JP2010531043A - 移動ウェブ上の帯電の修正装置及び方法 - Google Patents

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Abstract

ウェブ(42)上に存在する電界を分割することにより、移動するウェブ(42)上の電荷を中性化するための方法及び装置(40)。この電界の一部は、ウェブ(42)の一方の面に近接した、また所望により接触した接地した要素(55a、55)によって除去される。ウェブの反対面に近接して、この装置には、ウェブ(42)にイオンを供給してウェブ(42)上に残る電荷を中性化するためのイオン源(57a、57b、57c)及び、このイオン源(57a、57b、57c)とウェブ(42)との間に配置される第2の接地した要素(50a、50b、50c)が含まれる。この方法は、正味で中性化され、かつ両面又は二極性の中性化されたウェブ(42)を供給する。

Description

本開示は、ポリマーウェブなどの移動ウェブ上の電荷を中性化又は修正するための方法及び装置に関するものである。
イオンにより帯電しているウェブ(例えばポリマーウェブなど)は、ウェブ処理作業において一般的であり、そこでは、ウェブは、さまざまなローラー、バー及びその他のウェブ処理装置を通過して、またその周りを移動する。イオン帯電(すなわち静電気)は、さまざまなロール及び装置へのウェブの接触及びそこからの分離などの数多くの原因により、ウェブ上に蓄積する。
ウェブ上の帯電は、数多くのウェブの製品の品質の被害及びコーティング問題を引き起こし得る。これらの帯電は、火花の点火の危険があるばかりでなく、その後コーティングされた液体層を分裂させ、望ましくないパターンを形成することがあるため、精密コーティングの領域には非常に有害となり得る。不均一な電荷パターンばかりでなく、均一な電荷も、コーティング欠陥を生成することがある。これらの電荷パターンは、コーティング及び乾燥などのプロセス中に欠陥を引き起こす可能性がある。
例えば写真業界では、ランダムに帯電したウェブに写真コーティング材料が塗布されると、その写真コーティング材料の厚さ分布に顕著な不均一性がしばしば生じる。写真フィルムにはポリエステル系材料等のような高誘電性の高い表面抵抗を有する材料が使用されるため、互いに密接したウェブ領域にわたって、比較的高い極性並びに表面の電荷レベルのさまざまな強度及び極性を有することは、かなり一般的である。写真ポジ又はネガの構成要素としてこのようなコーティング材料の使用は、例えばしばしば、ウェブ全体にわたって少なくとも最小限の厚さのコーティングを供給し、これにより不均一な厚さ分布を補償するため、比較的厚いコーティングを使用する必要がある。これは必然的に、有効なコーティング厚さを作り出すために、比較的高価なコーティング材料の使用量が増加する結果となる。不均一に帯電したウェブにコーティングした結果、斑紋などの視覚的影響も生じる。過去の実施例としては、この不均一な電荷分布及びその不利益を許容するか、又はランダムに帯電したウェブをコーティング材料を適用する前にできる限り中性化する試みのいずれかが挙げられる。
帯電したウェブを中性化すると仮定されるさまざまな技法が知られている。
古くからの技法の1つは、米国特許第2,952,559号に記載されているもので、帯電したウェブを1対の対向する接地した圧力ローラー間に通過させ、これらの圧力ローラーは、結合した又は分極型の帯電を中性化するために、反対側のウェブ表面に対してばね力バイアスをかけ、次にそのウェブの表面の上にイオン化した空気を吹き付けて、まず表面電荷を中性化し、それから特定のウェブ表面電荷レベルをコーティング前と同等にする。
別の技法としては米国特許第3,730,753号に記載されているものがあり、これは第1極性の帯電粒子でウェブ表面を「あふれさせる(flooding)」ことにより、その表面全体を均一に帯電させ、その後、そのウェブ表面に付与された電荷を除去することにより、その表面全体を電荷のない状態にするという方法が含まれる。ウェブ表面に付加される電荷の量及び/又はウェブ表面から除去される電荷の量は、その表面上の電荷の偏差及び正味の電荷が、許容可能な低レベルまで下がるよう制御することができる。
しかしながら、その均一な電荷が、正味ゼロの電荷となるよう釣り合わせた場合であっても、精密コーティングに対する悪影響が生じる可能性がある。ウェブ上の帯電がコーティング及び/又は乾燥プロセスに悪影響を起こさないよう確実にするためには、連続的なプロセスの中でウェブを厳密に中性化するのが望ましい。これは、市販の中性化システムを用いては不可能である。
有用ではあるが問題の解決にはならない、市販の中性化システムには、次のものが挙げられる。
空気イオン化装置は、イオン化した空気の供給源である。空気は本来、イオンを含んでいる。しかしながらこのイオンの量は、静電気に敏感な機器を保護するために急速に帯電を中性化するには、多くの場合十分ではない。更に、クリーンルームにおいては空気中のイオンはHEPA及びULPAフィルタで除去されている。
静電気除去装置は、1つ以上の電極及び高圧電源からなる。静電気除去装置により、高電圧電極周囲の空気中でイオンが生成される。静電気除去装置は、例えばMKSイオンシステムズ(MKS Ion Systems)及びシムコ(Simco)(イリノイツールワークス(Illinois Tool Works)の子会社)など、さまざまな会社から市販されている。
誘導式静電気除去装置は、帯電した対象物から発散される電界に対応してイオンを発生する受動的装置である。一般的な誘導式静電気除去装置の例としては、スタティックストリング(Static String)(商標)、箔糸(tinsel)、ニードルバー及びカーボンブラシが挙げられる。
核式静電気除去装置は、空気分子の放射線照射によりイオンを生成する。多くのモデルでは、イオン対を生成するのにアルファ粒子を放出する放射性同位元素を用いて、帯電の中性化が行われる。これはしばしば核部材とも呼ばれる。
これらの中性化システムはそれぞれ、正味で中性化されたウェブを得る手段を提供する(すなわち、当初にかなり帯電していたと仮定して、一般的な静電気測定器によって計測された電界の強度が、その当初よりもかなり低くなっている)。しかしながら、正味で中性化されたこのウェブは、依然としてかなりの電荷を有することがある。
本開示は、移動するウェブのような、対象物上の表面電荷を修正する装置及び方法に関する。多くの実施形態において、本開示の装置及び方法は、正味の中性対象物を提供する。これらの実施形態では、対象物が正味で中性であるだけでなく、一般に両面中性であり、すなわち、その対象物の両面とも中性である。この対象物は分離した対象物でも、又は連続したウェブでもよい。この方法及び装置は、コロナ処理装置(例えば、ACコロナ処理装置)、ニップロール、パックロール、粘着ロール及び二極性電荷を生成するその他の装置など、静電気を生成する装置にさらされた対象物を正味で中性化するのに特に適している。得られる、正味で中性化された対象物は、上記「背景技術」の項で検討した電荷に関連する典型的な数多くの不利益なしに処理することができる。
本開示に従い、本発明の装置は、帯電した対象物から生じる電界を分割する。電界の一方の部分は、その対象物の第1面に近い、また所望により接触している接地した第1要素に向けられる。電界のもう一方の部分は、対象物の第2面に近接する、第2の接地した要素に向けられる。この装置には、第2面と、第2の接地した要素との間の領域にイオンを供給するイオン源が含まれる。いくつかの実施形態において、接地した第2要素は、イオンが通り抜けることができるよう、小孔を有する(foraminous)、有孔(apertured)である又は十分に多孔質である。典型的には、第2の接地した要素は、対象物の厚さよりも、対象物表面からの距離の10倍以下である(例えば、距離の5倍以下)。
