JPH11238595A - 除電装置および除電方法 - Google Patents

除電装置および除電方法

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JPH11238595A
JPH11238595A JP10337275A JP33727598A JPH11238595A JP H11238595 A JPH11238595 A JP H11238595A JP 10337275 A JP10337275 A JP 10337275A JP 33727598 A JP33727598 A JP 33727598A JP H11238595 A JPH11238595 A JP H11238595A
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JP
Japan
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static eliminator
sheet
discharge
static
pressure
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JP10337275A
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English (en)
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Satoko Obara
聡子 小原
Kazuhiro Fukushima
和宏 福島
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Toray Industries Inc
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Toray Industries Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】簡単な構成で、省スペース化をはかることで適
用可能な対象物および環境の範囲を広くし、実質的に高
い除電能力を得る。 【解決手段】少なくとも1つ以上の放電電極をもち、前
記放電電極周囲の気体雰囲気条件を大気雰囲気における
よりも放電しやすい気体雰囲気条件に調整するための雰
囲気調整機構を有することを特徴とする除電装置、およ
びこれを用いた除電方法、これらを用いた蒸着シートの
製造装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、帯電物体の除電装
置および除電方法ならびにこれらを用いた蒸着シートの
製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】除電器は、絶縁体を扱う工程を中心に広
く各種の製造工程において、静電気による障災害防止
や、品質および収率上の問題解消の目的で使用されてい
るものであり、代表的なものの1つに自己放電式除電器
がある。自己放電式除電器は、取り扱いが簡便でイオン
生成に電源が不要なことなどから、フィルム、紙、布な
ど表面帯電物体を中心に幅広い工程で採用されている。
【0003】ただし、この自己放電式除電器は、帯電物
体の電位により除電器電極の尖端部に電界を集中させて
放電をおこすものであり、電位の低い帯電物体への適用
が困難であること、除電後に残留電位が残ること、電極
尖端部への電界を高めるために帯電物体に近接または接
触させて使用する場合、ゴミの発生、帯電物へのキズな
どの問題がある。この対策として、特開平2−1685
95号公報に示されているように、電極の材質や、向
き、構成などによりゴミの発生や除電後の残留電位低減
をはかる工夫がなされているが、本質的な解決には至っ
ていない。
【0004】一方、交流除電器をはじめとする電圧印加
式除電器では、比較的低い電位の帯電物体にまで適用可
能であるが、電極に高電圧を印加することによる安全上
の問題、放電にともなう電極の劣化・摩耗、またランニ
ングコストの問題などがある。また、高速で移動する物
体などについては十分な除電が困難であるほか、電極が
劣化した場合などにおこる異常放電によって対象物を逆
に帯電させる原因となることがある。
【0005】イオン生成量が多く、高速移動物体などに
ついても適用可能な除電器として放射線式除電器がある
が、放射線利用による安全の問題などがあり、汎用の除
電器としての使用は困難である。
【0006】また、特に蒸着シートの製造装置において
は、シート雰囲気を蒸着物質の蒸気圧で決まる圧力以下
などに減圧して薄膜形成を行うもので、残留気体の減少
などから搬送部材などとの真実接触面積が増大し、強く
接触帯電しやすいほか、空気抵抗が小さくなっているた
め、静電気力が支配的に働く環境となっている。また、
帯電による放電などによりさらに強く帯電しやすいこと
も知られている。この帯電は、例えばフィルムなどのウ
