JP2005231771A - 絶縁シートの放電処理装置および方法ならびに絶縁シートロール体の製造方法 - Google Patents

絶縁シートの放電処理装置および方法ならびに絶縁シートロール体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ピンホール、導電性異物の付着といった欠陥検査や、セルフヒーリングなどのために放電処理を絶縁シートに行っても、放電処理後の絶縁シートの帯電を抑制し、さらには絶縁シートが巻取られる際のハンドリング不良や、巻取られたあとのシートロール体の電位上昇といった問題を解消する。
【解決手段】絶縁シートの第1の面に第1の放電電極を接触させて直流放電処理した後、同じ面に第2の放電電極を接触させて逆極性の直流放電処理を行う。
【選択図】 図3

Description

本発明は、絶縁シートの放電処理装置および放電処理方法に関する。
フィルム等の絶縁シートにおいて、その絶縁性ないし気液体物体等に対する遮蔽性などの要求から、ピンホールや気泡が存在しないか、あるいは少ないといった品質要求と、導電性異物の付着がないか、あるいは少ないといった品質要求とがある。
例えば、フィルムコンデンサに使用するフィルムの内部に気泡等があると、そのコンデンサとしての使用時の電圧印加によって、絶縁性の低い気泡部で放電し、短絡や電圧降下を生じるおそれがある。この対策として、従前に、使用電圧より高い電圧を印加することで、あらかじめ絶縁性の低い部分で放電を生ぜしめて焼切ってしまい、使用時における絶縁性を確保することが一般的に行われている(セルフヒーリング)。しかし、この際フィルムには放電電極を通じて高い電圧が印加され、フィルムは非常に強く帯電してしまう。このような強い帯電は新たに異物を付着する原因となる他、ハンドリング性に問題を生じせしめ、搬送不良や巻取り不良などを引き起す原因ともなっている。しかしながら、セルフヒーリングはその目的がフィルムコンデンサとして使用するためであることから、金属蒸着フィルムに対して行われることが多いが、金属蒸着フィルムにおいては帯電による電位が低いことから、コロナ放電により生成されたイオンをシートに供給して行う等の通常の方法では除電が困難となっている。これは金属蒸着フィルムの非蒸着面が、金属蒸着されていない(すなわち導電性部分がいずれの面にも形成されていない)絶縁性フィルムと同程度の電荷密度に帯電したと考えればよく理解できる。金属蒸着フィルムの金属蒸着部分が接地されていれば、絶縁性部分の電位は、電荷と電位の関係式Q=CVと、並行平板における静電容量の式C=ε0εr/dにより、フィルム厚みdに比例した値となる。例えば、非蒸着面が1[μC/m2]程度に帯電したフィルム厚み10[μm]のポリエチレンテレフタレート蒸着フィルムの電位は(ポリエチレンテレフタレートの誘電率εrを3として)0.38Vにしかならない。これに対して、金属蒸着されていない絶縁性フィルムにおいては、絶縁性フィルムと近傍の接地導体(例えば搬送の金属ロールなど)との間の静電容量によって電位が決まる。絶縁性フィルムが接地金属ロール上にあるときは金属蒸着フィルムと同程度の電位にしかならないが、接地金属ロールから離れた通常の工程中において静電容量は10〜100[pF]程度となり、この時の電位は10〜100[kV]にもなる。この部分でコロナ放電により生成されたイオンをシートに供給してやれば速やかに除電が可能である。
金属蒸着フィルムにおいては、連続した蒸着部分の一部が接地導体に接すれば、この蒸着部分全体の電位は0となり、電位が上昇しない。蒸着部分が接地導体に直接触れていなくても、蒸着部分と接地導体とが大きな容量で容量結合してしまうため、やはり電位が上昇せず除電が困難である。
また、上記品質要求に対して、製造工程における品質管理のために、シート中に存在するピンホールや付着導電性異物を検出する技術がもとめられている。これまでのピンホールや付着導電性異物の検出技術としては、導体ロール上を走行するシートに対向させた放電電極に高電圧を印加し、シート中のピンホールや付着導電性異物が放電電極−導体ロール間を通過したときに生じる火花放電や短絡によるスパーク電流を測定して、この電流値が一定以上である時、ピンホールや付着導電性異物が通過したと判断し、検出を行う技術が知られている。この方法はカメラ等を用いた外観検査によるピンホールや異物の検査に比べて、高速、高感度でかつコストが低いといった利点を持つ。
ところで、フィルム等の走行する絶縁シートの検査においてはその幅方向における検出感度のバラツキをなくすために、放電電極と回転ロール間距離をできる限り均一にするという狙い、また非欠陥部分での異常放電防止のために印加電圧を低く抑えたいという狙いなどから、放電電極をシートに接触させて放電処理を行うことが望まれる(例えば、特許文献1 参照。)。
