JP2002277637A - 光学補償フィルムの製造方法、光学補償フィルム、偏光板及びそれを用いる液晶ディスプレイ - Google Patents

光学補償フィルムの製造方法、光学補償フィルム、偏光板及びそれを用いる液晶ディスプレイ

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JP2002277637A
JP2002277637A JP2001082662A JP2001082662A JP2002277637A JP 2002277637 A JP2002277637 A JP 2002277637A JP 2001082662 A JP2001082662 A JP 2001082662A JP 2001082662 A JP2001082662 A JP 2001082662A JP 2002277637 A JP2002277637 A JP 2002277637A
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憲康 葛原
Nobuo Kubo
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博紀 梅田
Masayuki Tasaka
公志 田坂
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武志 田中
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長尺支持体上に、溶剤と液晶性化合物を含む
塗布液を乾燥膜厚5μm以下になるように液晶層を塗設
し、次いで、該液晶層中の該液晶性化合物の配向を固定
化し、光学異方層を形成することを特徴とする光学補償
フィルムの製造方法。 【解決手段】 ムラやばらつきがなく、良好なコントラ
ストを示し、且つ、生産性の高い光学補償フィルムの製
造方法、それを用いて製造された光学補償フィルム、偏
光板及び液晶ディスプレイを提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光学補償フィルムの
製造方法(以下、単に製造方法ともいう)、光学補償フ
ィルム、偏光板及びそれを用いる液晶ディスプレイに関
する。
【0002】
【従来の技術】パーソナルコンピューター等のマルチメ
ディア化が進み、ラップトップ型パーソナルコンピュー
ターに於いても、カラー表示の液晶ディスプレイが一般
的になってきた。ラップトップ型コンピューターでは、
STN液晶ディスプレイやTFT液晶ディスプレイが主
に使用されている。近年、液晶ディスプレイは大型化が
進み、視野角特性の高度な改善が求められている。それ
ゆえ、高度な補償性能を有する光学補償フィルム(光学
異方体ともいう)が要望されている。
【0003】STN液晶ディスプレイは、複屈折モード
を利用した表示素子であるため、液晶で生じる位相差に
より着色し、白黒表示やカラー表示が不可能であるとい
う大きな問題があった。このような問題を解決するため
に、D−STN方式(補償用液晶セルを用いる方式)が
試みられたが、この方式では、液晶ディスプレイの特徴
である「薄くて、軽い」という点で、時代の要求と逆行
しており、補償用液晶セルの製造にも、高い精度が要求
され、歩留りが悪いという問題があった。
【0004】これらの問題を解決する方法として、各種
の提案がなされ、例えば、特開昭63−149624号
には、延伸樹脂フィルムを用いるF−STN方式が提案
され、また、特開平3−87720号、同4−3330
19号には、D−STN方式の補償性能を維持して、そ
の質量と肉厚を軽減する目的で、液晶性高分子をねじれ
配向させたフィルムを使って色補償を行う方法が提案さ
れている。この液晶ディスプレイの位相差補償板は、透
光性基板とこの基板の上に形成された配向膜、及び、こ
の配向膜の上にねじれ配向状態に固定した液晶高分子層
とから構成されている。
【0005】さらに、最近では、TFT−TN液晶ディ
スプレイの視野角補償として、特開平7−191217
号に開示されているように、ディスコチック液晶のフィ
ルムを液晶セルの上面と下面に配置して、液晶セルの視
野角特性を改善する試みがなされている。該TN型液晶
ディスプレイ用補償フィルムは、上述の特開平3−87
720号、同4−333019号に記載されている液晶
ディスプレイの位相差補償板と同様に、光学的にほぼ等
方性の樹脂フィルム上に液晶性化合物が配向した光学異
方層で構成されている。
【0006】しかしながら、樹脂フィルム上、特に長尺
支持体上に液晶性化合物を含有する液晶層を塗設後、液
晶性化合物を配向させて光学補償フィルムを製造するに
は液晶特有の問題、特にムラや欠陥などが起きやすいの
で、生産性が低くコストが高くなってしまう問題点を有
していた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ムラ
やばらつきがなく、良好なコントラストを示し、且つ、
生産性の高い光学補償フィルムの製造方法、それを用い
て製造された光学補償フィルム、偏光板及び液晶ディス
プレイを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は下記
の項目1〜18によって達成された。
【0009】1.長尺支持体上に、溶剤と液晶性化合物
を含む塗布液を連続的に塗布して乾燥膜厚5μm以下に
なるように液晶層を塗設し、次いで、該液晶層中の該液
晶性化合物の配向を固定化して光学異方層を形成するこ
とを特徴とする光学補償フィルムの製造方法。
【0010】2.長尺支持体上に、溶剤と液晶性化合物
を含む塗布液を連続的に塗布して液晶層を塗設する光学
補償フィルムの製造において、該塗布液の温度を15℃
〜30℃、塗布温度を15℃〜30℃、塗布環境温度を
20〜30℃に調整することを特徴とする光学補償フィ
ルムの製造方法。
【0011】3.長尺支持体上に、溶剤と液晶性化合物
を含む塗布液を連続的に塗布して液晶層を塗設する光学
補償フィルムの製造方法において、該液晶層を塗設後、
該液晶層の面にあたる風速を4m/秒以下になるように
調整し、乾燥する工程を経ることを特徴とする光学補償
フィルムの製造方法。
【0012】4.塗設後の液晶層の残留溶剤量が5質量
%以下になるまで、該液晶層の表面にあたる風速を1m
/秒以下になるように調整し、乾燥する工程を経ること
を特徴とする前記3に記載の光学補償フィルムの製造方
法。
【0013】5.長尺支持体上に、溶剤と液晶性化合物
を含む塗布液を連続的に塗布して液晶層を塗設する光学
補償フィルムの製造方法において、該液晶層中の液晶性
化合物が等方相からネマティック相となる温度(T−I
N)以上ネマティック相から等方相となる温度(T−N
I)以下に10秒以上保持しないことを特徴とする光学
補償フィルムの製造方法。
【0014】6.長尺支持体上に、溶剤と液晶性化合物
を含む塗布液を連続的に塗布して液晶層を塗設する光学
補償フィルムの製造方法において、該液晶層中の該液晶
性化合物がネマティック相から等方相となる温度(T−
NI)以上に保持する工程を経ることを特徴とする光学
補償フィルムの製造方法。
【0015】7.長尺支持体上に、溶剤と液晶性化合物
を含む塗布液を連続的に塗布して液晶層を塗設する光学
補償フィルムの製造方法において、該液晶層を塗設後、
該液晶層中の該液晶性化合物をネマティック相から等方
相となる温度(T−NI)以上に保持し、更に、等方相
からネマティック相となる温度(T−IN)以下に温度
調整する工程を有することを特徴とする光学補償フィル
ムの製造方法。
【0016】8.長尺支持体上に、溶剤と液晶性化合物
を含む塗布液を連続的に塗布して液晶層を塗設する光学
補償フィルムの製造方法において、該長尺支持体上に該
液晶層を塗設後、該液晶層中の液晶性化合物をネマティ
ック相から等方相となる温度(T−NI)以上に保持し
た後に、等方相からネマティック相となる温度(T−I
N)〜((T−IN)−10℃)の温度範囲内で10秒
以上保持する工程を有することを特徴とする光学補償フ
ィルムの製造方法。
【0017】9.長尺支持体上に、溶剤と液晶性化合物
を含む塗布液を連続的に塗布して液晶層を塗設する光学
補償フィルムの製造方法において、該長尺支持体上に該
液晶層を塗設後、該液晶層中の液晶性化合物を等方相か
らネマティック相となる温度(T−IN)〜((T−I
N)−20℃)の温度範囲内で20秒以上保持する工程
を有することを特徴とする光学補償フィルムの製造方
法。
【0018】10.長尺支持体上に、溶剤と液晶性化合
物を含む塗布液を連続的に塗布して液晶層を塗設する光
学補償フィルムの製造方法において、該液晶層を塗設
後、該液晶層の温度調節を金属ベルト上または金属板上
で搬送させて行なう工程を有することを特徴とする前記
5〜9のいずれか1項に記載の光学補償フィルムの製造
方法。
【0019】11.長尺支持体上に液晶層を塗設後、該
液晶層中の液晶性化合物の温度を等方相からネマティッ
ク相となる温度(T−IN)以下、且つ、該ネマティッ
ク相から等方相となる温度(T−NI)以上に保持しな
がら、活性エネルギー線を照射する工程を有することを
特徴とする前記1〜10のいずれか1項に記載の光学補
償フィルムの製造方法。
【0020】12.酸素濃度が2%以下の条件下、活性
エネルギー線を照射する工程を有することを特徴とする
前記11に記載の光学補償フィルムの製造方法。
【0021】13.長尺支持体上に液晶層を塗設後、偏
光板をクロスニコルになるように配置し、該長尺支持体
を該偏光板の間に通し、搬送しながら透過光を用いて、
該液晶層のムラの状態を監視する工程を有することを特
徴とする前記1〜12のいずれか1項に記載の光学補償
フィルムの製造方法。
【0022】14.液晶性化合物を含む塗布液の塗布時
における長尺支持体の表面電位を−5〜+5kVに調整
することを特徴とする前記1〜13のいずれか1項に記
載の光学補償フィルムの製造方法。
【0023】15.長尺支持体上に、溶剤と液晶性化合
物を含む塗布液を連続的に塗布して液晶層を塗設する光
学補償フィルムの製造方法において、該液晶層中の残存
溶剤量が10質量%以下になるまで、該液晶層を非接触
で乾燥させることを特徴とする光学補償フィルムの製造
方法。
【0024】16.前記1〜15のいずれか1項に記載
の光学補償フィルムの製造方法で製造した光学補償フィ
ルムを偏光板に貼合したことを特徴とする光学補償機能
を有する偏光板。
【0025】17.前記1〜15のいずれか1項に記載
の光学補償フィルムの製造方法で製造した光学補償フィ
ルムを有する液晶ディスプレイ。
【0026】18.前記1〜15のいずれか1項に記載
の光学補償フィルムの製造方法で製造したことを特徴と
する光学補償フィルム。
【0027】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
係る光学異方層について説明する。
【0028】本発明に係る光学異方層とは、液晶性化合
物の配向が固定化され形成された光学異方性化合物を含
む層であり、前記液晶性化合物が液晶層に隣接している
配向層により、ある特定の配向方向に規制され、次い
で、温度差または化学反応により、その配向された状態
で固定化された光学異方性化合物を含有する層である。
【0029】本発明の光学補償フィルムは、前記光学異
方層と透明支持体を含み、あるいは前記光学異方層と透
明支持体の間に配向層および/または少なくとも1つの
溶出ブロック層を含むことによって形成されたものが好
ましく用いられる。
【0030】液晶性化合物を塗設して光学異方性を得る
場合、配向膜を透明支持体上に設置して、その上に液晶
性化合物を塗布し、液晶性化合物を配向させる。
【0031】ここで、配向層を構成する材料について説
明する。具体的には、以下の樹脂や基板が挙げられるが
これらに限定されない。例えば、ポリイミド、ポリアミ
ドイミド、ポリアミド、ポリエーテルイミド、ポリエー
テルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリケトン
サルファイド、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォ
ン、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレンオキ
サイド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテ
レフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアセタ
ール、ポリカーボネート、ポリアリレート、アクリル樹
脂、ポリビニルアルコール、ポリプロピレン、セルロー
ス系プラスチックス、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等
が挙げられる。
【0032】上記配向層を透明樹脂基板等の長尺支持体
上に塗布、乾燥して設置した後、ラビング処理すること
によって配向能を有する配向層を得ることができる。
【0033】液晶性化合物の配向のための配向層として
広く用いられているポリイミド膜(好ましくは弗素原子
含有ポリイミド)も本発明において好ましい配向膜とし
て用いられる。それらは、ポリアミック酸(例えば日立
化成(株)製のLQ/LXシリーズ、日産化学(株)製
のSEシリーズ等)を透明樹脂基板上に塗布し、熱処理
後、ラビングすることにより得られる。
【0034】前記ラビング処理は、LCDの液晶配向処
理工程として広く採用されている処理方法を利用するこ
とができる。即ち、配向膜の表面を、紙やガーゼ、フェ
ルト、ゴム或いはナイロン、ポリエステル繊維などを用
いて一定方向に擦ることにより配向を得る方法を用いる
ことができる。一般的には、長さ及び太さが均一な繊維
を平均的に植毛した布などを用いてラビングを行うこと
により実施される。
【0035】また、別の配向層として光配向層が挙げら
れる。光配向材料としては、一般に公知の光配向材料を
用いることができる。例えば、光分解型、光二量化型、
光異性化型等が挙げられ、長谷川,液晶,Vol.3
(1),3−16(1999)に記載の化合物を用いる
ことが出来る。本発明では特に偏光紫外線照射によって
配向性が付与される光二量化性配向性材料が生産性の観
点から好ましく用いられる。
【0036】上記記載の光二量化型配向材料としては、
例えば、特開平8−304828号、同7−13830
8号、同6−095066号、同5−232473号、
同8−015681号、同9−222605号、同6−
287453号、同6−289374号、特表平10−
506420号、特開平10−324690号、同10
−310613号等に記載されている。
【0037】これらの手法では、光配向層に偏光紫外線
を照射することにより、液晶性化合物に配向性を付与す
ることができる。光照射装置としての光源は超高圧水銀
灯、キセノン灯、蛍光灯、レーザなどを用いることがで
きる。これに偏光子を組み合わせて直線偏光を照射する
ことができる。照射装置としては、例えば、特開平10
−90684号に開示されている装置を用いることがで
きる。
【0038】配向層の塗布は、有機溶媒に配向膜材料を
溶解した溶液を、カーテンコーティング、押し出しコー
ティング、ロールコーティング、ディップコーティン
グ、スピンコーティング、印刷コーティング、スプレー
コーティング、ワイヤーバーコーティング及びスライド
コーティングなどで実施することができるが本発明はこ
れらに限定されない。
【0039】本発明に係る液晶性化合物(液晶ともい
