JP2002282569A - ミシン - Google Patents

ミシン

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JP2002282569A JP2001082605A JP2001082605A JP2002282569A JP 2002282569 A JP2002282569 A JP 2002282569A JP 2001082605 A JP2001082605 A JP 2001082605A JP 2001082605 A JP2001082605 A JP 2001082605A JP 2002282569 A JP2002282569 A JP 2002282569A
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    • D05SEWING; EMBROIDERING; TUFTING
    • D05BSEWING
    • D05B47/00Needle-thread tensioning devices; Applications of tensometers
    • D05B47/02Manually-controlled tensioning devices

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Textile Engineering (AREA)
  • Sewing Machines And Sewing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】糸張力を精度よく調整できる糸調子機構を有す
るミシンを提供する。 【解決手段】糸調子機構2は、糸調子バネ4のバネ力を
強弱とする方向に沿って基部5に移動可能に設けられた
作動部6と、糸調子バネ4に背向する位置に設けられた
斜面カム7と、糸調子バネ4のバネ力の方向と交差する
方向に沿って挿入及び退避可能なカム押圧部14を有す
るカムリンク8とを有する。カムリンク8のカム押圧部
14の挿入及び退避のうちの一方に伴い、糸調子バネ4
のバネ力を強める方向に作動部6を斜面カム7と共に移
動させる。斜面カム7に対するカムリンク8のカム押圧
部14の挿入及び退避のうちの他方の移動に伴い、糸調
子バネ4のバネ力を弱める方向に作動部6を斜面カム7
と共に移動させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は糸の張力を調整する
糸調子機構を有するミシンに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、2個1組の糸調子皿と一方の糸調
子皿を他方の糸調子皿に付勢するバネ力を発揮させる糸
調子バネとをもつ糸調子機構を有するミシンが提供され
ている(特許出願公告昭和60−27310号公報)。
この糸調子機構は、図12に示すように、2個1組の糸
調子皿101、102と、一方の糸調子皿101を他方
の糸調子皿102に付勢するバネ力を発揮させるコイル
状の糸調子バネ200と有する。ミシンの内部におい
て、斜面カム301をもつ筒体300と糸調子バネ20
0とはかなりの距離離間している。このため、斜面カム
301をもつ筒体300をこれの軸長方向に移動させる
ことにより、筒体300の斜面カム301で断面円形状
の長尺ロッド400の一端部400aを押圧し、長尺ロ
ッド400をこれの長さ方向(矢印X1、X2方向)に
沿って移動させ、長尺ロッド400の他端部400cで
コイル状の糸調子バネ200を押圧することにより糸調
子バネ200のバネ力を調整し、以て2個1組の糸調子
皿101、102で糸を把持する力を調整し、縫製の際
における糸の張力を調整することにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】糸調子機構において
は、糸の張力を精度よく調整するためには、コイル状の
糸調子バネ200のバネ力の強弱を精度よく調整できる
ことが好ましい。しかしながら上記した公報に係る糸調
子機構によれば、筒体300の斜面カム301で長尺ロ
ッド400をこれの長さ方向(矢印X1、X2方向)に
移動させてコイル状の糸調子バネ200のバネ力の強弱
を調整することにしている。図12に示すように筒体3
00の斜面カム301と糸調子バネ200とはかなりの
距離離間している。このため斜面カム301の作動力を
糸調子バネ200に伝達させるにあたり、長さが長い長
尺ロッド400を用いる必要がある。この場合には、軽
量化のために長尺ロッド400の径を細くすると、長尺
ロッド400の撓みが生じることがあった。殊に、筒体
300の斜面カム301が下方に移動させて長尺ロッド
400を押圧すると、長尺ロッド400の一端部401
aには、長尺ロッド400の軸直角方向に向かう力が作
用するため、長尺ロッド400の撓みが生じ易かった。
上記したように斜面カム301と糸調子バネ200とが
かなりの距離離間していると、斜面カム301の作動力
をコイル状の糸調子バネ200に精度よく伝達するには
必ずしも充分ではなかった。このため糸調子バネ200
のバネ力の強弱を精度よく調整するには限界があり、ひ
いては、糸の張力の微調整を精度よく行うには限界があ
った。長尺ロッド400の撓みを抑えるためには、長尺
ロッド400の径を太くすれば良いが、重量が増加する
不具合がある。
【0004】本発明は上記した実情に鑑みてなされたも
のであり、斜面カムと糸調子バネとをできるだけ近づけ
ることにより、長尺ロッドの使用を廃止でき、糸調子バ
ネのバネ力の強弱を精度よく調整するのに有利であり、
