JP2002294061A - 光学用成形物用ポリカーボネート樹脂組成物、光記録媒体用基板および光記録媒体 - Google Patents

光学用成形物用ポリカーボネート樹脂組成物、光記録媒体用基板および光記録媒体

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JP2002294061A
JP2002294061A JP2001093122A JP2001093122A JP2002294061A JP 2002294061 A JP2002294061 A JP 2002294061A JP 2001093122 A JP2001093122 A JP 2001093122A JP 2001093122 A JP2001093122 A JP 2001093122A JP 2002294061 A JP2002294061 A JP 2002294061A
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Toru Sawaki
透 佐脇
Katsuji Sasaki
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形時の離型性、転写性等の成形性に優れ、
光学的特性にも優れた、光学材料用途、特に光記録用デ
ィスク基板用途に好ましく用いることができるポリカー
ボネート組成物、このポリカーボネート組成物からなる
光記録用ディスク基板を提供する。 【解決手段】 特定範囲の末端ヒドロキシル濃度と特定
範囲の分子量分布(Mz/Mw)とを有する芳香族ポリ
カーボネート樹脂および特定の脂肪族カルボン酸と多価
脂肪族アルコールとのエステル化合物からなる芳香族ポ
リカーボネート樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、光学用成形物用
ポリカーボネート樹脂組成物、それを用いた光記録媒体
およびそのための基板に関するものである。さらに詳し
くは、成形時の色相保持などの熱安定性が良好で、かつ
離型性、転写性などの成形性にも優れた、新規な光学用
成形物用ポリカーボネート樹脂組成物並びにそれを用い
た光記録媒体およびそのための基板に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】芳香族ポリカーボネートは、耐衝撃性な
どの機械的物性に優れ、しかも、耐熱性、透明性などに
も優れているため、光学用部品、各種機械部品、自動車
部品をはじめとする様々な用途に広く用いられている。
【0003】また、芳香族ポリカーボネートは、その優
れた光学特性により、近年、光学用成形物としての需要
が著しく、例えば、光学用ディスク、情報ディスク、光
学レンズ、プリズムなどに広く用いられてきている。そ
して、それに伴い、熱安定性、離型性、転写性などの要
求がこれまで以上に高まってきている。
【0004】光学用ディスク、情報ディスク、光学レン
ズなどは、主に射出成形によって製造されるため、成形
物が金型から離型する際に離型抵抗が大きいと反りを生
じ、光学歪みの原因となるため、離型剤の使用が必要不
可欠である。
【0005】特に、コンパクトディスク(CD)、レー
ザーディスク(登録商標)(LD)などの光学記録用デ
ィスクの製造では、スタンパーの1μm以下の微細な凹
凸を正確に転写することを目的として300℃以上の高
温で射出成形されるため、使用される樹脂には離型性に
加えて熱安定性も同様に要求される。
【0006】従来、ポリカーボネート樹脂の離型剤とし
ては、パラフィン、シリコーンオイル、脂肪酸、脂肪酸
エステル、脂肪酸部分エステルなどが知られている。特
に、近年、光ディスク用ポリカーボネート樹脂の離型性
を改良するために脂肪酸エステル、特に多価アルコール
の部分エステルが用いられている。
【0007】特公昭47−41092号公報には、炭素
数12〜30の脂肪族飽和1価カルボン酸と炭素数30
以下の脂肪族飽和1価アルコールまたは多価アルコール
とのエステルまたは部分エステルをポリカーボネート樹
脂に0.05〜5重量%添加した滑性ポリカーボネート
樹脂組成物が開示されている。
【0008】特公平2−48081号公報には、炭素数
16〜22の飽和1価脂肪酸のモノグリセリドを、粘度
平均分子量が約12,000〜約19,000のポリカ
ーボネート100重量部当り0.01〜0.2重量部含
有する、優れた型転写性および無傷の表面を持つ成形物
を与えるポリカーボネート樹脂組成物並びにそれからな
る光学用成形物が開示されている。
【0009】特開平8−73724号公報には、脂肪族
カルボン酸と多価アルコールとの部分エステルを、2〜
40モル%の末端ヒドロキシル濃度と2.0〜2.8の
分子量分布(Mw/Mn)を持つ芳香族ポリカーボネー
ト樹脂100重量部に、0.01〜0.1重量部含有さ
せる、離型性、耐熱性および転写性に優れたポリカーボ
ネート樹脂組成物が開示されている。
【0010】また、特公昭55−4141号公報には、
ポリカーボネートの帯電防止性を改善すべく、脂肪族モ
ノグリセリドをポリカーボネート100重量部当り0.
1〜5重量部含有させる、帯電防止性ポリカーボネート
組成物が開示されている。
【0011】上記先行技術に開示された飽和脂肪族モノ
カルボン酸と多価アルコールとの部分エステルはそれ自
身熱分解を起こしやすく、また、ポリマーと反応して熱
分解もしくはエステル交換反応などを引き起こしやす
い。それ故、ポリカーボネート樹脂中に従来の飽和モノ
カルボン酸と多価アルコールの部分エステルを添加する
と残留フェノール類が増加したり、また、特に高温での
溶融成形時に成形物の品質低下を生じやすく、場合によ
ってはシルバーストリークが起こるなどの不具合が生じ
るなどという問題を有する。
【0012】また、他の離型剤、例えば多価アルコール
の完全エステルを用いる場合は、飽和脂肪族モノカルボ
ン酸と多価アルコールとの部分エステルの場合と同程度
の添加量であれば熱安定性に関する問題は生じないもの
の、十分な離型性を実現することができない。
【0013】上記の理由により、溶融成形時の熱安定性
および離型性の双方に優れたポリカーボネート樹脂組成
物の出現が望まれている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本願発明の主たる目的
は、上述のような従来技術の問題点を解決し、十分な離
型性と熱安定性とを兼ね備えたポリカーボネート樹脂組
成物を提供することにある。
【0015】本願発明の他の目的は、溶融成形時の色相
保持、例えば黄変防止などの熱安定性および離型性や転
写性などの成形性との両方に優れ、そのため特に光学用
ディスク基板、レンズなどの精密な光学用成形物を製造
するのに適したポリカーボネート樹脂組成物を提供する
ことにある。
【0016】本願発明のさらに他の目的は、本願発明の
基板を用いた光記録媒体を提供することにある。
【0017】本願発明のさらに他の目的および利点は、
以下の説明から明らかになろう。
【0018】
【課題を解決するための手段】本願発明の上記目的およ
び利点は、第1に、末端ヒドロキシル濃度が2〜40モ
ル%であり、かつGPC(ゲルパーミエーションクロマ
トグラフィー)で測定した分子量分布(Mz/Mw)が
1.4〜1.7である芳香族ポリカーボネート(A)1
00重量部および脂肪族カルボン酸と多価脂肪族アルコ
ールとのエステル化合物(B)0.005〜0.1重量
部からなる光学用成形物用芳香族ポリカーボネート樹脂
組成物によって達成される。
【0019】本願発明の上記目的および利点は、第2
に、本願発明の組成物からなる光記録媒体用基板によっ
て達成される。
【0020】本願発明の上記目的および利点は、第3
に、本願発明の光記録媒体用基板、およびこの基板の片
面上に直接または中間層を介して存在する光記録層から
なる光記録媒体によって達成される。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本願発明について順次好ま
しい実施態様を説明する。これらの説明は本願発明を例
示するものであり、本願発明の範囲を制限するものでは
ない。本願発明の趣旨に合致する限り他の実施の形態も
本願発明の範疇に属し得ることは言うまでもない。
【0022】芳香族ポリカーボネート(A)は、末端ヒ
ドロキシル濃度が2〜40モル%であり、かつGPC
(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)で測定し
た分子量分布(Mz/Mw)が1.4〜1.7である熱
可塑性ポリカーボネートである。
【0023】かかる繰返し単位は、例えば下記式(1)