また本開示に従って、対象物上の電荷を修正するための方法(例えば二極性の正味の中性対象物を提供するなど)が提供される。この方法には、帯電した対象物の一方の面の近くに、接地した要素を配置し、その対象物と接地した要素との間のギャップ内にイオンを導くことにより、その対象物から生じる電界を修正することが含まれる。処理ライン(ウェブ処理ラインなど)には、帯電した対象物から生じる電界を分割することにより中性化する、1つ以上のシステムを含めることができる。これら複数の中性化装置システムのいずれか又はすべてを、その対象物の一方の面上に配置することも、又は別の面上に配置することもできる。
対象物の表面を中性化するイオンは、適切なイオン源から得ることができ、このイオン源としては、所望のイオンを供給するための電源(例えばDC電源又はAC電源)に接続したワイヤ、ブレード及びその他の小半径要素が含まれる。その他のイオン源の例としては、イオン銃、イオンブロアー、アルファ線放射及びX線が挙げられる。
本発明の装置及び方法は、対象物が狭いギャップを通り抜けることが含まれる装置の上流で使用する場合に特に有用である。例えば、本発明により正味で中性化されたウェブは、例えば、ギャップ乾燥器内でタッチダウンが起こる傾向が少なくなる。
1つの特定の態様において、本開示は、表面を正味で中性化するための装置が提される。本装置は、第1側面に少なくとも近接して配置可能な接地した要素と、イオン源及び、第2側面に近接して配置可能な第2の接地した要素と、を含み、第2の接地した要素はイオン源と第2側面との間に配置される。いくつかの実施形態において、この接地した要素は、第1側面に接触するように配置可能であり、例えばウェブ処理ロールにすることができる。第2側面上の第2の接地した要素は、小孔を有する要素(スクリーンなど)であってもよい。イオン源は、DC、AC又は高圧電源などの電源に接続された導電性要素であってもよい。この導電性要素は、ワイヤ又は小半径若しくは鋸歯状のブレードを有する他の要素であってもよい。その他のイオン源としては、イオン銃、イオンブロアー、アルファ線放射線源又はX線源が挙げられる。
別の特定の態様において、本開示は、第1側面に少なくとも近接して接地した要素を供給することと、イオン源及び、第2側面に近接して第2の接地した要素を供給することと、によって表面を中性化するための方法を提供し、第2の接地した要素はイオン源と第2側面との間に配置される。この表面は、誘電性ウェブの表面であってもよい。
また別の特定の態様において、本開示は、ウェブを供給するウェブ源と、このウェブの上に作用するよう配置されたコロナ処理装置と、二極性中性化装置であって、ウェブの第1面に対して配置された、接地したローラーと、イオン源及び、ウェブの第2側に近接して配置された、第2の接地した要素を有する二極性中性化装置と、を含み、第2の接地した要素はイオン源と第2面との間に配置される、二極性中性化装置と、を含む、ウェブ処理プロセスを提供する。
本開示の別のウェブ処理プロセスは、二極性中性化装置であって、ウェブを供給するウェブ源と、二極性中性化装置であって、ウェブの第1面に対して配置された、接地したローラーと、イオン源及び、ウェブの第2面に近接して配置された、第2の接地した要素を有し、この第2の接地した要素はイオン源と第2面との間に配置される、二極性中性化装置と、この二極性中性化装置のダウンウェブのコーティングステーションと、このコーティングステーションのダウンウェブのギャップ乾燥器と、を含む。コロナ処理装置は、この二極性中性化装置のアップウェブに配置されてもよい。
これらウェブ処理プロセスのそれぞれ又はいずれの場合でも、第2の接地した要素は、小孔を有する要素(スクリーンなど)であってもよい。このイオン源は、DC、AC又は高圧などの電源に接続されたワイヤ又は小半径若しくは鋸歯状のブレードなどの導電性要素であってもよく、あるいはイオン源は、イオン銃、イオンブロアー、アルファ線放射線源又はX線源であってもよい。
ウェブ上の正味の電荷を中性化するための多くのシステムが知られているが、本開示では、ウェブ上及びウェブの両面上の全体の電荷を修正又は中性化するためのさまざまな装置及び方法を提供する。
第1面上に接地した導電性裏材を有し、反対の面上に表面電荷を有する、ウェブの模式図。 導電性構成要素がなく、一方の面上に表面電荷を有する、ウェブの模式図。 一方の面上に、接地した導電性裏材を有し、反対の面上に表面電荷を有し、この反対の面は、接地した導電性要素に近接している、ウェブの模式図。 接地した導電性プレートと、一定の電荷を有し、その反対のウェブ表面上に、接地した導体を有するウェブ表面との間のギャップにおける電界の強度を表わしたグラフ。 接地した表面及び、平均ゼロの正弦波形状の電荷分布を有する、0.005cm(0.002インチ)のウェブに関する、下側プレートにおける電界を表わしたグラフ。ここでrms値は10C/m、1.3cm(0.5インチ)の位置周期であり、ウェブとプレートとの間の距離は0.5cm(0.2インチ)。 接地した表面、及び平均ゼロの正弦波形状の電荷分布を有する、0.005cm(0.002インチ)のウェブに関する、下側プレートにおける電界を、ウェブとプレートとのギャップの関数として表わしたグラフ。ここでrms値は10C/m、1.3cm(0.5インチ)位置周期。 接地した表面、及び平均ゼロの正弦波形状の電荷分布を有する、0.005cm(0.002インチ)のウェブ上に対する垂直力を表わしたグラフ。ここでrms値は10C/m、1.3cm(0.5インチ)位置周期であり、ウェブとプレートとの距離は0.003cm(0.001インチ)。 接地した表面、及び平均ゼロの正弦波形状の電荷分布を有する、0.005cm(0.002インチ)のウェブに関する垂直力を、ウェブとプレートギャップの関数として表わしたグラフ。ここでrms値は10C/m、1.3cm(0.5インチ)位置周期。 本開示による2つの二極性中性化装置を含むウェブ処理装置の一部の概略図。 本開示による二極性中性化装置の第1の実施形態の拡大図。 導電性層が組み込まれたウェブ上の二極性電荷を中性化するための本開示の方法及び装置の能力を表わしたグラフ。このデータは、図10に示す二極性中性化装置を用いて、図9に示すライン上で収集された。 本開示による二極性中性化装置の第2の実施形態の拡大図。 誘電性ウェブ上の二極性電荷を中性化するための、本開示の方法及び装置の能力を表わしたグラフ。このデータは、図12に示す二極性中性化装置を用いて、図9に示すライン上で収集された。 本開示による二極性中性化装置の第三の実施形態の拡大図。 誘電性ウェブ上の二極性電荷を中性化するための本開示の方法及び装置の能力を表わしたグラフ。このデータは、図9に示すライン上で収集された。左側のデータは、図14に示す二極性中性化装置の1つでマイナスのHVDCを用いた結果を示す。左側のデータは、図14に示す二極性中性化装置の1つでプラスのHVDCを用いた結果を示す。右側のデータは、図12に示す二極性中性化装置を2つ(プラスのHVDC1つ、マイナスのHVDC1つ)用いた結果。 誘電性ウェブ上の二極性電荷を中性化するための本開示の方法及び装置の能力を表わしたグラフ。このデータは、図9に示すライン上において収集された。左側のデータは、図14に示す二極性中性化装置を2つ(プラスのHVDC1つ、マイナスのHVDC1つ)用いた結果を示す。右側のデータは、図12に示す二極性中性化装置(HVAC)を2つ用いた結果。 表面に接触(「タッチダウン」と呼ばれる)する際の、帯電したウェブ上の裏面電位(ボルト単位)を表わしたグラフ。 本発明の電荷修正システムで中性化したウェブの裏面電位(ボルト単位)を表わしたグラフ。
