JP3971383B2 - 金型離型性に優れたポリカーボネート組成物 - Google Patents

金型離型性に優れたポリカーボネート組成物 Download PDF

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Description

本発明は金型離型性に優れたポリカーボネート組成物、射出成型品の製造法それに用いられる臨界表面張力調節剤、光記録媒体用基板および光記録媒体に関する。
ポリカーボネートは、色相、透明性、機械強度に優れたエンジニアリングプラスチックである。近年その用途は多岐にわたり様々な成型品への加工がなされているが、特に優れた機械強度を持つことから光ディスク基板や電化製品のハウジングといった、肉薄で表面積比の高い成型品の材料として大量に使用されている。かかる成型品は一般に金型を用いた射出成型法によって成型されるが、該成型方法では成型品を離型する過程において、成型品の金型離型性が悪いと生産効率に支障をもたらすことが従来より懸念され、生産規模が大きいほど重要な問題とされている。
特に光ディスク基板は通常、スタンパーに刻印された信号をポリカーボネート基板上に正確に転写するために、射出成型機のシリンダー温度を350〜400℃の高温にして樹脂の流動性を向上させる。そのためスタンパーが装着される金型の温度も80〜120℃の高温に設定する必要がある。しかし金型温度が高いとポリカーボネート成型品の金型離型性の低下や離型むら発生、転写性が悪くなるといった問題が生じる。これを防ぐために成型品の離型前に金型を十分に冷却する必要があるが、そうすると成型サイクルが長くなり生産性が低下するため望ましくない。かかる理由から近年、射出成型において金型離型性が良好なポリカーボネートの開発が強く望まれている。
ポリカーボネートの離型性を改善するために離型剤を添加する方法が有効であることが従来公知である。離型剤としては通常、滑剤と言われる種々の化合物が知られている。特公昭47−41092号公報には、高級脂肪族カルボン酸と、高級脂肪族アルコールもしくは多価アルコールとのエステルまたは部分エステルを離型剤として添加することが提案されている。
然るに離型剤の添加は周知のごとくコスト面、工程数増加の点から望ましくなく、また剤の影響で製造されるポリマーの色相や透明性、機械強度といったポリカーボネートの特徴に悪影響をおよぼすことが懸念される。かかる背景から、簡便、安価な成型品製造のために離型剤を特に加えることなしに、ポリカーボネートの金型離型性を改善する方法の開発が強く望まれている。
本発明の目的は、金型離型性特に射出成形における金型離型性に優れたポリカーボネート組成物を提供することにある。
本発明の他の目的は、金型離型性に加えて成型時の熱安定性に優れたポリカーボネート組成物を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、残存フェノール類の含有量が少なくかつ上記のごとき性能を備えたポリカーボネート組成物を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、本発明のポリカーボネート組成物に用いるに好適な臨界表面張力調節剤を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、本発明のポリカーボネート組成物からなる光記録媒体用基板を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、本発明の光記録媒体用基板を用いた光記録媒体を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、ポリカーボネートから射出成型品例えば光記録媒体用基板を、金型からの良好な離型性を確保して製造する方法を提供することにある。
本発明のさらに他の目的および利点は以下の説明から明らかになろう。
本発明によれば、本発明の上記目的および利点は、第1に、
(A)芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとを、アルカリ金属化合物およびアルカリ土類金属化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種のエステル交換触媒の存在下に反応せしめて得られた芳香族ポリカーボネート100重量部、
(B)下記式(I)
Figure 0003971383
ここで、Rは炭素数10〜40の脂肪族炭化水素基であり、R〜Rは互いに独立に水素原子または炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基であるかあるいはRまたはRとRまたはRは互に結合してそれらが結合している炭素原子と一緒になって環員炭素数5または6の環を形成していてもよく、Yはエーテル結合(−O−)、エステル結合(−COO−または−OCO−)またはカーボネート結合(−OCOO−)でありそしてnは1〜5の整数である、
で表されるエポキシ化合物0.0001〜0.3重量部および
(C)下記式(II)
Figure 0003971383
ここで、R、R、RおよびR10は互いに独立に水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基および炭素数7〜20のアラルキル基よりなる群から選ばれる基であり、R11、R12、R13およびR14は互いに独立に水素原子、および炭素数1〜10のアルキル基よりなる群から選ばれる基であり、Wは、炭素数1〜6のアルキレン基、炭素数2〜10のアルキリデン基、炭素数5〜10のシクロアルキレン基、炭素数5〜10のシクロアルキリデン基、炭素数8〜15のアルキレン−アリーレン−アルキリレン基、酸素原子、硫黄原子、スルホキシド基およびスルホン基よりなる群から選ばれる一員でありそしてXおよびXは互いに独立にエーテル結合(−O−)、エステル結合(−COO−または−OCO−)またはカーボネート結合(−OCOO−)である、