【0024】
【化3】 (ここで、R1、R2、R3およびR4は互いに独立に水素
原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10の
アリール基または炭素数7〜10のアラルキル基であ
り、Wは炭素数1〜10のアルキレン基、炭素数2〜1
0のアルキリデン基、炭素数6〜10のシクロアルキレ
ン基、炭素数6〜10のシクロアルキリデン基、炭素数
8〜15のアルキレン−アリーレン−アルキレン基、酸
素原子、硫黄原子、スルホキシド基またはスルホン基で
ある)で表される。
【0025】炭素数1〜10のアルキル基は直鎖状であ
っても分岐鎖状であってもよい。その例としては、メチ
ル、エチル、プロピル、ブチル、オクチル、デシル等を
挙げることができる。炭素数6〜10のアリール基とし
ては、例えばフェニル、トリル、クミル、ナフチル等を
挙げることができる。炭素数7〜10のアラルキル基と
しては、例えばベンジル、2−フェネチル、2−メチ
ル、2−フェニルエチル等を挙げることができる。
【0026】R1、R2、R3およびR4としては、互いに
独立に、水素原子、メチル基およびt−ブチル基が好ま
しく、水素原子が特に好ましい。また、Wの定義につい
ては下記のとおりである。
【0027】炭素数1〜10のアルキレン基は直鎖状で
あっても分岐鎖状であってもよい。その例としては、メ
チレン、1,2−エチレン、2,2−プロピレン、2,
2−ブチレン、1,1−デシレン等を挙げることができ
る。
【0028】炭素数2〜10のアルキリデン基として
は、例えばエチリデン、プロピリデン、ブチリデン、ヘ
キシリデン等を挙げることができる。
【0029】炭素数6〜10のシクロアルキレン基とし
ては、例えば1,4−シクロヘキシレン、2−イソプロ
ピル−1,4−シクロヘキシレン等を挙げることができ
る。
【0030】炭素数6〜10のシクロアルキリデン基と
しては、例えばシクロヘキシリデン、イソプロピルシク
ロヘキシリデン等を挙げることができる。
【0031】炭素数8〜15のアルキレン−アリーレン
−アルキレン基としては、例えばm−ジイソプロピルフ
ェニレン基などが挙げられる。
【0032】Wとしては、シクロヘキシリデン基、2,
2−プロピリデン基が好ましく、2,2−プロピリデン
基が特に好ましい。
【0033】芳香族ポリカーボネートは、上記式(1)
で表される繰返し単位を全繰返し単位に基づき50モル
%以上、好ましくは70モル%以上、特に好ましくは8
0モル%以上含有する。上記式(1)で表される繰返し
単位以外の、場合により含有されていてもよい繰返し単
位は以下の説明から当業者には理解されるであろう。
【0034】本願発明で用いられる芳香族ポリカーボネ
ートは、好ましくは粘度平均分子量が10,000〜2
50,000であり、また光記録媒体用基板として使用
する場合には12,000〜18,000であることが
好ましく、さらに13000〜16000であることが
好ましい。重量平均分子量が上記範囲より小さい場合に
は機械強度が不十分となり、また大きい場合には流動性
が不十分となり光学歪みや転写性不良を生じ易くなるた
め好ましくない。
【0035】本願発明で用いられる芳香族ポリカーボネ
ートは、主たる末端基構造としてアリールオキシ基
(イ)とフェノール性OH基(ロ)とからなり、両者の
モル比(イ)/(ロ)が98/2〜60/40であるの
が好ましい。すなわちフェノール性OH基(ロ)のモル
割合が2〜40モル%であるのが好ましい。さらに好ま
しくは2〜30モル%であり、よりさらに好ましくは5
〜25モル%である。
【0036】フェノール性OH基(ロ)のモル割合が上
記範囲より小さい場合には十分な離型性が得られなかっ
たり成形時に金型汚れが生じ、また大きい場合には得ら
れるポリカーボネート樹脂の熱安定性等が低下するため
好ましくない。
【0037】本願発明で用いられる芳香族ポリカーボネ
ートは、そのz平均分子量(Mz)と重量平均分子量
(Mw)の比(Mz/Mw)が1.4〜1.7であり、
好ましくは1.45〜1.6である。
【0038】重合平均分子量(Mz)と重量平均分子量
(Mw)との比(Mz/Mw)はポリマーの分子量分布
を評価する重要なパラメーターであり、上記範囲を逸脱
した場合流動性等の変動により光学歪や転写性不良を生
じ易くなるため好ましくない。すなわち、(Mz/M
w)が上記範囲にある芳香族ポリカーボネートを使用し
た光記録媒体用基板は、光記録媒体用基板として、光学
的特性や転写性に優れた基板となる。
【0039】分子量分布(Mz/Mw)の調整は末端封
止剤の添加や重合反応条件により調節することができ
る。例えば溶融重合の場合には原料である芳香族ジヒド
ロキシ化合物と炭酸ジエステルの仕込みモル比を変更し
たり、重合条件(温度/真空度/滞留時間)を変更する
ことにより分子量分布(Mz/Mw)を変更することが
できる。
【0040】また本願発明で用いられる芳香族ポリカー
ボネートは成形性、転写性をより一層良好に実施するた
め主鎖構造中に下記式(3)−1および/または(3)
−2で表される分岐構造の合計量を0.01〜0.30
モル%含有していることが好ましく、0.03モル〜
0.20モル%含有していることがさらに好ましい。
【0041】
【化4】
【0042】
【化5】 ここで、R1、R2、R3、R4およびWの定義は上記式
(1)に同じである。
【0043】上記式(3)−1および/または(3)−
2で表される分岐構造は後述するように多官能化合物を
併用することによっても得られるが、溶融重合法で製造
する場合には副反応として生成し、反応条件等により抑
制することが可能である。
【0044】本願発明で用いられるかかる芳香族ポリカ
ーボネートは、芳香族ジヒドロキシ化合物とカーボネー
ト結合形成化合物とより界面重合法等のホスゲン法、あ
るいは溶融重合法、固相重合法等、従来公知の方法で好
ましく製造することができるが、芳香族ジヒドロキシ化
合物と炭酸ジエステルとをエステル交換触媒存在下で溶
融重縮合法させる溶融重合法で製造することが好まし
い。
【0045】かかる芳香族ジヒドロキシ化合物として
は、下記式(4)に示される化合物が好ましく使用でき
る。
【0046】
【化6】 ここで、R1、R2、R3、R4、およびWの定義は上記式
(1)に同じである。
【0047】このような芳香族ジヒドロキシ化合物
(4)としては、具体的にはビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチ
ルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)ヘプタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−
3,5−ジクロロフェニル)プロパン、ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)フェニルメタン、4,4’−ジヒドロ
キシフェニル−1,1’−m−ジイソプロピルベンゼ
ン、4,4’−ジヒドロキシフェニル−9,9−フルオ
レンなどのビス(4−ヒドロキシアリール)アルカン
類;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペ
ンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シク
ロヘキサン、1−メチル−1−(4−ヒドロキシフェニ
ル)−4−(ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メチ
ル−シクロヘキサン、4−[1−〔3−(4−ヒドロキ
シフェニル)−4−メチルシクロヘキシル〕−1−ネチ
ルエチル]−フェノール、4,4’−〔1−メチル−4
−(1−メチルエチル)−1,3−シクロヘキサンジイ
ル〕ビスフェノール、2,2,2’,2’−テトラヒド
ロ−3,3,3’,3’−テトラメチル−1,1’−ス
ピロビス−〔1H−インデン〕−6,6’−ジオールな
どのビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類;ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒ
ドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)エーテル、4,
4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルフェニルエー
テルなどのジヒドロキシアリールエーテル類;4,4’
−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒ
ドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルフィドな
どのジヒドロキシジアリールスルフィド類;4,4’−
ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒ
ドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホキシド
などのジヒドロキシジアリールスルホキシド類;4,
4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジ
ヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホン、
などのジヒドロキシジアリールスルホン類;4,4’−
ジヒドロキシジフェニル−3,3’−イサチンなどのジ
ヒドロキシジアリールイサチン類;3,6−ジヒドロキ
シ−9,9−ジメチルキサンテンなどのジヒドロキシジ
アリールキサンテン類;レゾルシン、5−メチルレゾル
シン、5−エチルレゾルシン、5−t−ブチルレゾルシ
ン、5−フェニルレゾルシン、5−クミルレゾルシン、
ヒドロキノン、2−メチルヒドロキノン、2−エチルヒ
ドロキノン、2−t−ブチルヒドロキノン、2−フェニ
ルヒドロキノン、2−クミルヒドロキノンなどのジヒド
ロキシベンゼン類;および4,4’−ジヒドロキシジフ
ェニル、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジヒドロキシ
ジフェニル等ジヒドロキシジフェニル類が挙げられる。
【0048】中でも2,2−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパンがモノマーとしての安定性、さらにはそ
れに含まれる不純物の量が少ないものとしての入手が容
易であることなどから好ましいものとして挙げられる。
【0049】本願発明において、芳香族ポリカーボネー
ト分子中には、ガラス転移温度の制御、あるいは流動性
の向上、あるいは、屈折率のアップ、あるいは複屈折の
低減等の光学的性質の制御を目的として各種モノマーを
必要に応じて、1種あるいは2種以上含有させることが
できる。
【0050】これらの具体例としては、例えばエチレン
グリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロ
ヘキサンジメタノール、2,2−ジメチル−1,3−プ
ロパンジオール、1,10−デカンジオール、ジエチレ
ングリコール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメ
チレングリコールのごとき脂肪族ジヒドロキシ化合物;
コハク酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボ
ン酸、アジピン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、テレ
フタル酸のごときジカルボン酸;あるいはp−ヒドロキ
シ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、乳酸の
ごときオキシ酸が挙げられる。
【0051】カーボネート結合形成性化合物としては、
ホスゲン法ではホスゲンなどのハロゲン化カルボニル、
ハロホーメート化合物が用いられる。
【0052】またカーボネート結合形成性化合物とし
て、溶融重合法では具体的にはジフェニルカーボネー
ト、ジトリルカーボネート、ビス(2−クロロフェニ
ル)カーボネート、m−クレジルカーボネートのごとき
芳香族炭酸エステルが用いられる。その他ジメチルカー
ボネート、ジブチルカーボネート、ジシクロヘキシルカ
ーボネート等も所望により使用できる。
【0053】これらのうちジフェニルカーボネートが、
反応性、得られる樹脂の着色に対する安定性、さらには
コストの点からしても、特に好ましい。
【0054】固相重合法では、上述のホスゲン法または
溶融重合法で製造される分子量の小さな芳香族カーボネ
ートオリゴマーを、結晶化させ、高温において、さらに
は所望により減圧下、固体状態で重合を進めることによ
り、(1)式で示される繰返し単位構造を有する芳香族
ポリカーボネートとすることができる。
【0055】また上記の芳香族ポリカーボネートの製造
方法において、ホスゲンまたは炭酸ジエステルとともに
ジカルボン酸あるいはジカルボン酸ハライド、ジカルボ
ン酸エステルのごときジカルボン酸誘導体を使用するこ
とにより芳香族ポリエステルカーボネートを製造するこ
とができる。このような芳香族ポリエステルカーボネー
トも、本願発明における芳香族ポリカーボネートとして
使用することができる。
【0056】かかるジカルボン酸あるいはジカルボン酸
誘導体としては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、
テレフタル酸クロリド、イソフタル酸クロリド、テレフ
タル酸ジフェニル、イソフタル酸ジフェニルなどの芳香
族ジカルボン酸類;コハク酸、グルタル酸、アジピン
酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンニ
酸、ドデカンニ酸、アジピン酸クロリド、スベリン酸ク
ロリド、アゼライン酸クロリド、セバシン酸クロリド、
アゼライン酸ジフェニル、セバシン酸ジフェニル、デカ
ンニ酸ジフェニル、ドデカンニ酸ジフェニル、などの脂
肪族ジカルボン酸類;シクロプロパンジカルボン酸、
1,3−シクロブタンジカルボン酸、1,3−シクロペ
ンタンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボ
ン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸;シクロプ
ロパンジカルボン酸クロリド、1,3−シクロブタンジ
カルボン酸クロリド、1,3−シクロペンタンジカルボ
ン酸クロリド、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸ク
ロリド、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸クロリ
ド;シクロプロパンジカルボン酸ジフェニル、1,3−
シクロブタンジカルボン酸ジフェニル、1,3−シクロ
ペンタンジカルボン酸ジフェニル、1,3−シクロヘキ
サンジカルボン酸ジフェニル、1,4−シクロヘキサン
ジカルボン酸ジフェニルなどの脂環式ジカルボン酸類を
挙げることができる。
【0057】また上記式(1)で表される繰返し単位構
造を有する芳香族ポリカーボネートを製造するとき、上
記ジヒドロキシ化合物とともに、一分子中に3個以上の
官能基を有する多官能化合物を併用することもできる。
このような多官能化合物としてはフェノール性水酸基ま
たはカルボキシル基を有する化合物が好ましく使用され
る。
【0058】具体的には例えば1,1,1−トリス(4
−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2’,2”−トリ
ス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベ
ンゼン、2,2’,2”−トリス(4−ヒドロキシフェ
ニル)−p−ジイソプロピルベンゼン、α−メチル−
α,α’,α”−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−
1,4−ジエチルベンゼン、α,α’,α”−トリス
(4−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリイソプ
ロピルベンゼン、フロログルシン、4,6−ジメチル−
2,4,6−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−ヘプ
タン、1,3,5−トリス(4−ヒドロキシフェニル)
ベンゼン、2,2−ビス〔4,4−(4−ヒドロキシフ
ェニル)−シクロヘキシル〕−プロパン、トリメリット
酸、1,3,5−トリカルボキシベンゼン、ピロメリッ
ト酸などが挙げられる。
【0059】これらのうち1,1,1−トリス(4−ヒ
ドロキシフェニル)エタン、α,α’,α”−トリス
(4−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリイソプ
ロピルベンゼンなどが好ましく使用できる。
【0060】多官能化合物を併用するとき、例えばポリ
カーボネートの溶融粘度をあげる目的では、多官能化合
物を、芳香族ジヒドロキシ化合物の1モルに対して0.