エブ状物にしわを発生させ、このしわの影となる部分が
未蒸着部分として欠点となったり、薄膜形成後に、帯電
している非薄膜形成面と薄膜形成面が密着することによ
って、薄膜がはがれる等の問題が生じることがある。
【0007】この対策として、特許1548343号公
報に、非薄膜形成面をグロー放電雰囲気に曝す蒸着方法
が示されているが、グロー放電雰囲気の生成のために電
源、電極、放電雰囲気維持のためのハウジングなど複雑
な構成を必要とし、ランニングコストが高く、メンテナ
ンスが困難であり、印加電圧の変動などにより、放電状
態が変化した場合に逆に帯電させてしまうおそれがあ
る。また、高電圧を印加するため電極部以外で異常放電
(スパークなど)がおこる可能性もある。また、実質的
に薄膜形成基体をグロー放電雰囲気に曝すための設備が
大きなものとなるため、薄膜形成前および薄膜形成後の
任意の位置で除電を行うことは困難である。そのため、
適正位置で除電を行うことができず、十分な除電の効果
が得られないという結果となっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、これ
ら従来技術の欠点を補い、簡便な設備で省スペース化が
はかれるため、対象とする帯電物体、装置の設置位置、
設置環境などの自由度が高いことから実質的に除電能力
が高く、低電位物体の除電が可能で、除電によって逆に
帯電させるなどの問題が少なく、かつ、ランニングコス
トが低い除電装置および除電方法を提供することにあ
る。
【0009】また、もう一つの課題は、簡便な設備で、
膜はがれやしわなどの蒸着欠点が少なく、品質の高い蒸
着シートを製造することができる蒸着シートの製造装置
を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明は、帯電物体の除電装置であって、少なくとも
1つの放電電極と、放電電極の周囲の気体雰囲気条件を
大気雰囲気におけるよりも放電しやすい気体雰囲気条件
に調整するための雰囲気調整機構とを備えている除電装
置を特徴とするものである。
【0011】ここで、雰囲気調整機構が大気雰囲気にお
けるよりも放電しやすいガスを導入するガス導入手段を
備えていること、そのガス導入手段が、導入するガスの
流量をコントロールするガス流量コントローラーを備え
ていること、そして、放電電極周囲の放電状態を監視す
る放電状態監視機構と、その放電状態監視機構によって
監視される放電状態にもとづいてガス流量コントローラ
ーを制御する制御機構とを備えていることが好ましい。
また、雰囲気調整機構がその作用時において放電電極の
周囲の圧力(P)を1≦P≦10,000(Pa)とす
る機構を有していることや、放電電極が雰囲気調整機構
の一部を形成していること、また、雰囲気調整機構が少
なくとも1つの開口面を有するハウジングを備え、開口
面と放電電極の尖端との距離が5cm以下であること、
さらに、雰囲気調整機構が、開口面における圧力を開口
面における圧力の平均値の50〜200%の範囲になる
ように調整する機構を備えていること、ハウジングの開
口面を形成する部分が、絶縁体か、絶縁体で被覆された
導体で形成されていることが好ましい また、上記課題を達成するための本発明は、上記いずれ
かに記載の除電装置を用いる帯電物体の除電方法を特徴
とするものである。このとき、雰囲気圧力が1Pa以下
である減圧下で除電装置を使用することが好ましい。ま
た、除電装置の放電電極と帯電物体との距離(d)と、
放電電極の周囲の圧力(P)との関係が10≦P・d≦
200(Pa・cm)を満たすよう、帯電物体に対して
除電装置を配置することや、除電装置の放電電極に、帯
電物体を存在させない場合の放電電圧よりも低い電圧を
印加することも好ましい そして、上記課題を達成するための本発明は、減圧雰囲
気内を移動するシートに蒸着により薄膜を形成する蒸着
シートの製造装置であって、シートの移動機構と、シー
ト移動領域の少なくとも一部を大気圧以下に減圧する減
圧機構と、シートへの薄膜形成機構と、上記いずれかの
除電装置とを備え、これら移動機構と、減圧機構と、除
電装置とを、除電装置の放電電極周囲の圧力(P)に対
して、除電装置とシートとの距離(d)が10≦P・d
≦200(Pa・cm)を満たすよう配置した蒸着シー
トの製造装置も特徴とするものである。ここで、除電装
置をシート移動方向に関して薄膜形成機構の上流側およ
び/または下流側に配置したものも好ましい。また、上
記課題を達成するための本発明は、減圧雰囲気内を移動
するシートに蒸着により薄膜を形成する蒸着シートの製
造装置であって、巻回されたシートの巻き出し、搬送お
よび巻き取りを行う移動機構と、シート移動領域の少な
くとも一部を大気圧以下に減圧する減圧機構と、シート
への薄膜形成機構と、少なくとも1つの上記いずれかの
除電装置とを備え、これら移動機構と、減圧機構と、除
電装置とを、除電装置の放電電極周囲の圧力(P)に対
して、除電装置とシートとの距離(d)が10≦P・d
≦200(Pa・cm)を満たすように配置し、かつ、
