JP2002289394A - 絶縁性シートの除電方法および装置 - Google Patents

絶縁性シートの除電方法および装置

Info

Publication number
JP2002289394A
JP2002289394A JP2001089509A JP2001089509A JP2002289394A JP 2002289394 A JP2002289394 A JP 2002289394A JP 2001089509 A JP2001089509 A JP 2001089509A JP 2001089509 A JP2001089509 A JP 2001089509A JP 2002289394 A JP2002289394 A JP 2002289394A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
charge
insulating sheet
charging
sheet
film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001089509A
Other languages
English (en)
Inventor
Satoko Morioka
聡子 森岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP2001089509A priority Critical patent/JP2002289394A/ja
Publication of JP2002289394A publication Critical patent/JP2002289394A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Elimination Of Static Electricity (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】フィルムなどの絶縁性シートの表裏面に存在す
る帯電パターンを表裏独立して除電することで、後工程
での静電気問題の発生を抑制できる除電方法、装置なら
びに絶縁性シートを提供する。 【解決手段】絶縁性シートの片面に対して、片面の帯電
極性が均一になるよう帯電処理を行い、次いで同一面か
ら帯電中和処理を行うことで、処理面の帯電パターンを
除電する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、絶縁性シートの除
電方法および装置ならびに絶縁性シートの製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】プラスチックフィルム等の絶縁性シート
上の静電荷はそのシートの被膜加工工程において、被膜
を破損させるという製品の品質に係わる問題を生じるこ
とがある。一般にスタチックマーク等とよばれる局所的
に強い帯電によって、例えば印刷や写真産業等におい
て、印刷や被膜剤塗布などの際にインクや被膜剤のムラ
ができたり、コンデンサ用および包装用等の蒸着フィル
ムの生産工程では、真空蒸着やスパッタリングなどの後
に淡くスタチックマークが現れてしまうなどである。
【0003】そこで、絶縁性シートの帯電に伴う問題を
解決するため、従来から、アースされた細いブラシ状の
導電物を除電対象である絶縁性シートに接近させ、ブラ
シ先端でコロナ放電を発生させて除電する自己放電式除
電器や、針状電極に商用周波数の高電圧や直流高電圧を
印加してコロナ放電を発生させて除電する、交流式や直
流式等の電圧印加式除電器が使用されていた。
【0004】コロナ放電を利用した従来の除電器の除電
原理は、電極におけるコロナ放電によって正、負のイオ
ンを発生させ、絶縁シート等の帯電体が持つ静電荷の極
性と逆極性のイオンを、帯電体の電荷に起因する電界で
引き寄せて、帯電体の静電気を中和するというものであ
る。
【0005】しかし、写真フィルムやコンデンサ用フィ
ルム等に使用されるポリエステルシート、ポリプロピレ
ンシート等の絶縁性シートは、表面固有抵抗および体積
固有抵抗が高いため、強度および極性が異なる比較的高
い電荷密度の帯電電荷が互いに接近するシート上の領域
(たとえば、細かいピッチで生じる正、負の繰り返し両
極性帯電パターンや、表裏にわかれた正、負の両極性帯
電パターン等)を有する場合がある。このような場合、
電気力線が上記の極性の異なる帯電部位の中で閉じてし
まうため、帯電体から少し離れた位置では電界が非常に
弱く、必要なイオンを引き寄せることができず、絶縁性
シート上の電荷を中和することができない。
【0006】このような細かい帯電パターンに対する除
電技術として、特許第2651476号明細書(従来技
術文献)に開示された方法が知られている。
【0007】図3はこの除電方法に用いられる装置の構
成を示す図である。上記従来技術文献には、走行するフ
ィルム16を挟んで、正負イオン生成電極36と、イオ
ン吸引電極26を対向配置し、正負イオン生成電極36
で正負イオンを生成しながら、イオン吸引電極26に正
負が逆極性になる高電圧を交互に印加し、正負イオン生
成電極36で生成した正負のイオンをイオン吸引電極2
6で吸引し、フィルム16に強制的に照射する、とあ
る。
【0008】上記従来技術文献によれば、フィルム16
に正負の電位が交互に誘起され、正負イオン生成電極3
6からの正負のイオンがフィルム16の面に強制的に吸
引されるので、細かい帯電パターンを正負のイオンが別
々に強力に除電できるとある。
【0009】ところが、この除電方法では、細かい帯電
パターン除電後のフィルムに正負の帯電のムラがフィル
ムの走行方向に見て帯状に発生することが、既に明細書
中に示されている。
【0010】上記従来技術文献には、この帯状の帯電ム
ラを少なくするために、図3に示すように複数の正負イ
オン生成電極36をフィルムの走行方向に並列させた
り、正負の帯電ムラが発生したフィルムに対し、直流除
電器46および交流除電器47により、さらに直流およ
び交流の除電を行うとある。
【0011】このように、充分な性能を得ようとした場
合、上記従来技術文献に開示の除電方法では、装置が大
型化し、現場への設置が困難であったり、必要とされる
部分に設置できないなどの問題があった。
【0012】上記従来技術文献によれば、装置を小型化
