JP2006131929A - 圧力勾配型イオンプレーティング式成膜装置および成膜方法 - Google Patents

圧力勾配型イオンプレーティング式成膜装置および成膜方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 電気的絶縁性物質を成膜する場合にも対応でき、対象とする基材上に充分安定的に成膜することができ、且つ、安定的に、成膜された基材を得ることができる、圧力勾配型イオンプレーティング方法を用いた真空成膜装置、真空成膜方法を提供する。
【解決手段】 圧力勾配型プラズマガンを有する圧力勾配型ホローカソード型のイオンプレーティング成膜部を備え、該成膜部により、イオンプレーティング法により基材の一面に薄膜を形成する真空成膜装置であって、マグネットを有する電極同士を一対として、1対以上配設し、対とする電極間に電圧を印加して、成膜する基材表面に接するようにして放電プラズマを生成し、成膜材料を活性化する成膜活性部を備えている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、イオンプレーティング法により基材の一面に薄膜を形成する真空成膜装置に関し、特に、ロールから巻き出し、ロールに巻き取ることができるフィルム基材に対して、電気的絶縁性物質からなる薄膜を、連続的に、安定的、且つ効率的に成膜することができる圧力勾配型イオンプレーティング式成膜装置と成膜方法に関する。
従来、圧力勾配型イオンプレーティング方法を用いて薄膜を基板上に形成する真空成膜装置は、例えば、真空(第27巻、第2号64ページ(1984年)〜非特許文献1)に示される通り、公知の技術として知られている。
真空 第27巻、第2号64ページ(1984年) 図3は圧力勾配型イオンプレーティング装置を示している。 図3に示すイオンプレーティング装置は、圧力勾配型プラズマガン11(以下、単に、プラズマガンとも言う)により真空チャンバー12内にプラズマを発生させて真空チャンバー内に配置した基板13上に蒸着により薄膜を形成するものである。 さらに詳細に説明すれば、プラズマガン11は、放電電源14のマイナス側に接続された陰極15と、放電電源14のプラス側に抵抗を介して接続された環状の第1中間電極16、第2中間電極17を備え、陰極15側から放電ガスの供給を受け、前記放電ガスをプラズマ状態にして第2中間電極17から真空チャンバー12内に向けて流出させるような配置にされている。 真空チャンバー12は、図示しない真空ポンプにより接続され、その内部は所定の減圧状態に保たれている。 また真空チャンバー12の第2中間電極17に向けて突出した短管部12Aの外側には、この短管部12Aを包囲するように収束コイル18が設けられている。 真空チャンバー12内の下部には、放電電源14のプラス側に接続された導電性材料からなるハース19が載置されており、このハース19上の凹所に薄膜の材料となる導電性あるいは絶縁性の蒸着材料が収められている。 さらに、ハース19の内部にはハース用磁石21が設けられている。 そして、第2中間電極17から蒸着原料20に向けてプラズマビーム22が形成され、蒸着原料20が蒸発され、基材13の下面に付着し、薄膜が形成される。 なお、収束コイル18はプラズマビーム22の横断面を収縮させる作用を、またハース用磁石21はプラズマビーム22をハース19に導く作用をしている。
図3に示す装置により電気的絶縁性物質を成膜する場合、ハース(アノード部)19の表面、真空チャンバー12の内面等に絶縁性物質が付着し、特にハース19の表面が電気的に絶縁された状態となり、真空チャンバー12の内で通電不能となる結果、電極各部がチャージアップする現象が成膜時間経過とともに進行する。
このような、絶縁性物質が付着してチャージアップが進み通電不能となった部分に入射しようとした電子は反射され、イオンとの結合により電気的に中和されるか、最終的に電気的帰還が可能な場所に到達するまで電子の反射は繰り返されることとなる。
このため、プラズマビーム22に対する連続的な安定制御ができなくなり、成膜の安定性が損なわれるという問題が生じる。
このような問題を解決するための技術として、電気的絶縁性物質を成膜する手法が、特開平11−269636号公報(特許文献1)に開示されている。
特開平11−269636号公報 特許文献1においては、真空チャンバー内に向けてプラズマガン出口部に発生するプラズマビームの周囲を取り囲み、電気的に浮遊状態として突出させた絶縁管と、前記短管部内にて絶縁管の外周部を取り囲むとともに、プラズマ出口部よりも高い電位状態とした電子帰還電極を設けた構成とすることにより、上記の問題を解決している。 しかし、ここに記載のものは、電気的絶縁性物質を成膜する場合、成膜された基材への帯電の問題を考慮した構造ではなく、安定的に成膜された基材を得ることができず、問題となっていた。
一方、ロールから巻き出し、ロールに巻き取ることができるフィルムのような基材に対して、電気的絶縁性物質からなる薄膜を、連続的に成膜する方法が、特公平6−21349号公報(特許文献2)に記載されている。
特公平6−21349号公報 しかし、ここに記載のものは、電気的絶縁性物質を成膜する場合、上記のチャージアップの進行に起因する問題や、成膜された基材への帯電の問題を考慮した構造ではなく、充分安定的に成膜することができず、問題となっていた。
上記のように、近年、圧力勾配型イオンプレーティング方法を用いて、対象とする基材上に薄膜を成膜する真空成膜装置が、種々、開示されているが、特に、電気的絶縁性物質を成膜する場合において、対象とする基材上に充分安定的に成膜することができ、且つ、能率的且つ安定的に、成膜された基材を得ることができる真空成膜装置が求められていた。
本発明はこれに対応するもので、電気的絶縁性物質を成膜する場合にも対応でき、対象とする基材上に充分安定的に成膜することができ、且つ、安定的に、成膜された基材を得ることができる、圧力勾配型イオンプレーティング方法を用いた真空成膜装置、成膜方法を提供しようとするものである。
特に、成膜性が良く、密着性の良い膜を形成できる、圧力勾配型イオンプレーティング方法を用いた真空成膜装置、成膜方法を提供しようとするものである。
更には、ロールから巻き出し、ロールに巻き取ることができるフィルムのような基材に対して、電気的絶縁性物質からなる薄膜を、連続的に、安定的、且つ効率的に成膜することができる真空成膜装置、真空成膜方法を提供しようとするものである。
本発明の圧力勾配型イオンプレーティング式成膜装置は、圧力勾配型プラズマガンを有する圧力勾配型ホローカソード型のイオンプレーティング成膜部を備え、該成膜部により、イオンプレーティング法により基材の一面に薄膜を形成する真空成膜装置であって、
マグネットを有する電極同士を一対として、1対以上配設し、対とする電極間に電圧を印加して、成膜する基材表面に接するようにして放電プラズマを生成し、成膜材料を活性化する成膜活性部を備えていることを特徴とするものである。
そして、上記の圧力勾配型イオンプレーティング式成膜装置であって、前記対とする電極間に印加する電圧は、0.1kHzから100kHzの周波数であることを特徴とするものである。
そしてまた、上記いずれかの圧力勾配型イオンプレーティング式成膜装置であって、前記成膜活性部の前記マグネット有する電極表面の水平磁束密度は10ガウスから5000ガウスであることを特徴とするものである。
また、上記いずれかの圧力勾配型イオンプレーティング式成膜装置であって、前記マグネット有する電極はマグネトロン構造であることを特徴とするものである。
また、上記いずれかの圧力勾配型イオンプレーティング式成膜装置であって、電気的に浮遊状態の電子を帰還させる電子帰還電極を設けていることを特徴とするものであり、
前記イオンプレーティング成膜部は、成膜室の側面側、前記圧力勾配型プラズマガンの出口部に向けて突出させた前記真空チャンバーの短管部を配し、該短管部を包囲し、前記圧力勾配型プラズマガンからのプラズマビームの横断面を収縮させる収束コイルを備え、前記プラズマビームを成膜室内に配置した蒸着材料の表面に導くものであり、前記短管部内に、プラズマビームの周囲を取り囲み、電気的に浮遊状態の電子を帰還させる第1の電子帰還電極を設けていることを特徴とするものである。
また、上記請求項5ないし6のいずれか1項に記載の圧力勾配型イオンプレーティング式成膜装置であって、成膜室内、プラズマビームが照射される領域の蒸着材料と基板の被成膜部とを結ぶ鉛直方向を基準とし、前記圧力勾配型プラズマガンとは反対側に、電気的に浮遊状態の電子を帰還させる第2の電子帰還電極を配設していることを特徴とするものである。
また、上記いずれかの圧力勾配型イオンプレーティング式成膜装置であって、前記イオンプレーティング成膜部は、磁場およびまたは電場により、収束コイル内を通過して収束されたプラズマビームを制御して、蒸着材料に入射されるプラズマビームの形状を基材の幅方向にシート状に広幅にするプラズマビーム形状制御部を備えていることを特徴とするものである。
また、上記いずれかの圧力勾配型イオンプレーティング式成膜装置であって、連続的に基材を供給するための基材搬送機構を備えていることを特徴とするものである。
上記いずれかの圧力勾配型イオンプレーティング式成膜装置であって、基材搬送機構の成膜領域部よりも後段に、成膜により発生した基材帯電を除去する基材帯除去部を備えていることを特徴とするものであり、該基材帯電除去部が、プラズマ放電装置であることを特徴とするものである。
そして、上記いずれかの圧力勾配型イオンプレーティング式成膜装置であって、基材搬送機構の成膜領域よりも前段に、プラズマ放電処理装置を備えていることを特徴とするものである。
上記いずれかの圧力勾配型イオンプレーティング式成膜装置であって、真空チャンバー内に、成膜を行うための成膜室と基材を搬送するための基材搬送室とを、圧力的に仕切って、配設していることを特徴とするものである。
具体的には、上記いずれかの圧力勾配型イオンプレーティング式成膜装置であって、真空チャンバー内に、成膜を行うための成膜室と基材を搬送するための基材搬送室とを有し、前記基材搬送室側には、成膜用ドラムを有し、且つ、該成膜用ドラムの一部を被成膜領域部として成膜室側に向け、突出させて設置している、基材を搬送するための基材搬送部を配し、前記成膜室側には、圧力勾配型プラズマガンを有する圧力勾配型ホローカソード型のイオンプレーティング成膜部を備え、基材を前記成膜用ドラムの周囲に沿わせて搬送し、沿わせた状態で成膜するもので、前記成膜室と前記基材搬送室との間は、前記成膜用ドラムの前記被成膜領域部の周辺を除き、前記成膜用ドラムと仕切り部により物理的に仕切られ、前記成膜室と前記基材搬送室とが、圧力的に仕切られているものであり、前記成膜室側、該成膜用ドラムの被成膜領域部における基材表面近くに前記プラズマ閉じ込め部を備えていることを特徴とするものである。