このような状態下においてはしかしながら、絶縁シートは強く帯電し、異物付着や放電などさまざまな静電気問題を引き起こす。また、通常絶縁シートは巻き取られたシートロール体として、中間製品化または製品化されるのが一般的であるが、この際巻き取り後のシートロール体の電位が上昇し、異物付着や放電、さらには作業者、使用者への電撃といった問題を引き起こす。発明者らの研究により、このシートロール体の電位上昇はシートがコロナ放電の電離領域に直接曝された場合に顕著に現れることと、コロナ放電により生成されたイオンをシートに供給して行う等の通常の除電を行った場合も、巻き取り後に電位上昇が生じることが確認されている。この現象のメカニズムは明確でないが、コロナ荷電による電荷の一部は荷電面から内部5〜8[μm]にまで浸透し、室温下では通常の除電方法で除電できないといわれている(非特許文献1 参照。)。
また、これとは別に、裏面電荷を表面から除電した場合に、シートが「電荷二重層」を有するようになり除電できないといわれている(例えば、非特許文献2 参照。)。シートロール体の電位上昇はこれら電荷の浸透と「電荷二重層」効果により電位が上昇するものと考えられる。このように、絶縁シートの内部に浸透した電荷に対する有効な対策方法はこれまで見出されていなかった。
ところで、公知技術において、対象物に非接触かつ狭ギャップで設置された電極に昇圧を行いながらインパルス高電圧を印加し、その後逆極性電圧を加えて除電を行うとしたものがある(例えば、特許文献2 参照。)。しかし、非接触の狭ギャップを維持した電極を幅広い絶縁シートに対向させるのは非常に困難である。また、絶縁シートのような連続走行体に対し、インパルス状に高電圧を印加したり、逆極性電圧をかけるなどした場合には、その電圧停止時に欠陥が通過した場合に検出できない可能性がある。このように、連続移動する広幅の絶縁シートに対しての特許文献2の技術の適用は困難である。また、この文献に、非接触の狭ギャップで電極を配置するとのみあり、電荷の内部の浸透に対しては一切述べられていない。
特開2002−243791号公報、(第1頁) 特開平11−148922号公報、(第1−3頁、第1図) 静電気学会講演論文集'02 29pA-3 P43 静電気学会光電論文集'85 19pD-3 P188 株式会社伸興カタログ、1995.02.05000
本発明の目的は上記従来技術の問題点を解決することにある。すなわち本発明の目的は、ピンホール、導電性異物の付着といった欠陥検査や、セルフヒーリングなどのために放電処理を絶縁シートに行っても、放電処理後の絶縁シートの帯電を抑制し、さらには絶縁シートが巻取られる際のハンドリング不良や、巻取られたあとのシートロール体の電位上昇といった問題を解消する、絶縁シートの放電処理装置及び方法を提供するものである。また、本発明の第2の目的はこれら絶縁シートの放電処理装置および方法を使用し、巻き取られた後の電位上昇を生じず、ハンドリング性もよいシートロール体の製造方法を提供するものである。
上記課題を解決するため本発明は以下を提供する。
(1)移動する絶縁シートの第1の面に接触して配置される第1の放電電極と、第1の放電電極より前記絶縁シートの移動方向において下流にあり、前記絶縁シートの第1の面に接触して配置される第2の放電電極と、第1の放電電極に接続された第1の直流高圧電源と、第2の放電電極に接続され、第1の直流高圧電源とは逆極性の電圧を出力する第2の直流高圧電源とを有する絶縁シートの放電処理装置。
(2)絶縁シートをはさんで該絶縁シートを搬送する導電性ロール上に対向し、前記絶縁シートの第1の面に接触して配置される第1の放電電極と、第1の放電電極よりも前記絶縁シートの移動方向において下流にあり、前記絶縁シートをはさんで該絶縁シートを搬送する導電性ロール上に対向し、前記絶縁シートの第1の面に接触して配置される第2の放電電極と、第1の放電電極に接続された第1の直流高圧電源と、第2の放電電極に接続され、第1の直流高圧電源とは逆極性の電圧を出力する第2の直流高圧電源とを有する絶縁シートの放電処理装置。
(3)前記絶縁シートをはさんで第1の放電電極に対向する前記導電性ロールは、前記絶縁シートをはさんで第2の放電電極に対向する前記導電性ロールを兼ねるものである(2)に記載の絶縁シートの放電処理装置。
(4)第2の放電電極の下流に配置される絶縁シートの帯電量測定装置を有し、帯電量測定装置の出力により第1および/または第2の直流高圧電源の出力電圧を制御する制御手段を備えた(1)から(3)のいずれかに記載の絶縁シートの放電処理装置。
(5)移動する絶縁シートの第1の面に直流高電圧を印加した第1の放電電極を接触させて1回目の放電処理を行った後、前記第1の面を前記第1の放電電極とは逆極性の直流高電圧を印加した第2の放電電極に接触させて2回目の放電処理を行うことを特徴とする、絶縁シートの放電処理方法。
(6)2回目の放電処理後の絶縁シートの帯電電荷密度が−0.05[μC/m2]〜+0.05[μC/m2]の範囲になるように1回目および/または2回目の放電処理強度を制御する(5)に記載の絶縁シートの放電処理方法。
(7)(1)〜(4)のいずれかに記載の放電処理装置または(5)もしくは(6)に記載の放電処理方法により絶縁シートを放電処理し、放電処理時に発生した電流によりシートのピンホールを検出することを特徴とする絶縁シートのピンホール検査方法。