本開示の装置及び方法を特徴付けるこれらの及び様々な他の特徴は、添付の請求の範囲内で詳細に指摘される。本開示の装置及び方法、それらの利点、それらの使用及びそれらの使用によって得られる目的をよりく理解するために、図面及び添付の明細書が参照されるべきであり、ここでは本開示の発明の好ましい実施形態が図示され、説明されている。
本開示は、両面中性又は二極中性(単なる正味の中性ではなく)である対象物及び、更に好ましくは、両面中性である両面を有する対象物を提供する装置及び方法に関する。本発明(his invention)によって正味で中性化される対象物の材質の例としては、誘電性材料(例えばポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン)、布(例えばナイロン)、紙類、ラミネート類、ガラス及びその他同様のものが挙げられる。対象物は、導電性層又は帯電防止層を含むことができる。本開示の装置及び方法は特に、誘電性材料を含む対象物に適している。いくつかの実施例において、この対象物はウェブである。本明細書において、使用される用語「ウェブ」は、ウェブのシート紙料のことを意味し、長い長さ(例えば1mを超え、通常は10mを超え、しばしば100mを超える)と、幅(例えば0.25m〜5mの間)及び厚さ(例えば10〜150マイクロメートル、例えば1500マイクロメートル以下)を有する。他の実施形態において、対象物は、延在する長さではなく、別個又は個別の対象物である。例えば、1シート又は1ページの材料は、例えば長さ0.5メートル、幅0.5メートルを有する場合がある。個別の対象物は全体として平面であってもよく、又は三次元トポグラフィーを有してもよい。
上記の「背景技術」の項に記したように、正味で中性化された(すなわち、当初にかなり帯電していたと仮定して、一般的な静電気測定器によって計測された電界の強度が、その当初よりもかなり低くなっている)ウェブを得る手段を提供するものとして、市販の中性化システムが知られている。しかしながら、正味で中性化されたこのウェブは、依然としてかなりの電荷を有することがある。
例えば、平均ゼロの正弦波形状の表面電荷分布のフリースパン(free span)における、振幅A、位置周期Xのウェブは、表面電荷分布から生じるウェブの上方又は下の電界(急速に減衰する)を有し、このウェブから複数の位置周期(X)離れた位置にある静電気測定器によって計測すると、このウェブは中性に見える。このウェブは、実際の表面電荷のrms値がかなり大きい場合であっても、中性に見える。
標準の静電気センサーで測定したときにウェブは中性に見えても、実はかなりの電荷分布が有するような場合は、他にも数多くある。このような電荷分布は、コーティングや乾燥などのウェブベースのプロセスにおいて欠陥を引き起こすことがあり、欠陥が低減される又は排除されるレベルにこれらの電荷分布を中性化するための方法が必要となる。これらの電荷分布が中性化されなければならない標的レベルは、プロセス(すなわちライン速度、コーティング及び乾燥方法)、材料(すなわちコーティング溶液、フィルムの厚さ)及び問題になっている具体的な欠陥の関数である。例えば、アーク欠陥を排除するには市販の中性化装置で十分であるが、一部のコーティング欠陥及び乾燥欠陥を排除するには不十分である。本発明の方法論は、コーティング及び/若しくは乾燥欠陥が削減されるような、並びに/又はウェブの清浄さが強化されるような、電荷分布を除去する又は修正することを標的としている。更に、対象物上の電荷の正味での中性化によって、狭いギャップを含む下流の装置を容易に使用することができる。例えば、正味で中性化された対象物は、例えばギャップ乾燥器においてタッチダウンが生じる傾向が弱まっている。代表的なギャップ乾燥器は、米国特許第6,134,808号、表題「基板と加熱プラテンとの間に絶縁層を用いる間隙乾燥(Gap Drying With Insulation Layer Between Substrate and Heated Platen)」(ヤペル(Yapel)ら、2000年10月24日発行)に記載されており、これは、再び記載されるのと同様に、本明細書に参照により本明細書に組み込まれる。
本記載において、誘電性ウェブ上の電荷分布について述べる際に、「正味の電荷」又は「極性電荷」並びに「片面の電荷」又は「二極性電荷」という言葉を用いる。正味の電荷は、誘電性ウェブ上の単位面積当たりの見かけ電荷として定義され、フリースパンにおいて(他の物体から離れて)そのウェブの電界を測定するのに電界計が用いられていることを意味している。この電界計とウェブとの間のギャップは、典型的には1.3〜5.1cm(0.5〜2.0インチ)である。よって、このようにして得られる静電気測定値は、測定プローブのスポット寸法に対する電荷分布の関数であり、このスポット寸法は典型的にはセンチメートル(インチ)単位の直径の面積となる。このようにして測定された電荷は、極性電荷とも呼ばれる。「正味での中性化」は、ウェブ上の正味の電荷又は極性電荷の強度の低減を意味する。正味の電荷測定値が低いことは、スポット寸法面積に対する電荷分布がどの場所でも低いことを意味するものではなく、そのスポット寸法面積の電荷分布の、ある平均が低いことを意味する。前述の正弦波形状の電荷分布は、その分布の位置周期がスポット寸法直径よりはるかに短い場合、正味の電荷又は極性電荷が低いものとして表われることになる。
「片面の電荷」とは、ウェブの一方の面に、接地した導体が接触した状態で、そのウェブのもう一方の面の上方の電界、又は面上の電位を測定するのに、電界計若しくは電圧計が用いられていることを意味する。電界計又は電圧計とウェブ表面との間のギャップは通常、0.5〜5.0ミリメートルである。よって、このようにして得られる静電気測定値は、測定プローブのスポット寸法に対する電荷分布の関数であり、このスポット寸法は典型的にはミリメートル単位の直径の面積となる。大きな正味の電荷をもたらすことはないが、片面の電荷が大きくなるような電荷分布は、時により「二極性電荷分布」と呼ばれる。「片面の中性化」又は「二極性電荷中性化」とは、ウェブ上の片面の電荷又は二極性電荷の強度の低減を意味する。片面の電荷測定値が低いことは、スポット寸法面積の電荷分布がどの場所でも低いことを意味するものではなく、そのスポット寸法面積の電荷分布の何らかの平均が低いことを意味する。前述の正弦波形状の電荷分布は、その分布の位置周期が、測定装置のスポット寸法直径よりはるかに短い場合、片面の電荷又は二極性電荷が低いものとして表われることになる。
二極性電荷の単純な別の例として、一方の面上に均一な電荷分布qを有し、反対側の面上に均一な電荷分布−qを有する誘電性ウェブを考える。フリースパンでは、この正味の電荷又は極性電荷の測定値はゼロになり得る(上面と下面の電荷の和がゼロであるため)。片面の電荷測定値は、どちらの面を接地した物体上に置くかによって、−q又は+qのいずれかが得られる。このウェブはすでに正味で中性であるため、市販の中性化装置では、この二極性電荷に対する影響はほとんどない。