で表される第1芳香族化合物0.015〜0.3重量部からなる芳香族ポリカーボネート組成物によって達成される。
本発明によれば、本発明の上記目的および利点は、第2に
本発明の芳香族ポリカーボネート組成物からなる光記録媒体用基板によって達成される。
本発明によれば、本発明の上記目的および利点は、第3に
本発明の上記基板および該基板の片面上に直接または中間層を介して存在する光記録層からなる光記録媒体によって達成される。
本発明において用いられる芳香族ポリカーボネートは、芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとを、アルカリ金属化合物およびアルカリ土類金属化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種のエステル交換触媒の存在下に反応せしめて製造される。
芳香族ジヒドロキシ化合物としては、例えば2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以下ビスフェノールAと略す)、ビス(2−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(2−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)サルファイド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホンおよびその芳香環に例えばアルキル基、アリール基等が置換されたものが挙げられる。これらは単独で用いてもまたは2種以上併用してもよい。中でも2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)がモノマーとしての安定性、さらにはそれに含まれる不純物の量が少ないものの入手が容易である点等より好ましいものとして挙げられる。
また炭酸ジエステルとしては、例えばジフェニルカーボネート、ジナフチルカーボネート、ビス(ジフェニル)カーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネート等が挙げられる。なかでもコスト面からジフェニルカーボネートが好ましいものとして挙げられる。
触媒として使用されるアルカリ金属化合物およびアルカリ土類金属化合物としては、例えばアルカリ金属、アルカリ土類金属の水酸化物、炭化水素化合物、炭酸塩、酢酸塩、硝酸塩、亜硝酸塩、亜硫酸塩、シアン酸塩、チオシアン酸塩、ステアリン酸塩、水素化ホウ素塩、安息香酸塩、リン酸塩、酸性リン酸塩、ビスフェノール、フェノールの塩等が挙げられる。
具体例としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化セシウム、水酸化ルビジウム、水酸化フランシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸セシウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸リチウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸ルビジウム、硝酸リチウム、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウム、亜硝酸ルビジウム、亜硝酸リチウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸リチウム、シアン酸ナトリウム、シアン酸カリウム、シアン酸リチウム、チオシアン酸ナトリウム、チオシアン酸カリウム、チオシアン酸リチウム、チオシアン酸セシウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸セシウム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウム、水素化ホウ素リチウム、フェニル化ホウ素ナトリウム、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸リチウム、リン酸水素ジナトリウム、リン酸水素ジカリウム、リン酸水素ジリチウム、ビスフェノールAのジナトリウム塩、ジカリウム塩、ジリチウム塩、ジセシウム塩、モノナトリウム塩、モノカリウム塩、モノセシウム塩、ナトリウムカリウム塩、ナトリウムリチウム塩、フェノールのナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、セシウム塩などが挙げられる。中でも、セシウム化合物およびルビジウム化合物が好ましい。
アルカリ金属化合物としてはセシウム化合物およびルビジウム化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含有しそして全アルカリ金属元素数に対して、セシウムおよび/またはルビジウム金属元素数が0.001〜100%であるものが好ましく、全アルカリ金属元素数に対して、セシウムおよび/またはルビジウム金属元素数が90〜100%であるものがさらに好ましい。