そして、上記の圧力勾配型イオンプレーティング式成膜装置であって、基材搬送室の成膜室側の成膜用ドラム近傍、前記被膜領域部における基板搬送方向の下流側の位置、成膜用ドラム側に開放口を向けて圧力的に仕切る第1の仕切り室中に、電気的に浮遊状態の電子を帰還させる第2の電子帰還電極を設けていることを特徴とするものである。
そして、上記いずれかの圧力勾配型イオンプレーティング式成膜装置であって、基材搬送室の成膜室側の成膜用ドラム近傍、前記被膜領域部における基板搬送方向の上流側の位置、成膜用ドラム側に開放口を向けて圧力的に仕切る第2の仕切り室中に、電気的に浮遊状態の電子を帰還させる第3の電子帰還電極を設けていることを特徴とするものである。 また、上記いずれかの圧力勾配型イオンプレーティング式成膜装置であって、基材搬送室の成膜室側の成膜用ドラム近傍、前記被膜領域部における基板搬送方向の上流側、下流側の位置に、成膜用ドラムと物理的な仕切りとで、圧力的に仕切られた状態に形成され、真空引きされる真空室(プラズマシール室とも言う)を設けていることを特徴とするものであり、前記真空室は、その圧力が1×10-5Paから1×10-2Paであることを特徴とするものである。
また、上記いずれかの圧力勾配型イオンプレーティング式成膜装置であって、前記成膜用ドラム、前記圧力勾配型プラズマガン、前記各電子帰還電極の、各部間に、必要に応じて、絶縁性の、あるいは、絶縁電位に保持された仕切板が設けられていることを特徴とするものである。
また、上記いずれかの圧力勾配型イオンプレーティング式成膜装置であって、前記基材搬送部は、基材を前記成膜用ドラムへ供給するための基材巻き出し部と、基材を前記成膜用ドラムから巻き取るための基材巻き取り部とを備え、前記成膜用ドラムへの基材の巻き出し供給、前記成膜用ドラムからの基材の巻き取りを行い、基材を連続的に搬送させながら、成膜を行うものであることを特徴とするものである。
また、上記いずれかの圧力勾配型イオンプレーティング式成膜装置であって、前記成膜用ドラムの被成膜領域部よりも後段、基材搬送室側に、成膜により発生した基材帯電を除去する基材帯除去部を備えたことを特徴とするものであり、該基材帯電除去部が、プラズマ放電装置であることを特徴とするものである。
また、上記いずれかの圧力勾配型イオンプレーティング式成膜装置であって、前記成膜用ドラムの被成膜領域部よりも前段、基材搬送室側に、プラズマ放電処理装置を備えていることを特徴とするものである。
また、上記いずれかの圧力勾配型イオンプレーティング式成膜装置であって、前記成膜用ドラムは、前記各電子帰還電極の電位よりも電気的に高い電位に設定されていることを特徴とするものである。
また、上記いずれかの圧力勾配型イオンプレーティング式成膜装置であって、前記成膜用ドラムは電気的にフローティングレベルに設定されていることを特徴とするものである。
また、上記いずれかの圧力勾配型イオンプレーティング式成膜装置であって、前記成膜用ドラムは、少なくとも、ステンレス、鉄、銅、クロムのいずれか1以上を含む材料により形成されていることを特徴とするものである。
また、上記いずれかの圧力勾配型イオンプレーティング式成膜装置であって、前記成膜用ドラムは、その表面が平均粗さRaが10nm以下であることを特徴とするものである。
また、上記いずれかの圧力勾配型イオンプレーティング式成膜装置であって、前記成膜用ドラムは、冷却媒体およびまたは、熱源媒体あるいはヒータを用いることにより、−20℃〜+200℃の間で一定温度に設定することができる温度調節部付きであることを特徴とするものである。
また、上記いずれかの圧力勾配型イオンプレーティング式成膜装置であって、前記成膜用ドラムは、成膜する基材に覆われない領域部である非覆領域部を、絶縁性とするものであることを特徴とするものであり、前記絶縁性の非覆領域部は、Al、Si、Ta、Ti、Nb、V、Bi、Y、W、Mo、Zr、Hfのいずれか1以上の酸化膜または窒化膜にて被膜されていることを特徴とするものである。
あるいは、前記絶縁性の非覆領域部を、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂、マイカのいずれか1の成形体、テープ、コーティング膜により被膜してあることを特徴とするものである。
本発明の圧力勾配型イオンプレーティング式成膜方法は、圧力勾配型プラズマガンを有する圧力勾配型ホローカソード型のイオンプレーティング成膜部により、イオンプレーティング法により基材の一面に薄膜を形成する真空成膜方法であって、成膜する基材表面に接するようにして放電プラズマを生成し、成膜材料を活性化しながら、成膜を行うことを特徴とするものである。
そして、上記の圧力勾配型イオンプレーティング式成膜方法であって、マグネットを有する電極同士を一対として、1対以上配設し、対とする電極間に電圧を印加して、成膜する基材表面に接するようにして放電プラズマを生成するものであることを特徴とするものであり、前記対とする電極間に印加する電圧は、0.1kHzから100kHzの周波数であることを特徴とするものである。
更に、前記マグネット有する電極表面の水平磁束密度は10ガウスから5000ガウスであることを特徴とするものである。
また、上記いずれかの圧力勾配型イオンプレーティング式成膜方法であって、請求項1ないし28のいずれか1項に記載の圧力勾配型イオンプレーティング式成膜装置を用いて成膜を行うことを特徴とするものである。
尚、ここでは、イオンプレーティング成膜部とは、成膜室側に配されたイオンプレーティング成膜に寄与する構成を言い、イオンプレーティング成膜に寄与する各機能部を全て含む。
また、ここでは、成膜材料とはハース内の蒸着材料が蒸発した状態のものを言う。
また、圧力勾配型プラズマガンによりハース内の蒸着材料が蒸発し、この材料の蒸発により真空度が低下するが、この状態で、基材表面近傍に設置された成膜活性部を動作することにより被成膜基材表面近傍に形成されるプラズマを、ここでは、放電プラズマと言っている。
本願発明では、このような放電プラズマを安定的に制御することにより、安定的に均一な成膜を行うことが可能となる。
また、基材近傍でプラズマが形成されることにより、形成される膜の緻密化が可能となり、良質な膜が形成可能となる。
さらに形成される膜の帯電を除去する効果が得られ、安定した成膜が可能となる。
また、ここで、「成膜室と基材搬送室とが、圧力的に仕切られている」とは、基材を搬送させながら成膜作業をする際、成膜室と基材搬送室とが、成膜作業に必要な圧力範囲で、それぞれ個別に圧力を制御でき、実用レベルで、基材搬送室側から成膜室へのガスや水分の流入を防止でき、成膜室から基材搬送室側への蒸着材料やプラズマの流入を防止できる状態であることを意味する。
また、ここで、「AおよびまたはB」とは、A、AとB、Bの全ての場合を含むものである。
また、ここで、「AとBとを結ぶ方向」とは、Aの中心とBの中心とを結ぶ方向を意味する。
(作用)
本発明の圧力勾配型イオンプレーティング式成膜装置は、成膜活性部を備えている請求項1の構成にすることにより、成膜する基材表面近傍でプラズマを形成し、成膜材料が活性化され、結果として、成膜する基材表面に緻密で良質な膜を形成することを可能とし、成膜速度を向上させ、プラズマガン放電に伴い形成された電子を効率よく捕らえることを可能とし、基材表面でのダメージを低減し、密着性に優れた良質な膜を形成することを可能としている。
さらに圧力勾配型イオンプレーティング成膜においては、形成された膜の帯電をプラズマにより除電することが可能となり、長時間にわたり安定的に成膜を行うことが可能となること、形成された膜や基材への帯電によるダメージが低減されること、成膜後の基材のハンドリングにおいて帯電がなく容易になること等の利点が得られる。
詳しくは、マグネットを有する電極同士を一対として、1対以上配設して、対とする電極間に電圧を印加して、成膜する基材表面に接するようにして放電プラズマを生成し、成膜材料(蒸着材料)を活性化する成膜活性部を備えていることにより、成膜する基材表面近傍にプラズマが形成されることとなり、これを達成している。
具体的には、対とする電極間に印加する電圧は、0.1kHzから100kHzの周波数であるものが挙げられ、好ましくは、10kHzから100kHz、さらに好ましくは30kHzから100kHzであることが好ましい。
前記成膜活性部の前記マグネット有する電極表面の水平磁束密度は10ガウスから5000ガウスが好ましい。
電極間に印加する電圧の周波数を0.1kHz以上とすることで、電極間にプラズマ放電の形成、すなわちイオン、電子、ラジカル等の活性源の形成が可能となる。
この結果、蒸着源から基材方向に向かって飛び出し、電極間に飛来した成膜材料に対して、イオン、電子、ラジカル等の活性種により活性エネルギーを供給することが可能となる。
結果として基材上に形成される膜はエネルギーを持って基材表面に到達するため、基材表面で拡散やマイグレーションが生じ、均一かつ密着性が高い膜が形成され、さらにイオン化された成膜材料は電位勾配により、基材に対して打ち込み効果が得られ、緻密性の高い、高品質な膜が形成可能となる。
なお、印加する電圧が100kHz以上の周波数では、主として放電空間に存在するイオンが放電周波数に追従できなくなり、形成されるプラズマ全体の電荷バランスが崩れ、放電の局在化や放電安定性が悪くなるため、0.1kHz〜100kHzが好ましい。
また、放電による分解性を高めるためには、電極間に印加する電圧周波数がより高いことが好ましく、10kHzから100kHz、さらに緻密性の高い膜を得るためには30kHzから100kHzであることが好ましい。
また、前記成膜活性部の前記マグネット有する電極表面の水平磁束密度は、10ガウスから5000ガウス、好ましくは10ガウスから3000ガウス、さらに好ましくは10ガウスから1000ガウスとすることが好ましい。
10ガウス以上であれば電子を収束させるのに十分であり、またより強いほどその効果は向上する。
一方、水平磁束強度が5000ガウスよりも強い場合は、磁石が高価となり、またその設置、取り扱いが難しくなり、実用的でなくなるという問題がある。
さらに5000ガウスよりも、3000ガウス、さらに1000ガウス以下の磁石を用いることが、より安価で耐熱性が高く、安定的に放電を形成可能な磁石が使用でき、より好ましい装置構成となる。
さらに前記、圧力勾配型イオンプレーティング式成膜装置にあって、前記マグネット電極はマグネトロン構造であることが好ましい。
マグネトロン構造とは、例えば、薄膜ハンドブック(日本学術振興会・薄膜第131委員会編集、株式会社オーム社発行、平成7 12月10日第1版第6刷発行)186ページから188ページに記載の通り、スパッタリング等の成膜において電極として用いられてきた技術である。
