メチル
−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリア
ゾール、2−(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒ
ドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、
2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3,−テ
トラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール
−2−イル)フェノール]、2−[2−ヒドロキシ−
3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]
−2H−ベンゾトリアゾール及び2−(3,5−ジ−t
ert−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリ
アゾールに代表されるベンゾトリアゾール系紫外線吸収
剤が例示され、これらは単独で用いても、二種以上併用
してもよい。
【0059】また、本発明の共重合ポリカーボネート樹
脂には更にポリカーボネート樹脂や紫外線吸収剤に基づ
くレンズの黄色味を打ち消すためにブルーイング剤を配
合することができる。ブルーイング剤としてはポリカー
ボネート樹脂に使用されるものであれば、特に支障なく
使用することができる。一般的にはアンスラキノン系染
料が入手容易であり好ましい。また、各種染顔料等を添
加することにより、各種着色レンズを成形することもで
きる。
【0060】また、上記レンズはその表面にハードコー
ト、反射防止コート、防曇コート等の後加工処理をして
用いる事ができる。
【0061】上記レンズとしては、眼鏡レンズ、カメラ
レンズ、顕微鏡レンズ、プロジェクターレンズ、フレネ
ルレンズ、ピックアップレンズ等の各種レンズが挙げら
れる。なかでも、本発明の共重合ポリカーボネート樹脂
は、屈折率、アッベ数のバランスが良好な点から眼鏡レ
ンズ用途に特に好適である。
【0062】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を更に説明す
る。なお、実施例中の部及び%は重量部及び重量%であ
る。また比粘度、屈折率、アッベ数、ガラス転移温度、
Q値、光弾性定数は下記の方法で測定した。 (1)比粘度 塩化メチレンを溶媒として、0.7g/100mlの濃
度で測定した。尚、測定温度を20℃とした。 (2)屈折率およびアッベ数 ポリカーボネート樹脂のキャスティングフィルム(厚み
100μm)を作成し、アタゴ(株)製アッベ屈折計に
よりジヨードメタンを接触液として25℃で測定した。 (3)ガラス転移温度(Tg) ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン(株)社製
2910型DSCを用いて測定した。 (4)流動性(Q値) 島津製作所(株)製フローテスターCFT−500Cに
より直径10mm、長さ20mmのシリンダーを用いて
温度240℃、荷重100kgで直径1.0mmのノズ
ルから1秒間に流出する体積を測定した。 (5)光弾性定数 理研機器(株)製の光弾性測定装置PA−150により
厚さ100μmのキャストフィルムを用いて測定した。 (6)落球衝撃試験 7.7mmΦ×1.5mmのレンズにFDA規格に基づ
き行った。具体的には、15.8gの鋼球を高さ127
cmの高さよりレンズの中心部に向けて自然落下させて
判定した。 判定基準は、○:割れ発生ぜず、×:割れ発生とした。
【0063】[参考例](1,4−シクロヘキサンジメ
タノールの合成及び精製) 1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジメチルエステル
を250重量部、銅−クロム触媒25重量部とを2L容
量のオートクレーブに入れ260℃で攪拌し、水素圧1
5MPaで水素還元した後、濾過により触媒を除去し、
得られたろ液中の副生メタノールを濃縮により除去後、
減圧蒸留(160〜175℃/1.33〜2.00kP
a)する事で、1,4−シクロヘキサンジメタノール
(以下、CHDMと称することがある)を得た。このも
のを1H−NMR(JEOL製 JNM−AL400)
測定したところ、異性体構造比率はトランス体71%、
シス体29%であった(CHDM1)。
【0064】上記で得られたCHDM1を300g用い
て酢酸エチル600mLに温度70℃で完全に溶解した
後、5℃まで冷却し再結晶した。結晶を濾別し、酢酸エ
チルで洗浄後、真空乾燥機を用いて30℃で乾燥させ、
結晶200gを得た(収率66%)。得られた結晶の構
造異性体比率は、トランス体88%、シス体12%であ
った(CHDM2)。
【0065】上記操作で得られたろ液を減圧下(2.7
kPa)、30℃で酢酸エチルを除去後、減圧下(67
Pa)、25℃で乾燥させることにより、CHDM90
gを得た。この構造異性体比率は、トランス体50%、
シス体50%であった(CHDM4)。
【0066】上記CHDM2を100g用いて、上記と
同様な方法で酢酸エチル(一回目250mL、二回目5
0mL)で二回繰り返して再結晶することにより、結晶
56gを得た(収率36%)。得られた結晶の構造異性
体比率は、トランス体99%、シス体1%であった(C
HDM3)。
【0067】[実施例1]上記で得たCHDM1を72
重量部、ビスフェノールA(以下、BPAと称すること
がある)を113重量部、ジフェニルカーボネートを2
20重量部及びテトラメチルアンモニウムヒドロキシド
を0.18重量部、水酸化ナトリウム8×10-4重量部
を攪拌装置、蒸留器及び減圧装置を備えた反応槽に仕込
み、窒素置換した後、140℃で溶解した。30分攪拌
後、内温を180℃に昇温しつつ徐々に減圧し13.3
kPaで30分間反応させ、生成するフェノールを溜去
した。次に同圧に維持しながら昇温し続け、190℃で