除電装置を、その除電装置の開口面がシートが巻き出さ
れる部分に対向するように配置した蒸着シートの製造装
置をも特徴とするものである。さらに、減圧雰囲気内を
移動するシートに蒸着により薄膜を形成する蒸着シート
の製造装置であって、シートの搬送経路を形成する複数
の搬送ロールを設けた移動機構と、シート移動領域の少
なくとも一部を大気圧以下に減圧する減圧機構と、シー
トへの薄膜形成機構と、少なくとも1つの上記いずれか
の除電装置とを備え、これら移動機構と、減圧機構と、
除電装置とを、除電装置の放電電極周囲の圧力(P)に
対して、除電装置とシートとの距離(d)が10≦P・
d≦200(Pa・cm)を満たすように配置し、か
つ、除電装置を、その除電装置の開口面がシートが搬送
ロールに接触し始める部分およびシートが搬送ロールか
ら離れる部分の少なくとも一方に対向するように配置し
た蒸着シートの製造装置も本発明の特徴である。
【0012】そして、上記いずれかの蒸着シートの製造
装置であって、除電装置の少なくとも1組を、シートを
挟んで対向させ、かつ、シートの移動方向における互い
の距離が50cm以内となるよう配置したものが好まし
い。
【0013】さらに、上記いずれかの装置を用いる蒸着
シートの製造方法も好ましい態様である。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の原理とともに望
ましい実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、
本発明はこれに限定されるものではない。
【0015】図1は本発明の一実施態様に係る除電装置
を示している。図1において、本発明による除電装置1
0は、雰囲気調整機構2によって、放電電極1の周囲の
気体雰囲気条件を大気雰囲気におけるよりも放電しやす
い気体雰囲気条件にすることで、放電電極1の尖端11
の近傍で放電を発生させ、生成されるイオンにより帯電
物体(図示せず)の除電を行うものである。
【0016】この放電電極1としては、通常の自己放電
式除電器や電圧印加式除電器で用いられている電極形状
でもよいが、好ましくは尖端への電界集中や放電安定性
などの面から、ブラシ、針、ナイフエッジ、鋸歯状のも
のなどが好ましい。また、材質としては、タングステン
などの各種金属のほか、導電性繊維、導電性ゴムなどが
好適である。
【0017】この放電電極1は、配線12を経て図1の
ようにアースに接続し、自己放電式除電器として使用し
てもよいし、交流および直流電源などに接続して使用す
ることもできる。好ましくは、アース、または、帯電物
体を存在させない場合における放電電極の放電開始電圧
よりも低い電圧を出力する電源への接続であり、この場
合、帯電物体が存在しないときやほぼ無帯電の物体に対
しては放電がおこらず、帯電物体が存在する場合に初め
て放電がおこるため、電極が劣化しにくく、また、通常
の電圧印加式除電器等と異なり、異常放電により対象物
を逆に帯電させる可能性も低い。
【0018】ここで、気体雰囲気条件を大気雰囲気にお
けるよりも放電しやすい条件ににする方法として、例え
ば図1に示すように、放電電極1の尖端11の周囲をハ
ウジング21で囲い、ガス供給機構3により大気圧の空
気より放電しやすいガスを供給することで簡便に実現で
きる。ガスは、ガス供給源31から、ガス配管32、バ
ルブ33を介して、ハウジング21で囲まれた雰囲気調
整機構2内に供給される。大気圧の空気より放電しやす
いガスとしてはHe、Ne、Ar等の希ガス等が代表的
なものとして挙げられ、またこれらを混合したものでも
よい。また、ガスを導入するほかには、紫外線照射手段
による紫外線照射などによって、放電電極1近傍の気体
の電離密度を高めることなども可能である。
【0019】大気雰囲気におけるよりも放電しやすい気
体雰囲気条件にするのは、放電電極1の尖端11近傍の
気体雰囲気であればよく、簡単には開口部22をもつハ
ウジング21により、外部の気体と隔離することによ
り、この雰囲気条件の調整を効率的に行える。またここ
で開口部22により画定される開口面と少なくとも1つ
の電極1の尖端11との距離が、最短で5cm以内とな
るよう配置してやれば、特に効率的な放電と、帯電物へ
の効率的なイオン供給を両立させることができる。ここ
で、開口面と電極1の尖端11の位置をこの範囲として
やれば、電極1の尖端11の位置は、開口面よりハウジ
ングの内側、開口面の外側、開口面上のいずれであって
もよい。
【0020】また、放電は空気雰囲気においても1〜1
0,000(Pa)程度の減圧下においておこりやすく
なることが知られている。特に10〜1,000(P
a)では、電子の平均自由行程が長くなるとともに、電
離によりイオン源となる残留気体分子が十分存在してお
り、特に低い電圧においても放電しやすくできる。
【0021】特に、蒸着プロセスのように蒸着部の雰囲
気(除電装置の周囲の雰囲気)の圧力を10-2(Pa)
程度以下にする等の減圧プロセスにおいては、ハウジン
