JP2000327895A - ポリカーボネート樹脂組成物 - Google Patents

ポリカーボネート樹脂組成物

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JP2000327895A
JP2000327895A JP11135642A JP13564299A JP2000327895A JP 2000327895 A JP2000327895 A JP 2000327895A JP 11135642 A JP11135642 A JP 11135642A JP 13564299 A JP13564299 A JP 13564299A JP 2000327895 A JP2000327895 A JP 2000327895A
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孝則 三好
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渉 船越
Katsuji Sasaki
勝司 佐々木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 滞留安定性に優れて成形時の滞留やけが少な
く、また、成形時の離型性にも優れるポリカーボネート
樹脂組成物を提供することにある。 【解決手段】 芳香族ジヒドロキシ化合物とカーボネー
ト結合形成性化合物とを反応してなり、粘度平均分子量
12,000〜100,000、溶融粘度変化率0.5
%以下、且つ末端OH基量100eq/ton以下の芳
香族ポリカーボネート(A)100重量部、炭素数が2
〜20で2個以上の水酸基を有する多価アルコールの少
なくとも1つの水酸基が、炭素数が8以上の長鎖脂肪酸
のエステルを形成している多価アルコールの長鎖脂肪酸
エステル(B)0.001〜0.5重量部、並びに無機
酸及び無機酸の部分エステルから選ばれる化合物(C)
0.0001〜0.01重量部からなるポリカーボネー
ト樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はコンパクトディス
ク、CD−ROM、DVD−ROM、DVD−R等の光
ディスク等の情報記録媒体、レンズ、等の光学用成形品
を製造するのに適した成形性、耐熱安定性を有するポリ
カーボネート樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来技術】ポリカーボネート樹脂は透明性、耐熱性、
機械物性に優れた材料として、従来よりCD(コンパク
トディスク)、光ディスク、レンズ等の光学用途に使用
されてきており、成形性、耐熱性に関しても、多くの改
良方法が提案されてきた。
【0003】成形時の離型性を改善する方法に関しても
従来より、多くの改善が試みられており、パラフィン、
シリコンオイル、脂肪酸、脂肪酸エステルなどの離型剤
が知られている。これらの中でも、多価アルコールの部
分エステルが、比較的少量の使用でも優れた離型性を発
現することが知られている。例えば特公昭52−356
96号公報にはポリカーボネート樹脂中に飽和脂肪族カ
ルボン酸と3価アルコールとのエステルを添加する技術
が開示されている。また、脂肪酸モノグリセリドをポリ
カーボネート樹脂中に添加する技術に関しては、特開平
2−48081号公報では光学用成形品の転写性向上、
特公昭55−4141号公報では帯電性の向上に関する
記載がなされている。
【0004】一方、ポリカーボネート樹脂の溶融安定
性、色相、耐加水分解性を向上させる方法としては、特
開平7−165905号公報において、重合反応終了後
に特定構造のスルホン酸ホスホニウム塩及び/または硫
酸エステルのホスホニウム塩を添加する方法が記載され
ている。
【0005】また、ポリカーボネート樹脂に酸成分を添
加することに関しては、特開平8−259687号公
報、特開平8−259688号公報において、溶融重合
で製造されたポリカーボネートを、ベント式押し出し機
を用いて連続的に脱気するに際し、該押し出し機の樹脂
供給口に最近のベント口手前に酸性化合物を添加、混練
した後、水を導入して連続的に脱気するポリカーボネー
トの製造方法が開示されている。これは、触媒や低分子
量成分の除去を効果的に行うことにより、熱安定性や、
加水分解性を向上させることを主たる目的とするもので
あるが、安定化されていないポリカーボネート樹脂に対
して直接酸成分を添加することは、重合度変化や、ポリ
マーの劣化といった問題が危惧される。
【0006】さらに、特許第2701300号公報には
ポリカーボネート樹脂100重量部に対して、亜リン酸
0.0005〜0.01重量部、炭素数10〜22の飽
和脂肪酸と多価アルコールとの部分エステル0.001
〜0.01重量部、及び炭素数10〜30の飽和脂肪酸
と1価あるいは多価アルコールとのエステル0.005
〜0.2重量部を配してなる樹脂組成物が開示されてい
る。亜リン酸の添加は樹脂の成形時の分子量低下の抑制
や、湿熱性の向上を目的としたものであるが、亜リン酸
の添加だけではポリマーの溶融時の溶融粘度変化率を
0.5%以下に抑制することは困難である。
【0007】ポリカーボネート樹脂の成形温度は、光学
用途では、複屈折の低減、成形性向上のために、重合温
度よりも高温で実施される。そのため、ポリマー自身の
熱安定性もさる事ながら、離型性向上のために使用され
る多価アルコールの長鎖脂肪酸エステルは、添加するこ
とにより離型性は向上するものの、添加することにより
成形温度での滞留安定性が損なわれ、滞留焼けしやすい
という問題点がある。そのため、ポリマーの耐熱安定
性、離型性の向上と滞留焼けの防止を同時に満足するの
はこれまで困難であった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、滞留
安定性に優れて成形時の滞留やけが少なく、また、成形
時の離型性にも優れるポリカーボネート樹脂組成物を提
供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、芳香族ジヒド
ロキシ化合物とカーボネート結合形成性化合物とを反応
してなる、主たる繰り返し単位が下記式(1)
【0010】
【化2】
【0011】(上記式(1)中、R1、R2、R3及びR4
はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜10のアルキル
基、アラルキル基又はアリール基であり、Wはアルキリ
デン基、アルキレン基、シクロアルキリデン基、シクロ
アルキレン基、酸素原子、硫黄原子、スルホキシド基、
またはスルホン基である。)で表わされる、粘度平均分
子量12,000〜100,000、溶融粘度変化率
0.5%以下、且つ末端OH基量100eq/ton以
下の芳香族ポリカーボネート(A)100重量部、多価
アルコールの長鎖脂肪酸エステル(B)0.001〜
0.5重量部、並びに無機酸及び無機酸の部分エステル
から選ばれる化合物(C)0.0001〜0.01重量
部からなるポリカーボネート樹脂組成物により、ポリカ
ーボネートの耐熱安定性が向上し、離型性の向上と滞留
焼けの防止を達成することができるものである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下本発明について詳述する。本
発明で使用される芳香族ポリカーボネート(A)とは、
主たる繰り返し単位が、芳香族ジヒドロキシ化合物とカ
