JP2015207478A - 電気絶縁性シートの除電装置ならびに電気絶縁シートの除電方法 - Google Patents

電気絶縁性シートの除電装置ならびに電気絶縁シートの除電方法 Download PDF

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【課題】電気絶縁性シートの各面が、正あるいは負に逆極性に帯電し、かつ、各面が均一な帯電となっている電気絶縁性シートの除電装置及び除電方法を提供する。【解決手段】電気絶縁性シートSを移動させながら、このシートに、第1の面の側から、周期的に極性が反転する単一極性EUdの第1のイオンを照射し、第2の面の側から、第1のイオンと実質的に逆極性の、周期的に極性が反転する単一極性EUfの第2のイオンを、第1のイオンと同時に照射し、シートの移動方向の各部が、第1および第2のイオンが照射される領域を通過する間に、第1のイオンおよび第2のイオンの極性が1回以上反転するように、第1のイオンおよび第2のイオンの極性を反転させ、第1のイオンおよび/または第2のイオンの、極性が反転する一周期の間に、照射される正極性のイオンの総量と、負極性のイオンの総量とに差を設ける。【選択図】図1

Description

本発明は、電気絶縁性シートの除電装置ならびに除電方法に関する。さらに、本発明は電気絶縁性シートの製造方法に関する。
近年、電気絶縁性シート、たとえば、ポリオレフィンやポリエステルフィルムは耐熱性、耐薬品性、機械的特性において優れた特性を有することから、電気絶縁材料、各種工程紙材料、透明光学材料として多くの用途に用いられている。また、電気絶縁性シートに微小な空孔を含むように網目構造に形成した微多孔膜と呼ばれる電気絶縁性シートがある。
微多孔膜は、種々の分離膜や隔離膜として広く用いられており、具体的用途としては、ろ過膜、透析膜などのフィルターの他、電池やコンデンサー用のセパレータが挙げられる。なかでも、ポリオレフィン微多孔膜は燃料電池や二次電池のセパレータとして広く用いられている。
このような微多孔膜は、連続的に製膜された後、コアに巻かれた捲回体として供給される。電池メーカー等のユーザーではこの微多孔膜捲回体から微多孔膜を巻き出し、正電極と負電極とを交互に挟んで積層し2次電池に加工する。しかしながら、微多孔膜が静電気によって帯電していると、静電気の影響で加工工程でのハンドリング不良や巻き不良の発生が発生しやすい。特に、微多孔膜を巻出した際、微多孔膜は空孔を有するためシートの腰がなく、静電気のクーロン力でシートの折れ曲がりが発生しやすい。また、微多孔膜やポリエステルフィルムは、巻き出した手を離すと微多孔膜が微多孔膜捲回体に引き戻されるなど、作業性が低下するといった不具合の懸念がある。
さらに、ポリオレフィン微多孔膜はその製造工程の摩擦帯電によって、表面と裏面がちょうど逆極性に強く帯電することがあり、微多孔膜捲回体は微多孔膜が何重にも重なった電気二重層を形成し、巻き出しが進むにつれて段々と捲回体リールの電位が高くなり放電が発生するなどの静電気の不都合が起こりやすい(特許文献1)。
特許文献2(対向除電基本)、特許文献3(上書き除電)には、電気絶縁性シートに発生する正電荷と負電荷が混在する帯電模様を除電する除電装置と除電方法が提案されている。特許文献2と特許文献3では、一般に知られているコロナ放電を利用した除電器を、電気絶縁性シートを挟んで対向配置し、各イオン生成電極に互いに逆極性の高電圧を印加して、イオン生成電極からコロナ放電を発生させて、正と負のイオンを同時に強制的に照射することで帯電模様を除去する技術が開示されている。図9を用いて特許文献2の技術を説明する。
電気絶縁性シートSは、搬送ロール5に架け渡され、矢印の方向に走行する。除電装置11は、シートSを挟んで針電極が対向した状態で配置されており、イオンを生成するシートS上側の電極ユニットEudと下側の電極ユニットEufからなる除電ユニットSUが複数個(1〜n個の自然数)配列されている。電極ユニットEudと下側の電極ユニットEufのイオン生成電極には、互いに時間的に極性が変化する逆極性の高電圧を印加する。高圧電源1c、1dは、商用周波数の交流信号を、昇圧トランスで高電圧に増幅している。イオン生成電極は、交流周波数に従い、正と負のイオンを時間的に交互に生成し、シートSを挟んで対向した逆極性の針電極と形成する外部電界の作用を受け、正あるいは負のイオンをシートSの両面に同時に強制的に照射している。これにより、電気絶縁性シートSの両面には、正と負のイオンがそれぞれ少なくとも1回以上繰り返し照射され、電気絶縁性シートSの静電荷に逆極性のイオンを付与し中和することで除電する。
特開2013−139340号公報 特許4617757号公報 特許4617889号公報
特許文献1の技術は、微多孔膜捲回体を巻き出したリール電位を上昇させないように、捲回体のリールの内部を含む少なくとも一部に導電性部材有するコアを用いて電位を抑制する技術であり、微多孔膜の表面と裏面の正あるいは負の帯電を減少させるものではない。すなわち、微多孔膜の表面と裏面に存在する静電苛を中和し除電する技術ではなかった。
一方、表裏が互いに逆極性の電気絶縁性シートの帯電は、針電極に高電圧を印加した通常のコロナ放電式の除電器では除電できない。その理由は、電気絶縁性シートSの表面と裏面の正電荷と負電荷の間で電界が閉じてしまうため、外部に電界が出にくく、除電器が生成したイオンが電気絶縁性シートSに十分に引き寄せられないためである。そのため、特許文献2あるいは特許文献3の技術が開示されたが、本発明者らの知見によると、特許文献2の技術も、電気絶縁性シートの表面と裏面が互いに逆極性に帯電した状態で、かつ、各面の帯電が均一である場合には除電ができないという問題があった。この理由を、特許文献2の除電の原理とその除電可能な帯電状態とを、図10、11を用いて説明する。
図11の通り、除電ユニットSU1(数字の1は第1番目を示す)は、対向した電極ユニットEUd−1、EUf−1に高電圧を印加する交流高圧電源1c、1dが電気的に接続されている。交流高圧電源1c、1dの電圧印加状態が図11中6,7で示されている。横軸は時間で、縦軸は印加電圧で、印加電圧は実効値で3kV以上8kV以下の商用周波数の交流信号を印加している。6、7に示す通り、対向した電極ユニットEUd−1とEUf−1は位相が180度ずれた逆極性となっている。これにより、正あるいは負のイオンを時間的に変化させながら生成する。図11は、6、7の電圧印加状態の点線部、つまり、上側の電極ユニットEUd−1の印加電圧が正のピーク、下側の電極ユニットEUf−1の印加電圧が負のピークとなるときのイオン生成と除電方法を示したものである。