グ21の内部の圧力を周囲の圧力より高めることによっ
て、この適正な圧力が達成できる。このためには外部か
らハウジング21内にガスを導入する方法が簡便である
し、また単にハウジング21を設けて減圧槽内でのガス
の排気を部分的に妨げるなど公知の差圧確保手段によ
り、この圧力を達成してやればよい。
【0022】これより圧力の高い大気圧付近になると、
電子の平均自由行程が短く、高い電圧でなければ放電が
開始しないほか、効率的に放電を行うため、帯電物に接
触させるなどせねばならず、キズやコンタミ発生などの
問題の原因となることがある。また、これより低い圧力
になると、残留気体分子の減少により、放電開始電圧が
上昇するため、実質的に放電開始電圧が高くなり、また
電子の平均自由行程が長くなることによって放電モード
が変化し、スパークにより帯電物にダメージを与える可
能性が発生する。
【0023】このため、ガス導入手段にはガス流量コン
トローラーを備えたものが好ましい。ガス流量コントロ
ーラーとしては、代表的なものとして一般の機械式、電
磁式などのバルブを使用することができる。
【0024】ここで放電状態監視機構により放電状態を
監視し、この結果に基づいてガス流量コントローラーを
制御する制御機構を備えることにより放電電極の周囲の
気体雰囲気条件をより放電しやすい条件に調整すること
が可能である。放電状態監視機構としては、放電電流測
定を行えるオシロスコープや、放電光を光学的に観測で
きるイメージインテンシファイヤ等の汎用の測定装置を
用いることができる。なお、制御の方法としては、放電
電流波形に含まれる高周波成分の密度や放電パルスの間
隔、放電光の強さ、バラツキなどを適正放電時のデータ
と比較してガス流量の増減を決定する方法などが挙げら
れ、制御手段を工程制御用のコンピューターやリレース
イッチなどで構成することが可能である。
【0025】また、放電を均一かつ安定に行うために、
開口面における圧力は、その開口面における圧力の平均
値の50〜200%の範囲にあることが好ましく、この
実現手段として、ハウジング21内部にさらに段階的に
壁など、例えば、段付構造を形成し、ハウジング21内
部の気流を均一化することなどが挙げられる。
【0026】また、この除電装置10においては、放電
電極1をハウジング21の開口部22と一体成形して、
開口部尖端を放電電極1の尖端部として使用することも
可能である。このようにすれば、装置加工が容易で装置
自身の製造にかかるコストを低く抑えられるほか、電極
清掃などのメンテナンスの上で有利となる。
【0027】一方、放電電極1と開口部22を一体化と
しない場合、ハウジング21の開口部22を絶縁体とし
たり、絶縁体で被覆された導体とすることにより、帯電
物体と放電電極との間の放電をより安定させることがで
き、特に低い電位の帯電物体や、正と負に細かく帯電し
ている絶縁体などの除電に有利である。
【0028】図2に、図1の装置を用いた本発明の一実
施態様に係る除電方法の概念図を示す。
【0029】図2に示すように、図1に示した本発明に
基づく除電装置10を用いて、放電電極の周囲の気体雰
囲気条件を、大気雰囲気におけるよりも放電しやすい気
体雰囲気条件にし、放電電極1の尖端11の近傍で放電
を発生させ、生成されるイオンにより帯電物体4の除電
を行う。
【0030】このとき、帯電物体4と放電電極1とによ
って作られる放電電極1の尖端11近傍の電界が、この
系の放電開始電界強度より大きくなると放電に至り、イ
オンが生成されることにより除電が行われる。雰囲気調
整機構2によって、放電電極1周囲の気体雰囲気条件を
大気雰囲気におけるよりも放電しやすい気体雰囲気条件
にすることで、この放電開始電界強度を下げ、効果的に
放電を行うことができる。
【0031】特に、1(Pa)より低い圧力の減圧下で
は放電開始電界強度が高く、通常の自己放電式除電器な
どでは低い電位の物体などに十分な除電能力が得られな
い。また、電圧印加式除電器でも放電開始電圧が高くな
り、放電および除電能力が不安定になる。
【0032】そこで、この減圧下、例えばハウジング2
1により放電電極1近傍の圧力を10〜1,000(P
a)程度として、本発明による除電装置を使用すれば、
放電開始電圧が低くなり、特に電源などを使用せずとも
低い電位の物体などに対し十分な除電能力を得ることが
できる。また、電圧を印加する場合にも低い電圧で安定
に放電させることができる。
【0033】放電開始電界強度は電極系により異なる
が、同じ電極間距離の平行平板電極の圧力−放電開始電
圧と同傾向の変化となることが知られている。従って、
平行平板電極において放電開始電圧が低くなる10≦P
・d≦200(Pa・cm)の関係を満たすように帯電
物体4と除電装置10間の距離(d)および、放電電極
1近傍の圧力(P)を調整することにより、帯電物体4
による放電電極1の尖端11近傍での放電をおこしやす
くすることができ、低い帯電電位の帯電物体4まで効果
的に除電を行うことができる。
【0034】また、この除電装置10の放電電極1を、