これらの重合触媒の使用量は、芳香族ジヒドロキシ化合物1モルに対し好ましくは0.05〜5μ化学当量、より好ましくは0.07〜3μ化学当量、特に好ましくは0.07〜2μ化学当量の範囲から選択される。
これらのアルカリ金属化合物およびアルカリ土類金属化合物は、含窒素塩基性化合物および/または含リン塩基性化合物と組合せて用いるのが好ましい。この組合せ使用により、色相や熱安定性に優れたポリカーボネートが大きい重合速度で得られる。
含窒素塩基性化合物の具体的例としては、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(MeNOH)、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド(EtNOH)、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド(BuNOH)、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド(PhCH(Me)NOH)、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシドなどのアルキル、アリール、アラルキル基などを有するアンモニウムヒドロキシド;テトラメチルアンモニウムアセテート、テトラエチルアンモニウムフェノキシド、テトラブチルアンモニウム炭酸塩、ベンジルトリメチルアンモニウム安息香酸塩、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムエトキシドなどのアルキル、アリール、アルキルアリール基などを有する塩基性アンモニウム塩;トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジメチルベンジルアミン、ヘキサデシルジメチルアミンなどの第3級アミン;あるいはテトラメチルアンモニウムボロハイドライド(MeNBH)、テトラブチルアンモニウムボロハイドライド(BuNBH)、テトラブチルアンモニウムテトラフェニルボレート(BuNBPh)、テトラメチルアンモニウムテトラフェニルボレート(MeNBPh)などの塩基性塩などを挙げることができる。
また含リン塩基性化合物の具体例としては、テトラメチルホスホニウムヒドロキシド(MePOH)、テトラエチルホスホニウムヒドロキシド(EtPOH)、テトラブチルホスホニウムヒドロキシド(BuPOH)、テトラフェニルホスホニウムヒドロキシド(PhPOH)、ベンジルトリメチルホスホニウムヒドロキシド(PhCH(Me)POH)、ヘキサデシルトリメチルホスホニウムヒドロキシドなどのアルキル、アリール、アルキルアリール基などを有するホスホニウムヒドロキシド類;あるいはテトラメチルホスホニウムボロハイドライド(MePBH)、テトラブチルホスホニウムボロハイドライド(BuPBH)、テトラブチルホスホニウムテトラフェニルボレート(BuPBPh)、テトラメチルホスホニウムテトラフェニルボレート(MePBPh)などの塩基性塩などを挙げることができる。
上記含窒素塩基性化合物および/または含リン塩基性化合物は、塩基性窒素原子あるいは塩基性リン原子が芳香族ジヒドロキシ化合物、1モルに対し、10〜1,000μ化学当量となる割合で好ましく用いられる。より好ましい使用割合は同じ基準に対し20〜500μ化学当量となる割合であり、特に好ましい割合は同じ基準に対し50〜500μ化学当量となる割合である。
本発明で用いられる芳香族ポリカーボネート(A)は、好ましくは、下記式(III)
Figure 0003971383
ここで、R15、R16、R17およびR18は、互いに独立に、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基および炭素数7〜20のアラルキル基よりなる群から選ばれる基であり、Wは炭素数1〜6のアルキレン基、炭素数2〜10のアルキリデン基、炭素数5〜10のシクロアルキレン基、炭素数5〜10のシクロアルキリデン基、炭素数8〜15のアルキレン−アリーレン−アルキレン基、酸素原子、硫黄原子、スルホキシド基およびスルホン基よりなる群から選ばれる基である、
で表される繰返し単位を主たる繰返し単位とする。
上記式(III)で表される繰返し単位は前記芳香族ヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルの反応により生成される。
上記式(III)中、R15、R16、R17、R18およびWをより具体的に示すと、R15、R16、R17、R18は水素原子;メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基等の炭素数1〜10のアルキル基;フェニル基、ナフタレン基等の炭素数6〜10のアリール基;ベンジル基等の炭素数7〜20のアラルキル基から選ばれる基を表す。またWはメチレン基、エチレン基、イソプロピレン基等の炭素数1〜6のアルキレン基;エチリデン基等の炭素数2〜10のアルキリデン基;シクロヘプチレン基、シクロヘキシレン基等の炭素数5〜10のシクロアルキレン基;シクロヘキシリデン基等の炭素数5〜10のシクロアルキリデン基;イソプロピレン基−フェニレン基−イソプロピレン基等の炭素数8〜15のアルキレン−アリーレン−アルキレン基;酸素原子;硫黄原子;スルホキシド基またはスルホン基から選ばれる基を表す。好ましくはR15、R16、R17、R18は水素原子またはメチル基であり、Wはイソプロピレン基またはシクロヘキシレン基である。さらに好ましくはR15、R16、R17、R18は水素原子、Wはイソプロピレン基である。
