JP4904786B2 - 電気絶縁性シートの除電装置、除電方法および製造方法。 - Google Patents
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Description
(1)強制的に照射されたイオンの極性に、シート電位が上昇する。シートの帯電が、わずか1μC/m2オーダーの電荷密度であっても、シートが空中を搬送されている状態であり、シートの片面から一方の極性のイオンを照射するため、シートの接地構造物に対する電位は、数10kV以上に上昇する。これは、接地構造物との距離が大きいほど、シートの静電容量が小さくなり、同じ電荷密度であっても、電位が高くなるためである。このように、シートが空中を搬送されている状態において測定された電位を、以後、架空時電位と呼ぶ。このように、架空時電位が上昇すると、イオンはシートの帯電によってクーロン力による反発力をうけ、イオンのシートへの到達が妨げられる。言い換えると、強制照射によって最初にわずかなイオンがシート上に達しただけで電位(絶対値)が高くなるので、続けて同じ極性のイオンが強制的に照射されてもそれ以上シートが受け止められなくなるのである。すなわち、イオン生成電極で多量のイオンを生成しても、シートへ十分なイオンを照射することができない。照射できるイオンの量はたかだかわずか1μC/m2程度である。この値は、一般的に、放電痕などによって両面両極正帯電しているシートにおける、各面の電荷密度よりはるかに小さい。本発明者らの調査では、放電痕などの部位におけるシートの各面の電荷密度は、数10〜数100μC/m2程度である。
(2)交流電圧を使用しているため、シートの移動方向に、強制的に照射されたイオンの極性に応じた正負の帯電のムラが生じる。このムラを除去するために、除電装置の下流に、さらに直流および交流の除電器1eおよび1fが必要である場合が少なくない。
本発明者らは、このような見かけ上無帯電であるが、各面が帯電している状態の電気絶縁性シートにおいては、その加工時に、シートに金属蒸着や塗布等を行うと、元の帯電模様が再度発現することを確認した(本出願人による特願2004−221441参照)。
上記目的を達成するため、本発明の電気絶縁性シートの除電装置は下記の構成を有する。
前記各除電ユニットにおいて、|Vm|/d1-m>0.26であり、かつ、
・ ym≦5、および、
(B)|Vm|<16、かつ、|Vm|/d1-m<0.35、
で示される(A)、(B)、の少なくとも1つの条件を満たすように、除電装置を動作させて電気絶縁性シートを除電する電気絶縁性シートの除電方法が提供される。
各除電ユニットにおいて、|V1−m−V2−m|/d1-m>0.26であり、かつ、
(A)xm≦5、および、
(B)|V1−m|<8、かつ|V2−m|<8、かつ、|V1−m−V2−m|/d1-m<0.35、
で示される(A)、(B)、の少なくとも1つの条件を満たすように、除電装置を動作させて電気絶縁性シートを除電する電気絶縁性シートの除電方法が提供される。
前記各除電ユニットにおいて、|Vm|/d1-m>0.26であり、かつ、
(A)ym≦5、および、
(B)|Vm|<16、かつ、|Vm|/d1-m<0.35、
で示される(A)、(B)、の少なくとも1つの条件を満たすように、除電装置を動作させることにより、電気絶縁性シートを製造する除電済み電気絶縁性シートの製造方法が提供される。
各除電ユニットにおいて|V1−m−V2−m|/d1-m>0.26であり、かつ、
(A)xm≦5、および、
(B)|V1−m|<8、かつ|V2−m|<8、かつ、|V1−m−V2−m|/d1-m<0.35、
で示される(A)、(B)、の少なくとも1つの条件を満たすように、除電装置を動作させることにより、電気絶縁性シートを製造する除電済み電気絶縁性シートの製造方法が提供される。
例えば、イオン生成電極がシートの幅方向に延在するワイヤで形成されたワイヤ電極の場合は、幅方向の各部における仮想平均面に一番近いワイヤの部位が該当する。イオン生成電極が、幅方向に所定間隔に設けられた電気絶縁性シートの法線方向に延在する針電極の列の場合は、各針の、前記平面に最も近い部位(針先)が、その幅方向位置における「イオン生成電極の先端」である。針先が存在しない幅方向の各位置においては、「イオン生成電極の先端」は、図6Eに示すように、幅方向に所定間隔で設けられた針先同士を結ぶ折れ線8aL上の位置により定義される。折れ線8aLを、イオン生成電極の先端の仮想線と呼ぶ。針先が存在する幅方向の位置においては、イオン生成電極の先端の仮想線上の位置と、針先とは一致する。
本発明において、「直流電源」とは、出力電圧が接地点に対して極性が反転することなく1秒以上継続して同一の極性を維持する、脈動率20%以下の電源をいう。好ましくは、20秒以上、あるいは、さらに好ましくは、1つのシートの1回の除電操作(たとえば、1巻のシートロールの搬送の最初から最後までを1回の除電操作と考える)の間反転しないように構成する。ただし、ホワイトノイズ等の非周期的なノイズ成分による極性の反転はここでは極性の反転とはしない。かかる直流電源のある瞬間の直流成分は、その瞬間からみて過去1秒間の電圧の平均値をもって定義する。なお、一般の化学電池では、イオン生成に充分な電圧を長期的に安定して供給できないので、通常本発明に用いる直流電位差(電圧)の発生源たる直流電源は、例えば、50〜60Hzの周波数の商用電源を整流し、平滑化したものが好ましく用いられる。このような整流化直流電源の場合、出力電圧には電力の供給源である商用電源が交流であることに起因する脈動が大なり小なり含まれている。