イオンはそれぞれのイオン生成電極にて上側で正イオン301、下側で負イオン302を生成し、同極性のイオン同士の反発により針先から拡散し始める。この際、対向した電極間にかかる電気力線500による外部電界が正イオン301と負イオン302を加速し、この外部電界に沿って強制的にイオンが照射される。そのため、正イオン301と負イオン302はフィルム近傍まで強制的に照射され、その後、各面の近傍まで到達できた正あるいは負のイオンが、各面に存在する局所電界700に引かれて選択的(あるいは排他的)に付着し静電荷101、102、201、202を中和する原理である。このイオン生成電極が対向した除電空間において、電気絶縁性シートSはほぼ中央に位置し、その位置での外部電界はほぼ0Vとなっている。つまり、外部電界が0Vの状態であるので、各面の正あるいは負の静電荷によって形成される局所的な電界700が最終的に除電イオンを引き寄せるため中和し除電がなされる。なお、時間的に変化するイオン生成電極の印加電圧では、上側と下側のイオンの極性が反転するか、あるいはゼロの状態はあるが、いずれの場合にも電気絶縁性シートSの近傍の外部電界はほぼ0Vとなっている。
ここで、本発明者らの知見によると、本技術で除電可能な電気絶縁性シートSの帯電状態は図10a、図10bの状態であると考えられる。図10aは、電気絶縁性シートSの上面側に位置する100の面、反対面の200の面において、それぞれ正あるいは負の静電荷101と102、201、と202が混在しており、その200の面の静電荷[C/m]の分布状態8は、正、0、負に変化し、静電荷による電位差が発生し微小空間に電界を形成した状態である。図10bにおいても、200の面の静電荷[C/m]の分布状態8は正と0で静電荷による電位差が発生し微小空間に電界を形成した状態である。すなわち、各面が0の状態と正あるいは負の帯電が混在した状態でなければ、上述した正あるいは負のイオンが選択的(あるいは排他的)に付着し中和除電することができない。
しかしながら、図3で示す帯電状態の場合には、100の面が負の静電界102に、200の面が正の静電荷にと片側のみの極性になっており、全面が同じ極性でかつ均一に帯電している。この場合、100、200の全面に亘り均一な電位となっており、電位差がなく電界が一定である。
このため、各面近傍に強制的に照射された正あるいは負のイオンが各面の正あるいは負の均一帯電に十分に引き寄せないため帯電を中和できないと判った。図12はこの状態を説明する図である。除電方法の動作は図11と同様であるが、電気絶縁性シートSの帯電状態は図3のものである。この場合、外部電界に沿って強制的に照射された上側の正イオン301と下側の負イオン302は、フィルム近傍の局所電界700がないことと、この付近での外部電界もほぼ0Vであるため、イオンはフィルムにそのまま付着するが、電極ユニットEUd−1、EUf−1には時間的に正と負が交互に繰り返し印加されているので、上側の正イオン301の直後には負のイオンが照射され、下側には、同様に、負イオン302の直後に正のイオンが照射されている。そのため、正と負のイオンは逆極性のイオンと再結合するため、各面100と200が均一に帯電した状態の静電荷102、201に、中和するための片極性に偏った除電イオンを十分与えることができなかった。すなわち、特許文献1の技術で電気絶縁性シートの表面と裏面が互いに逆極性に均一に帯電した状態のフィルムを除電し、各面の静電荷をゼロあるいはゼロ付近に小さくすることができないでいた。
特許文献2の技術では、各面に強制的に正または負のイオンを多量に照射し、正と負の混在した帯電を塗りつぶすように均一な強い帯電に変化させることで、正と負の混在を解消する技術が開示されている。たとえば、除電後の静電荷量は、700uC/m〜2000uC/mに達し、ゼロとなることはなかった。コロナ放電で生成した正または負のイオンで、電気絶縁性シートSに帯電した静電荷が周囲と同じレベルに飽和するほど強く帯電させるには、対向するイオン生成電極に印加する電圧は時間的に極性が反転しない直流の高電圧を印加して、各イオン生成電極で連続的に生成した単一極性のイオンを用いていた。このため、付着するイオンが単一極性で大きいため、イオン量の制御と調整が困難で、電気絶縁性シートに過剰なイオンを付着させ、かえって逆極性帯電を発生させる場合があった。
そこで本発明が解決しようとする課題は、電気絶縁性シートの各面が正あるいは負に逆極性に帯電し、かつ、各面が均一な帯電となっている電気絶縁性シートの除電方法を提供することにある。これにより、電気絶縁性シート、特に、微多孔膜の巻き出し時に、シートの折れ曲がりや静電気によるハンドリング性の低下が抑えられたシートを提供することにある。
本発明は、かかる問題を解決するために、主として以下の構成からなる。
すなわち、電気絶縁性シートの移動経路に対し、このシートの移動方向に間隔をおいて設けられた少なくとも2個の除電ユニットを有し、前記除電ユニットは、前記シートを挟んで対向して配置された第1の電極ユニットと第2の電極ユニットを有し、前記第1の電極ユニットは、第1のイオン生成電極とこの第1のイオン生成電極の先端近傍に開口部を有する第1のシールド電極とを有し、前記第2の電極ユニットは、第2のイオン生成電極とこの第2のイオン生成電極の先端近傍に開口部を有する第2のシールド電極とを有し、 前記第1のイオン生成電極に印加される電圧と前記第2のイオン生成電極に印加される電圧とが、互いに実質的に逆極性の交流電圧を印加する交流電源を備え、かつ、前記第1のイオン生成電極および/または前記第2のイオン生成電極に印加される交流電圧の正と負のピーク電圧値(絶対値)に差を付加する直流電源を前記交流電源に備えた、電気絶縁性シートの除電装置であることを特徴とする。
また、前記直流電源が、時間的に変化する交流電圧の実効値の20%以内の直流電圧を供給する、請求項1の電気絶縁性シートの除電装置であることを特徴とする。
さらに、電気絶縁性シートを移動させながら、このシートに、このシートの第1の面の側から、周期的に極性が反転する単一極性の第1のイオンを照射し、前記シートの第2の面の側から、前記第1のイオンと実質的に逆極性の周期的に極性が反転する単一極性の第2のイオンを、前記第1のイオンと同時に照射する電気絶縁性シートの除電方法であって、前記シートの移動方向の各部が前記第1および前記第2のイオンが照射される領域を通過する間に、前記第1のイオンおよび前記第2のイオンの極性が1回以上反転するように、前記第1のイオンおよび前記第2のイオンの極性を反転させ、第1のイオンの極性が反転する一周期の間に照射される正極性の第1イオンの総量と負極性の第1イオンの総量とに差を設ける、および/または、第2のイオンの極性が反転する一周期の間に照射される正極性の第2イオンの総量と負極性の第2イオンの総量とに差を設け、このイオンの総量の差による比率が正極性イオンの総量:負極性イオンの総量=1.05:0.95〜1.2:0.8の範囲、又は、正極性イオンの総量:負極性イオンの総量=0.95:1.05〜0.8:1.2の範囲である、電気絶縁性シートの除電方法であることを特徴とする。