アース、または、帯電物体4を存在させない場合におけ
る放電電極1の放電開始電圧よりも低い電圧を出力する
電源へ配線12を介して接続することにより除電を行う
場合、帯電物体4が存在しない時やほぼ無帯電の物体に
対しては放電がおこらず、帯電物体4の存在によって初
めて放電がおこるため、放電電極1が劣化しにくく、ラ
ンニングコストの面でも通常の電圧印加式除電器などと
比較して有利であり、かつ対象物を逆に帯電させる可能
性も低い。
【0035】図3に、本発明の一実施態様に係る蒸着シ
ートの製造装置を示す。図3において、減圧機構6であ
る減圧容器61の内部は、図示しない減圧ポンプによっ
て蒸着物質の蒸気圧で決まる圧力以下に減圧される。通
常は10-1〜10-3(Pa)程度の値である。減圧容器
61内に設けられた搬送ロール71などからなるシート
移動機構7により、シート5が搬送され、るつぼ81や
冷却ドラム82などの薄膜形成機構8により、シート5
上に薄膜52が形成される。図3ではるつぼを使用した
加熱による蒸着の例を挙げたが、蒸着方法としてはこの
他に、スパッタ、CVD等の公知の薄膜形成方法を用い
ることができる。
【0036】蒸着などの減圧プロセスにおいては、残留
気体の減少などから搬送部材との真実接触面積が増大
し、強く接触帯電しやすいほか、空気抵抗が小さくなっ
ているため、静電気力が支配的に働く環境となってい
る。また、帯電による放電などによりさらに強く帯電し
やすいことが知られている。この帯電により、例えばフ
ィルムなどのウエブ状物にシワを発生させたり、帯電し
ている非薄膜形成面と薄膜形成面が密着することによっ
て、形成された薄膜がはがれる等の問題が生じる。減圧
容器61内において、前述の除電装置をシート5に近接
させて1つ以上備えることにより、これらの帯電による
問題を低減することができる。
【0037】特に、前述したように、本発明による除電
装置は減圧下においてガス導入手段によりガスを導入す
るか、遮蔽板などにより差圧を設けることなどにより簡
便に効率的動作を行うことが可能であり、図3に示した
ようなプロセスに適用することで効率的に除電された蒸
着シートを得ることができる。
【0038】特に、減圧プロセスにおいて帯電が問題と
なる現象としては、薄膜形成前にシートが搬送手段や薄
膜形成手段などへ密着し、搬送不良およびそれにともな
う薄膜形成不良をおこすことや、薄膜形成後に非薄膜形
成面と薄膜形成面が密着する際に非薄膜形成面の帯電に
よって薄膜はがれが発生することなどが挙げられる。こ
のため、シート5の移動方向に関して、薄膜形成機構よ
り上流側の除電装置10bや下流側の除電装置10cを
配置することが好ましく、上流側および下流側両方へ除
電装置を設置することはより好ましい。
【0039】中でも、シートが搬送ロールなどの移動機
構に接触し始める部分または移動機構から離れる部分に
おいては、帯電による放電によって、シートがさらに強
く帯電する。そのため、放電による強い帯電を防止する
目的で、この部分に除電装置の開口部が対向するように
設置することが好ましい。そして、シートが巻回物から
巻き出されて薄膜形成および巻き取りされる場合も、シ
ートが巻き出される部分において放電によってさらに強
く帯電がおこりやすい。そこで、放電による強い帯電を
防止する効果を高めるために、除電装置の開口部がシー
ト巻き出し部に対向するように、除電装置10aを配置
するのが好ましい。
【0040】また、特に絶縁性のシート等においては、
シートの両面が帯電しているものがある。そこで、効果
的に除電が行われた、膜はがれなどがほとんどみられな
い品質の良い蒸着シートを得るためには、一対の除電装
置10bおよび10dを、前記シート5をはさんで対向
させ、かつ、互いの距離がシートの移動方向に関して5
0cm以内になるように配置することにより、シート5
の両面を除電することが好ましい。そして、特に蒸着膜
物性維持の観点から、蒸着部を10-2〜10-3(Pa)
台以下の圧力に減圧、保持することが好ましく、また、
図6に示す除電装置開口部の幅gとしては5mm以下、
より好ましくは3mm以下がよい。また、図6に示す除
電装置開口部の長さw(m)に対して、ガス流量q(l
/min)は、除電能力を発揮するとともに蒸着部の減
圧度への影響が小さくなるように、0.2<q/w<1
とすることが好ましい。
【0041】なお、これらはいずれも本発明における除
電装置、除電方法、蒸着シートの製造装置の例を示した
ものであり、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0042】
【実施例】実施例1 図4に示す除電装置を用いた。図4において、除電装置
10は放電電極1とハウジング21と図示しないガス供
給源およびガス配管32から構成され、電極1は配線1
2によりアースに接続されている。放電電極1としては
ブラシ長さ15mmのカーボン繊維ブラシ(電極部の幅
200mm)を使用し、ハウジングは長さ250mm、
内径20mmのポリエチレン樹脂の円筒を加工し、開口