ーボネート結合形成性化合物との反応生成物であって、
上記式(1)であらわされるものであり、界面重合法等
のホスゲン法あるいは溶融重合法、固相重合法のいずれ
の方法でも製造可能である。
【0013】上述の芳香族ポリカーボネート(A)の製
造に使用される芳香族ジヒドロキシ化合物としては下記
式(2)に示される化合物が好ましく用いられる。
【0014】
【化3】
【0015】(上記式(2)中、 R1、R2、R3、R4
及びWは、上記式(1)におけるものと同義である) ここで、R1、R2、R3及びR4において、炭素数1〜1
0のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピ
ル基、t−ブチル基を例示することができる。炭素数1
〜10のアラルキル基としては、ベンジル基、2-フェ
ニル−2−プロピル基を例示することができる。炭素数
1〜10のアリール基としては、フェニル基、α−ナフ
チル基、β−ナフチル基を例示することができる。
【0016】Wにおいて、アルキリデン基、アルキレン
基、シクロアルキリデン基、シクロアルキレン基、アリ
ール基置換アルキレン基は、炭素数1〜15のものが好
適である。かかるアルキリデン基としては、メチレン
基、エチリデン基、2,2−プロピリデン基2,2−ブ
チリデン基が例示できる。アルキレン基としては、1,
2−エチレン基、1,3−プロピレン基が例示できる。
シクロアルキリデン基としては、1,1−シクロペンチ
ル基、1,1−シクロヘキシル基、9,9−フルオレン
基、が例示できる。シクロアルキレン基としては、が例
示できる。
【0017】このような芳香族ジヒドロキシ化合物とし
ては、具体的には、(i)ビス (4−ヒドロキシフェ
ニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)エタン、 2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メ
チルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)ヘプタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ
−3,5−ジクロロフェニル)プロパン、2,2−ビス
(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパ
ン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、
4,4’−ジヒドロキシフェニル−1,1’−m−ジイ
ソプロピルベンゼン、4,4’−ジヒドロキシフェニル
−9,9−フルオレン、などのビス(4−ヒドロキシア
リール)アルカン類、(ii)1,1−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1−メチル−1
−(4−ヒドロキシフェニル)−4−(ジメチル−4−
ヒドロキシフェニル)メチル−シクロヘキサン、4−
[1−〔3−(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチル
シクロヘキシル〕−1−メチルエチル]−フェノール、
4,4’−〔1−メチル−4−(1−メチルエチル)−
1,3−シクロヘキサンジイル〕ビスフェノール、2,
2,2’,2’−テトラヒドロ −3,3,3’,3’
−テトラメチル−1,1’−スピロビス−〔1H−イン
デン〕−6,6’−ジオール、などのビス(ヒドロキシ
アリール)シクロアルカン類、(iii)ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシ−
3,5−ジクロロフェニル)エーテル、4,4’−ジヒ
ドロキシ−3,3’−ジメチルフェニルエーテル、など
のジヒドロキシアリールエーテル類、(iv)4,4’
−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒ
ドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルフィド、
などのジヒドロキシジアリールスルフィド類、4,4’
−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジ
ヒドロキシ−3,3’−ジメチル(v)ジフェニルスル
ホキシド、などのジヒドロキシジアリールスルスルホキ
シド類、(vi)4,4’−ジヒドロキシジフェニルス
ルホン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチル
ジフェニルスルホン、などのジヒドロキシジアリールス
ルホン類、(vii)4,4’−ジヒドロキシジフェニ
ル−3,3’−イサチン、などのジヒドロキシジアリー
ルイサチン類、(viii)3,6−ジヒドロキシ−
9,9−ジメチルキサンテン、などのジヒドロキシジア
リールキサンテン類が挙げられる。
【0018】中でも2,2−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパンがモノマーとしての安定性、更にはそれ
に含まれる不純物の量が少ないものの入手が容易である
点、等より好ましいものとしてあげられる。
【0019】本発明における芳香族ポリカーボネート
(A)中には、ガラス転移温度の制御、あるいは流動性
の向上、あるいは、屈折率のアップ、あるいは複屈折の
低減等、光学的性質の制御等を目的として各種モノマー
を必要に応じて、一種あるいは2種以上を含有させるこ
とも可能なことは言うまでもない。
【0020】これらの具体例としては、たとえば脂肪族
ジヒドロキシ化合物類例えば(i)エチレングリコー
ル、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサン
ジメタノール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジ
オール、1,10−デカンジオール、ジエチレングリコ
ール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコ
ール、ポリテトラメチレングリコール等、(ii) 上
記式(2)で示される以外の芳香族ジヒドロキシ化合物
として、レゾルシン、3−メチルレソルシン、3−エチ
ルレゾルシン、3−ブチルレゾルシン、3−t−ブチル
レゾルシン、3−フェニルレゾルシン、3−クミルレゾ
ルシン、ヒドロキノン、2−メチルヒドロキノン、2−
エチルヒドロキノン、2−ブチルヒドロキノン、2−t
−ブチルヒドロキノン、2−フェニルヒドロキノン、2
−クミルヒドロキノン、などのジヒドロキシベンゼン
類、(iii)4,4’−ジヒドロキシジフェニル、
3,3’−ジクロロ−4,4’−ジヒドロキシジフェニ
ル、等ジヒドロキシジフェニル類、(iv)ジカルボン
酸類、たとえばコハク酸、イソフタル酸、2,6−ナフ
タレンジカルボン酸、アジピン酸、シクロヘキサンジカ
ルボン酸、テレフタル酸、あるいはオキシ酸類例えば、
p−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフト
エ酸、乳酸等が挙げられる。
【0021】特に望ましい実施態様に於いては、上記芳
香族ポリカーボネートが溶融重合法により製造されたも
のである。溶融重合法ではカーボネート結合形成性化合
物としては芳香族炭酸エステルが、具体的にはジフェニ
ルカーボネート、ジトリルカーボネート、ビス(2−ク