電気絶縁性シートの各面が正あるいは負に逆極性に帯電し、かつ、各面が均一な帯電の電気絶縁性シートの除電装置ならびに除電方法を提供することにある。
電気絶縁性シートからなる微多孔膜の巻き出し時に、静電気によるハンドリング性の低下が抑えられた微多孔膜捲回体を提供することができる。
本発明の実施態様の1つである、除電装置を示す概略横断面図である。 本発明の実施態様の1つである、塗布工程の除電装置を示す概略図である。 本発明で好適に除電される、電気絶縁性シートの帯電状態を示す概略断面図とその静電荷分布状態を示す図である。 本発明の実施形態の1つである、表裏が逆極性に均一に帯電した微多孔膜の静電荷の中和方法を示す図である。 本発明の実施形態の1つである、表裏が逆極性に均一に帯電した微多孔膜の静電荷の中和方法を示す図である。 本発明のイオン生成電極に印加する高圧電源の波形の1例を示す波形図である。 本発明のイオン生成電極に印加する高圧電源の波形の1例を示す波形図である。 従来技術のイオン生成電極に印加する高圧電源の波形を比較する波形図である 本発明の除電装置における除電ユニットの1例を示す、概略斜視図である。 本発明の複数の除電ユニットによる除電方法の模式図である。 本発明の1実施態様の1つで、実施例1の説明図である。 本発明の1実施態様の1つで、実施例1の説明図である。 本発明の1実施態様の1つで、実施例1の説明図である。 従来技術の除電装置の1例を示す、概略横断面図である。 電気絶縁性シートの帯電状態を示す概略断面図とその静電荷分状態を示す図である。 電気絶縁性シートの帯電状態を示す概略断面図とその静電荷分布状態を示す図である。 従来技術の除電方法の1実施態様を示す、概略図である。 従来技術の除電方法の1実施態様を示す、概略図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明が適用される電気絶縁性シートの代表的なものはプラスチックフィルムで、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリイミドフィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム、ナイロンフィルム、アラミドフィルム、ポリエチレンフィルム等がある。一般に、プラスチックフィルムは、他の材料からなるシートに比べ電気絶縁性が高い。
本発明において、「電気絶縁性シートの移動経路」とは、電気絶縁性シートが除電のために通過する空間をいう。
本発明において、「電気絶縁性シートの法線方向」とは、移動経路を移動中の電気絶縁性シートを幅方向のたるみがない平面とみなしたときのこの平面の法線方向をいう。
本発明において、「幅方向」とは、電気絶縁性シートの移動方向または除電ユニットの所定の配列方向に対して直交する方向で、電気絶縁性シートの幅に沿った方向をいう。
本発明において、「イオン生成電極」とは、高電圧の印加によるコロナ放電等によって、電極先端近傍の空気中において、イオンを生成する電極をいう。
本発明において、「シールド電極」とは、イオン生成電極近傍に配置され、イオン生成電極との間に適当な電位差を与えることで、イオン生成電極先端でのコロナ放電を補助する電極をいう。
本発明において、「イオン生成電極の先端」とは、イオン生成電極の各部のうち、イオンを生成する電界を形成する尖った先端部位である。イオン生成電極は、幅方向に所定間隔に設けられた電気絶縁性シートの法線方向に延在する針電極の列の場合は、幅方向に複数個存在する。
本発明において、「第1および第2のイオン生成電極が対向配置される」とは、第1および第2のイオン生成電極がシート移動の経路を挟んで向かい合っていて、かつ、幅方向各位置において、第1のイオン生成電極の先端から、第2のイオン生成電極の先端の位置との間に、シールド電極などの導体が存在しないことをいう。
本発明において、「イオン」とは、電子、電子を授受した原子、電荷をもった分子、分子クラスター、浮遊粒子等、さまざまな形態の電荷担体をいう。
本発明において、「電気絶縁性シートの各面が均一に帯電した状態」とは、電気絶縁性シートの第1の面と第2の面が、正または負に均一に帯電している状態をいう。均一に帯電している状態とは、各面の電荷密度が、各面の平均値から−10μC/m以上10μC/m以下の範囲になっている状態をいう。
本発明において、「表裏逆極性帯電」とは電気絶縁性シートの面内方向の位置が同じ部位が、電荷密度の絶対値は実質的に同じで、逆極性になっている状態で、同じ部位の両面の局所的な電荷密度の和が実質的にゼロになっている。この状態は、「見かけ上の無帯電」と呼び、電気絶縁性シートの面内方向の各部において、見かけ上の電荷密度が実質的にゼロ(−2μC/m以上2μC/m以下)になっている状態をいう。
このような各面の電荷密度は、以下に述べる背面平衡電位の測定結果から次のように計算される。第1の面の背面平衡電位は、第2の面に接地導体を密着させて、電荷を接地導体に誘導させ、これによって、第2の面の電位を実質的に0電位とした状態において、表面電位計の測定プローブを、第1の面との間隔が0.5mm以上2mm以下になるように、第1の面に十分近接させた状態で、測定する。反対面の第2の面は接地導体に密着させる面を反対として同じ方法で測定する。電荷密度Q[C/m]は、背面平衡電位V[V]と単位面積あたりの静電容量C[μF/m]から、Q=C・Vの関係式で求める。ここで、単位面積あたりの静電容量Cは、平行平板の単位面積あたりの静電容量C=εε/t(ただし、εは真空中の誘電率:8.854×10−12[F/m]、εはフィルムの比誘電率、tは厚み[m])により求められる。比誘電率は、ポリエチレンからなる微多孔膜では空孔率を考慮して1.5とした。なお、表面電位計の測定プローブとしては、測定開口部直径が、2mm以下の微小なものが用いられる。このようなプローブとして、例えば、モンロー社製プローブ、1017(開口部直径:1.75mm)や1017EH(開口部直径:0.5mm)がある。
第1の面の電荷密度の分布状態は、背面(第2の面)に接地導体を密着させた状態のシートを、XYステージなどの位置調整可能な移動手段を用いて、低速(5mm/秒程度)で移動させながら、背面平衡電位を順次測定し、得られたデータを、1次元もしくは2次元的にマッピングすることによって得られる。なお、本発明において、各電位は、特に断らない限り、接地点からの電位である。
本発明において、見かけ上の電荷密度とは、第1の面と第2の面の電荷密度の和であって、シートの面内方向の各部位においてゼロである場合、シートは見かけ上の無帯電状態にあるように見え、非ゼロである場合、シートは見かけ上の帯電状態にあるように見える。図3に示すように、シートSの第1の面100に負の静電荷102のみが、第2の面200に正の静電荷201のみが存在し、各面内に亘り、等量の電荷密度、すなわち、各部位の電荷密度の和が実質的にゼロとなっている状態を、表裏が逆極性に帯電し、かつ、各面が均一な帯電状態と呼ぶ。