また、芳香族ポリカーボネートの粘度平均分子量は、好ましくは12,000〜100,000であり、より好ましくは13,000〜28,000である。粘度平均分子量が12,000未満であるかまたは100,000を超えると、臨界表面張力調節剤を用いても、射出成型して得られた成型品の離型性が悪化する傾向が見られる。
さらに、芳香族ポリカーボネート(A)は、好ましくは溶融粘度安定性が0.5%以下である。溶融粘度安定性とは、窒素気流下、せん断速度1rad/sec、300℃で30分間測定した溶融粘度の変化を絶対値で評価し、1分間当りの変化率で表した数値である。
このような溶融粘度安定性は、重合後のポリカーボネートに溶融粘度安定化剤を加えることにより得ることができる。
溶融粘度安定化剤は、ポリカーボネート製造時に使用した重合触媒の活性の一部または全部を失活させる作用も有している。
溶融粘度安定化剤を添加する方法としては、例えば、反応生成物であるポリカーボネートが溶融状態にある間に添加してもよいし、一旦ポリカーボネートをペレタイズした後、再溶融し添加してもよい。前者においては、反応槽内または押出機内の反応生成物であるポリカーボネートが溶融状態にある間に添加してもよいし、また重合後得られたポリカーボネートが反応槽から押出機を通ってペレタイズされる間に、溶融粘度安定化剤を添加して混練することもできる。
溶融粘度安定化剤としては、公知のいかなる剤も使用できるが、得られるポリマーの色調や耐熱性、耐沸水性などの物性の向上に対する効果が大きい点から、有機スルホン酸の塩、有機スルホン酸エステル、有機スルホン酸無水物、および有機スルホン酸ベタインなどのスルホン酸化合物を使用することが好ましい。なかでもスルホン酸のホスホニウム塩および/またはスルホン酸のアンモニウム塩を使用することが好ましい。そのなかでも特に、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩(以下DBSPと略す)やパラトルエンスルホン酸テトラブチルアンモニウム塩などが好ましい例として挙げられる。
本発明におけるこれら溶融粘度安定化剤の使用量は触媒として用いたアルカリ金属、アルカリ土類金属に対して0.05〜20倍相当の化学当量の範囲から選択される。
なお上記に説明した製造方法は溶融重合反応と同時に臨界表面張力調節剤を合成しかつその量の制御を行う方法としても好ましく用いられる。
本発明の組成物中に(B)成分として含有されるエポキシ化合物は、下記式(I)
Figure 0003971383
で表される。
式中、Rは炭素数10〜40の脂肪族炭化水素基であり、R〜Rは互いに独立に水素原子または炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基であるかあるいはRまたはRとRまたはRは互に結合してそれらが結合している炭素原子と一緒になって環員炭素数5または6の環を形成していてもよく、Yはエーテル結合(−O−)、エステル結合(−COO−または−OCO−)またはカーボネート結合(−OCOO−)でありそしてnは1〜5の整数である。
上記エポキシ化合物(B)は分子内にヒドロキシル基を含有していないため、飽和一価カルボン酸と多価アルコールの部分エステルを使用した場合に見られるような、残留フェノール類の量の増加やポリマーとの反応等に起因する熱分解による高温成形時での焼けを著しく抑制することができる。
上記式()において、Rは炭素数10〜20の直鎖アルキル基であることが好ましい。
なかでも下記式()−1
Figure 0003971383
ここで、R〜Rおよびnの定義は上記式(I)に同じである、
で表されるエポキシ化合物が好ましい。
かかるエポキシ化合物としては、例えば
Figure 0003971383
を挙げることができる。
上記エポキシ化合物の合成方法は特に限定されず、慣用の有機反応によって容易に得ることができる。
エポキシ化合物の使用量は、ポリカーボネート100重量部に対し、0.00001〜0.3重量部である。好ましくは0.0005〜0.3重量部、より好ましくは0.005〜0.1重量部、さらに好ましくは0.007〜0.08重量部、特に好ましくは0.01〜0.07重量部で使用される。0.00001〜0.3重量部の範囲を逸脱すると得られるポリカーボネート樹脂組成物の耐熱性が低下しがちでありまた十分な離型性を得難くなる。
また、本発明の組成物中に(C)成分として含有される第1芳香族化合物は下記式(II)
Figure 0003971383
で表される。
式中、R、R、RおよびR10は互いに独立に水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基および炭素数7〜20のアラルキル基よりなる群から選ばれる基であり、R11、R12、R13およびR14は互いに独立に水素原子、および炭素数1〜10のアルキル基よりなる群から選ばれる基であり、Wは、炭素数1〜6のアルキレン基、炭素数2〜10のアルキリデン基、炭素数5〜10のシクロアルキレン基、炭素数5〜10のシクロアルキリデン基、炭素数8〜15のアルキレン−アリーレン−アルキレン基、酸素原子、硫黄原子、スルホキシド基およびスルホン基よりなる群から選ばれる一員でありそしてXおよびXは互いに独立にエーテル結合(−O−)、エステル結合(−COO−または−OCO−)またはカーボネート結合(−OCOO−)である。
上記式(II)中のR〜R14およびWを定義するそれぞれの基の具体例は、前記式(III)中のR15〜R18およびWについて例示した具体例から明らかであろう。