(8)(1)〜(4)のいずれかに記載の放電処理装置または(5)もしくは(6)に記載の放電処理方法により絶縁シートを放電処理した後、絶縁シートを巻き取る絶縁シートロール体の製造方法。
(9)(8)に記載の絶縁シートロール体の製造方法により製造されたシートロール体。
なお、本発明おいて絶縁シートとは、一般に絶縁性高分子からなり表面抵抗値が1011[Ω/□]以上であり、電気を通さない材質からなるシートである。このような絶縁シートの体積抵抗率は、通常、1012[Ω・m]以上(ASTM D−257規格)である。本発明において、絶縁シートの材質に特に制限はないが、たとえば、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリオレフィン系などの絶縁性高分子からなるシートを挙げることができる。また、絶縁シートの表面には放電処理やコーティングなどが施されていてもよい。また、シートの厚みについては特に制限はないが、好ましくは0.5[μm]から500[μm]の範囲である。
また、本発明におけるフィルム等の絶縁シートには、蒸着フィルムのようにあらかじめ片面に金属などの導電薄膜が形成されたものや後工程での接着性を良くするために易接着剤がコーティングされたものをも含む。すなわち、絶縁シートの第1の面における絶縁性が保たれておれば、他方の面に導電性膜が形成されていても、本発明における絶縁シートとして、本発明による放電処理を好ましく適用しうる。
また、本発明において高電圧とは、放電電極のシートに接触すべき部分およびその近傍において何らかの放電が発生する程度の電圧をさし、直流高電圧とは単一極性の電圧で電圧の変動により最も絶対値の小さな電圧になる瞬間においてもなお高電圧である状態をさす。
また、放電処理とは放電電極のシートと接触すべき部分およびその近傍において何らかの放電が発生する条件下で、放電電極をシートに接触させることをさし、放電によりシートを積極的に改質するなどのほか、背景技術で述べたように、シートの検査を目的として行う場合をも含める。
また、本発明において、導電性ロールとは、ロール表面またはその内側であって表面近傍が導電性素材により構成され、絶縁シートを挟んで放電電極と対向したときに放電電極による放電の対極となりうる構成を有するものをいう。後述のように、好ましくは、金属ロールや、導電性ゴムで被覆されたロールなどが目的に応じて用いられる。
本発明によれば、以下に示すように、簡便な方法で絶縁シートのピンホールや導電性異物の付着といった欠陥を高速、高感度、低いコストで幅方向に均一に安定して行いながら、絶縁シートの帯電を抑制し、さらには絶縁シートが巻き取られた後のシートロール体の電位上昇といった問題をも解消することができる。また、本発明により、簡便かつ低いコストで、ピンホールや導電性異物の付着がなく、巻き取られた後の電位上昇を生じないシートロール体を得ることができる。
以下、本発明の絶縁シートの放電処理装置および放電処理方法の好ましい実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
ここで、図1は本発明の第1の実施の形態を示している。
図中1は絶縁シート、21,22はそれぞれ第1および第2の放電電極である。第1および第2の放電電極21,22はそれぞれ第1および第2の直流高圧電源41,42に接続されている。図1において、第1の直流高圧電源41は負直流高圧電源、第2の直流高圧電源42は正直流高圧電源であり、これに沿って説明を行うが、実際の装置においては正負がこの逆であっても何ら差し支えない。
放電電極としては針、ワイヤ、ブラシ、端部がブラシ状に加工された導電布、小径導電性ロールなど、不平等電界によりコロナ放電を生じさせやすいものであれば、特にその形状を問わない。
ブラシや導電布などを使用した場合、必ずしもその先端がシートに接触している必要はなく、根元から先端までのいずれかの部分がシートに接触していれば本発明の実施において問題ない。
接触設置に適したブラシや導電布、小径導電性ロールなどは、幅方向に均一な放電を得やすく特に好ましい電極である。特に設備化が容易であるブラシや導電布、またゴムに導電性繊維を練り込み、体積抵抗率105〜109[Ω・m]程度の板状導電性ゴムにしたものをのれん状にし、自重により絶縁シートによく密着するようにした静電のれん(例えば、非特許文献3参照)等は、特に好適な放電電極として使用できる。また、導電布においても、絶縁シートの密着性をよりよくするために、のれん同様に電極にスリットをいれることも好ましい。
放電電極と搬送ロールの位置関係について図2,3により説明する。