同書の187ページ、図3.37や図5に示される構造により、マグネットの配置すなわち磁場を工夫して設け、その構造体表面に電子を拘束させることが可能となり、電離衝突の頻度が極めて高くなり、非常に大きなターゲット(材料)衝撃電流密度を容易に得ることができる構造である。
このような構成とすることにより、広幅、大面積に均一に活性化することが可能となるとともに、マグネット電極の一部に熱電子が局在することないために、均一で長時間安定して放電が可能となる。
また、電気的に浮遊状態の電子を帰還させる電子帰還電極を設けている請求項4の構成とすることにより、成膜時に発生する反射電子(浮遊電子)を効率よく帰還させることが可能と成り、特に絶縁性の材料を安定的に連続成膜させることが可能となる。
具体的には、イオンプレーティング成膜部は、成膜室の側面側、前記圧力勾配型プラズマガンの出口部に向けて突出させた前記真空チャンバーの短管部を配し、該短管部を包囲し、前記圧力勾配型プラズマガンからのプラズマビームの横断面を収縮させる収束コイルを備え、前記プラズマビームを成膜室内に配置した蒸着材料の表面に導くものであり、前記短管部内に、プラズマビームの周囲を取り囲み、電気的に浮遊状態の電子を帰還させる第1の電子帰還電極を設けている請求項6の構成や、成膜室内、プラズマビームが照射される領域の蒸着材料と基板の被成膜部とを結ぶ鉛直方向を基準とし、前記圧力勾配型プラズマガンとは反対側に、電気的に浮遊状態の電子を帰還させる第2の電子帰還電極を配設している請求項7の構成を挙げることができる。
尚、第2の電子帰還電極を配設している請求項7に記載の構成とすることにより、蒸着材料表面で形成される反射電子を効率よく帰還させることができ、異常放電を起こさず、安定して長時間成膜することが可能となる。
更に、第2電子帰還電極には電子収束用のマグネットが組み込まれていることにより、磁場を用いて効果的に第2電子帰還電極に電子を引き込むことことができ、効果的に反射電子を帰還させることが可能となり、安定して長時間成膜が可能となる。
また、プラズマビーム形状制御部を備えている請求項7の構成とする場合、圧力勾配型プラズマガンからのプラズマビームは、前記プラズマビーム形状制御部により、基材の幅方向にシート状に広幅に形成されて、蒸着材料に入射されるものであることにより、安定的に、蒸着材料への均一なエネルギ供給と、被成膜領域部への均一な成膜を可能としている。
また、具体的には、連続的に基材を供給するための基材搬送機構を備えている請求項9の構成を挙げることができる。
そして、基材搬送機構の成膜領域部よりも後段に、成膜により発生した基材帯電を除去する基材帯除去部を備えている請求項10の構成とすることにより、成膜した基材の帯電を除去できるものとし、これにより、帯電に起因する基材の破損や品質的低下を防止できる。
基材帯電除去部としては、例えば、プラズマ放電装置、電子線照射装置、除電バー、グロー放電装置、コロナ処理装置など、任意の処理装置を用いることが可能である。
また、プラズマ処理装置、グロー放電処理装置を用いて放電を形成する場合、基材近傍領域でアルゴンや酸素、窒素、ヘリウムなどの放電ガスを単体または混合により供給し、ACプラズマ、DCプラズマ、アーク放電、マイクロウエーブ、表面波プラズマなど任意の放電方式を用いることができる。
また、基材搬送機構の成膜領域部よりも前段に、プラズマ放電処理装置を備えている請求項12の構成とすることにより、成膜前の基材表面の水分や有機物の付着の除去や帯電の除去ができ、また、基材の表面を粗化し、成膜において密着性の良いものとできる。
また、真空チャンバー内に、成膜を行うための成膜室と基材を搬送するための基材搬送室とを、圧力的に仕切って、配設している請求項13の構成とする形態が挙げられ、特に、フィルムやコイルなどロール状の連続供給可能な基材に対して成膜を行うに好適な形態としては、前記基材搬送室側には、成膜用ドラムを有し、前記基材搬送部は、該成膜用ドラムの一部を被成膜領域部として成膜室側に向け、突出させて設置しているもので、前記成膜室と前記基材搬送室との間は、前記成膜用ドラムの前記被成膜領域部の周辺を除き、前記成膜用ドラムと仕切り部により物理的に仕切られ、前記成膜室と前記基材搬送室とが、圧力的に仕切られており、基材を前記成膜用ドラムの周囲に沿わせて搬送し、成膜室側、成膜用ドラムの被成膜領域部において、基材を前記成膜用ドラムの周囲に沿わせた状態にして、基材の一面上に成膜するものである、請求項14の構成の形態の成膜装置が挙げられる。
これらの場合、成膜室と基材搬送室とが、圧力的に仕切られていることにより、基材搬送室側から成膜室への基材から発生するガスや水分の流入を防止でき、成膜室から基材搬送室側への蒸着材料やプラズマの流入を防止できものとしている。
基材から発生するガスや水分の成膜室の流入を避けることができ、成膜時に良質な膜が得られる利点がある。
そしてまた、基材搬送室を、成膜室とは独立して、真空圧10-1 Pascal(以下、Paとも記載する)より高い真空度とでき、これにより、基材搬送室において、基材が帯電されることを有効に防止され、異常放電が生じることもなく、安定した成膜や基材搬送が可能となり、また基材搬送部に設置された部品にダメージを与えることがなく装置稼動できるものとしている。
基材搬送室は、真空排気ポンプにより減圧され、その到達圧力は100Paから0.0001Pa、実際の成膜時も、100Paから0.0001Paの範囲で、かつプラズマの流れ込みを防ぐため、成膜室100の圧力よりも10倍から1000倍程度高真空であることが必要である。
またプラズマによる異常放電を起こりにくくさせる観点から、基材搬送室は0.1Paよりも高真空、好ましくは0.01Paよりも高真空、さらに好ましくは0.001Paよりも高真空であることが好ましい。
また、基材搬送室の成膜室側の成膜用ドラム近傍、前記被膜領域部における基板搬送方向の上流側、下流側の位置に、成膜用ドラムと物理的な仕切りとで、圧力的に仕切られた状態に形成され、真空引きされる真空室を設けている請求項15の構成にすることにより、成膜室から流入するプラズマを該真空室にて早かに真空引きし、基材搬送室において放電が起こり難いものとし、これにより、成膜前、成膜後の基材への、成膜室から流入するプラズマによる品質的や作業的な悪影響や、基材搬送室における真空度低下による異常放電を確実に排除できるものとしている。
更に、前記真空室に電気的に浮遊状態の電子を帰還させる電子帰還電極を備えていることにより、更に確実に、成膜前、成膜後の基材への、成膜室から流入するプラズマによる品質的や作業的な悪影響や、基材搬送室における真空度低下による異常放電を確実に排除できるものとしている。
このような真空室は、基材搬送室へ流入するプラズマを局所的に阻止するもので、そのような意味からは、プラズマシール室とも言う。
真空室の真空度としては、1×10-2Paより高いと放電が発生し、1×10-5Paより低い場合には、その真空引きにイオンポンンプ等の特別な高真空引き用のポンプが必要となり、作業面からも非効率的となり、1×10-5Paから1×10-2Paであることが好ましい。
あるいはまた、前述の真空室を設けないで、第3の電子帰還電極を設けている請求項18の構成とすることにより、仕切り室内において、浮遊電子を確実に第3の電子帰還電極に帰還させることを可能にしている。
尚、成膜領域部における基板搬送方向の下流側の方が、成膜領域部における基板搬送方向の上流側よりも、浮遊電子の発生量は圧倒的に多く、効果的に浮遊電子を帰還させる。 更に、基材搬送室の成膜室側の成膜用ドラム近傍、前記被膜領域部における基板搬送方向の上流側の位置、成膜用ドラム側に開放口を向けて圧力的に仕切る第2の仕切り室中に、電気的に浮遊状態の電子を帰還させる第3の電子帰還電極を設けている場合には、成膜用ドラム近傍での浮遊電子の把握を確実なものとでき、安定的な蒸着材料へのエネルギー供給を可能としている。
また、成膜用ドラムは、電子帰還電極の電位よりも電気的に高い電位に設定されている請求項19の構成にすることにより、成膜用ドラム近傍から電子帰還電極への浮遊電子の帰還が起こらないようにして、成膜系を安定なものとしているが、特に、成膜用ドラムを電気的にフローティングレベルに設定している場合には、より安定的な成膜を可能としている。
成膜用ドラムの電位が、電子帰還電極の電位もしくは装置内の他の構成部品の電位よりも低く設定されると、成膜室で発生させたプラズマが電位差の大きいところに落ちてしまうことを防ぐためで、少なくとも、電子帰還電極の電位より高い電位に設定されていないと、安定した成膜ができなくなる。
ここで、電気的フローティングレベルとは、電気的に他の装置部品と絶縁性を保たれるよう装置が設計、構成されている状態を意味している。
絶縁性が確保されるよう設計されているにも関わらず、成膜ドラムの冷却や加熱等温度調節のために冷媒等が用いる場合には、その配管や冷媒が若干の導電性を有することに起因して、アースレベル(グラウンドレベル)を基準として、100Ω〜1000Ωの抵抗を有している状態も本発明の範囲に含まれるものとする。
また、成膜用ドラム、圧力勾配型プラズマガン、電子帰還電極の各部間には、絶縁性の、あるいは、絶縁電位に保持された仕切板が設けられている請求項21の構成とすることにより、各部間をまたぐように浮遊電子が移動することはなく成膜系を安定なものにできる。
この絶縁性確保により、プラズマが電気的に落ちることがなく、プラズマの異常放電を防ぐことで、安定した成膜が可能となる。
また、前記基材搬送部は、基材を前記成膜用ドラムへ供給するための基材巻き出し部と、基材を前記成膜用ドラムから巻き取るための基材巻き取り部とを備え、前記成膜用ドラムへの基材の巻き出し供給、前記成膜用ドラムからの基材の巻き取りを行い、基材を連続的に搬送させながら、成膜を行うものである請求項22の構成とすることにより、ロールから巻き出し、ロールに巻き取ることができる基材に対して、電気的絶縁性物質からなる薄膜を、連続的に、安定的、且つ効率的に成膜することができる真空成膜装置の提供を可能とした。
尚、幅広の基材に対して均一に成膜を行うため、前記圧力勾配型プラズマガン、それに付随する収束コイル、電子帰還電極等は、基材幅方向に対して複数台並列して設置することも可能である。
成膜用ドラムとしては、少なくとも、ステンレス、鉄、銅、クロムのいずれか1以上を含む材料により形成されていることにより、ドラム自体が熱伝導性の良いもので、温度制御をする際に、容易に制御し易いものとしている。
またドラム表面の傷つき防止のため、ドラム表面へ硬質クロムハードコート処理等を施しても良い。