上記第1芳香族化合物としては、下記式(II)−1
Figure 0003971383
ここで、R〜R10およびWの定義は上記式(II)に同じである、
で表される化合物が好ましく、例えば下記式
Figure 0003971383
で表される化合物が挙げられる。
第1芳香族化合物の使用量は、ポリカーボネート100重量部に対し、0.015〜0.3重量部である。好ましくは0.015〜0.25重量部、より好ましくは0.015〜0.2重量部、さらに好ましくは0.03〜0.2重量部、特に好ましくは0.05〜0.2重量部である。
第1芳香族化合物が上記使用量のとき、所望の離型性が得られまた色調や機械物性に悪影響がない成型品が得られる。
本発明の組成物は、さらに下記式(IV)
Figure 0003971383
ここで、R〜R12、XおよびWの定義は上記式(II)に同じである、
で表される第2芳香族化合物を含有することができる。
上記式(IV)の化合物としては、例えば下記式
Figure 0003971383
で表される化合物が挙げられる。
上記式(IV)で表される第2芳香族化合物は、前記式(II)で表される第1芳香族化合物1重量部に対し、好ましくは0.5〜50重量部、より好ましくは0.5〜2.5重量部、特に好ましくは0.5〜2.0重量部で用いられる。第2芳香族化合物を上記割合で含有することにより、より望ましい離型性が達成される。
第1芳香族化合物および場合によりさらに第2芳香族化合物の含有量を上記の範囲に制御するには、ポリカーボネートを製造する溶融重合反応初期条件および/または溶融重合反応後期条件で温度、減圧度を適切に保ち重合反応と同時に、該化合物を合成かつ制御する方法や、重合の最終段階で別途合成した該化合物を溶融状態のポリカーボネートへ混合する方法や、重合終了後一旦ポリカーボネートを固化し再溶融時に該化合物を混合する方法等が挙げられる。好ましくは、溶融重合反応中に該化合物を合成かつ制御する方法である。
該重量比を上記範囲に制御する方法としては、例えば重合反応装置の特徴を考え重合反応仕込み時の炭酸ジエステル/芳香族ジヒドロキシ化合物モル比を高める方法(例えば1.03〜1.10の間に設定し重合を行うこと;重合原料仕込みモル比制御法)、および/または重合反応終了時点において米国特許第5696222号に記載の方法に従い、サリチル酸エステル系化合物によりOH末端基を封止する方法等が具体的に挙げられる。
ポリマー中のこれらの化合物の含有量は公知の方法で測定可能だが、ポリマー再沈殿法により抽出される有機低分子化合物を高速液体クロマトグラフィーで測定し、検量する方法;有機低分子化合物に対しては溶解性が高く、ポリカーボネートには溶解性がない有機溶媒を用いてソックスレー抽出を行い、溶媒を溜去して検量する方法等が挙げられる。前者の方法がより好ましい。
本発明の組成物に用いられる上記式(I)で表されるエポキシ化合物および上記式(II)で表される第1芳香族化合物は、上記のごとく、芳香族ポリカーボネート成型品の臨界表面張力を調節する作用を有する。例えば、臨界表面張力が約34.8より低い芳香族ポリカーボネート成型品の臨界表面張力を上昇させるために使用されたり、あるいは臨界表面張力が約34.8より高い芳香族ポリカーボネート成型品の臨界表面張力を下降させるために使用することができる。上記約34.8の値は、臨界表面張力をJIS K6768に基づいて測定したときの値であり、ほぼ上記値例えば34.8±0.4において、離型性と表面性に優れたポリカーボネート組成物が得られる。
本発明では、上記エポキシ化合物および第1芳香族化合物の上記のごとき特長を生かして、上記エポキシ化合物または第1芳香族化合物からなる、芳香族ポリカーボネート成型品の臨界表面張力調節剤も提供される。
本発明の前記芳香族ポリカーボネート組成物には、用途に応じて従来公知の離型剤、加工安定剤、耐熱安定剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、金属不活性化剤、金属石鹸、造核剤、帯電防止剤、難燃剤などを添加することができる。
従来公知の離型剤としては、脂肪族カルボン酸と多価アルコールとの部分エステル化合物、すなわち多価アルコールの少なくとも1つの水酸基が未反応のままで遊離の状態にあるエステル化合物を挙げることができる。
上記脂肪族カルボン酸としては特に限定されず、飽和および不飽和脂肪族カルボン酸のいずれであってもよい。脂肪族カルボン酸としては飽和一価脂肪酸が好ましく炭素数12〜24のものが特に好ましい。
かかる脂肪族カルボン酸としては、具体的には、ドデシル酸、ペンダデシル酸、パルチミン酸、ヘプタデシル酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸などが挙げられる。
上記多価アルコールとしても、特に限定されず、2価、3価、4価、5価、6価いずれも用いることができる。例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどが好ましく、グリセリンが特に好ましい。
上記部分エステル化合物としては、炭素数12〜24の飽和一価脂肪族のモノグリセリドおよび/またはジグリセリドが好ましい。
上記部分エステル化物は、上記式(I)で表されるエポキシ化合物対部分エステル化物の重量比が好ましくは0.25〜5、さらに好ましくは0.42〜1となる割合で使用するのが望ましい。
加工安定剤としては、例えば2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−t−ペンチルフェニルアクリレート等が挙げられる。