二極性電荷分布の別の例として、一方の面上に平均がゼロでない正弦波形状の電荷分布p(x)=Asin(2πx/X)+qを有し、反対側の面上に電荷分布−p(x)を有するウェブを考える。フリースパンでの正味の電荷測定を、Xの2〜3倍よりも大きい直径のスポット寸法で行った場合、このウェブには大きな正味の電荷はないように見える。Xの2〜3倍よりも大きい直径のスポット寸法を用いて実施された片面の電荷測定スキャンでは、どちらの面を接地した物体に対して置くかによって、+q又は−qのいずれかが得られる。片面の測定スキャンが、Xよりもはるかに小さいスポット寸法直径を用いて実施された場合、片面の電荷の正弦波形状の状態が明らかになる。
二極性電荷分布の更に別の例として、一方の面上にランダムな電荷分布R(x)、もう一方の面上に−R(x)を有するウェブを考える。スポット寸法X全体を総和した場合、R(x)の第1モーメント及び第2モーメントはそれぞれ、+q及びAに収束する。フリースパンでの正味の電荷測定が、Xよりも大きい直径のスポット寸法を用いて実施された場合、そのウェブには大きな正味の電荷はないように見える。Xよりも大きい直径のスポット寸法を用いて片面の電荷測定スキャンを実施場合、どちらの面を接地した物体上に置くかによって、片面の電荷の一定の値、+q又は−qのいずれかが得られる。片面の測定スキャンが、Xよりもはるかに小さいスポット寸法直径を用いて実施された場合、片面の電荷のランダム状態が明らかになる。
あらかじめ帯電した誘電性ウェブは、この正味の電荷又は極性電荷並びにこの片面の電荷又は二極性電荷の両方が、望ましいレベルにまで低下した場合に、「両面が中性化された」と見なされる。用語「正味の電荷」及び「片面の電荷」は、非侵襲的な静電気測定値を意味し、実際の電荷分布の特定の位置又は強度を意味するものでも、またその認識を必要とするものでもないことに注意されたい。電荷分布は、その誘電体の表面上若しくはウェブの内部又はその両方に存在し得る。望ましい感度によっては、前述のものよりも高感度の静電気計測プローブ(前述のものよりもスポット寸法が小さい)を使用して、正味の電荷又は極性電荷並びに片面の電荷又は二極性電荷を、より微細なスケールで推論することができる。
本開示に記述される方法及び装置は、少なくとも前述の長さスケールにおいてウェブ上の極性電荷及び二極性電荷の両方の低減をもたらし、また、標準の静電気測定装置を用いて容易に測定することができない短い長さスケールも対象として含まれる。用語「中性化」は、すべての電荷を完全に除去することを意味するものではなく、例えば、存在し得る残留電荷が生成する外部電界が弱すぎて欠陥を生じることがない、又は例えば、二重の層が形成されることにより、生じる欠陥を許容範囲に抑えるレベルにまで外部電界が本質的に弱められる、又は例えば、残留している二極性電荷分布の長さスケールが十分に小さいため、元の二極性電荷分布による欠陥が低減される若しくは排除されることを意味する。
図1は、一方に接地した面及びもう一方の面上に均一な表面電荷qを有する、絶縁されたウェブの図である。図1のウェブ5は、第1面6及びその反対側にある第2面8を有し、それらの間の厚さがbである。任意の好適な要素を面6に十分に近接して又は接触して配置し得ることにより、面6は接地されている。数多くのプロセスにおいて、面6は、例えば接地しているロールなど、ウェブ処理プロセスで接触する装置を経由して接地される。ウェブ5の面8における電位は次の式で求められる。
Figure 2010531043
ここでεoは自由空間の誘電率、εはウェブの比誘電率である。絶縁されたウェブ5について、ウェブ5の外部の電界はゼロであり、一方、ウェブ内部の電界は次の式で表わされる。
Figure 2010531043
一例として、表面電荷q=10−5C/m、ε=12.7cm(5インチ)及びb=0.005cm(0.002インチ)の場合について、フリースパンでの面8における電位はφ=11.5Vであり、ウェブ5内の電界はE=226kV/mである。2.5cm(1インチ)のギャップにおいて電界計で測定したウェブ5の電圧は11.5Vである。この絶縁されたウェブの外側の電界はどの場所でもゼロであるため、標準的な中性化装置は、この表面電荷に対しては非常にわずかな影響しかもたらさない。
図1及びこれに関連する上記の議論は、市販のイオン化装置使用では容易に中性化できない二極性電荷分布の、非常に単純な一例である。更に、市販のイオン化装置を用いて容易に中性化できない二極性電荷分布は、他にも数多くの形態がある。本開示に記述されている方法は、市販の又はこれまでに既知であるイオン化装置を用いて中性化できない、問題のある二極性電荷分布のほとんどを中性化するのに用いることができる。
図1に示されている絶縁されたウェブ5は、面6上で接地されているため、ウェブ5の外側の電界線はない。背景技術で検討したような市販のイオン化中性化装置は、中性化のためのイオンを導入する際に、帯電しているウェブから放射される電界又は帯電しているウェブで停止する電界に依存している図1に示されている絶縁されたウェブ5には外側の電界がないため、市販のイオン化中性化装置は、ウェブ5上に存在する可能性がある大きな電荷を低減するのには有効ではない。しかしながら、ウェブの誘電性表面近くに第2の接地した要素を配置すると、電荷による電界が、接地した裏材面と第2の接地した要素との間で分割される。
上記の状況を、接地した面をもたないウェブの図2と比較する。図2において、ウェブ10は、第1面12及びその反対側にある第2面14を有し、それらの間の厚さがbである。例として、q=10−5C/mの場合、絶縁されたウェブ10の外側の電界の強度はどの場所でも565kV/mであり、2.5cm(1インチ)のギャップにおいて、電界計で測定したときのウェブ10の電圧は28.7kVである。この状況において、ウェブ10の外側の電界は非常に強く、このウェブのかなりの正味を中性化するのに市販の中性化装置を用いることができる。
同じ表面電荷であっても、導電性面を有する(例えば図1のように)厚さ0.005cm(0.002インチ)のウェブの表面電位(電圧)は、導電性面をもたない(例えば図2のように)厚さ0.005cm(0.002インチ)の場合よりも、3桁以上の強度が小さくなることに注意されたい。これは、両方のウェブがかなりの電荷分布を有しているにもかかわらず、事実である。
ここで図3を参照すると、接地した面を有するウェブが、導電性プレートなどの接地した要素の上方に一定距離を置いて配置されている例が提示されている。使用中、このウェブ上の電荷は接地した2つの要素に分割される。図3において、接地した第1面16、その反対側の第2面18及びそれらの間の距離bを有するウェブ15が示されている。第2面18は、接地した要素20の上方に一定距離を置いて存在する。ウェブ15の下の空気ギャップ(すなわち、面18とプレート20の間)における電界は、次の式で表わされる。
Figure 2010531043
そして、ウェブ15上の単位面積当たりの電気力は、次の式で表わされる。
Figure 2010531043
式4は、ウェブ15が、接地したプレート20に引き付けられ、ギャップが増加すると、この「電気的圧力」が増加することを示している。ギャップaがウェブ厚さbに比べて大きくなると、この引き付ける力はゼロに近づく。ギャップaがウェブ厚さbよりも小さくなると、単位面積当たりの力は、導電性裏材のないウェブの場合の値、
Figure 2010531043