部22の大きさを10mm×210mmとした。カーボ
ンブラシはこの開口部の中央に、その尖端11が開口面
から5mm樹脂容器の外にでるように配置した。ガス供
給源はArガスボンベとした。
【0043】この除電装置により除電を行い、非接触に
て帯電電位1kVの粘着フィルムの電位を0.2kVに
することができた。
【0044】比較例1 実施例1と同じカーボンブラシ電極を使用し、ハウジン
グ21、ガス供給源31およびガス配管32を除いた除
電装置により、非接触にて電位1kVの粘着フィルムの
除電を行ったが、電位を0.8kV以下にすることがで
きなかった。
【0045】また、この装置を粘着フィルムに接触させ
たところ、炭素繊維が粘着面に貼り付き、粘着フィルム
面を汚染した。
【0046】実施例2 図4と同様の構成で、ガス供給源を窒素ガス、ハウジン
グ材質をテフロン、開口部を5mm×210mmとし、
減圧下で使用できる除電装置を構成した。除電装置のサ
イズは電極およびハウジング部分が長さ300mm×直
径30mmの円柱内に収まるサイズで、これに配線を内
包したガス導入配管を付加したものとなった。
【0047】比較例2 図5に示すように、放電電極91、スリット状の5×2
10mmの開口部93をもつ対極92、電源94、ガス
ボンベ95およびバルブ96からなり、減圧下でグロー
放電雰囲気をつくることにより除電を行うことを目的と
したグロー放電式除電装置9を構成した。放電電極91
には放電を安定に維持するため永久磁石97を使用し、
この大きさの制約から電極部のサイズだけで長さ350
mm×直径150mmの円柱より大きなものとなり、こ
れに配線やガス導入配管などを付加したものとなった。
【0048】実施例3 図6において、除電装置は実施例1と実質的に同様のも
のを使用し、図示しない減圧ポンプにより10-1(P
a)に減圧された図示しない減圧容器中で、フィルム5
1と電極1の尖端11との距離(d)が10mmとなる
ようにおいた。ガス供給源31である窒素ガスボンベよ
り、開口部22の圧力が100(Pa)となるよう窒素
ガスを放電電極1近傍に供給した。この結果、電位3k
Vのフィルムを0.1kVまで除電することができた。
【0049】比較例3 実施例1と同じカーボンブラシ電極を使用し、ガス供給
を行わず、電極近傍の圧力が10-1(Pa)のままとし
た。この結果、電位3kVのフィルム電位は2.5kV
以下にならなかった。
【0050】実施例4 図3のように、減圧容器61内でシート5を巻き出し、
除電を行いながら蒸着を行った。除電は、シートを挟ん
で対向配置した実施例2の除電装置10b、10dを用
いて、シートの両面から行った。条件は以下の通りとし
た。
【0051】シート:ポリプロピレンフィルム(厚さ7
μm)、蒸着面をあらかじめコロナ処理、シート幅20
0mm 蒸着物質:アルミニウム(Al) シート移動速度:200〜600m/min 減圧度(蒸着部):9.3×10-3Pa ここで、除電装置に窒素ガスを供給し、開口部の減圧度
が1.5×102 Paとなる状態で蒸着を行った。
【0052】得られた蒸着フィルムは蒸着面と非蒸着面
の密着がなく、蒸着したAlのはがれ、フィルムのしわ
等も見られなかった。
【0053】実施例5 図3のように、減圧容器61内でシート5を巻き出し、
除電を行いながら蒸着を行った。除電は、開口部がシー
ト巻出部に対向して設置されている実施例2の除電装置
10aを用いて行った。条件は以下の通りとした。
【0054】シート:ポリプロピレンフィルム(厚さ4
μm)、蒸着面をあらかじめコロナ処理、シート幅20
0mm 蒸着物質:アルミニウム(Al) シート移動速度:200〜600m/min 減圧度(蒸着部)9.3×10-3Pa 得られた蒸着フィルムは蒸着面と非蒸着面の密着がな
く、蒸着したAlのはがれ、フィルムのしわ等も見られ
なかった。
【0055】比較例4 図3の蒸着装置において除電装置だけを除いて蒸着を行
った。得られた蒸着フィルムは蒸着面と非蒸着面が強く
密着しており、表層からフィルムをはがした際に、蒸着
したAlの一部がくっついたままはがれ、膜はがれが発
生した。また、フィルムのシワによる未蒸着部分が断続
的に見られた。
【0056】比較例5 実施例4の除電装置10のかわりに、比較例2のグロー
放電式除電装置9を使用して蒸着を行った。グロー放電
式除電装置9の電極サイズが大きいため、蒸着後の非蒸
着面側のみにしか設置できなかった。
【0057】シート移動速度550m/minで投入電
力130Wとした際に減圧槽内の配線部から放電がおこ
り、グロー放電を中止することとなった。配線部から放
電がおこった時刻に相当する部分でフィルムの蒸着面と
非蒸着面が強く密着しており、フィルムをはがした際に
スジ状の膜はがれが発生した。また、グロー除電を停止
した部分については比較例4と同様に膜はがれが発生し
た。
【0058】また、グロー除電を行った部分についても
シワによる未蒸着部分が断続的に見られた。