う)について説明する。本発明に係る液晶性化合物は、
配向層上で配向できるものであれば特に限定されるもの
ではなく、該配向によって可視光領域で光散乱すること
なく光学的に異方性を付与することが求められる。
【0040】本発明に係る液晶性化合物が高分子液晶で
ある場合、例えば公告2592694号、同26870
35号、同2711585号、同2660601号、特
開平10−186356号、同10−206637号、
同10−333134号記載の構造の化合物が挙げられ
る。中でも、光学的に正の複屈折性を有するものが好ま
しく用いられる。
【0041】高分子液晶以外の本発明に係る液晶性化合
物としては、一般に棒状の液晶性化合物が挙げられ、光
学的に正の複屈折性を示す液晶性化合物が好ましく、不
飽和エチレン性基を有する正の複屈折性の液晶性化合物
が配向の固定化の観点から好ましく、例えば、特開平9
−281480号、同9−281481号記載の構造の
化合物を用いることができるが、本発明は特にこれらに
限定されない。
【0042】本発明に係る液晶性化合物の構造は特に限
定されないが、光学異方性を発現させるために液晶分子
を配向させた状態で化学反応または温度差によって液晶
性化合物の配向が固定化された状態(これを光学異方性
化合物という)で用いることが求められる。上述のよう
な配向膜を透明樹脂基板上に設置しその上に液晶性化合
物を塗設して配向させることができる。液晶性化合物の
配向処理は、液晶転移温度以上に保持することが求めら
れ、該温度は透明樹脂基板を変質させない温度以下で処
理することが好ましい。
【0043】また、液晶性化合物を溶媒で希釈して液晶
層を塗設する場合、液晶性化合物の液晶転移温度以上に
保持しない、即ち、液晶性化合物自身の液晶転移温度以
下で配向処理をすることが出来る場合もある。
【0044】本発明に係る液晶性化合物が液晶性高分子
である場合、その化学構造としては主鎖型の液晶性高分
子、例えばポリエステル、ポリイミド、ポリアミド、ポ
リカーボネート、ポリエステルイミド等が挙げられる。
又、側鎖型の液晶性高分子、例えばポリアクリレート、
ポリメタクリレート、ポリシロキサン、ポリマロネート
等が挙げられる。
【0045】液晶性化合物を塗布して液晶層を塗設する
にあたり、乾燥膜厚の規定が重要であり、液晶性化合物
の配向の均一化や本発明に記載の効果を得るためには、
液晶層の乾燥膜厚が5μm以下であることが必須である
が、好ましくは0.5μm〜4μmであり、更に好まし
くは0.5μm〜2.5μmの乾燥膜厚になるように調
整することである。ここで、乾燥膜厚は液晶層を剥離し
て測定しても良いし、電子顕微鏡を用いて撮影した断層
写真などから実測することも出来る。
【0046】また、塗布溶剤は出来るだけ少なく用いる
のが好ましく、塗布膜厚と乾燥後の膜厚の関係が、塗布
膜厚/乾燥膜厚(乾燥後の膜厚ともいう)の値が3〜4
0であることが液晶性化合物の配向性および均一塗布性
の面で好ましく、さらに好ましくは塗布膜厚/乾燥後の
膜厚の値が5〜20である。
【0047】液晶層の塗布方法としては、一般的な塗布
方法が用いることが出来るが、ワイヤーバー、グラビ
ア、マイクログラビアロール、リバースロールコータ、
スリットダイ、スライドホッパー、ヒラノ・リップ等の
塗布方法が好ましく用いられる。本発明ではマイクログ
ラビアロール、スリットダイが塗布膜厚の均一性が高
く、膜厚の制御が容易である点で好ましく、塗布環境を
一定に出来る点でスリットダイが特に好ましい。
【0048】本発明に係る、液晶性化合物を含有する塗
布液について説明する。液晶性化合物を塗布するには温
度(塗布液の温度、塗布時の温度等)が重要な因子であ
る。塗布液の温度が低い場合には、塗布液中の液晶性化
合物が結晶化または凝集等に基づく塗布故障が起こりや
すく、塗布直後の支持体上においても同様の現象が起こ
り、配向性、均一性の問題が起きやすかった。
【0049】逆に、塗布液の温度が高い場合には、塗布
液中の溶媒が蒸発しやすくなり、塗布液の濃度管理や溶
媒の蒸発による凝集物の発生や外界の水蒸気の取り込み
等による塗布故障が起きやすいことが判った。
【0050】したがって、本発明に記載の効果を好まし
く得るためには、液晶性化合物の塗布には塗布液温度を
15℃〜30℃、塗布温度を15℃〜30℃、塗布環境
温度を20〜30℃に調整することが好ましい。
【0051】また、コータが設置されている場所につい
ても、上記の塗布環境温度の範囲に調整されていること
が好ましい。
【0052】ここで、塗布温度とはコータ温度、支持体
の温度、塗布時に支持体を保持するためのロール温度の
ことを表し、塗布環境温度とは塗布直後から乾燥ゾーン
に入る手前の支持体上から5cmまでの高さの領域の温
度のことをいう。さらに好ましい塗布液温度、塗布温
度、塗布環境温度はそれぞれ20℃以上28℃以下であ
り、それぞれの温度差は±5℃以内であることが液晶性
化合物の配向性の均一化、均一塗布の実施の観点から特
に好ましい。
【0053】上記記載の液晶性化合物を含有する塗布液
の調製に用いられる溶剤(溶媒ともいう)について説明
する。用いる溶剤は単独で使用してもよく、また塗設す
る際の乾燥性を制御するために2種以上の溶剤を混合し
て用いてもよい。塗設するための前記溶液の溶剤は有機
溶媒が好ましい。例えばアルコール類としては、メタノ
ール、エタノール、n−プロピルアルコール、iso−
プロピルアルコール、n−ブタノール、2−ブタノー
ル、tert−ブタノール、ペンタノール、2−メチル
−2−ブタノール、シクロヘキサノール等が挙げられ、
ケトン類としては、アセトン、メチルエチルケトン、メ
チルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキ
サノン等が挙げられ、エステル類としては、蟻酸メチ
ル、蟻酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプ
ロピル、酢酸アミル、乳酸エチル、乳酸メチル等が挙げ
られ、グリコールエーテル(C1〜C4)類としては、
メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、プロピレングリ
コールモノメチルエーテル(PGME)、プロピレング
リコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモ
ノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ
イソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチ
ルエーテル、又はプロピレングリコールモノ(C1〜C
4)アルキルエーテルエステル類としては、プロピレン
グリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレン
グリコールモノエチルエーテルアセテート、その他の溶
剤としてメチレンクロライド、N−メチルピロリドンな
どがあげられる。特にこれらに限定されない。
【0054】本発明の製造方法においては、液晶層を塗
設後の乾燥工程において液晶層表面への風速コントロー
ルが重要である。以下、それを説明する。
【0055】通常乾燥装置に一定の温度の風を循環して
長尺支持体上に塗布したものを乾燥する方法が採用され
ている。しかし、この風が液晶層の均一性に影響を与
え、風により液晶層が変形してムラとなることが判っ
た。したがって、塗布後の液晶層に風をなるべく当てな
いことが好ましく液晶層に当たる風の風速は4m/秒以
下が好ましく、更に好ましくは3m/秒以下であり、特
に好ましくは、0.3m/秒〜2m/秒である。
【0056】また、乾燥初期の残存溶剤が多い時はさら
に風の影響を受けやすいことが判った。残存溶剤とフィ
ルム面に当たる風速を詳細に検討したところ、液晶層の
残存溶剤が5%以下になるまでフィルム面に当たる風速
が1m/秒以下であることが好ましく、更に好ましくは
0.9m/秒以下であり、特に好ましくは、0.1m/
秒〜0.7m/秒である。液晶層に当たる風の調節方法
としては、乾燥措置の排風弁の調節による方法、乾燥装
置内の送風口の形状を調節する方法が挙げられる(図
1、2)。風速の測定は市販の風速計、例えば、風速計
MODEL6112(日本カノマックス株式会社
(製))を用いて測定できる。
【0057】本発明においては、液晶性化合物を塗布し
た後に配向処理をするのが好ましい。配向処理とは液晶
性化合物をある特定の温度範囲にある特定の時間、保持
することにより、液晶性化合物の配向を促進(熟成)さ
せる工程のことである。この工程は乾燥後に行なっても
良いが乾燥工程と同時に行なうことが生産性の面で好ま
しい。配向処理が十分でないと、液晶性化合物が微細に
配向していない部分(以下、ディスクリネーションとい
う)が発生し配向が乱れ、コントラストが低下する問題
とチルト角が設計値よりも低くなる問題が発生した。配
向処理の温度を調べたところ、液晶性化合物を塗布した
後、該液晶性化合物が等方相からネマティック相となる
温度(以後T−INと表す。)以上、且つ、ネマティッ
ク相から等方相となる温度(以後T−NIと表す。)以
下の温度の範囲では液晶性化合物の配向が乱れたり、デ
ィスクリネーションが発生しやすく、チルト角が低くな
ることが判明した。液晶性化合物の不安定な温度領域と
推定できる。
【0058】本発明に係る液晶材料(液晶性化合物、液
晶ともいう)は、ネマティック相を発現し、T−NI≧
I−INの関係を示す。T−NIおよびT−INの測定
方法は、DSC法により測定できる。具体的には、メト
ラー(株)社製、DSC821Eを用いて測定した。T
−NIおよびT−INの測定は、『化学総説 液晶の化
学(日本化学会編)』などに記されているが、示差走査
熱量計(DSC)を用いて行うことが出来る。T−NI
は昇温時のネマティック相から等方相への温度であり得
られたグラフのネマティック相から等方相への転移点の
ピークとした。
【0059】T−INは降温時の等方相からネマティッ
ク相への温度であり、得られたグラフの等方相からネマ
ティック相への転移点のピークとした。測定装置はメト
ラー(株)製DSC821Eを用い、同じ試料を3個ず
つ、各々について−50℃〜100℃の範囲で、5℃/
分の割合で昇温、降温を3回繰り返し測定を行い、それ
ぞれの2回目以降の測定結果を平均して求めた。
【0060】更に、詳細に検討したところ、液晶性化合
物を塗布した後、T−NI以上に保持するとディスクリ
ネーションが著しく減少することを見出した。さらにT
−NI以上に保持した後に、T−IN以下に保持すると
ディスクリネーションが消失する時間が短縮され、かつ
チルト角が高くなり生産性が向上することが判った。さ
らに、T−NI以上に1秒以上10秒以下、T−IN以
下に10秒以上の条件またはT−NI以上に保持した後
に、T−IN以下かつT−INから10℃低い温度範囲
で保持することが配向性、ディスクリネーションの消失
速度、チルト角、生産性の面で特に好ましい。
【0061】別の好ましい配向条件としてはT−IN以
下で保持すること予想外にディスクリネーションが少な
くなることが判明した。T−IN以上に温度を上げない
ことが重要であり、特に重合性液晶を用いた場合に熱に
よる重合反応を抑制できるため、配向の均一性がよく、
ディスクリネーションが少ない試料が得られる。
【0062】上記の液晶層の温度制御は乾燥ゾーンや配
向ゾーンの雰囲気を温度調節することで制御可能であ
る。しかし、支持体および支持体の上に塗布した配向
層、液晶層の熱伝導性が低いために液晶層の温度が所定
の温度まで上がらず、限られた長さの乾燥ゾーンや配向
ゾーンでは塗布速度を上げられなかった。効率よく液晶
層の温度を上げるには乾燥ゾーン(熱処理ゾーンともい
う)に金属製のベルト(図3)あるいは金属板(図4)
により支持体を接触させることが生産性向上にとって有
効であることが判った。
【0063】液晶性化合物を含む溶液を塗布した場合、
塗布後、溶剤を乾燥して除去し、膜厚が均一な液晶層を
得ることができる。液晶層は、熱または光エネルギーの
作用、または熱と光エネルギーの併用で化学反応によっ
て、液晶性化合物の配向を固定化することができる。特
に高分子液晶性化合物ではないモノメリックな液晶性化
合物は一般に粘度が低く、熱的が外因によって液晶性化
合物の配向が変化しやすいため、光重合性開始剤を用い
て、重合性液晶性化合物を光ラジカル反応等で硬化反応
を実施して固定化することができる。
【0064】本発明において、液晶性化合物の配向を固
定化する場合、重合性基としてエチレン性不飽和基を用
いた場合、光重合開始剤を使用する場合ことが反応の活
性を上げることで製造時の硬化時間を短縮できることで
優れている。ラジカルの発生のために、以下に述べる光
源を用いることができる。例えば、高圧水銀ランプやメ
タルハライドランプなどの近紫外線を強く吸収できるも
のが好ましく、360nm〜450nmの光に対するモ
ル吸光係数の最大値が100以上、更には500以上の
ものが好ましい。光重合用の活性線としての光線は、電
子線、紫外線、可視光線、赤外線(熱線)を必要に応じ
て用いることができるが、一般的には、紫外線が好まし
い。紫外線の光源としては、低圧水銀ランプ(殺菌ラン
プ、蛍光ケミカルランプ、ブラックライト)、高圧放電
ランプ(高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ)及び
ショートアーク放電ランプ(超高圧水銀ランプ、キセノ
ンランプ、水銀キセノンランプ)を挙げることができ
る。
【0065】一方、紫外線照射により液晶層の温度が上
昇するため配向が乱れることがわかった。これは、活性
線の長波側のエネルギー線により熱が発生しネマティッ
ク相から等方相へと変化し易くなり配向性が乱れるもの
である。したがって硬化中にネマティック相から等方相
への温度(T−NI)以上にしないことが重要である。
液晶層をT−NI温度以上に上げない具体的な方法は、
紫外線照射装置に熱線カットフィルターの設置、水冷式
紫外線ランプの使用、赤外線を透過する反射版の使用、
紫外線照射装置(ランプ部)を冷風で冷却する方法、紫
外線照射装置内へ冷却したガスを導入する方法が挙げら
れる。
【0066】エチレン性不飽和基の重合反応のためのラ
ジカル重合開始剤は、例えばアゾビス化合物、パーオキ
サイド、ハイドロパーオキサイド、レドックス触媒な
ど、例えば過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、te
rt−ブチルパーオクトエート、ベンゾイルパーオキサ
イド、イソプロピルパーカーボネート、2,4−ジクロ
ルベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパー
オキサイド、クメンハイドロパーキサイド、ジクミルパ
ーオキサイド、アゾビスイソブチロニトリル、2,2′
−アゾビス(2−アミジノプロパン)ハイドロクロライ
ド或いはベンゾフェノン類、アセトフェノン類、ベンゾ
イン類、チオキサントン類等を挙げることができる。こ
れらの詳細については「紫外線硬化システム」総合技術
センター、63頁〜147頁、1989年等に記載され
ている。
【0067】又、エポキシ基を有する化合物の重合に
は、紫外線活性化カチオン触媒として、アリルジアゾニ
ウム塩(ヘキサフルオロフォスフェート、テトラフルオ
ロボラート)、ジアリルヨードニウム塩、第5族アリロ
ニウム塩(PF6、AsF6、SbF6のようなアニオン
をもつアリルスルホニウム塩)が一般的に用いられる。