に近づく。図1及び2の議論における上記のパラメータを用いると、このウェブ15の電圧はわずか11.5Vとなる。しかしながら、下側プレート20に引き付ける制限力(「ピン止め力」とも呼ばれる)は、5.57N/mである。更に、ウェブ15の電圧測定値は表面電荷とともに一次関数的に増加するが、この引き付ける力は二次関数的に増加する。これは、外見上「中性の」ウェブ(2.54cm(1インチ)ギャップにおいて電界計で測定した場合)が、大きな電荷を有する可能性がある数多くの状況のうちのほんの一例である。いくつかの状況において、この電荷による電界はコーティング、乾燥、ウェブ処理及び清浄さにおいて問題を引き起こす場合がある。例えば、接地した物体の上にウェブが浮いていなければならないオーブン内において、これらの電気力は、望ましくない指向性をウェブ15にもたらすことがある。また、電界の作用により、液体界面が大きく妨害される場合があり、この妨害により材質コーティングに製品欠陥が生じ得ることがよく知られている。
特に関心があるのは、ウェブの外側(例えば、面18と接地した要素20との間のギャップ)の電界であり、これは式3によって示され、図4でのギャップの関数としてプロットされている。上記の図3について用いられたものと同じパラメータが、図4のプロットにも使用された。ギャップが減少するに従い、ギャップの電界は増加し、たとえギャップがウェブ厚さbの1又は2倍であっても、このギャップには大きな電界が存在する。ウェブの外側に大きな電界が生じた状態で、このギャップにイオンを導入し、このウェブの中性化に用いることができる。
例えば、一方の面上に接地した裏材を有し、もう一方の面上に、平均ゼロ、rms値qの正弦波形状の二極性電荷分布
Figure 2010531043
を有する、絶縁されたウェブを考える。ほぼX程度又はこれより大きいウェブ厚さについては、絶縁されたウェブの下側の電界は、ほぼXの距離において急速に消滅する。ウェブ厚さがX未満まで減少すると、ウェブ外側の電界は更に急速に消滅する。絶縁されたウェブがXよりも2桁少ない厚さの場合、電界は主にウェブ内に閉じ込められ、ウェブの外側の電界は非常に弱い。ここで、接地した導電性プレートが、ウェブの誘電性面から一定距離離れた場所に置かれた場合を考える。分配の位置周期に比べギャップが小さい場合、そのギャップ内の電界は局所的に、その電荷分布の局所的値に等しい一定の電荷を有するギャップの電界に似たものになる。このギャップが、ウェブ厚さよりも2桁大きく、電荷分布の位置周期よりも1桁小さい場合について、下側プレートでの電界の垂直要素が図5に示されている。ギャップ対ウェブ厚さの比がこれほど大きい場合であっても、ギャップの電界はkV/mの範囲にある。
図6は、接地した要素における電界の垂直要素のrms値を、ギャップ距離の関数として示したものである。図6から、ウェブ厚さよりも1桁大きいギャップの場合、かなり大きい電界が達成される。図6のrms値は、
Figure 2010531043
を掛けることにより、ピーク値に換算することができる。表面電荷が一定の場合、接地した要素の存在により、ギャップ内に大きな電界が発生し、ここでこのギャップ内にイオンを導入することにより、この二極性電荷分布を中性化することができる。
図1に関して議論した表面電荷一定の場合と同様、図5のようなこの正弦波形状の電荷分布も、コーティング、ウェブ処理、乾燥及び清浄さにおいて好ましくない影響をもたらし得る。例えば、図7には、ギャップが、ウェブ厚さよりも1桁小さく、かつ電荷分布の位置周期より4桁小さい場合の、ウェブ上の単位面積当たりの垂直力(電気応力テンソルの垂直要素)特性を示す。図8には、電荷分布の位置周期より3桁小さいウェブ厚さの場合、ウェブ上の電気応力の平均垂直要素の強度を、ギャップの関数として示す。
計算を単純にしておくために、上記の理論的例は、一方の面上に接地した裏材を、もう一方の面上に表面電荷分布を有する場合である。実際は、この二極性電荷分布は、誘電性材質の表面上又は内部に存在し得る。
一般に、本開示の中性化方法には、第1の誘電性表面(例えばウェブの第1表面)に近接して接地した導電性要素を配置することと、その次に、要素とその表面との間のギャップ内にイオンを導入することと、が含まれる。更に、第1の誘電性表面(例えばウェブの第1表面)に近接して接地した導電性要素を配置することと、第2の誘電性表面(例えばウェブの反対側の第2表面)に近接して接地した第2の導電性物体を配置することと、その次に、一方又は両方のギャップ内にイオンを導入することが含まれる。達成可能な二極性電荷の中性化の程度は、接地した導電性要素の近接と、ギャップ内に導入されるイオンの量及び種類に依存する。
図9には、第1の実施例が例示されている。図9は本開示による中性化システムを少なくとも1つ組み込んだ、典型的なウェブラインの概略図である。図9のこの特定のウェブ処理装置には、2つの中性化システムが含まれている。
図9は、ウェブ42のためのウェブ源41(第1面42a及び第2面42bを有する)及び本開示による中性化システムを少なくとも1つ有するウェブ処理装置40を示す。ウェブは、ウェブ源41から中性化システムへ、更にさまざまなローラー、ニップ、テンショナー及びその他の周知のウェブ処理装置を有する末端部への経路に従って進む。いくつかの実施形態において、ウェブ42は、コーティング装置(例えばダイ)及び乾燥器(例えばギャップ乾燥器)を含むコーティング作業に進むことができる。
ウェブ源41は、ロールとして巻かれた長いウェブ42であってもよく、このロールは芯を有しても、又は芯がなくてもよい。また別の方法として、ウェブ源41は押し出しプロセスであり、ウェブ処理プロセス40の直前にウェブ42を生成するものであり得る。しかしながら、多くの実施形態において、また図9に示すように、ウェブ源41はウェブ材料のロールである。ウェブ42は、ウェブ源41のロールが展開される際に、両面42a、42bが帯電する。この現象は周知である。
この実施形態において、ウェブ源41から生じたウェブ42は、一連のテンショナーロール45(具体的にはロール45a、45b、45cなど)を通るように供給される。これは、ウェブ処理業界において周知である。各テンショナーロール45において、ウェブ42は、各ロールとの接触及び解離によって帯電する。典型的には、ウェブ42のロールに接触する面が帯電する。プロセス40には、駆動ニップ及びアイドラーロールなどのその他ウェブプロセス装置並びに周知の従来型ウェブ処理装置である他のロール類が含まれることがある。電荷が連続的に蓄積するのを防ぐため、プロセス中のウェブ42との接触点(すなわちローラー、ニップ、バーなど)の数を制限することが、一般的に周知である。この図示されたプロセスにおいて、プロセス40にはコロナ処理装置44が含まれ、これについては後で詳しく説明される。
本開示の発明により、ウェブ処理プロセス40には中性化システム又は中性化装置が少なくとも1つ含まれ、これがウェブ42上に蓄積した電荷を修正し、好ましくはこのウェブを中性化する。数多くの、並びに好ましい実施形態において、42a及び42b両面が、中性化装置の通過後に両面中性となっている。
プロセス40には、少なくとも1つの中性化装置50が含まれ、この実施形態においては3つの中性化装置50a、50b、50cが含まれている。
各中性化装置50には、ウェブ42の一方の面(例えば中性化装置50aでの面42b)に少なくとも近接した状態にある接地した要素及びウェブ42のもう一方の面(例えば中性化装置50aでの面42a)に近接したイオン源が含まれる。この実施形態において、中性化装置50aには、接地したロール55a(これはテンショナーロールでもある)及びイオン源57aが含まれる。同様に、中性化装置50b、50cには、接地したロール55b、55c及びイオン源57b、57cが含まれる。
