JP2002293909A - ポリエステル製造用触媒及びそれを用いるポリエステル製造方法 - Google Patents

ポリエステル製造用触媒及びそれを用いるポリエステル製造方法

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JP2002293909A JP2001321896A JP2001321896A JP2002293909A JP 2002293909 A JP2002293909 A JP 2002293909A JP 2001321896 A JP2001321896 A JP 2001321896A JP 2001321896 A JP2001321896 A JP 2001321896A JP 2002293909 A JP2002293909 A JP 2002293909A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 良好な色調(b値)を有し、異物が少なく溶
融熱安定性に優れたポリエステルを製造するための触
媒、及びそれを用いるポリエステル製造方法を提供する
こと。 【解決手段】 チタン化合物及び/又はチタン化合物と
多価カルボン酸又はその無水物との反応により得られる
チタン化合物を含むチタン化合物成分と、リン化合物成
分との反応生成物を触媒として、芳香族ジカルボン酸の
アルキレングリコールエステル及び/又はその低重合体
からなる重合出発原料を重縮合反応させてポリエステル
を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリエステル製造用
触媒及びそれを用いるポリエステル製造方法に関する。
さらに詳しくは、本発明は、特定のチタン化合物及びリ
ン化合物を含むポリエステル製造用触媒、及びそれを用
いて、良好な色調(b値)を有し、したがって、色調を
整えるためのコバルト化合物を添加することを要しない
ポリエステルの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル、特にポリエチレンテレフ
タレート、ポリエチレンナフタレート、ポリトリメチレ
ンテレフタレート及びポリテトラメチレンテレフタレー
トは、その機械的、物理的、化学的性能が優れているた
め、繊維、フィルム、その他の成形物に広く利用されて
いる。
【0003】例えばポリエチレンテレフタレートは、通
常テレフタル酸とエチレングリコールとを直接エステル
化反応させるか、テレフタル酸ジメチルのようなテレフ
タル酸の低級アルキルエステルとエチレングリコールと
をエステル交換反応させるか又はテレフタル酸とエチレ
ンオキサイドとを反応さて、テレフタル酸のエチレング
リコールエステル及び/又はその低重合体を生成させ、
次いでこの反応生成物を重合触媒の存在下で減圧加熱し
て所定の重合度になるまで重縮合反応させることによっ
て製造されている。また、ポリエチレンナフタレート、
ポリトリメチレンテレフタレート、ポリテトラメチレン
テレフタレートも上記と同様の方法によって製造されて
いる。
【0004】これらの重縮合反応段階で使用する触媒の
種類によって、反応速度および得られるポリエステルの
品質が大きく左右されることはよく知られている。ポリ
エチレンテレフタレートの重縮合触媒としては、アンチ
モン化合物が、優れた重縮合触媒性能を有し、かつ、色
調の良好なポリエステルが得られるなどの理由から最も
広く使用されている。
【0005】しかしながら、アンチモン化合物を重縮合
触媒として使用した場合、ポリエステルを長時間にわた
って連続的に溶融紡糸すると、口金孔周辺に異物(以
下、単に口金異物と称することがある。)が付着堆積
し、溶融ポリマー流れの曲がり現象(ベンディング)が
発生し、これが原因となって紡糸、延伸工程において毛
羽及び/又は断糸などを発生するという成形性の問題が
ある。
【0006】該アンチモン化合物以外の重縮合触媒とし
て、チタンテトラブトキシドのようなチタン化合物を用
いることも提案されているが、このようなチタン化合物
を使用した場合、上記のような、口金異物堆積に起因す
る成形性の問題は解決できるが、得られたポリエステル
自身が黄色く着色されており、また、溶融熱安定性も不
良であるという新たな問題が発生する。
【0007】上記着色問題を解決するために、コバルト
化合物をポリエステルに添加して黄味を抑えることが一
般的に行われている。確かにコバルト化合物を添加する
ことによってポリエステルの色調(b値)は改善するこ
とができるが、コバルト化合物を添加することによって
ポリエステルの溶融熱安定性が低下し、ポリマーの分解
も起こりやすくなるという問題がある。
【0008】また、他のチタン化合物として、特公昭4
8−2229号公報には水酸化チタンを、また特公昭4
7−26597号公報にはα−チタン酸を、それぞれポ
リエステル製造用触媒として使用することが開示されて
いる。しかしながら、前者の方法では水酸化チタンの粉
末化が容易でなく、一方、後者の方法ではα−チタン酸
が変質し易いため、その保存、取り扱いが容易でなく、
したがっていずれも工業的に採用するには適当ではな
く、さらに、良好な色調(b値)のポリマーを得ること
も困難である。
【0009】また、特公昭59−46258号公報には
チタン化合物とコハク酸とを反応させて得られた生成物
を、また特開昭58−38722号公報にはチタン化合
物と亜リン酸エステルとを反応させて得られた生成物
を、それぞれポリエステル製造用触媒として使用するこ
とが開示されている。確かに、この方法によれば、ポリ
エステルの溶融熱安定性はある程度向上しているもの
の、得られるポリマーの色調が十分なものではなく、し
たがってポリマー色調のさらなる改善が望まれている。
【0010】さらに、特開平7−138354号公報に
おいては、チタン化合物とリン化合物との錯体をポリエ
ステル製造用触媒とすることが提案されており、この方
法によれば溶融熱安定性もある程度は向上するものの、
得られるポリマーの色調は十分なものではない。
【0011】なお、これらのチタン−リン系触媒は、そ
の触媒自身がポリエステルポリマー中に異物として残留
することが多く、この問題についても解決されることが
望まれていた。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、良好
な色調(b値)を有し、異物が少なく溶融熱安定性に優
れたポリエステルを製造するための触媒、及びそれを用
いるポリエステル製造方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記従来技
術に鑑み鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成するに至
った。
【0014】すなわち上記目的は、本発明のポリエステ
ル製造用触媒及びそれを用いるポリエステル製造方法に
より達成される。本発明のポリエステル製造用触媒は、
(A)下記一般式(I)により表されるチタン化合物
(1):
【0015】
【化7】
【0016】及び、前記一般式(I)のチタン化合物
(1)と下記一般式(II)で表される多価カルボン
酸:
【0017】
【化8】
【0018】又はその無水物とを反応させて得られたチ
タン化合物(2)、から選ばれた少なくとも一種からな
るチタン化合物成分と、(B)下記一般式(III)に
より表されるリン化合物(3):
【0019】
【化9】 の少なくとも一種からなるリン化合物成分との反応生成
物からなるものである。
【0020】また、本発明のポリエステル製造方法は、
二官能性芳香族カルボン酸のアルキレングリコールエス
テル及びその低重合体から選ばれた少なくとも一種から
なる重合出発原料を、触媒の存在下に重縮合する工程を
含み、前記触媒が、(A)下記一般式(I)により表さ
れるチタン化合物(1):
【0021】
【化10】
【0022】及び、前記一般式(I)のチタン化合物
(1)と下記一般式(II)で表される多価カルボン
酸:
【0023】
【化11】
【0024】又はその無水物とを反応させて得られたチ
タン化合物(2)、から選ばれた少なくとも一種からな
るチタン化合物成分と、(B)下記一般式(III)に
より表されるリン化合物(3):
【0025】
【化12】
【0026】の少なくとも一種からなるリン化合物成分
とを反応させて得られた反応生成物からなるものである
こと、並びに、前記触媒のチタン原子換算量が、前記重
合出発原料中に含まれる前記二官能性芳香族カルボン酸
成分の合計量に対して、10〜40ミリモル%であるこ
と、を特徴とするものである。
【0027】
【発明の実施の形態】以下本発明についてさらに詳細に
説明する。本発明のポリエステル製造用触媒は、下記に
詳しく説明するチタン化合物成分(A)と、リン化合物
成分(B)との反応生成物を含むものである。
【0028】本発明の触媒に用いられるチタン化合物成
分(A)は、下記一般式(I)により表されるチタン化
合物(1):(A)下記一般式(I)により表されるチ