具体的には、冷却媒体およびまたは、熱源媒体あるいはヒータを用いてその温度制御を行うことが簡単な方法として挙げられるが、特に、関連する機械部材(例えば、ベアリング等の耐熱部品)からの制約等、汎用性の面からは、これらにより、−20℃〜+200℃の間で一定温度に設定することができる温度調節部付きのものとし、その度制御特性(安定性)は成膜による熱負荷時で、設定温度±2℃以内に温度制御を行う態様が好ましい。
また、成膜用ドラムは、その表面平均粗さRaが10nm以下、好ましくは5nm以下、更に好ましくは2nm以下であることが好ましい。
通常、プラスチックフィルムの表面粗さは、通常10nm〜50nm、特別に表面平坦性を持たせて加工した基材で5nm〜10nm、さらに表面にコーティング加工により平坦加工を施した場合で、5nm以下の表面平坦性をもつため、これら基材に対して効率良く冷却、加熱などの温度調節を行うためには、成膜用ドラム表面は上記範囲が好ましい。
また、成膜用ドラムは、成膜する基材に覆われない領域部である非覆領域部を絶縁性とするものであることにより、成膜時の電力が流れ込むことを防ぐことが可能となり、安定した成膜が可能となる。
絶縁性の非覆領域部としては、Al、Si、Ta、Ti、Nb、V、Bi、Y、W、Mo、Zr、Hfのいずれか1以上の酸化膜または窒化膜を被膜してあるものが挙げられる。
勿論、絶縁性の非覆領域部を、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂、マイカのいずれか1の成形体、テープ、コーティング膜により被膜してあるものでも良い。
尚、コーティング膜は、ここでは、種々コーティング方法により形成されたもの全てで、塗装、焼付け塗装、焼結により形成された膜を含む。
本発明の圧力勾配型イオンプレーティング式成膜方法は、このような構成にすることにより、成膜材料を活性化し、成膜する基材表面に緻密で良質な膜を形成することを可能とし、成膜速度を向上させ、基材表面でのダメージを低減し、良質な膜を形成することを可能とするもので、更には、電気的絶縁性物質を成膜する場合にも対応でき、対象とする基材上に充分安定的に成膜することができ、且つ、安定的に、成膜された基材を得ることができる、圧力勾配型イオンプレーティング方法を用いた真空成膜方法の提供を可能としている。
本発明は、上記のように、成膜活性部を備えた構成にすることにより、成膜材料が活性化され、結果として、成膜する基材表面に緻密で密着性の良い、良質な膜を形成することを可能とし、成膜速度を向上させ、プラズマガン放電に伴い形成された電子を効率よく捕らえることを可能とし、基材表面でのダメージを低減し、良質な膜を形成することを可能とた。
更に、電気的絶縁性物質を成膜する場合にも対応でき、対象とする基材上に充分安定的に成膜することができ、且つ、安定的に、成膜された基材を得ることができる、圧力勾配型イオンプレーティング方法を用いた真空成膜装置、真空成膜方法の提供を可能とした。 更にまた、基材が帯状、長尺状で、ロール状に巻き取り、巻き出しができる場合において、能率的に且つ安定的に、成膜された基材を得ることができる圧力勾配型イオンプレーティング方法を用いた真空成膜装置、真空成膜方法の提供を可能とした。
即ち、ロールから巻き出し、ロールに巻き取ることができるフィルム基材に対して、電気的絶縁性物質からなる薄膜を、連続的に、安定的、且つ効率的に成膜することができる真空成膜装置、真空成膜方法の提供を可能とした。
本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
図1は本発明の圧力勾配型イオンプレーティング式成膜装置の実施の形態の第1の例の構成断面図で、図2は成膜用ドラムと蒸着材料とプラズマガンとの位置関係を説明するための図で、図3(a)は図1のA1−A2における成膜用ドラムの断面図で、図3(b)は成膜用ドラムを成膜室側からみた外観図で、図4は成膜活性部のマグネット電極の配列の1例を示した図で、図5(a)は成膜活性部のマグネット電極の別の配列の1例を示した図で、図5(b)は図5(a)のC1−C2に置けるマグネット部材411Aの断面図で、図6は本発明の圧力勾配型イオンプレーティング式成膜装置の実施の形態の第2の例の構成断面図である。
図1〜図5中、100は成膜室、101は短管部、110はプラズマガン(圧力勾配型プラズマガンのこと)、111は第1中間電極、112は第2中間電極、115は放電電源、116は陰極、120はハース、125はハース用磁石、130は蒸着材料、140は収束コイル、150は電子帰還電極、155はプラズマビーム形状制御部(プラズマビーム制御用磁石とも言う)、160は放電用ガス(ここではArガス)、165はプラズマビーム、170は防着板、171は開口、180は真空ポンプ、190は仕切り部、200は基材搬送室、210は基材搬送部、211は基材巻き出し部、212は成膜用ドラム、212Aは被成膜領域、212Bは非覆領域部、212aはドラム、212bは回転軸、212cは絶縁性のテープ、212dは回転軸受け、213は基材巻き取り部、214、215は搬送ロール、220は基材前処理部、230は基材後処理部(基板帯電除去部とも言う)、240は真空ポンプ、280は基材、290は真空室(プラズマシール室)、291は仕切り部、295は真空ポンプ、300は真空チャンバー、411は電極(マグネット電極とも言う)、411Aはマグネット部材、411aはベースプレート、411bは被膜部、412は配線、413は電源、415は放電プラズマである。
また、図6中、11はプラズマガン、12は真空チャンバー、12Aは短管部、13は基板、14は放電電源、15は陰極、16は第1中間電極、17は第2中間電極、18は収束コイル、19はハース、20は蒸着材料、21はハース用磁石、22はプラズマビーム、22Aは放電用ガス、24は真空排気部、41はマグネット、42は配線、43は電源、45は放電プラズマである。
はじめに、本発明の圧力勾配型イオンプレーティング式成膜装置の実施の形態の第1の例を図1に基づいて説明する。
本例の圧力勾配型イオンプレーティング式成膜装置は、帯状、長尺状で、ロール状に巻き取り、巻き出しができるフィルムからなる基材280の一面に薄膜を形成する真空成膜装置で、特に、成膜室100側、成膜用ドラム212の被成膜領域部212Aにおける基材280表面近くに、マグネットを有する電極411同士を一対として、複数対を配設し、該複数対の電極間に電圧を印加し、成膜する基材280表面に接するようにして放電プラズマ415を生成し、蒸発した蒸着材料130(ここでは成膜材料とも言う)を活性化する成膜活性部を備えていることにより、成膜する基材表面近傍でプラズマを形成し、成膜材料が活性化され、結果として、成膜する基材表面に緻密で良質な膜を形成することを可能とし、成膜速度を向上させ、プラズマガン放電に伴い形成された電子を効率よく捕らえることを可能とし、基材表面でのダメージを低減し、密着性に優れた良質な膜を形成することを可能としている。
さらに、形成された膜の帯電をプラズマにより除電することが可能となり、長時間にわたり安定的に成膜を行うことが可能となり、形成された膜や基材への帯電によるダメージが低減され、成膜後の基材のハンドリングを帯電がなく容易にできる。
尚、本例では、成膜活性部は、マグネットを有する電極411同士を一対とする複数対と、電源413、各対とする電極411と電源413を結ぶ配線412とを少なくとも備えるものである。
そして、本例の圧力勾配型イオンプレーティング式成膜装置は、1つの真空チャンバー300内に、成膜を行うための成膜室100と基材を搬送するための基材搬送室200とを有し、基材搬送室200側には、基材280をその周囲に沿わせて搬送し、基材を沿わせた状態で成膜する成膜用ドラム212と、基材280を成膜用ドラム212へ供給するための基材巻き出し部211と、基材280を成膜用ドラム212から巻き取るための基材巻き取り部213とを備え、且つ、成膜用ドラム212の一部を被成膜領域部212Aとして成膜室100側に向け、突出させて設置している、基材280を搬送するための基材搬送部210を配しており、成膜室100側には、圧力勾配型のプラズマガン110を有する圧力勾配型ホローカソード型のイオンプレーティング成膜部(図番は示していない)を備えたものであり、成膜室100と基材搬送室200との間は、成膜用ドラム212の被成膜領域部212Aの周辺を除き、前記成膜用ドラム212と仕切り部190により物理的に仕切られ、成膜室100と基材搬送室200とが、圧力的に仕切られているもので、基材280の巻き出し供給、基材280の巻き取りを行い、基材280を連続的に搬送させながら、成膜を行うものである。
本例においては、真空ポンプ180、真空ポンプ240は、それぞれ、個別に、成膜室100側、基材搬送室200側の真空度を制御するものであるが、真空ポンプ191は、成膜室100を真空引きする真空ポンプ180、基材搬送室200全体を真空引きする真空ポンプ240とは別に真空室290を真空引きする。
更に、本例においては、基材搬送室200の成膜室100側の成膜用ドラム212近傍、被膜領域部212Aにおける基板搬送方向の上流側、下流側の位置に、成膜用ドラムと物理的な仕切りである仕切り部291とで、圧力的に仕切られた状態に形成され、真空ポンプ295により真空引きされる真空室(プラズマシール室)290を設けており、これにより、成膜室100から流入するプラズマを真空室290にて真空引きし、基材搬送室200において放電が起こり難いものとし、成膜前、成膜後の基材280への、成膜室100から流入するプラズマによる品質的や作業的な悪影響を排除できるものとしている。
基材搬送室200は、真空排気ポンプ240により減圧され、その到達圧力は100Paから0.0001Pa、実際の成膜時も、100Paから0.0001Paの範囲で、かつプラズマの流れ込みを防ぐため、成膜室100の圧力よりも10倍から1000倍程度高真空であることが必要である。
またプラズマによる異常放電を起こりにくくさせる観点から、基材搬送室は0.1Paよりも高真空、好ましくは0.01Paよりも高真空、さらに好ましくは0.001Pa以下であることが好ましい。
真空室290の真空度としては、1×10-2Paより高いと放電が発生し、1×10-5Paより低い場合には、その真空引きにイオンポンプ等の特別な高真空引き用のポンプが必要となり、作業面からも非効率的となり、1×10-5Paから1×10-2Paに設定することが好ましい。
真空室290室がこのような圧力領域に設定されていると、放電が起こることが不可能と成り、プラズマのリークがなくなるとともに、基材280から発生した脱ガス成分も排気され、成膜室へ流れ込むことがなくなる。
尚、先にも述べたが、ここでは、イオンプレーティング成膜部とは、成膜室側に配されたイオンプレーティング成膜に寄与する構成を言い、イオンプレーティング成膜に寄与する各機能部を全て含む。