ひいては糸の張力を精度よく調整するのに有利な糸調子
機構を有するミシンを提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係るミシンは、
2個1組の糸調子皿と一方の糸調子皿を他方の糸調子皿
に付勢するバネ力を発揮させる糸調子バネとをもつ糸調
子機構を有するミシンにおいて、糸調子機構は、基部
と、糸調子バネのバネ力を強弱とする方向に沿って基部
に移動可能に設けられた作動部と、糸調子バネに背向す
る位置で作動部に設けられた斜面カムと、糸調子バネの
バネ力の方向と交差する方向に沿って斜面カムに対して
挿入方向及び退避方向に移動可能に設けられたカム押圧
部を有するカムリンクと、カムリンクを直接的または間
接的に作動させる操作部とを具備しており、斜面カムに
対するカムリンクのカム押圧部の挿入方向及び退避方向
のうちの一方の移動に伴い、糸調子バネのバネ力を強め
る方向に作動部を斜面カムと共に移動させ、斜面カムに
対するカムリンクのカム押圧部の挿入方向及び退避方向
のうちの他方の移動に伴い、糸調子バネのバネ力を弱め
る方向に作動部を斜面カムと共に移動させることを特徴
とするものである。
【0006】本発明に係るミシンによれば、斜面カムに
対してカムリンクのカム押圧部を挿入させたり退避させ
たりすることにより、糸調子バネのバネ力の強弱が調整
される。本発明に係るミシンによれば、糸調子バネに背
向する位置となるように作動部に斜面カムが設けられて
いるため、斜面カムと糸調子バネとが近づけられてお
り、前記した従来技術とは異なり長さが長くて撓み易い
長尺ロッドを用いずとも良い。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明に係るミシンによれば、次
の少なくとも一つの形態を採用することができる。
【0008】・糸調子機構は、糸調子バネのバネ力を相
対的に粗く調整する粗調整操作部と、糸調子バネのバネ
力を粗調整操作部よりも相対的に細かく調整する細調整
操作部とをもち、操作部は細調整操作部である形態を採
用することができる。この場合、糸調子バネのバネ力を
微細なレベルで調整するのに有利である。
【0009】・基部は、斜面カムに対面する位置にカム
規制部を備えており、カム規制部と斜面カムとの間の空
間に対してカムリンクの押圧部が挿入及び退避される形
態を採用することができる。斜面カムに対面するように
カム規制部が設けられているため、カム規制部と斜面カ
ムとの間の空間に対して、カムリンクの押圧部を挿入及
び退避するのに有利となる。カムリンクは鉛直方向に沿
って移動することが好ましい。この場合、糸調子バネの
バネ力を強めるにあたり、カムリンクを鉛直方向に沿っ
て下から上に向けて移動する形態を採用できる。
【0010】・斜面カムは糸調子バネに背向する位置に
設けられている。背向とは背中合わせの方向に向いてい
るという意味である。この場合、斜面カムは糸調子バネ
に直接的に背向していても良い。あるいは斜面カムは糸
調子バネとで別部品を挟むように糸調子バネに背向して
いても良い。
【0011】・糸調子機構の操作部は、1針の縫い目の
長さを調整する送り調整部を兼用しており、1針の縫い
目の長さの調整に応じて糸調子バネのバネ力を調整させ
る形態を採用することができる。この場合には、1針の
縫い目の長さに応じて糸調子バネのバネ力を調整させる
ことができる。例えば、1針の縫い目の長さが長いとき
には糸調子バネのバネ力を相対的に大きくし、1針の縫
い目の長さが短いときには糸調子バネのバネ力を相対的
に小さくするように調整できる。場合によっては、1針
の縫い目の長さが長いときには糸調子バネのバネ力を相
対的に小さくし、1針の縫い目の長さが短いときには糸
調子バネのバネ力を相対的に大きくするように調整する
こともできる。
【0012】・操作部とカムリンクとの間には、操作部
の操作をカムリンクに伝達する揺動リンク機構が設けら
れている形態を採用することができる。この場合、ミシ
ンの内部構造に応じて操作部の位置を設定するのに有利
である。揺動リンク機構は、操作部の操作により揺動さ
れる第1リンクと、第1リンクとカムリンクとをつなぐ
揺動可能な第2リンクとを有し、カムリンクは鉛直方向
に沿って移動する形態を採用することができる。なおカ
ムリンク、第1リンク、第2リンクは、断面円形状の長
尺ロッドと異なり、板材から形成されているため、剛性
を確保しつつ軽量化を図るのに有利となる。
【0013】・揺動リンク機構は、第1リンクの揺動中
心域の高さ調整を可能とする調整部を有しており、調整
部による揺動中心域の高さ調整に伴い、斜面カムに対す
るカムリンクのカム押圧部の挿入方向及び退避方向の移
動量を調整する形態を採用することができる。このよう
に調整部によって第1リンクの揺動中心域の高さを調整
すれば、後述するように斜面カムに対するカムリンクの
カム押圧部の挿入方向及び退避方向の移動量を調整する
ことができ、糸調子バネのバネ力を調整でき、糸の張力
を調整できる。
【0014】・揺動リンク機構の調整部は、固定ブラケ
ットの取付孔に回動可能に取り付けられた第1軸と、第
1軸に連設され第1軸の第1中心軸芯に対して偏芯した
第2中心軸芯をもち第1リンクの通孔に回動可能に取り
付けられた第2軸とをもち、第1軸の第1中心軸芯に対
する第2軸の回動変位により、第1リンクの揺動中心域
の高さ調整を可能とする形態を採用することができる。
このように第1リンクの揺動中心域の高さを調整すれ
ば、斜面カムに対するカムリンクのカム押圧部の挿入方
向及び退避方向の移動量を調整するのに有利である。従
って糸調子バネの調整に有利であり、糸の張力を調整で
きる。
【0015】