「脈動率」がx%の直流電圧とは、電圧の直流成分をV[kV]、周期的な変動成分の振れ幅をVr[kV]とすると、Vr/V=x/100である直流電圧をいう。
また、このように、除電の最中に架空時電位が上昇することがないため、フィルムへのイオンの到達を妨げるはたらきが生じない。そのため、フィルムの各面に照射できるイオンの量は、絶対値で30〜100μC/m2程度に達する。これにより、特許文献1や2に開示された技術では達成することが出来なかったフィルムSの各面の電荷の大幅な低減が可能である。
(1)イオン照射がフィルム上の各部位において片極性に偏るため、その極性の電荷の除電が困難
(2)除電ユニット一つ当たりから生じる正負イオンの付着ムラが各除電ユニットごとに同極性で重ねあわせられるため、各面の帯電量を増加させてしまう(但し、両面の帯電極性は逆極性であるため、フィルムは「見かけ上無帯電」の状態である)。
(3)フィルム上に、いずれの除電ユニットからも照射されるイオンの量が少ない部位が生じる。
(1)イオン生成量が、先行するイオンの影響をうける。すなわち、イオン生成電極間電位差の絶対値がわずかに低下し、対向するイオン生成電極間の電界がわずかに弱まると、電極先端近傍に存在する、先行のイオンがつくる空間電界の影響によって、大幅にイオン生成量が低下する。
(2)フィルムを挟んで対向するイオン生成電極間に強い電界をかけてイオンを強制的に照射するため、イオンがあまり拡散せず、イオン生成電極間の電界によるドリフトによって、イオンがフィルムに照射される。従って、イオンの生成量の変動が、ほぼそのままイオンのフィルムへの照射量の変動となる。
(1)前述の理由により、フィルムSの移動方向の最下流の除電ユニットからの照射によって、フィルムSの各面に付着するイオンの量が多くなりやすく、フィルムSの各面がこの極性に帯電する
(2)除電ユニット相互にイオン生成能力の差(例えば、1番目の除電ユニットにおけるイオンの生成量が少なく、2番目の除電ユニットにおけるイオンの生成量が多い場合、フィルムが、2番目の除電ユニットから照射され、フィルムSの各面に付着するイオンの極性に帯電する)
(3)電源故障などによる個々の除電ユニットの機能停止(機能停止した除電ユニットから、各面に照射されるはずであったイオンの極性と、逆極性に帯電する。なお、正直流電源または負直流電源の片側のみが故障した場合も、フィルムの片面側からのイオン照射によるフィルムの片面へのイオンの付着が止まると、あわせて、フィルムの逆面へのイオン付着も抑制されるため、その電源を使用している除電ユニットが機能停止するため、フィルムが見かけ上帯電することはほとんどない)
このような場合においても、(除電ユニットのほとんどが機能停止とならない限り)フィルムは見かけ上の無帯電状態である。また、フィルムの各面には細かな帯電のムラや、周期的な帯電がほとんどなく、フィルムSの各面が直流的に逆極性に帯電している状態である。
また、全ての除電ユニットを通過した後のフィルムの各面が、フィルムSの移動方向の最下流の除電ユニットにおけるイオン生成電極間電位差の極性に依存して帯電しやすい場合には、あらかじめ、最下流、すなわち、n番目の除電ユニットにおけるイオン生成電極間電位差の絶対値を、他の除電ユニットにおけるイオン生成電極間電位差の絶対値より小さくする、最下流の除電ユニットSUnの法線方向電極間距離d1−nを、他の除電ユニットの法線方向電極間距離d1−1〜d1−(n−1)よりも大きくする、最下流の第n番目における除電ユニットの電極ずれ量d0−nを、他の除電ユニットのそれより大きくするなどして、最下流の除電ユニットにおけるイオンの照射量を少なくしておくことも可能である。
[フィルムの各面の背面平衡電位、および、電荷密度の測定方法]
フィルムの被評価面とは逆の面を、直径10cmのハードクロムメッキロールからなる金属ロールに密着させ、電位を測定した。電位計として、モンロー社製モデル244を、そのセンサとして、開口部直径1.75mmを有するモンロー社製プローブ1017EHを用いた。電位計をフィルム上0.5mmの位置に置いた。この位置での視野は、モンロー社カタログより、直径約1mmの範囲である。金属ロールをリニアモータを使用し、約1m/分の低速で回転させながら、電位計で背面平衡電位Vf[単位:V]を測定した。
(1)除電前に、フィルムの各面(表面と裏面、あるいは、第1の面と第2の面)が、ともに正負に強く(かつ、両面が逆極性に)帯電していたフィルムにおいて、除電後の電荷密度の振れ幅を、大幅に低減できるか。
本判定には、除電前にフィルムの各面が振れ幅150μC/m2以上の電荷密度で逆極性に帯電していたものを使用し、以下の3段階で判定を行う。
◎:除電後の電荷密度の振れ幅が30μC/m2以下のもの。
○:除電後の電荷密度の振れ幅が30μC/m2以上であるが、振れ幅が除電前後で30μC/m2以上低下しているもの。
×:除電前後での電荷密度の振れ幅の低下が30μC/m2より小さいもの。
電荷密度の振れ幅の基準を30μC/m2としたのは、従来の除電技術による除電である「見かけ上の除電」においては、両面両極性帯電の電荷密度の低下が、ゼロ、もしくは、高々絶対値で1μC/m2であり、これよりも大きな量の電荷を除電できることが明確であることによる。