タン化合物(1):
【0029】
【化13】
【0030】及び、前記一般式(I)のチタン化合物
(1)と下記一般式(II)で表される多価カルボン
酸:
【0031】
【化14】
【0032】又はその無水物とを反応させて得られたチ
タン化合物(2)、から選ばれた少なくとも一種からな
るものである。
【0033】また本発明の触媒に用いられるリン化合物
成分(B)は、下記一般式(III)で表されるリン化
合物(3):
【0034】
【化15】 の少なくとも一種からなるものである。
【0035】本発明のポリエステル製造用触媒に用いら
れる、前記チタン化合物成分(A)と、前記リン化合物
成分(B)との反応生成物において、前記チタン化合物
成分(A)のチタン原子換算モル量(mTi)の、前記
リン化合物成分(B)のリン原子換算モル量(mP)に
対する反応モル比mTi/mPが、1:1〜1:4の範
囲内にあることが好ましく、1:1.5〜1:2.5の
範囲内にあることがより好ましい。
【0036】前記チタン化合物成分(A)のチタン原子
換算モル量とは、前記チタン化合物成分(A)に含まれ
る各チタン化合物のモル量と、当該チタン化合物の1分
子に含まれるチタン原子の個数との積の合計値であり、
前記リン化合物成分(B)のリン原子換算モル量とは、
前記リン化合物成分(B)に含まれる各リン化合物のモ
ル量と、当該リン化合物の1分子に含まれるリン原子の
個数との積の合計値である。ただし、式(III)のリ
ン化合物は1分子当たり1個のリン原子を含むものであ
るから、リン化合物のリン原子換算モル量は当該リン化
合物のモル量に等しい。
【0037】反応モル比mTi/mPが1:1より大き
くなると、すなわち、チタン化合物成分(A)の量が過
多になると得られる触媒を用いて得られるポリエステル
の色調(b値)が、不良になり、かつその耐熱性が低下
することがある。また、前記反応モル比が、1:4未満
になると、すなわちチタン化合物成分(A)の量が過少
になると、得られる触媒のポリエステル生成反応に対す
る触媒活性が不十分になることがある。
【0038】チタン化合物成分(A)に用いられる一般
式(I)のチタン化合物(1)としては、チタンテトラ
ブトキシド、チタンテトライソプロポキシド、チタンテ
トラプロポキシド、チタンテトラエトキシドなどのチタ
ンテトラアルコキシドや、オクタアルキルトリチタネー
ト、ヘキサアルキルジチタネートなどのアルキルチタネ
ートを挙げることができるが、なかでも本発明において
使用されるリン化合物成分との反応性の良好なチタンテ
トラアルコキシドを用いることが好ましく、特にチタン
テトラブトキシドを用いることがより好ましい。
【0039】チタン化合物成分(A)に用いられるチタ
ン化合物(2)は一般式(I)のチタン化合物(1)
と、一般式(II)の多価カルボン酸又はその無水物と
の反応により得られる。一般式(II)の多価カルボン
酸及びその無水物としては、シュウ酸、マロン酸、コハ
ク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン
酸、アゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル
酸、シクロヘキサンジカルボン酸又はそれらの無水物を
好ましく用いることができ、特にチタン化合物(1)と
の反応性がよいコハク酸無水物を用いることが好まし
い。
【0040】チタン化合物(1)と一般式(II)の多
価カルボン酸又はその無水物との反応は、前記多価カル
ボン酸又はその無水物を溶媒に混合してその一部又は全
部を溶媒中に溶解し、この混合液にチタン化合物(1)
を滴下し、0℃〜200℃の温度で30分以上、好まし
くは30〜150℃の温度に40〜90分間加熱するこ
とによって行われる。この際の反応圧力には特に制限は
なく、常圧で充分である。なお、前記溶媒としては、式
(II)の化合物又はその無水物の一部又は全部を溶解
し得るものから適宜に選択することができるが、好まし
くは、エタノール、エチレングリコール、トリメチレン
グリコール、テトラメチレングリコール、ベンゼン、キ
シレン等から選ばれる。
【0041】この反応におけるチタン化合物(1)と式
(II)の化合物又はその無水物とのモル比は適宜に選
択することができるが、チタン化合物(1)の割合が多
すぎると、得られるポリエステルの色調が悪化したり、
軟化点が低下したりする傾向があり、逆にチタン化合物
(1)の量が少なすぎると重縮合反応が進みにくくなる
傾向があるため、チタン化合物(1)と式(II)の化
合物又はその無水物との反応モル比は、(2/1)〜
(2/5)とすることが好ましい。この反応によって得
られる反応生成物は、そのまま前述のリン化合物(3)
との反応に供してもよく、或はこれをアセトン、メチル
アルコール及び/又は酢酸エチルなどによって再結晶し
て精製した後、これをリン化合物(3)と反応させてよ
い。
【0042】リン化合物成分(B)に用いられる一般式
(III)のリン化合物(3)において、R3により表
されるC6〜C20アリール基、又はC1〜C20アル
キル基は、未置換であってもよく、或は1個以上の置換
基により置換されていてもよく、この置換基としては、
例えば、カルボキシル基、アルキル基、ヒドロキシル基
及びアミノ基などを包含する。
【0043】一般式(III)のリン化合物(3)は、
例えば、フェニルホスホン酸、メチルホスホン酸、エチ
ルホスホン酸、プロピルホスホン酸、イソプロピルホス
ホン酸、ブチルホスホン酸、トリルホスホン酸、キシリ
ルホスホン酸、ビフェニルホスホン酸、ナフチルホスホ
ン酸、アントリルホスホン酸、2−カルボキシフェニル
ホスホン酸、3−カルボキシフェニルホスホン酸、4−
カルボキシフェニルホスホン酸、2,3−ジカルボキシ
フェニルホスホン酸、2,4−ジカルボキシフェニルホ
スホン酸、2,5−ジカルボキシフェニルホスホン酸、
2,6−ジカルボキシフェニルホスホン酸、3,4−ジ
カルボキシフェニルホスホン酸、3,5−ジカルボキシ
フェニルホスホン酸、2,3,4−トリカルボキシフェ
ニルホスホン酸、2,3,5−トリカルボキシフェニル
ホスホン酸、2,3,6−トリカルボキシフェニルホス
ホン酸、2,4,5−トリカルボキシフェニルホスホン
酸、2,4,6−トリカルボキシフェニルホスホン酸、
フェニルホスフィン酸、メチルホスフィン酸、エチルホ
スフィン酸、プロピルホスフィン酸、イソプロピルホス
フィン酸、ブチルホスフィン酸、トリルホスフィン酸、
キシリルホスフィン酸、ビフェニリルホスフィン酸、ジ
フェニルホスフィン酸、ジメチルホスフィン酸、ジエチ
ルホスフィン酸、ジプロピルホスフィン酸、ジイソプロ
ピルホスフィン酸、ジブチルホスフィン酸、ジトリルホ
スフィン酸、ジキシリルホスフィン酸、ジビフェニリル
ホスフィン酸、ナフチルホスフィン酸、アントリルホス
フィン酸、2−カルボキシフェニルホスフィン酸、3−
カルボキシフェニルホスフィン酸、4−カルボキシフェ
ニルホスフィン酸、2,3−ジカルボキシフェニルホス
フィン酸、2,4−ジカルボキシフェニルホスフィン
酸、2,5−ジカルボキシフェニルホスフィン酸、2,
6−ジカルボキシフェニルホスフィン酸、3,4−ジカ
ルボキシフェニルホスフィン酸、3,5−ジカルボキシ
フェニルホスフィン酸、2,3,4−トリカルボキシフ
ェニルホスフィン酸、2,3,5−トリカルボキシフェ
ニルホスフィン酸、2,3,6−トリカルボキフェニル
ホスフィン酸、2,4,5−トリカルボキシフェニルホ
スフィン酸、2,4,6−トリカルボキシフェニルホス
フィン酸、ビス(2−カルボキシフェニル)ホスフィン
酸、ビス(3−カルボキシフェニル)ホスフィン酸、ビ
ス(4−カルボキシフェニル)ホスフィン酸、ビス
(2,3−ジカルボキシルフェニル)ホスフィン酸、ビ
ス(2,4−ジカルボキシフェニル)ホスフィン酸、ビ
ス(2,5−ジカルボキシフェニル)ホスフィン酸、ビ
ス(2,6−ジカルボキシルフェニル)ホスフィン酸、
ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ホスフィン酸、
ビス(3,5−ジカルボキシフェニル)ホスフィン酸、
ビス(2,3,4−トリカルボキシフェニル)ホスフィ
ン酸、ビス(2,3,5−トリカルボキシフェニル)ホ
スフィン酸、ビス(2,3,6−トリカルボキシフェニ
ル)ホスフィン酸、ビス(2,4,5−トリカルボキシ
フェニル)ホスフィン酸、及びビス(2,4,6−トリ
カルボキシフェニル)ホスフィン酸などから選ばれる。
【0044】チタン化合物成分(A)とリン化合物成分
(B)との触媒調製は、例えば、式(III)の少なく
とも一種のリン化合物(3)からなる成分(B)と溶媒
とを混合して、リン化合物成分(B)の一部又は全部を
溶媒中に溶解し、この混合液にチタン化合物成分(A)
を滴下し、反応系を0℃〜200℃の温度に30分間以
上、好ましくは60〜150℃の温度に40〜90分
間、加熱することによって行われる。この反応におい
て、反応圧力については格別の制限はなく、加圧下
(0.1〜0.5MPa)、常圧下、又は減圧下(0.