【実施例】本発明に係るミシンの実施例を図1〜図11
に基づいて説明する。図1は糸調子機構付近の正面図、
図2は糸調子機構付近の平面図、図3は外観パネルを装
着した状態の糸調子機構付近の正面図、図4は糸調子機
構付近の要部の分解図を示す。図1に示すように、ミシ
ンに装備された固定部として機能する糸調子ブラケット
1には、糸(上糸)の張力を調整するための糸調子機構
2が設けられている。糸調子機構2は、糸を挟持する2
個1組の糸調子皿3a、3bと、一方の糸調子皿3aを
矢印A1方向に沿って他方の糸調子皿3bに付勢するバ
ネ力を発揮させる糸調子バネ4とを有する。図1に示す
ように、糸調子機構2は、固定部としての糸調子ブラケ
ット1に保持された基部5と、基部5に保持された作動
部6と、作動部6に設けられた斜面カム7と、カムリン
ク8と、カムリンク8を作動させる揺動リンク機構9と
を備えている。糸調子バネ4のバネ力が大きくなると、
糸の張力は強くなる。糸調子バネ4のバネ力が小さくな
ると、糸の張力は弱くなる。
【0016】図1に示すように、基部5は、糸調子バネ
4のバネ力を強弱とする方向(矢印A1、A2方向)に
沿って移動可能に糸調子ブラケット1に保持されてい
る。基部5は、斜面カム7に対面する位置に突起状のカ
ム規制部10と、カムピン25とを有する。作動部6は
基部5に嵌合されており、糸調子バネ4のバネ力を強弱
とする方向(矢印A1、A2方向)に沿って基部5に対
して移動可能に設けられている。一方の糸調子皿3a
は、糸調子軸12の先端部に固定されている。他方の糸
調子皿3bは、一方の糸調子皿3aに対面するように、
糸調子ブラケット1の固定プレート部1xに固定されて
いる。糸調子軸12の外周側には、コイル状の糸調子バ
ネ4がアジャストネジ13を介して保持されている。図
4から理解できるように、基部5には、糸調子バネ4の
バネ力の方向に沿ったスライド溝5eが形成されてお
り、作動部6の突部6eがスライド可能に嵌合してい
る。これにより作動部6は基部5に対して糸調子バネ4
のバネ力の方向(矢印A1、A2方向)に沿って移動で
きる。斜面カム7は作動部6に2個設けられている。斜
面カム7のカム面7aは下方に向かうにつれて基部5か
ら離れる方向に直状に傾斜している。
【0017】図4に示すように、カム押圧部14は、2
個互いに対向するようにカムリンク8に並設されてお
り、各斜面カム7にそれぞれ係合するようにされてい
る。カムリンク8は金属や硬質樹脂などの硬質材料で形
成された板材から構成されており、カムリンク8の厚み
方向つまり矢印TA方向は糸調子バネ4のバネ力の方向
(矢印A1、A2方向)と交差している。またカムリン
ク8の表面に沿った方向つまり矢印TB方向は糸調子バ
ネ4のバネ力の方向(矢印A1、A2方向)に沿ってい
る。カムリンク8は、これの厚みが薄くないときであっ
ても、カムリンク8の表面に沿った方向つまり矢印TB
方向における外力に対して剛性が高い。後述する第1リ
ンク28、第2リンク29に対しても同様である。
【0018】図4に示すように、アジャストネジ13の
雄螺子13aは、作動部6の雌螺子6aに螺進退可能に
螺合している。このようなアジャストネジ13の螺進退
によって、糸調子バネ4のバネ力を調整できるが、ミシ
ンの通常の使用状態においてはアジャストネジ13は外
観パネル18によって隠蔽されているため、一旦調整し
たら、日常的なミシンの使用時にはあまり調整するもの
ではない。日常的なミシンの使用時には、後述するよう
に糸調子ダイヤル19及び送り調整ダイヤル20によっ
て糸調子バネ4のバネ力を調整する。
【0019】図1に示すように、斜面カム7は、別部品
としてのアジャストネジ13を介して糸調子バネ4に背
向する位置に設けられている。糸調子バネ4が糸調子皿
3a、3bと斜面カム7との間において装着されている
状態において、糸調子バネ4の最大バネ長さをLとする
と、糸調子バネ4の一端部4aから(4×L)以内に斜
面カム7、カムリンク8の中心線PMが位置している。
【0020】図1に示すようにカムリンク8は鉛直線に
沿って配置されており、鉛直線に沿って移動可能とされ
ている。カムリンク8の上端部である先端部には、カム
押圧部14が設けられている。カム押圧部14は、斜面
カム7及びカム規制部10との摩擦抵抗を低減すべく円
弧突面14aを有しており、糸調子バネ4のバネ力の方
向(矢印A1、A2方向)と交差する方向(矢印Y1、
Y2方向)に沿って移動可能である。これによりカムリ
ンク8は、カム押圧部14と共に斜面カム7に対して挿
入方向(上方向つまり矢印Y1方向)及び退避方向(下
方向つまり矢印Y2方向)に移動可能に設けられてい
る。基部5に設けられたカム規制部10と斜面カム7と
の間の空間に対して、カムリンク8のカム押圧部14が
挿入(上方向つまり矢印Y1方向)及び退避(下方向つ
まり矢印Y2方向)される。
【0021】図1に示すように、糸調子機構2は、糸調
子バネ4のバネ力を相対的に粗く調整する粗調整操作部
として機能する回動可能な糸調子ダイヤル19と、糸調
子バネ4のバネ力を粗調整操作部である糸調子ダイヤル
19よりも相対的に細かく調整する細調整操作部として
機能する送り調整ダイヤル20とをもつ。糸調子ダイヤ
ル19は、ダイヤル軸23を介して矢印B1、B2方向
に回動可能に糸調子ブラケット1に設けられており、円
弧に沿って曲走された渦巻き型の第1カム溝24を糸調
子ダイヤル19の裏面に有する。糸調子ダイヤル19が
矢印B1方向に回動操作されると、糸調子ダイヤル19
と共に第1カム溝24が同方向に回動するため、糸調子
ダイヤル19の第1カム溝24が同方向に基部5のカム
ピン25に対して相対的に移動し、基部5のカムピン2