図2は金属蒸着等フィルムなど面12が導電層であるシートを使用する場合における、第1および第2の放電電極21,22と搬送ロール33−1,33−2との位置関係を示している。たとえば、この図の構成のように面12にもうけられた導電層13を放電の対極とすれば、放電電極21,22は搬送ロール33−1,33−2と対向配置しなくてもよい。ただし、図2においては省略してあるが、シート全体の帯電を抑えるため、その搬送中に導電層13と接触する少なくとも一つの搬送ロール33−nを導電性ロールとして接地することが好ましい。また、面12が導電層であるシートにおいても、図1と同じように搬送ロール33−n上で放電処理を行うのは好ましい態様であり、この場合、搬送ロールとして絶縁性、導電性どちらのロールをも好ましく使用しうる。
一方、図3は片面導電層つきでない(両面絶縁層の)絶縁シートの場合に好ましい第1および第2の放電電極21,22と導電性ロール3との位置関係を示している。図1および図3においては面12が導電性ロール3と接触している状態で放電処理を行うため、放電電極−導電性ロール間のギャップ(絶縁シートの厚みに相当する)が小さく、第1および第2の直流高圧電源による第1および第2の放電電極への印加電圧を低く抑えることができる。また、図1における系では第1の放電処理後に、絶縁シートが第1の導電性ロール31から剥離される時点で、その処理強度により剥離放電が生じるおそれがあるが、図3における系では、第1の放電処理後に、絶縁シートが導電性ロール3から剥離される前に第2の放電処理により逆極性の放電処理を行い、帯電を中和させられるので、剥離放電が生じるおそれが少なく、特に好ましい態様である。この時、第1及び第2の放電電極の間は、電極間での放電がおこらない程度の距離、例えば、20[mm]以上離れているのが好ましく、50[mm]以上離れているのがより好ましい。
導電性ロール3,31,32には、絶縁シートの製造工程で多く用いられる、ハードクロムめっきロールなどに代表される各種金属ロールの他、導電性ゴム被覆を有する金属ロールなどを使用することができる。ただし、放電処理により欠陥検出を行う場合、過電流による検出を用いる際には、導電性ゴム被覆を有する金属ロールでは、抵抗成分とゴムの静電容量成分に対応する電流成分が生じてしまい、電流波形に鈍りが生じてしまう。従って、金属ロールを使用するのが好ましい。中でもハードクロムめっきロールの場合、火花放電によるダメージ(めっきはがれや放電孔など)を生じにくく好適に使用できる。
導電性ロール3,31,32は直接もしくは100[Ω]程度以下の微小抵抗を介して接地されているのが安全上の観点から好ましい。
第1および第2の電極21,22には直流高圧電源41,42によって直流電圧を印加する。交流電圧を使用すると極性が反転する電圧の低い部分で放電が停止し、放電処理されない部分が発生してしまう。セルフヒーリングに使用する場合にヒーリングされない部分が発生したり、欠陥検査においては、この間に通過した絶縁シートの部分におけるピンホールや付着導電性異物の見逃しにつながるため、高速で移動する絶縁シートに使用するのは不向きである。直流電圧には若干の脈動を含んでも良いが、脈動は放電が停止したり、絶縁シートの欠陥のない部分においてコロナ放電が火花に変化しない程度が好ましい。
第1または第2の電極に印加する電圧は、その放電処理目的により任意に選ぶことができる。例えば、ピンホールまたは付着導電性異物の検査を目的として放電処理を行う場合には、欠陥のない部分においてはコロナ放電が生じ、欠陥部においてピンホールや気泡、付着導電性異物を貫通する火花放電に転じ過電流を生じる電圧に設定すればよい。絶縁シートの片面が導電性であるか、絶縁シートを図1、3のように導電性ロール上で放電処理する場合、絶縁シートの厚み、誘電率、移動速度と欠陥の検出下限サイズ等によって適正値が決まるが、おおよそ500〜2000[V]程度である。
本発明による放電処理方法をピンホール等の欠陥検査に用いる場合には、火花放電により生じた過電流を検出するのが一般的である。過電流の検出方法としては、従来技術で使用されるごとく、高圧電源、放電電極または導電性ロールに電流計を直接接続して過電流を検出しても良いし、等価的に過電流を測定できれば、印加電圧や電荷の変化を検知するものや、火花放電に伴う音を検知するもの、電磁波を検知するもの、放電光を観測するもの等いずれの使用も可能である。このうち、特に火花放電による電流を検出するスパークテスタやコロナ放電による電流を検知する部分放電測定器等を過電流検知手段として使用するのが簡便である。また、ここで電流、電圧等を検出するにあたり、第1および第2の放電電極21,22をシートの幅方向に分割またはグループ分けし、第1および第2の直流高圧電源41,42としてそれぞ複数台の直流高圧電源を準備し、分割した放電電極毎にそれぞれ別個の第1および第2の直流高圧電源41,42を接続するなどすれば、ピンホールや付着導電性異物等の幅方向の位置についても把握することが可能となり、好ましい。
本発明者らの知見によると、絶縁シートの帯電と除電、本発明の課題である巻取り後のシートロール体の電位上昇のメカニズムについては次のように考えられる。