001〜0.1MPa)のいずれであってもよく、通常
常圧下が行われる。
【0045】また上記触媒調製反応に用いられる式(I
II)のリン化合物成分(B)用溶媒は、前記リン化合
物成分(B)の少なくとも一部を溶解し得る限り格別の
制限はないが、例えば、エタノール、エチレングリコー
ル、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコー
ル、ベンゼン、及びキシレン等から選ばれた少なくとも
一種からなる溶媒が好ましく用いられる。特に、最終的
に得ようとするポリエステルを構成しているグリコール
成分と同一の化合物を溶媒として用いることが好まし
い。
【0046】この触媒調製反応において、反応系中のチ
タン化合物成分(A)とリン化合物成分(B)との配合
割合は、得られる触媒に含まれる、チタン化合物成分
(A)と、リン化合物成分との反応生成物において、チ
タン化合物成分(A)のチタン原子換算モル量(mT
i)の、リン化合物成分(B)のリン原子換算モル量
(mP)に対する反応モル比mTi/mPが1:1〜
1:4の範囲になるように設定される。好ましい反応モ
ル比mTi/mPは1:1〜1:3である。
【0047】チタン化合物成分(A)と、リン化合物成
分(B)との反応生成物は、それを反応系から、遠心沈
降処理又は濾過などの手段により分離した後、又は分離
することなくそれをそのままポリエステル製造用触媒と
して用いてもよく、或は、この分離された反応生成物
を、再結晶剤、例えばアセトン、メチルアルコール及び
/又は水などにより再結晶し精製した後、この精製物を
触媒として用いてもよい。
【0048】本発明のポリエステル製造方法において、
二官能性芳香族カルボン酸のアルキレングリコールエス
テル、及びその低重合体(オリゴマー)から選ばれた少
なくとも一種からなる重合出発原料が、前記触媒の存在
下に重縮合される。このとき、触媒のチタン原子換算量
は、前記重合出発原料中に含まれる二官能性芳香族カル
ボン酸成分の合計量に対して、10〜40ミリモル%に
設定される。この触媒量は、10〜25ミリモル%であ
ることが好ましい。触媒量が、10ミリモル%未満であ
ると、重合出発原料の重縮合反応に対する触媒の促進効
果が不十分になり、ポリエステル製造効率が不十分にな
り、かつ所望の重合度を有するポリエステルを得ること
ができない。また、触媒量が40ミリモル%を越える
と、得られるポリエステルの色調(b値)が、不十分に
なり黄味を帯びるようになり、その実用性が低下する。
【0049】本発明のポリエステル製造方法に用いられ
る、重合出発原料として用いられる二官能性芳香族カル
ボン酸のアルキレングリコールエステルにおいて、前記
二官能性芳香族カルボン酸はテレフタル酸、イソフタル
酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン
酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェニルメタ
ンジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジ
フェノキシエタンジカルボン酸、及びβ−ヒドロキシエ
トキシ安息香酸から選ばれることが好ましく、特にテレ
フタル酸及びナフタレンジカルボン酸が好ましく用いら
れる。前記アルキレングリコールは、エチレングリコー
ル、トリメチレングリコート、テトラメチレングリコー
ル、ネオペンチルグリコール、及びヘキサメチレングリ
コールから選ばれることが好ましい。
【0050】上記の二官能性芳香族カルボン酸のアルキ
レングリコールエステル及び/又はその低重合体は、い
かなる方法によって製造されたものであってもよいが、
通常、二官能性芳香族カルボン酸又はそのエステル形成
性誘導体とアルキレングリコール又はそのエステル形成
性誘導体とを加熱反応させることによって製造される。
【0051】例えばポリエチレンテレフタレートの原料
であるテレフタル酸のエチレングリコールエステル及び
/又はその低重合体について説明すると、テレフタル酸
とエチレングリコールとを直接エステル化反応させる
か、テレフタル酸の低級アルキルエステルとエチレング
リコールとをエステル交換反応させるか、又はテレフタ
ル酸にエチレンオキサイドを付加反応させる方法が一般
に採用される。
【0052】また、ポリトリメチレンテレフタレートの
原料であるテレフタル酸のトリメチレングリコールエス
テル及び/又はその低重合体について説明すると、テレ
フタル酸とトリメチレングリコールとを直接エステル化
反応させるか、テレフタル酸の低級アルキルエステルと
トリメチレングリコールとをエステル交換反応させる
か、又はテレフタル酸にトリメチレンオキサイドを付加
反応させる方法が一般に採用される。
【0053】なお、上記の二官能性芳香族カルボン酸の
アルキレングリコールエステル及び/又はその低重合体
には、本発明方法の効果が実質的に損なわれない範囲内
において、具体的には酸成分合計モル量を基準として1
0モル%以下、好ましくは5モル%以下の範囲で、それ
と共重合可能な他の二官能性カルボン酸エステルが追加
成分として含まれていてもよい。
【0054】好ましく用いられる共重合可能な追加成分
は、酸成分として、例えば、アジピン酸、セバシン酸、
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂肪族及び
脂環式の二官能性ジカルボン酸、並びにヒドロキシカル
ボン酸、例えば、β−ヒドロキシエトキシ安息香酸、p
−オキシ安息香酸などの一種以上とグリコール成分とし
て、例えば、構成炭素数が2個以上のアルキレングリコ
ール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペン
チルグリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールS
のような脂肪族、脂環式、芳香族のジオール化合物及び
ポリオキシアルキレングリコール、の一種以上とのエス
テル又はその無水物から選ぶことができる。上記追加成
分は一種を単独で用いてもよく、或は二種以上を併用し
てもよい。ただし共重合は上記の範囲内であることが必
要である。
【0055】本発明のポリエステル製造方法において、
触媒を重合出発原料に添加する時期は、二官能性芳香族
カルボン酸アルキレングリコールエステル及び/又はそ
の低重合体の重縮合反応が開始される以前の任意の段階
であればよく、さらに、その添加方法は従来公知の任意
の方法をいずれも採用することができ、例えば、二官能
性芳香族カルボン酸エステルの調製後に、この反応系内
に触媒の溶液又はスラリーを添加して重縮合反応を開始
してもよいし、或は、当該二官能性芳香族カルボン酸エ
ステルの調製前に、触媒溶液又はスラリーを出発原料と
同時に、又はその仕込み後に反応系に添加してもよい。
【0056】本発明方法におけるポリエステル製造反応
条件には格別の制限はないが、重縮合反応は一般に23
0〜320℃の温度において、常圧下、又は減圧下
(0.1Pa〜0.1MPa)において、或はこれらの
条件を組み合わせて、15〜300分間重縮合すること
が好ましい。
【0057】本発明方法において、反応系に、必要に応
じてトリメチルホスフェートなどの安定剤をポリエステ
ル製造における任意の段階で加えてもよく、さらに酸化
防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、蛍光増白剤、艶消剤、
整色剤、消泡剤その他の添加剤などを配合してもよい。
【0058】さらに、得られるポリエステルのカラーを
微調整するために、反応系にポリエステルの製造段階に
おいて、アゾ系、トリフェニルメタン系、キノリン系、
アントラキノン系、フタロシアニン系等の有機青色顔料
及び無機青色顔料の一種以上からなる整色剤を添加する
ことができる。なお、本発明の製造方法においては、当
然のことながらポリエステルの溶融熱安定性を低下させ
るコバルト等を含む無機青色顔料を整色剤としては用い
る必要はなく、したがって得られるポリエステルには実
質的にコバルトを含まないことが好ましい。
【0059】本発明方法によって得られるポリエステル
は、通常、ハンター型色差計より得られるL値が80.