(2)除電前に、フィルムの各面が実質的に無帯電であったフィルムにおいて、除電後のフィルムに過剰な帯電を発生させないか。
本判定には、除電前に、フィルムの各面の電荷密度の絶対値が30μC/m2以下であったものを使用し、以下の4段階で判定を行う。
◎:除電後の電荷密度の絶対値の最大値が30μC/m2以下で、電荷密度の振れ幅が60μC/m2以下のもの。
○:除電後の電荷密度の絶対値の最大値が100μC/m2以下で、電荷密度の振れ幅が60μC/m2以下のもの。
△:除電後の電荷密度の絶対値の最大値が100μC/m2以下で、電荷密度の絶対値の振れ幅が60μC/m2より大きく、90μC/m2以下のもの。
×:除電後の電荷密度の絶対値の最大値が100μC/m2より大きく、および/または、電荷密度の絶対値の振れ幅が90μC/m2より大きいもの。
<実験1:電極ユニット8を用い、隣接するイオン生成電極間電位差が逆極性の直流電位差である除電装置と、電極ユニット7を用い、イオン生成電極間電位差が交流電位差である除電装置との、原反Aを用いた比較実験>
[実施例1]
図5に示される除電装置において、電気絶縁性シートSとして、幅300mm、厚さ38μmの2軸延伸されたポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ株式会社製ルミラー38S28 以下、原反Aという)を用い、表3に示される速度u[単位:m/分]でフィルムSを移動させた。原反Aには、除電前に、図12に示すように、シートの幅方向10mmの範囲に、シートの移動方向に1.1〜1.2mm周期の周期的な帯電を施した。図12の矢印TDがシートの幅方向、矢印MDがシートの移動方向を示す。周期的帯電部(図12のA−A’の部分)の第1の面の背面平衡電位の分布は、図13に示すとおり、シートの移動方向に0Vを中心にピークピーク270V(各面の電荷密度の振れ幅は190μC/m2)の略正弦波状で、第2の面の背面平衡電位の分布は、第1面の背面平衡電位と逆極性で、絶対値はほぼ同じであった。また、帯電部分(幅10mmの部分)以外のフィルムSの部分の背面平衡電位は、各面、絶対値で15V以下(各面の電荷密度は−10〜+10μC/m2の範囲内)であり、ほぼ無帯電であることを確認した。
[比較例1]
図15に示される除電装置6において、電気絶縁性シートSとして、実施例1と同じ帯電を施した原反Aを用い、表3に示される速度u[単位:m/分]でフィルムSを移動させた。
全除電ユニットの、第1のイオン生成電極同士は全て同相とし、全除電ユニットの第2のイオン生成電極同士も全て同相とし、第1および第2のイオン生成電極に接続する電源6c、6eには、実効電圧4kV、周波数60Hzの交流電源を用い、互いに位相が逆になるよう、電源内部の昇圧トランスの入力を切り替えた。全除電ユニットの第1および第2の電極ユニットにおけるシールド電極7bは、全て接地した。フィルムSは、各除電ユニットにおける第1および第2のイオン生成電極間のおおよそ中央を通るようにした。
除電されたフィルムSの帯電分布について、上記測定方法に基づいて第1の面の背面平衡電位の分布を調べ、電荷密度を求めた。周期的帯電部分の電荷密度の振れ幅、および、無帯電部分(帯電部以外の部分)の電荷密度の範囲[単位:μC/m2]、とそれぞれの判定結果を表3に示す。
[実験1のまとめ]
表3の通り、実施例1においては、どの速度においても、帯電部の各面の電荷密度の振れ幅は(速度上昇とともに若干その低減量が減少するが)大幅に低減しており、無帯電部の新たな帯電もごくわずかである。一方、比較例1においては、帯電部の電荷密度の振れ幅を大きく低減させ、無帯電部の新たな帯電も抑制できる速度条件はあるが、速度によっては、帯電部の電荷密度の振れ幅の低減が少ない部分が見られたり、大幅に無帯電部を帯電させることがある。このため、比較例1においては、幅広い速度範囲において、帯電部の電荷密度の振れ幅の低減と、無帯電部の新たな帯電抑制を両立することはできなかった。
※2 比較例1、速度220m/分において、帯電部分の電荷密度は振れ幅が大きい部位と、小さい部位とが約60mm周期であらわれたため、振れ幅の大きい部位における振れ幅と、振れ幅の小さい部位における振れ幅との両方の値を示す。
[実施例2−1]
図5の構成の除電装置を用いて、電気絶縁性シートSとして、幅300mm、厚さ75μmの2軸延伸されたポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ株式会社製ルミラー75T10 以下、原反B、Cという)を用い、300m/分で移動させた。
原反Bには、あらかじめ、フィルムの第1の面においてフィルムの移動方向に5mm周期で正負の帯電が交互に配列され、背面平衡電位の正負各ピーク値の絶対値が最大560V(480〜560V)すなわち、電荷密度の振れ幅が最大396μC/m2(340〜396μC/m2)で、面内方向の位置が同じ部位において、フィルムの第1の面の帯電極性と第2の面の帯電極性とが逆極性で、かつ、第1の面の背面平衡電位と第2の面の背面平衡電位との絶対値が等しくなるよう帯電処理を施してあるものを用いた。
[比較例2]
全ての除電ユニットの第1のイオン生成電極には正電圧(第2のイオン生成電極には負電圧)を印加し、全ての除電ユニットにおいて、イオン生成電極間電位差が正になるようにした以外は、実施例2−1と同じとした。原反B、Cの除電評価結果を表4に示す。