巻取り後のシートロール体の電位上昇に関する報告として、非特許文献2に、「除電後のフィルムを巻いておき、後で巻もどすと大きく帯電している場合が多いが、この現象にも電荷二重層が関係するものと思われる」と述べられている。非特許文献2で述べられている電荷二重層とは、図4aのように、シートの第1の面と第2の面とに局在する逆極性電荷のことである。シート単独の際にシートの厚み方向に電気力線96が閉じることで電位0となっていても、図4bのように巻取られた場合には、隣接するシートの電荷との間で電気力線96が閉じてしまい、あたかも最内層の内面と、最外層の外面の逆極性電荷のみによって電気二重層が形成されるかの様に見え、電位が上昇してしまうこととなる。
一方、非特許文献1においては、絶縁シートを放電に直接曝した場合、絶縁シートの内部に電荷がわずかに浸透するとの報告がなされている。非特許文献1によれば、こうして絶縁シートの内部に浸透した電荷は、外部からイオンを供給するなどの通常の除電では除電できない(外部から供給されたイオンは内部に浸透しない)と述べられている。すなわち、シートが直接放電領域(放電によりイオンが生成される領域)に曝された場合と、その領域を離れて単に(電界、風などにより)シート面に飛来しただけのイオンに曝された場合とで、絶縁シート内部への電荷の浸透度合いが異なると述べられているのである。
本発明において絶縁シートを第1の放電電極による放電に曝した直後においては、絶縁シートの面11から内部に負電荷が浸透している可能性がある。この状態を図5により説明する。こうしてシートの内部に浸透した放電処理による(例えば負)電荷92に対し、通常の除電を行っても、除電による(例えば正)電荷93は絶縁シートの面11上にとどまるのみである。シートの内部に浸透した放電処理による電荷92と、面11の表面の除電による電荷93とは、絶縁シート単独では図5aのように電気力線96が閉じて電位0となりうるが、シートロール体として巻取られると、図5bの様に、放電処理による電荷92と、面11の表面の除電による電荷93との間に電気力線96が発生するだけでなく、隣接するシートの電荷との間にも電気力線96が発生する。これにより、シートロール体の最内層の内面と、最外層の外面の逆極性電荷の一部によって電荷二重層が形成され、シートロール体の表面電位が上昇することになる。ここで放電に直接曝されることによるシートの帯電電荷はその絶対量が(搬送ロールとの摩擦による帯電などフィルムの通常の帯電と比較して)大きいため、最内層の内面と、最外層の外面の逆極性電荷の一部であっても、形成される電荷二重層は大きく、シートロール体の表面電位が大幅に上昇するのである。
これに対し、本発明において第1の放電電極による放電に曝したあと、第2の放電電極による逆極性の放電に曝した場合は図6のようになると考えられる。すなわち、1回目の放電処理による(例えば負)電荷94と、2回目の放電処理による(例えば正)電荷95とは、ともに絶縁シートの片面11から内部に浸透し、その極性が逆極性であるために、絶縁シートの片面11近傍の内部において電気力線96が閉じ、図6aのように実質的に無帯電となる。従って通常の除電は必要ないか、必要あっても、1回目の放電処理による電荷94のほとんどが、2回目の放電処理による電荷95によってうち消されているため、2回の放電処理により浸透した電荷のアンバランス分のみのごくわずかである。この状態のシートをシートロール体として巻き取っても、図6bに示すように、シートロール体の厚み方向への電荷の偏在はほとんどなく、電気力線96がシート面内で閉じるため、上述のようなシート厚み方向への大きな電荷二重層を形成しない。
このことに関し、発明者らは、絶縁シートの片面11を負コロナ放電に曝した後、絶縁シートの他面12を正コロナ放電に曝す実験をも行ったが、同一面から負と正の放電に曝した場合と異なり、巻取ったシートロール体の電位上昇を抑えることができなかった。この状態を図7により説明する。すなわち、片面11から1回目の放電処理による(例えば負)電荷94が、他面12から2回目の放電処理による(例えば正)電荷95が絶縁シート内部に浸透するが、その浸透位置が図7aのように互いに反対面の表面近くとなる。シートロール体として巻き取った際には、図7bのように1回目の放電処理による電荷94と、2回目の放電処理による電荷95との間に電気力線96が発生するだけでなく、隣接するシートの電荷との間にも電気力線96が発生するため、上記と同じく、最内層の内面と、最外層の外面の逆極性電荷の一部によって電荷二重層が形成されるものと考えられる。このことは、本発明における発明者らの推定する電位上昇のメカニズムを裏付けるものである。
なお、放電電極21、22それぞれとフィルムとの接触状態や、正負極性差によるコロナ開始電圧の違い(負極性の方がコロナ開始電圧が低いとされている)等により、負、正印加電圧を同じにしただけではシート内部に浸透する負と正の電荷量を同じにできないことがある。このような場合、第2の放電電極22によって絶縁シートが正コロナ放電に曝されたあとで、帯電量測定装置6によって放電処理によりフィルムに与えられた電荷の総和を検知し、総和が減少するように第1の直流高圧電源41又は第2の直流高圧電源42の出力を制御するのが好ましい。