0以上、b値が−2.0〜5.0の範囲にあるものであ
る。ポリエステルのL値が80.0未満であると、白色
度が低くなるため実用に供し得る高白色度成形物を得る
ことができないことがある。また、b値が−2.0未満
であると、このポリエステルの黄味は少ないが、青味が
増し、一方、b値が5.0を越えると、得られるポリエ
ステルの黄味が強くなるため、実用上有用な成形物の製
造に供することができないことがある。本発明方法によ
り得られるポリエステルのL値は好ましくは82以上、
特に好ましくは83以上であり、b値の好ましい範囲は
−1.0〜4.5であり、特に好ましくは0.0〜4.
0である。
【0060】本発明のポリエステルは、実質的に、整色
用コバルト化合物に由来するコバルト原子を含まないも
のである。コバルト原子を含むポリエステルには、溶融
熱安定性が低く、分解が起こりやすくなるという欠点が
ある。なお、ここで“実質的に含まない”とは、整色剤
若しくは重縮合触媒としてコバルト化合物を使用せず、
したがって、得られるポリエステルが、上記コバルト化
合物に由来するコバルト原子を含まないことを意味す
る。したがって、本発明のポリエステルは、整色剤及び
触媒以外の目的をもって添加されたコバルト化合物に由
来するコバルト原子を含むことがあってもよい。
【0061】また、本発明のポリエステルにおいて、平
均粒子径3μm以上の異物粒子の含有量が500個/g
以下であることが好ましい。この含有量が500個/g
以下である場合には、溶融成形時におけるフィルター詰
まりや溶融紡糸時のパック圧上昇を格段に抑制すること
ができる。異物の含有量は、さらに好ましくは450個
/g以下、特に好ましくは、400個/g以下である。
【0062】本発明のポリエステルにおいて、290
℃、窒素雰囲気下における15分間の加熱溶融後の主鎖
切断数が4.0eq/トン以下であることが好ましい。
該主鎖切断数が4.0eq/トン以下であると、溶融成
形時の劣化が格段に抑制されるため、成形物の力学特性
や色調なども向上する。該主鎖切断数はさらに好ましく
は3.8eq/トン以下であり、特に3.5eq/トン
以下であることが好ましい。
【0063】本発明におけるポリエステルの固有粘度は
適宜選択すればよいが、0.55〜1.0の範囲にある
ことが好ましい。該固有粘度がこの範囲内にあると、溶
融成形が容易でかつ成形物の強度も高いものとなる。該
固有粘度のさらに好ましい範囲は、0.60〜0.90
であり、特に好ましくは0.62〜0.80である。
【0064】ポリエステルの固有粘度は、オルソクロロ
フェノールに溶解し、35℃の温度において測定され
る。
【0065】
【実施例】本発明をさらに下記実施例により具体的に説
明するが、本発明の範囲はこれら実施例により限定され
るものではない。ただし上述の通り、固有粘度、色相、
チタン含有量、異物数、溶融熱安定性及び紡糸口金に発
生する付着物の層については、下記記載の方法により測
定された。
【0066】(1)固有粘度:ポリエステルポリマーの
固有粘度は、オルソクロロフェノール溶液について、3
5℃において測定した粘度の値から求めた。
【0067】(2)色調(L値及びb値):ポリマー試
料を290℃、真空下で10分間溶融し、これをアルミ
ニウム板上で厚さ3.0±1.0mmのプレートに成形
後ただちに氷水中で急冷し、該プレートを160℃、1
時間乾燥結晶化処理後、色差計調整用の白色標準プレー
ト上に置き、プレート表面のハンターL値及びb値を、
ミノルタ社製ハンター型色差計CR−200を用いて測
定した。L値は明度を示し、その数値が大きいほど明度
が高いことを示し、b値はその値が大きいほど黄着色の
度合いが大きいことを示す。
【0068】(3)触媒のチタン含有量:触媒化合物中
のチタン濃度は、リガク社製蛍光X線測定装置3270
を用いて測定した。
【0069】(4)溶融熱安定性:ポリエステルペレッ
トを、(外径10mm、内径8mm)×長さ250mm
のガラス試験管に入れ、これを窒素雰囲気中で290℃
のバス中に15分間浸漬して溶融した。この試験前後の
ポリエステルの固有粘度差より、ポリエステルポリマー
1トンあたりのポリエステル主鎖の切断数(当量)を、
下記式から算出した。
【0070】
【数1】
【0071】(5)紡糸口金に発生する付着物の層:ポ
リエステルをチップとなし、これを290℃で溶融し、
孔径0.15mmφ、孔数12個の紡糸口金から吐出
し、600m/分で2日間紡糸し、口金の吐出口外縁に
発生する付着物の層の高さを測定した。この付着物層の
高さが大きいほど吐出されたポリエステルメルトのフィ
ラメント状流にベンディングが発生しやすく、このポリ
エステルの成形性は低くなる。すなわち、紡糸口金に発
生する付着物層の高さは、当該ポリエステルの成形性の
指標である。
【0072】(6)ポリマー中の異物含有量:ポリマー
100mgをヘキサフルオロイソプロパノール20ml
に溶解し、その溶液を目開き3μm、直径2.5cmの
ポリテトラフルオロエチレン製メンブレンフィルター
(ADVANTEC社製「T300A」)を用い、25
℃、2.6kPaにおいて減圧濾過し、フィルター上に
捕捉された異物粒子の数を光学顕微鏡(100倍)によ
りカウントし、ポリマー1gあたりの含有量を算出し
た。
【0073】[実施例1]触媒(A)の調製: エチレングリコール2.5重量部に
無水コハク酸0.4重量部を溶解し、この溶液にチタン
テトラブトキシド0.7重量部(後記ポリエステルの製
造に用いられる無水コハク酸のモル量を基準として0.