[実施例2−2]
シート移動方向の最上流(1番目)から6番目の除電ユニットの第1のイオン生成電極には正電圧(第2のイオン生成電極には負電圧)を印加して、イオン生成電極間電位差が正になるようにし、7番目と8番目の除電ユニットの第1のイオン生成電極には負電圧(第2のイオン生成電極には正電圧)を印加して、イオン生成電極間電位差が負になるようにした以外は、実施例2と同じとした。原反B、Cの除電評価結果を表4に示す。
[実施例2−3]
シート移動方向の最上流(1番目)から4番目の除電ユニットの第1のイオン生成電極には正電圧(第2のイオン生成電極には負電圧)を印加して、イオン生成電極間電位差が正になるようにし、5番目から8番目のイオン生成電極には負電圧(第2のイオン生成電極には正電圧)を印加して、イオン生成電極間電位差が負になるようにした以外は実施例2−1と同じとした。原反B、Cの除電評価結果を表4に示す。
[実施例2−4]
シート移動方向の上流から1,2,5,6番目の除電ユニットの第1のイオン生成電極に正電圧(第2のイオン生成電極には負電圧)を印加して、イオン生成電極間電位差が正になるようにし、3,4,7,8番目の除電ユニットの第1のイオン生成電極に負電圧(第2のイオン生成電極には正電圧)を印加して、イオン生成電極間電位差が負になるようにした以外は実施例2−1と同じとした。原反B、Cの除電評価結果を表4に示す。
[実験2のまとめ]
実施例2−1〜2−4および比較例2から、除電ユニットの総数n(本例ではn=8)の1/4以上(本実施例では、2以上)の除電ユニットにおいて、イオン生成電極間電位差の極性が同極性、つまり、シートの同一面に逆極性電圧を印加されるイオン生成電極が存在する除電装置については除電効果が高い。特に、除電ユニット数nの1/2個(本実施例では4個)の除電ユニットにおいて、隣接する除電ユニットにおいて、イオン生成電極間電位差が互いに逆極性、つまり、シートの同一面に同極性電圧を印加されたイオン生成電極が配置され、かつ、隣接する除電ユニット同士の、シートの同一面に配置されたイオン生成電極に印加される電圧を逆極性とした実施例2−1の除電装置が最も除電効果が高い。
[実施例3−1]
全ての除電ユニット間隔の値d20を70mmとした以外は実施例2−1と同じとした。原反B、原反Cの除電評価結果を表4に示す。
[実施例3−2]
各除電ユニット間隔d2−1〜d2−7について、奇数番目の除電ユニット間隔d2−1、d2−3、d2−5、d2−7を70mm、偶数番目の除電ユニット間隔d2−2、d2−4、d2−6を40mmとした以外は実施例2−4と同じとした。原反B、原反Cの除電評価結果を表4に示す。
[実験3のまとめ]
実施例2−1、2−4、3−1、3−2から、隣接する除電ユニットにおける、イオン生成電極間電位差が逆極性の場合は、隣接距離が、ある程度小さい方がよく、隣接する除電ユニットにおける、イオン生成電極間電位差が同極性の場合は、隣接距離が、ある程度大きい方がよいことが確認される。
<実験4:電極ユニット8を用い、隣接するイオン生成電極間電位差を逆極性の直流電位差、及び、逆極性の交流電位差にした場合の比較実験>
[比較例3]
各除電ユニットにおいて、第1のイオン生成電極と第2のイオン生成電極に、互いに逆極性のゼロピーク値8kV、周波数60Hzの交流電圧を印加し、かつ、隣接する各除電ユニットの第1のイオン生成電極同士への印加電圧を、互いに逆位相となるようにした以外は、実施例2−1と同じとした。原反B、原反Cの除電評価結果を表4に示す。
[実験4のまとめ]
実施例2−1と比較例3との比較より、交流印加による交流電位差を付与時は、シート移動方向に±45μC/m2のムラが発生し、無帯電のフィルムを帯電させやすいため、直流電圧印加による直流電位差を付与する方がよいことがわかる。
[実施例5−1〜5−19]
法線方向電極間距離d10、直流電圧の時間的平均値の絶対値V0、及び、脈動率x0を表5の通りとした以外は実施例2−1と同じとした。ここで、脈動率は、ファンクションジェネレータにて設定し、ファンクションジェネレータの出力波形(電圧増幅前の波形)をオシロスコープで確認した。直流電圧の脈動分の位相は、図9のように、逆位相になるようにした。原反B、Cの評価結果を表5に示す。
[実験5のまとめ]
実施例5−1〜5−19の結果から、2V0/d10が小さくなると、原反Bにおける除電能力が低下するが、原反Cにおいて、脈動率の影響は殆ど受けない。一方、2V0/d10が大きくなると、原反Bにおける除電能力が増加するが、原反Cにおいて、脈動率が大きくなるとイオン付着の振れ幅が大きくなり、脈動率の影響を受けやすい。よって、除電能力とイオン付着の振れ幅低減の2つの観点から、2V0/d10の大きさに関わらず、脈動率は5%以下が好ましく、脈動率が5%を超える場合は、2V0/d10の大きさを0.35より小さくするのが好ましいことが確認される。
[実施例6−1]
シート移動方向の最下流(8番目)の除電ユニットSU8の第1のイオン生成電極5d8と第2のイオン生成電極5f8に印加する直流電圧の時間的平均値の絶対値を5kV、つまり、イオン生成電極間電位差の絶対値を10kVとした以外は、実施例2−1と同じとした。原反B、Cの除電評価結果を表6に示す。
[実施例6−2]