イオン源57は任意の好適な要素にすることができ、一般的には導電性要素であり、イオン(陰イオン又は陽イオンのいずれか)をウェブ42に供給する。適したイオンを供給するための、好適なイオン源の例としては、電源(例えばDC電源又はAC電源)に接続された単一又は複数のワイヤ、ブレード及びその他の小半径要素が挙げられる。その他のイオン源の例としては、イオン銃、イオンブロアー、アルファ線放射及びX線が挙げられる。
イオン源57とウェブ42(すなわちウェブ面42a)の間には、第2の接地した要素56が配置される。この実施形態において、中性化装置50aには接地した要素56aが含まれる。同様に、中性化装置50bには接地した要素56bが、中性化装置50cには接地した要素56cが含まれる。接地した要素56は、遮蔽を提供することにより、イオン源57からウェブ面42aへのイオンの流れを制御する。接地した要素56は、連続した固体であっても、又は小孔を有する要素(例えばそれ自体に孔又は開口を有する)であってもよい。小孔を有する要素の例としては、スクリーン、多孔質セラミックプレート、エッチングされた要素並びにその他多孔質又は開口を有するものが挙げられる。
図示された実施形態において、プロセス40には、核部材60a、60b、60c及び61などのような.従来型のウェブ中性化システムも含まれている。これら従来型の中性化システムは、少なくともかなりの正味で中性であるウェブ42を供給することにより、ウェブ42の中性化を促進する。しかしながらこれらの従来型中性化システムは、両面が中性なウェブ42を供給することはできない。
コロナ処理装置44(例えばACコロナ処理装置)は任意で用いられ、下記に示す例示試験の一部に使用されているが、すべてに使用されているわけではない。コロナ処理装置、ニップロール、パックロール、粘着ロール、ラミネート装置などの接触物及びその他対象物に接触する装置は、対象物に対し二極性電荷又は静電気をもたらすことが、ウェブ処理の当該技術分野において周知である。本開示の方法及び装置は、電荷を生ずる装置の下流で対象物(ウェブなど)を正味で中性化する。
図に示すプロセス40において、コロナ処理装置44の後、ウェブは2つの従来型核部材60a、60bを用いて正味で中性化される。次の手順で、二極性又は片面の中性化が起きる。
1.ウェブ42の面42bが、接地したローラー45bに接触してその上で回り込み、次にウェブ42の面42aが、本開示の発明の具現を用いて二極性(又は片面)中性化される。
2.ウェブ42が最初の二極性中性化装置50aを離れてすぐ、ウェブは核部材60cを用いて下(反対側)面42bから正味で中性化される。
3.ステップ1及び2を必要なだけ何度でも繰り返し、所望の場合はウェブの反対面上でも実施する。例えば、上面二極性電荷の除去が望ましい場合は、2つの二極性中性化装置50a、50cのみを、ウェブの上面42aに適用する。
中性化ステーション50a、50b、50cの後、例えばモンロー(Monroe)177A電界計64で、ギャップ1cmで10kV/cmの工業用プローブを用い、正味の(フリースパン)電位を測定することができる。このウェブが接地したローラー45を回り込むところで、例えばトレック(Trek)400電圧計(±2000V範囲)で、ギャップ約2mmで高速プローブ65を用い、上面の電位を測定することができる。
得られる正味で中性化されたウェブは、コーティングを行うと、正味で中性化されていないウェブよりも特性が改善されている。例えば、コーティング欠陥(乾燥パターン、縞(streaking)など)がほとんど又はまったく見られず、また意図した経路からのウェブの偏差が少ない(すなわち、望ましくない指向性が少ない)。このことは特に、経路の許容範囲が狭い装置が使用されている場合に有用である。例えば、ここで用いられるギャップ乾燥器(gap dryer)又はギャップ乾燥機(gap drier)は、ウェブの経路偏差に関するクリアランス又は許容範囲が非常に狭い。ギャップ乾燥器(gap dryer)(又はギャップ乾燥機(gap drier))は例えば、米国特許第5,581,905号(ヒュールスマン(Huelsman)ら)、同第5,694,701号(ヒュールスマン(Huelsman)ら)及び同第6,553,689号(ジェイン(Jain)ら)に記述されており、これらはすべて参照によりここに組み込まれる。
下記の非制限的な実施例は、本開示のさまざまな実施形態を示すものである。
図9のセットアップを用いて、ウェブのタッチダウンを防ぐために適したプロセス仕様を決定するため、さまざまな実行が行われた。「タッチダウン」とは、ウェブが乾燥器の側壁に接触することであり、ウェブ上の片面の電荷によって生じる電界によって起こる。濡れた状態のコーティング(例えば接着剤コーティング)は接地されており、そのコーティング面が中性化され、反対側の面は帯電したままであることが知られている。3つの試験それぞれにおいて、これら二極性中性化装置の適用により、乾燥オーブン(コーティング後)内のウェブの望ましくない指向性がなくなり、コーティングの質が全体的に向上した。
(実施例1)
この試験は、導電性層が組み込まれた厚さ0.01cm(0.004インチ)のウェブを用いて行われた。コロナ処理装置(すなわち図9のコロナ処理装置44)は使用されなかった。ライン速度は15.2m/分(50ft/分)であった。2つの二極性中性化装置が使用され、図9で中性化装置50a、50cの位置に配置された。この試験で使用された具体的な中性化装置は、図10において中性化装置150として図示されている。
各二極性中性化装置150には、ウェブが接地したローラー上を回り込むところで、ウェブ42の上面42aの上方約0.089cm(0.035インチ)(すなわちギャップ155)に配置された接地したスクリーン156が含まれていた。スクリーン156は、ステンレススチール金属の薄いシートで、ウェブの下流方向に向かって約45度の角度で100mmのスリットが並んでいるものであった。接地したスクリーンの上方の2本の0.008cm(0.003インチ)ワイヤ154a、154bが、7.5kV、5mA、60HzのHVAC(高圧AC)電源170を用いて通電され、この電源は変圧器によって、ワイヤ電圧をアーク電位のすぐ下に維持するよう制御された。HVACがワイヤに印加されると、ワイヤ154a、154bの周辺から出たプラス及びマイナスのコロナイオンが加速されてスクリーン156に向かい、この一部がスリットを通り抜けて、スクリーン156とウェブ表面42aの間のギャップ155に入った。ギャップ155に入ると、ウェブ上の二極性電荷による電界がイオンを引き込み、ウェブ面42aの中性化が行われた。
図11は、二極性中性化を行った場合と行わなかった場合のウェブの、二極性電荷又は上面の電荷を示す。実行約20秒の時点で、両方の二極性中性化装置150が通電された。第2の二極性中性化装置の影響は、約25秒時点で見られ、両方の二極性中性化装置を合わせた影響は、約35秒時点で見られた。2つの二極性中性化装置150を用いることにより、二極性電荷は少なくとも2桁低減した。フリースパンでの正味の電位は最初かなり低く、実行中最後までほぼ同じままであったことが特記された。これら二極性中性化装置の適用により、オーブン内のウェブの望ましくない指向性がなくなり、コーティングの質が全体的に向上した。
(実施例2)
この試験は、導電性層のない、厚さ約0.013cm(0.005インチ)の光学グレード誘電性ウェブを使用して行われた。コロナ処理装置44は大きな出力で使用され(二極性電荷発生を増やすため)、ライン速度は15.2m/分(50ft/分)であった。2つの二極性中性化装置が使用され、図9での中性化装置50a、50cの位置に配置された。この試験で使用された具体的な中性化装置は図12において中性化装置250として図示されている。