そして更に、イオンプレーティング成膜部は、成膜室100の側面側、前記圧力勾配型のプラズマガン110の出口部に向けて突出させた前記真空チャンバーの短管部101を配し、該短管部101を包囲し、前記圧力勾配型のプラズマガン110からのプラズマビーム165の横断面を収縮させる収束コイル140を備え、前記プラズマビーム165を成膜室100内に配置した蒸着材料130の表面に導き、成膜用ドラム212の被成膜領域部212Aにおいて基材280の一面上に薄膜を形成するもので、更に、短管部101内に、プラズマビーム165の周囲を取り囲み、電気的に浮遊状態の電子を帰還させる電子帰還電極150を設けている。
尚、広幅基材に対して均一に成膜するため、圧力勾配型プラズマガンや電子帰還電極等は基材幅方向に対して、並列に複数台設置してもよい。
本例においては、上記のように、成膜室100と基材搬送室200とが、圧力的に仕切られて、イオンプレーティング成膜部が、収束コイル140を備え、短管部101内に電気的に浮遊状態の電子を帰還させる電子帰還電極を150設けていることにより、安定的な蒸着材料へのエネルギー供給を可能としている。
本例では、電子帰還電極150を蒸着材料から離れた位置に設けて、蒸着材料130が電子帰還電極150に付着しにくくなっている。
勿論、基材280から発生するガスや水分の成膜室110の流入を避けることができ、成膜時に良質な膜が得られる。
成膜用ドラム212は、電子帰還電極150の電位よりも電気的に高い電位に設定されており、これにより、成膜用ドラム212近傍から電子帰還電極150への浮遊電子の帰還が起こらないようにして、成膜系を安定なものとしているが、特に、成膜用ドラムを電気的にフローティングレベルに設定している場合には、より安定的な成膜を可能とする。 尚、成膜用ドラム212の電位が低いと、成膜室100で発生させたプラズマが電位差の大きいところに落ちてしまうことを防ぐためで、少なくとも、電子帰還電極150の電位より高い電位に設定されていないと安定した成膜ができなくなる。
本例では、電子帰還電極150を蒸着材料130から離れた位置に設けて、蒸着材料130が電子帰還電極150に付着しにくくなっている。
また、本例の圧力勾配型イオンプレーティング式成膜装置においては、成膜室100内収束コイル140と蒸着材料130間に、磁石の磁場により、収束コイル140内を通過したプラズマビーム165を制御して、蒸着材料に入射されるプラズマビームの形状を基材の幅方向にシート状に広幅にするプラズマビーム形状制御部155を備えている。
本例のプラズマビーム形状制御部155は、一対の同極性同士(N極同士、あるいはS極同士)を対向させたシート状磁石を配置した構成で、これにより、蒸着材料に入射するプラズマビーム165をシート状にし、広幅の蒸着源を形成することで、広幅基材に対して均一に成膜できるようになっている。
また、このシート状磁石や蒸着源は、プラズマガンや電子帰還電極同様に基材幅方向に対して並列に設置してもよい。
ここで、図2に基づいて、成膜用ドラム212と蒸着材料130とプラズマガン110との位置関係を説明しておく。
図2に示すように、圧力勾配型のプラズマガン110は、被膜領域部212Aにおける基材280の搬送方向の上流側に設けられて、成膜室100の側面側から成膜用ドラムの基材幅方向280Wに対して直交する方向でプラズマビーム165を入射させる。
ここでは、基材280への成膜均一性の面から、ハース120内の凹部に載置された蒸着材料130の形状は、成膜用ドラム212上の基材280の成膜する領域をカバーする長さに合わせた長さの略長方形で、ほぼ成膜用ドラム212の回転軸位置に合わせてある。
そして、入射されたプラズマビーム165はプラズマビーム形状制御部155により、シート状に幅広に広げられ、基材280の成膜する領域をカバーする長さの蒸着材料130全体に均一に入射され、全体に均一にエネルギーが供せられる。
この結果、蒸着材料130上部の成膜用ドラム212に沿う基材280へ幅方向均一に蒸着が行われる。
また、成膜室100の成膜用ドラム212の被成膜領域部212Aに、成膜用ドラム212を覆うように配設される基材280に対し、不要部分に蒸着材料が付着しないように、蒸着材料の付着領域を制御する、所定の開口171を有する防着板170を備えている。
これにより、不要部分への蒸着材料の付着を防止し、安定的に成膜用ドラム212の被成膜領域部212Aを覆う基材280へ均一な成膜を可能としている。
また、本例の圧力勾配型イオンプレーティング式成膜装置においては、基材搬送室200側に、成膜用ドラム212の被成膜領域部212Aよりも後段の位置に、成膜により発生した基材帯電を除去するプラズマ放電装置からなる基材後処理部230を備え、且つ、基材搬送室側200に、成膜用ドラム212の被成膜領域部212Aよりも前段の位置に、基材280表面の水分や有機物の付着の除去を行うとともに、基材表面のぬれ性を向上させ、かつ成膜時の密着性を向上させるために粗面化させ、基材280の帯電除去を行うプラズマ放電処理装置からなる基板前処理部220を備えている。
本例においては、成膜室100と前記基材搬送室200との間は、成膜用ドラム212の被成膜領域部212Aの周辺を除き、前記成膜用ドラム212と仕切り部190により物理的に仕切られ、成膜室100と基材搬送室200とが、圧力的に仕切られており、基板前処理部220、基材後処理部230による各処理の影響は成膜室100側へは及ばない。
基材前処理部220および基材後処理部230は、それぞれ、基材280表面の水分や有機物の付着除去、膜との密着性向上のための表面処理(表面粗面化または改質)や、帯電除去を行うことを目的として設置されが、プラズマ処理装置の他、電子線照射装置、赤外線ランプ、UVランプ、除電バー、グロー放電装置など、任意の処理装置を用いることが可能である。
プラズマ処理装置、グロー放電装置においては、基材280近傍領域でアルゴンや酸素、窒素、ヘリウムなどの放電ガスを単体または混合により供給し、放電を形成する。
放電の形式としては、ACプラズマ、DCプラズマ、マイクロウエーブ、表面波プラズマなど任意の方式が用いられる。
特に圧力勾配型イオンプレーティング方式による成膜装置においては、基材後処理部においては、帯電除去を行うことが重要である。
成膜後、基板後処理装置により帯電除去を行わないと、(1)フィルムがドラムに巻きつきスムーズな搬送ができないこと、(2)帯電電荷が成膜した膜の膜質劣化や基材の着色や物性劣化を引き起こすこと、(3)巻取ロールに電荷がたまり、ハンドリングや後加工が困難になることなどの問題が生じるため、帯電除去は必須である。
本例のイオンプレーティング成膜部(図番号では示していない、図3参照)の成膜動作について、また各部の動作について、以下、簡単に説明しておく。
プラズマビーム165の発生機構や、制御されたプラズマビームを蒸着材料130へ入射して蒸着材料を蒸発させ基材280上に成膜する機構は基本的に、先に述べた図3に示すイオンプレーティング装置と全く同じである。
公知の圧力勾配型のプラズマガン110により、真空チャンバー300の成膜室100内にプラズマを発生させて、蒸発させる蒸着材料130上部、成膜室100の上側に配置した、成膜用ドラム212の被成膜領域部212Aへ沿うように覆った基材280上に蒸着により薄膜を形成するものである。
プラズマガン110は、放電電源115のマイナス側に接続された陰極116と、放電電源115のプラス側に抵抗を介して接続された環状の第1中間電極111、第2中間電極113を備え、陰極116側から放電ガスの供給を受け、前記放電ガスをプラズマ状態にして第2中間電極112から真空チャンバー300の成膜室100内に向けて流出させるような配置にされている。
真空チャンバー300の成膜室100は、真空ポンプ180により接続され、その内部は所定の減圧状態に保たれている。
また真空チャンバー300の第2中間電極112に向けて突出した短管部101の外側には、この短管部101を包囲するように収束コイル140が設けられている。
真空チャンバー300の成膜室100の下部には、放電電源115のプラス側に接続された導電性材料からなるハース120が載置されており、このハース120上の凹所に薄膜の材料となる導電性あるいは絶縁性の蒸着材料130が収められている。
ハース120の内部にはハース用磁石125が設けられている。
そして、第2中間電極112から蒸着原料130に向けてプラズマビーム165が形成され、蒸着原料130が蒸発され、基材280に付着し、薄膜が形成される。
本例では、第2中間電極112からプラズマビーム165が出た短管部101位置に、短管部101を包囲し、前記圧力勾配型のプラズマガン110からのプラズマビームの横断面を収縮させる収束コイル140を備えており、また、収束コイル140を通過し、収縮されたプラズマビーム165の形状を、基材280の幅方向にシート状、所定幅に広げて制御するプラズマビーム形状制御部155を備えており、第2中間電極112からのプラズマビーム165はその横断面を収縮されて、更に、基材280の幅方向にシート状、所定幅に広げて制御されて蒸着材料130へ均一にして入射される。
尚、ハース用磁石125はプラズマビーム165をハース120に導く作用をしている。
また、図示していないが、ハース120の蒸着材料を入れておく凹部は基材280の幅に合わせ、その幅方向に長手とし、蒸着材料130は該凹部長手方向に均一に載置されており、蒸着材料130は基材幅方向に均一に蒸発して、防着板170の開口171を通過して基材280上に成膜される。
先のも述べたように、本例においては、成膜室100側、成膜用ドラム212の被成膜領域部212Aにおける基材280表面近くに、マグネットを有する電極411同士を一対として、複数対を配設し、該複数対の電極間に電圧を印加して、成膜する基材280表面に接するようにして放電プラズマ415を生成し、蒸発した成膜材料を活性化する成膜活性部を備えていることにより、成膜する基材表面近傍でプラズマを形成し、成膜材料が活性化され、結果として、成膜する基材表面に緻密で良質な膜を形成することを可能とし、成膜速度が向上し、また、プラズマガン放電に伴い形成された電子を効率よく捕らえることができ、基材表面でのダメージが低減し、良質な膜を形成することが可能となる。
尚、電極411となるマグネットの表面の水平磁束密度としては、10ガウスから5000ガウスであることが好ましい。
本例では、安定的に、蒸着材料130への均一なエネルギー供給と、被成膜領域部212Aへの均一な良質の膜の成膜を可能としている。
このようにして、成膜されるが、成膜中、基材280は、成膜用ドラム212に沿い、成膜用ドラム212と共に回転し、その帯状の長手方向に連続して蒸着される。