シート移動方向の最下流(8番目)の除電ユニットSU8の法線方向電極間距離d1−8のみ50mmとした以外は、実施例2−1と同じとした。原反B、Cの除電評価結果を表6に示す。
[実験6のまとめ]
実施例2−1と、実施例6−1、6−2の結果を比較すると、原反Cを用いた評価では、電荷密度の絶対値が低下、つまり無帯電であったフィルムを帯電させる量が少なくなっている事が判る。原反Bを用いた除電評価では、実施例2−1の結果より除電能力が少し劣るが、問題ないレベルである。
[実施例7]
実施例2−1の除電装置のさらにシート移動方向の下流に、交流電圧を印加した第1、及び、第2のイオン生成電極を持つ、交流除電ユニットを追加した。交流除電ユニットの、電極ユニットは実施例2−1で使用したものと同じとし、交流除電ユニットの法線方向電極間距離は、実施例2の法線方向電極間距離d10と同じ、実施例2−1の除電装置のシート移動方向の最下流の除電ユニットSU8と、交流除電ユニットとのユニット間隔も、実施例2−1のユニット間隔d20と同じとし、交流除電ユニットの第1および第2のイオン生成電極には互いに逆極性で4kV(ゼロ−ピーク値)、周波数60Hzの交流電圧を印加した。原反B、Cの除電評価結果を表7に示す。
[実験7のまとめ]
実施例2−1と実施例7の結果を比較すると、原反Cを用いた評価では、電荷密度の絶対値が低下、つまり無帯電であったフィルムの帯電量が少なくなっている事が判る。よって、最下流に交流電位差を有する除電ユニットを設けることにより、上流でフィルム表面に付着したイオンを除電して、フィルム表面の帯電を減らす効果があることが確認される。
[実施例8−1]
シート移動方向の最下流(8番目)の除電ユニットSU8の第1のイオン生成電極5d8と第2のイオン生成電極5f8に印加する直流電圧の時間的平均値の絶対値を5kV、つまり、イオン生成電極間電位差の絶対値を10kVとした以外は、実施例2−3と同じとした。原反B、Cの除電評価結果を表8に示す。
[実施例8−2]
シート移動方向の最下流(8番目)の除電ユニットSU8の法線方向電極間距離d1−8のみ50mmとした以外は、実施例2−3と同じとした。原反B、Cの除電評価結果を表8に示す。
[実験8のまとめ]
原反Cにおいて、実施例2−1に比べて、除電後の電荷密度の絶対値が大きい実施例2−3の場合と、実施例8−1、8−2の結果を比べると、原反Bを用いた除電評価においては、除電能力が多少劣るが、原反Cを用いた評価では、電荷密度の絶対値が大幅に減少していことから、最下流の除電ユニットのイオン生成電極からフィルムに付着するイオン量を減らす構成にすることで、もともと無帯電であったフィルムを帯電させにくいことが判る。
[実施例9−1〜9−3]
法線方向電極間距離d10、直流印加電圧の時間的平均値の絶対値V0、及び、脈動率x0を表9の通りとした以外は実施例2−1と同じとした。ここで、脈動率は、ファンクションジェネレータにて設定し、ファンクションジェネレータの出力波形(電圧増幅前の波形)をオシロスコープで確認した。直流電圧の脈動分の位相は、図17Aのように、同位相になるようにした。原反B、Cの評価結果を表9に示す。
[実験9のまとめ]
実施例9−1〜9−3の結果を実施例5−3〜5−5と比べると、原反Bを用いた除電評価においては、除電能力に差はなく、原反Cを用いた評価では、電荷密度の振れ幅が大幅に低減されていることが判る。直流電圧の脈動率が5%以上であっても、脈動成分が同位相であれば、もともと無帯電であったフィルムに周期的な帯電を発生させにくいことが判る。
1a 交流電源
1b イオン生成電極
1c 交流電源
1d イオン吸引電極
1e 直流除電器
1f 交流除電器
S 電気絶縁性シート
2 除電装置
2a 交流電源
2b イオン生成用電極
2c 交流電源(2aと逆位相)
2d イオン加速用電極
2e 交流電源
2f イオン生成電極
2g 交流電源(2eと逆位相)
2h イオン加速用電極
100 電気絶縁性シートの第1の面
200 電気絶縁性シートの第2の面
3 除電装置
3a イオン生成電極
3b 直流電源
3c イオン生成電極
3d 直流電源(3bと逆極性)
3e ガイドロール
4 除電装置
4a イオン生成電極
4b 交流電源
4c イオン生成電極
4d 交流電源(4bと逆位相)
4e ガイドロール
5 除電装置
5a ガイドロール
5b ガイドロール
5ab シート移動方向
5c 直流電源
5e 直流電源(5cと逆極性)
5d1 シート移動方向1番目の除電ユニットの第1のイオン生成電極
5f1 シート移動方向1番目の除電ユニットの第2のイオン生成電極
5d2 シート移動方向2番目の除電ユニットの第1のイオン生成電極
5f2 シート移動方向2番目の除電ユニットの第2のイオン生成電極
5dm シート移動方向m番目の除電ユニットの第1のイオン生成電極
5fm シート移動方向m番目の除電ユニットの第2のイオン生成電極
5gm シート移動方向m番目の除電ユニットの第1のシールド電極
5hm シート移動方向m番目の除電ユニットの第2のシールド電極
5dp シート移動方向p番目の除電ユニットの第1のイオン生成電極
5fp シート移動方向p番目の除電ユニットの第2のイオン生成電極
5gp シート移動方向p番目の除電ユニットの第1のシールド電極
5hp シート移動方向p番目の除電ユニットの第2のシールド電極
5i 第1の交流イオン生成電極
5j 第2の交流イオン生成電極
5k 交流電源
5l 交流電源(5kと逆位相)