各二極性中性化装置250には、ウェブが接地したローラー55上を回り込むところで、接地したスクリーン256が、ウェブ42の上面42aの上方約0.089cm(0.035インチ)(すなわちギャップ255)に配置された。スクリーン256は導電性金属の薄いシートで、直径約0.064cm(0.025インチ)の穴の列が、ピッチ約0.1cm(0.04インチ)で開けられており、ウェブの下流方向に向かって約87度の角度で並んでいるものであった。接地したスクリーン256の上方の1枚の薄い鋸歯ブレードが、7.5kV、5mA、60HzのHVAC電源270を用いて通電され、この電源は可変変圧器によって、ブレード電圧をアーク電位のすぐ下に維持するよう制御された。HVACがブレード254に印加されると、ブレード歯の周辺から出たプラス及びマイナスのコロナイオンが加速されてスクリーン256に向かい、この一部が穴を通り抜けて、スクリーン256とウェブ表面42aの間のギャップ255に入った。ギャップ255に入ると、ウェブ上の二極性電荷による電界がイオンを引き込み、ウェブ面42aの中性化が行われた。
図13は、二極性中性化を行った場合と行わなかった場合の、ウェブの二極性電荷又は上面の電荷を示す。両方の二極性中性化装置250が通電され、これら両方の二極性中性化装置を合わせた影響は、約0.11秒時点で見られた。2つの二極性中性化装置250を用いることにより、二極性電荷は少なくとも2桁低減した。これら二極性中性化装置の適用により、オーブン内のウェブの望ましくない指向性がなくなり、コーティングの質が全体的に向上した。
(実施例3)
この試験は、導電性層のない、厚さ約0.013cm(0.005インチ)の光学グレード誘電性ウェブを使用して行われた。コロナ処理装置44は大きな出力で使用され(二極性電荷発生を増やすため)、ライン速度は30.4m/分(100ft/分)であった。2つの二極性中性化装置が使用され、図9で中性化装置50a、50cの位置に配置された。この試験で使用された具体的な中性化装置は図14において中性化装置350として図示されている。
各二極性中性化装置350には、ウェブが接地したローラー55上を回り込むところで、接地したスクリーン356が、ウェブ42の上面42aの上方約0.089cm(0.035インチ)(すなわちギャップ355)に配置された。スクリーン356は導電性金属の薄いシートで、直径約0.064cm(0.025インチ)の穴の列が、ピッチ約0.1cm(0.04インチ)で開けられており、ウェブの下流方向に向かって約87度の角度で並んでいるものであった。接地したスクリーン356の上方の1枚の薄い鋸歯ブレード354が、HVDC電源(すなわち高電圧DC)370を用いて通電された。一方の二極性中性化装置350はグラスマン(Glassman)+10kV、30mAのHVDC電源を用いて通電され、もう一方の二極性中性化装置350はグラスマン(Glassman)−10kV、30mAのHVDC電源を用いて通電された。グラスマン(Glassman)電源はブレード354の1フィート(30cm)当たり約1.2mAに制限された各HVDCからの電流により、電流制限モードで作動した。HVDC電源がブレード354に印加すると、ブレード歯の周辺から出たプラス(+HVDC)又はマイナス(−HVDC)のコロナイオンが加速されてスクリーン356に向かい、この一部が穴を通り抜けて、スクリーン356とウェブ表面42aの間のギャップ55に入った。ギャップ355に入ると、ウェブ上の二極性電荷による電界がイオンを引き込み、ウェブ面42aの中性化が行われた。
図15は、1台の+HVDCの二極性中性化装置350を用いた場合、1台の−HVDCの二極性中性化装置350を用いた場合及び+HVDCと−HVDC両方の二極性中性化装置350を用いた場合について、二極性中性化を行った場合と行わなかった場合の、ウェブの二極性電荷又は上面の電荷を示す。図15の最初のデータセット(時刻0)は、二極性中性化のない最初の上面電位と、次に−HVDCを用いて通電された1台の二極性中性化装置350を通電した影響を示している。1台の−HVDC二極性中性化装置350は、最初の二極性電荷のプラス部分を顕著に低減させたが、マイナス部分は不変のままであった。約−1000Vでのデータの切捨ては、データ取得システムが[−1000、1000]範囲のデータのみを収集できるようになっていたためである。
図15の第2のデータセット(時刻約2:15秒)は、二極性中性化のない最初の上面電位と、次に+HVDCを用いて通電された1台の二極性中性化装置350を通電した影響を示している。1台の+HVDCの二極性中性化装置350は、最初の二極性電荷のマイナス部分を顕著に低減させたが、プラス部分は不変のままであった。
図15の第三のデータセット(時刻約4秒)は、二極性中性化のない最初の上面電位と、次に2つの二極性中性化装置350(1台は+HVDCを用いて通電される、もう1台は−HVDCを用いて通電される)両方に通電した影響を示している。最初の二極性電荷分布のプラス部分とマイナス部分の両方とも、2桁を超えて低減した。
図16は、HVDC(実施例3)のパフォーマンスをHVAC(実施例2)と比較したものである。最初のデータセット(時刻0)は、二極性中性化のない最初の上面電荷と、次に2台のHVDC二極性中性化装置350(1台に−HVDC、もう1台に+HVDC)を作動した場合を示している。第2のデータセット(時刻約2秒)は、二極性中性化のない最初の上面電荷と、次に2台のHVACの二極性中性化装置250を作動した場合を示している。
この実施例において、2台のHVDCの二極性中性化装置350は、2台のHVACの二極性中性化装置250よりも良い性能を示した。この主な理由は、2台のHVDCの二極性中性化装置350は、ブレード354からの一定したコロナ電流(1.2mA/ftに設定)で作動しているためであった。電流制限モードにおいてHVDC電源で作動することにより、ブレード354には、コロナ電流1.2mA/ftを達成するのに必要な電圧をかけることが可能になる。HVDCの電源370について、このコロナ電流は、+HVDCの二極性中性化装置350の場合よりも低いブレード電圧で実現された。HVACの二極性電源250は、一方で、プラスとマイナスとの間で等しく交流し、マイナスイオン発生の量(マイナスのハーフサイクル中)は、プラスイオン発生(プラスのハーフサイクル中)の量よりも大きい。
HVAC信号のHVDC信号のバイアスを使用した場合、7.5kV、5mA、60HzのHVAC信号の+1kVDCバイアスは、図12に示す二極性中性化装置250を使用した、試験プレートへの、プラス及びマイナスの中性化電流の量にほぼ等しい量を生成することが特記される。
また、いくつかの実施形態において、2つ又はそれ以上の中性化装置を使用するのではなく、一方の中性化装置における出力(例えば電流)を増加して、ウェブの同じ面上に複数の中性化装置を配置するのを避けるのが望ましい場合があることも特記される。
上記の実施例において、二極性中性化のためにコロナ生成されたイオンは、ウェブ42の上面42a上で行われた。しかしながら、接地した導電性要素(例えば上記の実施例のスクリーン156、256、356)がウェブの一方の面に近接して(ウェブが、接地したローラー55上を回り込むところで)配置された場合、任意の方法を使用して、ギャップ155、255、355にイオンを導入することができる。