5が第1カム溝24のカム位置24rに相対的に到達す
る。このように基部5のカムピン25が第1カム溝24
のカム位置24rに相対的に到達すれば、カムピン25
と共に基部5は作動部6及び斜面カム7と共に固定ブラ
ケット40に対して糸調子バネ4に向かう方向につまり
矢印A1方向に移動し、糸調子バネ4のバネ力が強くな
るように調整される。これに対して糸調子ダイヤル19
が逆方向である矢印B2方向に回動操作されると、糸調
子ダイヤル19と共に第1カム溝24が回動するため、
糸調子ダイヤル19の第1カム溝24が同方向に基部5
のカムピン25に対して相対的に移動し、基部5のカム
ピン25が第1カム溝24のカム位置24sに相対的に
到達する。このようにカムピン25が第1カム溝24の
カム位置24sに相対的に到達すれば、カムピン25と
共に基部5は作動部6及び斜面カム7と共に固定ブラケ
ット40に対して矢印A2方向に移動し、糸調子バネ4
のバネ力が弱くなるように調整される。このように糸調
子ダイヤル19の回動操作によりカムピン25と共に基
部5が矢印A1、A2方向に沿って移動すれば、基部5
に保持されている作動部6及び斜面カム7が同方向に移
動するため、糸調子バネ4のバネ力の強弱を相対的に粗
く調整することができ、ひいては糸の張力を粗く調整す
ることができる。更に図1に示すようにミシン内に固定
された固定ブラケット40には軸47xを介して幅出し
調整ダイヤル47が回動可能に保持されている。幅出し
調整ダイヤル47はジグザグ縫いの幅を調整するもので
ある。固定ブラケット40はミシンに固定されている。
【0022】送り調整ダイヤル20は軸20xを介して
回動可能に固定ブラケット40に保持されている。送り
調整ダイヤル20は、縫製の際における1針当たりの布
の送り量を調整する調整部であり、換言すれば、縫製の
際における1針の縫い目の長さを調整する送り調整部で
ある。従って、送り調整ダイヤル20は1針の縫い目の
長さを調整する他に、糸の張力の微調整を図る操作部と
して機能する。
【0023】図1に示すように、送り調整ダイヤル20
とカムリンク8との間には、動力伝達機構として機能す
る揺動リンク機構9が設けられている。揺動リンク機構
9は、操作部としての送り調整ダイヤル20の操作をカ
ムリンク8に伝達するためのものである。図1に示すよ
うに、揺動リンク機構9は、送り調整ダイヤル20の回
動操作により揺動される第1リンク28と、第1リンク
28とカムリンク8とをつなぐ揺動可能な第2リンク2
9とを有する。第1リンク28の他端部28cと第2リ
ンク29の一端部29aとは中介ピン44を介して上下
方向に沿って揺動可能に連結されている。第2リンク2
9の中間部はピン29mを介して上下方向に沿って揺動
可能に糸調子ブラケット1に保持されている。第2リン
ク29の他端部29cとカムリンク8の他端部8cであ
る下端部はピン29eを介して上下方向に沿って揺動可
能に連結されている。
【0024】図1に示すように、揺動リンク機構9の第
1リンク28の中間部には揺動ブラケット部30が設け
られている。揺動ブラケット部30は第1リンク28が
揺動する際の揺動中心域となる。第1リンク28の揺動
ブラケット部30は、調整部として機能する調整軸35
により上下方向に揺動可能に固定ブラケット40に保持
されている。この調整軸35は、分解図である図5に示
すように、固定ブラケット40の取付孔40mに回動可
能にかしめにより取り付けられた径小の第1軸36と、
第1軸36に連設され第1軸36の第1中心軸芯81に
対して偏芯した第2中心軸芯82をもち第1リンク28
の揺動ブラケット部30の通孔30xに回動可能に取り
付けられた径大の第2軸37と、調整軸35を任意の回
動位相に変更して保持する回動操作部38とを有する。
調整軸35の第1軸36は固定ブラケット40の取付孔
40mに嵌合されているため、第1軸36の第1中心軸
芯81が固定ブラケット40に対して移動することは防
止されている。調整軸35の第2軸37は第1軸36に
偏芯して連設されているため、第1軸36の第1中心軸
芯81に対して第2軸37の第2中心軸芯82は偏芯し
ており、この結果、第2軸37は第1軸36の第1中心
軸芯81及び固定ブラケット40に対して移動すること
ができる。調整軸35の回動操作部38の溝にドライバ
ーなどの工具などを嵌めて回動操作すれば、調整軸35
の回動位相を固定ブラケット40に対して矢印E1、E
2方向に変更でき、変更した位置に保持することができ
る。即ち、図7に示すように、第1軸36の第1中心軸
芯81に対する第2軸37の第2中心軸芯82の回動変
位により、偏芯相当ぶん第2軸37を上下方向に変位さ
せることができ、この結果、第1リンク28のうち第2
軸37が嵌合している通孔30xを有する揺動ブラケッ
ト部30(揺動中心域)の高さ調整を上下方向つまり矢
印D1、D2方向に調整することができる。なお図3に
示すように、回動操作部38は固定ブラケット40及び
外観パネル18よりも外方に露出しており、使用者によ
る回動操作されるようになっている。
【0025】図1に示すように、送り調整ダイヤル20
は円弧に沿った第2カム溝42を有する。送り調整ダイ
ヤル20の回動中心Kと第2カム溝42の一端との距離
をN1とし、送り調整ダイヤル20の回動中心Kと第2
カム溝42の一端との距離をN2とすると、距離N1は
距離N2よりも小さく設定されている(N1<N2)。
第2カム溝42の長さ方向の中間は溝部分42mとされ
ている。第1リンク28の一端部28aに設けられてい
る係合ピン48は、送り調整ダイヤル20の第2カム溝
42に相対的に移動可能に係合されている。距離N1及
び距離N2を利用して、第2カム溝42に嵌合する係合
