JP2006161099A - 真空蒸着装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 除電器の電極表面を炭素材料により構成する。
【選択図】 なし
Description
膜形成したプラスチックフィルム4は、ガイドロール等3を通り巻き取りロール2に巻き取られる。
電極13には直流電圧の場合はマイナス電位にする。また、RF電源により高周波電圧をかける場合もある。この場合セルフバイアス効果により直流的にはマイナス電位になる。(例えば、特許文献4)
上記特許文献1に開示されたコーティングロールを絶縁する方法では冷却能力が十分でなくプラスチックフィルムにしわ等が発生することがある。
また、上記特許文献2に開示されたイオン源を設置して中和させる方法では、反射電子や二次電子が多い材料を蒸発させるとき能力不足になる。
さらにまた、上記特許文献3に開示された設置した導電性のロールを接触させる方法では、ミクロ的に見た場合フィルム表面とロールとはまばらにしか接触せず除電は出来ない。
さらにまた、上記特許文献4に開示された放電電極を使った方式では、除電能力は高いが電極材料がスパッタされて周りに膜が付着する。長期間使用すると付着した膜は剥がれてプラスチックフィルムに巻き込まれたり、電極とアースの間に入り短絡したりする。膜がプラスチックフィルムに巻き込まれてしまうと工業製品として価値が損なわれる。また、電極が短絡すると放電が止まってしまい除電装置としての機能がなくなり、電子ビーム蒸着を行えなくなる。
本発明は長尺プラスチックフィルムの基材を巻き出しロールから巻き出し、コーティングロール上を走行させ、対向して設置した蒸着材料を電子ビームにより加熱し蒸発させ、該プラスチックフィルム上に蒸着薄膜を形成した後、巻き取りロールで巻き取る装置において、該プラスチックフィルムがコーティングロールより離れる地点または付近に設置した面電極を有する除電装置の陰電極が炭素で出来ていることを特徴とする真空蒸着装置である。
従って、電極よりスパッタされ付着した膜が剥がれてプラスチックフィルムに巻き込まれたり、電極とアースの間に入り短絡したりする事がなくなる。
これにより蒸着フィルムの不良率が大幅に改善される。
図1は、本発明に係る除電器を使用した蒸着装置の実施形態を示している。この蒸着装置は、電子銃8を使った電子ビーム加熱方式の蒸着装置であり、長尺プラスチックフィルムに薄膜層を蒸着する装置である。蒸着源9は銅などの金属製水冷坩堝に蒸着原料をいれる。
巻き出しロール12より出たプラスチックフィルムは、ガイドロール等3をへてコーティングロール6に移動する。電子銃8により蒸着源9に入った材料を加熱、蒸発させコーティングロール6上でプラスチックフィルム4に無機薄膜層を形成する。
その後除電器5を通過して巻き取りロール2に巻き取られる。
たとえば剥離前600mm剥離後300mm程度が好ましいコーティングロール6と電極表面13aとの間隔は、50mm程度が一般的であるがこれに縛られない。30〜150mmが好ましい。
ケース14は、電極13と絶縁されておりアース電位になっている。電極表面以外は間隔5mm以下程度に保たれているか、絶縁物質が入っており不要な放電を防いでいる。
ケース14の端は、プラスチックフィルム4との間隔を5mm程度に保持されており、ガス導入口15より供給されるガスによる圧力上昇を効率良くしている。圧力は、0.1〜2.0Paに保たれることが放電を安定するのに好ましい。
また、RF電源(13MHz程度の周波数電源)を使い放電させても良い。この場合でも電極はセルフバイアス効果により時間平均で見るとDC負電位になる。
電極の大きさは少なくとも走行するプラスチックフィルムの幅よりひろい必要がある。
また、電極表面の交換を容易にするためにネジ止め等により簡易に脱着出来る方法により取り付けることができる。この場合電極表面13aと電極ベース13bとの間にインジュームや弾力性のあるカーボンシートを挟むことにより熱コンタクトを取ることが好ましい。
(実施例1)
図1に示す電子ビーム加熱方式蒸着装置を使用し、長尺プラスチックフィルム4にアルミナ−シリカ層を蒸着した。
長尺プラスチックフィルムとしてフィルム幅2000mmフィルム長50000mの12μm厚みPETフィルムを使用し、巻き出しロール12にセットした。PETフィルムはポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績株式会社製 エステルフィルム E5100)である。
粒状の二酸化ケイ素と酸化アルミニウムとを蒸着原料として約2800mm×800mm×180mm銅製水冷坩堝にいれ、蒸着源9とした。
巻き出しロール12より出たフィルムは、コーティングロール6に移動する。電子銃8により蒸着源9に入った材料を加熱、蒸発させコーティングロール6上でプラスチックフィルム4にアルミナ−シリカ層を形成する。その後除電器5を通過して巻き取りロール2にまきとる。
除電器5において、図2に示すものを使用した。このとき、約2800mm×800mmの電極表面13a(厚み5mm)として冷間等方圧加圧法で作成したかさ比重1.80の黒鉛を使用した。
放電ガスとして、アルゴンにガスに酸素ガスを10%混合したものを使用した。
巻き取ったプラスチックフィルムは、スリッターで欠点検知機を通して980mm幅 長さ4000m巻きロールにスリットした。
10バッチ蒸着を実施し、その間除電器周りのメンテナンスは実施しなかった。
除電器起因のゴミによる不良は発生しなかった。
実施例1と同様に蒸着を実施した。但し炭素の電極表面13aのかわりにチタン製の電極表面13aを使用した。ガスは純粋アルゴンガスである。
蒸着バッチの後半で電極起因と推定される異物が多数フィルムに混入した。異物により製品とならない不良率が8%発生した。
2:巻き取りロール
3:ガイドロール等
4:プラスチックフィルム
5:除電器
6:コーティングロール
7:仕切り
8:電子銃
9:蒸着源
10:蒸着室
11:シャッター
12:巻き出しロール
13:電極
13a:電極表面
13b:電極ベース
14:ケース
15:ガス導入口
Claims (3)
- 長尺プラスチックフィルムの基材を巻き出しロールから巻き出し、コーティングロール上を走行させ、対向して設置した蒸着材料を電子ビームにより加熱し蒸発させ、該プラスチックフィルム上に蒸着薄膜を形成した後、巻き取りロールで巻き取る装置において、該プラスチックフィルムがコーティングロールより離れる地点または付近に設置した面電極を有する除電器の電極が炭素で出来ていることを特徴とする真空蒸着装置およびそれを使用した蒸着方法
- 請求項1において放電させるために除電器に導入するガスとして酸素を含んだガスを使用することを特徴とする巻き取り式電子ビーム蒸着装置。
- 請求項1あるいは2に記載の巻き取り式電子ビーム蒸着装置を用いて製造されたことを特徴とする蒸着プラスチックフィルム。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2015037534A1 (ja) * | 2013-09-10 | 2015-03-19 | コニカミノルタ株式会社 | 機能性フィルムの製造装置及び製造方法 |
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- 2004-12-07 JP JP2004354168A patent/JP4569813B2/ja active Active
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