成膜用ドラム212の回転に伴い基材280は搬送されて、帯状の長手方向に連続して成膜される。
成膜活性部は、マグネットを有する電極411同士を一対として、複数対を配設し、各対の電極間に電圧を印加して、成膜する基材280表面に接するようにして放電プラズマを生成するものであるが、本例のように、マグネット(磁石)を図4に示すようにN極、S極一定間隔で並べる方法が挙げらえるが、磁石配列としては特に限定されない。
例えば、図5に示すような、マグネトロン構造の磁気回路を用いても良い。
図5のマグネトロン構造は、回路設計上電子やイオンが磁気回路にそって連続的に運動し、局所的に溜まることがないため、局部的に磁石等構造体に熱がたまることがなく、成膜、特に成膜分布に対して悪影響を及ぼす可能性がなく、好適である。
成膜活性部において放電に用いられる電圧としては、0.1kHzから100kHzの周波数のものが好ましく、このような周波数の電源413を用いる。
0.1kHz以上とすることで、成膜材料を活性化可能なイオン、電子、ラジカル等の活性種を生成可能であるが、100kHz以上の周波数では、主としてイオンが放電周波数に追従できなくなり、形成されるプラズマ全体の電荷バランスが崩れ、放電安定性が悪くなるため、結局、0.1kHz〜100kHzが好ましい。
さらに、電極411表面の水平磁束密度を10ガウスから5000ガウスが好ましい。 10ガウス以上であれば電子を収束させるのに十分であり、またより強いほどその効果は向上する。
一方、水平磁束強度が5000ガウスよりも強い場合は、磁石が高価となり、またその設置、取り扱いが難しくなり、実用的でなくなるという問題がある。
磁石としては、通常市販の材料を用いることが可能で、酸化鉄が主成分のフェライト磁石、アルミニウム、ニッケル、コバルトを含むアルニコ磁石、希土類金属を主成分とするサマリウム磁石、ネオジム磁石、鉄・クロム・コバルト・白金の2種類以上を主成分とする金属磁石、マンガンアルミ磁石などを用いることが可能である。
またこれら磁石の幅、高さ等を適宜調整することにより、マグネット表面での水平磁束密度を調整することが可能である。
マグネット機構表面で、10ガウス以上であれば電子を収束させるのに十分であり、またより強いほどその効果は向上する。
一方、水平磁束強度が5000ガウスよりも強い場合は、通常、磁石が高価となり、またその設置、取り扱いが難しくなり、実用的でなくなるため、水平磁束密度は10から5000ガウスの範囲が好ましい。
また磁気回路の配置方法や測定位置に依存するが、被成膜部表面での磁場密度は10ガウスから数百ガウス、最高で5000ガウスとなり、その密度が高いほど膜質や成膜速度、電荷除去効果が高くなる。
更に、上記マグネットにより形成される磁気回路は電気的に、アースレベル、フローティングのいずれであってもかまわない。
アースレベルに設定した場合は、電化除去効果が高くなり、帯電防止効果が高くなる一方、フローティングレベルである場合は、成膜条件に関わらず、プラズマが立ちやすくなり、また安定したプラズマ放電が可能となる。
基材搬送機構部210は、以下のように動作を行う。
成膜用ドラム212への基材280の供給は、基材巻き出し部211からガイドロール214を経て行われ、また、成膜用ドラム212からの基材280の排出は、成膜用ドラム212からガイドロール215を経て基材巻き取り部213により行われて、全体として基板搬送機構を形成するものである。
先にも述べたが、本例においては、基材搬送室側200に、成膜用ドラム212の被成膜領域部212Aよりも前段の位置に、プラズマ放電装置からなる基板前処理部220を備えており、これにより、基材280表面の水分や有機物の付着の除去を行うとともに、基材表面を粗化し、また、基材搬送室200側に、成膜用ドラム212の被成膜領域部212Aよりも後段の位置に、プラズマ放電装置からなる基材後処理部230を備えており、これにより、成膜により発生した基材の帯電を除去するため、安定して、良好に成膜された機材を得ることを可能としている。
基材搬送機構部210は、基材280に一定の張力(テンション)をかけながら基材280を搬送する。
通常、搬送系制御には、ACドライブシステムまたはDCドライブシステムを用い、少なくとも、成膜用ドラム212、基材巻き出し部211、基材巻取り部213に駆動用モーターを用い、また張力測定のための張力ピックアップロールが使用される。
搬送制御方法は、例えば、成膜用ドラム212をマスターロールとして設定し、張力ピックアップロール信号に用い、各モーターに必要なトルク信号を送り、基材搬送を制御する。
基材搬送にあたり必要な張力は、基材280の種類や厚み、物性により適宜変更され、結果として加工後、本例においては成膜後に、ロール端部の段ずれや表面、裏面でのしわ発生、傷つきなどがない状態で、加工前同様にロール状態に巻き取れるよう設定される。 基材280の搬送速度は駆動モーターやギヤを組み合わせることで最小毎分0.1mから最大毎分1000mの速度で搬送することが可能である。
成膜用ドラム212について、図3に基づいて説明しておく。
尚、図1に示す成膜用ドラム212は、図3のB1−B2における断面を示したものである。
本例における成膜用ドラム212は、回転軸212bを中心に回転し、その周囲に沿わせた基材280を搬送するもので、搬送中、先にも述べたように、蒸発した蒸着材料130を防着板170の開口171を通過させて、成膜が行われ、成膜用ドラム212の基材280搬送とあいまって、帯状の基材280上に連続的に成膜を行うことができるのである。
本例においては、成膜用ドラム212としては、成膜の温度制御という面から、設定された温度を効率よく基材に伝え、耐熱性に優れ、かつ加工性に優れ、十分な物理強度を有する観点から、金属材料、とりわけステンレス、鉄、銅、クロムのいずれか1以上を含む材料により形成しており、図示していないが、冷却媒体およびまたは、熱源媒体あるいはヒータ等を用いて、一定温度に設定することができる温度調節部を備えており、基材への熱ダメージを低減でき、安定した成膜が可能となる。
またその表面には保護のため硬質のクロム膜ハードコート等を形成しても良い。
成膜ドラム212により、基材280の冷却および加熱が可能な構造である。
温度制御部は、汎用性があり、簡便に構成できる部材を用いる場合には、比較的簡単に、冷媒や熱媒等の冷却、加熱機構を用いることにより、−20℃〜+200℃の間で一定温度に設定することができる。
成膜用ドラム212は、成膜時に高温となった蒸着材料130が基材280表面に付着し、蒸着膜を形成するが、この際、基材280がフィルム等の耐熱性に低い場合には、通常は冷却されることが望ましく、その温度は−10℃から+20℃の間の一定温度に制御される。
この場合、成膜完了後、成膜用ドラム212が冷却されたままであると、減圧下から大気圧に戻す際、ドラム表面(フィルム表面)に結露をおこすため、ドラムは加熱により冷却されたドラムを室温まで速やかに戻せるような構造であることが好ましい。
また、基材280が耐熱性を有する場合は、ドラムを200℃程度まで高温に加熱して使用する方法も好ましい。
基材280がフィルムに限らず、シリコンウエハー、ガラスの場合と同様に、成膜時の基材表面が高温であるほど、形成される膜は緻密で良好な膜となることは一般的に広く知られている。
これら冷却、加熱を行うには、例えば冷却源と加熱源を有する温度調節機を用い、温度媒体として、エチレングリコール水溶液やオイル等を用い、これらを温度調節機内で設定温度に調節した後、成膜ドラムに循環させる方法が好ましい。
この他、加熱方式として、赤外線ランプ、紫外線ランプ、ヒーターロールを単独もしくは併用により用いる方法も使用することができる。
また、成膜用ドラム212は、電子帰還電極150の電位よりも電気的に高い電位に設定されているか、または、電気的にフローティングレベルに設定されている。
成膜用ドラムの電位が、電子帰還電極の電位もしくは装置内の他の部品の電位よりも高く設定することで、成膜室で発生したプラズマのもれを防ぐことが可能となり、成膜室で安定した成膜が可能となる。
ドラムが電気的にフローティングレベルに設定されている場合も、同様にドラムに電気の流れ込みを抑えることが可能となり、同様の効果をえることが可能である。
ここで電気的フローティングレベルとは、電気的に他の装置部品と絶縁性を保たれるよう装置が設計、構成されている状態を意味している。
絶縁性が確保されるよう設計されているにも関わらず、成膜ドラムの冷却や加熱等温度調節のために冷媒等が用いる場合には、その配管や冷媒が若干の導電性を有することに起因して、アースレベル(グラウンドレベル)を基準として、100Ω〜1000Ωの抵抗を有している状態も本発明の範囲に含まれるものとする。
尚、成膜用ドラム212の表面は、基材280と接触した場合には、その表面全面が被成膜部に対して電気的に絶縁被服されていることが好ましい。
また、成膜ドラムの側面や回転軸等、可能な限り絶縁被服を施し、電気流れ込みの原因となる金属表面が露出しない構造とすることが好ましい。
このような構成により、成膜時の電力が流れ込むことを防ぐことが可能となり、安定した成膜が可能となる。
本例では、図3に示すように、成膜用ドラム212への成膜を防止するために、絶縁性テープ212cをドラム面と側面部に貼ってある。
基材280と絶縁性テープ212cとで、成膜用ドラム212の全面が覆われるように絶縁性テープ212cを貼る。
少なくとも、成膜用ドラム212の成膜する基材280に覆われない領域部である、非覆領域部212Bを絶縁性とするものである
温度制御するために、基材280の成膜領域は、直接ドラム面に接するようにする。
尚、基材280との密着性、基材280への熱伝導効率の面から、成膜用ドラム212の表面の平均粗さRaは、10nm以下、好ましくは5nm以下、更に好ましくは2nm以下がであることが好ましい。
表面には硬質クロムコートのような傷つき防止被服を施してもよい。
絶縁性の非覆領域部212Bとしては、Al、Si、Ta、Ti、Nb、V、Bi、Y、W、Mo、Zr、Hfのいずれか1以上の酸化膜または窒化膜にて被膜されているもの、あるいは、前記絶縁性の非覆領域部を、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂、マイカのいずれか1の成形体、テープまたはコーティング膜により被膜が施してある。
この絶縁部を確保により、プラズマが電気的に落ちることがなく、安定した成膜が可能となる。
本例の変形例としては、図示していないが、成膜用ドラム212、圧力勾配型のプラズマガン110、電子帰還電極150の各部間には、絶縁性の、あるいは、絶縁電位に保持された仕切板を設けたものが挙げられる。