本発明において、第1の除電ユニットの「電極ずれ量d−1」とは、第1のイオン生成電極5d−1の先端とこれに対向する第2のイオン生成電極5f−1の先端との間のシートの移動方向における間隔をいう。
本発明において、第1の除電ユニットの「法線方向電極間距離d−1」とは、第1のイオン生成電極5d−1の先端と第2のイオン生成電極5f−1の先端との間の電気絶縁性シートの法線方向における距離をいう。
本発明において、「除電ユニット間隔d−1」とは、第1の除電ユニットの、第1のイオン生成電極5d−1の先端と第2のイオン生成電極5f−1の先端とを結ぶ線分の中点5x−1と、この除電ユニットに隣接する第2の除電ユニットの、第1のイオン生成電極5d−2の先端と第2のイオン生成電極5f−2の先端とを結ぶ線分の中点5x−2との間のシートの移動方向における間隔をいう。
ここで、電気絶縁性シートの各面の電荷密度について説明する。本発明者は、空孔を有する微多孔膜の電荷密度が絶対値で10から200μC/mで、面内方向の位置が同じ部位における両面の電荷密度の和(見かけ上の電荷密度)は実質的にゼロであることを見出した。通常シートの製造工程中におけるシートの摩擦帯電が絶対値で0.1〜1μC/mにとどまるのと比較して、50から200倍程度大きな値であることが判った。この原因は、微多孔膜の表面積が大きく有効接触面積が大きくなって電荷密度が増大すること、特に、製膜工程中の洗浄工程で液体との摩擦帯電が強いことが原因である。
以下、図面を用いて本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明の1実施態様を示す。除電装置1は、1個以上の除電ユニットSU1からn番(nは自然数)を、シートSの移動経路に配列し、除電ユニットSUは電気絶縁性シートSを挟んで、第1の電極ユニットEUd−1と第2の電極ユニットEUf−1の各イオン生成電極が対向した状態となっている。移動方向の法線にシートを挟んで設置される。この説明を第1の除電ユニットSU1で行う。除電ユニットの個数nは、1個以上であるが、本発明の主旨に応じて、その数や除電ユニットの間隔が選定される。
第1の電極ユニットEUd−1と第2の電極ユニットEUf−1の各イオン生成電極は、高圧電源1a、1b、1c、1dが電気的に接続されている。ここで、高圧電源1c、1dは交流の高圧電源で、1a、1bは直流の高圧電源である。図1では、1つの交流電源の接地点を挟んだ反対極性の端子に、第1のイオン生成電極5d−1と第2のイオン生成電極5f−1とが接続されているが、図4a、図4bに例示するように、第1のイオン生成電極5d−1と第2のイオン生成電極5f−1が、それぞれ独立した電源に接続されていても良い。高圧電源1a、1bは1つの直流電源の接地点を挟んだ反対極性の端子に、第1のイオン生成電極5d−1と第2のイオン生成電極5f−1とが接続されているが、図4bに示すように、第1のイオン生成電極5d−1と第2のイオン生成電極5f−1が、それぞれ独立した直流電源に接続されていても良い。第1の電極ユニットEUd−1と第2の電極ユニットEUf−1にはそれぞれコロナ放電を補助するシールド電極を有し、シールド電極は電気的に接地されている。図6に除電ユニットSUの拡大図を示す。
電極ユニットEUd−1(1は1番目の意味)とEUf−1が対向しており、各電極ユニットはシート幅方向に延在したバー状の形態である。シート幅方向に針電極が所定の間隔d5で複数個離散的に並んでいる。針電極がイオン生成電極5d−1あるいは5f−1であり、その先端でコロナ放電によって正あるいは負のイオンを生成することができる。針電極は絶縁部材9bで固定され、針電極の近傍に第1のシールド電極4d―1、第2のシールド電極4f―1がシート幅方向に延在し、図6では、外装を兼ねる接地された金属部9がすべてシールド電極となっている。シール電極は接地されている。電極ユニットEUd−1とEUf−1が対向する面でイオン生成電極5d−1と5f−1の周囲は、イオンがシートに照射できるように開口部5h−1、5i−1を有する。対向する電極ユニット間のイオン生成電極先端の間の距離d1は20mmから50mmが好ましく用いられる。イオン生成電極先端の間の距離d1が近すぎると針電極の直下の除電が過剰になることがあるので20mm以上が好ましく、遠すぎると除電の効率が低下するので、おおむね針電極の間隔をもとに、その2.5倍から5倍の50mm以下が好ましい。各針電極の所定の間隔d5は10mmから20mmが好ましく用いられる。
次に本発明の除電イオンを生成するためのイオン生成電極への高電圧印加について説明する。コロナ放電のための交流(ここでは商用周波数)の高圧電源1c、1dからは、実効値が3から7kVの高電圧が時間的に変化するイオン生成電極へ高電圧が印加される。コロナ放電は、イオン生成電極先端の空気を部分放電させてイオンを生成する原理で、コロナ放電は尖った針電極先端に電界が集中して発生する。電界が一定値以上でなければコロナ放電が発生せず、通常、針電極であれば2.5kVから3kV以上の高電圧を印加することでコロナ放電が発生する。
この高電圧を直流電圧で実施してもコロナ放電を発生させることはできるが、その場合、正または負のイオンが連続して大量に生成されてしまう。これをシートSに強制的に照射するとかえって逆に強く帯電させてしまう可能性が高い。そこで、本発明者らは、コロナ放電を得るに十分な電圧を交流の高電圧で印加し、直流高圧電源1a、1bによって交流の高電圧に重畳させる方法が有効であることを見出した。つまり、直流高圧電源1a,1bから印加する電圧は、交流電源の実効値の20%以下に制御することで、必要な正あるいは負のイオン301と302の生成が十分かつ必要量制御できるのである。通常、除電器では、交流の高圧印加に直流の高電圧を重畳すると、正と負のイオンバランスが悪化し逆にシートを帯電させてしまうため実施することはない。本発明の除電装置は、シートを挟んで対向した除電ユニットSUを用いて同時に逆極性のイオンをシートSの両面に強制的に照射するもので、正と負のイオンバランスの不具合を修正でき、シートの表裏が逆極性にかつ均一に帯電した状態を除電する手段として制御可能であることを見出した。なお、直流電圧にリップルとして5%程度の交流電圧を重畳させる技術は知られているが、目的は電源を安定化するためであること、効果としては直流電源を用いた場合と同じく、正あるいは負のイオン量が多量になってしまい過剰な帯電を付与して逆に帯電させてしまいシートの静電荷をゼロに除電することはできない。