光安定剤としては、例えば2−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ペンチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3−(3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミドメチル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]ベンゾトリアゾールのごときベンゾトリアゾール系化合物;2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンのごときベンゾフェノン系化合物;2,4−ジ−t−ブチルフェニル、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエートのごときヒドロキシベンゾフェノン系化合物;エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート等のシアノアクリレート系化合物などの紫外線吸収剤、ニッケルジブチルジチオカーバメート、[2,2’−チオビス(4−t−オクチルフェノラート)]−2−エチルヘキシルアミンニッケルなどのニッケル系クエンチャーなどが挙げられる。
金属不活性化剤としては、例えばN,N’−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジン等が、金属石鹸類としては例えばステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ニッケル等が挙げられる。
造核剤としては、例えばジ(4−t−ブチルフェニル)ホスホン酸ナトリウム、ジベンジリデンソルビトール、メチレンビス(2,4−ジ−t−ブチルフェノール)アシッドホスフェートナトリウム塩等のソルビトール系、リン酸塩系化合物が挙げられる。
帯電防止剤としては、例えば(β−ラウラミドプロピル)トリメチルアンモニウムメチルスルフェート等の第4級アンモニウム塩系、アルキルホスフェート系化合物が挙げられる。
難燃剤としては、例えばトリス(2−クロロエチル)ホスフェートなどの含ハロゲンリン酸エステル類、ヘキサブロモシクロドデカン、デカブロモフェニルオキサイドなどのハロゲン化物、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、水酸化アルミニウムなどの金属無機化合物類、これらの混合物等が挙げられる。
上記の各成分の芳香族ポリカーボネート配合は、例えば、溶融状態にあるポリカーボネートに加えて混練してもよく、また、ポリカーボネートの溶液に加えて混練してもよい。より具体的には、重合反応が終了して得られる溶融状態にある反応器内または押出機内の反応生成物であるポリカーボネートに、直接、加えて混練する方法、あるいは、得られたポリカーボネートをペレット化し、このペレットと共に一軸または二軸押出機などに供給して溶融混練する方法、さらに、得られたポリカーボネートを適当な溶媒(例えば塩化メチレン、クロロホルム、トルエン、テトラヒドロフラン等)に溶解させ、この溶液に加えて攪拌する方法などを挙げることができるが、溶融状態の熱履歴時間および再溶融回数を減らすという点から、溶融重合で得られた溶融状態のポリカーボネートにスルホン酸化合物、環状化合物等の成分を添加混練しペレット化するのが好ましい。
本発明のポリカーボネート組成物は射出成型により種々の成型品とすることができる。射出成型はいかなる装置を用いて行ってもよいが、成型機のシリンダーにおける設定温度は250〜400℃が好ましい。設定温度が250℃に満たない場合ポリマーの流動性が低いために良好な成型品が得られず、特にポリカーボネートの主要用途の一つである光ディスク基板の成型ではスタンパー信号の転写性が低下するため好ましくない。400℃を超える場合ポリマーが熱劣化を生じ色調や機械物性が著しく悪化するため好ましくない。また、金型における設定温度は50〜140℃が好ましく、設定温度が50℃に満たない場合は成型品に離型むらが生じ、140℃を超える場合は所望の離型性が得られず好ましくない。
本発明によれば、上記のごとく射出成型をする際に、芳香族ポリカーボネートを受け入れる射出成型金型の芳香族ポリカーボネートを接触する金型内表面に、上記式(II)で表される第1芳香族化合物を金型内表面1cm当り0.005〜0.1mgの割合で付着せしめるときには、第1芳香族化合物の離型作用により、射出成型品が離型性良く製造し得る。
本発明の芳香族ポリカーボネート組成物の成型品には、例えば電子・通信器材;OA機器;レンズ、プリズム、光ディスク基板のごとき光記録媒体用基板、光ファイバーなどの光学部品;家庭電器、照明部材、重電部材などの電子・電機材料;車両内外装、精密機械、絶縁材などの機械材料;医療材料;保安・保護材料;スポーツレジャー用品;家庭用品などの雑貨材料;容器・包装材料;表示・装飾材料が包含される。また、上記光ディスク基板としては、例えば成型基板の厚みが1.2mmのCD、LD、CD−ROM、CD−R、光磁気ディスク、相変化型ディスク等の基板、厚みが1.2mmの単板を2枚貼り合わせることによって得られる基板、厚みが0.6mmの基板、厚みが0.6mmの単板であるDVD用の成型基板を2枚張貼り合わせることによって得られるDVD基板などが挙げられる。DVD基板としては例えば、DVD−ROM、DVD−R、DVD−RAMなどの基板が挙げられる。