するために、図4に示すように、イオン吸引電極26
を、フィルム16を案内する案内ローラ27で構成でき
るとのことであるが、実際に工程中において設置されて
いるローラを使用しようとすると、ローラに電圧印加で
きるよう大幅な改造を行うか、新たにローラを追加する
かせねばならず、設備設置上の問題は十分解消されな
い。また、案内ローラ27にフィルム16が接触する場
合、案内ローラ27に電圧が印加されていることによ
り、案内ローラ27にフィルム16が近づく場合や、案
内ローラ27からフィルム16が剥離される際に剥離放
電がおこり、かえってフィルムを帯電させてしまうとい
う問題もあった。
【0013】また、上記従来技術文献に記載の除電方法
においても、絶縁性シートの表裏にわかれた正、負の両
極性帯電パターンを除電するには不十分であった。これ
はイオンを片面から吸引するためにおこる本質的な問題
である。一般に、フィルム等の絶縁性シートはその製造
および加工工程中に表裏両面において搬送ローラ等との
接触剥離を繰り返し、また塗剤の塗布や放電処理等を行
われることで表裏に異なる帯電パターンを持っている。
【0014】また、絶縁性シートを除電する場合、その
帯電面から除電するべきとは一般に言われていることで
ある。これは例えば、シートの一面が正に帯電している
場合を考えると、逆面からの除電では除電面を負に帯電
させ、シートに内部電界を発生させてしまうからであ
る。このような帯電状態でもシートの電位は低いため、
電撃の発生や塵の付着等の静電気問題の限られた一部を
回避することは可能である。しかし、後工程において写
真被膜材の塗布や蒸着などの加工を行うと、これらの被
膜が内部電界の影響をうけるため、被膜分布の不均質
や、蒸着膜のはがれ等の問題は、除電を行っているにも
かかわらず、その除電面が不適切であるために発生して
しまうことがある。
【0015】上記従来技術文献に記載の除電方法におい
ても、この点は考慮されていない。むしろ除電が強すぎ
るために、除電面に対する除電と共に、逆面に対する除
電も同時に行ってしまうことになり、シートに内部電界
を発生させてしまう。
【0016】さらには、片面に帯電パターンを持つ絶縁
性シートに対し、装置設置上の制約から、帯電面と逆面
から除電せざるを得ない場合、上記の問題を助長する場
合があることが明らかである。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第1の目的
は、上記従来技術の問題点に鑑み、簡単な構成で絶縁性
シートの製造および加工工程への設置が容易な、表裏に
どのような帯電をしている絶縁性シートに対しても、内
部電界を残すことなく確実に除電可能な除電方法および
装置を提供することにある。
【0018】また、本発明の第2の目的は、以下の効果
を有する除電方法及び装置を提供することにある。 (1)表裏面に存在する帯電パターンを独立して除電で
きる (2)表面電荷を表から、裏面電荷を裏から独立して除
電することで、除電後のシート内部に内部電界を生じな
い また、本発明の第3の目的は、これらの除電方法を使用
することで、後工程における静電気問題の発生を抑制で
きる絶縁性シートの製造方法を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の手段として、本発明は以下を提供する。 (1)絶縁性シートに対し、その絶縁性シートの第1の
面における処理部分の帯電極性が正または負の単一極性
となるように前記第1の面の側から帯電処理を行い、次
いで、導電性部材を前記絶縁性シートの第2の面に接触
または近接させた状態で前記第1の面の側から帯電中和
処理を行うことを特徴とする絶縁性シートの除電方法。 (2)前記導電性部材を、前記絶縁性シートの前記第2
の面に接触させ、または前記第2の面に絶縁性シート厚
みの1/10以内の位置に近接させた状態で、前記絶縁
性シートに対し前記第1の面の側から前記帯電処理およ
び前記帯電中和処理を行う、(1)に記載の絶縁性シー
トの除電方法。 (3)前記帯電処理後における前記第1の面の電荷密度
が−100〜−10,000μC/m2または+100
〜+10,000μC/m2の範囲内になるように前記
帯電処理を行うとともに、前記帯電中和処理後における
前記第1の面の電荷密度が−30〜+30μC/m2
範囲内になるように前記帯電中和処理を行う、(1)ま
たは(2)に記載の絶縁性シートの除電方法。 (4)前記帯電処理および前記帯電中和処理をシートの
両面に対してそれぞれ行う、(1)〜(3)のいずれか
に記載の絶縁性シートの除電方法。 (5)前記帯電中和処理後における各面の電荷密度が−
30〜+30μC/m2の範囲内になるよう前記帯電処
理および前記帯電中和処理を行う、(4)に記載の絶縁
性シートの除電方法。 (6)走行する絶縁性シートに接触または近接する導電
性部材と、この導電性部材に前記絶縁性シートを介して
対向して設けた帯電付与装置および帯電中和装置を備
え、前記帯電中和装置を絶縁性シートの走行方向に関し
て前記帯電付与装置よりも下流側に備えたことを特徴と
する絶縁性シートの除電装置。 (7)前記帯電付与装置および前記帯電中和装置が、走
行する絶縁性シートの表裏両面に対してそれぞれ設けら
れている、(6)に記載の絶縁性シートの除電装置。 (8)前記帯電中和装置は、ガスブロー式除電器、軟X
線式除電器およびロール式除電器から選ばれる少なくと
も1種の除電器である、(6)または(7)に記載の絶
縁性シートの除電装置。 (9)(1)〜(5)のいずれかに記載の除電方法によ
り絶縁性シートを除電することを特徴とする絶縁性シー
トの製造方法。
【0020】本発明において絶縁性シートとは、プラス
チックフィルムや布帛などのウエブの他、ガラス基板等
の枚葉物等がその代表としてあげられる。特に、ポリエ
ステルフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレ
ンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリイミドフ
ィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム、ナイロ
ンフィルム、アラミドフィルム、ポリエチレンフィルム
などのプラスチックフィルムは絶縁性が高く、本発明の
対象物として好適である。