図2は、図1の除電装置1を塗布工程に用いた1実施態様である。図2では、ダイヘッドコーターを用いた塗布工程概略図である。図2において、シートSは、シートSがロール状に巻き上げられたシートロール体21から連続して引き出され、コーティング部22に至る。コーティング部22には、バックアップロール、および、ダイヘッドが設けられている。ダイヘッドから吐出されるコーティング液がシートSに塗布されたのち、乾燥オーブン23で、コーティング液の溶媒が蒸発し乾燥される。コーティング済みのシートSは、巻取部でロール状に巻き取られ、コーティング済みシートロール体25となる。ここで、除電装置1は、シートロール体21から巻き出された後塗布する前に配置される。除電装置1は、搬送ロール5で架け渡されたシートSを挟んで対向した状態となっている。除電装置1を制御する高圧電源を含む制御盤は、シートが搬送されるラインの横手にあって、高圧ケーブル3で上下の電極ユニットのイオン生成電極と電気的に接続されている。
次に、図4aと図4b、図5a、図5b、図5cを用いて本発明の除電方法を説明する。
図4aで、除電ユニットSU1(数字の1は第1番目を示す)は、対向した電極ユニットEUd−1に高電圧を印加する交流高圧電源1cと直流高圧電源1aが電気的に直接に接続されている。電極ユニットEUf−1には高電圧を印加する交流高圧電源1dのみが接続されている。2つの高圧電源からの電圧印加状態が図4a中6,7で示される。横軸は時間で、縦軸は印加電圧の値である。図4a中6、7に示す通り、対向した電極ユニットEUd−1とEUf−1に印加される高電圧は、位相が180度ずれた逆極性で、かつ、電極ユニットEUd−1には正の直流電圧が重畳している。この高電圧の印加状態を図5aに示す。図5aの直流成分は0.1kVから0.8kVが好ましく、正電位か負電位かはシートSの帯電状態から選定する。
シートSの帯電状態が第1のイオン生成電極5d−1を含む第1の電極ユニットEUd−1側の面が負に均一に帯電している場合には、正のイオン301を多く照射できるように、第1のイオン生成電極5d−1に正の直流成分を重畳する。なお、本除電装置でシートSを除電する目的で付与されるイオンの極性と付着量は、第1のイオン生成電極5dと第2のイオン生成電極5fに印加される高電圧の電位差によって決まる。たとえば、同じ振幅の交流波形に直流成分を重畳させる場合であって、第1のイオン生成電極5dが第2のイオン生成電極の印加電圧より正のピーク電圧が絶対値で大きく、負のピーク電圧が絶対値で小さいとき、第1のイオン生成電極5dのシート第1の面には正のイオン301が、第2のイオン生成電極5fのシート第2の面には負のイオン302が付着し除電がなされる。逆に第1のイオン生成電極5dが第2のイオン生成電極の印加電圧より正のピーク電圧が絶対値で小さく、負のピーク電圧が絶対値で大きいとき、第1のイオン生成電極5dのシート第1の面には負のイオン302が、第2のイオン生成電極5fのシート第2の面には正のイオン301が付着し除電がなされる。このため、第1のイオン生成電極に単独に直流成分のいずれの極性を印加しても良いし、第1と第2のイオン生成電極の両方に直流成分のいずれの極性を印加しても良い。図4aでは第1のイオン生成電極5dに正直流成分を乗せた際の実施態様を、図4bには第1のイオン生成電極5dと第2のイオン生成電極5fに、正と負の互いに反対極性の直流電圧を重畳する場合を示す。
正あるいは負のイオンを時間的に変化させながら生成しているが、図4aの6、7の電圧印加状態の点線部、つまり、第1のイオン生成電極5dの印加電圧が正のピーク、第2のイオン生成電極5fの印加電圧が負のピークとなるときのイオン生成と除電の作用を示している。このとき、電極ユニットEUd−1とEUf−1の間の除電空間は時間的に先行するイオンが負、正の順番に交互となっている。イオンはそれぞれのイオン生成電極にて正イオン301、負イオン302を生成し、同極性のイオン同士の反発により針先から拡散し始める。この際、対向した電極間にかかる電気力線500による外部電界が正イオン301と負イオン302を加速し、この外部電界に沿って強制的にイオンが照射される。正イオン301と負イオン302はフィルム近傍まで強制的に照射され、このイオン生成電極が対向した除電空間において、電気絶縁性シートSはほぼ中央に位置し、その位置での外部電界は正電位となっているため、正のイオン301は加速されたままシートSに付着する。そして、電極ユニットEUd−1、EUf−1には時間的に正と負が交互に繰り返し印加されていても、図5aに示す通り、正イオン301の直後に照射される負のイオンは、正のイオン量よりも少なくなっており、最終的に、第1の面100に正のイオン301を負のイオンより多く付着させる除電が成立する。なお、図5aは、イオン生成電極に印加する電圧(2周期分)を示し、実線が第1のイオン生成電極、1点点線が第2のイオン生成電極である。コロナ放電でのイオン生成量は一定値以上の値の場合であるが、図5aを見ると、1周期あたりに生成される正と負のイオンの量は、第1のイオン生成電極(実線)は正に偏っている。図5bでは、第1のイオン生成電極(実線)が正に偏り、かつ、第2のイオン生成電極(点線)は負に偏ることが判る。比較のため、図5cには直流を重畳しない従来技術である。1周期分の正と負のイオン量に偏りはなく等量となっている。
ここで、交流電圧の1周期分の照射が可能なシート移動速度の範囲を考える。25mmの距離で4kV印加した際の対向するイオン生成電極からのイオンの広がりは、実験の結果、針電極の直下を中心に15mmφ程度である。このことから、たとえば、周波数60Hzの1周期に相当する0.167秒のシート搬送方向の移動距離が15mm以内であれば交流1周期が照射できることになる。計算すると、54m/分以下の速度範囲が条件を満たすことになる。さらに高速に対応するには、イオンの広がりを大きくすることであるが、距離や印加電圧、周波数を選定すればよい。
図4bは、時間的に変化するイオン生成電極の交流印加電圧が逆極性で、第1のイオン生成電極に正の直流電圧を、第2のイオン生成電極に負の直流電圧を重畳している。この状態は、図4bの6,7に電圧の信号波形を、図5bに第1と第2のイオン生成電極に印加した高電圧の印加状態を示す。イオンの極性が反転するか、あるいはゼロの状態はあるが、いずれの場合にも電気絶縁性シートSの近傍の外部電界はほぼ0Vとなっている。この場合でも、電極ユニットEUd−1、EUf−1には時間的に正と負が交互に繰り返し印加されていても、第1の面に照射されるイオン量を考えると、正イオン301の直後に照射される負のイオンは、正のイオン量よりも少なくなっており、最終的に、第1の面100に正のイオン301を負のイオンより多く付着させる除電が成立する。第2の面については、第1の面の逆極性のイオンを多く付着させる除電が成立する。