ロロフェニル)カーボネート、m−クレシルカーボネー
ト、ジナフチルカーボネート、ビス(4−フェニルフェ
ニル)カーボネート、等が挙げられる。ジメチルカーボ
ネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネー
ト、ジシクロヘキシルカーボネート等も所望により使用
できることは当然である。これらの内ジフェニルカーボ
ネートが、反応性、得られる樹脂の着色に対する安定
性、更にはコストの点よりも好ましいものとしてあげら
れる。
【0022】かかるカーボネート結合形成性化合物と上
記式(2)で示される芳香族ジヒドロキシ化合物とを、
公知の方法で反応せしめることにより上記式(1)であ
らわされる繰り返し単位構造を有するポリカーボネート
樹脂を製造することができる。
【0023】溶融重合法では、公知のエステル交換触媒
が使用可能であるが、重合反応速度、反応時の着色等の
点で塩基性エステル交換触媒が好ましく使用される。中
でも、アルカリ金属化合物を含有する触媒系が好ましく
使用される。
【0024】触媒として好ましく本発明に使用されるア
ルカリ金属化合物としては、たとえばアルカリ金属の水
酸化物、炭化水素化合物、炭酸塩、酢酸塩、硝酸塩、亜
硝酸塩、亜硫酸塩、シアン酸塩チオシアン酸塩、ステア
リン酸塩、水素化硼素塩、安息香酸塩燐酸水素化物、ビ
スフェノール、フェノールの塩等が挙げられる。
【0025】具体例としては水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム、水酸化リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸
水素カリウム、炭酸水素リチウム、炭酸ナトリウム、炭
酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸セシウム、酢酸ナトリ
ウム、酢酸カリウム、酢酸リチウム、硝酸ナトリウム、
硝酸カリウム、硝酸ルビジウム、硝酸リチウム、亜硝酸
ナトリウム、亜硝酸カリウム、亜硝酸ルビジウム、亜硝
酸リチウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫
酸リチウム、シアン酸ナトリウム、シアン酸カリウム、
シアン酸リチウム、チオシアン酸ナトリウム、チオシア
ン酸カリウム、チオシアン酸リチウム、チオシアン酸セ
シウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウ
ム、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸セシウム、水
素化ホウソナトリウム、水素化ホウソカリウム、水素化ホウソリ
チウム、フェニル化硼素ナトリウム、安息香酸ナトリウ
ム、安息香酸カリウム、安息香酸リチウム、リン酸水素
ジナトリウム、リン酸水素ジカリウム、リン酸水素ジリ
チウム、ビスフェノールAのジナトリウム塩、ジカリウ
ム塩、ジリチウム塩、モノナトリウム塩、モノカリウム
塩、ナトリウムカリウム塩、ナトリウムリチウム塩、フ
ェノールのナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩など
が挙げられる。
【0026】溶融重合反応の触媒としてはアルカリ金属
元素を含有する触媒系が使用できるが、アルカリ金属化
合物は、カーボネート結合を分解する能力も又有するた
め、重合反応速度の触媒能をできうる限り保持しつつ、
その使用量を押さえることが好ましい。
【0027】本目的を達成するためには、上記アルカリ
金属化合物等の塩基性エステル交換触媒とともに、塩基
性窒素化合物及び/又は塩基性リン化合物を併用し、ア
ルカリ金属元素量を芳香族ジヒドロキシ化合物1モルに
対して10-8〜10-6モルの範囲に保つことが好まし
い。上記範囲を逸脱すると、得られる芳香族ポリカーボ
ネートの諸物性に悪影響及ぼしたり、またエステル交換
反応が十分に進行せず、高分子量のポリカーボネートが
得られないことがあり、好ましくない。ポリカーボネー
ト中の触媒系由来のアルカリ金属元素量をかかる量範囲
において使用することによりポリカーボネートの製造を
効率的に生産性よく実施しうるとともに得られたポリカ
ーボネートの物性も本発明の目的を達成するために好ま
しいものとなる。
【0028】触媒として併用される塩基性窒素化合物の
具体例としては、たとえば(i)テトラメチルアンモニ
ウムヒドロキシド(Me4NOH)、テトラエチルアン
モニウムヒドロキシド(Et4NOH)、テトラブチル
アンモニウムヒドロキシド(Bu4NOH)、ベンジル
トリメチルアンモニウムヒドロキシド(φ−CH2(M
e)3NOH)、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム
ヒドロキシドなどのアルキル、アリール、アルキルアリ
ール基などを有するアンモニウムヒドロキシド類、(i
i)テトラメチルアンモニウムアセテート、テトラエチ
ルアンモニウムフェノキシド、テトラブチルアンモニウ
ム炭酸塩、ベンジルトリメチルアンモニウム安息香酸塩
ヘキサデシルトリメチルアンモニウムエトキシドなど
のアルキル、アリール、アルキルアリール基などを有す
る塩基性アンモニウム塩、(iii)トリエチルアミ
ン、トリブチルアミン、ジメチルベンジルアミン、ヘキ
サデシルジメチルアミンなどの第三級アミン、(iv)
テトラメチルアンモニウムボロハイドライド(Me4
BH4)、テトラブチルアンモニウムボロハイドライド
(Bu4NBH4)、テトラブチルアンモニウムテトラフ
ェニルボレート(Bu4NBPh4)、テトラメチルアン
モニウムテトラフェニルボレート(Me4NBPh4)な
どの塩基性塩などを挙げることができる。
【0029】また触媒として併用される塩基性リン化合
物の具体例としては、たとえば(i)テトラメチルホス
ホニウムヒドロキシド(Me4POH)、テトラエチル
ホスホニウムヒドロキシド(Et4POH)、テトラブ
チルホスホニウムヒドロキシド(Bu4POH)、ベン
ジルトリメチルホスホニウムヒドロキシト゛(φ−CH2
(Me)3POH)、ヘキサデシルトリメチルホスホニ
ウムヒドロキシト゛などのアルキル、アリール、アルキル
アリール基などを有するホスホニウムヒドロキシト゛類、
(ii)あるいはテトラメチルホスホニウムボロハイド
ライド(Me4PBH4)、テトラブチルホスホニウムボ
ロハイドライド(Bu4PBH4)、テトラブチルホスホ
ニウムテトラフェニルボレート(Bu4PBPh4)、テ
トラメチルホスホニウムトラフェニルボレート(Me4
BPh4)などの塩基性塩などを挙げることができる。
【0030】上記塩基性窒素化合物及びまたは塩基性リ
ン化合物は、塩基性窒素原子あるいは塩基性リン原子が
芳香族ジヒドロキシ化合物、1モルに対し、1*10-5
〜5*10-4当量となる割合で用いるのが好ましい。よ
り好ましい使用割合は同じ基準に対し2*10-5〜5*
10-4当量となる割合である。特に好ましい割合は同じ
基準に対し5*10-5〜4*10-4当量となる割合であ
る。
【0031】本発明における芳香族ポリカーボネート
は、末端水酸基濃度が100(eq/ton−ポリマ
ー)以下のものが使用されるが、さらに本発明の目的を
達成する好ましい実施態様においては末端水酸基濃度が
好ましくは少なくとも80eq/ton以下、さらによ
り好ましくは3〜60eq/ton、さらに好ましくは
5〜50eq/ton含有する。
【0032】OH末端基濃度を上記範囲内にするには、