【0021】また、これらの絶縁性シートの片面に、蒸
着や塗布等の方法により金属等の導電性被膜が施されて
なるものについても、その絶縁性を有する部分に本発明
を実施することが可能である。
【0022】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の態様を図面
に基づいて説明する。なお、本発明はこれに限定される
ものではない。
【0023】図1は、本発明による絶縁性シートの除電
方法の一実施態様に用いる構成を模式的に示したもので
ある。図1において、絶縁性シート1は、図示しないシ
ート供給機構により、導電性搬送ローラ21にシートの
片面(第2の面)11を接触された状態で、図の左方向
から右方向に移動する。帯電付与装置3は絶縁性シート
1を介して、導電性搬送ローラ21に対向して配置さ
れ、絶縁性シート1の面(第1の面)12を、その帯電
処理部分において正または負の単一極性に帯電処理す
る。図1において、帯電付与装置3は帯電付与電極31
および直流高圧電源32により構成されている。帯電付
与装置3により面12が正または負の単一極性に帯電処
理された絶縁性シート1は次いで、帯電中和装置4によ
り帯電中和処理される。5は表面電位計である。
【0024】この一連の作用が行われる間の電荷の動き
について図2a〜cにより説明する。
【0025】図2aに示すように、初期状態で絶縁シー
ト1は、表裏面のそれぞれが正負の不均一な帯電パター
ンを有していることが一般的である。この絶縁シート1
では、面内での、また表裏面間での近接した領域におけ
る正負の帯電パターンの間で電界が閉じてしまうため、
一般の電圧印加式などの除電器では除電が困難である。
【0026】図2aのように、絶縁シート1の片方の面
11を導電性部材2にごく近接して配置すると、面11
の電荷により、導電性部材2の表面に逆極性電荷が誘導
され、これらの電荷の間に電界が発生する。(厳密に
は、面12の電荷に対しても、導電性部材2の表面に逆
極性電荷が誘起されるが、面12は、導電性部材2の表
面に対し、面11と比較して充分遠いことから、その影
響はごく小さくなり、ここでは省略することとする。)
面11の電荷による電界が導電性部材2の表面に誘導さ
れた電荷に向かうことにより、面12の電荷から面11
の電荷に向かう絶縁シートの内部電界は緩和され、面1
2の電荷による電界は絶縁シートの外部に向かう。
【0027】この状態で図2bのように、面12の側か
ら帯電処理を行えば、面11の電荷に関係なく、面12
を正または負の単一極性に帯電処理することができる。
なお、図2bは、正の単一極性に帯電処理した例を示し
ている。
【0028】次いで図2cのように、帯電処理を行った
のと同じ面12の側から帯電中和処理を行う。この時、
帯電処理によって付与された面12上の正または負の単
一極性の電荷による電界は絶縁シートの外部に向かって
いるので、帯電中和装置4により生成された電荷のう
ち、面12上の電荷(図2の例では正極性電荷)と逆極
性電荷(図2の例では負極静電荷)が絶縁性シートの面
12にひきよせられ、面12上の帯電が中和される。こ
のように、絶縁性シートの片方の面11を導電性部材2
にごく近接して帯電処理および帯電中和処理を行うこと
で、面11の電荷に影響されることなく、面12の帯電
を除電することができる。
【0029】こうして除電された絶縁シートは表裏面間
に帯電による内部電界が発生しないため、写真被膜剤の
塗布加工や、蒸着加工時の静電気問題を低減できる。
【0030】また、こうして除電された絶縁シートに対
し、さらに面11側からも同様に除電を行えば、両面共
に除電されたシートを得ることができる。
【0031】ここでいう、処理部分とは帯電付与装置に
より処理が行われる範囲であり、おおむね帯電付与装置
直下(帯電付与装置が対向するシートの部分)を指す。
この帯電は、シートが絶縁性であるため、特に放電等が
おこらない限り、中和処理がなされるまで、ほとんど変
化することがない。
【0032】また、正または負の単一極性の帯電は、図
2cの際に行う帯電中和処理を容易にするための帯電状
態であり、絶縁性シートの端部近傍の局所的な処理や局
所的な搬送部材との接触等により、一部がその製品化に
問題のない範囲で周囲の帯電と逆極性になっている場合
も含む。
【0033】また目安としては例えば、周囲と帯電が逆
極性となる部分の最大の帯電電荷密度の絶対値が、周囲
の帯電処理面電荷密度の平均σaveに対し1/10以
下、かつ10μC/m2以下程度であれば電荷密度とし
ては低いといえ、実質的に単一極性に帯電していると見
なし得る。
【0034】ここで、導電性部材2である導電性搬送ロ
ーラ21としては金属ローラそのものの他、表面を導電
性ゴム等で被覆した金属ローラなどでもよい。導電性ゴ
ム等で被覆する場合、表面抵抗104〜108Ω/□程
度、厚み0.5〜3mm程度とするのが好適である。こ
れは、面11の電荷に対して静電誘導による電荷補償を
効果的に行うためと、絶縁性シート1が過大な空隙なく
導電性搬送ローラ21に接触するようにするためであ
る。また、導電性部材2は搬送ローラに限ったものでな
く、金属バー等の部材であっても良いが、部材にシート
が過大な空隙なく接触または近接するように搬送ローラ
を用いることが好ましい。また、導電性部材自身の帯電
を低減し、剥離放電を抑制するため、導電性部材はアー
スされていることが好ましい。
【0035】特にシート−部材間の間隙は、面11の電
荷による電界を導電性部材表面に向けるためにシート厚
みの1/10以下にすることが好ましい。より好ましく
は、シートが部材に接触した状態にする。
【0036】ここで特に、帯電中和処理の際に、シート
を導電性部材に接触または十分近接させることが重要で
ある。近接の場合、シート−部材間の間隙をシート厚み
の1/10以下にすることが好ましい。これは中和終了
時の絶縁性シートの面12の帯電レベルが低いため、よ
り面11の電荷の影響をうけやすいためである。
【0037】また、帯電処理の際は、帯電中和処理終了
時の絶縁性シートの面12の帯電レベルが高いため、帯
電中和処理の場合よりは面11の電荷の影響をうけにく
いが、ある程度の影響をうけるため、やはりシート−部
材間の間隙をシート厚みの1/10以下にすることが好
ましい。特に、帯電処理後に一旦絶縁性シートが導電性
部材から遠ざかると、シートと導電性部材の間の静電容