【0068】また、ラジカル反応を用いて硬化反応を行
う場合、空気中の酸素の存在による重合反応の遅れをさ
けるために窒素雰囲気下で上記活性線を照射すること
が、反応時間の短縮化と少ない光量で硬化できる点で好
ましく、液晶層の膜厚が1.5μm以下の場合は酸素濃
度を2%以下とすることが特に好ましい。酸素濃度を下
げる方法としては、窒素ガスを導入することが好まし
く、効率良く酸素濃度を下げるには紫外線硬化装置前に
前室を設け窒素ガスを満たす機構が特に好ましい。
【0069】更に前室においてロールとブレードにより
表面空気層を除去することが高率的に酸素濃度を下げる
ことが可能となる。硬化が不足していると巻にした時に
ブロッキングが生じて塗布故障となり問題となる。
【0070】これらのラジカル反応を利用して、液晶性
化合物を硬化させるためには、液晶性化合物においても
反応性基を導入した高分子液晶性化合物ではないモノメ
リックな液晶性化合物を選択することが重要である。こ
の硬化反応により液晶性化合物の配向が固定化できるも
のである。
【0071】一方、液晶性化合物が高分子液晶である場
合、上記化学反応による硬化反応を実施して液晶性化合
物の配向を固定しなくてもよい。これは、透明樹脂基板
が熱によって変質しない温度範囲、例えば90℃以上に
高分子液晶性化合物がガラス転移温度であって、液晶転
移温度を示す場合、配向膜上に高分子液晶を塗布して設
置した後、液晶転移温度範囲内に保持し配向させた後、
ガラス転移温度よりも低い、例えば室温で放冷すること
によって液晶性化合物の配向が維持される。
【0072】また、高分子液晶のガラス転移温度が支持
体の耐熱性温度よりも高い場合は、耐熱性支持体上に前
記配向膜を設置し高分子液晶を塗設後、高分子液晶のガ
ラス転移温度以上に保持し配向させることができる。こ
れを室温に放冷し高分子液晶の配向を固定化したのち本
発明の支持体に接着剤を用いて転写して光学補償フィル
ムを作製することができる。
【0073】本発明に係る長尺支持体の塗布時における
表面電位について説明する。支持体上に配向層を塗布し
た後、更に液晶性化合物を塗布する場合、支持体の帯電
(表面電位)が配向層の配向能に影響を及ぼすことを我
々は見いだした。特に塗布速度が速い場合に深刻であ
り、長尺支持体の帯電量が多い場合には配向層の配向力
以上の影響を液晶性化合物に及ぼすようになり、塗布し
た液晶性化合物が設計通りの配向方向に並びにくくなる
問題が生じた。
【0074】以上から、長尺支持体上に液晶性化合物を
含有する塗布液を塗布する時の長尺支持体の表面電位を
−5〜+5kVに調整することが好ましく、更に、配向
層を塗布した長尺支持体試料の配向層の配向能を保持す
る観点から、配向層の表面電位を−5〜+5kVに調整
することが好ましく、更に好ましくは、配向層または液
晶性化合物を塗布する支持体の表面電位を−1〜+1k
Vに調整することである。ここで、配向層または塗布時
の長尺支持体の表面電位とは、元巻から巻出した後、コ
ータで液晶性化合物を塗布する直前、すなわちコータの
手前0〜3m以内までで測定された値のことを示す。特
に支持体が元巻ロールから搬送されてコータ直前の間で
表面電位を上記の範囲にすることで効果が著しい。
【0075】上記記載の表面電位は、市販の表面電位計
で測定することが出来る。本発明に係る長尺支持体の表
面電位を測定する方法については、特に限定はなく、従
来公知の方法で実施出来る。例えば、ロール搬送中の支
持体の接触する相手のロール材質を、帯電列から判定し
て、帯電列が支持体の支持体に対して帯電量の小さい位
置にあるものを選ぶ方法、ロール表面を適度に粗くして
支持体との接触面積を低減する方法、また、支持体中に
マット剤を含有させたり、マット剤を含む組成物を表面
に塗設しロールとの接触面積を低減する方法、支持体中
や表面に導電性のある物質を含有または塗布して支持体
の導電性を向上させる方法、外部雰囲気の相対湿度を上
げて支持体の表面漏洩抵抗を低減させる方法、ガスを電
離しイオンを支持体に吹き付け支持体表面の電荷を中和
させる方法、静電気除去装置を用いて支持体の表面電位
を低減する方法、あるいは、接地した針状や線状の金属
により先端放電させて支持体表面の電荷を漏洩させる方
法等を挙げることが出来る。これらの方法を併用しても
よい。
【0076】支持体の静電気除去装置としては、支持体
の静電気を除去または低減出来る装置であればよく、例
えば除電バー、除電糸あるいはイオン送風型静電気除去
装置を挙げることが出来る。中でもイオン送風型静電気
除去装置が好ましい。イオン送風型静電気除去装置は、
ガスを、コロナ放電、フレームプラズマ、紫外線、加熱
金属体、ラジオアイソトープなどにより電離し、イオン
を発生させ、発生させたイオンを対象物に吹き付ける構
造の装置である。コロナ放電を利用した静電気除去装置
では、高圧トランスを内蔵した電極ユニット、吹き出し
ユニット、ガス供給部及びコントローラーなどから構成
されており、電極ユニットによりコロナ放電を発生さ
せ、ガスをイオン化し、吹き出しユニットによりイオン
化したガスを対象物に吹き付けるものである。供給する
ガスは、通常、空気が用いられるが、不活性ガスを導入
しガス中の酸素濃度を10体積%以下とすることで、危
険物に対しての安全性が向上出来る効果も得られるので
好ましい。不活性ガスの種類は、特に制限はないが、窒
素、二酸化炭素、アルゴンなどのガスでよい。コストの
点から窒素、二酸化炭素が好ましい。ガス供給部に流量
計を設けてこれらのガスを供給することで実施出来る。
【0077】本発明において、塗布装置のロールの接地
漏洩抵抗を106Ω以下にすることも好ましい方法であ
る。流延用支持体やロールと地面の接地だけでなく、流
延用支持体とロール間を繋ぐことも好ましい。地面に対
する容量を大きくとり抵抗を小さくすることで、支持体
の表面電位を低く調整し、液晶性化合物を良好に配向さ
せる配向層や配向の優れた液晶層を形成することができ
る。
【0078】静電気除去装置を設置する場所は、ロール
状フィルムを巻きからの繰り出し部から塗布コータの手
前0〜3mまでの間が好ましく、また、静電気除去装置
と支持体の距離は10〜100mmが好ましい。静電気
除去装置の設置は支持体の何れの面でもよい。
【0079】また、巻き取り後のロール状フィルムを巻
きからの繰り出した時に見られるくっつき状の変形を改
良するためのもので、乾燥装置を出てから巻き取り機ま
での間で、特に巻き取る直前に静電気除去装置を設置す
ることによって行うものである。静電気除去装置につい
ては、上記のものが制限なく使用出来るが、除電バーま
たは除電糸のような簡易的なものが好ましい。除電バー
については特に限定はないが、コロナ放電式のものが好
ましく用いられ、例えば、キーエンス社性のSJ−B0
1が用いられる。除電糸についても、特に限定はない
が、通常フレキシブルな糸状のものが好ましく用いら
れ、例えばナスロン社性の12/300×3が用いられ
る。静電気除去装置と支持体の距離は10〜100mm
が好ましく、静電気除去装置の設置は支持体の何れの面
でもよい。
【0080】支持体の帯電量を下げるには、支持体中に
導電性材料を添加する方法、導電性材料を塗布する方法
が好ましい。好ましく用いられる導電性材料としては、
イオン性高分子化合物、金属酸化物等が好ましく用いら
れる。
【0081】イオン性高分子化合物としては、特公昭4
9−23828号、同49−23827号、同47−2
8937号にみられるようなアニオン性高分子化合物;
特公昭55−734号、特開昭50−54672号、特
公昭59−14735号、同57−18175号、同5
7−18176号、同57−56059号などにみられ
るような、主鎖中に解離基をもつアイオネン型ポリマ
ー;特公昭53−13223号、同57−15376
号、特公昭53−45231号、同55−145783
号、同55−65950号、同55−67746号、同
57−11342号、同57−19735号、特公昭5
8−56858号、特開昭61−27853号、同62
−9346号にみられるような、側鎖中にカチオン性解
離基をもつカチオン性ペンダント型ポリマー;等を挙げ
ることができる。
【0082】更に、液晶性化合物を塗布するには乾燥速
度と搬送方法が塗布性の面で重要である。例えば、乾燥
速度が遅い条件で液晶性化合物を塗布した時には液晶層
に斑点状のムラが起きる問題が生じやすい。この現象を
詳しく解析したところ、長尺支持体上の配向層の上に液
晶性化合物を含む塗布液を塗布すると該液晶性化合物塗
布液中の溶剤が蒸発する時の温度ムラが原因であると推
測できた。
【0083】従って、斑点状のムラの問題を解決するに
は温度ムラを少なくすれば良く、温度ムラを少なくする
方法としては、液晶性化合物を含有する塗布液の溶剤を
少なくする方法、塗布膜厚を薄くする方法、溶剤の選択
により蒸発速度をコントロールする方法、搬送ロールか
らの温度の影響を少なくする方法等が挙げられる。
【0084】中でも搬送ロールからの温度の影響を最小
限になるように調整することが均一性において特に有効
であり、長尺支持体上に液晶層を塗設後、液晶層の残存
溶剤量が10%以下になるまで非接触で乾燥することが
好ましく、残存塗布液が5%以下になるまで非接触で乾
燥させることが特に好ましい。非接触で搬送する方法と
してはロール間隔を長くする方法、支持体を空気、窒素
ガス等の気体で浮かせて搬送する方法、或いは、クリッ
プ等で挟んで搬送する方法等が挙げられる。
【0085】本発明の光学補償フィルムの光学異方層
は、液晶ディスプレイの視角特性を改良するため、光学
異方層の厚さはそれを構成する液晶性化合物の複屈折の
大きさ、および液晶性化合物の配向状態によって異なる
が膜厚は0.2μm以上5μm以下、好ましくは0.4
μm以上3μm以下である。これよりも光学異方層の厚
さが薄いと目的とする光学異方性が得られにくくなり、
一方前述の範囲よりも光学異方層が厚いと必要以上の光
学異方性がかえって視野角特性を劣化しやすくなった
り、別の課題としては光学補償フィルムがカールしやす
くなることが多い。
【0086】本発明に係る光学異方層は、透明支持体に
対して少なくとも1層設けることができる。液晶ディス
プレイのモードが多種製品化されており光学的に補償で
きる光学補償フィルムは、ディスプレイに適した光学特
性を設計することができる。1つの透明支持体に対して
光学異方層を複数層設置することもでき、光学異方層の
含まれる液晶性化合物が配向した状態もしくは液晶性化
合物の配向が固定化された状態で構成されるとき配向方
向は適宜ディスプレイに適合した光学特性を設計でき
る。光学異方層が2層以上透明支持体上に設置される場
合、透明支持体より遠い方向の順に配向層、光学異方層
が複数層繰り返して設置できる。これは前記配向方向が
配向膜によって決定されるために、配向膜と液晶層は隣
接していることが必要となる。これらが複数層設置され
るとき、配向膜上に塗設された液晶層の上に配向膜を直
接塗設または他の従来公知の樹脂層で構成される中間層
を設置してその上に配向膜を塗設し、複数目の配向層上
に液晶層を設置することができる。
【0087】本発明に係る光学異方層の塗布性を確認す
る手段を設けることが好ましい。どころが配向した液晶
層は透明であるのでムラのチェックが困難であった。そ
こで液晶層を塗布した後に2枚の偏光板をクロスニコル
の配置にして、その間に液晶層を偏光板の透過軸と液晶
の配向方向を45°およびまたは1枚の偏光板の透過軸
と平行にした方向で通し片方から透過光を照射して透過
した光量を測定し、その透過光量で液晶層のムラを検出
する方法が好ましい。例えば、透過光を濃度で表して濃
度の異常個所を検知したり、濃度の偏差により工程管理
が行なえるようになった。
【0088】液晶表示装置に本発明の光学補償フィルム
を設置する場合、駆動用液晶セルの両側に位置する一対
の基板の上下に配置された上側偏光板と下側偏光板が通
常構成されるが、このとき該基板と上側もしくは下側偏
光板のどちらか一方の間、または該基板と上側および下
側偏光板のそれぞれ間に本発明の光学補償フィルムを少
なくとも1枚設置される。
【0089】液晶表示装置が特にツイステッドネマティ
ック型(TN型)液晶表示装置である場合、TN型液晶
セルに最も近い基板に前記光学補償フィルムの透明支持
体面が接触する方向に光学補償フィルムを添付し、かつ
光学補償フィルムの透明支持体面内の最大屈折率方向が
前記液晶セルに最も近い基板のネマティック液晶の配向
方向と実質的に直交した方向に添付することが本発明の
効果をより好ましく奏する点で好ましい。ここで、実質
的に直交とは90°±5°の範囲を示すが90°にする
ことが好ましい。
【0090】本発明に係る光学異方層は、平均傾斜角度
は、光学異方層の断面方向から観察した場合、斜めであ
ることがよく、傾斜角度は光学異方層の厚さ方向に対し
て一定であってもよく、厚さ方向に対して配向角度が変
化してもよい。平均傾斜角度はディスプレイの視野角を
補償するため、ディスプレイの設計により異なるが、1
5°以上50°以下であることが特にTN型液晶表示装
置において好ましい。光学異方層を構成する液晶性化合
物の傾斜角度は、より好ましくは厚さ方向に対して変化
し、該傾斜角度が配向膜側から増加または減少して変化
することが本発明においてはより効果的である。
【0091】本発明に係る長尺支持体について説明す
る。本発明に係る長尺支持体とは、具体的には、5m以
上のものを示し、通常、ロール状で提供される形態のも
のである。
【0092】また、本発明の光学補償フィルで用いられ
る長尺支持体は透明支持体であることが好ましく、透明
支持体とは可視域の透過率が80%以上の特性を有する
ものが好ましく、そのような素材としては、セルロース
エステル誘導体、ポリエチレンテレフタレート、ポリカ
ーボネート、ポリアリレート、ポリスルフォンなどが挙
げられる。上記記載の中でも、目的の光学特性を得るた
めの生産性の観点から好ましく用いられるのは、セルロ
ースエステル誘導体である。
【0093】本発明に係る長尺支持体に用いられる透明
支持体の光学特性は、該支持体の光学特性が40nm≦
0≦95nmを満たし、かつ0.8≦(Rt/R0)≦
1.4を満たすことが求められる。ここで、R0および
tは透明支持体のリターデーション値を示す。
【0094】R0=(nx−ny)×d Rt=((nx+ny)/2−nz)×d ここで、nx、nyは透明支持体の面内での最大屈折率
方向=x方向、y方向の主屈折率である。nzは厚み方
向でのフィルムの屈折率、dはフィルムの厚み(nm)
である。
【0095】透明支持体の生産性の観点から好ましい製
造方法は、透明支持体の溶剤を含む樹脂溶液をベルトま
たはドラム上で流延製膜し、溶剤が残存した状態でベル
トまたはドラムから剥離され、その後乾燥しながらフィ
ルムを延伸する製造方法である。それゆえ、透明支持体
の主屈折率が以下の関係を示すことがより効率的に透明
支持体が生産できる。nxがフィルムの流延方向に実質
的に等しい屈折率、nyは流延方向に垂直な方向(幅方
向)に実質的に等しい屈折率、nzはフィルムの厚み方
向の屈折率である。
【0096】支持体の全体の屈折率の測定は、通常の屈
折率計を用いることができる。全体の屈折率を測定した
後、自動複屈折計KOBRA−21ADH(王子計測機
器(株)製)を用いて、23℃、55%RHの環境下
で、波長が590nmにおいて、3次元屈折率測定を行
い、屈折率nx、ny、nzを算出し、かつフィルムの
厚さを測定してリターデーションR0、Rtを求めること
ができる。
【0097】このような特性を満たす樹脂として、セル
ロースエステル誘導体が好ましく用いられる。特に0.