ホスゲン法を用いた場合においては分子量調節剤として
使用される末端封止剤により上記範囲内に収めることが
できるが、反応プロセスの特徴上、OH末端基が多く生
成する溶融重合法、あるいは固相重合法においては、特
別のOH末端基減少策を講じる必要がある。
【0033】例えば、 1)重合原料仕込みモル比制御法;重合反応仕込み時の
カーボネート結合形成性化合物/芳香族ジヒドロキシ化
合物モル比を高めることにより、たとえば重合反応装置
の特徴を考え1.03から1.10の間に設定する2)
重合反応収量時点において例えば、USP5,696,
222号記載の方法に従い、サリチル酸エステル系化合
物によりOH末端基を封止することにより達成すること
ができる。
【0034】2)の場合、サリチル酸エステル系化合物
の使用量は封止反応前の末端OH基、1化学当量当たり
0.8〜10モル、より好ましくは0.8〜5モル、特
に好ましくは0.9〜2モルの範囲がよい。かかる量比
で添加することにより、末端OH基の80%以上を好適
に封止することができる。又本封止反応を行う時、上記
特許記載の触媒を使用するのが好ましい。
【0035】これらサリチル酸エステルとしては具体的
には; (i)2−メトキシカルボニルフェニル−フェニルカー
ボネート、2−メトキシカルボニルフェニル−2’−メ
チルフェニルカーボネート、2−メトキシカルボニルフ
ェニル−4’−エチルフェニルカーボネート、2−メト
キシカルボニルフェニル−3’−ブチルフェニルカーボ
ネート、2−メトキシカルボニルフェニル−4’−ドデ
シルフェニルカーボネート、2−メトキシカルボニルフ
ェニル−4’−ヘキサデシルフェニルカーボネート、2
−メトキシカルボニルフェニル−2’、4’−ジブチル
フェニルカーボネート、2−メトキシカルボニルフェニ
ル−ジノニルフェニルカーボネート、2−メトキシカル
ボニルフェニル−シクロヘキシルフェニルカーボネー
ト、2−メトキシカルボニルフェニル−ビフェニルカー
ボネート、2−メトキシカルボニルフェニル−クミルフ
ェニルカーボネート、2−メトキシカルボニルフェニル
−2’−メトキシフェニルカーボネート、2−メトキシ
カルボニルフェニル−4’−ブトキシフェニルカーボネ
ート、2−メトキシカルボニルフェニル−4’−クミル
オキシフェニルカーボネート、ジ(2−メトキシカルボ
ニルフェニル)カーボネート、2−メトキシカルボニル
フェニル−2−エトキシフェニルカーボネート、2−メ
トキシカルボニルフェニル−2’−(O−メトキシカル
ボニルフェニル)オキシクミルフェニルカーボネートの
ごとき2−メトキシカルボニルフェニルアリールカーボ
ネート類; (ii)2−メトキシカルボニルフェニル−メチルカー
ボネート、2−メトキシカルボニルフェニル−ブチルカ
ーボネート、2−メトキシカルボニルフェニル−セチル
カーボネート、2−メトキシカルボニルフェニル−ラウ
リルカーボネート、2−メトキシカルボニルフェニル−
2’−エトキシカルボニルエチルカーボネート、2−メ
トキシカルボニルフェニル−2’−(O−メトキシカル
ボニルフェニル)オキシカルボニルエチルカーボネート
のごとき2−メトキシカルボニルフェニル−アルキルカ
ーボネート類; (iii)2−エトキシカルボニルフェニル−フェニル
カーボネート、2−エトキシカルボニルフェニル−プロ
ピルフェニルカーボネート,2−エトキシカルボニルフ
ェニル−ヘキシルフェニルカーボネート、2−エトキシ
カルボニルフェニル−ジブチルフェニルカーボネート、
2−エトキシカルボニルフェニル−ジノニルフェニルカ
ーボネート、2−エトキシカルボニルフェニル−シクロ
ヘキシルフェニルカーボネート、2−エトキシカルボニ
ルフェニル−クミルフェニルカーボネート、2−エトキ
シカルボニルフェニル−4’−エトキシカルボニルフェ
ニルカーボネート、2−エトキシカルボニルフェニル−
4’クミルオキシフェニルカーボネート2−エトキシカ
ルボニルフェニル−カーボネート、ジ(2−エトキシカ
ルボニルフェニル)カーボネートのごとき2−エトキシ
カルボニルフェニル−アリールカーボネート類; (iv)2−エトキシカルボニルフェニル−メチルカー
ボネート、2−エトキシカルボニルフェニル−オクチル
カーボネート、2−エトキシカルボニルフェニル−2’
−メトキシカルボニルエチルカーボネート、2−エトキ
シカルボニルフェニル−カーボネート、2−エトキシカ
ルボニルフェニル−2−(O−エトキシカルボニルフェ
ニル)オキシカルボニルエチルカーボネートのごとき2
−エトキシカルボニルフェニル−アルキルカーボネート
類; (v)(2−メトキシカルボニルフェニル)ベンゾエー
ト、(2−メトキシカルボニルフェニル)−4−メチル
ベンゾエート、(2−メトキシカルボニルフェニル)−
4−ブチルベンゾエート、(2−メトキシカルボニルフ
ェニル)−4−クミルベンゾエート、(2−メトキシカ
ルボニルフェニル)−4−ブトキシベンゾエート、(2
−メトキシカルボニルフェニル)−2−メトキシカルボ
ニルベンゾエート、(2−メトキシカルボニルフェニ
ル)−4−メトキシカルボニルベンゾエート、(2−メ
トキシカルボニルフェニル)−4−エトキシカルボニル
ベンゾエート、3−(O−メトキシカルボニルフェニ
ル)オキシカルボニル安息香酸(2’−メトキシカルボ
ニルフェニル)エステル、4−(O−エトキシカルボニ
ルフェニル)オキシカルボニル安息香酸(2’−メトキ
シカルボニルフェニル)エステルのごとき、芳香族カル
ボン酸の(2’−メトキシカルボニルフェニル)エステ
ル; (vi)(2−エトキシカルボニルフェニル)ベンゾエ
ート、(2−エトキシカルボニルフェニル)−4−メチ
ルベンゾエート、(2−エトキシカルボニルフェニル)
−4−ブチルベンゾエート、(2−エトキシカルボニル
フェニル)−4−ノニルベンゾエート、(2−エトキシ
カルボニルフェニル)−4−クミルベンゾエート、(2
−エトキシカルボニルフェニル)−4−メトキシベンゾ
エート、(2−エトキシカルボニルフェニル)−4−ノ
ニルオキシベンゾエート、(2−エトキシカルボニルフ
ェニル)−4−クミルオキシベンゾエート(2−エトキ
シカルボニルフェニル)−4−エトキシカルボニルベン
ゾエートのごとき芳香族カルボン酸の(2’−エトキシ
カルボニルフェニル)エステル; (vii)(2−メトキシカルボニルフェニル)アセテ
ート、(2−メトキシカルボニルフェニル)ステアレー
ト、(2−メトキシカルボニルフェニル)オレート、
(2−エトキシカルボニルフェニル)シクロヘキサンカ
ルボン酸エステル、ビス(2−メトキシカルボニルフェ
ニル)サクシネート、ビス(2−メトキシカルボニルフ
ェニル)アジペートのごとき脂肪族カルボン酸エステル
が挙げられる。
【0036】本発明における芳香族ポリカーボネートは
溶融粘度変化率0.5%以下のものが使用される。ここ
で、溶融粘度変化率は溶融粘度安定性を示すもので、次
のように定義する。
【0037】レオメトリックス社のRAA型流動解析装
置を用い窒素気流下、せん断速度1rad/sec.,
270℃で測定した溶融粘度値の変化を30分間測定
し、1分あたりの変化率を求めた。溶融粘度は、通常2
70℃での溶融後5分程度を過ぎると直線的に変化する
ので、溶融粘度(単位:ポイズ)の時間変化を記録し、
その直線的変化の開始時点における溶融粘度をV1、そ
の30分後の溶融粘度をV2としたときに、
【0038】
【数1】 (V1−V2)*100/(V1*30)(%) を溶融粘度変化率とした。
【0039】ポリカーボネートの溶融粘度変化率を0.