交流成分と直流成分の割合であるが、直流成分が過剰の場合、第1の面100には、負のイオンに比べて正のイオンが非常に多く照射され付着し、第2の面200には、正イオンに比べて負イオンが非常に多く照射されて付着することになる。すなわち、フィルムSの第1の面100全体が正に、第2の面200全体が負に帯電することになる。直流成分が不足した場合には、上述のように均一な帯電を除電することができない。発明者らの実験の結果、交流実効値4kV(ピーク電圧5.6kV)に対し、0.2kVから0.8kVが制御可能な直流成分であった。このことから、交流実効値に対し、5%以上20%以内の直流成分が適しているとわかった。イオン生成電極から生成されるイオンの量は、イオン生成電極に印加される交流実効値の大きさと相関がある。例えば、イオン生成電極に正の直流電圧を交流実効値に対して5%の大きさで重畳すると、交流1周期分の間にイオン生成電極から生成される正イオンの総量と負イオンの総量との相対比率は、正イオン:負イオン=1.05:0.95となる。同様にして正の直流電圧を20%の大きさで重畳すると、正イオン:負イオン=1.2:0.8となる。つまり、イオン生成電極に重畳する正の直流電圧を交流実効値に対して5%〜20%の大きさで変化させると、直流電圧の大きさに応じて、交流1周期分の間にイオン生成電極から生成される正イオンの総量と負イオンの総量との相対比率を、正イオン:負イオン=1.05:0.95〜1.2:0.8で変化させることができる。同様にして、イオン生成電極に重畳する負の直流電圧を交流実効値に対して5%〜20%の大きさで変化させると、直流電圧の大きさに応じて、交流1周期分の間にイオン生成電極から生成される正イオンの総量と負イオンの総量との相対比率を、正イオン:負イオン=0.95:1.05〜0.8:1.2で変化させることができる。
交流の実効値の上限は、第1および第2のイオン生成電極5d−kと、5f−kとを対向配置する除電器においては、8kV以下が適する。第1および第2のイオン生成電極の印加電圧を10kV以上に上昇させると、第1のイオン生成電極5d−kと第2のイオン生成電極5f−kとの間の電位差が20kV以上となり、火花放電が生じることがある。
シールド電極の役割は、イオン生成電極でのイオン生成を補助する目的であるが、距離が近すぎるとイオン生成電極とシールド電極の間で火花放電が発生しやすく、遠すぎると補助の役目をなさない。イオン生成電極とシールド電極との距離は、好ましくは5mm以上20mm以下程度、より好ましくは、10mm以上15mm以下程度である。交流電電源の周波数は、30Hz以上80Hz以下程度が好ましい。特に、商用周波数50Hzまたは60Hzが好ましく用いられる。
除電ユニットの数は、除電前のフィルムSの電荷密度と除電ユニット1つ当たりのイオン照射量とで決まる。イオン照射量が除電前の電荷密度に比べて多ければ、原理的には1つの除電ユニットだけでも除電できる。電荷密度が大きい場合は繰り返し照射して、電荷を重畳させるこが必要であるため複数の除電ユニットを電気絶縁性シートの搬送方向に配列する。
以上のように、表裏が逆極性に帯電した状態で、かつ、各面が均一な電位に帯電したシートを除電する装置は、交流の高圧電源に直流成分として交流実効値の5%以上20%以下の直流電位差を対向するイオン生成電極間に与え、少なくとも交流の1周期以上を照射して、2個以上の複数の除電ユニットをシート移動方向に配列した除電装置である。この除電装置を用いて、シートSの帯電量に応じて、交流成分印加電圧、除電に必要な直流の電位差、電極の本数を設計し除電することで、表裏が逆極性に帯電した状態で、かつ、各面が均一な電位に帯電したシートSを、表裏面ともゼロにすることができる。本除電方法において正または負の逆極性イオンが積極的にシートに付着する原理は、次の2つである。(1)シートが搬送するイオン生成電極間の中点近傍でも直流電位差による電位(正または負)であって、イオンはそのまま加速した状態で付着する。(2)直流の電位差を交流信号に重畳し、1周期あたりの正と負のイオン発生量と照射量に偏りを生じさせ、シートの静電荷に対し中和作用を持つ正あるいは負イオンが均一に付着する。なお、どちらか1つが満足できれば除電効果は得られる。
フィルムSと第1のイオン生成電極との距離と、フィルムSと第2のイオン生成電極との距離が同じ場合を考えたが、フィルムSと第1のイオン生成電極との距離と、フィルムSと第2のイオン生成電極との距離の比が、2:1程度までずれていても問題ない。
第1のイオン生成電極5d−1と第2のイオン生成電極5f−1の個体差、イオン生成能力差などによるばらつきがある場合について考える。仮に、第2のイオン生成電極5f−1により生成される負イオン302の量が、第1のイオン生成電極5d−1により生成される正イオン301の量より多いとする。フィルムSの第2の面200に、負イオン302が多く照射され、フィルムSに負イオン302が過剰に付着すると、この過剰に付着した負イオン302によるクーロン力701によって、第2の面200への負イオン302の付着が抑制され、第1の面100への正イオン301の付着が促進される。これにより、過剰な負イオン302の付着は、速やかに解消され、フィルムSの第1の面100と第2の面200との正負の電荷密度は、等量で逆極性となる。フィルムSの見かけ上の電荷密度は、ほぼゼロとなる。第1のイオン生成電極5d−1と、第2のイオン生成電極5f−1とのイオン生成能力およびイオン照射能力の差が、50%以上200%以下の程度バラツキがあっても、フィルムSの見かけ上の帯電は、ほぼゼロで保たれる。
本発明の除電方法によると、第1の面と第2の面に付着する正あるは負のイオン量を適切に制御することが必要になる。図7は、複数の除電ユニット、ここでは4個を用いた際の除電状態を示している。図中シートは矢印の方向に搬送されながら、除電装置1を通過する。シートSは、第1の面100は負の静電荷102で均一に帯電しており、第2の面200は正の静電荷201で均一に帯電している、表裏逆極性かつ均一帯電状態である。除電ユニットSU1の第1の電極ユニットEUd−1で生成されたイオンは、第1と第2のイオン生成電極が形成した外部電界(電気力線500で示す)に沿って、イオンがシートSへ強制的に照射される。このとき、第1の面の高圧電源には直流成分が重畳されており、第1の面に正のイオンを、第2の面に負のイオンを均一に付与する。これによりシートSの一部の静電荷が中和される。引き続き、除電ユニットSU2でも同様の作用によりシートSの一部の静電荷が中和され、これを繰り返すことでシートSの正と負の静電荷は中和し除電される。この段階でゼロになる際に除電を停止しない場合、除電ユニットSu4(図7の第4番目の除電ユニット)に示す通り、シートSを逆に帯電させてしまう。これにより除電装置1を通過したシートSは、第1の面に正、第2の面に負の表裏が逆極性に等量帯電した状態となる。この状態は過除電である。このように、本発明の除電装置は除電条件によって制御することが必要であり、通常、本発明の除電装置の上流と下流のいずれにも、あるいは、上流または下流のいずれかでシートSの帯電状態を測定して直流成分の重畳量(つまり直流電圧のオフセット電位)を決定する。上流と下流での帯電状態の測定は、シートSが搬送状態でも停止状態でもかまわない。以下実施例に基づき除電方法を詳細に説明する。