5≦(Rt/R0)≦2.0を効果的に満たすためには、
セルロースエステルのアセチル置換度が2.5以上2.
86以下が好ましい。本発明の別の形態としては、セル
ロースエステルのアセチル置換度が、2.40以上3.
00以下のセルロースエステルを少なくとも2種以上を
用いる。この場合のアセチル基の置換度としては、混合
後の平均アセチル基置換度が2.50以上2.86以下
のセルロースエステルであることが本発明の効果を好ま
しく奏する点で好ましい。
【0098】本発明のさらに別の形態としては、光学補
償フィルムに用いるセルロースエステルのアセチル置換
度が、2.60以上、3.00以下のセルロースエステ
ルを少なくとも1種とアセチル置換度が2.40以上
2.60未満のセルロースエステルを少なくとも1種を
混合し、混合後の平均アセチル置換度が2.5以上2.
86以下のセルロースエステルを用いることが本発明の
効果を好ましく奏する点で好ましい。
【0099】アセチル置換度または平均アセチル置換度
が2.5以上2.86以下のセルロースエステルをフィ
ルムとした支持体は、フィルム面の屈折率の平均に対す
る厚さ方向の屈折率との差が高い光学特性を与える。置
換度をやや低く抑えたセルロースエステルフィルムを用
いるものことで、これらのセルロースエステルフィルム
を用いると、高いアセチル置換度のセルローストリアセ
テートフィルムよりも同じ光学特性を得る場合薄膜化す
ることができる。視角特性に優れた光学補償フィルムの
支持体としては、ディスプレイの求められる光学補償能
は異なるが適宜液晶層と支持体の光学特性を調整して設
計することができる。本発明の支持体のアセチル置換度
または平均アセチル置換度の好ましい範囲は、2.55
〜2.70である。
【0100】上記記載のセルロースエステルフィルム
は、例えば、特開平10−45804号に記載の方法で
合成することが出来る。アセチル基の置換度の測定方法
もASTM−D817−96により測定することが出来
る。
【0101】アセチル基の置換度が2.5以上2.86
以下のセルロースエステルとは、アセチル基で、セルロ
ースの水酸基を常法により所定の置換度に置換したもの
である。本発明に係るセルロースエステルの数平均分子
量は、好ましい機械的強度を得るためには、70000
〜300000が好ましく、更に80000〜2000
00が好ましい。
【0102】アセチル基の置換度が2.60以上3.0
0以下のセルロースエステルとは、アセチル基で、セル
ロースの水酸基を常法により所定の置換度に置換したも
のである。本発明のセルロースエステルの数平均分子量
は、好ましい機械的強度を得るためには、70000〜
300000が好ましく、更に80000〜20000
0が好ましい。
【0103】アセチル置換度が2.40以上2.60未
満のセルロースエステルとは、アセチル基でセルロース
の水酸基を常法により所定の置換度に置換したものであ
る。該セルロースエステルの数平均分子量は、好ましい
機械的強度を得るためには、70000〜300000
が好ましく、更に80000〜200000が好まし
い。
【0104】セルロースエステル樹脂としては、上記ア
セチル置換度を制御したセルロースエステル樹脂を用い
ることが好ましいが、一方アセチル基およびプロピオニ
ル基を有するセルロースエステル樹脂を用いることが極
めて効果的である。
【0105】本発明に係るセルロースエステルフィルム
作製に用いられるセルロースエステルの一例として、ア
セチル基とプロピオニル基を置換基として有しており、
下記式(1)及び(2)を同時に満足するものが好まし
い。
【0106】(1)2.0≦A+B≦3.0 (2)A<2.4 ここで、Aはアセチル基の置換度、Bはプロピオニル基
の置換度を表す。
【0107】更に、本発明においては、下記式(3)及
び(4)を同時に満たすセルロースエステルフィルムが
より好ましく用いられる。
【0108】(3) 2.4≦A+B≦2.8 (4) 1.4≦A≦2.0 これらのアシル基は、グルコース単位の2位、3位、6
位に平均的に置換していても良いし、例えば6位に高い
比率で置換するなどの分布を持った置換がなされていて
も良い。
【0109】ここで、置換度とは所謂、結合脂肪酸量の
百分率をいい、ASTM−D817−91(セルロース
アセテート等の試験法)におけるアセチル化度の測定お
よび計算に従い算出される数値である。アシル基の置換
度の測定法はASTM−D817−96に従って測定で
きる。
【0110】特に、Aのアセチル基の平均置換度が2.
0未満であると延伸時の位相差のばらつきが少ないため
特に好ましい。
【0111】また、機械的強度に優れた透明支持体を得
る観点から、本発明に用いられるアセチル基とプロピオ
ニル基の両者を含むセルロースエステル樹脂の数平均分
子量は70000〜300000、好ましくは9000
0〜200000である。
【0112】本発明に用いられるセルロースの混合脂肪
酸エステルは、アシル化剤として酸無水物や酸塩化物を
用いて合成できる。アシル化剤が酸無水物である場合
は、反応溶剤として有機酸(例、酢酸)や塩化メチレン
が使用される。触媒としては、硫酸のような酸性触媒が
用いられる。アシル化剤が酸塩化物である場合は、触媒
として塩基性化合物が用いられる。工業的に最も一般的
な合成方法では、セルロースをアセチル基およびプロピ
オニル基に対応する有機酸(酢酸、プロピオン酸)また
はそれらの酸無水物(無水酢酸、無水プロピオン酸)を
含む混合有機酸成分でエステル化してセルロースエステ
ルを合成する。アセチル化剤とプロピオニル化剤の使用
量は、合成するエステルが前述した置換度の範囲となる
ように調整する。反応溶剤の使用量は、セルロース10
0質量部に対して、100〜1000質量部であること
が好ましく、200〜600質量部であることがさらに
好ましい。酸性触媒の試料量は、セルロース100質量
部に対して、0.1〜20質量部であることが好まし
く、更に好ましくは、0.4〜10質量部である。
【0113】反応温度は、10〜120℃であることが
好ましく、20〜80℃であることがさらに好ましい。
また、アシル化反応が終了してから、必要に応じて加水
分解(ケン化)して、置換度を調整してもよい。反応終
了後、反応混合物を沈澱のような慣用の手段を用いて分
離し、洗浄、乾燥することによりセルロースの混合脂肪
酸エステル(セルロースアセテートプロピオネート)が
得られる。
【0114】本発明に用いられるセルロースエステルは
綿花リンターから合成されたセルローストリアセテート
と木材パルプから合成されたセルローストリアセテート
のどちらかを単独あるいは混合して用いることができ
る。ベルトやドラムからの剥離性が良い綿花リンターか
ら合成されたセルロースエステルを多く使用した方が生
産効率が高く好ましい。綿花リンターから合成されたセ
ルロースエステルの比率が60質量%以上で、剥離性の
効果が顕著になるため60質量%以上が好ましく、より
好ましくは85質量%以上、更には単独で使用すること
が最も好ましい。
【0115】セルロースエステルは綿花リンターから合
成されたセルロースエステルと木材パルプから合成され
たセルロースエステルのどちらかを単独あるいは混合し
て用いることができる。ベルトやドラムからの剥離性が
良い綿花リンターから合成されたセルロースエステルを
多く使用した方が生産性効率が高く好ましい。綿花リン
ターから合成されたセルロースエステルの比率が60質
量%以上で、剥離性の効果が顕著になるため60質量%
以上が好ましく、より好ましくは85質量%以上、更に
は、単独で使用することが最も好ましい。
【0116】本発明の光学補償フィルムに用いる透明支
持体の厚さは、液晶ディスプレイの視角特性を改良する
ための光学特性を保有すれば良く、延伸倍率と透明の支
持体の厚さにより制御することができる。該透明支持体
の厚さは、好ましくは35μm以上250μm以下であ
るが、より好ましくは60μm以上140μm以下であ
る。この範囲よりも該透明支持体が薄いと目的の光学特
性が得難くくなり、一方該範囲よりも厚いと必要以上の
光学特性となり、かえって液晶ディスプレイ視角特性を
劣化する場合が多くなる。
【0117】本発明において、前記光学補償フィルムを
偏光板用保護フィルムとして用いる場合、または光学補
償フィルムを保護フィルム付偏光子に張り付けて用いる
場合、光学補償フィルムは液晶セルと偏光子との間に設
置することができる。
【0118】偏光子は、従来から公知のものを用いるこ
とが出来る。例えば、ポリビニルアルコールの如きの親
水性ポリマーからなるフィルムを、沃素の如き二色性染
料で処理して延伸したもの等を用いることが出来る。
【0119】次に本発明の透明支持体がセルロースエス
テルの場合、そのフィルムの製造方法について述べる。
【0120】先ず、セルロースエステルを有機溶剤に溶
解してドープを形成する。ドープ中のセルロースエステ
ルの濃度は10〜35質量%が好ましい。
【0121】有機溶剤としては、酢酸メチル、酢酸エチ
ル、酢酸アミル、アセトン、テトラヒドロフラン、1,
3−ジオキソラン、1,4−ジオキサン、シクロヘキサ
ノン、ギ酸エチル、2,2,2−トリフルオロエタノー
ル、2,2,3,3−ヘキサフルオロ−1−プロパノー
ル、1,3−ジフルオロ−2−プロパノール、1,1,
1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−メチル−2−プ
ロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ
−2−プロパノール、2,2,3,3,3−ペンタフル
オロ−1−プロパノール、ニトロエタン等の非塩素系の
有機溶剤が使用できる。また、塩化メチレンも使用でき
る。メタノール、エタノール、ブタノールなどの低級ア
ルコールを併用するとセルロースエステルの有機溶剤へ
の溶解性が向上したりドープ粘度を低減できるので好ま
しい。特に沸点が低く、毒性の少ないエタノールが好ま
しい。
【0122】ドープ中には、前記可塑剤、紫外線吸収
剤、マット剤などの添加剤を加えてもよい。そして、得
られたドープを回転するベルトやドラムの支持体上に流
廷し、剥離可能になるまで乾燥し、そしてフィルムを剥
離する。剥離した生乾きのフィルムの状態で延伸され、
更に乾燥しフィルム中の有機溶剤をほぼ完全に蒸発させ
ることができるが、乾燥後延伸してもよい。フィルム中
の有機溶剤の含有量としては、良好なフィルムの寸法安
定性を得るために2質量%以下、更に0.4質量%以下
が好ましい。
【0123】また、本発明に係る長尺支持体の製造、特
に塗設において、すべり性を改善するために、これら透
明樹脂フィルムを製造する際のドープ中に、例えば二酸
化ケイ素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジル
コニウム、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、焼成ケ
イ酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミ
ニウム、ケイ酸マグネシウム、リン酸カルシウム等の無
機微粒子や架橋高分子などのマット剤を含有させること
が好ましい。中でも二酸化ケイ素がフィルムのヘイズを
小さくできるので好ましい。微粒子は、2次粒子の平均
粒径が0.01〜1.0μm、含有量が、セルロースエ
ステルに対して0.005〜0.3質量%が好ましい。
【0124】二酸化ケイ素のような微粒子は有機物によ
って表面処理されていることが、フィルムのヘイズを低
下できるため好ましい。表面処理で好ましい有機物とし
ては、ハロシラン類、アルコキシシラン類、シラザン、
シロキサンなどがあげられる。微粒子の平均径は、後述
のアンチカール処理に用いる微粒子と同じものが用いら
れる。
【0125】本発明の光学補償フィルムは、支持体に光
学異方層等の塗設物を有することからカールしてしまう
ことが多い。従ってカールを防止することにより、カー
ルによる不都合を解消し、光学補償フィルムとしての機
能を損なわないようにするため、光学異方性層を塗設し
た反対側にアンチカール層を設けることが出来る。すな
わち、アンチカール層を設けた面を内側にして丸まろう
とする性質を持たせることにより、カールの度合いをバ
ランスさせるものである。なお、アンチカール層は好ま
しくはブロッキング層を兼ねて塗設され、その場合、塗
布組成物にはブロッキング防止機能を持たせるための無
機微粒子及び/又は有機微粒子を含有させることができ
る。例えば、無機微粒子としては酸化ケイ素、酸化チタ
ン、酸化アルミニウム、酸化錫、酸化亜鉛、炭酸カルシ
ウム、硫酸バリウム、タルク、カオリン、硫酸カルシウ
ム等を挙げることができ、また有機微粒子としては、ポ
リメタアクリル酸メチルアクリレート樹脂粉末、アクリ
ルスチレン系樹脂粉末、ポリメチルメタクリレート樹脂
粉末、シリコン系樹脂粉末、ポリスチレン系樹脂粉末、
ポリカーボネート樹脂粉末、ベンゾグアナミン系樹脂粉
末、メラミン系樹脂粉末、ポリオレフィン系樹脂粉末、
ポリエステル系樹脂粉末、ポリアミド系樹脂粉末、ポリ
イミド系樹脂粉末、あるいはポリ弗化エチレン系樹脂粉
末等を挙げることができ、アンチカール層塗布組成物に