量が小さくなることで、シート電位が上昇し、剥離放電
が発生するおそれがあることや、装置の簡素化をはかる
ためにも、帯電処理と帯電中和処理の両方の処理を、一
つの導電性部材にシートを接触または近接させたままの
状態で、連続的に行うのが好ましい。
【0038】帯電付与装置3は絶縁性シートの処理面1
2に対し、十分な帯電を施せるものであればよく、一般
的に除電器に用いられるイオン発生装置を使用するのが
好適である。除電器等に用いられるイオン発生装置には
直流式のものと、交流式のものがある。
【0039】このうち、イオン発生効率の高い直流式の
ものが、帯電処理時間短縮の面で効率的である。但し、
交流式イオン発生装置においても、正電圧印加時と負電
圧印加時の放電形態の違いから、一般に負イオンの方が
生成されやすいことが知られており、十分時間をかけれ
ば単に交流式除電器を使用するだけでも負に帯電処理す
ることができる。また、直流に交流電圧を重畳した電圧
を印加するのも放電が安定化し、効率的に帯電処理を行
えるという観点から好ましい。
【0040】複写機等に使用されるコロトロン、スコロ
トロン式などの帯電器を用いれば、公知の複写機などで
使用される技術(グリッド電圧の制御等)により均一
に、制御性よく帯電処理を行える。
【0041】放電電極としては、針、テープ、ワイヤ、
ブレードなど一般的な電極を使用すればよい。材質とし
ては、通常除電器等に使用されるSUS等のステンレ
ス、タングステン等が好適であるが、対象物の必要とす
る清浄度に応じて、電極劣化によるコンタミネーション
発生の少ないSiO2、石英、白金、金などを使用した
り、これらの材質で表面をコーティングした電極を使用
すればよい。
【0042】帯電処理を効率的に行うには、帯電付与電
極31と導電性部材2の間の電界によって、イオンを絶
縁性シート1に押しつけるのが好ましい。帯電付与電極
31と導電性部材2の間に充分な電界を発生させるた
め、帯電付与電極31と導電性部材2との距離は3〜3
0mm程度とするのが好ましい。
【0043】帯電中和装置4は、帯電処理によって強く
帯電したシートに対し、十分な量のイオンを供給し、中
和処理を行うことを目的とする。具体的には通常一般に
除電に使用されるコロナ放電式除電器、軟X線式除電器
等の他、特開平9−22792号公報に示されるよう
に、除電対象物体に導電性ゴム層を有する電圧印加金属
ローラを押しあてて、ローラと除電対象物体間にできる
微小ギャップ間でおこる放電により除電するローラ式除
電器を使用することもできる。
【0044】コロナ放電式除電器を使用する場合、イオ
ンをブロアからの風にのせて遠くの除電部にまで搬送で
きるブロア式除電器の使用が好ましい。これは、除電器
のイオン生成電極部を絶縁性シートから遠ざけて配置す
ることができ、これによりイオン生成電極から導電性部
材に向けて新たに電界が形成されるのを抑制できるため
である。
【0045】ブロアのない除電器を使用する場合、イオ
ン供給量を充分確保する点から、除電器を絶縁性シート
に近接させる必要が生じやすいが、この場合、除電器の
イオン生成電極から導電性部材に向けて新たに電界が形
成され、これによってイオンが強制的にシートに到達す
ることにより、シートを帯電させることがあり、注意が
必要である。
【0046】また、中和速度の点から直流式除電器をシ
ートに近接させて使用することも可能であるが、このよ
うにブロアのない交流式や直流式の除電器をシートおよ
び導電性部材に近接させて使用する場合、シート電位を
監視し、適切な量のイオン供給にとどめる必要がある。
除電器によるイオン供給が過剰となると、これによって
もまたフィルムが強く帯電してしまうためである。
【0047】また、軟X線式除電器としては、例えば浜
松ホトニクス株式会社製フォトイオナイザや高砂熱学工
業株式会社製IRISYS−SXなどの市販の製品を使
用することができる。軟X線式除電器は、軟X線によ
り、除電対象物近傍の空気を電離させてイオンを生成
し、対象物の除電に供するものである。従って、軟X線
式除電器では除電対象物である絶縁性シートの近傍に新
たに電界を発生させずにイオンを供給することが可能で
あり、導電性部材上の絶縁性シートに対し、過剰なイオ
ンを供給することなく除電を行えるので、本発明に用い
るのに好適である。
【0048】これらの帯電処理および帯電中和処理後の
絶縁性シートの被処理面の帯電状態は、各処理後の絶縁
性シートの電位を、図1に示すように電位計5により導
電性部材上にて測定することにより、容易に観測可能で
ある。シート電位をV、導電性部材−シート間の静電容
量をCg、シートの静電容量をCfとすると、被処理面の
電荷密度σは σ=V/(1/Cf+1/Cg)=ε0εrV/(d・εr
+δ) ただし、ε0:真空中の誘電率 εr:絶縁性シートの比
誘電率 d:導電性部材−シート間ギャップ δ:絶縁性シート
厚み 電位測定には一般に使用される回転セクタ型、振動容量
型等の電位計を使用することができる。特に、振動容量
型で、距離依存をキャンセルするよう設計されているフ
ィードバック式の電位計を使用するのが精度的に好適で
ある。
【0049】絶縁性シートの帯電が単極性であるか否か
は、導電性部材上を移動するシート電位を幅方向および
移動方向にスキャンしながら、単純に測定値が逆極性に
ならないか確認することにより容易に判断できる。複数
台の電位計により多点測定を行うことも可能である。
【0050】一般に、電位計は測定距離が長くなるにつ
れて測定範囲が広くなり、その範囲の電位の平均的な値
を示すようになる。そのため電位計を近づける方が細か
く電位の分布を知ることができる。実際には、シート走
行時の操作性との関係で測定距離を決めてやればよい。
例えば、シートから1〜20mm程度で測定するのが好
ましい。
【0051】なお、一般の絶縁性シートが持つ帯電電荷
密度の絶対値は発明者の知見によればおよそ次の通りで
ある。これは上記の電位測定の方法で求めたものであ
る。通常の摩擦帯電等によるシートの帯電レベル:〜1
0μC/m2程度、放電処理や、剥離放電部分の局所的
帯電レベル:30〜100μC/m2程度、シートロー
ルに対しておこる放電による放電痕:100〜500μ
C/m2程度帯電処理においては、これら絶縁性シート
が持つ帯電電荷密度以上の電荷密度になるように帯電処