以下実施例で除電装置ならびに除電方法を詳細に説明する。測定方法は以下の通りである。
[電気絶縁性シートの第1の面および第2の面の電荷密度の測定方法]
シートSの第1の面の電荷密度は背面平衡電位の測定から計算により求めた。背面平衡電位は、第2の面を接地したハードクロム金属ロールに密着させながら、第1の面から1mmの距離で表面電位を測定した。表面電位計には、model244と1017EH(モンロー社製)を用いた。シートの電荷密度Q[C/m]の換算は、背面平衡電位V[V]と単位面積あたりの静電容量C[μF/m]から、Q=C・Vの関係式で求める。単位面積あたりの静電容量Cは、平行平板の単位面積あたりの静電容量C=εε/t(ただし、εは真空中の誘電率:8.854×10−12[F/m]、εはフィルムの比誘電率、tは厚み[m])で、比誘電率は1.5とした。第1の面の電荷密度の分布状態は、1軸ステージで低速(5mm/秒)で移動させながら、背面平衡電位[V]を順次測定し、得られたデータをマッピングした。
[トナーによる帯電の可視化方法]
シートSを空中に把持して、紛体のトナーを振り掛け、その付着状態を以下の通り評価した。
良好:シートにトナーが付着しない
不良:トナーが付着する。
[実施例1]
以下に、電気絶縁性シートとしてポリオレフィン微多孔膜を用いた実施例1を示す。ポリエチレン微多孔膜は次のように製膜した。ポリオレフィンの質量平均分子量(Mw)が1×10〜5×10でのポリエチレン(PE)を主成分として、超高分子量ポリエチレン、高密度ポリエチレンを数%含んだ原料を用いた。
微多孔膜の製造方法は、PEにリキッドパラフィン(LP)を溶融混練しダイリップより押し出した後、冷却して厚さ750umのゲル状成形物を形成した。ゲル状成形物を二軸延伸したあと、LPを除去し、さらに、乾燥した膜を再び一軸延伸した。その後、ワインダーで巻き取りミルロールを得た。ミルロールは1次スリット2次スリットを経て所定のシート幅に裁断され製品リールとした。シート表面と裏面の電荷密度は低い方が好ましいが、製造工程上、電荷密度を小さく抑制し制御することは難しい。
微多孔膜の表面を第1の面と呼び、裏面を第2の面と呼ぶことにする。得られた微多孔膜は図3に示すように、第1の面100が負に帯電し、第2の面200が正に帯電し、第1の面と第2の面がほぼ同じ電荷密度であった。第1の面と第2の面が逆極性に帯電する過程は、第1の面が負に帯電した状態で、第2の面側から逆極性のイオンを与えて中和し、第2の面を正の逆極性の電荷を付与したことによって形成されたものである。なお、表裏面が等量でない場合には、そのアンバランス分が等量になるまで製膜工程やスリッターに配置された通常の針式除電器で除電されている。
第1の面の電荷密度と第2の面の電荷密度の測定結果を図8aに示す。実線が第1の面の面、点線が第2の面で、第1の面の電荷密度は+45uC/m±5uC/mであった。第2の面の電荷密度は−45uC/m±5uC/mであった。表裏が逆極性に帯電し、かつ、面内が均一な状態となっていることを確認した。この電荷密度を除電する除電装置を次に示す。
図1に示される除電装置を、図2のシートロール体21を巻出した後、金属ロールを2本通過した後、本発明の除電装置を用いて除電した。電気絶縁性シートSとして、幅900mm、厚さ12μmの2軸延伸されたPE系微多孔膜(東レバッテリーセパレーター株式会社製)を用いた。フィルムSを速度30m/分で搬送させながら、除電を行った。
除電装置1は、図6に示される針電極列を備えた除電ユニットを使用した。この針の幅方向の間隔dは、12.7mmであった。この第1および第2の電極ユニットを、フィルムSの移動方向に対して直交するように、かつ、フィルムSの面と平行になるように、フィルムSを挟んで、上下に設置した。第1および第2の電極ユニットにおいて、針の先端の幅方向位置はそれぞれ同じとした。除電ユニットの総数nは6とした。除電装置の設定は以下の通りである。
・電極ユニットの構成:SS50(シムコジャパン) 長さ1.2m長
・イオン生成電極間距離d1:30mm
・法線方向シールド電極間距離:32mm
・開口幅:5mm
・隣接する除電ユニットの間隔:針電極間の距離で35mm。全て同じ。
・シートの搬送位置:各除電ユニットにおける第1および第2のイオン生成電極間の中央を通った。イオン生成電極からの距離は各15mm
・シールド電極5g、5hは、ともに接地した。
次に、イオン生成電極への高電圧の印加方法は次の通りである。第1および第2のイオン生成電極5d、5fに接続する交流高圧電源1c、1dには、周波数60Hz、実効電圧4kVを中心に可変できる交流電源を用い、互いに位相が逆になるMPM高圧電源(シムコジャパン(株)社製)を2台組み合わせて構成した。
2台の高圧電源の印加電圧が、互いに逆極性になるように位相を制御した。各除電ユニットの第1のイオン生成電極同士は全て同相とし、各除電ユニットの第2のイオン生成電極同士も全て同相とした。直流成分の重畳は2台の電源の印加電圧波形を変更して調整した。
・入力電圧: AC100V
・消費電力: 300VA以下
・入力周波数範囲: 60Hz
・印加電圧範囲: ±3.2kV〜±4.8kV(実効値)
・非防爆仕様。
以下、シートSの帯電状態と直流成分の重畳結果について説明する。図8aには、シートSのシート幅方向の第1の面および第2の面の電荷密度の測定結果を示す。第1の面100は+45 [C/m]を中心にほぼ均一に正に帯電している。第2の面200は−45[C/m]を中心にほぼ均一に負に帯電している。第1の面と第2の面は互いに逆極性に等量帯電した状態となっている。このシートSを除電するため、除電に先立ち除電条件を決定した。以下にその方法を説明する。
図8bは、除電装置の第1の面100の側のイオン生成電極5dに印加する電圧を示している。印加電圧は0Vを中心に正または負の電位が時間的に変化するもので周波数は60Hzであった。図8bおいて、逆位相となっているもうひとつの実線が、第2の面200の側のイオン生成電極5fに印加した電圧を示す。図8bの2つの実線は、正あるいは負の直流成分の重畳がない場合であって、交流印加のみを対向させたイオン生成電極に印加し、生成したイオンをシートSに強制的に照射する構成である。図8bの点線は、第2の面200側のイオン生成電極5fに、交流実効値4kVに正の直流成分をオフセットした。印加電圧の最大値(すなわち正の極大値)はほぼ同じであるが、最低値(負の極小値)がプラスにオフセットされている。図8bでは直流成分を+0.5kV印加した。図8bの1点点線は、第2の面200側のイオン生成電極5fに、交流実効値4kVに負の直流成分をオフセットした。印加電圧の最大値(すなわち正の極大値)はほぼ同じであるが、最低値(負の極小値)がマイナスにオフセットされている。図8bでは直流成分を−0.5kV印加した。なお、第1の面100側のイオン生成電極5dには直流成分を与えておらず変化していないが、第2の面200側のイオン生成電極5fに直流成分を与えたことから、見かけ上イオン生成電極5fに与えた反対極性の電位差がかかった状態となっている。