加えることが出来る。二酸化ケイ素のような微粒子は有
機物によって表面処理されていることが、フィルムのヘ
イズを低下できるため好ましい。表面処理で好ましい有
機物としては、ハロシラン類、アルコキシシラン類、シ
ラザン、シロキサンなどがあげられる。
【0126】二酸化ケイ素の微粒子としては日本アエロ
ジル(株)製のAEROSIL200、200V、30
0、R972、R974、R202、R812、OX5
0、TT600などが挙げられ、好ましくはAEROS
IL R972、R972V、R974、R974V、
R202、R812などが挙げられる。
【0127】これらの粒子は、体積平均粒径0.005
〜0.1μmの粒子を樹脂組成物100質量部に対して
0.1〜5質量部が好ましく添加される。これの微粒子
の配合はフィルムのヘイズが0.6%以下、光学補償フ
ィルムの表裏面の間の動摩擦係数が0.5以下となるよ
うに配合することが好ましい。
【0128】前記微粒子はとジアセチルセルロースのよ
うな樹脂を含む層を設置することができる。このような
層はイソシアネート誘導体のような架橋剤を用いて強度
を向上させることもできる。
【0129】アンチカール機能の付与は、樹脂フィルム
基材を溶解させる溶剤又は膨潤させる溶剤を含む組成物
を塗布することによって行われる。用いる溶剤として
は、溶解させる溶剤又は膨潤させる溶剤の混合物の他、
さらに溶解させない溶剤を含む場合もあり、これらを樹
脂フィルムのカール度合や樹脂の種類によって適宜の割
合で混合した組成物及び塗布量を用いて行う。カール防
止機能を強めたい場合は、用いる溶剤組成を溶解させる
溶剤又は膨潤させる溶剤の混合比率を大きくし、溶解さ
せない溶剤の比率を小さくするのが効果的である。
【0130】この混合比率は好ましくは(溶解させる溶
剤又は膨潤させる溶剤):(溶解させない溶剤)=1
0:0〜1:9で用いられる。
【0131】このような混合組成物に含まれる、樹脂フ
ィルム基材を溶解又は膨潤させる溶剤としては、例え
ば、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジオキサン、アセ
トン、メチルエチルケトン、N,N−ジメチルホルムア
ミド、酢酸メチル、酢酸エチル、トリクロロエチレン、
メチレンクロライド、エチレンクロライド、テトラクロ
ロエタン、トリクロロエタン、クロロホルムなどがあ
る。溶解させない溶剤としては、例えば、メタノール、
エタノール、n−プロピルアルコール、i−プロピルア
ルコール、n−ブタノールなどがある。
【0132】これらの塗布組成物をグラビアコータ、デ
ィップコータ、リバースコータ、押し出しコータ等を用
いて樹脂フィルムの表面にウェット膜厚1〜100μm
塗布するのが好ましいが、特に5〜30μmであると良
い。ここで用いられる樹脂としては、例えば塩化ビニル
/酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹
脂、酢酸ビニルとビニルアルコールの共重合体、部分加
水分解した塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、塩化ビニ
ル/塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル/アクリロニ
トリル共重合体、エチレン/ビニルアルコール共重合
体、塩素化ポリ塩化ビニル、エチレン/塩化ビニル共重
合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合
体あるいは共重合体、ニトロセルロース、セルロースア
セテートプロピオネート、ジアセチルセルロース、セル
ロースアセテートブチレート樹脂等のセルロースエステ
ル系樹脂、マレイン酸および/またはアクリル酸の共重
合体、アクリル酸エステル共重合体、アクリロニトリル
/スチレン共重合体、塩素化ポリエチレン、アクリロニ
トリル/塩素化ポリエチレン/スチレン共重合体、メチ
ルメタクリレート/ブタジエン/スチレン共重合体、ア
クリル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブ
チラール樹脂、ポリエステルポリウレタン樹脂、ポリエ
ーテルポリウレタン樹脂、ポリカーボネートポリウレタ
ン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリア
ミド樹脂、アミノ樹脂、スチレン/ブタジエン樹脂、ブ
タジエン/アクリロニトリル樹脂等のゴム系樹脂、シリ
コーン系樹脂、フッ素系樹脂等を挙げることができる
が、これらに限定されるものではない。特に好ましくは
ジアセチルセルロースのようなセルロース系樹脂層であ
る。
【0133】本発明の光学補償フィルムの支持体におい
て物性を改良する目的として可塑剤を用いることができ
る。具体的な可塑剤としては、リン酸エステルまたはカ
ルボン酸エステルが好ましく用いられる。リン酸エステ
ルとしては、トリフェニルフォスフェート(TPP)お
よびトリクレジルホスフェート(TCP)、ビフェニル
−ジフェニルホスフェート、ジメチルエチルホスフェー
トが含まれる。カルボン酸エステルとしては、フタル酸
エステルおよびクエン酸エステルが代表的なものであ
る。フタル酸エステルの例には、ジメチルフタレート
(DMP)、ジエチルフタレート(DEP)、ジブチル
フタレート(DBP)、ジオクチルフタレート(DO
P)およびジエチルヘキシルフタレート(DEHP)、
エチルフタリルエチルグリコレート等が用いられる。ク
エン酸エステルとしては、クエン酸アセチルトリエチル
(OACTE)およびクエン酸アセチルトリブチル(O
ACTB)が用いられる。その他のカルボン酸エステル
の例には、オレイン酸ブチル、リシノール酸メチルアセ
チル、セバシン酸ジブチル、種々のトリメリット酸エス
テルが含まれる。リン酸エステル系可塑剤(TPP、T
CP、ビフェニル−ジフェニルホスフェート、ジメチル
エチルホスフェート)、フタル酸エステル系可塑剤(D
MP、DEP、DBP、DOP、DEHP)が好ましく
用いられる。
【0134】又、この中でもトリフェニルフォスフェー
ト(TPP)およびエチルフタリルエチルグリコールが
特に好ましく用いられる。
【0135】可塑剤は透明樹脂への耐水性付与、あるい
はその透湿性改善のため、可塑剤の添加量は透明樹脂中
に通常2〜15質量%で添加することが好ましい。
【0136】透明樹脂に紫外線吸収剤を含有させること
によって、耐光性に優れた光学補償フィルムを得ること
が出来る。本発明に有用な紫外線吸収剤としては、サリ
チル酸誘導体、ベンゾフェノン誘導体、ベンゾトリアゾ
ール誘導体、安息香酸誘導体又は有機金属錯塩等があ
る。具体例として特に限定されることはないが、例え
ば、サリチル酸誘導体としてはサリチル酸フェニル、4
−t−ブチルフェニルサリチル酸等を、ベンゾフェノン
誘導体としては、2−ジヒドロキシベンゾフェノン、2
−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン等を、ベン
ゾトリアゾール誘導体としては、2−(2′−ヒドロキ
シ−5′−メチルフェニル)−ベンゾトリアゾール、2
−(2′−ヒドロキシ−3′−5′−ジ−ブチルフェニ
ル)−5−クロロベンゾトリアゾール等を、安息香酸誘
導体としては、レゾルシノール−モノベンゾエート、
2′,4′−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−t−ブ
チル−4−ヒドロキシベンゾエート等を、有機錯塩誘導
体としては、ニッケルビス−オクチルフェニルサルファ
ミド、エチル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキ
シベンジルリン酸のニッケル塩等を挙げることができ
る。本発明においてはこれら紫外線吸収剤の1種以上を
用いていることが好ましく、異なる2種以上の紫外線吸
収剤を含有してもよい。また高分子紫外線吸収剤、例え
ば特開平6−148430記載に例示されたようなもの
を用いてもよい。
【0137】紫外線吸収剤としては、紫外線の吸収形状
や保存性の観点から紫外線吸収剤としては、液晶性化合
物の劣化防止の点より波長370nm以下の紫外線の吸
収能に優れ、かつ良好な液晶表示性の点より波長400
nm以上の可視光の吸収が可及的に少ないものが好まし
く用いられる。特に、波長370nmでの透過率が、1
0%以下である必要があり、好ましくは5%以下、より
好ましくは2%以下である。このような観点からベンゾ
トリアゾール誘導体またはベンゾフェノン誘導体が好ま
しく用いられる。
【0138】紫外線吸収剤の添加方法はアルコールやメ
チレンクロライド、ジオキソランなどの有機溶剤に紫外
線吸収剤を溶解してからドープに添加するか、または直
接ドープ組成中に添加してもよい。無機粉体のように有
機溶剤に溶解しないものは、有機溶剤とセルロースエス
テル中にデゾルバやサンドミルを使用し、分散してから
ドープに添加する。
【0139】アンチカール層を塗設する順番は樹脂フィ
ルム基材の反対側に光学異方性層を塗設する前でも後で
も構わないが、アンチカール層がブロッキング防止層を
兼ねる場合は先に塗設することが望ましい。
【0140】本発明の光学補償フィルムの液晶層の上に
は、傷などの光学的変質をさけるために保護層を設けて
もよい。液晶層が複数層の場合は中間層を設けてもよ
い。保護層または中間層の材料としては、ポリメチルメ
タクリレート、アクリル酸/メタクリル酸共重合体、ス
チレン/無水マレイミド共重合体、ポリビニルアルコー
ル、ポリ(N−メチロールアクリルアミド)、スチレン
/ビニルトルエン共重合体、ニトロセルロース、ポリ塩
化ビニル、塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、ポリ
イミド、酢酸ビニル/塩化ビニル共重合体、エチレン/
酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、
及びポリカーボネート、またはアクリレート、メタクリ
レート等のポリマー及びこれらの誘導体を挙げる事がで
きる。これらの材料を上記塗布方法より、溶液を調製し
て塗布、乾燥によって設置することができる。
【0141】本発明に用いられるセルロースエステルフ
ィルム支持体の製造方法に付いて説明する。
【0142】セルロースエステルフィルム支持体の製造
方法としては、ドープ液を支持体上に流延、製膜し、得
られたフィルムを支持体から剥ぎ取り、その後、張力を
かけて乾燥ゾーン中を搬送させながら乾燥する、溶液流
延製膜法が好ましい。下記に溶液流延製膜法について述
べる。
【0143】(1)溶解工程:セルロースエステルのフ
レークに対する良溶剤を主とする有機溶剤に溶解釜中で
該フレークを攪拌しながら溶解し、セルロースエステル
溶液(ドープ)を形成する工程である。溶解には、常圧
で行う方法、主溶剤の沸点以下で行う方法、主溶剤の沸
点以上で加圧して行う方法、J.M.G.Cowie等
によるMakromol.chem.143巻、105
頁(1971)に記載されたような、又特開平9−95
544号及び同9−95557号に記載された様な低温
で溶解する冷却溶解法、高圧で行う方法等種々の溶解方
法がある。溶解後ドープを濾材で濾過し、脱泡してポン
プで次工程に送る。
【0144】(2)流延工程:ドープを加圧型定量ギヤ
ポンプを通して加圧ダイに送液し、流延位置において、
無限に移送する無端の金属ベルトあるいは回転する金属
ドラムの流延用支持体(以降、単に支持体ということも
ある)上に加圧ダイからドープを流延する工程である。
流延用支持体の表面は鏡面となっている。その他の流延
方法としては流延されたドープ膜をブレードで膜厚を調
節するドクターブレード法、あるいは逆回転するロール
で調節するリバースロールコータによる方法等がある
が、口金部分のスリット形状を調製出来、膜厚を均一に
し易い加圧ダイが好ましい。加圧ダイには、コートハン
ガーダイやTダイ等があるが、何れも好ましく用いられ
る。製膜速度を上げるために加圧ダイを流延用支持体上
に2基以上設け、ドープ量を分割して重層してもよい。
【0145】(3)溶剤蒸発工程:ウェブ(流延用支持
体上にドープを流延した以降のドープ膜の呼び方をウェ
ブとする)を流延用支持体上で保持し溶剤を蒸発させる
工程である。溶剤を蒸発させるには、ウェブ側から風を
吹かせる方法及び/または支持体の裏面から液体により
伝熱させる方法、輻射熱により表裏から伝熱する方法等
があるが、裏面液体伝熱の方法が乾燥効率がよく好まし
い。またそれらを組み合わせる方法も好ましい。
【0146】(4)剥離工程:支持体上で溶剤が蒸発し
たウェブを、剥離位置で剥離する工程である。剥離され
たウェブは次工程に送られる。剥離する時点でのウェブ
の残留溶剤量(下記式)があまり大き過ぎると剥離し難
かったり、逆に支持体上で充分に乾燥させてから剥離す
ると、途中でウェブの一部が剥がれたりする。
【0147】製膜速度を上げる方法(残留溶剤量ができ
るだけ多いうちに剥離するため製膜速度を上げることが
できる)として、残留溶剤が多くとも剥離出来るゲル流
延法(ゲルキャスティング)がある(残留溶剤量が出来