ピン48の高さ位置、つまり第1リンク28の一端部2
8aの高さ位置を上下に調整することができる。第2カ
ム溝42の長さ方向の中間位置に係合ピン48が位置す
るとき、係合ピン48の高さ位置が調整軸35の第1軸
36の第1中心軸芯81の高さ位置と同じ程度となるよ
うに設定されている。
【0026】即ち、図1において、送り調整ダイヤル2
0が矢印S1方向に回動操作されると、係合ピン48は
送り調整ダイヤル20の第2カム溝42に沿って相対的
に移動し、第2カム溝42のうち距離N1の溝部分42
sに移動する。これにより第1リンク28の一端部28
aの高さ位置が矢印P1方向(上方向)に相対的に調整
される。すると第1リンク28が調整軸35の第1軸3
6の第1中心軸芯81を中心として揺動し、故に第1リ
ンク28の他端部28c及び第2リンク29の一端部2
9aが共に矢印R1方向(下方向)に揺動し、ひいては
第2リンク29がピン29mの回りで回動するため、第
2リンク29の他端部29cが矢印Y1方向(上方向)
に揺動し、鉛直方向に沿ったカムリンク8がカム押圧部
14と共に矢印Y1方向(上方向)に移動する。この結
果、カムリンク8がカム押圧部14が斜面カム7に対し
て挿入方向(矢印Y1方向、上方向)に移動し、ひいて
は作動部6が基部5に対して矢印A1方向に移動して糸
調子皿3a、3bに接近して糸調子バネ4を矢印A1方
向に弾性変形させ、糸調子バネ4のバネ力が強くなる。
この結果、一方の糸調子皿3aが他方の糸調子皿3bを
付勢するバネ力が強くなり、糸調子皿3a、3bで挟持
される糸の張力が強くなる。
【0027】なお、図1に示すように、第1リンク28
において、他端部28cの長さは一他端部28aの長さ
よりも長いため、係合ピン48の上下方向の変位は増幅
されて他端部28cに伝達される。即ち、第1リンク2
8は、係合ピン48の上下方向の変位を増幅させる変位
増幅機構をもつ。
【0028】前述と逆に、図1において送り調整ダイヤ
ル20が矢印S2方向に回動操作されると、係合ピン4
8は送り調整ダイヤル20の第2カム溝42に沿って相
対的に移動し、第2カム溝42のうち距離N2(N2>
N1)の溝部分42rに移動する。これにより第1リン
ク28の一端部28aの高さ位置が矢印P2方向(下方
向)に相対的に調整される。すると第1リンク28が調
整軸35の第1軸36の第1中心軸芯81を中心として
揺動するため、第1リンク28の他端部28cと第2リ
ンク29の一端部29aとが共に矢印R2方向(上方
向)に揺動し、ひいては第2リンク29がピン29mの
回りで回動するため、第2リンク29の他端部29cが
矢印Y2方向(下方向)に揺動し、カムリンク8がカム
押圧部14と共に矢印Y2方向(下方向)に移動する。
この結果、カムリンク8がカム押圧部14が斜面カム7
に対して退避方向(下方向、矢印Y2方向)に移動し、
作動部6が糸調子皿3a、3bから離れるように矢印A
2方向に移動して糸調子バネ4を矢印A2方向に弾性変
形させ、従って糸調子バネ4のバネ力が弱くなり、一方
の糸調子皿3aが他方の糸調子皿3bを付勢するバネ力
が弱くなり、糸の張力が弱くなる。
【0029】図9(A)〜(C)は、調整軸35の第2
軸37の第2中心軸芯82が第1軸36の第1中心軸芯
81と同じ高さに設定されている場合(以下、第1リン
ク中立位置ともいう)を示す。図9(A)は送り調整ダ
イヤル20の目盛がバネ力弱の状態、つまり目盛が0の
状態を示す。図9(C)は送り調整ダイヤル20の目盛
がバネ力強の状態、つまり目盛が4の状態を示す。図9
(A)に示すように、送り調整ダイヤル20の目盛が0
のときには、係合ピン48は第2カム溝42のうち溝部
分42rに係合している。この状態のときには図9
(A)に示すように第1リンク28の一端部28aは係
合ピン48に向かうにつれて下降傾斜している。このた
め前述の記載から理解できるようにカムリンク8のカム
押圧部14は相対的に下側に位置しており、前述したよ
うに、カムリンク8のカム押圧部14が斜面カム7を矢
印A1方向に押圧する量は小さめである。従って糸調子
バネ4のバネ力は弱めであり、一方の糸調子皿3aが他
方の糸調子皿3bを付勢するバネ力は弱めである。
【0030】図9(C)は前記したように送り調整ダイ
ヤル20の目盛が4のときを示す。図9(C)に示すよ
うに、送り調整ダイヤル20の目盛が4のときには、係
合ピン48は第2カム溝42のうち溝部分42sに係合
している。この状態のときには、図9(C)に示すよう
に第1リンク28の一端部28aは係合ピン48に向か
うにつれて上昇傾斜している。このためカムリンク8の
カム押圧部14は相対的に上側に挿入されており、斜面
カム7を矢印A1方向に押圧する量は大きめである。故
に糸調子バネ4の弾性変形量は強めであり、糸調子バネ
4のバネ力は強めであり、一方の糸調子皿3aが他方の
糸調子皿3bを付勢するバネ力は強めである。
【0031】図9(B)は、送り調整ダイヤル20の目
盛がバネ力中間の状態、つまり目盛が1.5の状態を示
す。図9(B)に示すように、送り調整ダイヤル20の
目盛が1.5のときには、係合ピン48は第2カム溝4
2のうち中間の溝部分42mに係合している。この状態
のときには、図9(B)に示すように第1カムリンク2
8の一端部28aは略水平となる。このため前述の記載
から理解できるようにカムリンク8のカム押圧部14は
相対的に中間側に位置しており、斜面カム7を矢印A1
方向に押圧する量は中間である。故に糸調子バネ4の弾
性変形量は中間であり、従って糸調子バネ4のバネ力は
中間であり、一方の糸調子皿3aが他方の糸調子皿3b
を付勢するバネ力は中間である。
【0032】次に、図10(A)〜(C)は調整軸35