5%以下にするためには、重縮合反応後、好ましくは、
末端封止反応終了後の芳香族ポリカーボネート(A)に
対し溶融粘度安定剤(D)を特定量を添加すること等に
より達成することができる。溶融粘度安定性の劣ったポ
リカーボネート樹脂においては、成形加工時の安定性不
良に加えて、高湿条件化および成型品の長期使用時の機
械的物性の安定性不良とりわけ耐衝撃性の悪化すなわち
低下が著しく、実用性に耐えないものとなってしまう。
【0040】ここで、溶融粘度安定剤(D)としては、
スルホン酸系化合物が好適に使用できる。かかるスルホ
ン酸系化合物としては、(D)−1スルホン酸ホスホニ
ウム塩、アンモニウム塩、(D)−2;スルホン酸、ス
ルホン酸低級エステルを挙げることができる。(D)−
1と(D)−2とは組み合わせて用いることができる。 (D)−1;スルホン酸ホスホニウム塩、アンモニウム
塩としては、下記式(3)、(4)、(5)で表される
ものを例示することができる。
【0041】
【化4】 A1−(−SO31m (3) (ここでA1は置換基を有していてもよいm価の炭化水
素基であり、X1はアンモニウム、またはホスホニウム
カチオンである。mは1〜4の整数である。アンモニウ
ムカチオン、ホスホニウムカチオンとしては、下記式
【0042】
【化5】 +N(R11)(R12)(R13)(R14) (3A) +P(R11)(R12)(R13)(R14) (3B) (式中R11〜R14は互いに独立に水素原子、またはメチ
ル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などのアルキル
基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基等の炭素数
が1〜30の1価の炭化水素基である。)で表わされる
カチオンを挙げることができる。)
【0043】
【化6】 +2−A2−SO3 - (4) (ここでA2はエチレン基、プロピレン基、プチレン基
等の2価のアルキレン基等の炭化水素基であり、+2
アンモニウムカチオンまたはホスホニウムカチオンであ
る。アンモニウムカチオン、ホスホニウムカチオンとし
ては、下記式
【0044】
【化7】 −N+(R15)(R16)(R17) (4A ) −P+(R15)(R16)(R17) (4B ) (ここでR15〜R17は互いに独立に水素原子、またはメ
チル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などのアルキ
ル基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基等の炭素
数が1〜30の1価の炭化水素基である。)で表わされ
るカチオンを挙げることができる。)
【0045】
【化8】 A3−(+3N・(R−SO3 -N (5) (ここでA3はN価の炭化水素基であり、Rは、メチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘ
キシル基等のアルキル基、フェニル基、ナフチル基等の
アリール基等の炭素数が1〜30の炭化水素基であり、
3はアンモニウムカチオン、またはホスホニウムカチ
オンである。Nは2〜4の整数である。アンモニウムカ
チオン、ホスホニウムカチオンとしては上記式(4
A)、(4B)で表わされるものを挙げることができ
る。)
【0046】上記式(3)で表わされる化合物の具体的
な例としては、たとえば;オクチルスルホン酸テトラブ
チルホスホニウム塩、デシルスルホン酸テトラホスホニ
ウム塩、ベンゼンスルホン酸テトラメチルホスホニウム
塩、ベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩、
ト゛デシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム
塩、ト゛デシルベンゼンスルホン酸テトラヘキシルホスホ
ニウム塩、ト゛デシルベンゼンスルホン酸テトラオクチル
ホスホニウム塩、デシルスルホン酸テトラメチルアンモ
ニウム塩、ベンゼンスルホン酸テトラエチルアンモニウ
ム塩、ト゛デシルベンゼンスルホン酸テトラブチルアンモ
ニウム塩を挙げることができる。
【0047】上記式(4)で表わされる化合物の具体的
な例としては、たとえば;
【0048】
【化9】 SO3−(CH23−P+(C253 SO3−(CH215−P+(C493 SO3−(CH215−N+(C493 を挙げることができる。
【0049】上記式(5)で表わされる化合物の具体的
な例としては、たとえば;
【0050】
【化10】 {(C493+−(CH210−P+(C493} (CH3−C64−SO3 -2、 等々を挙げることができる。
【0051】(D)−2;のスルホン酸、スルホン酸低
級エステルとしては、たとえば;ベンゼンスルホン酸、
p−トルエンスルホン酸、のごとき芳香族スルホン酸、
ト゛デシルスルホン酸、ヘキサデシルスルホン酸、ノニル
スルホン酸、等の脂肪族スルホン酸、ベンゼンスルホン
酸メチル、ベンゼンスルホン酸エチル、ベンゼンスルホ
ン酸ブチル、ベンゼンスルホン酸オクチル、ベンゼンス
ルホン酸フェニル、p−トルエンスルホン酸メチル、p
−トルエンスルホン酸エチル、p−トルエンスルホン酸
ブチル、p−トルエンスルホン酸オクチル、p−トルエ
ンスルホン酸フェニル、ト゛デシルスルホン酸メチル、ヘ
キサデシルスルホン酸エチル、ノニルスルホン酸プロピ
ル、デシルスルホン酸ブチル、等が例示できる。好まし
くはスルホン酸低級エステル化合物が使用される。
【0052】かかる溶融粘度安定剤は、ホスゲン法で製
造された芳香族ポリカーボネートに対しても有効である
が、特に溶融重合法、あるいは固相重合法で製造した芳
香族ポリカーボネートに対し、該芳香族ポリカーボネー
ト中に残存するエステル交換触媒、特に塩基性エステル
交換触媒であるアルカリ金属化合物のアルカリ金属元
素、1化学当量あたり、(D)−1の化合物においては
0.7〜100化学当量を好ましくは0.8〜30化学
当量を、さらに好ましくは、0.9〜20化学当量を、
特に好ましくは0.9〜10化学当量を使用する。
(D)−2の化合物においては0.7〜20化学当量、
好ましくは0.8〜10化学当量を、さらに好ましくは
0.9〜5化学当量使用することにより、ポリカーボネ
ート樹脂の溶融粘度安定性を0.5%以下に押さえるこ
とができる。
【0053】本発明における芳香族ポリカーボネート
(A)は、粘度平均分子量12,000〜100,00
0のものが使用される。粘度平均分子量が12,000
未満では、十分な機械的強度を有する成形品が得られな
い。また、粘度平均分子量が100,000を越える
と、溶融時の粘度が高くなりすぎ、成形が困難である。
粘度平均分子量の値としては更に好ましくは14000
〜80、000である。
【0054】本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、
上述のようにして製造される、溶融粘度変化率が0.5
%以下、且つ末端OH基量100eq/ton以下の芳
香族ポリカーボネート(A)100重量部に対して、多
価アルコールの長鎖脂肪酸エステル(B)0.001〜
0.5重量部添加される。多価アルコールの長鎖脂肪酸
エステルは、炭素数が2〜20で2個以上の水酸基を有
する多価アルコールの少なくとも1つの水酸基が、炭素
数が8〜30の長鎖脂肪酸のエステルを形成しているも
のである。
【0055】多価アルコールの長鎖脂肪酸エステルを形
成する多価アルコールとしては、例えばエチレングリコ
ール、プロピレングリコール、グリセリン、ネオペンチ
レングリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリ
スリトール、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリ
スリトール等を挙げることができる。
【0056】また、素数が8以上の長鎖脂肪酸の具体例
としては;ステアリン酸、吉草酸、カプロン酸、カプリ
ン酸、ラウリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリ
ン酸、セロチン酸、メリシン酸、テトラトリアコンタン
酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸等を挙げる
事ができる。
【0057】多価アルコールの長鎖脂肪酸エステルの具
体例としては、例えばエチレングリコールモノステアレ
ート、グリセリンモノステアレート、トリメチロールプ
ロパンモノステアレート、ペンタエリスリトールモノス
テアレート、ペンタエリスリトールモノラウレート、ペ
ンタエリスリトールジステアレート、グリセリンジラウ
レート、グリセリントリステアレート、トリメチロール
プロパンジステアレート、グリセリンジステアレート、
グリセリントリベヘネート、ペンタエリスリトールトリ
ステアレート、トリメチロールプロパントリカプレー
ト、トリメチロールプロパンジオレート、ペンタエリス
リトールテトラステアレート等を例示することができ
る。
【0058】こうした多価アルコールの長鎖脂肪酸エス
テル(B)は、上述の芳香族ポリカーボネート(A)1
00重量部に対して0.001〜0.5重量部添加され
る。添加量が0.001重量部より少ない場合には、離
型剤としての添加効果が十分でなく、十分な離型性能を
得ることができない。また、0.5重量部よりも多い場
合には、金型汚れの原因となるため好ましくない。多価
アルコールの長鎖脂肪酸エステル(B)の添加量として
は、0.005〜0.2重量部が更に好ましく、0.0
1〜0.1量部が更に好ましい。
【0059】さらに、本発明の樹脂組成物には、無機
酸、無機酸の部分エステル、及びこれらの2種以上の混
合物から選ばれる化合物(C)が含有される。無機酸と
しては、リン酸、亜燐酸、次亜燐酸、ピロリン酸、ポリ
リン酸、ホウ酸、硫酸、等、無機酸の部分エステルとし
ては、これらの無機酸の部分エステルをあげることがで
きる。こうしたエステルを形成するアルコール成分とし
ては、直鎖状、あるいは分岐を有する炭素数1〜30の
アルキルアルコール、フェノール類をあげることができ
る。
【0060】直鎖状の炭素数1〜30のアルキルアルコ
ールとしては、メタノール、エタノールプロパノール、
ステアリルアルコール、分岐を有する炭素数1〜30の
アルキルアルコールとしては、イソプロピルアルコー
ル、ネオペンタノール等を例示できる。また、フェノー
ル類としては、フェノール、ノニルフェノール、t−ブ
チルフェノール等のアルキルフェノール、フェニルフェ
ノールなどの芳香族置換フェノール等を例示することが
できる。
【0061】無機酸及び無機酸の部分エステルから選ば
れる化合物(C)は、上述の芳香族ポリカーボネート1
00重量部に対して0.0001〜0.01重量部添加
される。添加量が0.0001重量部より少ない場合に
は、離型性能や、滞留焼けの防止効果が十分ではない。
また、0.01重量部よりも多い場合には、成形品の長
期耐熱性が低下する可能性があり、好ましくない。添加
量としては、0.0005〜0.005重量部が更に好
ましい。
【0062】上記化合物(C)としては、1<pKa<
10であるものが好ましく使用される。具体的には、無
機酸としてはリン酸、亜燐酸、ホウ酸等、無機酸の部分
エステルとしては、亜リン酸ジフェニル、リン酸ジフェ
ニル、亜リン酸ジメチル、リン酸ジメチル、亜リン酸ジ
ステアリル、リン酸ジステアリル等のリン酸、亜リン酸
の部分アルキルエステル、部分アリールエステルを例示
することができる。
【0063】上記化合物(C)は、上記溶融粘度安定剤
が添加されて、ポリカーボネート樹脂の溶融粘度安定性
が、0.5%以下に抑えられた後に添加することが好ま
しい。添加形態に特に制限はないが、具体的な添加方法
としては、溶融粘度安定剤が添加された後、上記化合物
(C)を直接添加する方法、適当な溶媒、好ましくは水
に所定量を溶解したものを溶融ポリマーに添加して水を
脱気除去する方法、マスターペレットの形で添加する方
法が挙げられる。
【0064】添加時期は、芳香族ポリカーボネートの溶
融粘度安定性が、0.5%以下となった後であれば、特
に制限はない。特に水溶液の形で化合物(C)が添加さ
れる場合には、溶融粘度安定剤により安定化された溶融
樹脂への添加が、重合度の変化を起こしにくい点で一層
好ましい結果を得ることができる。
【0065】本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、
本発明の目的を損なわない限り、所望により他の添加剤
を含有することができる。他の添加剤としては亜リン酸
エステル系安定剤、フェノール系安定剤、有機チオエー
テル系安定剤、ヒンダードアミン系安定剤などを挙げる
ことができる。
【0066】亜リン酸エステル系安定剤防止剤としては
例えば; (i)ビス(2,3−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタ
エリスリチルジホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−
ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリチルジホ
スファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリチ
ルジホスファイト、ジフェニルデシルホスファイト、ジ
フェニルイソオクチルホスファイト、フェニルジイソオ
クチルホスファイト、2−エチルヘキシルジフェニルホ
スファイト、テトラフェニルプロピレングリコールジホ
スファイト、テトラ(トリデシル)−4,4’−イソプ
ロピリデンジフェニルジホスファイト、2,2−メチレ
ンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホ
スファイト、2−{{2,4,8,10−テトラキス
(1,1−ジメチルエチル)ジベンゾ{d、f}{1,
3,2}ジオキサフォスフェピン6−イル}オキシ}−
N,N−ビス{2−{{2,4,8,10−テトラキス
(1,1ジメチルエチル)ジベンゾ{d、f}{1,3,
2}ジオキサフォスフェピン6−イル}オキシ}−エチ
ル}エタナミン等のアリールアルキルホスファイト類; (ii)トリメチルホスファイト、トリエチルホスファ
イト、トリブチルホスファイト、トリメオクチルホスフ
ァイト、トリノニルホスファイト、トリデシルホスファ
イト、トリオクタデシルホスファイト、ジステアリルペ
ンタエリスチルジホスファイト、ビス(トリデシル)ペ
ンタエリスリチルジホスファイト、トリス(2−クロロ
エチル)ホスファイト、トリス(2,3−ジクロロプロ
ピル)ホスファイト等のトリアルキルホスファイト類; (iii)トリシクロヘキシルホスファイト等のトリシ
クロアルキルホスファイト類; (iv)トリフェニルホスファイト、トリクレジルホス
ファイト、トリス(エチルフェニル)ホスファイト、ト
リス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイ
ト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス
(ヒドロキシフェニル)ホスファイト、等のトリアリー
ルホスファイト類。
【0067】フェノール系安定剤としてはたとえば;N
−オクタデシル−3−(4’−ヒドロキシ−3’,5’