るだけ多いうちに剥離するため製膜速度を上げることが
出来る)。それは、ドープ中にセルロースエステルに対
する貧溶剤を加えて、ドープ流延後、ゲル化する方法、
支持体の温度を低めてゲル化する方法等がある。また、
ドープ中に金属塩を加える方法もある。支持体上でゲル
化させ膜を強くすることによって、剥離を早め製膜速度
を上げることが出来るのである。残留溶剤量がより多い
時点で剥離する場合、ウェブが柔らか過ぎると剥離時平
面性を損なったり、剥離張力によるツレや縦スジが発生
し易く、経済速度と品質との兼ね合いで剥離残留溶剤量
を決められる。
【0148】残留溶媒量の測定はフィルムを115℃で
1時間乾燥した時のフィルムの質量をAとし、乾燥前の
フィルムの質量をBとしたとき、下記式より求めた。
【0149】 ((B−A)/A)×100=残留溶媒量(質量%) (5)乾燥工程:ウェブを千鳥状に配置したロールに交
互に通して搬送する乾燥装置及び/またはクリップでウ
ェブの両端をクリップして搬送するテンター装置を用い
てウェブを乾燥する工程である。乾燥の手段はウェブの
両面に熱風を吹かせるのが一般的であるが、風の代わり
にマイクロウエーブを当てて加熱する手段もある。あま
り急激な乾燥は出来上がりのフィルムの平面性を損ね易
い。高温による乾燥は残留溶剤が8質量%以下くらいか
ら行うのがよい。全体を通して、通常乾燥温度は40〜
250℃で、70〜180℃が好ましい。使用する溶剤
によって、乾燥温度、乾燥風量及び乾燥時間が異なり、
使用溶剤の種類、組合せに応じて乾燥条件を適宜選べば
よい。
【0150】流延用支持体面から剥離した後の乾燥工程
では、溶剤の蒸発によってウェブは巾方向に収縮しよう
とする。高温度で急激に乾燥するほど収縮が大きくな
る。この収縮を可能な限り抑制しながら乾燥すること
が、出来上がったフィルムの平面性を良好にする上で好
ましい。この観点から、例えば、特開昭62−4662
5号に示されているような乾燥全工程あるいは一部の工
程を巾方向にクリップでウェブの巾両端を巾保持しつつ
乾燥させる方法(テンター方式)が好ましい。
【0151】(6)巻き取り工程:ウェブを残留溶剤量
が質量で2%以下となってからフィルムとして巻き取る
工程である。残留溶剤量を0.4%以下にすることによ
り寸法安定性の良好なフィルムを得ることが出来る。巻
き取り方法は、一般に使用されているものを用いればよ
く、定トルク法、定テンション法、テーパーテンション
法、内部応力一定のプログラムテンションコントロール
法等があり、それらを使いわければよい。
【0152】脂肪酸セルロースエステルフィルムの膜厚
の調節には所望の厚さになるように、ドープ濃度、ポン
プの送液量、ダイの口金のスリット間隙、ダイの押し出
し圧力、流延用支持体の速度をコントロールするのがよ
い。又、膜厚を均一にする手段として、膜厚検出手段を
用いて、プログラムされたフィードバック情報を上記各
装置にフィードバックさせて調節するのが好ましい。
【0153】溶液流延製膜法を通しての流延直後からの
乾燥までの工程において、乾燥装置内の雰囲気を、空気
とするのもよいが、窒素ガスや炭酸ガス等の不活性ガス
雰囲気で行ってもよい。ただ、乾燥雰囲気中の蒸発溶剤
の爆発限界の危険性は常に考慮されなければならないこ
とは勿論のことである。
【0154】本発明に用いられる溶出ブロック層につい
て説明する。本発明に用いられる透明支持体と光学異方
層の配向のための配向層との接着性を向上させるため
に、溶出ブロック層が設けられることが好ましい。
【0155】溶出ブロック層とは、配向層や液晶性化合
物を塗設する際、これらの有機溶剤溶液として塗設する
場合、有機溶剤の存在により透明支持体から配向層ある
いは液晶性化合物が存在する光学異方層へ、透明支持体
を構成する化合物の何れかが溶出するのを抑制すること
を意味する。薄膜として配向層や液晶性化合物の層を設
置する場合、これらの化合物の有機溶剤溶液を調製して
塗布することは好ましい手法である。
【0156】しかしながら、特にセルロースエステルフ
ィルム支持体等の透明支持体は、樹脂で構成され、可塑
剤を含むことが多い。樹脂あるいは可塑剤を溶解する有
機溶剤が、配向層としての樹脂や液晶性化合物を溶解す
るとき、塗設によって層間の拡散、層間の混溶が容易に
推察できる。
【0157】この間に前述の有機溶剤に不溶もしくは溶
けにくい溶剤に溶解する樹脂を設置することにより、前
述の塗設時の層間拡散、層間混溶を抑制することが可能
となる。
【0158】また、樹脂あるいは可塑剤を溶解する有機
溶剤に溶解する化合物であっても、活性線硬化性の樹脂
をモノマーの状態で透明基板上に塗設し硬化反応を行う
ことは、単に樹脂を塗設することと異なり架橋構造が多
い層が設置でき、配向層としての樹脂や液晶性化合物を
溶解するとき、塗設によって層間の拡散、コンタミネー
ションを抑制することができる。これにより光学異方層
を構成する液晶性化合物の配向がより安定に達成でき
る。
【0159】本発明に用いられる透明支持体に水溶性ポ
リマー、例えば、有機酸基含有ポリマーを含有する溶出
ブロック層を設けることは、透明支持体と配向層との接
着性向上の観点から、製造上メリットが大きく効果的で
ある。
【0160】有機酸基含有ポリマーは、ポリマー側鎖に
有機酸基を有する構造が挙げられるが特に限定されな
い。有機酸基としては、例えば−COOH基が上げられ
る。このような化合物例としては特に限定されることは
ないが、例えば特開平7−333436号記載の一般式
[1]または一般式[2]で示される構造が挙げられ
る。−COOH基の水素は、アンモニア、アルカリ金属
カチオン(ナトリウムカチオン、リチウムカチオン)で
置換されていてもよい。有機酸基をもつポリマーを構成
するモノマー単位としては、アクリル酸、メタクリル
酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸などが挙げられ
る。また、無水マレイン酸を共重合モノマーとして高分
子量化したのち、酸無水環を開環させて有機酸基を得て
もよい。
【0161】本発明に係る溶出ブロック層の一形態とし
て活性線硬化樹脂層の設置がある。活性線は紫外線が光
源や材料の入手のしやすさから好ましい。
【0162】紫外線硬化樹脂としては、例えば、紫外線
硬化型アクリルウレタン系樹脂、紫外線硬化型ポリエス
テルアクリレート系樹脂、紫外線硬化型エポキシアクリ
レート系樹脂、紫外線硬化型ポリオールアクリレート系
樹脂、又は紫外線硬化型エポキシ樹脂等を挙げることが
出来る。
【0163】紫外線硬化型アクリルウレタン系樹脂は、
一般にポリエステルポリオールにイソシアネートモノマ
ー、もしくはプレポリマーを反応させて得られた生成物
に更に2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロ
キシエチルメタクリレート(以下アクリレートにはメタ
クリレートを包含するものとしてアクリレートのみを表
示する)、2−ヒドロキシプロピルアクリレート等の水
酸基を有するアクリレート系のモノマーを反応させるこ
とによって容易に得ることが出来る(例えば特開昭59
−151110号)。
【0164】紫外線硬化型ポリエステルアクリレート系
樹脂は、一般にポリエステルポリオールに2−ヒドロキ
シエチルアクリレート、2−ヒドロキシアクリレート系
のモノマーを反応させることによって容易に得ることが
出来る(例えば、特開昭59−151112号)。
【0165】紫外線硬化型エポキシアクリレート系樹脂
の具体例としては、エポキシアクリレートをオリゴマー
とし、これに反応性希釈剤、光反応開始剤を添加し、反
応させたものを挙げることが出来る(例えば、特開平1
−105738号)。この光反応開始剤としては、ベン
ゾイン誘導体、オキシムケトン誘導体、ベンゾフェノン
誘導体、チオキサントン誘導体等のうちから、1種もし
くは2種以上を選択して使用することが出来る。
【0166】また、紫外線硬化型ポリオールアクリレー
ト系樹脂の具体例としては、トリメチロールプロパント
リアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアク
リレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペ
ンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリ
スリトールヘキサアクリレート、アルキル変性ジペンタ
エリスリトールペンタアクリレート等を挙げることが出
来る。これらの樹脂は通常公知の光増感剤と共に使用さ
れる。また上記光反応開始剤も光増感剤としても使用出
来る。具体的には、アセトフェノン、ベンゾフェノン、
ヒドロキシベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、α−ア
ミロキシムエステル、チオキサントン等及びこれらの誘
導体を挙げることが出来る。また、エポキシアクリレー
ト系の光反応剤の使用の際、n−ブチルアミン、トリエ
チルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン等の増感剤を
用いることが出来る。塗布乾燥後に揮発する溶剤成分を
除いた紫外線硬化性樹脂組成物に含まれる光反応開始剤
または光増感剤は該組成物の0.5〜5質量%であるこ
とが特に好ましい。
【0167】紫外線硬化性樹脂組成物塗布液の塗布方法
としては、グラビアコータ、スピナーコータ、ワイヤー
バーコータ、ロールコータ、リバースコータ、押出コー
タ、エアードクターコータ等公知の方法を用いることが
出来る。紫外線を含む活性線硬化樹脂層の硬化後の膜厚
は0.05μm以上30μm以下が適当で、好ましく
は、0.1〜15μmである。この乾燥膜厚が薄すぎる
と溶出ブロック性が低下し、また乾燥膜厚が厚すぎると
光学補償フィルムがフィルム上であるときカールしてし
まうことがある。
【0168】活性線硬化性樹脂は、重合可能なビニル
基、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、イ
ソプロペニル基、エポキシ基等の重合性基を二つ以上有
するもので、活性エネルギー線に照射により架橋構造ま
たは網目構造を形成するものが好ましい。これら活性基
のうちアクリロイル基、メタクリロイル基またはエポキ
シ基が重合速度、反応性の面から好ましく多官能モノマ
ーまたはオリゴマーが好ましい。例として紫外線硬化型
のアクリウルレタン系樹脂、ポリエステルアクリレート
系樹脂、エポキシアクリレート系樹脂、ポリオールアク
リレート系樹脂が好ましく用いられる。
【0169】また、溶出ブロック層として用いる合成ポ
リマーとしては下記のモノマー単位を単独もしくは共重
合体として上記混合溶剤に溶解する特性の有するものを
用いてもよい。ポリマーを構成するモノマーの具体例と
しては、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、
アクリルアミド類、メタクリルアミド類、クロトン酸エ
ステル、ビニルエステル、マレイン酸エステル、フマル
酸エステル、イタコン酸エステル、オレフィン類、スチ
レン類等が挙げられる。これらのモノマーについて更に
具体的に示すと、アクリル酸エステル誘導体、これらの
エステル置換化合物の置換基として以下のものが挙げら
れる。メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロ
ピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、アミル基、
ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、te
rt−オクチル基、ドデシル基、2−クロロエチル基、
2−ブロモエチル基、4−クロロブチル基、シアノエチ
ル基、2−アセトキシエチル基、ジメチルアミノエチル
基、ベンジル基、メトキシベンジル基、2−クロロシク
ロヘキシル基、シクロヘキシル基、フルフリル基、テト
ラヒドロフルフリル基、フェニル基、5−ヒドロキシペ
ンチル基、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル
基、2−メトキシエチル基、、グリシジル基、アセトア
セトキシエチル基、3−メトキシブチル基、2−エトキ
シエチル基、2−iso−プロポキシ基、2−ブトキシ
エチル基、2−(2−メトキシエトキシ)エチル基、2
−(2−ブトキシエトキシ)エチル基、ω−メトキシオ
リゴオキシエチレン基(オキシエチレン繰り返し単位
数:n=7、9、11等)、ω−ヒドロキシオリゴオキ
シエチレン基(オキシエチレン繰り返し単位数:n=
7、9、11等)、1−ブロモ−2−メトキシエチル
基、1,1−ジクロロ−2−エトキシエチル基などがあ
り、これらの置換基によって構成されるアクリル酸エス
テルおよびメタクリル酸エステルが挙げられる。
【0170】また、アクリルアミド誘導体やメタクリル
アミド誘導体としては、置換、無置換のアクリルアミド
およびメタクリルアミドがあり、これらの置換アミドの
置換基としては以下のものが挙げられる。メチル基、エ
チル基、n−プロピル基、n−ブチル基、tert−ブ