の第2軸37の第2中心軸芯82が第1軸36の第1中
心軸芯81よりも上側に移行するように、調整軸35が
回動操作された場合(以下、第1リンク上変位位置とも
いう)を示す。図10(A)は送り調整ダイヤル20の
目盛がバネ力弱の状態、つまり目盛が0の状態を示す。
図10(C)は送り調整ダイヤル20の目盛がバネ力強
の状態、つまり目盛が4の状態を示す。図10(B)
は、送り調整ダイヤル20の目盛がバネ力中間の状態、
つまり目盛が1.5の状態を示す。
【0033】調整軸35によって第1リンク上変位位置
とされた図10(A)〜(C)に示す場合には、第1リ
ンク中立位置である前述の図9(A)〜(C)に示す場
合よりも、第1リンク28の揺動中心域に相当する揺動
ブラケット部30は上方に変位している。従って、第1
リンク28の揺動中心域に相当する揺動ブラケット部3
0は上方に変位しており、このため第1リンク28の他
端部28cは上向き(矢印R2方向)に変位しており、
第1リンク28の他端部28cと連結している第2リン
ク29の一端部29aも上向き(矢印R2方向)に変位
している。このため第2リンク29の他端部29cは下
方(矢印Y2方向)に変位しており、カムリンク8、カ
ム押圧部14は下方(矢印Y2方向)に変位している。
換言すれば、送り調整ダイヤル20の目盛が同一であっ
ても、第1リンク上変位位置である図10(A)〜
(C)に示す場合には、第1リンク中立位置である図9
(A)〜(C)に示す場合よりも、カム押圧部14が下
方に変位するぶん糸調子バネ4のバネ力は弱めに補正さ
れる。従って調整軸35で調整された第1リンク上変位
位置は、糸調子バネ4のバネ力を弱めに補正する位置に
相当する。
【0034】次に、図11(A)〜(C)は調整軸35
の第2軸37の第2中心軸芯82が第1軸36の第1中
心軸芯81よりも下側に移行するように、調整軸35が
回動操作された場合(以下、第1リンク下変位位置とも
いう)を示す。図11(A)は送り調整ダイヤル20の
目盛がバネ力弱の状態、つまり目盛が0の状態を示す。
図11(C)は送り調整ダイヤル20の目盛がバネ力強
の状態、つまり目盛が4の状態を示す。図11(B)
は、送り調整ダイヤル20の目盛がバネ力中間の状態、
つまり目盛が1.5の状態を示す。
【0035】第1リンク下変位位置である図11(A)
〜(C)に示す場合には、第1リンク中立位置である図
9(A)〜(C)に示す場合よりも、調整軸35によ
り、第1リンク28の揺動中心域に相当する揺動ブラケ
ット部30は下方に変位している。従って第1リンク2
8の他端部28cは下向き(矢印R1方向)に変位して
おり、第1リンク28の他端部28cと連結している第
2リンク29の一端部29aも下向き(矢印R1方向)
に変位している。このため第2リンク29の他端部29
cは上方に変位しており、カムリンク8、カム押圧部1
4は上方(矢印Y1方向)に変位している。換言すれ
ば、送り調整ダイヤル20の目盛が同一であっても、第
1リンク下変位位置である図11(A)〜(C)に示す
場合には、第1リンク中立位置である図9(A)〜
(C)に示す場合よりも、カム押圧部14が上方に変位
するぶん糸調子バネ4のバネ力は強めに補正される。従
って調整軸35で調整された第1リンク下変位位置は、
糸調子バネ4のバネ力を強めに補正する位置に相当す
る。
【0036】即ち、図9(A)、図10(A)、図11
(A)は送り調整ダイヤル20の目盛が0であり、互い
に対応する。図9(A)、図10(A)、図11(A)
において、カムリンク8のカム押圧部14の高さを比較
すると、送り調整ダイヤル20の目盛が0と同じである
にもかかわらず、図10(A)<図9(A)<図11
(A)の順となる。従って糸調子バネ4のバネ力及び糸
の張力は、図10(A)<図9(A)<図11(A)の
順となる。
【0037】図9(B)、図10(B)、図11(B)
は送り調整ダイヤル20の目盛が1.5であり、互いに
対応する。図9(B)、図10(B)、図11(B)に
おいて、カムリンク8のカム押圧部14の高さを比較す
ると、送り調整ダイヤル20の目盛が1.5と同じであ
るにもかかわらず、図10(B)<図9(B)<図11
(B)の順となる。従って糸調子バネ4のバネ力及び糸
の張力は、図10(B)<図9(B)<図11(B)の
順となる。
【0038】図9(C)、図10(C)、図11(C)
は送り調整ダイヤル20の目盛が4であり、互いに対応
する。図9(C)、図10(C)、図11(C)におい
て、カムリンク8のカム押圧部14の高さを比較する
と、送り調整ダイヤル20の目盛が4と同じであるにも
かかわらず、図10(C)<図9(C)<図11(C)
の順となる。従って糸調子バネ4のバネ力及び糸の張力
は、図10(C)<図9(C)<図11(C)の順とな
る。
【0039】上記したように使用状況に応じて調整軸3
5を回動操作することにより調整軸35の位相を変更す
れば、第1リンク28の揺動中心域である揺動ブラケッ
ト部30の高さ位置を上下に補正でき、送り調整ダイヤ
ル20の目盛が同じときであっても、カムリンク8のカ
ム押圧部14の高さを補正することができ、ひいては糸
調子バネ4のバネ力の大きさを補正することができ、こ
の結果、糸調子皿3a、3bが糸を把持する把持力、即
ち糸の張力を補正することができる。なお図3に示すよ
うに、ミシンの正面の右から、送り調整ダイヤル20、
幅出し調整ダイヤル47、糸調子ダイヤル19が並設さ
れている。
【0040】本実施例によれば、カムリンク8はリンク
であるため、図1及び図2に示すように板材で形成され
ており、軽量でありながらも、その表面に沿った方向の
外力に対する剛性は高いものである。第1リンク28及