5mol%)を滴下し、この反応系を空気中、常圧下、
80℃に60分間保持してチタンテトラブトキシドと無
水コハク酸とを反応させ、反応生成物を熟成させた。そ
の後反応系を常温に冷却し、これにアセトン15重量部
を加え、析出物をNo.5ろ紙で濾過し、採取し、これ
を100℃の温度で2時間乾燥した。得られた反応生成
物(チタン化合物(2))のチタン含有量は11.2重
量%であった。
【0074】次に、エチレングリコール131重量部中
にフェニルホスホン酸3.6重量部を120℃に10分
間加熱して溶解した。このエチレングリコール溶液13
4.5重量部に、さらにエチレングリコール40重量部
を加えた後、これに上記チタン化合物(2)5.0重量
部を溶解させた。得られた反応系を120℃で60分間
撹拌し、チタン化合物(2)とフェニルホスホン酸とを
反応させ、反応生成物を含む触媒(A)の白色スラリー
を得た。この触媒(A)スラリーのチタン含量は0.3
重量%であった。ポリエステルの製造: テレフタル酸166重量部とエチ
レングリコール75重量部とを240℃においてエステ
ル化反応させ、次いで得られた反応生成物を精留塔付き
重縮合用フラスコへ入れ、重縮合触媒として上記触媒
(A)スラリー0.95重量部(テレフタル酸の量を基
準として、チタン原子量換算で20ミリモル%)及び整
色剤としてテラゾールブルー0.0002重量部を加
え、得られた反応系を温度285℃、常圧で30分間加
熱し、さらに上記温度において4.0kPa(30mm
Hg)の減圧下で15分間加熱して反応を進行させた
後、反応系内を徐々に減圧にし、上記温度において撹拌
しながら110分間加熱して反応を完了させた。このと
きの最終内温は285℃、最終内圧は49.3Pa
(0.37mmHg)であり、得られたポリエチレンテ
レフタレートの固有粘度は0.640であった。この結
果を表1に示す。
【0075】[実施例2〜5及び比較例1〜4]実施例
2〜5及び比較例1〜4の各々において、実施例1と同
様にして、触媒(A)を用いてポリエステルを製造し
た。ただし、触媒(A)において、リン/チタンのモル
比及びポリエステル製造における触媒添加量を表1記載
のように変更した。結果を表1に示す。
【0076】[実施例6]ポリエステルの製造: テレフタル酸ジメチル194重量
部、エチレングリコール124重量部及び酢酸カルシウ
ム0.12重量部を精留塔付き反応槽に投入し、220
℃においてエステル交換反応を行い、生成した理論量の
メタノールを留出除去した後、この反応混合物にリン酸
0.09重量部を加えて第1段階の反応を終了した。次
いで前記反応混合物を精留塔付き重縮合用フラスコへ入
れ、この反応混合物に、重縮合触媒として、実施例1と
同じ方法により得られた触媒(A)スラリー3.2重量
部(テレフタル酸ジメチルの量を基準として、チタン化
合物(2)の含有量はチタン原子量換算で20ミリモル
%)、及び整色剤としてテラゾールブルー0.0002
重量部を加えた。
【0077】この反応系を温度285℃、常圧で30分
加熱しさらに前記温度において4.0kPa(30mm
Hg)の減圧下で15分加熱して反応を進行させた後、
反応系内を徐々に減圧にし、前記温度において撹拌下1
10分間加熱して反応を完了させた。フラスコ内の最終
温度は285℃、最終内圧は49.3Pa(0.37m
mHg)であった。得られたポリエチレンテレフタレー
トの固有粘度は0.640であった。このポリマーのテ
スト結果を表1に示す。
【0078】[比較例5]実施例6のポリエステルの製
造法と同様にしてポリエステルを製造した。ただし、重
縮合触媒として、チタンテトラブトキシドのみを用い、
この触媒の添加量を、テレフタル酸ジメチルの量を基準
として、チタン原子量換算で20ミリモル%となるよう
に、触媒スラリーの濃度及び添加量を調整した。結果を
表1に示す。
【0079】[比較例6]触媒(B)の調製: 無水コハク酸0.40重量部をエタ
ノールに溶解し、この溶液にチタンテトラブトキシド
0.64重量部を滴下し、得られた反応系を空気中、常
圧の下、80℃の温度に60分間保持して、チタンテト
ラブトキシドとコハク酸無水物とを反応させ、熟成し
た。反応熟成後、反応系を常温に冷却し、これにアセト
ン15重量部を加え、生成した沈殿を濾取した。このよ
うにして得られた触媒(B)のチタン含量は11.4重
量%であった。ポリエステルの製造: 実施例6のポリエステルの製造法
と同様にしてポリエステルを製造した。ただし、重縮合
触媒として、上記触媒(B)を用い、この触媒(B)の
添加量が、テレフタル酸ジメチルの量を基準としてチタ
ン原子量換算で20ミリモル%となるようスラリーの触
媒濃度及び添加量を調整した。結果を表1に示す。
【0080】[比較例7]触媒(C)の調製:実施例1
記載の触媒(A)の調製法と同様にして触媒(C)を調
製した。ただし、フェニルホスホン酸3.6重量部の代
わりに亜リン酸フェニル3.6重量部を用いた。触媒
(C)の白色スラリーを得た。このスラリーのチタン含
量は0.3重量%であった。ポリエステルの製造: 実施例6のポリエステルの製造法
と同様にしてポリエステルを製造した。ただし、重縮合
触媒として、上記の操作により得られた触媒(C)スラ
リー3.2重量部(テレフタル酸ジメチルの量を基準と
して、チタン原子量換算で20ミリモル%)を用いた。
結果を表1に示す。
【0081】[比較例8]実施例6のポリエステルの製
造法と同様にして、ポリエステルを製造した。ただし、
重縮合触媒として、三酸化二アンチモンを用い、この触
媒の添加量を、テレフタル酸ジメチルの量を基準とし
て、アンチモン原子量換算で27ミリモル%となるよう
スラリーの濃度及び添加量を調整した。結果を表1に示
す。
【0082】
【表1】
【0083】[実施例7]触媒(D)の調製: エチレングリコール2.5重量部中
に無水コハク酸0.4重量部を溶解し、この溶液中にチ
タンテトラブトキシド0.7重量部(無水コハク酸のモ
ル量を基準として0.5mol%)を滴下し、この反応
系を空気中、常圧下、80℃に60分間保持して、チタ
ンテトラブトキシドと無水コハク酸とを反応熟成させ
た。その後この反応系を常温に冷却し、それにアセトン
15重量部を加え、生成した析出物をNo.5ろ紙で濾
取し、100℃で2時間乾燥した。得られたチタン化合
物(2)のチタン含有量は11.0重量%であった。
【0084】次に、エチレングリコール129重量部中
に3,5−ジカルボキシフェニルホスホン酸5.6重量
部を混合し、これを120℃で10分間加熱して溶解し
た。このエチレングリコール溶液134.5重量部に、
さらにエチレングリコール40重量部を加え、これに上
記チタン化合物(2)5.0重量部を溶解させ、この反
応系を撹拌しながら120℃で60分間加熱して、微黄
色透明の触媒(D)溶液を得た。この触媒(D)溶液の
チタン含量は0.3重量%であった。ポリエステルの製造: テレフタル酸166重量部とエチ
レングリコール75重量部とを240℃において、エス
テル化反応させ、次いで得られた生成物を精留塔付き重
縮合用フラスコへ入れ、重縮合触媒として上記触媒
(D)溶液0.95重量部(テレフタル酸の量を基準と
して、チタン原子量換算で20ミリモル%)、及び整色
剤としてテラゾールブルー0.0002重量部を加え、
得られた反応系を温度285℃、常圧、において30分
間、加熱し、さらに前記温度において、4.0kPa
(30mmHg)の減圧下で15分加熱して反応を進行
させた。次に上記反応温度において、反応系内を徐々に
減圧にし、撹拌下110分間加熱して反応させた。フラ
スコ中の最終温度は285℃であり最終内圧は49.3
Pa(0.37mmHg)であった。得られたポリエチ
レンテレフタレートの固有粘度は0.640であった。
結果を表2に示す。
【0085】[実施例8〜11、比較例9〜12]実施