チル基、n−オクチル基、ドデシル基、シクロヘキシル
基、ベンジル基、ヒドロキシメチル基、メトキシエチル
基、ジメチルアミノプロピル基、フェニル基、アセトア
セトキシプロピル基、シアノエチル基等のN−モノ置換
誘導体が挙げられる。N,N−ジ置換誘導体としては、
N,N−ジメチル基あるいはN,N−ジエチル基を有す
るアクリルアミド誘導体あるいはメタクリルアミド誘導
体が挙げられる。
【0171】ビニルエステル類の例としては、ビニルア
セテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート、
ビニルイソブチレート、ビニルカプレート、ビニルクロ
ロアセテート、ビニルメトキシアセテート、ビニルフェ
ニルアセテート、安息香酸ビニル、サリチル酸ビニルな
どが挙げられる。
【0172】またオレフィン類の例としては、ジシクロ
ペンタジエン、エチレン、プロピレン、1−ブテン、塩
化ビニル、塩化ビニリデン、イソプレン、クロロプレ
ン、ブタジエン、2,3−ジメチルブタジエン等が挙げ
られる。
【0173】スチレン類としては、例えば、スチレン、
メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレ
ン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、クロロメ
チルスチレン、メトキシスチレン、アセトキシスチレ
ン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレ
ン、ビニル安息香酸メチルエステルなどが挙げられる。
【0174】クロトン酸エステルとしては、クロトン酸
ブチル、クロトン酸ヘキシルなどが挙げられる。
【0175】また、イタコン酸エステル類としては、イ
タコン酸モノメチルエステル、イタコン酸ジメチル、イ
タコン酸モノブチルエステル、イタコン酸ジエチル、イ
タコン酸ジブチルなどが挙げられる。
【0176】マレイン酸エステルとしては、例えばフマ
ル酸ジエチル、フマル酸ジメチル、フマル酸ジブチルな
どが挙げられる。
【0177】その他のモノマーの例としては、次のもの
が挙げられる。ビニルケトン類、例えばメチルビニルケ
トン、フェニルビニルケトン、メトキシエチルビニルケ
トンなどが挙げられる。
【0178】ヘテロ環含有ビニルモノマーとしては、N
−ビニルピリジンおよび2−および4−ビニルピリジ
ン、ビニルイミダゾール、ビニルオキサゾール、ビニル
トリアゾール、N−ビニル−2−ピロリドンなどが挙げ
られる。
【0179】不飽和ニトリル類としては、アクリロニト
リル、メタクリロニトリルなどが挙げられる。
【0180】上述のポリマーにおいて接着性の改良のた
めに高分子側鎖に不飽和エチレン性基やエポキシ基等の
化学反応性基を含んでもよい。
【0181】上述のポリマーは水を30質量%以上、好
ましくは45質量%以上を含む少なくとも1種以上の有
機溶剤との混合溶剤に溶解できることが本発明において
求められる。このような溶解性を示すポリマーで構成さ
れる溶出ブロック層の樹脂としては、高分子側鎖にヘテ
ロ原子を含む環構造を含むコポリマーが好ましく、より
好ましくはN−ビニル−2−ピロリドンを60質量%以
上含むコポリマー、特に好ましくはN−ビニル−2−ピ
ロリドンのホモポリマーである。また、ポリビニルアル
コールも好ましく用いられる。
【0182】溶出ブロック層の樹脂の分子量は高い方が
配向層や液晶層への拡散がし難い観点から好ましく、数
平均分子量が80万以上であることが好ましい。
【0183】また、上記ポリマーを溶出ブロック層とし
て用いた場合、透明樹脂基板上に乾燥膜厚で0.1μm
以上15μm以下であることが好ましい。この乾燥膜厚
が薄すぎると溶出ブロック性が低下することがあり、ま
た乾燥膜厚が厚すぎると光学補償フィルムがフィルム上
であるときにカールしてしまうことがある。
【0184】この溶出ブロック層は、透明支持体からの
可塑剤、紫外線吸収剤などの添加剤の溶出を防止する目
的の他に、当該支持体と光学異方層または配向層との密
着性を向上させて剥離するのを防止する機能をも求めら
れる。当該目的のためには、透明樹脂基板において、プ
ラズマ処理を行うことが効果的である。透明樹脂基板を
搬送しながらプラズマ処理を行うことは、連続的に処理
が可能であり、特に真空にすることなく大気圧下で、反
応性のガス雰囲気下で該処理を行うことは、フィルム表
面上に必要な反応を行うことで好ましい。
【0185】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明はこれらに限定されない。
【0186】 実施例1 《長尺支持体の作製》 (ドープ組成物の調製) セルローストリアセテート(平均酸化度61.0%) 85kg セルロースアセテートプロピオネート(アセチル基置換度2.0、 プロピオニル基置換度0.8) 15kg トリフェニルフォスフェート 5kg エチルフタリルエチルグリコレート 2kg チヌビン109 0.5kg チヌビン117 0.5kg チヌビン326 0.3kg 超微粒子シリカ(アエロジル200V:日本アエロジル(株)製) 0.01kg メチレンクロライド 430kg メタノール 90kg ドープ組成物密閉容器に投入し、加圧下で80℃に保温
し撹伴しながら完全に溶解してドープ組成物を得た。次
にこのドープ組成物を濾過し、冷却して35℃に保ちス
テンレスバンド上に均一に流延し、剥離が可能になるま
で溶剤を蒸発させたところで、ステンレスバンド上から
剥離した。剥離後の残留溶剤量50質量%〜5質量%の
間の乾燥ゾーン内でテンターによって幅保持しながら乾
燥を進行させ、さらに、多数のロールで搬送させながら
残留溶剤量1質量%以下となるまで乾燥させ、膜厚80
μmのフィルムを得た。
【0187】このセルロースエステルフィルムは、コア
径200mmのガラス繊維強化樹脂製のコアに巾1m、
長さ1000mのロール状にテーパーテンション法で巻
き取きとり、長尺支持体を作製した。この際、フィルム
端部に温度250℃のエンボスリングを押し当て、厚み
だし加工を施して、フィルム同士の密着を防止した。
【0188】《溶出ブロック層の作製》長尺支持体に下
記活性線硬化層用塗布組成物を搬送しながらにワイヤー
バー塗布し乾燥後、200mJ/cm2(365nmの
光量)の紫外線を照射して硬化し、搬送されたフィルム
を巻き取った。硬化後の溶出ブロック層の膜厚は3μm
であった。
【0189】 (活性線硬化層用塗布組成物) ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート単量体 70質量部 ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート2量体 15質量部 ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート3量体以上の成分 15質量部 ジメトキシベンゾフェノン 光反応開始剤 4質量部 プロピレングリコールモノメチルエーテル 75質量部 メチルエチルケトン(MEK) 75質量部 《配向層1の塗設および配向処理》長尺支持体上に塗設
された溶出ブロック層の上に直鎖アルキル変性ポリビニ
ルアルコール(MP203;クラレ(株)製)を水:メ
タノール=60:40(質量比)の1質量%の溶液を作
製し、乾燥膜厚が0.2μmとなるように押し出しコー
ティング機で塗布した。これらを80℃温風にて乾燥さ
せた後、ラビング処理を行い、配向層を形成した。ラビ
ング処理の方向は、塗布の進行方向から45°の方向で
行なった。この配向層は溶出ブロック層としても機能で
きる。
【0190】《液晶層1の塗設及び液晶性化合物の配向
の固定化処理》長尺支持体上に塗設され、偏光紫外線を
照射した配向膜上に、LC−101を5.0質量部、L
C−102を4質量部、LC−103を1質量部、及び
光重合開始剤(イルガキュア−907;チバ・ガイギー
社製)0.1質量部を、4.7質量部のメチルエチルケ
トンに溶解して得られた塗布液を押し出しコーティング
機で液晶層を塗布した。乾燥と配向のために80℃の乾
燥ゾーンに24秒、連続した65℃の乾燥ゾーンに36
秒処理し、液晶性化合物を配向させ、光学異方層を作製
した。次に、20℃、且つ、窒素雰囲気(酸素濃度1.
8%)のゾーンに搬送し、高圧水銀灯を用いて照度50
0mJ/cm2の紫外線を照射し、架橋反応により配向
を固定化した。搬送されたフィルムを室温下で巻き取
り、光学補償フィルム試料101を得た。光学異方層の
膜厚は1.1μmであった。
【0191】次いで、液晶層の塗布膜厚を表1記載のよ
うに変更した以外は同様にして、光学補償フィルム試料
102〜108を得た。
【0192】
【化1】
【0193】上記で得られた光学補償フィルム101〜
108について下記に示すような評価を行った。
【0194】《光学異方層のムラの評価》光学異方層ま
で塗布した試料からから20cm間隔で長尺支持体の進
行方向に4個所ずつ、幅方向に4個所ずつ計16個所か
ら3cm×3cmに試料を切り出した。試料を光透過軸
が直行するように配置した2枚の偏光板の間に設置し
た。試料の設置方向をA:試料の配向方向を偏光板の光
透過軸から45°傾けて設置。B:試料の配向方向を1
枚の偏光板の光透過軸方向に平行に設置。A,Bの状態
でX−Rite 310Rを用いてビジュアルで透過濃
度を測定し、3cm×3cmの中で5個所測定し、その
平均値を濃度とし、Aの配置の透過濃度を透過濃度A、
Bの配置の透過濃度を透過濃度Bとした。また、透過濃
度Aから透過濃度Bを引いた値をコントラストとした。
コントラストが大きいほど液晶層の配向性は高く、低け
れば配向性が低いことを表す。また16個所の透過濃度
Aのばらつきが小さいほど配向性が高い事を表し、透過
濃度Aの最大値と最小値の差をばらつきとして、下記の
ように目視で3段階のランク評価を行ない、ムラの評価
とした。
【0195】 3:ムラが多い 2:わずかにムラがある(実用出来る限界レベル) 1:ムラが見られない
【0196】
【表1】
【0197】表1から、比較の試料と比べて、本発明の
試料は塗布ムラが少なく、均一な光学異方層が得られて
いることが明らかである。
【0198】実施例2 液晶層の塗布条件を表2に記載の塗設条件(塗布液温
度、塗布温度、塗布環境温度)に調整した以外は実施例
1に記載の光学補償フィルム試料101の作製と同様の
製造条件で配向層の上に液晶層を塗布し、下記の評価方
法に従い、光学異方層のコントラスト、ばらつきを評価
した。
【0199】《光学異方層の評価》光学異方層まで塗布
した試料から20cm間隔で長尺支持体の進行方向に4
個所ずつ、幅方向に4個所ずつ計16個所から3cm×
3cmに試料を切り出した。試料を光透過軸が直行する
ように配置した2枚の偏光板の間に設置した。試料の設
置方向をA:試料の配向方向を偏光板の光透過軸から4
5°傾けて設置。B:試料の配向方向を1枚の偏光板の
光透過軸方向に平行に設置。A,Bの状態でX−Rit
e 310Rを用いてビジュアルで透過濃度を測定し、
3cm×3cmの中で5個所測定し、その平均値を濃度
とし、Aの配置の透過濃度を透過濃度A、Bの配置の透
過濃度を透過濃度Bとした。また、透過濃度Aから透過
濃度Bを引いた値をコントラストとし、16点の平均値
を表に記した。コントラストが大きいほど液晶層の配向
性は高く、低ければ配向性が低いことを表す。また16
個所の透過濃度Aのばらつきが小さいほど配向性が高い
事を表す。
【0200】水準及び得られた結果を表2に示す。
【0201】
【表2】
【0202】表2から、塗布液の温度を15℃〜30
℃、塗布温度を15℃〜30℃、塗布環境温度を20〜
30℃に調整することにより、更に、コントラスト、ば
らつき等の特性が向上する。
【0203】実施例3 実施例1の試料101の作製と同様の製造条件に、元巻
の繰り出し部にイオン送風型静電気除去装置:BLS春
日電機(株)社製を取り付け、フィルムの表面電位を風
量で調整し塗布を行なった。実施例1に記載の方法を用
いて表面電位とコントラスト、ばらつきを評価した。結
果を表3に示す。
【0204】
【表3】
【0205】表3から、表面電位が−5kVよりも小さ
く調整することにより、更にコントラスト、ばらつき特
性が良好になることが判る。
【0206】実施例4 実施例1に記載の光学補償フィルム試料101を作製す
るに当たり、塗布液供給速度と塗布速度を調整しながら
表4に記載の残留溶剤量に調整した以外は同様にして、
光学補償フィルム試料401〜408を各々作製し、実
施例1に記載の方法を用いてコントラスト、ばらつきを
評価した。
【0207】塗布後最初の搬送ロールに接触する手前で
サンプリングして残留溶剤量を下記の方法で測定した。
液晶層の膜厚を塗布液供給速度と塗布速度から計算し、
比重を1として液晶層の質量とし、液晶層の質量と残留
溶剤量の比率(%)を残留溶剤比率とした。
【0208】(残留溶剤測定方法)フィルム面積として
25.0cm2を切り出し、これを5mm程度に細かく
刻み専用バイアル瓶に収納し、セプタムとアルミキャッ
プで密閉した後、ヒューレット・パッカード社製ヘッド
スペースサンプラーHP7694型にセットする。ヘッ