この場合、成膜用ドラム212、圧力勾配型プラズマガン110、電子帰還電極150の各部間には、絶縁性の、あるいは、絶縁電位に保持された仕切板が設けられていることにより、各部間をまたぐように浮遊電子が移動することはなく、成膜系をより安定なものにできる。
また、他の変形例として、図示していないが、本例において、成膜室100内、プラズマビームが照射される領域の蒸着材料130と基板280の被成膜部とを結ぶ鉛直方向を基準とし、前記圧力勾配型プラズマガン110とは反対側に、電気的に浮遊状態の電子を帰還させる第2の電子帰還電極を配設した形態の成膜装置を挙げることができる。
この場合、蒸着材料表面で形成される反射電子を効率よく帰還させることができ、異常放電を起こさず、安定して長時間成膜することが可能となる。
更に、第2電子帰還電極には電子収束用のマグネットが組み込まれていることにより、磁場を用いて効果的に第2電子帰還電極に電子を引き込むことができ、効果的に反射電子を帰還させることが可能となり、安定して長時間成膜が可能となる。
尚、マグネット表面の磁場強度は、水平磁束密度で10から5000ガウスとすることが好ましい。
10ガウス以上であれば電子を収束させるのに十分であり、またより強いほどその効果は向上する。
一方、水平磁束密度が5000ガウスよりも強い場合は、磁石が高価となり、またその設置、取り扱いが難しくなり、実用的でなくなるという問題がある。
また、更に他の変形例として、図示していないが、本例あるいは前述の第2電子帰還電極を備えた性膜装置において、基材搬送室200の成膜室100側の成膜用ドラムの212近傍、被膜領域部212Aにおける基板280の搬送方向の下流側の位置、成膜用ドラム212側に開放口を向けて圧力的に仕切る仕切り室中に、電気的に浮遊状態の電子を帰還させる第3の電子帰還電極を設けている形態の成膜装置を挙げることができる。
これにより、より効果的に反射電子を帰還させることが可能となり、安定して長時間成膜が可能となる。
尚、この場合、仕切り室は圧力制御のためのガス供給機構、排気ポンプ、排気用バルブ、圧力調整機構を備え、圧力制御用ガスは、アルゴン、酸素、窒素、ヘリウム、二酸化炭素の少なくとも1種類以上を含むガスを用いる構成とする。
このように設定することで、仕切り室内に反射電子が捕らえやすくなるとともに、基材搬送室へプラズマの漏れを起こしにくくなり、成膜室で安定した成膜が可能となる。
また、別の変形例としては、図示していないが、本例において、基材搬送室200の成膜室100側の成膜用ドラム212近傍、被膜領域部212Aにおける基板280の搬送方向の上流側、下流側の位置に、成膜用ドラムと物理的な仕切りとで、圧力的に仕切られた状態に形成され、真空引きされる真空室を設けている形態の成膜装置を挙げることができる。
この場合、成膜室から流入するプラズマを該真空室にて早かに真空引きし、基材搬送室において放電が起こり難いものとし、これにより、成膜前、成膜後の基材への、成膜室から流入するプラズマによる品質的や作業的な悪影響や、基材搬送室における真空度低下による異常放電を確実に排除できるものとしている。
このような真空室は、基材搬送室へ流入するプラズマを局所的に阻止するもので、そのような意味からは、プラズマシール室とも言う。
真空室の真空度としては、1×10-2Paより高いと放電が発生し、1×10-5Paより低い場合には、その真空引きにイオンポンプ等の特別な高真空引き用のポンプが必要となり、作業面からも非効率的となり、1×10-5Paから1×10-2Paであることが好ましい。
また、更に別の変形例としては、圧力勾配型のプラズマガン110を被膜領域部212Aにおける基材280の搬送方向の下流側に設けた形態のものが挙げられる。
次に、本発明の圧力勾配型イオンプレーティング式成膜装置の実施の形態の第2の例を挙げて、図6に基づいて簡単に説明する。
第2の例の圧力勾配型イオンプレーティング式成膜装置は、図7に示す従来の圧力勾配型イオンプレーティング式成膜装置において、成膜する基材表面に接するようにして放電プラズマを生成する、第1の例と同じ構造の成膜活性部を備えているものである。
本例の場合も、プラズマガン11とハース19を用い、成膜を行うが、成膜活性部を備え、基材13表面にプラズマが形成し、成膜材料の活性化され、結果として緻密で良質な膜を形成することが可能となるほか、成膜速度を向上、プラズマガン11の放電に伴い形成された電子を効率よく捕らえることが可能となり、基材13表面でのダメージを低減され、良質な膜を形成することが可能となる。
次いで、更に、上記図1〜図3に示す実施の形態の第1の例の圧力勾配型イオンプレーティング式成膜装置を用いた成膜例を挙げて説明する。
<成膜例1>
図1〜図3に示す、実施の形態の第1の例の圧力勾配型イオンプレーティング成膜装置を用いた。
成膜する蒸着材料130としてSiO2 (高純度化学研究所製、純度99.99%以上)、基材280としてポリエチレンテレフタレートフィルム(ユニチカ製、PET(商品名)、厚さ12μm、幅300mm、長さ7000m)を用意した。
基材280を装置にセットし、成膜室100および基材搬送室200内を真空排気ポンプにより5×10-4Paまで減圧した。
その後、成膜ドラム温度を0℃、基材280を100m/minで搬送させ、基材後処理部220であるプラズマ処理装置をアルゴンガス100sccmで放電させた。
次に、プラズマガン110に放電用ガス160としてアルゴンを10sccm流し、プラズマ初期放電を起こし、続いてプラズマ放電電流100Aまで上昇させ、成膜室100の圧力3×10-2Paにて、基材280の長さ6000mの成膜を行った。
この際、成膜活性部を使用し、放電周波数40kHz、投入電力2kW(電圧500V)にてプラズマ放電を行い、成膜活性化を行った。
(評価)
基材搬送状態、成膜安定性、基材搬送室へのプラズマの漏れを目視で観察した。
上記の成膜によるサンプルを、成膜開始後、1000m、2000m、3000m、4000m、5000m搬送した時点での形成された膜のSi(シリコン)量について、蛍光X線分析装置(RIX3100、理学電機工業株式会社製)により測定し、1000m搬送時のSi強度に対する強度比により測定した。
結果を表に示す。
尚、数値は、成膜例1の1000m搬送時のSi強度を1として規格化したものである。
<比較例1>
図1〜図3に示す、実施の形態の第1の例の圧力勾配型イオンプレーティング式成膜装置において、成膜活性部をなくした以外は、成膜例1とまったく同様にして成膜を行った。
Figure 2006131929
表1に示す結果からも分かるように、図1〜図3に示す本発明の実施の形態例の第1の例の圧力勾配型イオンプレーティング成膜装置を用いた場合には、基材搬送、プラズマ安定性、プラズマシールの面で良好で、且つ、蛍光X線分析装置によるSi量も、1000m搬送時、2000m搬送時、3000m搬送時、4000m搬送時、5000m搬送時で変化なく、成膜安定性、成膜品質も安定している。
これに対し、比較例の場合には、基材搬送、プラズマ安定性、プラズマのシール性では、安定であるものの、形成される膜中のSi量が成膜例1よりも少ないことから膜厚が薄く、成膜速度が遅いこと、さらに形成される膜中のSi量も成膜例1に比べ、不安定で、膜厚や膜質の変動が大きく、成膜品質の面でも成膜例1に劣る。
これより、本発明の実施の形態例の圧力勾配型イオンプレーティング成膜装置が、帯状長尺状、ロールから巻き出し、ロールに巻き取ることができるフィルム基材に対して、電気的絶縁性物質からなる薄膜を、連続的に、安定的、且つ効率的に成膜することができる真空成膜装置であることが分かる。
本発明の圧力勾配型イオンプレーティング式成膜装置の実施の形態の第1の例の構成断面図である。 成膜用ドラムと蒸着材料とプラズマガンとの位置関係を説明するための図である。 図3(a)は図1のA1−A2における成膜用ドラムの断面図で、図3(b)は成膜用ドラムを成膜室側からみた外観図である。 成膜活性部のマグネット電極の配列の1例を示した図である。 図5(a)は成膜活性部のマグネット電極の別の配列の1例を示した図で、図5(b)は図5(a)のC1−C2に置けるマグネット部材411Aの断面図である。 本発明の圧力勾配型イオンプレーティング式成膜装置の実施の形態の第2の例の構成断面図である。 従来の圧力勾配型イオンプレーティング式成膜装置を説明するための図である。
符号の説明
100 成膜室
101 短管部
110 プラズマガン(圧力勾配型プラズマガンのこと)
111 第1中間電極
112 第2中間電極
115 放電電源
116 陰極
120 ハース
125 ハース用磁石
130 蒸着材料
140 収束コイル
150 電子帰還電極
155 プラズマビーム形状制御部(プラズマビーム制御用磁石とも言う)
160 放電用ガス(ここではArガス)
165 プラズマビーム
170 防着板
171 開口
180 真空ポンプ
190 仕切り部
200 基材搬送室
210 基材搬送部
211 基材巻き出し部
212 成膜用ドラム
212A 被成膜領域
212B 非覆領域部
212a ドラム
212b 回転軸
212c 絶縁性のテープ
212d 回転軸受け
213 基材巻き取り部
214、215 搬送ロール
220 基材前処理部
230 基材後処理部(基板帯電除去部とも言う)
240 真空ポンプ
280 基材
290 真空室(プラズマシール室)
291 仕切り部
295 真空ポンプ
300 真空チャンバー
411 電極(マグネット電極とも言う)
411A マグネット部材
411a ベースプレート
411b 被膜部
412 配線
413 電源
415 放電プラズマで
11 プラズマガン
12 真空チャンバー
12A 短管部
13 基板
14 放電電源
15 陰極
16 第1中間電極
17 第2中間電極
18 収束コイル
19 ハース
20 蒸着材料
21 ハース用磁石
22 プラズマビーム
22A 放電用ガス
24 真空排気部
41 マグネット
42 配線
43 電源
45 放電プラズマ


Claims (33)

  1. 圧力勾配型プラズマガンを有する圧力勾配型ホローカソード型のイオンプレーティング成膜部を備え、該成膜部により、イオンプレーティング法により基材の一面に薄膜を形成する真空成膜装置であって、マグネットを有する電極同士を一対として、1対以上配設し、対とする電極間に電圧を印加して、成膜する基材表面に接するようにして放電プラズマを生成し、成膜材料を活性化する成膜活性部を備えていることを特徴とする圧力勾配型イオンプレーティング式成膜装置。
  2. 請求項1に記載の圧力勾配型イオンプレーティング式成膜装置であって、 前記対とする電極間に印加する電圧は、0.1kHzから100kHzの周波数であることを特徴とする圧力勾配型イオンプレーティング式成膜装置。