図8cは、本除電装置を用いて除電したシートSに付着した帯電量を、上述の直流オフセット電圧に対してプロットした、「直流オフセット値」と「シートSの電荷密度[C/m]との関係図である。左側が第1の面100での関係を、右側は第2の面200での関係を示す。直流オフセット電圧と付着する帯電量との関係は、本発明の除電装置の除電条件によって決定される。実施例では、除電前のシートSは5[C/m]以内の無帯電のシートを用い、シートの搬送速度:30m/分として、直流成分のオフセット量 −0.5kVから+0.5kV(第1と第2のイオン生成電極にはそれぞれ互いに逆極性の直流成分を重畳させた)の範囲で関係式を求めた結果である。
図8cから、シートSの帯電量は直流オフセット量に比例しており、第1の面100には、+100[C/m]から−100[C/m]の面内に均一な帯電が付着することがわかった。第2の面200には、−100[C/m]から+100[C/m]の第1の面100との逆極性の帯電が均一に付着することがわかった。そこで、除電したいシートSの帯電量に応じて、この関係性を利用して除電条件を決定した。実施例では、図8aに示すとおり、除電したいシートSの電荷密度は±45[C/m]であるので、直流成分のオフセット量は、図8cより±0.35kVと求めた。第1のイオン生成電極と第2のイオン生成電極に直流印加する電圧の極性であるが、第1のイオン生成電極には、除電したいシートSの第1の面が正に帯電していたので、負のイオンを照射して中和すべく負極性の直流電圧+0.35kVとした。同様に、第2の面が負に帯電していたので、正のイオンを照射して中和すべく、正極性の直流電圧+0.35kVとした。なお、直流オフセット量は、交流実効値4kVに対して、約10%であった。
本除電条件を用いて、除電したいシートSを30m/分で走行させながら除電を行った。その結果、除電前には±45[C/m]と帯電していたが、除電後は±5[C/m]以内で全面に渡り均一で無帯電とすることができた。トナーチェックを実施したところ。トナーを振りかけてもトナーはまったく付着せず、良好であった。
本発明に係る微多孔膜捲回体は、ろ過膜、透析膜などの各種分離膜、電池やコンデンサー用のセパレータ等の各種隔離膜として利用可能である。
1、11 除電装置
1a、1b 直流高圧電源
1c、1d 交流高圧電源
4d−1 第1のシールド電極
4f−1 第2のシールド電極
5 搬送ロール
5d−1 第1のイオン生成電極
5f−1 第2のイオン生成電極
5h−1、5i−1 開口部
6、7 電圧印加状態
8 静電荷[C/m]の分布状態
9 接地された金属部
9b 絶縁部材
21、25 シートロール体
22 コーティング部
23 乾燥オーブン
32 電位計
33 捲回体
34 微多孔膜
35 除電器
100 電気絶縁性シートSの第1の面
101 電気絶縁性シートSの第1の面の正の静電荷
102 電気絶縁性シートSの第1の面の負の静電荷
200 電気絶縁性シートSの第2の面
201 電気絶縁性シートSの第1の面の正の静電荷
202 電気絶縁性シートSの第1の面の負の静電荷
301 正のイオン
302 負のイオン
500 対向した電極間にかかる電気力線
700 局所的な電界
701 クーロン力
d1 イオン生成電極先端の間の距離
d5 針電極の所定の間隔
EUd 第1の電極ユニット
EUf 第2の電極ユニット
S 電気絶縁性シート
SU 除電ユニット

Claims (3)

  1. 電気絶縁性シートの移動経路に対し、このシートの移動方向に間隔をおいて設けられた少なくとも2個の除電ユニットを有し、
    前記除電ユニットは、前記シートを挟んで対向して配置された第1の電極ユニットと第2の電極ユニットを有し、
    前記第1の電極ユニットは、第1のイオン生成電極とこの第1のイオン生成電極の先端近傍に開口部を有する第1のシールド電極とを有し、
    前記第2の電極ユニットは、第2のイオン生成電極とこの第2のイオン生成電極の先端近傍に開口部を有する第2のシールド電極とを有し、
    前記第1のイオン生成電極に印加される電圧と前記第2のイオン生成電極に印加される電圧とが、互いに実質的に逆極性の交流電圧を印加する交流電源を備え、かつ、前記第1のイオン生成電極および/または前記第2のイオン生成電極に印加される交流電圧の正と負のピーク電圧値(絶対値)に差を付加する直流電源を前記交流電源に備えた、電気絶縁性シートの除電装置。
  2. 前記直流電源が、時間的に変化する交流電圧の実効値の20%以内の直流電圧を供給する、請求項1の電気絶縁性シートの除電装置。
  3. 電気絶縁性シートを移動させながら、このシートに、このシートの第1の面の側から、周期的に極性が反転する単一極性の第1のイオンを照射し、前記シートの第2の面の側から、前記第1のイオンと実質的に逆極性の周期的に極性が反転する単一極性の第2のイオンを、前記第1のイオンと同時に照射する電気絶縁性シートの除電方法であって、
    前記シートの移動方向の各部が前記第1および前記第2のイオンが照射される領域を通過する間に、前記第1のイオンおよび前記第2のイオンの極性が1回以上反転するように、前記第1のイオンおよび前記第2のイオンの極性を反転させ、
    第1のイオンの極性が反転する一周期の間に照射される正極性の第1イオンの総量と負極性の第1イオンの総量とに差を設ける、および/または、第2のイオンの極性が反転する一周期の間に照射される正極性の第2イオンの総量と負極性の第2イオンの総量とに差を設け、このイオンの総量の差による比率が正極性イオンの総量:負極性イオンの総量=1.05:0.95〜1.2:0.8の範囲、又は、正極性イオンの総量:負極性イオンの総量=0.95:1.05〜0.8:1.2の範囲である、電気絶縁性シートの除電方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2018077952A (ja) * 2016-11-07 2018-05-17 日産自動車株式会社 電池用セパレータの除電装置
WO2022230179A1 (ja) * 2021-04-30 2022-11-03 シムコジャパン株式会社 絶縁性表面を有する立体的構造物の除電方法

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