理を行うことが好ましい。従って、対象とする絶縁性シ
ートの帯電状態により必要最低限の帯電処理レベルが異
なることになる。通常、後工程で被膜剤のムラや蒸着ム
ラ等を発生させるスタチックマークは放電痕等の局所的
帯電であることが多い。通常の放電痕のレベルであれば
絶対値で約100μC/m2以上、シートロールに対し
て放電がおこるような強い帯電シートに対しては300
μC/m2以上になるよう帯電処理を施すのが好まし
い。帯電処理の上限は理論的には、帯電処理時のシート
面近傍の電界強度が空気中の絶縁破壊電界強度(約30
kV/cm)に達するか、シートの厚み方向にかかる電
界強度がシートの絶縁破壊電界強度を超えるかのいずれ
かとなる。但し、実用的には上記レベルの放電痕に対し
て除電を行うため、過大な帯電は必要ないこと、また帯
電が過大となった場合、次ステップにおける帯電中和処
理の際に必要とされるイオン量が多くなりすぎることか
ら絶対値で10000μC/m2以下、より好ましくは
1000μC/m2以下が適正である。
【0052】なお、帯電処理後に帯電中和処理を容易に
行うために、帯電処理後の帯電レベルは面内で均一であ
ることが好ましく、帯電レベルの分布範囲の大きさが、
平均電荷密度の50〜200%程度の範囲となることが
好ましい。
【0053】帯電中和処理後の帯電状態についても同様
に電位を測定することで、シートの電荷密度を求めるこ
とができる。帯電中和処理後の帯電については導電性部
材からの剥離時や、その後の搬送時に再放電がおこるの
をさけるため、帯電電荷密度を−30〜+30μC/m
2の範囲にするのが好ましい。
【0054】また従来技術の欄で述べたように、絶縁性
シートはその両面に異なる帯電パターンを有することが
一般的であるため、本発明による除電を絶縁性シートの
両面にそれぞれ行うことが好ましい。
【0055】さらに、両面に除電を行った場合、帯電中
和処理後の帯電電荷密度が表裏それぞれの面について−
30〜+30μC/m2の範囲であっても、各面の電荷
の総和が絶対値で30μC/m2以上になると、やはり
剥離放電や搬送時の再放電がおこりやすくなる。そのた
め、各面の電荷の和により求めたシートの電荷密度が−
30〜+30μC/m2の範囲になるように処理を行な
うのが好ましい。
【0056】なお、両面に対して除電を行う場合、導電
性部材を図5に示すように連続的に配置し、連続して両
面の除電を行うことも好ましい実施の様態である。
【0057】一方、片面のみについて除電を行う場合、
以下の面から処理することが好ましい。 (1)帯電の強い面:搬送部材等と強く摩擦された面。
樹脂フィルム等にコーティングを施した場合、帯電防止
のためのコーティング以外では、コーティング前のフィ
ルムよりも搬送部材との摩擦時に帯電しやすくなること
がしばしば見られる。このような場合、コーティング面
からの除電が好ましい。また、一旦ロール上に巻き取ら
れたシートを巻ほぐしながら除電する場合、ロールの外
面が強く帯電していることが多いため、こちらの面を除
電するのが好ましい。 (2)後工程で金属蒸着など片面に導電層を設ける場
合:導電層を設けるのと逆面(非蒸着面)。非蒸着面に
帯電パターンが残っていると、導電層との間に内部電界
が発生するため、非蒸着面を除電しておくことが好まし
い。
【0058】これらの除電方法または除電装置を用いて
絶縁性シートを製造する方法は、印刷材料や写真材料、
コンデンサ用、包装蒸着用等の各種のベースフィルムと
して、静電気起因の問題を引き起こしにくいシートを製
造できることから好ましい実施の態様であるといえる。
【0059】
【実施例】次に、本発明の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。絶縁性シートには、ポリエチレンテレフタ
レートフィルムおよびポリプロピレンフィルムを用い
た。除電の効果については、除電後のフィルムの電位を
導電性ローラに接触させた状態で電位を測定し、その電
位にムラがないかを調べた。また、除電後のフィルムの
被除電部位に複写機に使用されるトナーを振りかけてそ
の付着の様子により帯電状態を調べた。これはダストフ
ィギュア法と呼ばれる電荷分布の簡単な識別方法である
(静電気ハンドブック、1981年発行、静電気学会
編、p.373)。トナーの付着の多少、また特異的に
トナーが多く付着する領域があるかを調べた。このトナ
ーによる方法は、除電処理後のフィルムに対して、導電
性の板上で行うと共に、蒸着加工したフィルムの非蒸着
面に対しても行い、内部電界による影響が後工程におよ
んでいないかについても調べた。 実施例1〜3 図1に示す装置を用いて、巾3m、厚さ11μmの二軸
延伸されたポリエチレンテレフタレートフィルムを、フ
ィルム速度210m/minで走行させた。導電性搬送
ローラ21として表面にクロムメッキを施した直径20
0mmの金属ローラを、帯電付与装置3として図6に示
す帯電付与電極31とこの電極に接続される直流高圧電
源32を使用し、帯電中和装置4として図7に示す帯電
中和電極41とこの電極に接続される交流高圧電源42
を使用した。
【0060】図6において、電極針61には図1の直流
高圧電源32に接続された高圧芯線62を通して直流高
電圧が印加される。
【0061】接地電極64は図示しないアース線により
接地されるものである。63は高圧線保護のための絶縁
材、65は接地電極4を固定するためのホルダである。
【0062】電極針61と接地電極64とのつくる電界
が放電開始電界強度(約30kV/cm)を越えると、
電極針61の先端近傍の空気が放電によりイオン化され
る。このようにして発生したイオンは、電極針61と、
導電性搬送ローラ21間の電界に従ってフィルム16表
面に達し、フィルム16を帯電させる。
【0063】また図7において、電極針71は導電性リ
ング74に接続されている。高圧芯線72は図1の交流
高圧電源42に接続されており、電極針71には誘電体
73の静電容量分を介して交流高電圧が印加される。
【0064】接地ノズル電極77は図示しないアース線
により接地されるものである。75は高圧芯線72およ
び導電性リング74を保護するための絶縁材、76は接
地ノズル電極77を固定するためのホルダである。
【0065】電極針71と接地ノズル電極77のつくる
電界により、帯電付与電極と同様に、近傍の空気がイオ
ン化される。接地ノズル電極77が電極針71の前方に