03モル以下、好ましくは0.00005〜0.02モ
ル、さらに好ましくは0.0001〜0.01モルの範
囲で使用するのが好ましい。
【0061】繰返し単位が上記(1)で表される芳香族
ポリカーボネートを製造する方法において、前述したホ
スゲン法では、触媒として3級アミン、4級アンモニウ
ム塩、3級ホスフィン、4級ホスホニウム塩、含窒素複
素環化合物またはその塩、イミノエーテルまたはその塩
あるいはアミド基を有する化合物などが使用される。
【0062】このホスゲン法では反応の際生じる塩酸な
どのハロゲン化水素の捕捉剤として多量のアルカリ金属
化合物あるいはアルカリ土類金属化合物が使用されるの
で、製造後のポリマー中に、こうした不純物が残留しな
いように十分な洗浄、精製をすることが好ましい。
【0063】溶融重合法、固相重合法では、触媒として
は、アルカリ金属化合物またはアルカリ土類金属化合物
を含有するエステル交換触媒が好ましく使用される。触
媒として使用されるアルカリ金属化合物またはアルカリ
土類金属化合物は、芳香族ジヒドロキシ化合物の1モル
に対し、1×10-8〜1×10-5モルの範囲で使用され
る。このとき炭酸ジエステルは1.0〜1.1モルの範
囲で好ましく使用される。上記範囲を逸脱すると、得ら
れる芳香族ポリカーボネートの諸物性に悪影響をおよぼ
したり、またエステル交換反応が十分に進行せず、高分
子量の芳香族ポリカーボネートが得られない等の問題の
起こることがあり、好ましくない。エステル交換触媒と
してはアルカリ金属化合物が好ましい。
【0064】エステル交換触媒をかかる量範囲において
使用することにより芳香族ポリカーボネートの製造を効
率的に生産性よく実施しうるとともに得られる芳香族ポ
リカーボネートの物性も本願発明の目的を達成するため
に好ましいものとなる。
【0065】かかるエステル交換触媒として使用される
アルカリ金属化合物としては、例えばアルカリ金属の水
酸化物、炭化水素化合物、炭酸塩、酢酸塩、硝酸塩、亜
硝酸塩、亜硫酸塩、シアン酸塩、チオシアン酸塩、ステ
アリン酸塩、水素化ホウ素塩、安息香酸塩リン酸水素化
物、ビスフェノール、フェノールの塩等が挙げられる。
【0066】具体例としては水酸化ナトリウム、水酸化
リチウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、炭酸水素
ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸
セシウム、酢酸ナトリウム、酢酸リチウム、硝酸ルビジ
ウム、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸リチウム、亜硫酸ナト
リウム、シアン酸ナトリウム、シアン酸カリウム、シア
ン酸リチウム、チオシアン酸ナトリウム、チオシアン酸
カリウム、チオシアン酸セシウム、ステアリン酸ナトリ
ウム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウ
ム、水素化ホウ素リチウム、フェニル化ホウ素ナトリウ
ム、安息香酸ナトリウム、安息香酸リチウム、リン酸水
素ジナトリウム、ビスフェノールAのジナトリウム塩、
ジリチウム塩、モノナトリウム塩、モノカリウム塩、ナ
トリウムカリウム塩、ナトリウムリチウム塩、フェノー
ルのナトリウム塩、リチウム塩、カリウム塩、セシウム
塩などが挙げられる。
【0067】またかかるエステル交換触媒として使用さ
れるアルカリ土類金属化合物としては、例えばアルカリ
土類金属の水酸化物、炭化水素化合物、炭酸塩、酢酸
塩、硝酸塩、亜硝酸塩、亜硫酸塩、シアン酸塩、チオシ
アン酸塩、ステアリン酸塩、水素化ホウ素塩、安息香酸
塩リン酸水素化物、ビスフェノール、フェノールの塩等
が挙げられる。
【0068】具体例としては水酸化カルシウム、水酸化
バリウム、水酸化ストロンチウム、炭酸水素カルシウ
ム、炭酸水素バリウム、炭酸水素ストロンチウム、炭酸
カルシウム、炭酸バリウム、炭酸ストロンチウム、酢酸
カルシウム、酢酸バリウム、酢酸ストロンチウム、硝酸
カルシウム、硝酸バリウム、硝酸ストロンチウム、亜硝
酸カルシウム、亜硝酸バリウム、亜硝酸ストロンチウ
ム、亜硫酸カルシウム、亜硫酸バリウム、亜硫酸ストロ
ンチウム、シアン酸カルシウム、シアン酸バリウム、シ
アン酸ストロンチウム、チオシアン酸カルシウム、チオ
シアン酸バリウム、チオシアン酸ストロンチウム、ステ
アリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、ステアリ
ン酸ストロンチウム、水素化ホウ素カルシウム、水素化
ホウ素バリウム、水素化ホウ素ストロンチウム、安息香
酸カルシウム、安息香酸バリウム、安息香酸ストロンチ
ウム、ビスフェノールAのカルシウム塩、バリウム塩、
ストロンチウム塩、フェノールのカルシウム塩、バリウ
ム塩、ストロンチウム塩などが挙げられる。
【0069】またエステル交換触媒として塩基性窒素化
合物、および/または塩基性リン化合物を併用するのが
好ましい。
【0070】これらのうち、塩基性窒素化合物の具体例
としては、例えばテトラメチルアンモニウムヒドロキシ
ド(Me4NOH)、テトラエチルアンモニウムヒドロ
キシド(Et4NOH)、テトラブチルアンモニウムヒ
ドロキシド(Bu4NOH)、ベンジルトリメチルアン
モニウムヒドロキシド(Ph−CH2(Me)3NO
H)、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシ
ドなどのアルキル、アリール、アルキルアリール基など
を有するアンモニウムヒドロキシド類;テトラメチルア
ンモニウムアセテート、テトラエチルアンモニウムフェ
ノキシド、テトラブチルアンモニウム炭酸塩、ベンジル
トリメチルアンモニウム安息香酸塩、ヘキサデシルトリ
メチルアンモニウムエトキシドなどのアルキル、アリー
ル、アルキルアリール基などを有する塩基性アンモニウ
ム塩;トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジメチル
ベンジルアミン、ヘキサデシルジメチルアミンなどの第
3級アミン;あるいはテトラメチルアンモニウムボロハ
イドライド(Me4NBH4)、テトラブチルアンモニウ
ムボロハイドライド(Bu4NBH4)、テトラブチルア
ンモニウムテトラフェニルボレート(Bu4NBP
4)、テトラメチルアンモニウムテトラフェニルボレ
ート(Me4NBPh4)などの塩基性塩などを挙げるこ
とができる。
【0071】また塩基性リン化合物の具体例としては、
例えばテトラメチルホスホニウムヒドロキシド(Me4
POH)、テトラエチルホスホニウムヒドロキシド(E
4POH)、テトラブチルホスホニウムヒドロキシド