【0059】実施例6〜14および比較例6、7 図3のように、減圧容器61内でシート5を巻き出し、
ガス流量及びシートの移動速度をかえて除電を行いなが
ら蒸着を行った。除電は、シート巻出し部と冷却ドラム
との間に設けられた実施例2の除電装置10bを用い
て、シートの搬送中に行った。条件は以下の通りとし
た。
【0060】シート:ポリプロピレンフィルム(厚さ7
μm)、蒸着面をあらかじめコロナ処理、シート幅60
0mm 蒸着物質:アルムニウム(Al) シート移動速度:30〜500m/min 蒸着装置開口部幅:3mm 蒸着装置開口部長さ:500mm 窒素ガス流量:0〜0.4l/min 表1に示すように、シート移動速度が30、300、4
00、500m/minのいずれであっても、ガス流量
を0.2〜0.4l/minとすることで高い除電効果
を得ることができた。またこれらの時の蒸着部(下室)
の圧力上昇は蒸着に問題ない範囲であり、蒸着膜の密着
不足などの問題は生じなかった。一方、ガス流量0.0
であった比較例6,7では膜はがれ、シワなどが多発し
た。
【0061】
【表1】
【0062】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明により、簡
便な設備で省スペース化がはかれるため、対象とする帯
電物体、装置の設置位置、設置環境に対する自由度が高
いことから実質的に除電能力が高く、低電位物体の除電
が可能で、除電によって逆に帯電させるなどの問題が少
なく、かつランニングコストが低い除電装置および方法
を提供することができた。
【0063】また簡便な設備で、膜はがれやしわなどの
蒸着欠点が少なく品質の高い蒸着シートを製造すること
ができる蒸着装置を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施態様に係る除電装置の概略構成
図である。
【図2】本発明の一実施態様に係る除電方法を示す概略
構成図である。
【図3】本発明の一実施態様に係るシートの蒸着装置の
概略構成図である。
【図4】本発明の実施例に用いた除電装置の斜視図であ
る。
【図5】比較例に用いたグロー放電式除電装置の概略構
成図である。
【図6】本発明の実施例における除電方法を示す透視斜
視図である。
【符号の説明】
1 :放電電極 2 :雰囲気調整機構 3 :ガス供給機構 4 :帯電物体 5 :シート 6 :減圧機構 7 :シート移動機構 8 :薄膜形成機構 9 :グロー放電式除電装置 10 :除電装置 10a:除電装置 10b:除電装置 10c:除電装置 11 :尖端 12 :配線 21 :ハウジング 22 :開口部 31 :ガス供給源 32 :ガス配管 33 :バルブ 51 :フィルム 52 :薄膜 61 :減圧容器 71 :搬送ロール 81 :るつぼ 82 :冷却ドラム 91 :放電電極 92 :対極 93 :開口部 94 :電源 95 :ガスボンベ 96 :バルブ 97 :永久磁石 g :除電装置開口部の幅 w :除電装置開口部の長さ
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01T 19/04 H01T 19/04 23/00 23/00

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】帯電物体の除電装置であって、少なくとも
    1つの放電電極と、放電電極の周囲の気体雰囲気条件を
    大気雰囲気におけるよりも放電しやすい気体雰囲気条件
    に調整するための雰囲気調整機構とを備えていることを
    特徴とする除電装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の除電装置であって、雰囲
    気調整機構が大気雰囲気におけるよりも放電しやすいガ
    スを導入するガス導入手段を備えていることを特徴とす
    る除電装置。
  3. 【請求項3】請求項2に記載の除電装置であって、ガス
    導入手段が、導入するガスの流量をコントロールするガ
    ス流量コントローラーを備えていることを特徴とする除
    電装置。
  4. 【請求項4】請求項3に記載の除電装置であって、放電
    電極周囲の放電状態を監視する放電状態監視機構と、そ
    の放電状態監視機構によって監視される放電状態にもと
    づいてガス流量コントローラーを制御する制御機構とを
    備えていることを特徴とする除電装置。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれかに記載の除電装置
    であって、雰囲気調整機構がその作用時において放電電
    極の周囲の圧力(P)を1≦P≦10,000(Pa)
    とする機構を有していることを特徴とする除電装置。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれかに記載の除電装置
    であって、放電電極が雰囲気調整機構の一部を形成して
    いることを特徴とする除電装置。