例8〜11及び比較例9〜12の各々において、実施例
7のポリエステルの製造法と同様にしてポリエステルを
製造した。ただし、触媒(D)におけるリン/チタンの
モル比及び、触媒(D)の添加量を表2記載のように変
更した。結果を表2に示す。
【0086】[実施例12]ポリエステルの製造: テレフタル酸ジメチル194重量
部、エチレングリコール124重量部及び酢酸カルシウ
ム0.12重量部を精留塔付き反応槽に投入し、220
℃の温度においてエステル交換反応を行い、理論量のメ
タノールを留出させた。この反応混合物にリン酸0.0
9重量部を加えて、第1段階の反応を終了した。次に、
得られた混合物を精留塔付き重縮合用フラスコへ入れ、
これに重縮合触媒として、触媒(D)溶液3.2重量部
(テレフタル酸ジメチルのモル量を基準として、チタン
原子モル量換算で20×10−3%)、及び整色剤とし
てテラゾールブルー0.0002重量部を加え、得られ
た反応系を、温度285℃、常圧で30分間加熱し、前
記温度においてさらに4.0kPa(30mmHg)の
減圧下で15分間加熱して反応を進行させた後、さらに
反応系内を徐々に減圧にし、撹拌下、前記温度において
110分間反応させた。反応系の最終温度は285℃で
あり、最終内圧は49.3Pa(0.37mmHg)で
あった。得られたポリエチレンテレフタレートの固有粘
度は0.640であった。テスト結果を表2に示す。
【0087】
【表2】
【0088】[実施例13]触媒(E)の調製: エチレングリコール2.5重量部中
に無水コハク酸0.4重量部を溶解し、この溶液にチタ
ンテトラブトキシド0.7重量部(無水コハク酸のモル
量を基準として0.5mol%)を滴下し、この混合物
を空気中、常圧下、80℃の温度に60分間、保持し
て、無水コハク酸とチタンテトラブトキシドとを反応熟
成させた。この反応混合物を常温に冷却した後、それに
アセトン15重量部を加え、形成された析出物をNo.
5ろ紙で濾取し、それを100℃で2時間乾燥した。得
られたチタン化合物(2)のチタン含有量は11.6重
量%であった。
【0089】次に、エチレングリコール136重量部中
にジフェニルホスフィン酸5.2重量部を混合し、この
混合物を120℃で10分間加熱して溶解した。このエ
チレングリコール溶液141.2重量部に、さらにエチ
レングリコール40重量部を加え、この混合物に上記チ
タン化合物(2)5.0重量部を溶解させて反応系を調
製し、この反応系を、120℃で60分間撹拌して、チ
タン化合物(2)と、ジフェニルホスフィン酸とを反応
させて微黄色透明の触媒(E)溶液を得た。この触媒
(E)溶液のチタン含量は0.3重量%であった。ポリエステルの製造: テレフタル酸166重量部とエチ
レングリコール75重量部とを240℃においてエステ
ル化反応させ、次いで得られたエステル化生成物を精留
塔付き重縮合用フラスコへ入れ、これに重縮合触媒とし
て上記触媒(E)溶液0.95重量部(テレフタル酸の
量を基準として、チタン原子量換算で20ミリモル%)
及び整色剤としてテラゾールブルー0.0002重量部
を加えて反応系を調製し、この反応系を、温度285
℃、常圧で30分加熱し、さらに前記温度において、
4.0kPa(30mmHg)の減圧下で15分間加熱
して反応を進行させ、次に反応系内を徐々に減圧にし、
前記反応温度において撹拌下、110分間反応させた。
反応系の最終温度は285℃であり、最終内圧は49.
3Pa(0.37mmHg)であった。得られたポリエ
スチレンテレフタレートの固有粘度は0.640であっ
た。結果を表3に示す。
【0090】[実施例14〜17、比較例13〜16]
実施例14〜17及び比較例13〜16の各々におい
て、実施例13のポリエステルの製造法と同様にしてポ
リエステルを調製した。ただし、触媒におけるリン/チ
タンのモル比、及び触媒添加量を表3記載のように変更
した。結果を表3に示す。
【0091】[実施例18]ポリエステルの製造: テレフタル酸ジメチル194重量
部、エチレングリコール124重量部及び酢酸カルシウ
ム0.12重量部を精留塔付き反応槽に投入し、220
℃においてエステル交換反応を行い、生成する理論量の
メタノールを留出除去し、得られたエステル交換反応混
合物にリン酸0.09重量部を加え、第1段階の反応を
終了した。次いで前記混合物を精留塔付き重縮合用フラ
スコへ入れ、これに重縮合触媒として、触媒(E)溶液
3.2重量部(テレフタル酸ジメチルのモル量を基準と
して、チタン原子モル量換算で20×10−3%)、及
び整色剤としてテラゾールブルーを0.0002重量部
加えた。得られた反応系を温度285℃、常圧で30分
加熱し、さらに前記温度において、4.0kPa(30
mmHg)の減圧下で15分間加熱して反応を進行させ
た。次に反応系内を徐々に減圧にし、上記温度において
撹拌下110分間加熱して反応させた。反応系の最終温
度は285℃であり、最終内圧は49.3Pa(0.3
7mmHg)であった。得られたポリエチレンテレフタ
レートの固有粘度は0.640であった。テスト結果を
表3に示す。
【0092】
【表3】
【0093】[実施例19]触媒(F)の調製: トリメチレングリコール2.5重量
部中に無水コハク酸0.4重量部を溶解し、この溶液中
に、チタンテトラブトキシド0.7重量部(無水コハク
酸のモル量を基準として0.5mol%)を滴下し、こ
の反応混合物を、空気中、常圧下、80℃に60分間保
持して、無水コハク酸とチタンテトラブトキシドとを反
応熟成させた。その後この反応混合物を常温に冷却し、
それにアセトン15重量部を加え、生成した析出物をN
o.5ろ紙で濾取し、100℃で2時間乾燥した。得ら
れたチタン化合物(2)のチタン含有量は11.7重量
%であった。
【0094】次に、トリメチレングリコール131重量
部中にフェニルホスホン酸3.6重量部を混合し、この
混合物を120℃で10分間加熱して溶解した。このト
リメチレングリコール溶液134.5重量部に、さらに
トリメチレングリコール40重量部を加え、これに上記
チタン化合物(2)5.0重量部を溶解し、この反応系
を120℃で60分間、加熱しながら撹拌して、フェニ
ルホスホン酸とチタン化合物(2)とを反応させ、この
反応生成物、すなわち触媒(F)を含む白色スラリーを
得た。この触媒(F)スラリーのチタン含量は0.3重
量%であった。ポリエステルの製造: テレフタル酸166重量部とトリ
メチレングリコール92重量部とを240℃においてエ
ステル化反応させ、得られたエステル化反応生成物を精
留塔付き重縮合用フラスコへ入れ、これに、重縮合触媒
として上記触媒(F)スラリー0.95重量部(テレフ
タル酸のモル量を基準として、チタン原子のモル量換算
で20×10−3%)及び整色剤としてテラゾールブル
ー0.0002重量部を加えて反応系を調製した。この
反応系を、温度250℃、常圧で30分間加熱し、さら
に前記温度において、4.0kPaの減圧下で、15分
間加熱して反応を進行させた。次に、反応系内を、前記
温度において徐々に減圧にし、撹拌下で110分加熱し
て反応させた。反応系の最終温度は250℃であり、最
終内圧は49.3Paであった。得られたポリトリメチ
レンテレフタレートの固有粘度は0.680であった。
結果を表4に示す。
【0095】[実施例20〜23、比較例17〜20]
実施例20〜23及び比較例17〜20の各々におい
て、実施例19のポリエステルの製造と同様にしてポリ
エステルを製造した。ただし、触媒(F)におけるリン
/チタンのモル比、及び触媒添加量を表4記載のように
変更した。結果を表4に示す。
【0096】[実施例24]ポリエステルの製造: テレフタル酸ジメチル194重量
部、トリメチレングリコール152重量部及び酢酸カル
シウム0.12重量部を精留塔付き反応槽に投入し、2