大きく張り出しているため、電極針71と導電性搬送ロ
ーラ21のつくる電界は接地ノズル電極77によって弱
められる。
【0066】かわりに、ガス導入管78によって電極針
71の周囲に搬送ガスを導入することにより、イオンは
吹き飛ばされて、接地ノズル電極77の開口部より噴出
する。噴出したイオンは、電極針71による電界の影響
はほとんどうけずに、導電性搬送ローラ21上のフィル
ム16近傍に達し、フィルム面12の帯電により逆極性
の電荷をもつイオンのみが引き寄せられ、面12の帯電
を中和する。
【0067】フィルム16をこの導電性搬送ローラ21
に接触させ、フィルム16と帯電付与電極31との距離
を5mm、フィルム16と帯電中和電極41との距離を
50mmとした。
【0068】帯電処理後および、帯電中和処理後のフィ
ルム16の電位について、振動容量型でフィードバック
式の電位計5(モンロー社製モデル244型)により、
フィルム16が導電性搬送ローラ21に接触した状態で
測定した。
【0069】表1に帯電付与電極31および帯電中和電
極41への印加電圧と、各電位計の測定値、および電位
測定値から求めた処理面の電荷密度の値を示す。表1よ
り単極性帯電処理により、処理面を正または負の単極性
に帯電させた後、帯電中和処理を行うことで処理面の電
荷を正負の混在なく除電できていることが判る。 比較例1〜3 図8のように、フィルム16を導電性部材2に直接接触
させるかわりに、フィルム16と導電性部材2との距離
が約30mmになるようにして、帯電処理と帯電中和処
理を行った。フィルム巾、厚さ、種類、フィルム速度は
実施例1〜3と同じとした。導電性部材2との距離が遠
くなった分、帯電付与電極31における放電が不安定に
なりやすいため、帯電付与電極31への印加電圧を実施
例1〜3の場合よりやや高めに設定した。帯電中和処理
後のフィルム16が導電性搬送ローラ21に接触した状
態下でフィルム電位を実施例と同じ電位計5により測定
した(帯電処理後のフィルム電位については、フィルム
を導電性搬送ローラに接触させようとすると放電がおこ
って帯電状態が変化するため、比較のためのデータを得
られなかった)。
【0070】結果を表1にあわせて示す。
【0071】
【表1】
【0072】実施例4 図1に示す装置を図5のように組み合わせてフィルム1
6の両面に配置し、フィルム16の両面をそれぞれ除電
した。フィルムは巾3m、厚さ20μmの二軸延伸され
たポリプロピレンフィルムを使用し、フィルム速度25
0m/minで走行させた。フィルム16は後工程での
加工用にヌレ性をあげるための放電処理を施されてい
る。導電性搬送ローラ21として、表面に厚さ2mm、
電気抵抗率2×106Ωcmの導電性ネオプレンゴム層
を被覆した金属ローラを使用した以外は、図1と同じよ
うに帯電処理装置3及び帯電中和装置4を配置した。帯
電中和処理後の電位はいずれも±10V以下となり、こ
れより算出される電荷密度はいずれも±9.7μC/m
2以下となった。
【0073】また、何れの面からトナーを振りかけた場
合においてもトナーの付着量はごくわずかであった。 実施例5〜8および比較例4〜6 上記実施例1〜4および比較例1〜3のフィルムにアル
ミニウムを蒸着した(それぞれ、実施例5〜8および比
較例4〜6とする)。実施例5〜8のフィルムはアルミ
ニウムが均質にコーティングされ、良好な品質であっ
た。蒸着品の非蒸着面に対して、トナーを振りかけたが
トナーの付着はほとんどなかった。
【0074】一方、比較例4、5のフィルムにおいては
アルミ膜のコーティング自体は問題なく行えたが、フィ
ルム同士が局所的に強く密着して滑り性が悪く、剥離時
に蒸着膜の一部が剥がれるという問題が発生した。比較
例6のフィルムにおいてはこの影響が著しく、全体に滑
り性が悪くなった上に、フィルム同士が強く密着して巻
出し時の張力が大きくなり、剥離時にこすれてキズが発
生した。非蒸着面にトナーをふりかけたところ、比較例
4、5のフィルムでは全体へのトナー付着は多くないも
のの、局所的に電位の高い部分においてはトナーが多く
付着した。比較例6のフィルムでは全体にトナーが多く
付着した。
【0075】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よれば、処理面の帯電極性を正または負の単一極性にな
るように帯電処理を行った後、同一面から帯電中和処理
を行うので、帯電処理面に存在する帯電パターンを裏面
の帯電パターンから独立して除電することが可能であ
る。
【0076】特に、導電性部材に絶縁性シートの非処理
面を接触または近接させながら帯電処理および帯電中和
処理を行うことにより、導電性部材の表面に誘導される
電荷の効果により非処理面の帯電から独立して処理面の
帯電を、より均一に除電することが可能である。
【0077】特に、この除電を絶縁性シートの両面に対
して行うことで、両面の帯電をともに除電することがで
きる。
【0078】また、この除電を施すことにより得られる
絶縁性シートは、表裏面の帯電による内部電界を生じな
いため、後工程における、被膜剤の不均質な分布や蒸着
不良等の問題を発生させにくい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態にかかわる装置の構成図であ
る。
【図2】本発明による除電の作用を説明した原理図であ
る。
【図3】従来装置の構成図である。
【図4】従来装置の別の構成図である。
【図5】本発明の別の実施形態にかかわる装置の構成図
である。
【図6】本発明に用いる帯電付与電極の一例を一部断面
にして示した図である。
【図7】本発明に用いる帯電中和電極の一例を一部断面
にして示した図である。
【図8】従来装置の別の構成図である。
【符号の説明】
1:絶縁性シート 11:シートの面(第2の面) 12:シートの面(第1の面) 16:フィルム 2:導電性部材 21:導電性搬送ローラ 26:イオン吸引電極 27:案内ローラ 3:帯電付与装置 31:帯電付与電極 32:直流高圧電源 36:正負イオン生成電極 4:帯電中和装置 41:帯電中和電極 42:交流高圧電源 46:直流除電器 47:交流除電器 5:電位計 61:電極針 62:高圧芯線 63:絶縁材 64:接地電極 65:ホルダ 71:電極針 72:高圧芯線 73:誘電体 74:導電性リング 75:絶縁材 76:ホルダ 77:接地ノズル電極 78:ガス導入管