  7. 【請求項7】請求項1〜6のいずれかに記載の除電装置
    であって、雰囲気調整機構が少なくとも1つの開口面を
    有するハウジングを備え、開口面と放電電極の尖端との
    距離が5cm以下であることを特徴とする除電装置。
  8. 【請求項8】請求項7に記載の除電装置であって、雰囲
    気調整機構が、開口面における圧力を開口面における圧
    力の平均値の50〜200%の範囲になるように調整す
    る機構を備えていることを特徴とする除電装置。
  9. 【請求項9】請求項7または8に記載の除電装置であっ
    て、ハウジングの開口面を形成する部分が、絶縁体か、
    絶縁体で被覆された導体で形成されていることを特徴と
    する除電装置。
  10. 【請求項10】請求項1〜9のいずれかに記載の除電装
    置を用いることを特徴とする帯電物体の除電方法。
  11. 【請求項11】請求項10に記載の除電方法であって、
    雰囲気圧力が1Pa以下である減圧下で除電装置を使用
    することを特徴とする除電方法。
  12. 【請求項12】 請求項10または11に記載の除電方
    法であって、除電装置の放電電極と帯電物体との距離
    (d)と、放電電極の周囲の圧力(P)との関係が10
    ≦P・d≦200(Pa・cm)を満たすよう、帯電物
    体に対して除電装置を配置することを特徴とする帯電物
    体の除電方法。
  13. 【請求項13】請求項10〜12のいずれかに記載の除
    電方法であって、除電装置の放電電極に、帯電物体を存
    在させない場合の放電電圧よりも低い電圧を印加するこ
    とを特徴とする除電方法。
  14. 【請求項14】減圧雰囲気内を移動するシートに蒸着に
    より薄膜を形成する蒸着シートの製造装置であって、シ
    ートの移動機構と、シート移動領域の少なくとも一部を
    大気圧以下に減圧する減圧機構と、シートへの薄膜形成
    機構と、少なくとも1つの請求項1〜9のいずれかに記
    載の除電装置とを備え、これら移動機構と、減圧機構
    と、除電装置とを、除電装置の放電電極周囲の圧力
    (P)に対して、除電装置とシートとの距離(d)が1
    0≦P・d≦200(Pa・cm)を満たすよう配置し
    たことを特徴とする蒸着シートの製造装置。
  15. 【請求項15】請求項14に記載の蒸着シートの製造装
    置であって、除電装置をシート移動方向に関して薄膜形
    成機構の上流側および/または下流側に配置したことを
    特徴とする蒸着シートの製造装置。
  16. 【請求項16】減圧雰囲気内を移動するシートに蒸着に
    より薄膜を形成する蒸着シートの製造装置であって、巻
    回されたシートの巻き出し、搬送および巻き取りを行う
    移動機構と、シート移動領域の少なくとも一部を大気圧
    以下に減圧する減圧機構と、シートへの薄膜形成機構
    と、少なくとも1つの請求項7〜9のいずれかに記載の
    除電装置とを備え、これら移動機構と、減圧機構と、除
    電装置とを、除電装置の放電電極周囲の圧力(P)に対
    して、除電装置とシートとの距離(d)が10≦P・d
    ≦200(Pa・cm)を満たすように配置し、かつ、
    除電装置を、その除電装置の開口面がシートが巻き出さ
    れる部分に対向するように配置したことを特徴とする蒸
    着シートの製造装置。
  17. 【請求項17】減圧雰囲気内を移動するシートに蒸着に
    より薄膜を形成する蒸着シートの製造装置であって、シ
    ートの搬送経路を形成する複数の搬送ロールを設けた移
    動機構と、シート移動領域の少なくとも一部を大気圧以
    下に減圧する減圧機構と、シートへの薄膜形成機構と、
    少なくとも1つの請求項7〜9のいずれかに記載の除電
    装置とを備え、これら移動機構と、減圧機構と、除電装
    置とを、除電装置の放電電極周囲の圧力(P)に対し
    て、除電装置とシートとの距離(d)が10≦P・d≦
    200(Pa・cm)を満たすように配置し、かつ、除
    電装置を、その除電装置の開口面がシートが搬送ロール
    に接触し始める部分およびシートが搬送ロールから離れ
    る部分の少なくとも一方に対向するように配置したこと
    を特徴とする蒸着シートの製造装置。
  18. 【請求項18】請求項14〜17のいずれかに記載の蒸
    着シートの製造装置であって、除電装置の少なくとも1
    組を、シートを挟んで対向させ、かつ、シートの移動方
    向における互いの距離が50cm以内となるよう配置し
    たことを特徴とする蒸着シートの製造装置。
  19. 【請求項19】請求項14〜18のいずれかの装置を用
    いることを特徴とする蒸着シートの製造方法。
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