5m 電位測定手段(電位計)
5n イオン生成電極間電位差制御手段
5xp シートの移動方向の第p番目の除電ユニットの第1のイオン生成電極の先端と第2のイオン生成電極の先端とを結ぶ線分の中点
5xp+1 シートの移動方向の第p+1番目の除電ユニットの第1のイオン生成電極の先端と第2のイオン生成電極の先端とを結ぶ線分の中点
6 除電装置
6a ガイドロール
6b ガイドロール
6ab シート移動方向
6c 交流電源
6e 交流電源(6cと逆位相)
7 電極ユニット
7a 針電極列
7b シールド電極
7d 絶縁材料
8 電極ユニット
8a 針電極列
8a1 針電極列を構成する部分電極の1つ
8a2 針電極列を構成する部分電極の1つ
8b シールド電極
8d 絶縁材料
8e 絶縁材料
8aL シート幅方向に所定間隔で設けられた針先同士を結ぶ折れ線
dS 針の幅方向の間隔
Wm シート移動方向m番目の除電ユニットの幅寸法
SOgm シート移動方向m番目の除電ユニットの第1のシールド電極開口幅
SOhm シート移動方向m番目の除電ユニットの第2のシールド電極開口幅
d0−m シート移動方向m番目の除電ユニットにおける電極ずれ量
d1−m シート移動方向m番目の除電ユニットの法線方向電極間距離
d2−p シート移動方向p番目の除電ユニットとp+1番目の除電ユニットの除電ユニット間隔
SU1 シートの移動方向1番目の除電ユニット
SU2 シートの移動方向2番目の除電ユニット
SUp シートの移動方向p番目の除電ユニット
SUp+1 シートの移動方向p+1番目の除電ユニット
SUn シートの移動方向n番目(最下流)の除電ユニット
EUd1 シートの移動方向1番目の第1の電極ユニット
EUd2 シートの移動方向2番目の第1の電極ユニット
EUdp シートの移動方向p番目の除電ユニットの第1の電極ユニット
EUdp+1 シートの移動方向p+1番目の除電ユニットの第1の電極ユニット
EUdn シートの移動方向n番目(最下流)の除電ユニットの第1の電極ユニット
EUf1 シートの移動方向1番目の除電ユニットの第2の電極ユニット
EUf2 シートの移動方向2番目の除電ユニットの第2の電極ユニット
EUfp シートの移動方向p番目の除電ユニットの第2の電極ユニット
EUfp+1 シートの移動方向p+1番目の除電ユニットの第2の電極ユニット
EUfn シートの移動方向n番目(最下流)の除電ユニットの第2の電極ユニット
101 (シートの第1の面の)正の静電荷
102 (シートの第1の面の)負の静電荷
201 (シートの第2の面の)正の静電荷
202 (シートの第2の面の)負の静電荷
301 正イオン
302 負イオン
500 電気力線
700 クーロン力
V1−m m番目の除電ユニットにおける第1のイオン生成電極に印加する直流電圧の時間的平均値
V2−m m番目の除電ユニットにおける第2のイオン生成電極に印加する直流電圧の時間的平均値
xm m番目の除電ユニットにおける第1のイオン生成電極に印加する直流電圧の脈動率x1−mと第2のイオン生成電極に印加する直流電圧の脈動率x2−mとの平均脈動率
ym m番目の除電ユニットにおけるイオン生成電極間電位差の脈動率
A−A’ 周期的帯電部の矢視
V(kV) イオン生成電極への直流印加電圧(単位:kV)
ΔV(kV) 第1のイオン生成電極電位と第2のイオン生成電極電位の差(単位:kV)
t(s):時間(単位:sec)
MD シート移動方向
TD シート幅方向
Vf 背面平衡電位波形
Claims (18)
- 電気絶縁性シートの移動経路に対し、該シートの移動方向に間隔をおいて設けられた少なくとも4個の除電ユニットを有し、該各除電ユニットは、前記シートの第1の面側に配置された第1の電極ユニットと、前記シートの第2の面側に配置された第2の電極ユニットを有し、前記第1の電極ユニットは、第1のイオン生成電極を有し、前記第2の電極ユニットは、前記第1のイオン生成電極と対向して配置された第2のイオン生成電極を有する電気絶縁性シートの除電装置であり、前記各除電ユニットにおいて、前記第1のイオン生成電極と前記第2のイオン生成電極との間に直流のイオン生成電極間電位差が付与されており、すべての前記除電ユニットにおいて、前記シートの移動方向に隣接する前記除電ユニット同士の前記イオン生成電極間電位差が、互いに逆極性であって、前記少なくとも1組の前記除電ユニットの除電ユニット間隔が、前記少なくとも1組の前記除電ユニットのそれぞれの法線方向電極間距離の値の最大値の0.8倍以上、2.0倍以下であることを特徴とする、電気絶縁性シートの除電装置。
- 電気絶縁性シートの移動経路に対し、該シートの移動方向に間隔をおいて設けられた少なくとも4個の除電ユニットを有し、該各除電ユニットは、前記シートの第1の面側に配置された第1の電極ユニットと、前記シートの第2の面側に配置された第2の電極ユニットを有し、前記第1の電極ユニットは、第1のイオン生成電極を有し、前記第2の電極ユニットは、前記第1のイオン生成電極と対向して配置された第2のイオン生成電極を有する電気絶縁性シートの除電装置であり、前記各除電ユニットにおいて、前記第1のイオン生成電極と前記第2のイオン生成電極とには、互いに逆極性の直流電圧が印加されることによって直流のイオン生成電極間電位差が付与されており、すべての前記除電ユニットにおいて、前記シートの移動方向に隣接する前記除電ユニット同士の前記イオン生成電極間電位差が、互いに逆極性であって、前記少なくとも1組の前記除電ユニットの除電ユニット間隔が、前記少なくとも1組の前記除電ユニットのそれぞれの法線方向電極間距離の値の最大値の0.8倍以上、2.0倍以下であることを特徴とする、電気絶縁性シートの除電装置。