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】絶縁性シートに対し、その絶縁性シートの
    第1の面における処理部分の帯電極性が正または負の単
    一極性となるように前記第1の面の側から帯電処理を行
    い、次いで、導電性部材を前記絶縁性シートの第2の面
    に接触または近接させた状態で前記第1の面の側から帯
    電中和処理を行うことを特徴とする絶縁性シートの除電
    方法。
  2. 【請求項2】前記導電性部材を、前記絶縁性シートの前
    記第2の面に接触させ、または前記第2の面に絶縁性シ
    ート厚みの1/10以内の位置に近接させた状態で前記
    絶縁性シートに対し前記第1の面の側から前記帯電処理
    および前記帯電中和処理を行う、請求項1に記載の絶縁
    性シートの除電方法。
  3. 【請求項3】前記帯電処理後における前記第1の面の電
    荷密度が−100〜−10,000μC/m2または+
    100〜+10,000μC/m2の範囲内になるよう
    に前記帯電処理を行うとともに、前記帯電中和処理後に
    おける前記第1の面の電荷密度が−30〜+30μC/
    2の範囲内になるように前記帯電中和処理を行う、請
    求項1または2に記載の絶縁性シートの除電方法。
  4. 【請求項4】前記帯電処理および前記帯電中和処理をシ
    ートの両面に対してそれぞれ行う、請求項1〜3のいず
    れかに記載の絶縁性シートの除電方法。
  5. 【請求項5】前記帯電中和処理後における各面の電荷密
    度が−30〜+30μC/m2の範囲内になるよう前記
    帯電処理および前記帯電中和処理を行う、請求項4に記
    載の絶縁性シートの除電方法。
  6. 【請求項6】走行する絶縁性シートに接触または近接す
    る導電性部材と、この導電性部材に前記絶縁性シートを
    介して対向して設けた帯電付与装置および帯電中和装置
    を備え、前記帯電中和装置を絶縁性シートの走行方向に
    関して前記帯電付与装置よりも下流側に備えたことを特
    徴とする絶縁性シートの除電装置。
  7. 【請求項7】前記帯電付与装置および前記帯電中和装置
    が、走行する絶縁性シートの表裏両面に対してそれぞれ
    設けられている、請求項6に記載の絶縁性シートの除電
    装置。
  8. 【請求項8】前記帯電中和装置は、ガスブロー式除電
    器、軟X線式除電器およびロール式除電器から選ばれる
    少なくとも1種の除電器である、請求項6または7に記
    載の絶縁性シートの除電装置。
  9. 【請求項9】請求項1〜5のいずれかに記載の除電方法
    により絶縁性シートを除電することを特徴とする絶縁性
    シートの製造方法。
JP2001089509A 2001-03-27 2001-03-27 絶縁性シートの除電方法および装置 Pending JP2002289394A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001089509A JP2002289394A (ja) 2001-03-27 2001-03-27 絶縁性シートの除電方法および装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001089509A JP2002289394A (ja) 2001-03-27 2001-03-27 絶縁性シートの除電方法および装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002289394A true JP2002289394A (ja) 2002-10-04

Family

ID=18944429

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001089509A Pending JP2002289394A (ja) 2001-03-27 2001-03-27 絶縁性シートの除電方法および装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002289394A (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006210160A (ja) * 2005-01-28 2006-08-10 Toray Ind Inc 電気絶縁性シート、その除電方法および製造方法
JP2006267082A (ja) * 2005-02-24 2006-10-05 Rigaku Corp 電荷調整装置及び方法並びに熱刺激電流測定方法
JP2007145548A (ja) * 2005-11-29 2007-06-14 Toppan Forms Co Ltd 圧接ローラ
JP2009092625A (ja) * 2007-10-12 2009-04-30 Takeshi Konno フィルムの帯電防止性評価装置
JP2010531043A (ja) * 2007-06-22 2010-09-16 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 移動ウェブ上の帯電の修正装置及び方法
JP2011522685A (ja) * 2008-05-14 2011-08-04 ゲレシェイマー ピサ エス ピー エー 自動製造ライン上の容器から残留物質および/または粒子を除去する方法および装置
WO2016013436A1 (ja) * 2014-07-25 2016-01-28 株式会社小森コーポレーション 印刷機用静電除去装置および印刷機
WO2017159441A1 (ja) * 2016-03-18 2017-09-21 東レ株式会社 絶縁性シートの除電方法および絶縁性シートの除電装置
CN110356108A (zh) * 2018-03-26 2019-10-22 柯尼卡美能达株式会社 带电调整装置和图像形成装置
JP7385958B1 (ja) 2022-11-11 2023-11-24 春日電機株式会社 表面電位測定装置を用いた除電装置