20℃においてエステル交換反応を行い、生成する理論
量のメタノールを留出させた後、反応混合物にリン酸
0.09重量部を加えて第1段階の反応を終了した。次
に得られた反応混合物を精留塔付き重縮合用フラスコへ
入れ、これに重縮合触媒として、触媒(F)スラリー
3.2重量部(テレフタル酸ジメチルのモル量を基準と
して、チタン原子モル量換算で20×10−3%)及び
整色剤としてテラゾールブルー0.0002重量部を加
えて、反応系を調製した。この反応系を温度250℃、
常圧で30分間加熱し、さらに前記温度において4.0
kPaに減圧下、15分間加熱して反応を進行させた。
次に反応系内を徐々に減圧にし、前記温度において撹拌
下、110分間加熱して反応させた。反応系の最終内温
は250℃であり、最終内圧は49.3Paであった。
得られたポリトリメチレンテレフタレートの固有粘度は
0.678であった。ポリマーの色調及び溶融熱安定性
を表4に示す。
【0097】[比較例21]実施例19のポリエステル
の製造法と同様にしてポリエステルを製造した。ただ
し、重縮合触媒として、チタンテトラブトキシドのみを
用い、この触媒の添加量をテレフタル酸ジメチルの量を
基準としてチタン原子量換算で20ミリモル%となるよ
う触媒溶液の濃度及び添加量を調整した。結果を表4に
示す。
【0098】[実施例25]触媒(G)の調製: テトラメチレングリコール2.5重
量部中に無水コハク酸0.4重量部を溶解し、この溶液
中にチタンテトラブトキシド0.7重量部(無水コハク
酸のモル量を基準として0.5mol%)を滴下し、得
られた反応系を、空気中、常圧下、80℃に60分間保
持して、無水コハク酸とチタンテトラブトキシドとを反
応熟成させた。この反応系を常温に冷却し、これにアセ
トン15重量部を加え、生成した析出物をNo.5ろ紙
で濾取し、100℃で2時間乾燥した。得られたチタン
化合物(2)中のチタン含有量は11.6重量%であっ
た。
【0099】次に、テトラメチレングリコール131重
量部中にフェニルホスホン酸3.6重量部を混合し、こ
の混合物を120℃で10分間加熱して溶解した。この
テトラメチレングリコール溶液134.5重量部に、さ
らにテトラメチレングリコール40重量部を加えた後、
それに上記チタン化合物(2)5.0重量部を溶解し、
この溶液を120℃で60分間撹拌しながら加熱し、生
成した触媒(G)を含む、白色スラリーを得た。この触
媒(G)スラリーのチタン含量は0.3重量%であっ
た。ポリエステルの製造: テレフタル酸166重量部とテト
ラメチレングリコール109重量部とを240℃におい
てエステル化反応させ、次いで得られたエステル化反応
生成物を精留塔付き重縮合用フラスコへ入れ、これに重
縮合触媒として上記触媒(G)スラリー0.95重量部
(テレフタル酸の量を基準として、チタン原子量換算で
20ミリモル%)及び整色剤としてテラゾールブルー
0.0002重量部を加え、得られた反応系を温度25
0℃、常圧で30分間加熱しさらに前記温度において
4.0kPaの減圧下で15分加熱して反応を進行させ
た。次に反応系内を徐々に減圧にし、前記温度におい
て、撹拌下110分間加熱して反応させた。反応系の最
終温度は250℃であり、最終内圧は49.3Paであ
った。得られたポリブチレンテレフタレートの固有粘度
は0.700であった。結果を表4に示す。
【0100】[比較例22]ポリエステルの製造 実施例19のポリエステルの製造法
と同様にしてポリエステルを製造した。ただし、重縮合
触媒として、前記比較例6の触媒(B)を用い、この触
媒の添加量がテレフタル酸の量を基準としてチタン原子
量換算で20ミリモル%となるように、触媒溶液の濃度
及び添加量を調整した。結果を表4に示す。
【0101】[比較例23]触媒(H)の調製: 実施例19と同様にして、触媒を調
製した。ただし、フェニルホスホン酸3.6重量部の代
わりに亜リン酸フェニル3.6重量部を用い、白色の触
媒(H)含有スラリーを得た。この触媒(H)スラリー
のチタン含量は0.3重量%であった。ポリエステルの製造: 実施例19のポリエステルの製造
法と同様にしてポリエステルを製造した。ただし、重縮
合触媒として、上記触媒(H)スラリー3.2重量部
(テレフタル酸の量を基準として、チタン原子量換算で
20ミリモル3%)を用いた。結果を表4に示す。
【0102】[比較例24]実施例19のポリエステル
の製造法と同様にしてポリエステルを製造した。ただ
し、重縮合触媒として、三酸化アンチモンを用い、この
触媒の添加量をテレフタル酸の量を基準としてアンチモ
ン原子量換算で、25ミリモル%とした。結果を表4に
示す。
【0103】
【表4】
【0104】
【発明の効果】本発明の触媒及びそれを用いるポリエス
テル製造方法によれば、色調に優れ、異物の含有量が少
なく、かつ溶融熱安定性に優れたポリエステルを製造す
ることができ、さらに本発明方法により得られたポリエ
ステルは、紡糸口金を通して長時間連続的に紡糸しても
口金付着物の発生量が非常に少なく、成形性に優れてい
るという優れた性能を有するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J029 AA01 AB04 AC01 AC02 BA02 BA03 BA04 BA05 CB05A CB06A CB10A CB10B CB12A CC05A CF03 EB04A JA231 JA251 JF251

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)下記一般式(I)により表される
    チタン化合物(1) 【化1】 及び、前記一般式(I)のチタン化合物(1)と下記一
    般式(II)で表される多価カルボン酸: 【化2】 又はその無水物とを反応させて得られたチタン化合物
    (2)、 から選ばれた少なくとも一種からなるチタン化合物成分
    と、 (B)下記一般式(III)で表されるリン化合物
    (3): 【化3】 の少なくとも一種からなるリン化合物成分と、の反応生
    成物からなる、ポリエステル製造用触媒。
  2. 【請求項2】 前記チタン化合物成分と、前記リン化合
    物との反応生成物において、前記チタン化合物成分のチ
    タン原子換算モル量(mTi)の、前記リン化合物成分
    のリン原子換算モル量(mP)に対する反応モル比mT
    i/mPが、1:1〜1:4の範囲内にある、請求項1
    記載のポリエステル製造用触媒。
  3. 【請求項3】 前記式(I)のチタン化合物(1)が、
    チタンテトラアルコキシド類、オクタアルキルトリチタ
    ネート類、及びヘキサアルキルジチタネート類から選ば
    れる、請求項1記載のポリエステル製造用触媒。
  4. 【請求項4】 前記式(II)の多価カルボン酸又はそ
    の無水物が、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル
    酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン
    酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸、シクロヘキサ
    ンジカルボン酸又はそれらの無水物から選ばれる、請求
    項1記載のポリエステル製造用触媒。
  5. 【請求項5】 前記チタン化合物(2)が、前記式
    (I)のチタン化合物(1)と、式(II)の多価カル
    ボン酸又はその無水物との、反応モル比2:1〜2:5
    における反応生成物である、請求項1記載のポリエステ
    ル製造用触媒。
  6. 【請求項6】 前記式(III)のリン化合物(3)
    が、フェニルホスホン酸、メチルホスホン酸、エチルホ