本発明の光記録媒体用基板は、好ましくは臨界表面張力が34.4〜36.4の範囲にある。
本発明によれば、本発明のポリカーボネート組成物からなる光記録媒体用基板、および上記の光記録媒体用基板および該基板の片面上に直接または中間層を介して存在する光記録層からなる光記録媒体が同様に提供される。
この光記録媒体は、公知の光記録媒体と同様に、必要により誘電体層および反射層を備えることができる。
以下に実施例を挙げてさらに説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
なお、ポリマーの各評価は以下の方法により行った。
(金型離型性;離型抵抗値の測定)
各ポリマーを名機(株)製 M−50B成型機で、シリンダー温度380℃、金型温度80℃で連続射出成型を行い、成型品の離型時に突出ピンにかかる荷重とブランク時の荷重をピンのシリンダー内油圧によって検出し、その差を離型抵抗値(単位;Kg/cm)とした。この値が15以下である場合にポリマーの離型性は良好であると評価した。1回の測定は連続500ショットの成型を行い、401〜500ショット目の離型抵抗値の平均値とした。
(臨界表面張力の測定)
JIS規格K6768に準拠した。すなわち、ぬれ試験液(ホルムアミド、エチレングリコールモノメチルエーテル混合液;和光純薬(株))および発色剤(ビクトリアブルーB;和光純薬(株))を用いて成型板表面の表面張力(30〜56dyn/cm;330〜560μN/cm)を測定した。各ポリマーにつき30検体の成型板を用い、各成型板ごとに5点ずつの測定を行い平均した。
(耐熱安定性)
得られたポリマーを射出成型機内(シリンダー温度340℃、金型温度80℃)で10分間滞留させた後、厚さ2mmの成型板を作成した。滞留前後の色差(ΔE)を日本電色工業(株)製のColor and Color Deference Meter ND−1001DPを用いて測定した。なお色差(ΔE)はJIS8722、Z8730に従い測定を実施した。測定は各ポリマーにつき10回行い、平均した。
(BPCおよびMPCの抽出と定量)
ポリマー中の下記式(1)および(2)で表される化合物A(BPC)およびB(MPC)の含有量は、ポリマー再沈殿法により抽出される低分子量成分を高速液体クロマトグラフィーで測定した。本発明におけるポリマー再沈殿法、および高速液体クロマトグラフィー測定は以下の方法で行った。すなわち、各ポリマー10.0gを塩化メチレン100mlに溶解し、攪拌しつつアセトニトリルを900ml滴下してポリマーを再沈殿させ、塩化メチレンを減圧溜去した後、沈殿物をポアサイズ10〜16μmのガラスフィルターで濾別した。この濾液を高速液体クロマトグラフィー(東ソー(株)製、LC−8020)を用いて測定し、BPCおよびMPCを定量した。
高速液体クロマトグラフィーは、Develosil、ODS−7カラム(300mm × Φ4mm、40℃恒温)を使用し、溶離液は水:アセトニトリル(6:4→0:10グラジエント)、検出波長は253nmで測定し、各成分のピーク面積から定量した。各ポリマーにつきポリマー再沈殿法による抽出以降の処理を5回ずつ行い測定値を平均した。
Figure 0003971383
実施例1〜4および比較例1〜4
ビスフェノールA(22,800重量部)、ジフェニルカーボネート(22,100重量部)(BPA:DPC=1:1.033)と重合触媒として、ビスフェノールAの2Na塩0.007g(0.5μNa)、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド0.91g(100μ)を、攪拌装置、蒸留塔及び減圧装置を備えた反応層に仕込み、窒素置換した後、180℃で溶解し内圧100mmHgで30分間反応させ、生成するフェノールを溜去した。ついで内温を200℃に昇温しつつ徐々に減圧し50mmHgで30分間フェノールを溜去しつつ反応させた。さらに220℃/30mmHgまで徐々に昇温、減圧し、同温度、同圧力条件下で30分間反応させ、さらに240℃/10mmHg、260℃/1mmHg、280℃/1mmHg以下にまで上記と同じ手順で昇温、減圧を繰り返し反応を続行した。最終的に同温、同圧で重合反応を継続し重合反応装置の攪拌電力より判断し、ポリカーボネートの粘度平均分子量が15,300になった時点でポリマーの一部を採取し、粘度平均分子量を測定しつつ粘度平均分子量15,300になるまで反応せしめ、その後溶融粘度安定化剤DBSP、0.058g(1μ相当;触媒Naの2倍)を添加し、同温、同圧にて10分間混合攪拌し、触媒を失活、不活性化した。その後、下記表1に記載の各添加剤を所定量添加混練し、ダイを通してストランド状とし、カッターで切断しペレットとした。
なお、実施例4では、各添加剤を添加したポリマーからペレットを成型する直前に、上記式(1)で示された化合物BPCの0.1%アセトン溶液を、金型のポリマー接触表面に吹付けたアセトンを蒸発させた後の化合物BPCの付着量が金型のポリマー接触表面積1cm当り0.05mgとなるように吹付け量を調整した。成型試験中、100ショット成型するごとに同様の方法で吹付けを行った。
なお、表1中の略号の意味は次のとおりである。
R1;グリセリンモノステアレート
Figure 0003971383
R2;
Figure 0003971383
P1;トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト
Figure 0003971383
P2;トリスメチルホスフェート
(CHO)P=O
Figure 0003971383