(Bu4POH)、ベンジルトリメチルホスホニウムヒ
ドロキシド(Ph−CH2(Me)3POH)、ヘキサデ
シルトリメチルホスホニウムヒドロキシドなどのアルキ
ル、アリール、アルキルアリール基などを有するホスホ
ニウムヒドロキシド類、あるいはテトラメチルホスホニ
ウムボロハイドライド(Me4PBH4)、テトラブチル
ホスホニウムボロハイドライド(Bu4PBH4)、テト
ラブチルホスホニウムテトラフェニルボレート(Bu4
PBPh4)、テトラメチルホスホニウムテトラフェニ
ルボレート(Me4PBPh4)などの塩基性塩などを挙
げることができる。
【0072】上記塩基性窒素化合物および/または塩基
性リン化合物は、塩基性窒素原子あるいは塩基性リン原
子が芳香族ジヒドロキシ化合物の1モルに対し、1×1
-5〜5×10-4モルとなる割合で用いるのが好まし
い。より好ましい使用割合は同じ基準に対し2×10-5
〜5×10-4モルとなる割合である。特に好ましい割合
は同じ基準に対し5×10-5〜5×10-4モルとなる割
合である。
【0073】触媒として使用するアルカリ金属化合物と
しては、所望により周期律表第14族元素のアート錯体
アルカリ金属塩または周期律表第14族元素のオキソ酸
のアルカリ金属塩を用いることができる。ここで周期律
表第14族の元素とは、ケイ素、ゲルマニウム、スズの
ことをいう。かかるアルカリ金属化合物を重縮合反応の
触媒として用いることにより、重縮合反応を迅速にかつ
十分に進めることができる利点がある。また重縮合反応
中に進行する分岐反応のような好ましくない副反応を低
いレベルに抑えることができる。
【0074】周期律表第14族元素のアート錯体アルカ
リ金属塩としては、特開平7−268091号公報に記
載のものが用いられる。例えばNaGe(OMe)5
NaGe(OPh)5、LiGe(OMe)5、LiGe
(OPh)5、NaSn(OMe)3、NaSn(OM
e)5、NaSn(OPh)5などを挙げることができ
る。
【0075】また周期律表第14族元素のオキソ酸のア
ルカリ金属塩としては、例えばケイ酸、スズ酸、ゲルマ
ニウム(II)酸、ゲルマニウム(IV)酸のアルカリ金属
塩を好ましいものとして挙げることができる。
【0076】これらの具体例としてはオルトケイ酸ジナ
トリウム、モノスズ酸ジナトリウム、モノスズ酸テトラ
ナトリウム、ゲルマニウム(II)酸モノナトリウム(N
aHGeO2)、オルトゲルマニウム(IV)酸ジナトリ
ウム、オルトゲルマニウム(IV)酸テトラナトリウムを
挙げることができる。
【0077】重縮合反応には、アルカリ金属化合物であ
る上記触媒と一緒に、必要により周期律表第14属元素
のオキソ酸、酸化物および同元素のアルコキシド、フェ
ノキシドよりなる群から選ばれる少なくとも、1種の化
合物を助触媒として共存させることができる。
【0078】これらの助触媒を用いることにより分子末
端の封鎖反応、重縮合反応速度を損うことなく重縮合反
応中に生成しやすい分岐反応、主鎖開裂反応や、成形加
工時における装置内での異物の生成、焼けといった好ま
しくない現象を効果的に抑止できる。
【0079】周期律表第14族のオキソ酸としては、例
えばケイ酸、スズ酸、ゲルマニウム酸を挙げることがで
きる。
【0080】周期律表第14族の酸化物としては、例え
ば二酸化ケイ素、二酸化スズ、一酸化ゲルマニウム、二
酸化ゲルマニウム、シリコンテトラメトキシド、シリコ
ンテトラブトキシド、シリコンテトラフェノキシド、テ
トラエトキシスズ、テトラノニルオキシスズ、テトラフ
ェノキシスズ、テトラメトキシゲルマニウム、テトラブ
トキシゲルマニウム、テトラフェノキシゲルマニウムお
よびこれらの縮合体を挙げることができる。
【0081】これらの助触媒は重縮合反応触媒中のアル
カリ金属元素1モル原子当り、周期律表第14族の元素
が50モル原子以下となる割合で存在せしめるのが好ま
しい。同金属元素が50モル原子を超える割合で助触媒
を用いると、重縮合反応速度が遅くなり好ましくない。
助触媒は、重縮合反応触媒のアルカリ金属元素1モル原
子当り助触媒としての周期律表第14族の元素が0.1
〜30モル原子となる割合で存在せしめるのがさらに好
ましい。
【0082】本願発明で製造される芳香族ポリカーボネ
ートは、さらに、下記式(2) A1−SO31 …… (2) (ここで、A1は置換基を有していてもよい炭素数1〜
30の1価の炭化水素基であり、X1はアンモニウムカ
チオン、ホスホニウムカチオンまたは炭素数1〜10の
1価の炭化水素基である)で表わされるスルホン酸化合
物を含有するのが好ましい。
【0083】これを含有することで、エステル交換触媒
として使用したアルカリ金属またはアルカリ土類金属化
合物の活性を低下もしくは失活させることができ、色
相、耐熱性、耐加水分解性などの品質に優れたポリカー
ボネートを得ることができる。
【0084】スルホン酸化合物としては、下記式(2)
−1
【0085】
【化7】 (ここで、A2、A3、A4、A5およびA6は、互いに独
立に、炭素数1〜20の1価の炭化水素基である)で表
わされるスルホン酸ホスホニウム塩が効果が大きく、好
ましい。
【0086】なお、上記式(2)−1におけるA2は、
例えば、水素原子、メチル基、ヘキシル基、ドデシル
基、A3〜A6は、それぞれ独立に、メチル基、ブチル
基、オクチル基から選ばれる基が好ましい。
【0087】このようなスルホン酸化合物は、ポリマー
中に残存するエステル交換触媒の失活剤として機能する
もので、触媒失活剤としては、例えば特開平8−599
75号公報記載のような公知の剤も有効に使用される
が、この中でもスルホン酸のアンモニウム塩、スルホン
酸のホスホニウム塩が好ましい。さらに具体的は、ドデ
シルベンゼンスルホン酸のアンモニウム塩、ホスホニウ
ム塩、パラトルエンスルホン酸のアンモニウム塩、ホス
ホニウム塩やベンゼンスルホン酸のアンモニウム塩、ホ
スホニウム塩が好ましい。
【0088】本願発明においては、これらの触媒失活剤
のうち、上記式(2)−1のスルホン酸化合物、とりわ
けドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウ
ム塩や、パラトルエンスルホン酸テトラブチルアンモニ
ウム塩が最も好ましく使用される。
【0089】触媒失活剤は触媒の活性を著しく低下させ
るものであり、このような触媒失活剤はそれだけでポリ
カーボネート樹脂に添加してもよく、水と触媒失活剤と
の混合液として同時にポリカーボネート樹脂に添加して
もよい。
【0090】溶融重合で得られるポリカーボネート樹脂
に対する触媒失活剤の添加量は、アルカリ金属化合物、
アルカリ土類金属化合物より選ばれた前記主重縮合触媒
1モル当り0.5〜50モルの割合で、好ましくは0.