  3. 請求項1ないし2のいずれか1項に記載の圧力勾配型イオンプレーティング式成膜装置であって、前記成膜活性部の前記マグネット有する電極表面の水平磁束密度は10ガウスから5000ガウスであることを特徴とする圧力勾配型イオンプレーティング式成膜装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の圧力勾配型イオンプレーティング式成膜装置にあって、前記マグネット有する電極はマグネトロン構造であることを特徴とする圧力勾配型イオンプレーティング式成膜装置。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項に記載の圧力勾配型イオンプレーティング式成膜装置であって、電気的に浮遊状態の電子を帰還させる電子帰還電極を設けていることを特徴とする圧力勾配型イオンプレーティング式成膜装置。
  6. 請求項5に記載の圧力勾配型イオンプレーティング式成膜装置であって、前記イオンプレーティング成膜部は、成膜室の側面側、前記圧力勾配型プラズマガンの出口部に向けて突出させた前記真空チャンバーの短管部を配し、該短管部を包囲し、前記圧力勾配型プラズマガンからのプラズマビームの横断面を収縮させる収束コイルを備え、前記プラズマビームを成膜室内に配置した蒸着材料の表面に導くものであり、前記短管部内に、プラズマビームの周囲を取り囲み、電気的に浮遊状態の電子を帰還させる第1の電子帰還電極を設けていることを特徴とする圧力勾配型イオンプレーティング式成膜装置。
  7. 請求項5ないし6のいずれか1項に記載の圧力勾配型イオンプレーティング式成膜装置であって、成膜室内、プラズマビームが照射される領域の蒸着材料と基板の被成膜部とを結ぶ鉛直方向を基準とし、前記圧力勾配型プラズマガンとは反対側に、電気的に浮遊状態の電子を帰還させる第2の電子帰還電極を配設していることを特徴とする圧力勾配型イオンプレーティング式成膜装置。
  8. 請求項1ないし7のいずれか1項に記載の圧力勾配型イオンプレーティング式成膜装置であって、前記イオンプレーティング成膜部は、磁場およびまたは電場により、収束コイル内を通過して収束されたプラズマビームを制御して、蒸着材料に入射されるプラズマビームの形状を基材の幅方向にシート状に広幅にするプラズマビーム形状制御部を備えていることを特徴とする圧力勾配型イオンプレーティング式成膜装置。
  9. 請求項1ないし8のいずれか1項に記載の圧力勾配型イオンプレーティング式成膜装置であって、連続的に基材を供給するための基材搬送機構を備えていることを特徴とする圧力勾配型イオンプレーティング式成膜装置。
  10. 請求項1ないし9いずれか1項に記載の圧力勾配型イオンプレーティング式成膜装置であって、基材搬送機構の成膜領域部よりも後段に、成膜により発生した基材帯電を除去する基材帯除去部を備えていることを特徴とする圧力勾配型イオンプレーティング式成膜装置。
  11. 請求項10に記載の圧力勾配型イオンプレーティング式成膜装置であって、前記基材帯電除去部が、プラズマ放電装置であることを特徴とする圧力勾配型イオンプレーティング式成膜装置。
  12. 請求項10ないし11のいずれか1項に記載の圧力勾配型イオンプレーティング式成膜装置であって、基材搬送機構の成膜領域部よりも前段に、プラズマ放電処理装置を備えていることを特徴とする圧力勾配型イオンプレーティング式成膜装置。
  13. 請求項1ないし12のいずれか1項に記載の圧力勾配型イオンプレーティング式成膜装置であって、真空チャンバー内に、成膜を行うための成膜室と基材を搬送するための基材搬送室とを、圧力的に仕切って、配設していることを特徴とする圧力勾配型イオンプレーティング式成膜装置。
  14. 請求項13に記載の圧力勾配型イオンプレーティング式成膜装置であって、前記基材搬送室側には、成膜用ドラムを有し、前記基材搬送部は、該成膜用ドラムの一部を被成膜領域部として成膜室側に向け、突出させて設置しているもので、前記成膜室と前記基材搬送室との間は、前記成膜用ドラムの前記被成膜領域部の周辺を除き、前記成膜用ドラムと仕切り部により物理的に仕切られ、前記成膜室と前記基材搬送室とが、圧力的に仕切られており、基材を前記成膜用ドラムの周囲に沿わせて搬送し、成膜室側、成膜用ドラムの被成膜領域部において、基材を前記成膜用ドラムの周囲に沿わせた状態にして、基材の一面上に成膜するものであることを特徴とする圧力勾配型イオンプレーティング式成膜装置。
  15. 請求項14項に記載の圧力勾配型イオンプレーティング式成膜装置であって、基材搬送室の成膜室側の成膜用ドラム近傍、前記被膜領域部における基板搬送方向の上流側、下流側の位置に、成膜用ドラムと物理的な仕切りとで、圧力的に仕切られた状態に形成され、真空引きされる真空室を設けていることを特徴とする圧力勾配型イオンプレーティング式成膜装置。
  16. 請求項15に記載の圧力勾配型イオンプレーティング式成膜装置であって、前記真空室は、その圧力が1×10-5Paから1×10-2Paであることを特徴とする圧力勾配型イオンプレーティング式成膜装置。
  17. 請求項15ないし16のいずれか1項に記載の圧力勾配型イオンプレーティング式成膜装置であって、前記真空室に電気的に浮遊状態の電子を帰還させる電子帰還電極を備えていることを特徴とする圧力勾配型イオンプレーティング式成膜装置。
  18. 請求項14に記載の圧力勾配型イオンプレーティング式成膜装置であって、基材搬送室の成膜室側の成膜用ドラム近傍、前記被膜領域部における基板搬送方向の下流側の位置、成膜用ドラム側に開放口を向けて圧力的に仕切る仕切り室中に、電気的に浮遊状態の電子を帰還させる第3の電子帰還電極を設けていることを特徴とする圧力勾配型イオンプレーティング式成膜装置。
  19. 請求項14ないし18のいずれか1項に記載の圧力勾配型イオンプレーティング式成膜装置であって、前記成膜用ドラムは、前記各電子帰還電極の電位よりも電気的に高い電位に設定されていることを特徴とする圧力勾配型イオンプレーティング式成膜装置。
  20. 請求項14ないし19のいずれか1項に記載の圧力勾配型イオンプレーティング式成膜装置であって、前記成膜用ドラムは電気的にフローティングレベルに設定されていることを特徴とする圧力勾配型イオンプレーティング式成膜装置。
  21. 請求項14ないし20のいずれか1項に記載の圧力勾配型イオンプレーティング式成膜装置であって、前記成膜用ドラム、前記圧力勾配型プラズマガン、前記電子帰還電極の各部間には、絶縁性の、あるいは、絶縁電位に保持された仕切板が設けられていることを特徴とする圧力勾配型イオンプレーティング式成膜装置。
  22. 請求項14ないし21のいずれか1項に記載の圧力勾配型イオンプレーティング式成膜装置であって、前記基材搬送部は、基材を前記成膜用ドラムへ供給するための基材巻き出し部と、基材を前記成膜用ドラムから巻き取るための基材巻き取り部とを備え、前記成膜用ドラムへの基材の巻き出し供給、前記成膜用ドラムからの基材の巻き取りを行い、基材を連続的に搬送させながら、成膜を行うものであることを特徴とする圧力勾配型イオンプレーティング式成膜装置。
  23. 請求項14ないし22のいずれか1項に記載の圧力勾配型イオンプレーティング式成膜装置であって、前記成膜用ドラムは、少なくとも、ステンレス、鉄、銅、クロムのいずれか1以上を含む材料により形成されていることを特徴とする圧力勾配型イオンプレーティング式成膜装置。
  24. 請求項14ないし23のいずれか1項に記載の圧力勾配型イオンプレーティング式成膜装置であって、前記成膜用ドラムは、その表面が平均粗さRaが10nm以下であることを特徴とする圧力勾配型イオンプレーティング式成膜装置。
  25. 請求項14ないし24のいずれか1項に記載の圧力勾配型イオンプレーティング式成膜装置であって、前記成膜用ドラムは、冷却媒体およびまたは、熱源媒体あるいはヒータを用いることにより、−20℃〜+200℃の間で一定温度に設定することができる温度調節部付きであることを特徴とする巻取式圧力勾配型イオンプレーティング式成膜装置。
  26. 請求項14ないし25のいずれか1項に記載の圧力勾配型イオンプレーティング式成膜装置であって、前記成膜用ドラムは、成膜する基材に覆われない領域部である非覆領域部を、絶縁性とするものであることを特徴とする圧力勾配型イオンプレーティング式成膜装置。
  27. 請求項26に記載の圧力勾配型イオンプレーティング式成膜装置であって、前記絶縁性の非覆領域部は、Al、Si、Ta、Ti、Nb、V、Bi、Y、W、Mo、Zr、Hfのいずれか1以上の酸化膜または窒化膜にて被膜されていることを特徴とする圧力勾配型イオンプレーティング式成膜装置。
  28. 請求項26に記載の圧力勾配型イオンプレーティング式成膜装置であって、前記絶縁性の非覆領域部を、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂、マイカのいずれか1の成形体、テープ、コーティング膜により被膜してあることを特徴とする圧力勾配型イオンプレーティング式成膜装置。
  29. 圧力勾配型プラズマガンを有する圧力勾配型ホローカソード型のイオンプレーティング成膜部により、イオンプレーティング法により基材の一面に薄膜を形成する真空成膜方法であって、成膜する基材表面に接するようにして放電プラズマを生成し、成膜材料を活性化しながら、成膜を行うことを特徴とする圧力勾配型イオンプレーティング式成膜方法。
  30. 請求項29に記載の圧力勾配型イオンプレーティング式成膜方法であって、マグネットを有する電極同士を一対として、1対以上配設し、対とする電極間に電圧を印加して、成膜する基材表面に接するようにして放電プラズマを生成するものであることを特徴とする圧力勾配型イオンプレーティング式成膜方法。
  31. 請求項30記載の圧力勾配型イオンプレーティング式成膜方法であって、前記対とする電極間に印加する電圧は、0.1kHzから100kHzの周波数を有する電圧をかけるものであることを特徴とする圧力勾配型イオンプレーティング式成膜方法。
  32. 請求項29ないし31のいずれか1項に記載の圧力勾配型イオンプレーティング式成膜方法であって、前記マグネット有する電極表面の水平磁束密度は10ガウスから5000ガウスであることを特徴とする圧力勾配型イオンプレーティング式成膜方法。
  33. 請求項29ないし32のいずれか1項に記載の圧力勾配型イオンプレーティング式成膜方法であって請求項1ないし28のいずれか1項に記載の圧力勾配型イオンプレーティング式成膜装置を用いて成膜を行うことを特徴とする圧力勾配型イオンプレーティング式成膜方法。

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