帯電量測定装置としては、後述する開放型のファラデーケージ等によって直接電荷をはかってもよいが、電界計または電位計により求めた絶縁シートの電位V[V]を使用して計算するのが簡便である。この場合、測定位置における絶縁シートのアースからの単位面積あたりの静電容量C[F/m2]により、Q=CVの関係式から電荷密度Q[C/m2]を求められる。絶縁シートの如くシート状で帯電した物体がアースからの距離d[m]にある場合、静電容量は平行平板の静電容量で近似でき、C=ε0/dとなる。(ε0は真空中の誘電率 8.854×10-12[F/m])
ここで、放電処理によりフィルムに与えられた電荷の総和として、帯電電荷密度が−0.05[μC/m2]〜+0.05[μC/m2]の範囲になるように第1の直流高圧電源又は第2の直流高圧電源の出力を制御することが好ましい。この値は、通常フィルムが搬送ロールなどとの接触により帯電する程度の値である。走行中のフィルムの静電容量は、特にアース物体の近くでない限り、すなわちアース物体から8.8〜88[cm]という広い範囲において10〜100[pF]程度と見積ることができる。従って、実用的にはフィルム電位として、アースから10[cm]以上離した位置で−500[V]〜+500[V]の範囲になるよう制御すれば充分であることがおおい。
ここで、開放型のファラデーケージの構造について図8により説明する。一般のファラデーケージは絶縁された2重の導体容器から構成され、その内導体容器内部に測定対象物をいれることで、内導体容器内面に測定対象物電荷量と等量の逆極性電荷が誘導され、内導体容器外面に測定対象物電荷量と等量同極性の電荷が現れる。この内導体容器外面電荷により、接地された外導体との間に電位差が発生する。この電位差に内外導体容器間の静電容量を乗算すれば、測定対象物全体の電荷量を求められる。
図8における開放型のファラデーケージは一般のファラデーケージを絶縁シートの両面に沿って展開したと考えればよい。図8において、101はフィルムを挟んで両面の近傍に配置された電極、102は電極101の外側に配置されるシールド電極、103は電極101と電極102を絶縁する絶縁体である。この構成により電極101は一般のファラデーケージの内導体容器に、電極102は一般のファラデーケージの外導体容器に相当する機能を有する。ファラデーケージが開放型となっているため、シートの電荷量と電極101とに誘導される電荷量とは完全には一致しないが、シート−電極101間の距離が、電極101の面積に対して十分小さければ、シートの電荷量と両面に配置された電極101の内面に誘導される電荷量の和(極性は逆)がほぼ同程度となる。二つの電極101の外面には内面に誘導された電荷量と等量で逆極性(すなわちシートの電荷と同極性)の電荷が現れ、これと、接地されたシールド電極との間に電位差が発生する。この電位差に電極101とシールド電極102間の静電容量を乗算すれば、シートの電荷量を近似的に求められるものである。
帯電量を測定する場合、あらかじめ第1の放電電極の前に、コロナ放電により生成されたイオンをシートに供給する等してシートを除電しておくか、シートの電荷量を測定しておき、第1及び第2の放電処理による増分のみを制御に用いるのがより好ましい。特に、第1の放電電極の前にシートを除電しておくと、帯電量測定装置6の出力のみによって第1の直流高圧電源41又は第2の直流高圧電源42の出力を制御することが可能となり、より好ましい。
上記メカニズムより、出力を制御するのは第1の直流高圧電源41と第2の直流高圧電源42のいずれであってもかまわないが、ピンホールや付着導電性異物の検出、またセルフヒーリングを目的として放電処理を行う場合、この主目的に使用する直流高圧電源については出力を目的に応じた値としておき、他方の直流高圧電源の出力によって、帯電量の適正化を図るのが好ましい。
このようにして、絶縁シートに放電処理を行った後、絶縁シートを巻取ることで絶縁シートロール体を製造すると、ハンドリング不良や、巻取られた後の電位上昇を生じない、好ましいシートロール体を得ることができる。
以下本発明を実施例を用いて説明する。
(実施例1)
図1に示す系において、絶縁シート1としてポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ14[μm]、幅200[mm])を走行速度30[m/min]で走行させ、50[m]巻取った。放電電極21および22には除電用に使用されるブラシ状の除電布(春日電機製、チャージレスCLM−45C)を使用し、フィルムに幅方向全てにおいて確実に接触するように配置した。第1の直流高圧電源41の出力は−0.5[kV]、第2の直流高圧電源42の出力は+0.5[kV]とした。また、搬送ロールや巻取部のニップロールとの摩擦帯電を除電するため、ニップロールの直前と、巻取りロールに対して、図9に示す、普通フィルム等の製造工程で使用される除電器に定格電圧(9[kV])を印加して巻取りを行った。図9において、61は放電電極、62はアース電極、62は接地電極、63は図示しない高圧電源に接続される高圧芯線、64,65,66は絶縁体である。