−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート、テトラキ
ス{メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオネート}メタン、1,
1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t
−ブチルフェニル)ブタン、ジステアリル(4−ヒドロ
キシ−3−メチル−5−t−ブチルベンジル)マロネー
ト トリエチレングリコール−ビス{3−(3−t−ブチル
−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト}、1,6−ヘキサンジオール−ビス{3−(3,5
−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオ
ネート}、2,4−ビス−(N−オクチルチオ)−6−
(4−ヒドロキシフェニル「3,5−ジ−t−ブチル−
アニリノ)−1,3,5−トリアジン、ペンタエリスリ
チル−テトラキス{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオネート}、2,2−チ
オジエチレンビス{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオネート}、2,2−チ
オビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、
N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、3,5−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルフォスフォネ
ートジエチルエステル、1,3,5−トリメチル−2,
4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシベンジル)ベンゼン、ビス(3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシベンジルスルホン酸エチル)カルシ
ウム、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキ
シベンジル)−イソシアヌレート、2,4−ビス{(オ
クチルチオ)メチル}−O−クレゾール、イソオクチル
−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート、2,5,7,8−テトラメチル
−2(4’,8’,12’−トリメチルトリデシル)ク
ロマン−6−オール、N,N’−ビス{3−(3,5−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニ
ルヒドラジン、4−ヒドロキシメチル−2,6−ジ−t
−ブチルフェノール、等が挙げられる。
【0068】チオエーテル系安定剤としては;ジラウリ
ルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオ
ネート、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオネー
ト、l ジトリデシル−3,3’−チオプロピオネー
ト、ペンタエリスリトール−テトラキス−(β−ラウリ
ル−チオプロピオネート)などを挙げることができる。
【0069】またヒンダードアミン系安定剤としてはた
とえば;ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピ
ペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペ
ンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、1−〔2−
{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオニルオキシ}エチル〕−4−{3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオニルオキシ}−2,2,6,6−テトラメチル
ピペリジン、8−ベンジル−7,7,9,9−テトラメ
チル−3−オクチル−1,2,3−トリアザスピロ
〔4,5〕ウンデカン−2,4−ジオン、4−ベンゾイ
ルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、
2−(3,5−ジt−ブチル−4−ヒドロキシベンジ
ル)−2−N−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,
6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、テトラキス
(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)
1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、など
を挙げることができる。
【0070】これらの安定剤は単独で使用してもよいし
2種以上を混合して使用してもよい。これらの内亜燐酸
エステルが好ましい。
【0071】これらの耐熱安定剤は樹脂成分100重量
部あたり0.0001〜5重量部、好ましくは0.00
05〜1重量部、さらに好ましくは0.001〜0.5
重量部の量で通常は使用される。
【0072】更に所望により、従来公知のベンゾトリア
ゾール系光安定剤、ベンゾフェノン系光安定剤、シアノ
アクリレート系光安定剤、第4級アンモニウム塩系、ア
ルキルホスフェート系の帯電防止剤等を使用しても良
い。
【0073】
【発明の効果】本発明によれば、離型剤としてる多価ア
ルコールの長鎖脂肪酸エステル(B)を特定量用いる場
合、無機酸あるいは無機酸の部分エステルを配合するこ
とにより、離型性がよく、かつ滞留焼けの少ない色相の
良好な芳香族ポリカーボネート組成物の成形品を得るこ
とができる。
【0074】
【実施例】以下本発明を実施例により説明するが、本発
明は、これらの実施例に限定されるものではない。
【0075】1)ポリカーボネートの粘度平均分子量;
塩化メチレン中、20℃ウベローデ粘度管にて固有粘度
を測定した。固有粘度より粘度平均分子量は次式より計
算した。
【0076】
【数2】〔η〕=1.23×10-4×MW0.83
【0077】2)末端基濃度;サンプル、0.02gを
0.4mlのクロロホルムに溶解し、20℃で1H−N
MR(日本電子社製EX−270)を用いて、末端水酸
基濃度を測定した。
【0078】3)溶融粘度安定性;レオメトリックス社
のRAA型流動解析装置を用い窒素気流下、剪断速度1
rad/sec.270℃で測定した溶融粘度の変化の絶対値
を30分間測定し、1分当たりの変化率を求めた。
【0079】4)離型性 50mm×90mm×2mmの平板の2枚どりの金型を
用いて名機製作所(株) M50B射出成形機によりシリ
ンダー温度380℃成形サイクル20秒、金型温度80
℃射出圧300Kg、型締め力50トンで成形した。この
際、成形品の取り出し時のエジェクターピンにかかった
負荷をエジェクターピンの油圧を測定することにより離
型力を測定した。離型力は小さいほど好ましいが、効果
が期待できる目安としては14kg/cm2程度であ
る。
【0080】5)滞留安定性;50mm×90mm×2
mmの平板を名機製作所(株) M50B射出成形機に
よりシリンダー温度380℃成形サイクル20秒、金型
温度75℃、射出圧300Kg、型締め力50トンで成
形した。この成形品につき色相Labを測定、さらに樹