- 電気絶縁性シートの移動経路に対し、該シートの移動方向に間隔をおいて設けられた少なくとも4個の除電ユニットを有し、該各除電ユニットは、前記シートの第1の面側に配置された第1の電極ユニットと、前記シートの第2の面側に配置された第2の電極ユニットを有し、前記第1の電極ユニットは、第1のイオン生成電極を有し、前記第2の電極ユニットは、前記第1のイオン生成電極と対向して配置された第2のイオン生成電極を有する電気絶縁性シートの除電装置であり、前記各除電ユニットにおいて、前記第1のイオン生成電極と前記第2のイオン生成電極とには、いずれか片方に接地電位、他方に直流電圧が印加されること、または、互いに接地電位に対して逆極性の直流電圧が印加されることによって直流のイオン生成電極間電位差が付与されており、すべての前記除電ユニットにおいて、前記シートの移動方向に隣接する前記除電ユニット同士の前記イオン生成電極間電位差が、互いに逆極性であって、前記少なくとも1組の前記除電ユニットの除電ユニット間隔が、前記少なくとも1組の前記除電ユニットのそれぞれの法線方向電極間距離の値の最大値の0.8倍以上、2.0倍以下であることを特徴とする、電気絶縁性シートの除電装置。
- 電気絶縁性シートの移動経路に対し、該シートの移動方向に間隔をおいて設けられた少なくとも4個の除電ユニットを有し、該各除電ユニットは、前記シートの第1の面側に配置された第1の電極ユニットと、前記シートの第2の面側に配置された第2の電極ユニットを有し、前記第1の電極ユニットは、第1のイオン生成電極を有し、前記第2の電極ユニットは、前記第1のイオン生成電極と対向して配置された第2のイオン生成電極を有する電気絶縁性シートの除電装置であり、前記各除電ユニットにおいて、所定の共通電位に対し、前記第1のイオン生成電極と前記第2のイオン生成電極には、逆極性の電位が付与されることによって、直流のイオン生成電極間電位差が付与されており、すべての前記除電ユニットにおいて、前記シートの移動方向に隣接する前記除電ユニット同士の前記イオン生成電極間電位差が、互いに逆極性であって、前記少なくとも1組の前記除電ユニットの除電ユニット間隔が、前記少なくとも1組の前記除電ユニットのそれぞれの法線方向電極間距離の値の最大値の0.8倍以上、2.0倍以下であることを特徴とする、電気絶縁性シートの除電装置。
- 電気絶縁性シートの移動経路に対し、該シートの移動方向に間隔をおいて設けられた少なくとも4個の除電ユニットを有し、該各除電ユニットは、前記シートの第1の面側に配置された第1の電極ユニットと、前記シートの第2の面側に配置された第2の電極ユニットを有し、前記第1の電極ユニットは、第1のイオン生成電極を有し、前記第2の電極ユニットは、前記第1のイオン生成電極と対向して配置された第2のイオン生成電極を有する電気絶縁性シートの除電装置であり、前記各除電ユニットにおいて、前記第1のイオン生成電極と前記第2のイオン生成電極とには、互いに逆極性の直流電圧が印加されることによって直流のイオン生成電極間電位差が付与されており、すべての前記除電ユニットにおいて、前記シートの移動方向に隣接する前記除電ユニット同士の前記イオン生成電極間電位差が、互いに逆極性であって、前記シートの移動方向に隣接するイオン生成電極同士によって、針先近傍の電界を相互に強め合うように、前記シートの移動方向に隣接するイオン生成電極を設けたことを特徴とする、電気絶縁性シートの除電装置。
- 前記少なくとも1組の前記除電ユニットの除電ユニット間隔が、前記少なくとも1組の前記除電ユニットのそれぞれの法線方向電極間距離の値の最大値の0.8倍以上、2.0倍以下となるように構成されていることを特徴とする請求項5に記載の電気絶縁性シートの除電装置。
- 前記少なくとも1組の前記除電ユニットの除電ユニット間隔が、前記少なくとも1組の前記除電ユニットのそれぞれの幅寸法の値の平均値の1.0倍以上、1.5倍以下となるように構成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の電気絶縁性シートの除電装置。
- 前記各除電ユニットの前記イオン生成電極間電位差を付与する電源として、脈動率が5%以下の直流電源を備えていることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の電気絶縁性シートの除電装置。
- 前記各除電ユニットよりも、前記シートの移動方向の下流側に配置され、接地導電性部材に前記電気絶縁性シートを接触させながら該電気絶縁性シートの前記接地導電性部材とは反対側の表面電位を測定する電位測定手段と、前記電位の測定値に基づいて前記各除電ユニットのうち少なくとも1つにおける前記イオン生成電極間電位差を制御可能な制御手段とを有することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の電気絶縁性シートの除電装置。
- 前記各除電ユニットのうち、少なくとも前記シートの移動方向の最下流における除電ユニットの前記イオン生成電極間電位差の絶対値が、他の前記除電ユニットの前記イオン生成電極間電位差より小さいことを特徴とする、請求項1〜9のいずれかに記載の電気絶縁性シートの除電装置。