5〜10モルの割合で、さらに好ましくは0.8〜5モ
ルの割合で使用する。これは通常、ポリカーボネート樹
脂100重量部に対し1×10-5〜1×10-2重量部の
割合で使用することに相当する。
【0091】次に、エステル化合物(B)とは、脂肪族
カルボン酸と脂肪族アルコールとのエステル化合物であ
る。
【0092】脂肪族カルボン酸としては炭素数12〜2
4の飽和脂肪族モノカルボン酸であることが好ましい。
炭素数が12より小さい脂肪族モノカルボン酸のモノエ
ステルはポリカーボネート組成物の耐熱性が低下する傾
向を示し、またポリカーボネート組成物中にガスの発生
を起こし易く好ましくない。
【0093】一方、炭素数が24よりも大きい脂肪族モ
ノカルボン酸のモノエステルはポリカーボネート組成物
の離型性を低下させる傾向を示し好ましくない。
【0094】炭素数12〜24の脂肪族モノカルボン酸
としては、例えばラウリン酸、ドデシル酸、ペンタデシ
ル酸、パルミチン酸、ヘプタデシル酸、ステアリン酸、
ノナデカン酸、アラキン酸、ベヘン酸およびリグノセリ
ン酸が挙げられる。これらのうち、ステアリン酸および
パルミチン酸が特に好ましい。
【0095】脂肪族アルコールとしては、炭素数2〜1
4の2〜6価の脂肪族アルコールであることが好まし
く、炭素数2〜10の2または3価の脂肪族アルコール
がより好ましい。かかる多価脂肪族アルコールとして
は、例えばエチレングリコール、プロパンジオール、プ
ロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、ヘキサンジオール、デカ
ンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパンおよ
びペンタエリスリトールが挙げられる。これらのうち、
プロピレングリコール、グリセリンが特に好ましい。
【0096】上記エステル化合物は単独であるいは2種
以上組合せてエステル化合物(B)として用いることが
できる。
【0097】上記エステル化合物は、慣用の有機反応に
よって容易に得ることができる。一般に反応生成物はモ
ノエステル、ジエステル等の部分エステルと、完全エス
テルとの混合物になる場合が多く、本願発明の目的を満
たすことができれば混合物のままで使用しても良く、ま
た再結晶もしくは蒸留等により単離精製後使用しても良
い。
【0098】エステル化合物(B)は芳香族ポリカーボ
ネート(A)100重量部に対し5×10-4〜0.5重
量部の割合で用いられる。この範囲外では、得られるポ
リカーボネート組成物の耐熱性が低下しまた十分な離型
性が確保できない。エステル化合物(B)は、同じ基準
に対し、好ましくは5×10-4〜0.3重量部であり、
より好ましくは5×10-4〜0.1重量部であり、さら
に好ましくは7×10 -4〜8×10-2重量部であり、特
に好ましくは1×10-3〜7×10-2重量部である。
【0099】また、本願発明は、任意成分として、塩
酸、リン酸、亜リン酸、ホウ酸、これらのアミン塩およ
びアンモニウム塩よりなる群から選ばれる少なくとも1
種の化合物を、芳香族ポリカーボネート(A)100重
量部当り、1×10-5〜1×10-2重量部の割合で、さ
らに含有することができる。
【0100】これらの任意成分の使用はポリカーボネー
ト樹脂組成物における高温時、特に300℃以上の高温
での溶融成形時の着色や品質劣化あるいはシルバースト
リークの発生等の不具合を解消するのに有効である。
【0101】上記アミン塩を構成するアミンとしては、
例えばジメチルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミ
ン、ジオクチルアミン、ジラウリルアミン、ピペラジ
ン、ピペリジンおよびシクロブチルアミンのごとき2級
アミン;並びにトリメチルアミン、トリエチルアミン、
トリブチルアミンおよびピリジンのごとき3級アミンが
挙げられる。
【0102】任意成分としてのこれらの化合物は、芳香
族ポリカーボネート100重量部当り、好ましくは1×
10-4〜5×10-3重量部である。
【0103】さらに本願発明は、亜リン酸エステルおよ
び/またはリン酸エステルを芳香族ポリカーボネート
(A)100重量部に対し、1×10-4〜0.1重量部
でさらに含有することができる。
【0104】亜リン酸エステルとしては、例えばトリメ
チルホスファイト、トリエチルホスファイト、トリブチ
ルホスファイト、トリオクチルホスファイト、トリス
(2−エチルヘキシル)ホスファイト、トリノニルホス
ファイト、トリデシルホスファイト、トリオクタデシル
ホスファイト、トリステアリルホスファイトなどのトリ
アルキルホスファイト、トリシクロヘキシルホスファイ
トなどのトリシクロアルキルホスファイト、トリフェニ
ルホスファイト、トリクレジルホスファイト、トリス
(エチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ
−t−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(ノニル
フェニル)ホスファイト、トリス(ヒドロキシフェニ
ル)ホスファイトなどのトリアリールホスファイト、フ
ェニルジデシルホスファイト、ジフェニルデシルホスフ
ァイト、ジフェニルイソオクチルホスファイト、フェニ
ルイソオクチルホスファイト、2−エチルヘキシルジフ
ェニルホスファイトなどのアリールアルキルホスファイ
トなどを挙げることができる。
【0105】さらに、亜リン酸エステルとして、ジステ
アリルペンタエリスリチルジホスファイト、ビス(2,
4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリチルジホ
スファイトなどを挙げることができる。
【0106】リン酸エステルとしては、例えばトリメチ
ルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチル
ホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリデシル
ホスフェート、トリオクタデシルホスフェート、ジステ
アリルペンタエリスリチルジホスフェートなどのトリア
ルキルホスフェート、トリシクロヘキシルホスフェート
などのトリシクロアルキルホスフェート、トリフェニル
ホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリス(ノ
ニルフェニル)ホスフェート、2−エチルフェニルジフ
ェニルホスフェートなどのトリアリールホスフェートな
どを挙げることができる。
【0107】これらの化合物は1種のみ、あるいは2種
以上組み合わせて用いることができる。これらのうち芳
香族亜リン酸エステルが好ましく用いられる。
【0108】亜リン酸エステルおよび/またはリン酸エ
ステルは、芳香族ポリカーボネート(A)100重量部
に対し、好ましくは1×10-3〜5×10-2重量部含有
させる。
【0109】本願発明の組成物には、本願発明の目的を
損わない範囲で通常のその他の添加剤、例えば加工安定
剤、耐熱安定剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収
剤、金属不活性化剤、金属石鹸類、造核剤、帯電防止
剤、滑剤、難燃剤、離型剤、防黴剤、着色剤、防曇剤、
天然油、合成油、ワックス、有機系充填剤、無機系充填
剤などを添加してもよい。
【0110】これらの添加剤のうちの幾つかについて、
具体的には次のようなものが挙げられる。
【0111】加工安定剤としては、例えば2−t−ブチ
ル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチ
ルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2−
[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフ
ェニル)エチル]−4,6−ジ−t−ペンチルフェニル
アクリレートが挙げられる。
【0112】光安定剤としては、例えば2−(3−t−
ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−5−
クロロベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブ
チル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、
2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾト
リアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−t−オクチル
フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t
−ペンチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾ
ール、2−〔2−ヒドロキシ−3−(3,4,5,6−
テトラヒドロフタルイミドメチル)フェニル〕ベンゾト
リアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス
(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]ベンゾトリア
ゾールのごときベンゾトリアゾール系化合物;2−ヒド
ロキシ−4−オクチルオキシベンゾフェノン、2−ヒド
ロキシ−4−メトキシベンゾフェノンのごときベンゾフ
ェノン系化合物;2,4−ジ−t−ブチルフェニル、
3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート
のごときヒドロキシベンゾフェノン系化合物;エチル−
2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレートのごとき
シアノアクリレート系化合物などの紫外線吸収剤:ニッ
ケルジブチルジチオカーバメート、[2,2’−チオビ
ス(4−t−オクチルフェノラート)]−2−エチルヘ
キシルアミンニッケルのごときニッケル系クエンチャー
などが挙げられる。
【0113】金属不活性化剤としては、例えばN,N’
−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロピオニル]ヒドラジン等が挙げられる。金
属石鹸類としては例えばステアリン酸カルシウム、ステ
アリン酸ニッケル等が挙げられる。
【0114】造核剤としては、例えばジ(4−t−ブチ
ルフェニル)ホスホン酸ナトリウム、ジベンジリデンソ
ルビトール、メチレンビス(2,4−ジ−t−ブチルフ
ェノール)アシッドホスフェートナトリウム塩のごとき
ソルビトール系、リン酸塩系化合物が挙げられる。
【0115】帯電防止剤としては、例えば(β−ラウラ
ミドプロピル)トリメチルアンモニウムメチルスルフェ
ートのごとき第4級アンモニウム塩系、アルキルホスフ
ェート系化合物が挙げられる。
【0116】難燃剤としては、例えばトリス(2−クロ
ロエチル)ホスフェートのごとき含ハロゲンリン酸エス
テル類;ヘキサブロモシクロドデカン、デカブロモフェ
ニルオキサイドのごときハロゲン化物;三酸化アンチモ
ン、五酸化アンチモン、水酸化アルミニウムなどの金属
無機化合物類並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0117】上記の各成分から本願発明の樹脂組成物を
製造する方法に特に制限はない。各成分の配合順序も、
任意である。
【0118】例えば、溶融状態にある芳香族ポリカーボ
ネートに必須成分および任意的成分を加えて混練しても
よく、また、芳香族ポリカーボネートの溶液に必須成分
および任意的成分を加えて混練してもよい。
【0119】より具体的には、重合反応が終了して得ら
れる溶融状態にある反応器内または押出機内の反応生成
物である芳香族ポリカーボネートに、直接、必須成分お
よび任意的成分を別々にまたは同時的に加えて混練する
方法、あるいは、得られた芳香族ポリカーボネートをペ
レット化し、このペレットを必須成分および任意的成分
と共に一軸または二軸押出機などに供給して溶融混練す
る方法、さらに、得られた芳香族ポリカーボネートを適
当な溶媒(例えば塩化メチレン、クロロホルム、トルエ
ン、テトラヒドロフラン等)に溶解させ、この溶液に必
須成分および任意的成分を別々にまたは同時的に加えて
撹拌する方法などを挙げることができるが、溶融状態の
熱履歴時間および再溶融回数を減らすという点から、溶
融重合で得られた溶融状態の芳香族ポリカーボネートに
スルホン酸化合物、必須成分等の成分を添加混練しペレ
ット化するのが好ましい。
【0120】
【発明の効果】このようにして得られるポリカーボネー
ト組成物は、成形時の分子量低下、色相保持等の熱安定
性および離型性、転写性等の成形性にも優れたものであ
ることから、光学材料用途、特に光記録用ディスク基板
用途等光学用成形物に好ましく用いることができる。
【0121】つまり本願発明で得られるポリカーボネー
ト組成物は、熱安定性に優れ、ディスクに成形した際の
離型性に大変優れているので、特に光記録用ディスク基
板用途に好ましく用いることができる。
【0122】本願発明によれば、本願発明のポリカーボ
ネート組成物からなる光記録媒体用基板、および上記の
光記録媒体用基板および該基板の片面上に直接または中
間層を介して存在する光記録層からなる光記録媒体が同
様に提供される。
【0123】この光記録媒体は、公知の光記録媒体と同
様に、必要により誘電体層および反射層を備えることが
できる。
【0124】
【実施例】以下、実施例に基づき、本願発明を詳細に説
明するが、本願発明は、これらの実施例に限定されるも
のではない。
【0125】[実施例1〜3および比較例1]ビスフェ
ノールA(以下BPA)228重量部、ジフェニルカー
ボネート(以下DPC)223重量部およびテトラメチ
ルアンモニウムヒドロキシド0.009重量部、ビスフ
ェノールAジナトリウム塩0.00014重量部を撹拌
装置、蒸留塔および減圧装置を備えた反応槽に仕込み窒
素置換した後、140℃で溶解した。30分間撹拌後、
内温を200℃に昇温し、内圧100mmHgで60分
間反応させ、生成するフェノールを溜去した。
【0126】ついで内温を250℃に昇温しつつ内圧を
徐々に20mmHgまで減圧し、同温度、同圧下で60
分間更に反応を続行した。
【0127】最終的に270℃まで昇温し内圧1mmH
gでポリカーボネートの重縮合を継続した。得られたポ
リカーボネートの粘度平均分子量は15,200であっ
た。
【0128】次いで溶融状態のままで、このポリマーを
ギアポンプにて二軸押出機(L/D=17.5、バレル
温度270℃)に挿入し、ポリマーに対して表1記載の
エステル化合物、酸/酸とのアミン塩、スルホン酸化合
物、リン酸エステル、亜リン酸エステルをそれぞれ所定
量添加混練し、ダイを通してストランド状とし、カッタ
ーで切断しペレットとした。
【0129】[比較例2]DPC223重量部に代え
て、DPC231重量部を使用した以外は実施例1と同
様にして実施した。
【0130】[比較例3]DPC223重量部およびテ
トラメチルアンモニウムヒドロキシド0.009重量部
に代えて、DPC231重量部およびビスフェノールA
ジナトリウム塩0.0003重量部を使用し、最終的に
300℃の温度でポリカーボネートの重縮合を継続した
以外は実施例1と同様にして実施した。
【0131】得られたペレットの評価:上記実施例1〜
3および比較例1〜3により得られたペレットについて
以下の評価を行った。評価結果を上記表1に示す。
【0132】これらの結果、本願発明に係る実施例1〜
3の組成物は良好な特性を示した。
【0133】なお、分析方法は下記の通りである。
【0134】(1)粘度平均分子量(Mv) 塩化メチレン中20℃での極限粘度[η]を測定し、下