Claims (13)

  1. (A)芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとを、アルカリ金属化合物およびアルカリ土類金属化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種のエステル交換触媒の存在下に反応せしめて得られた芳香族ポリカーボネート100重量部、
    (B)下記式(I)
    Figure 0003971383
    ここで、Rは炭素数10〜40の脂肪族炭化水素基であり、R〜Rは互いに独立に水素原子または炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基であるかあるいはRまたはRとRまたはRは互に結合してそれらが結合している炭素原子と一緒になって環員炭素数5または6の環を形成していてもよく、Yはエーテル結合(−O−)、エステル結合(−COO−または−OCO−)またはカーボネート結合(−OCOO−)でありそしてnは1〜5の整数である、
    で表されるエポキシ化合物0.00001〜0.3重量部および
    (C)下記式(II)
    Figure 0003971383
    ここで、R、R、RおよびR10は互いに独立に水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基および炭素数7〜20のアラルキル基よりなる群から選ばれる基であり、R11、R12、R13およびR14は互いに独立に水素原子、および炭素数1〜10のアルキル基よりなる群から選ばれる基であり、Wは、炭素数1〜6のアルキレン基、炭素数2〜10のアルキリデン基、炭素数5〜10のシクロアルキレン基、炭素数5〜10のシクロアルキリデン基、炭素数8〜15のアルキレン−アリーレン−アルキレン基、酸素原子、硫黄原子、スルホキシド基およびスルホン基よりなる群から選ばれる一員でありそしてXおよびXは互いに独立にエーテル結合(−O−)、エステル結合(−COO−または−OCO−)またはカーボネート結合(−OCOO−)である、
    で表される第1芳香族化合物0.015〜0.3重量部からなる芳香族ポリカーボネート組成物。
  2. エステル交換触媒がアルカリ金属化合物でありそしてアルカリ金属化合物がセシウム化合物およびルビジウム化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する請求項1の芳香族ポリカーボネート組成物。
  3. アルカリ金属化合物が、セシウム化合物およびルビジウム化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含有しそして全アルカリ金属元素数に対して、セシウムおよび/またはルビジウム金属元素数が0.001〜100%である請求項2の芳香族ポリカーボネート組成物。
  4. アルカリ金属化合物が、セシウム化合物およびルビジウム化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含有しそして全アルカリ金属元素数に対して、セシウムおよび/またはルビジウム金属元素数が90〜100%である請求項2の芳香族ポリカーボネート組成物。
  5. 芳香族ポリカーボネート(A)が下記式(III)
    Figure 0003971383
    ここで、R15、R16、R17およびR18は、互いに独立に、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基および炭素数7〜20のアラルキル基よりなる群から選ばれる基であり、Wは炭素数1〜6のアルキレン基、炭素数2〜10のアルキリデン基、炭素数5〜10のシクロアルキレン基、炭素数5〜10のシクロアルキリデン基、炭素数8〜15のアルキレン−アリーレン−アルキレン基、酸素原子、硫黄原子、スルホキシド基およびスルホン基よりなる群から選ばれる基である、
    で表される繰返し単位を主たる繰返し単位とする請求項1の芳香族ポリカーボネート組成物。
  6. 芳香族ポリカーボネート(A)の粘度平均分子量が12,000〜100,000の範囲にある請求項1の芳香族ポリカーボネート組成物。
  7. 芳香族ポリカーボネート(A)の溶融粘度安定性が0.5%以下である請求項1の芳香族ポリカーボネート組成物。
  8. エポキシ化合物が下記式(I)−1
    Figure 0003971383
    ここで、R〜Rおよびnの定義は上記式(I)に同じである、
    で表される請求項1の芳香族ポリカーボネート組成物。
  9. 第1芳香族化合物が下記式(II)−1
    Figure 0003971383
    ここで、R〜R10およびWの定義は上記式(II)に同じである、
    で表される請求項1の芳香族ポリカーボネート組成物。
  10. 下記式(IV)
    Figure 0003971383
    ここで、R〜R12、XおよびWの定義は上記式(II)に同じである、
    で表される第2芳香族化合物をさらに含有する請求項1の芳香族ポリカーボネート組成物。
  11. 請求項1の芳香族ポリカーボネート組成物からなる光記録媒体用基板。
  12. 臨界表面張力が34.4〜36.4の範囲にある請求項11の基板。
  13. 請求項11の基板および該基板の片面上に直接または中間層を介して存在する光記録層からなる光記録媒体。
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