フィルムの中央部、端部いずれにおいても0.1[mmφ]のピンホールが通過した際に、火花放電が生じ、ピンホールを過電流として検出することができた。
また、巻取り中のフィルムロールの電位は−0.2〜+0.5[kV]と低く、巻取り後フィルムロールを放置した時もフィルムロールの電位はわずかに上昇するのみで、電位がほぼ一定になったと見なせる10分経過後の値は+3.5[kV]と実用上問題のないレベルであった。
(比較例1)
実施例1と同じ系で、放電電極22をとりはずした以外は同じ条件で同じフィルムを走行させた。第1の直流高圧電源41の出力は−0.5[kV]とした。
ピンホールに対しては、実施例1と同様にフィルムの中央部、端部いずれにおいても0.1[mmφ]のピンホールが通過した際に、火花放電が生じ、ピンホールを過電流として検出することができた。
巻取り中のフィルムロールの電位は−0.5〜+0.3[kV]と低かったが、巻取り後フィルムロールを放置するとフィルムロールの電位は上昇を開始し、1分経過後に−5[kV]、さらに電位がほぼ一定になったと見なせる10分経過後の値は−12[kV]にもなった。また、このフィルムロールを移動させようと手を触れた瞬間に電撃が走った。
(比較例2)
実施例1と同じ系で、放電電極22を直接アースした以外は同じ条件でフィルムを走行させた。第1の直流高圧電源41の出力は−0.5[kV]とした。
ピンホールに対しては、実施例1と同様にフィルムの中央部、端部いずれにおいても0.1[mmφ]のピンホールが通過した際に、火花放電が生じ、ピンホールを過電流として検出することができた。
巻取り中のフィルムロールの電位は−0.5〜+0.5[kV]と低かったが、巻取り後フィルムロールを放置するとフィルムロールの電位は上昇を開始し、1分経過後に−4[kV]、さらに電位がほぼ一定になったと見なせる10分経過後の値は−7.5[kV]になった。フィルムロールに手をかざした際、電撃は起きなかったが、手の甲の毛が立ち、強い静電気を感じた。
(比較例3)
比較例1の系で、放電電極21をフィルムから5[mm]離した状態にした他は同じ条件でフィルムを走行させた。第1の直流高圧電源41の出力を−0.5[kV]としたところ、フィルムのどの位置においてもピンホールを検出できなかった。直流高圧電源41の出力を−1[kV]まであげたところ、フィルムの中央部を0.1[mmφ]のピンホールが通過した際には火花放電が生じ、過電流として検出することができたが、フィルム端部を0.1[mmφ]のピンホールが通過した際には火花放電とならず、検出することができなかった。直流高圧電源41の出力を−2[kV]まであげた時、フィルムの中央部、端部いずれにおいても0.1[mmφ]のピンホールを過電流として検出することができた。
しかしながら、−2[kV]印加した場合、巻取り中のフィルムロールの電位は−1〜+0.6[kV]程度であったが、巻取り後フィルムロールを放置するとフィルムロールの電位は上昇を開始し、1分後に−5[kV]となり、さらに電位がほぼ一定になったと見なせる10分経過後の値は−11[kV]以上となった。この時、とくにフィルムロールの幅方向中央部分においては電位が高く、−15[kV]になっていた。
(実施例2)
図3に示す系において、絶縁シート1としてポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ15[μm]、幅200[mm])を走行速度30[m/min]で走行させ、50[m]巻取った。放電電極21および22には除電用に使用されるブラシ状の除電布を使用し、フィルムに幅方向全てにおいて確実に接触するように配置した。第1の直流高圧電源41の出力は−0.5[kV]とした。また、搬送ロールや巻取部のニップロールとの摩擦帯電を除電するため、ニップロールの直前と、巻取りロールに対して、普通フィルム等の製造工程で使用される除電器を使用して巻取りを行った。
はじめに、第2の直流高圧電源42の出力を+0.5[kV]としたが、電荷量測定装置6として使用した電位計が+6[kV]をしめしたため、電位計の出力が−0.5〜+0.5[kV]になるように出力を下げ、最終的には−0.25[kV]とした。 フィルムの中央部、端部いずれにおいても0.1[mmφ]のピンホールが通過した際に、火花放電が生じ、ピンホールを過電流として検出することができた。
また、巻取り中のフィルムロールの電位はほぼ0[kV]で、巻取り後フィルムロールの電位はほとんど上昇せず、10分経過後の電位は−1.3[kV]と低いままであった。
(実施例3)
図3に示す系において、絶縁シートとしてナイロンフィルム(厚さ20[μm]、幅300[mm])を走行速度160[m/min]で走行させ、1000[m]巻取った。実施例2と同様に、第1の直流高圧電源41の出力は−0.5[kV]とし、走行中のフィルム電位が−0.5〜+0.5[kV]になるように第2の直流高圧電源42の出力電圧を調整した。
1000[m]中に、幅方向の位置にランダムに3個のピンホールを検出した。巻取り中のフィルムロールの電位は−0.3〜+0.3[kV]で、巻取り後フィルムロールの電位は10分経過後においても−2[kV]であった。