び第2リンク29も同様である。一方、横断面円形状の
ロッドの場合には、剛性を増加して撓み性を抑えるため
には、径を大きくする必要があり、ロッドの重量は飛躍
的に増加する不具合がある。
【0041】以上説明したように本実施例によれば、斜
面カム7に対するカムリンク8のカム押圧部14の挿入
方向及び退避方向のうちの一方の移動に伴い、糸調子バ
ネ4のバネ力を強める方向に作動部6を斜面カム7と共
に移動させる。また、斜面カム7に対するカムリンク8
のカム押圧部14の挿入方向及び退避方向のうちの他方
の移動に伴い、糸調子バネ4のバネ力を弱める方向に作
動部6を斜面カム7と共に移動させる。このため図12
に示す従来技術とは異なり、径をかなり太くしない限り
撓みが避けられない長い長尺ロッドを用いずとも良く、
糸調子バネ4のバネ力の調整を精度よく行うことができ
る。
【0042】更に本実施例によれば、糸調子機構2は、
糸調子バネ4のバネ力を相対的に粗く調整する粗調整操
作部として機能する糸調子ダイヤル19と、糸調子バネ
4のバネ力を粗調整操作部よりも相対的に細かく調整す
る細調整操作部として機能する送り調整ダイヤル20を
もち、糸調子ダイヤル19の操作によって糸調子バネ4
のバネ力の強弱を粗く調整できるほかに、送り調整ダイ
ヤル20の操作によって糸調子バネ4のバネ力の強弱を
細かく微調整できるため、糸の張力の調整に有効であ
る。一般的には、縫製対象物である布地の厚みをかなり
変更したとき、布地を複数枚重ねて縫製するとき等に
は、その布地の厚みの変動に対応するように、糸調子粗
調整用の糸調子ダイヤル19の回動操作によって糸調子
バネ4のバネ力の強弱を粗く調整する。また、縫製対象
物である布地を同種のものから同種のものへと代えたと
き、布地が薄物であるとき等には、布地の厚みの変動は
あまりないため、粗調整用の糸調子ダイヤル19ではな
く、糸調子微調整用の送り調整ダイヤル20の回動操作
によって糸調子バネ4のバネ力の強弱を微調整する。
【0043】また本実施例によれば前記したように、送
り調整ダイヤル20の操作によって糸調子バネ4のバネ
力の強弱を細かく微調整できるものであるが、送り調整
ダイヤル20は1針の縫い目の長さを調整する送り調整
部を兼用しているため、1針の縫い目の長さの調整に応
じて糸調子バネ4のバネ力を微調整することができる利
点が得られる。従って、1針の縫い目が長くなるほど、
糸調子バネ4の弾性変形量を大きくできて糸の張力を強
くすることができると共に、1針の縫い目が短くなるほ
ど、糸調子バネ4の弾性変形量を小さくできて糸の張力
を弱くすることができ、縫製処理に有利である。
【0044】図3及び図8に示すように、糸調子ダイヤ
ル19、幅出し調整ダイヤル47、送り調整ダイヤル2
0を回動操作できるように、これらは部分的に外観パネ
ル18の上面から露出している。前記したように糸調子
ダイヤル19、送り調整ダイヤル20を回動操作すれ
ば、カムリンク8のカム押圧部14の高さを調整するこ
とができ、ひいては糸調子バネ4のバネ力の大きさを調
整することができ、この結果、糸の張力を調整すること
ができるため、外観パネル18を外さなくても良い。
【0045】前記したように糸調子ダイヤル19、幅出
し調整ダイヤル47、送り調整ダイヤル20を回動操作
できるように、これらは部分的に外観パネル18の上面
18uから露出している。このためミシンの内部構造に
おいて糸調子ダイヤル19、幅出し調整ダイヤル47、
送り調整ダイヤル20を設置したダイヤル配置スペース
には揺動リンク機構9等の機構部品を配置するには制約
がある。この点本実施例によれば、斜面カム7を作動さ
せるカムリンク8は、図1に示すように鉛直方向に沿っ
て配置されており、上端部にカム押圧部14を有してお
り、下方向から上方に向けて移動するものである。また
糸調子ダイヤル19、幅出し調整ダイヤル47、送り調
整ダイヤル20の下方に揺動リンク機構9が設けられて
おり、揺動リンク機構9の先端である第2リンク29の
他端部29cがカムリンク8の下端部である他端部8c
に連結されており、カムリンク8、第2リンク29、第
1リンク28の全体はほぼLの字形状とされている。こ
のため上記したダイヤル配置スペースにカムリンク8、
第2リンク29、第1リンク28が干渉することを抑制
できる。
【0046】その他、本発明は上記し且つ図面に示した
実施例のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しな
い範囲内で適宜変更して実施できるものである。実施例
に記載の語句は、一部であっても各請求項に記載できる
ものである。
【0047】
【発明の効果】本発明に係るミシンによれば、糸調子機
構は、基部と、糸調子バネのバネ力を強弱とする方向に
沿って基部に移動可能に設けられた作動部と、糸調子バ
ネに背向する位置で作動部に設けられた斜面カムと、糸
調子バネのバネ力の方向と交差する方向に沿って斜面カ
ムに対して挿入方向及び退避方向に移動可能に設けられ
たカム押圧部を有するカムリンクと、カムリンクを直接
的または間接的に作動させる操作部とを具備している。
このような本発明に係るミシンによれば、斜面カムに対
するカムリンクのカム押圧部の挿入方向及び斜面カムに
対してカムリンクのカム押圧部を挿入させたり退避させ
たりすることにより、糸調子バネのバネ力の強弱を調整
することができる。
【0048】殊に本発明に係るミシンによれば、糸調子
バネに背向する位置で斜面カムが設けられているため、
斜面カムを糸調子バネにできるだけ近づけるのに有利と
なる。故に、斜面カムと糸調子バネとが遠く離間してい
る前記した従来技術とは異なり、斜面カムの作動力を糸
調子バネに伝達するにあたり、長さが長い長尺ロッドを