脂同温度で10分間シリンダー内に滞留させた後成形を
行い色相を測定、滞留前後の色差(ΔE)を求めた。平
板のL/a/b値、滞留前後の色差(ΔE)は日本電色
(株)製Z−1001DP色差計によりJIS872
2、Z8730に従い測定した。色差(△E)は、下記
式で表される。
【0081】
【数3】△E =((△L)2+(△a)2+(△b)2))1/2
【0082】
【参考合成例】2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン228重量部、ジフェニルカーボネート2
23重量部及びテトラメチルアンモニウムヒドロキシド
0.009重量部及びビスフェノールAジナトリウム塩
0.00014重量部を攪拌装置、減圧装置、蒸留塔な
どを具備した反応装置に仕込み、180℃窒素雰囲気下
で30分攪拌し溶解した。次いで同温度で、100mm
Hgの減圧下、30分間フェノールを留出しつつ反応さ
せた。さらに220℃に昇温しつつ30mmHgに減圧
し、同温同圧で30分間反応させた。更に反応系を更に
徐々に昇温、減圧し、最終的に270℃、0.5mmH
gとし、ポリカーボネート樹脂を得た。さらに得られた
樹脂100重量部に対して、ドデシルベンゼンスルホン
酸テトラブチルホスホニウム塩を0.0012重量部添
加し20分間混合した。得られた樹脂の粘度平均分子量
は15300で、OH末端は53eq/ton、溶融粘
度変化率は0.1(%/分)であった。
【0083】[実施例1]Werener&Pflei
derer社製ZSK25型2軸押し出し機に、液体の
添加設備及びベント孔を設けて、参考例で得られたポリ
マーをシリンダ温度270℃で溶融押出しを行った。参
考例1のポリマーは250g/分の速度に対し、リン酸
0.5%水溶液を1ml/分の速度で、液体の添加設備
により加圧下で溶融ポリマーに直接添加した後、ベント
孔を10mmHgの真空に保持することにより、水分を
ポリマー中から除去し、ポリマー100重量部に対して
リン酸を0.002重量部添加した。こうして得られた
ポリマー100重量部に対し、再度上記2軸押し出し機
および液体の添加装置により、同様に270℃で溶融押
出しを行いながら、グリセリンモノステアレート0.0
5重量部を添加し、ペレット化した。得られた組成物の
離型性、滞留安定性を調べた結果を表1に示す。
【0084】[実施例2〜4]実施例1と同様に1度目
の溶融押出し時に酸成分を水溶液で添加し、2度目の溶
融押出しで長鎖脂肪酸エステル、及び、他の添加剤をポ
リマー中に表中の所定量を添加した組成物の離型力、滞
留安定性の結果を表1に示す。
【0085】[実施例5]酸成分を水溶液で添加せず、
酸成分を長鎖脂肪酸エステルと溶融混合した後、実施例
1同様に溶融ポリマー中に液状で添加した。化合物と混
合量を表1に示す。
【0086】[比較例1]表中の所定量を実施例1同様
に溶融ポリマー中に液状で添加した。化合物、混合量及
び結果を表1に示す。
【0087】[比較例2]参考例で得られたポリマーを
用いて、離型性、滞留安定性の評価を行った。結果を表
1に示す。
【0088】
【表1】
【0089】注1)添加量は、参考例のポリマー100
重量部に対するもの 注2)アデカスタブ522A:旭電化(株)社製亜リン
酸エステル系酸化安定剤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G11B 7/24 526 G11B 7/24 526G // B29K 69:00 (72)発明者 船越 渉 山口県岩国市日の出町2番1号 帝人株式 会社岩国研究センター内 (72)発明者 佐々木 勝司 山口県岩国市日の出町2番1号 帝人株式 会社岩国研究センター内 Fターム(参考) 4F213 AA28 AA28A AB16 AG01 AH33 AH79 WA05 WB01 WC01 4J002 CG001 DH047 DK007 EH046 EH056 EU238 EW047 EW067 FD166 FD167 FD208 GS02 5D029 KA07

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族ジヒドロキシ化合物とカーボネー
    ト結合形成性化合物とを反応してなる、主たる繰り返し
    単位が下記式(1) 【化1】 (上記式(1)中、R1、R2、R3及びR4はそれぞれ独
    立に水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、アラルキ
    ル基又はアリール基であり、Wはアルキリデン基、アル
    キレン基、シクロアルキリデン基、シクロアルキレン
    基、酸素原子、硫黄原子、スルホキシド基、またはスル
    ホン基である。)で表わされる、粘度平均分子量12,
    000〜100,000、溶融粘度変化率0.5%以
    下、且つ末端OH基量100eq/ton以下の芳香族
    ポリカーボネート(A)100重量部、炭素数が2〜2
    0で2個以上の水酸基を有する多価アルコールの少なく
    とも1つの水酸基が、炭素数が8以上の長鎖脂肪酸のエ
    ステルを形成している多価アルコールの長鎖脂肪酸エス
    テル(B)0.001〜0.5重量部、並びに無機酸及
    び無機酸の部分エステルから選ばれる化合物(C)0.
    0001〜0.01重量部からなるポリカーボネート樹
    脂組成物。
  2. 【請求項2】 芳香族ポリカーボネート(A)が、エス
    テル交換触媒により溶融重縮合されたものであることを
    特徴とする請求項1記載のポリカーボネート樹脂組成
    物。
  3. 【請求項3】 エステル交換触媒が、塩基性窒素化合物
    及び/または塩基性リン化合物とアルカリ金属化合物と
    を含有する塩基性エステル交換触媒であり、かつ該アル
    カリ金属化合物は、該エステル交換触媒中、アルカリ金
    属元素として、芳香族ジヒドロキシ化合物1モルに対し
    て10-8〜10-6モル含有することを特徴とする請求項
    2記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 無機酸及び無機酸の部分エステルから選
    ばれる化合物(C)が1<pKa<10である請求項1
    〜3のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 無機酸及び無機酸の部分エステルから選
    ばれる化合物(C)が、リン酸、亜リン酸、ホウ酸、そ
    れらのモノエステル及びジエステルからなる群から選ば
    れる少なくとも一種である請求項1〜4のいずれかに記
    載のポリカーボネート樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 ポリカーボネート樹脂組成物が、さらに
    スルホン酸系化合物を含有する請求項1〜5のいずれか
    に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 スルホン酸系化合物が、スルホン酸塩及
    びスルホン酸エステルから選ばれる少なくとも1種であ
    る請求項6記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 請求項1〜6のいずれかに記載のポリカ
    ーボネート樹脂組成物を用いて成形加工された成形品。
  9. 【請求項9】 請求項1〜6のいずれかに記載のポリカ
    ーボネート樹脂組成物を用いて成形加工された光ディス
    ク。
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