記式にて粘度平均分子量に換算した。
【0135】[η]=1.23×10-4Mw0.83 (2)分子量分布(Mz/Mw) 昭和電工社製ゲル浸透クロマトグラフィー(Shode
x GPC System−11)を用いて測定した。
【0136】(3)末端OH基濃度 JEOL社製高分解能NMR(EX−270)を用いて
測定し、全末端基量に対する末端OH基量の割合を算出
した。
【0137】(4)分岐構造含有量 式(3)−1,(3)−2構造の含有量はJOEL製高
分解能NMR(EX−270)により分析した。
【0138】(5)離型性 ニッケル製のスタンパーを用い、シリンダー温度340
℃、金型温度80℃、1サイクル7秒の条件で、CD成
形機にて、φ120のコンパクトディスク基板を連続1
00ショット成形し、ディスクまたはスプルーの金型へ
の残りを不良率(%)として評価した。
【0139】(6)転写性 (5)の方法にて得たディスク基板に転写されたピット
を光学顕微鏡(800倍)で観察し、評価した。実施例
および比較例のそれぞれについて、ディスク基板10枚
を評価した。
【0140】具体的には、転写されたピット形状に異常
が認められるか否かを評価した。ここで、「形状にムラ
がある」とは、ディスク基板に転写されたピットの形状
にムラがあり、ミクロンオーダーの転写が不良になるこ
とを意味する。
【0141】(7)熱安定性 得られたペレットを射出成形機内(シリンダー温度34
0℃、金型温度80℃)で5分滞留させた後、厚さ2m
mの成形板を作製した。滞留前後の色差(△E)を日本
電色工業(株)製のColor and Color
Deference Meter ND−1001DP
を用いて測定した。なお色差(△E)はJIS872
2、Z8730に従い測定を実施した。
【0142】
【表1】
【0143】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 5/524 C08K 5/524 G11B 7/24 526 G11B 7/24 526G (72)発明者 佐々木 勝司 山口県岩国市日の出町2番1号 帝人株式 会社岩国研究センター内 Fターム(参考) 4J002 CG001 DD017 DH037 DH047 DK007 EH046 EW047 EW067 FD067 FD166 GS02 4J029 AA09 AB05 AC01 AD01 AD03 AE05 BB04A BB04B BB05A BB05B BB10A BB12A BB13A BB13B BB15A BD09A BD09B BF14A BF14B BG07X BG08X BG24X BH01 BH02 DA10 DB07 DB11 DB13 DB17 HA01 HC05A JA091 JA121 JA161 JA201 JA301 JB171 JB201 JC031 JC091 JC551 JC751 JF031 JF041 JF051 JF141 JF151 JF161 KB02 KE02 KE05 KH08 5D029 KA07

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 末端ヒドロキシル濃度が2〜40モル%
    であり、かつGPC(ゲルパーミエーションクロマトグ
    ラフィー)で測定した分子量分布(Mz/Mw)が1.
    4〜1.7である芳香族ポリカーボネート(A)100
    重量部および脂肪族カルボン酸と多価脂肪族アルコール
    とのエステル化合物(B)5×10-4〜0.5重量部か
    らなる光学用成形物用芳香族ポリカーボネート樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】 芳香族ポリカーボネート(A)が下記式
    (1) 【化1】 (ここで、R1、R2、R3およびR4は互いに独立に水素
    原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10の
    アリール基または炭素数7〜10のアラルキル基であ
    り、Wは炭素数1〜10のアルキレン基、炭素数2〜1
    0のアルキリデン基、炭素数6〜10のシクロアルキレ
    ン基、炭素数6〜10のシクロアルキリデン基、炭素数
    8〜15のアルキレン−アリーレン−アルキレン基、酸
    素原子、硫黄原子、スルホキシド基またはスルホン基で
    ある)で表される繰返し単位から主としてなる請求項1
    に記載の光学用成形物用芳香族ポリカーボネート樹脂組
    成物。
  3. 【請求項3】 芳香族ポリカーボネートの粘度平均分子
    量が12000〜18000である請求項1または2に
    記載の光学用成形物用芳香族ポリカーボネート樹脂組成
    物。
  4. 【請求項4】 エステル化合物(B)が炭素数12〜2
    4の脂肪族カルボン酸と炭素数2〜14の2〜6価の脂
    肪族アルコールとの部分エステル化合物である請求項1
    〜3のいずれかに記載の光学用成形物用芳香族ポリカー
    ボネート樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 芳香族ポリカーボネート(A)が芳香族
    ジヒドロキシ化合物と、該芳香族ジヒドロキシ化合物1
    モルに対し1.0〜1.1モルの炭酸ジエステルとを、
    アルカリ金属化合物およびアルカリ土類金属化合物より
    なる群から選ばれる少なくとも1種のエステル交換触媒
    1×10-8〜1×10-5モルの存在下で反応せしめて得
    られたものである請求項1〜4のいずれかに記載の光学
    用成形物用芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 下記式(2) A1−SO31 …… (2) (ここで、A1は置換していてもよい炭素数1〜30の
    1価の炭化水素基であり、X1はアンモニウムカチオ
    ン、ホスホニウムカチオンまたは炭素数1〜10の一価
    の炭化水素基である)で表わされるスルホン酸化合物
    を、芳香族ポリカーボネート(A)100重量部に対し
    1×10-5〜1×10-2重量部さらに含有する請求項1
    〜5のいずれかに記載の光学用成形物用芳香族ポリカー
    ボネート樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 上記式(2)のスルホン酸化合物が下記
    式(2)−1 【式2】 (ここで、A2、A3、A4、A5およびA6は、互いに独
    立に、炭素数1〜20の1価の炭化水素基である)で表
    わされる化合物である請求項6に記載の光学用成形物用
    芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 亜リン酸のエステルおよび/またはリン
    酸のエステルを、芳香族ポリカーボネート(A)100
    重量部に対し1×10-4〜0.1重量部さらに含有する
    請求項1〜7のいずれかに記載の光学用成形物用芳香族
    ポリカーボネート樹脂組成物。
  9. 【請求項9】 塩酸、リン酸、亜リン酸、ホウ酸、これ
    らのアミン塩およびアンモニウム塩よりなる群から選ば
    れる少なくとも1種の化合物を、芳香族ポリカーボネー
    ト(A)100重量部に対し1×10-5〜1×10-2
    量部さらに含有する請求項1〜8のいずれかに記載の光
    学用成形物用芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれかの芳香族ポリ
    カーボネート樹脂組成物からなる光記録媒体用基板。
  11. 【請求項11】 請求項10の基板を使用する光記録媒
    体。
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