- 前記各除電ユニットのうち、少なくとも前記シートの移動方向の最下流における除電ユニットの法線方向電極間距離が、他の前記除電ユニットの法線方向電極間距離より大きいことを特徴とする、請求項1〜10のいずれかに記載の電気絶縁性シートの除電装置。
- 前記各除電ユニットのうち、少なくとも前記シートの移動方向の最下流における除電ユニットの電極ずれ量が、他の除電ユニットの電極ずれ量より大きいことを特徴とする、請求項1〜11のいずれかに記載の電気絶縁性シートの除電装置。
- 少なくとも一つの単一の電源から、前記少なくとも4個の除電ユニットのうち、少なくとも1つの前記除電ユニットの前記第1のイオン生成電極と、前記少なくとも1つの前記除電ユニットと同数の、前記少なくとも1つの前記除電ユニットと異なる前記除電ユニットの前記第2のイオン生成電極とに、正または負の直流電圧が印加されることを特徴とする、請求項1〜12のいずれかに記載の電気絶縁性シートの除電装置。
- 前記シートの移動方向に対し、m番目(mは、1以上n以下の整数)の前記除電ユニットにおける前記イオン生成電極間電位差の時間的平均値をVm[kV]、前記m番目の除電ユニットの法線方向電極間距離をd1-m[mm]、前記m番目の除電ユニットにおける、前記イオン生成電極間電位差の脈動率をym[%]とした場合、
前記各除電ユニットにおいて、|Vm|/d1-m>0.26であり、かつ、
・ ym≦5、および、
(B)|Vm|<16、かつ、|Vm|/d1-m<0.35、
で示される(A)、(B)、の少なくとも1つの条件を満たすように、請求項1〜13のいずれかに記載の除電装置を動作させて電気絶縁性シートを除電する電気絶縁性シートの除電方法。 - 前記各除電ユニットにおいて、前記第1のイオン生成電極と前記第2のイオン生成電極とには、互いに逆極性の直流電圧が印加されることによって直流のイオン生成電極間電位差が付与されており、前記シートの移動方向に対し、m番目(mは、1以上n以下の整数)の前記除電ユニットにおける前記第1のイオン生成電極と前記第2のイオン生成電極に印加する前記直流電圧の時間的平均値をそれぞれV1−m[kV]、V2−m[kV]、前記m番目の除電ユニットの法線方向電極間距離をd1-m[mm]、前記m番目の除電ユニットにおける前記第1のイオン生成電極に印加する前記直流電圧の脈動率と、前記第2のイオン生成電極に印加する前記直流電圧の脈動率との平均脈動率をxm[%]とした場合、
各除電ユニットにおいて、|V1−m−V2−m|/d1-m>0.26であり、かつ、
(A)xm≦5、および、
(B)|V1−m|<8、かつ|V2−m|<8、かつ、|V1−m−V2−m|/d1-m<0.35、
で示される(A)、(B)、の少なくとも1つの条件を満たすように、請求項1〜13のいずれかに記載の除電装置を動作させて電気絶縁性シートを除電する電気絶縁性シートの除電方法。 - 前記シートの移動方向に対し、m番目(mは、1以上n以下の整数)の前記除電ユニットにおける前記イオン生成電極間電位差の時間的平均値をVm[kV]、前記m番目の除電ユニットの法線方向電極間距離をd1-m[mm]、前記m番目の除電ユニットにおける、前記イオン生成電極間電位差の脈動率をym[%]とした場合、
前記各除電ユニットにおいて、|Vm|/d1-m>0.26であり、かつ、
(A)ym≦5、および、
(B)|Vm|<16、かつ、|Vm|/d1-m<0.35、
で示される(A)、(B)、の少なくとも1つの条件を満たすように、請求項1〜13のいずれかに記載の除電装置を動作させることにより、電気絶縁性シートを製造する除電済み電気絶縁性シートの製造方法。 - 前記m番目の除電ユニットにおける、前記第1のイオン生成電極に印加する電圧と前記第2のイオン生成電極に印加する電圧との和の振れ幅が、前記m番目の除電ユニットにおける、前記イオン生成電極間電位差の時間的平均値の絶対値の0.05倍以上、0.975倍以下であることを特徴とする、請求項16に記載の除電済み電気絶縁性シートの製造方法。
- 前記各除電ユニットにおいて、前記第1のイオン生成電極と前記第2のイオン生成電極とには、互いに逆極性の直流電圧が印加されることによって直流のイオン生成電極間電位差が付与されており、前記シートの移動方向に対し、m番目(mは、1以上n以下の整数)の除電ユニットにおける前記第1のイオン生成電極と前記第2のイオン生成電極に印加する前記直流電圧の時間的平均値をそれぞれV1−m[kV]、V2−m[kV]、前記m番目の除電ユニットの法線方向電極間距離をd1-m[mm]、前記m番目の除電ユニットにおける前記第1のイオン生成電極に印加する前記直流電圧の脈動率と、前記第2のイオン生成電極に印加する前記直流電圧の脈動率との平均脈動率をxm[%]とした場合、
各除電ユニットにおいて|V1−m−V2−m|/d1-m>0.26であり、かつ、
(A)xm≦5、および、
(B)|V1−m|<8、かつ|V2−m|<8、かつ、|V1−m−V2−m|/d1-m<0.35、
で示される(A)、(B)、の少なくとも1つの条件を満たすように、請求項1〜13のいずれかに記載の除電装置を動作させることにより、電気絶縁性シートを製造する除電済み電気絶縁性シートの製造方法。
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