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4617899B2 (ja) * 2005-01-28 2011-01-26 東レ株式会社 電気絶縁性シート、その除電方法および製造方法
JP2006210160A (ja) * 2005-01-28 2006-08-10 Toray Ind Inc 電気絶縁性シート、その除電方法および製造方法
JP2006267082A (ja) * 2005-02-24 2006-10-05 Rigaku Corp 電荷調整装置及び方法並びに熱刺激電流測定方法
JP2007145548A (ja) * 2005-11-29 2007-06-14 Toppan Forms Co Ltd 圧接ローラ
KR101465831B1 (ko) * 2007-06-22 2014-11-26 쓰리엠 이노베이티브 프로퍼티즈 컴파니 이동 웨브 상의 정전기 전하를 변경시키기 위한 장치 및 방법
JP2010531043A (ja) * 2007-06-22 2010-09-16 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 移動ウェブ上の帯電の修正装置及び方法
US8570703B2 (en) 2007-06-22 2013-10-29 3M Innovative Properties Company Apparatus and methods for modification of electrostatic charge on a moving web
JP2009092625A (ja) * 2007-10-12 2009-04-30 Takeshi Konno フィルムの帯電防止性評価装置
JP2011522685A (ja) * 2008-05-14 2011-08-04 ゲレシェイマー ピサ エス ピー エー 自動製造ライン上の容器から残留物質および/または粒子を除去する方法および装置
US9776222B2 (en) 2008-05-14 2017-10-03 Gerresheimer Glas Gmbh Method for removing contaminating particles from containers
WO2016013436A1 (ja) * 2014-07-25 2016-01-28 株式会社小森コーポレーション 印刷機用静電除去装置および印刷機
WO2017159441A1 (ja) * 2016-03-18 2017-09-21 東レ株式会社 絶縁性シートの除電方法および絶縁性シートの除電装置
CN110356108A (zh) * 2018-03-26 2019-10-22 柯尼卡美能达株式会社 带电调整装置和图像形成装置
US10620560B2 (en) 2018-03-26 2020-04-14 Konica Minolta, Inc. Electrification adjustment apparatus and image forming apparatus
JP7385958B1 (ja) 2022-11-11 2023-11-24 春日電機株式会社 表面電位測定装置を用いた除電装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5029740B2 (ja) 電気絶縁性シートの除電方法、電気絶縁性シートの製造方法、ならびに、電気絶縁性シート
US7228091B2 (en) Compact charging method and device with gas ions produced by electric field electron emission and ionization from nanotubes
US7398035B2 (en) Nanostructure-based solid state charging device
JP2002289394A (ja) 絶縁性シートの除電方法および装置
JP2006196255A (ja) シートの放電処理装置および放電処理方法、ならびに多孔ポリエステルフィルム。
JP2010531043A (ja) 移動ウェブ上の帯電の修正装置及び方法
WO2017159441A1 (ja) 絶縁性シートの除電方法および絶縁性シートの除電装置
US20130127969A1 (en) Print head element, print head and ionographic printing apparatus
US20140092518A1 (en) Method For Suppressing Electrical Discharges Between A Web Exiting An Unwinding Roll And A First Conveyance Roller
JP3517968B2 (ja) 絶縁性ウエブの除電方法およびウエブの製造方法
JP2008230826A (ja) シートロール体の製造装置および製造方法
JP4396084B2 (ja) 電気絶縁性シートの製造方法
JP3455984B2 (ja) 帯電走行体の除電方法
JP2001131314A (ja) コロナ放電処理装置およびシートの製造方法
JP3646281B2 (ja) 支持体の表面処理方法、及び表面処理装置
JP3658828B2 (ja) 重合体フィルムの帯電処理方法と装置および重合体フィルムロールの製造方法
JP2007115559A (ja) 電気絶縁性シートの除電装置および製造方法
JP4617757B2 (ja) 電気絶縁性シートの除電装置および除電方法、電気絶縁性シートの製造方法、ならびに、電気絶縁性シート
WO2006080283A1 (ja) 電気絶縁性シートの除電装置、除電方法および製造方法
JP2009026716A (ja) 導電層つき電気絶縁性シートの除電方法および除電装置
JP4904786B2 (ja) 電気絶縁性シートの除電装置、除電方法および製造方法。
JPH11238595A (ja) 除電装置および除電方法
JP2003292650A (ja) コロナ放電処理方法、プラスチックフィルムの製造方法および装置
JP2002240995A (ja) 絶縁性シートロール体の製造方法及び巻取装置並びにその製品
JPH0922792A (ja) 片面導電層付きフィルムの帯電制御方法および帯電制御装置ならびに片面導電層付きフィルムの製造方法