30分間、200℃で40分間、220℃で30分間、
さらに240℃で30分間フェノールを溜去せしめ反応
させた。その後、ゆっくりと減圧し240℃で133P
a以下とした。フル真空到達後4時間攪拌下で反応せし
めた。失活剤として、ドデシルベンゼンスルホン酸テト
ラブチルホスホニウム塩を4.6×10-2重量部添加
後、240℃、13.3kPaで20分間攪拌した後、
反応槽の底より窒素加圧下吐出し、水槽で冷却しながら
ペレタイザーでカットしてペレットとした。得られたペ
レットを用いて、シリンダー温度220〜240℃、金
型温度65℃の条件で眼鏡用凹レンズの金型を使用し、
射出圧縮成形によりレンズとした。各種評価結果を表1
に示した。
【0068】[実施例2]参考例1で得られたCHDM
2を用いた以外は、実施例1と同様な操作を行いポリカ
ーボネート樹脂及びレンズを得た。その評価結果を表1
に示した。
【0069】[実施例3]参考例1で得られたCHDM
3を用いた以外は、実施例1と同様な操作を行いポリカ
ーボネート樹脂及びレンズを得た。その評価結果を表1
に示した。
【0070】[比較例1]参考例1で得られたCHDM
4を用いた以外は、実施例1と同様な操作を行いポリカ
ーボネート樹脂及びレンズを得た。その評価結果を表1
に示した。
【0071】[比較例2]ビスフェノールAタイプのポ
リカーボネート樹脂ペレット(帝人化成(株)製パンラ
イトL−1250)を用いて評価した。このペレットを
用いてシリンダー温度280〜300℃、金型温度12
5℃で射出圧縮成形し、レンズを得た。その評価結果を
表1に示した。
【0072】
【表1】
【0073】
【発明の効果】本発明のポリカーボネート樹脂は、透明
性、耐衝撃性に優れ、屈折率とアッベ数のバランスが良
好で、低複屈折率等の光学的特性が優れ、流動性が良好
であり、更に耐熱性を向上させた脂肪族−芳香族共重合
ポリカーボネート樹脂であり、各種レンズ、光ディスク
基板、光ファイバー、光学フィルム、光カード、プリズ
ム等の光学成形品用材料に好適に利用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 今中 嘉彦 東京都千代田区内幸町1丁目2番2号 帝 人化成株式会社内 Fターム(参考) 4J029 AA09 AB01 AB07 AC02 AE04 BB11A BB12A BB13A BB15A BB16A BB18 BD06A BD07A BF14A BG08X BH02 DB07 DB10 DB12 HA01 HC01 HC03 JB131 JB171 JC031 JC051 JC091 JC231 JC731 JF021 JF031 JF041 JF131 JF141 JF161 JF181 JF221 JF321 JF331 JF361 JF371 JF381 KD02 KE02

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式[1] 【化1】 で表わされる構成単位及び下記一般式[2] 【化2】 [上記式[2]において、R1及びR2はそれぞれ独立し
    て水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル
    基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数6〜20の
    シクロアルキル基、炭素数6〜20のシクロアルコキシ
    基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜20のア
    ラルキル基、炭素数6〜10のアリールオキシ基、炭素
    数7〜20のアラルキルオキシ基であって、m及びnは
    夫々0〜4の整数であり、Wは 【化3】 であり、ここにR3、R4は同一又は異なり、水素原子ま
    たは炭素数1〜10の炭化水素基を表わし、R5及びR6
    はそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜3のアルキ
    ル基、pは4〜7の整数、R7及びR8はそれぞれ独立し
    て水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜3のアルキル
    基である。]で表わされる構成単位からなり、一般式
    [1]で表わされる構成単位のモル分率が10〜90%
    であり、且つ一般式[1]で表わされる構成単位を誘導
    する脂肪族ジオール化合物の構造異性体比率(トランス
    体/シス体)が100/0〜60/40である脂肪族−
    芳香族共重合ポリカーボネート樹脂。
  2. 【請求項2】 前記一般式[1]が、1,4−シクロヘ
    キサンジメタノールから誘導された構成単位である請求
    項1記載の脂肪族−芳香族共重合ポリカーボネート樹
    脂。
  3. 【請求項3】 前記一般式[2]において、Wは 【化4】 [ここで、R3、R4、R5、R6、R7及びR8の定義は、
    上記式[2]の定義と同じである。]で表わされる構成
    単位である請求項1記載の脂肪族−芳香族共重合ポリカ
    ーボネート樹脂。
  4. 【請求項4】 前記一般式[2]が、2,2−ビス(4
    −ヒドロキシフェニル)プロパンから誘導された構成単
    位である請求項1記載の脂肪族−芳香族共重合ポリカー
    ボネート樹脂。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の共重合ポリカーボネート
    樹脂より形成された光学用成形品。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の共重合ポリカーボネート
    樹脂より形成されたプラスチックレンズ。
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