本発明は、コンデンサに使用する絶縁シートのセルフヒーリングの装置や、ピンホール、付着導電性異物といった絶縁シートの欠陥検査装置に限らず、直接電極を接触させて行なう各種絶縁シートの放電処理に際して応用することができるが、その応用範囲はこれらに限定されるものではない。
本発明の絶縁シートの放電処理装置の1例を示す概略構成図である。 本発明の絶縁シートの放電処理装置の他の例を示す概略構成図である。 本発明の絶縁シートの放電処理装置の他の例を示す概略構成図である。 絶縁シート表裏の帯電の様子を示す図である。 絶縁シート表裏の帯電によりシートロール体上で電荷二重層効果が生じるメカニズムを表した図である。 絶縁シート表裏の帯電の様子を示す図である。 絶縁シートを放電に曝すことによりシートロール体上で電荷二重層効果が生じるメカニズムを表した図である。 本発明の放電処理を施した絶縁シート表裏の帯電の様子を示す図である。 本発明の放電処理によるシートロール体上での電荷の分布を示した図である。 絶縁シート表裏の帯電の様子を示す図である。 絶縁シートの両面を放電に曝すことによりシートロール体上で電荷二重層効果が生じるメカニズムを表した図である。 開放型ファラデーケージの概略構成図である。 除電器の構造を示す概略構成図である。
符号の説明
1:絶縁シート
2:放電電極
3:導電性ロール
4:直流高圧電源
5:電流検出手段
6:帯電量測定装置
7:印加電圧制御手段
8:絶縁シート供給機構
9:絶縁シート巻取り機構
11:絶縁シートの片面
12:絶縁シートの他面
13:導電層
21:第1の放電電極
22:第2の放電電極
31:第1の導電性ロール
32:第2の導電性ロール
33−1:搬送ロール
33−2:搬送ロール
41:第1の直流高圧電源
42:第2の直流高圧電源
51:微小抵抗
61:放電電極
62:接地電極
63:高圧芯線
64:絶縁体
65:絶縁体
66:絶縁体
91:巻取りコア
92:放電処理による電荷
93:除電による電荷
94:1回目の放電処理による電荷
95:2回目の放電処理による電荷
96:電気力線
101:電極
102:シールド電極
103:絶縁体

Claims (9)

  1. 移動する絶縁シートの第1の面に接触して配置される第1の放電電極と、第1の放電電極より前記絶縁シートの移動方向において下流にあり、前記絶縁シートの第1の面に接触して配置される第2の放電電極と、第1の放電電極に接続された第1の直流高圧電源と、第2の放電電極に接続され、第1の直流高圧電源とは逆極性の電圧を出力する第2の直流高圧電源とを有する絶縁シートの放電処理装置。
  2. 絶縁シートをはさんで該絶縁シートを搬送する導電性ロール上に対向し、前記絶縁シートの第1の面に接触して配置される第1の放電電極と、第1の放電電極よりも前記絶縁シートの移動方向において下流にあり、前記絶縁シートをはさんで該絶縁シートを搬送する導電性ロール上に対向し、前記絶縁シートの第1の面に接触して配置される第2の放電電極と、第1の放電電極に接続された第1の直流高圧電源と、第2の放電電極に接続され、第1の直流高圧電源とは逆極性の電圧を出力する第2の直流高圧電源とを有する絶縁シートの放電処理装置。
  3. 前記絶縁シートをはさんで第1の放電電極に対向する前記導電性ロールは、前記絶縁シートをはさんで第2の放電電極に対向する前記導電性ロールを兼ねるものである請求項2に記載の絶縁シートの放電処理装置。
  4. 第2の放電電極の下流に配置される絶縁シートの帯電量測定装置を有し、帯電量測定装置の出力により第1および/または第2の直流高圧電源の出力電圧を制御する制御手段を備えた請求項1から3のいずれかに記載の絶縁シートの放電処理装置。
  5. 移動する絶縁シートの第1の面に直流高電圧を印加した第1の放電電極を接触させて1回目の放電処理を行った後、前記第1の面を前記第1の放電電極とは逆極性の直流高電圧を印加した第2の放電電極に接触させて2回目の放電処理を行うことを特徴とする、絶縁シートの放電処理方法。
  6. 2回目の放電処理後の絶縁シートの帯電電荷密度が−0.05[μC/m2]〜+0.05[μC/m2]の範囲になるように1回目および/または2回目の放電処理強度を制御する請求項5に記載の絶縁シートの放電処理方法。
  7. 請求項1〜4のいずれかに記載の放電処理装置または請求項5もしくは6に記載の放電処理方法により絶縁シートを放電処理し、放電処理時に発生した電流によりシートのピンホールを検出することを特徴とする絶縁シートのピンホール検査方法。
  8. 請求項1〜4のいずれかに記載の放電処理装置または請求項5もしくは6に記載の放電処理方法により絶縁シートを放電処理した後、絶縁シートを巻き取る絶縁シートロール体の製造方法。
  9. 請求項8に記載の絶縁シートロール体の製造方法により製造されたシートロール体。
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