    スホン酸、プロピルホスホン酸、イソプロピルホスホン
    酸、ブチルホスホン酸、トリルホスホン酸、キシリルホ
    スホン酸、ビフェニルホスホン酸、ナフチルホスホン
    酸、アントリルホスホン酸、2−カルボキシフェニルホ
    スホン酸、3−カルボキシフェニルホスホン酸、4−カ
    ルボキシフェニルホスホン酸、2,3−ジカルボキシフ
    ェニルホスホン酸、2,4−ジカルボキシフェニルホス
    ホン酸、2,5−ジカルボキシフェニルホスホン酸、
    2,6−ジカルボキシフェニルホスホン酸、3,4−ジ
    カルボキシフェニルホスホン酸、3,5−ジカルボキシ
    フェニルホスホン酸、2,3,4−トリカルボキシフェ
    ニルホスホン酸、2,3,5−トリカルボキシフェニル
    ホスホン酸、2,3,6−トリカルボキシフェニルホス
    ホン酸、2,4,5−トリカルボキシフェニルホスホン
    酸、2,4,6−トリカルボキシフェニルホスホン酸、
    フェニルホスフィン酸、メチルホスフィン酸、エチルホ
    スフィン酸、プロピルホスフィン酸、イソプロピルホス
    フィン酸、ブチルホスフィン酸、トリルホスフィン酸、
    キシリルホスフィン酸、ビフェニリルホスフィン酸、ジ
    フェニルホスフィン酸、ジメチルホスフィン酸、ジエチ
    ルホスフィン酸、ジプロピルホスフィン酸、ジイソプロ
    ピルホスフィン酸、ジブチルホスフィン酸、ジトリルホ
    スフィン酸、ジキシリルホスフィン酸、ジビフェニリル
    ホスフィン酸、ナフチルホスフィン酸、アントリルホス
    フィン酸、2−カルボキシフェニルホスフィン酸、3−
    カルボキシフェニルホスフィン酸、4−カルボキシフェ
    ニルホスフィン酸、2,3−ジカルボキシフェニルホス
    フィン酸、2,4−ジカルボキシフェニルホスフィン
    酸、2,5−ジカルボキシフェニルホスフィン酸、2,
    6−ジカルボキシフェニルホスフィン酸、3,4−ジカ
    ルボキシフェニルホスフィン酸、3,5−ジカルボキシ
    フェニルホスフィン酸、2,3,4−トリカルボキシフ
    ェニルホスフィン酸、2,3,5−トリカルボキシフェ
    ニルホスフィン酸、2,3,6−トリカルボキフェニル
    ホスフィン酸、2,4,5−トリカルボキシフェニルホ
    スフィン酸、2,4,6−トリカルボキシフェニルホス
    フィン酸、ビス(2−カルボキシフェニル)ホスフィン
    酸、ビス(3−カルボキシフェニル)ホスフィン酸、ビ
    ス(4−カルボキシフェニル)ホスフィン酸、ビス
    (2,3−ジカルボキルシフェニル)ホスフィン酸、ビ
    ス(2,4−ジカルボキシフェニル)ホスフィン酸、ビ
    ス(2,5−ジカルボキシフェニル)ホスフィン酸、ビ
    ス(2,6−ジカルボキシフェニル)ホスフィン酸、ビ
    ス(3,4−ジカルボキシフェニル)ホスフィン酸、ビ
    ス(3,5−ジカルボキシフェニル)ホスフィン酸、ビ
    ス(2,3,4−トリカルボキシフェニル)ホスフィン
    酸、ビス(2,3,5−トリカルボキシフェニル)ホス
    フィン酸、ビス(2,3,6−トリカルボキシフェニ
    ル)ホスフィン酸、ビス(2,4,5−トリカルボキシ
    フェニル)ホスフィン酸、及びビス(2,4,6−トリ
    カルボキシフェニル)ホスフィン酸から選ばれる、請求
    項1記載のポリエステル製造用触媒。
  7. 【請求項7】 前記チタン化合物成分と前記リン化合物
    成分との反応生成物が、0〜200℃の反応温度で生成
    したものである、請求項1記載のポリエステル製造用触
    媒。
  8. 【請求項8】 二官能性芳香族カルボン酸のアルキレン
    グリコールエステル及びその低重合体から選ばれた少な
    くとも一種からなる重合出発原料を、触媒の存在下に重
    縮合する工程を含み、前記触媒が、(A)下記一般式
    (I)により表されるチタン化合物(1): 【化4】 及び、前記式(I)のチタン化合物(1)と下記一般式
    (II)で表される多価カルボン酸: 【化5】 又はその無水物とを反応させて得られたチタン化合物
    (2)、 から選ばれた少なくとも一種からなるチタン化合物成分
    と、 (B)下記一般式(III)により表されるリン化合物
    (3): 【化6】 の少なくとも一種からなるリン化合物成分とを反応させ
    て得られた反応生成物からなるものであること、並び
    に、 前記触媒のチタン原子換算量が、前記重合出発原料中に
    含まれる前記二官能性芳香族カルボン酸成分の合計量に
    対して、10〜40ミリモル%であること、を特徴とす
    るポリエステルの製造方法。
  9. 【請求項9】 前記チタン化合物成分と前記リン化合物
    との反応において、前記チタン化合物のチタン原子換算
    モル量(mTi)の、前記リン化合物成分のリン原子換
    算モル量(mP)に対する反応モル比mTi/mPが、
    1:1〜1:4の範囲内にある、請求項8記載のポリエ
    ステルの製造方法。
  10. 【請求項10】 前記二官能性芳香族カルボン酸がテレ
    フタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジ
    フェニルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン
    酸、ジフェニルメタンジカルボン酸、ジフェニルエーテ
    ルジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、及
    びβ−ヒドロキシエトキシ安息香酸から選ばれる、請求
    項8に記載のポリエステルの製造方法。
  11. 【請求項11】 前記アルキレングリコールが、エチレ
    ングリコール、トリメチレングリコート、テトラメチレ
    ングリコール、ネオペンチルグリコール、及びヘキサメ
    チレングリコールから選ばれる、請求項8記載のポリエ
    ステル製造方法。
  12. 【請求項12】 前記重縮合反応が、230〜320℃
    の温度において行われる、請求項8記載のポリエステル
    製造方法。
  13. 【請求項13】 請求項8〜12のいずれか1項に記載
    の方法により製造されたポリエステル。
  14. 【請求項14】 前記ポリエステルが、整色効果を有す
    るコバルト化合物を含まず、かつ下記要件: (a)該ポリエステル290℃、真空下で10分間溶融
    し、これをアルミニウム板上で厚さ3.0±1.0mm
    のプレートに成形後ただちに氷水中で急冷し、該プレー
    トを160℃、1時間乾燥結晶化処理後、色差計調整用
    の白色標準プレート上に置き、プレート表面の色調を、
    ミノルタ社製ハンター型色差計CR−200を用いて測
    定した時前記プレートのL値が80.0以上、b値が−
    2.0〜5.0の範囲にあること。を満たす、請求項1
    3記載のポリエステル。
  15. 【請求項15】 前記ポリエステルが、下記要件: (b)平均粒子径3μm以上の固体異物の含有量が50
    0個/g以下であること。を満たす、請求項13記載の
    ポリエステル。
  16. 【請求項16】 前記ポリエステルが、下記要件: (c)窒素雰囲気下、290℃、15分間の加熱溶融に
    よるポリマー主鎖の切断数が4.0当量/トン以下であ
    ること、を満たす、請求項13記載のポリエステル。
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