採用せずとも良い。故に、長さが長いが撓み量が大きい
ため糸調子バネのバネ力の調整の精度に限界がある長尺
ロッドの不具合を解消することができる。従って糸調子
バネのバネ力の強弱を精度よく調整するのに有利とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】内部構造を示す正面図である。
【図2】内部構造を示す平面図である。
【図3】ミシンの外観パネル付近の正面図である。
【図4】糸調子機構の要部を示す分解斜視図である。
【図5】揺動リンク機構の第1リンクの揺動部分の分解
斜視図である。
【図6】図1のW6−W6に沿った断面図である。
【図7】調整軸の作動を示す作動説明図である。
【図8】ミシンの全体を示す正面図である。
【図9】調整軸の第1軸の第1軸芯と第2軸の第2軸芯
との高さ位置が同じのときにおける作動説明図である。
【図10】調整軸の第1軸の第1軸芯よりも第2軸の第
2軸芯が高い位置のときにおける作動説明図である。
【図11】調整軸の第1軸の第1軸芯よりも第2軸の第
2軸芯が低い位置のときにおける作動説明図である。
【図12】従来技術に係る構成図である。
【符号の説明】
図中、2は糸調子機構、3a、3bは糸調子皿、4は糸
調子バネ、5は基部、6は作動部、7は斜面カム、8は
カムリンク、9は揺動リンク、10はカム規制部、14
はカム押圧部、15はカムリンク、18は外観パネル、
19は糸調子ダイヤル(粗調整操作部)、20は送り調
整ダイヤル(操作部、細調整操作部)、27は揺動リン
ク機構、35は調整軸(調整部)を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉田 憲司 愛知県刈谷市朝日町2丁目1番地 アイシ ン精機株式会社内 Fターム(参考) 3B150 CD01 CE01 CE27 FD03 JA18 JA28

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2個1組の糸調子皿と一方の糸調子皿を他
    方の糸調子皿に付勢するバネ力を発揮させる糸調子バネ
    とをもつ糸調子機構を有するミシンにおいて、前記糸調
    子機構は、 基部と、前記糸調子バネのバネ力を強弱とする方向に沿
    って前記基部に移動可能に設けられた作動部と、前記糸
    調子バネに背向する位置で前記作動部に設けられた斜面
    カムと、前記糸調子バネのバネ力の方向と交差する方向
    に沿って前記斜面カムに対して挿入方向及び退避方向に
    移動可能に設けられたカム押圧部を有するカムリンク
    と、前記カムリンクを直接的または間接的に作動させる
    操作部とを具備しており、 前記斜面カムに対する前記カムリンクの前記カム押圧部
    の挿入方向及び退避方向のうちの一方の移動に伴い、前
    記糸調子バネのバネ力を強める方向に前記作動部を前記
    斜面カムと共に移動させ、前記斜面カムに対する前記カ
    ムリンクの前記カム押圧部の挿入方向及び退避方向のう
    ちの他方の移動に伴い、前記糸調子バネのバネ力を弱め
    る方向に前記作動部を前記斜面カムと共に移動させるこ
    とを特徴とするミシン。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記糸調子機構は、前
    記糸調子バネのバネ力を相対的に粗く調整する粗調整操
    作部と、前記糸調子バネのバネ力を前記粗調整操作部よ
    りも相対的に細かく調整する細調整操作部とをもち、請
    求項1に記載の前記操作部は前記細調整操作部であるこ
    とを特徴とするミシン。
  3. 【請求項3】請求項1または2において、請求項1に記
    載の操作部は、1針の縫い目の長さを調整する送り調整
    部を兼用しており、1針の縫い目の長さの調整に応じて
    前記糸調子バネのバネ力を調整させることを特徴とする
    ミシン。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかにおいて、前記操
    作部と前記カムリンクとの間には、前記操作部の操作を
    前記カムリンクに伝達する揺動リンク機構が設けられて
    おり、前記揺動リンク機構は、前記操作部の操作により
    揺動される第1リンクと、前記第1リンクと前記カムリ
    ンクとをつなぐ揺動可能な第2リンクとを有し、前記カ
    ムリンクは鉛直方向に沿って移動することを特徴とする
    ミシン。
  5. 【請求項5】請求項4において、前記揺動リンク機構
    は、前記第1リンクの揺動中心域の高さ調整を可能とす
    る調整部を有しており、前記調整部による前記第1リン
    クの揺動中心域の高さ調整に伴い、前記斜面カムに対す
    る前記カムリンクの前記カム押圧部の挿入方向及び退避
    方向の移動量を調整するようにしていることを特徴とす
    るミシン。
  6. 【請求項6】請求項5において、前記揺動リンク機構の
    調整部は、ミシンに固定された固定ブラケットの取付孔
    に回動可能に取り付けられた第1軸と、前記第1軸に連
    設され前記第1軸の第1中心軸芯に対して偏芯した第2
    中心軸芯をもち前記第1リンクの通孔に回動可能に取り
    付けられた第2軸とをもち、前記第1軸の第1中心軸芯
    に対する前記第2軸の回動変位により、前記第1リンク
    の揺動中心域の高さ調整を可能とすることを特徴とする
    ミシン。
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