(実施例4)
図9のプロセス40に類似した実験室セットアップ上で一連の試験が行われた。この試験は高性能窓用フィルム上で実施された。このフィルムウェブでのこれまでのウェブ処理プロセスから、コロナ処理装置への曝露が、ウェブ上に静電気を生成する要因であることが知られており、この静電気により、この後のギャップ乾燥器においてタッチダウンが起こる。「タッチダウン」とは、ウェブが乾燥器の側壁に接触することであり、ウェブ上の片面の電荷によって生じる電界によって起こる。濡れた状態のコーティング(例えば接着剤コーティング)は接地されており、そのコーティングを有する面が中性化され、もう一方の面は帯電したままであることが知られている。
図9のセットアップを用いて、ウェブのタッチダウンを防ぐために適したプロセス仕様を決定するため、さまざまな実行が行われた。
次の表において、「CMS」とは「電荷修正装置」のことであり、これには、ウェブの裏面(例えば面42b)に接触している、接地したテンショナーロール55と、前面(例えば面42a)に近接した、接地した要素(例えばスクリーン56)が含まれている。
Figure 2010531043
タッチダウンは、コーティング中及びコロナ処理装置がオンになっていたときにのみ起こった。すべての場合において、電荷修正システムを少なくとも1つ使用することで、タッチダウンがなくなった。これは実行9を実行10及び11と比較することにより、並びに実行12を実行13及び14と比較することにより明らかとなる。実行15では、接地したスクリーン及びコロナスクリーンの代わりに取り付けた従来型核部材を使用し、この核部材はタッチダウンを防ぐのに成功しなかった。
図17及び18は、この試験で使用された電荷修正システムにより中性化された片面の電荷の除去を示す。図17は、本発明による二極性の正味での中性化がない場合の、裏面の電位である。図18は、本発明による二極性の正味の中性化がある場合の、裏面の電位である。本発明の装置及び方法で中性化されたウェブは、ウェブタッチダウンを起こす静電気のスパイクが減少していることが示されている。
上記明細書及び実施例は、本発明の具体的な実施形態の製造及び使用を完全に記載すると考えられる。本発明の多くの実施形態は、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、行うことができ、本発明の真の範囲及び趣旨は、以下に添付する請求の範囲の広義に属する。

Claims (35)

  1. (a)第1側面に少なくとも近接して配置可能な接地した要素と、
    (b)イオン源及び、第2側面に近接して配置可能な第2の接地した要素と、を含み、前記第2の接地した要素が前記イオン源と前記第2側面との間に配置される、表面を正味で中性化する装置。
  2. 前記接地した要素が、前記第1側面に接触するように配置可能な、請求項1に記載の装置。
  3. 前記接地した要素が、ローラーである、請求項2に記載の装置。
  4. 前記第2の接地した要素が、小孔を有する要素である、請求項1に記載の装置。
  5. 前記イオン源が、電源に接続された導電性要素である、請求項1に記載の装置。
  6. 前記電源が、DC、AC又は高圧である、請求項5に記載の装置。
  7. 前記導電性要素が、ワイヤ又は鋸歯状ブレードである、請求項5に記載の装置。
  8. 前記イオン源が、イオン銃、イオンブロアー、アルファ線放射線源又はX線源である、請求項1に記載の装置。
  9. 1つ以上の核部材を更に含む、請求項1に記載の装置。
  10. (a)第1側面に少なくとも近接して接地した要素を提供することと、
    (b)イオン源及び、第2側面に近接して第2の接地した要素を供給することと、を含み、前記第2の接地した要素が前記イオン源と前記第2側面との間に配置される、表面を中性化するための方法。
  11. 前記表面が、誘電性ウェブの表面である、請求項10に記載の方法。
  12. 前記接地した要素が、前記第1側面に接触する、請求項10に記載の方法。
  13. 前記接地した要素が、前記第1側面に接触するローラーである、請求項12に記載の方法。
  14. 前記接地した第2要素が、小孔を有する要素である、請求項10に記載の方法。
  15. 前記イオン源が、電源に接続された導電性要素である、請求項10に記載の方法。
  16. 前記導電性要素が、ワイヤ又は鋸歯状ブレードである、請求項15に記載の方法。
  17. 前記電源が、DC、AC又は高圧である、請求項15に記載の方法。
  18. 前記イオン源が、イオン銃、イオンブロアー、アルファ線放射線源又はX線源である、請求項10に記載の方法。
  19. 前記表面の正味での中性化のために、1つ以上の核部材を供給することを更に含む、請求項10に記載の方法。
  20. (a)ウェブを供給するウェブ源と、
    (b)前記ウェブの上に作用するように配置されたコロナ処理装置と、
    (c)二極性中性化装置であって、
    (i)前記ウェブの第1面に対して配置された、接地したローラーと、
    (ii)イオン源及び、前記ウェブの第2面に近接して配置された、第2の接地した
    要素を含み、前記第2の接地した要素が前記イオン源と前記第2面との間に配
    置される、二極性中性化装置と、
    を含む、ウェブ処理装置。
  21. 前記第2の接地した要素が、小孔を有する要素である、請求項20に記載の装置。
  22. 前記イオン源が、電源に接続された導電性要素である、請求項20に記載の装置。
  23. 前記電源が、DC、AC又は高圧である、請求項22に記載の装置。
  24. 前記導電性要素が、ワイヤ又は鋸歯状ブレードである、請求項22に記載の装置。
  25. 前記イオン源が、イオン銃、イオンブロアー、アルファ線放射線源又はX線源である、請求項20に記載の装置。
  26. 前記二極性中性化装置が更に1つ以上の核部材を含む、請求項20に記載の装置。
  27. 前記二極性中性化装置のダウンウェブにギャップ乾燥器を更に含む、請求項20に記載の装置。
  28. (a)ウェブを供給するウェブ源と、
    (b)二極性中性化装置であって、
    (i)前記ウェブの第1面に対して配置された、接地したローラーと、
    (ii)イオン源及び、前記ウェブの第2面に近接して配置された、第2の接地した 要素を含み、前記第2の接地した要素が前記イオン源と前記第2面との間に配
    置される、二極性中性化装置と、
    (c)前記二極性中性化装置のダウンウェブのコーティングステーションと、
    (d)前記コーティングステーションのダウンウェブのギャップ乾燥器と、
    を含む、ウェブ処理装置。
  29. 前記第2の接地した要素が、小孔を有する要素である、請求項28に記載の装置。
  30. 前記イオン源が、電源に接続された導電性要素である、請求項28に記載の装置。
  31. 前記電源が、DC、AC又は高圧である、請求項30に記載の装置。
  32. 前記導電性要素が、ワイヤ又は鋸歯状ブレードである、請求項30に記載の装置。
  33. 前記イオン源が、イオン銃、イオンブロアー、アルファ線放射線源又はX線源である、請求項28に記載の装置。
  34. 前記二極性中性化装置が、1つ以上の核部材を更に含む、請求項28に記載の装置。
  35. 前記二極性中性化装置のアップウェブにコロナ処理装置を更に含む、請求項28に記載の装置。
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