ドスペースサンプラーと接続したガスクロマトグラフィ
ー(GC)は検出器として水素炎イオン化検出器(FI
D)を装着したヒューレット・パッカード社製5971
型を使用する。測定条件は以下の通りである。
【0209】 ヘッドスペースサンプラー加熱条件:120℃、20分 GC導入温度150℃ カラム:J&W社製 DB−624 昇温:45℃、3分保持→100℃(8℃/分) 上記の測定条件を用いてガスクロマトグラムを得る。メ
チルエチルケトンのブタノールにて希釈された一定量を
バイアル瓶に収納した後、上記と同様に測定して得られ
たクロマトグラムのピーク面積を用いて作製した検量線
を使用してフィルム中の残留溶剤量を得た。得られた結
果を表4に示す。
【0210】
【表4】
【0211】表4から、残留溶剤が10%以下の試料
は、更にコントラスト、ばらつき特性が良好なことが明
らかである。
【0212】実施例5 実施例1に記載の光学補償フィルム試料101を作製す
るに当たり、図5に示す乾燥工程(各乾燥ゾーン長:2
m)を設け、表5に記載の条件を用いて、フィルム面へ
の風量を調整し、残留溶剤量を各々、5.0質量%に調
整した以外は同様にして光学補償フィルム試料501〜
510を各々作製した。残留溶剤量は2番目の乾燥ゾー
ン中央でサンプリングして実施例4に記載の方法で測定
した。コントラスト、ばらつきは実施例1に記載の方法
を用いて評価した。得られた水準と結果を表5に示す。
【0213】
【表5】
【0214】表5から、乾燥ゾーンの風速を4m/秒以
下に設定することにより、コントラストが良好であり、
且つ、ばらつき特性も良好であることが判る。
【0215】実施例6 実施例1に記載の光学補償フィルム試料101を作製す
るに当たり、乾燥工程として図5に示すような乾燥工程
装置(5つの乾燥ゾーンを有する)を用い、各乾燥ゾー
ン(ゾーン長2m)の温度を表6に記載のように調整し
た以外は同様にして、光学補償フィルム試料601〜6
12を各々作製した。
【0216】各乾燥ゾーンの温度はフィルム面上2cm
の位置に熱伝対を配置し、温度計に接続した。試料60
9のみ、2番目の乾燥ゾーンおよび3番目の乾燥ゾーン
の搬送を図4に示す金属ベルトを使用した。
【0217】液晶層のT−NI、T−INの測定は、示
差走査熱量計(DSC)を用いて記載の方法で測定した
ところ、T−NI:76℃、T−IN:71℃であっ
た。塗布室の温度は23℃であった。
【0218】得られた試料のコントラストの評価は実施
例2に記載と同様に行い、チルト角の測定は下記に記載
の方法を用いて行った。
【0219】《光学異方層の平均チルト角測定》自動複
屈折率計KOBRA−21ADH(王子計測機器(株)
製)を用いて、光学異方層及び透明支持体のみのリター
デーションの角度依存性(−40°〜+40°の範囲、
測定は10°毎)を測定した。光学異方層は、光学異方
層の最大屈折率を含む方向の測定を実施した。光学異方
層全体のリターデーションの角度依存性に対して、対応
する透明支持体の各角度成分のリターデーションの差を
求めた。測定角度に依存するリターデーションの最大値
を与える観測角度を光学異方層を構成する液晶性化合物
の平均チルト角とし、20cm間隔で長尺支持体の進行
方向に4個所ずつ、幅方向に4個所ずつ計16個所から
3cm×3cmに試料を切り出し、それぞれの平均チル
ト角を平均し、使用の平均チルト角とした。本実施例で
は、試料の面に対する法線方向(0°)から最大値を与
える観測角度がずれており、光学異方層の液晶性化合物
分子が傾いていることを確認した。また、リターデーシ
ョン値の最小値は、0でないため、光学異方性化合物分
子は厚さ方向に関して角度が変化していることを確認し
た。
【0220】得られた結果を表6に示す。
【0221】
【表6】
【0222】表6から、T−IN以上、T−NI以下の
温度で10秒以上保持しない条件で製造した試料のコン
トラスト、チルト特性が良好であり、ディスクリネーシ
ョンが少なかった。また金属ベルトを用いると、乾燥ゾ
ーンを短縮化できるメリットがある。
【0223】実施例7 実施例1に記載の光学補償フィルム試料101を作製す
るに当たり、液晶層1の塗設及び液晶性化合物の配向の
固定化処理に用いた紫外線照射装置を用い、表7に記載
のように酸素濃度をコントロールしながら液晶層を硬化
し、光学補償フィルム試料701〜705を各々得た。
得られた試料についてブロッキングを目視で評価した。
得られた結果を表7に示す。
【0224】
【表7】
【0225】表7から、酸素濃度を2%以下に調整し、
紫外線照射した試料はブロッキングが全く起きないこと
が判る。
【0226】実施例8 実施例1に記載の光学補償フィルム試料101を作製す
るにあたり、透過光測定装置を用いてムラの検出を行な
った。透過光量の異なる部分を記録し、場所を記録する
ことで、ムラの場所を特定することができた。前記記載
のムラの検出は、本発明に係る光学補償フィルムの製造
管理に有効である。
【0227】実施例9 実施例1の試料102の上層に以下に示す作製した材料
を用い、上層に配向層2および液晶層2を塗布して光学
補償フィルム1を作製した。
【0228】《配向層2の塗設および配向処理》試料1
02の上層に直鎖アルキル変性ポリビニルアルコール
(MP203;クラレ(株)製)を水:メタノール=6
0:40(質量比)の1質量%の溶液を作製し、乾燥膜
厚が0.2μmとなるように押し出しコーティング機で
塗布した。これらを80℃温風にて乾燥させた後、ラビ
ング処理を行い、配向層を形成した。ラビング処理の方
向は、実施例1から90°ずらして(進行方向から逆の
45°の方向)塗布を行なった。
【0229】《液晶層2の塗設》配向層2を塗布・配向
処理した上に、LC−101を5.0質量部、LC−1
02を4質量部、LC−103を1質量部、及び光重合
開始剤(イルガキュア−907;チバ・ガイギー社製)
0.1質量部を、4.7質量部のメチルエチルケトンに
溶解して得られた塗布液を押し出しコーティング機で塗
布した。乾燥・配向・固定は実施例1と同様に行なっ
た。
【0230】視野角の評価を下記に記載の方法を用いて
行った。 《視野角の評価》上記で作製した光学補償フィルム1を
下記製造方法で作製した偏光板に貼り付け、光学補償フ
ィルム付き偏光板を作製し、NEC製LA−1525J
型のTFT−TN液晶パネルの偏光板を剥がした後に貼
り付けた。次いで、白色/黒色表示時のコントラスト比
をELDIM社のEz−Contrastを用いて測定
し、上下左右について、コントラストが10以上を示す
液晶パネルの法線方向からの角度をそれぞれ測定したと
ころ、視野角のひろがったパネルが得られた。
【0231】〈偏光板作製方法〉長尺支持体から2枚の
シートを裁断し、ケン化処理(KOH 2mol/l
60℃ 60秒処理後、水洗、乾燥処理を行なっ
た。)。この2枚のフィルムにポリビニルアルコール接
着剤(3%水溶液、乾燥膜厚0.01μm)を塗布し、
以下方法で作製した偏光子を貼合して偏光板を作製し
た。
【0232】(偏光子の製造方法)厚さ75μmのPV
Aフィルム(クラレビニロン#7500;クラレ株式会
社製)を縦一軸延伸(延伸倍率4倍)して偏光子基材と
した。この基材をヨウ素0.2g/l、ヨウ化カリ30
g/lよりなる水溶液に30℃にて4分間浸漬した。次
いでホウ酸70g/l、ヨウ化カリ30g/lの組成の
水溶液に55℃にて5分間浸漬し、さらに20℃の水で
30秒洗浄後、乾燥して偏光子を得た。
【0233】実施例10 長尺支持体の片面をケン化処理(2モル/リットルのK
OHを用い、60℃、60秒処理後、水洗、乾燥処理を
行なう。)および実施例9で作製した光学補償フィルム
1を同様にケン化処理を行なった。これら2枚のフィル
ムにポリビニルアルコール接着剤(3%水溶液、乾燥膜
厚0.01μm)を塗布し、実施例9で作製した偏光子
を液晶層2の配向方向と偏光子の配向方向が同じになる
ように貼合して偏光板を作製した。NEC製LA−15
25J型のTFT−TN液晶パネルの偏光板を剥がし、
作製した偏光板を偏光方向がパネルの偏光板と90°に
なるように添付した。実施例9と同様に視野角の広がっ
たパネルが得られた。偏光板と一体型にすることで偏光
板保護フィルムを1枚減らすことができた。これは生産
性向上やパネルの薄膜化が可能となる。
【0234】
【発明の効果】本発明により、ムラやばらつきがなく、
良好なコントラストを示し、且つ、生産性の高い光学補
償フィルムの製造方法、それを用いて製造された光学補
償フィルム、偏光板及び液晶ディスプレイを提供するこ
とが出来た。
【図面の簡単な説明】
【図1】乾燥装置内での送風口とウェブとの配置の一例
を示す概略図である。
【図2】(a)は、乾燥装置内での送風口とウェブとの
配置の一例を示す概略図であり、(b)は、送風口の形
状調節板の一例を示す概略図である。
【図3】乾燥ゾーンで金属製のベルト上を搬送されるウ
ェブを示す概略図である。
【図4】乾燥ゾーンで金属板上を搬送されるウェブを示
す概略図である。
【図5】複数の乾燥ゾーンを用いてウェブを乾燥させる
工程を示す概略図である。
【符号の説明】
1 液晶性化合物塗設層 2 配向層 3 長尺支持体 4 空気導入口 5、7 送風口 6、6a 搬送方向 8 送風口の形状調節板 10 ウェブ 11 搬送支持ローラ 12a、12b 駆動ローラ 13 乾燥ゾーン 14 金属ベルト 15 金属板
フロントページの続き (72)発明者 梅田 博紀 東京都日野市さくら町1番地コニカ株式会 社内 (72)発明者 田坂 公志 東京都日野市さくら町1番地コニカ株式会 社内 (72)発明者 田中 武志 東京都日野市さくら町1番地コニカ株式会 社内 (72)発明者 近藤 達 東京都日野市さくら町1番地コニカ株式会 社内 Fターム(参考) 2H049 BA02 BA06 BA42 BB03 BC04 BC05 BC09 BC22 2H091 FA11X FB02 FC11 FC29 FD06 HA07 LA11

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長尺支持体上に、溶剤と液晶性化合物を
    含む塗布液を連続的に塗布して乾燥膜厚5μm以下にな
    るように液晶層を塗設し、次いで、該液晶層中の該液晶
    性化合物の配向を固定化して光学異方層を形成すること
    を特徴とする光学補償フィルムの製造方法。
  2. 【請求項2】 長尺支持体上に、溶剤と液晶性化合物を
    含む塗布液を連続的に塗布して液晶層を塗設する光学補
    償フィルムの製造方法において、該塗布液の温度を15
    ℃〜30℃、塗布温度を15℃〜30℃、塗布環境温度
    を20〜30℃に調整することを特徴とする光学補償フ
    ィルムの製造方法。
  3. 【請求項3】 長尺支持体上に、溶剤と液晶性化合物を
    含む塗布液を連続的に塗布して液晶層を塗設する光学補
    償フィルムの製造方法において、該液晶層を塗設後、該
    液晶層の面にあたる風速を4m/秒以下になるように調
    整し、乾燥する工程を経ることを特徴とする光学補償フ
    ィルムの製造方法。
  4. 【請求項4】 塗設後の液晶層の残留溶剤量が5質量%
    以下になるまで、該液晶層の表面にあたる風速を1m/
    秒以下になるように調整し、乾燥する工程を経ることを
    特徴とする請求項3に記載の光学補償フィルムの製造方
    法。
  5. 【請求項5】 長尺支持体上に、溶剤と液晶性化合物を
    含む塗布液を連続的に塗布して液晶層を塗設する光学補
    償フィルムの製造方法において、該液晶層中の液晶性化
    合物が等方相からネマティック相となる温度(T−I
    N)以上ネマティック相から等方相となる温度(T−N
    I)以下に10秒以上保持しないことを特徴とする光学
    補償フィルムの製造方法。
  6. 【請求項6】 長尺支持体上に、溶剤と液晶性化合物を
    含む塗布液を連続的に塗布して液晶層を塗設する光学補
    償フィルムの製造方法において、該液晶層中の該液晶性
    化合物がネマティック相から等方相となる温度(T−N
    I)以上に保持する工程を経ることを特徴とする光学補
    償フィルムの製造方法。
  7. 【請求項7】 長尺支持体上に、溶剤と液晶性化合物を
    含む塗布液を連続的に塗布して液晶層を塗設する光学補
    償フィルムの製造方法において、該液晶層を塗設後、該
    液晶層中の該液晶性化合物をネマティック相から等方相
    となる温度(T−NI)以上に保持し、更に、等方相か
    らネマティック相となる温度(T−IN)以下に温度調
    整する工程を有することを特徴とする光学補償フィルム
    の製造方法。
  8. 【請求項8】 長尺支持体上に、溶剤と液晶性化合物を
    含む塗布液を連続的に塗布して液晶層を塗設する光学補
    償フィルムの製造方法において、該長尺支持体上に該液
    晶層を塗設後、該液晶層中の液晶性化合物をネマティッ
    ク相から等方相となる温度(T−NI)以上に保持した
    後に、等方相からネマティック相となる温度(T−I
    N)〜((T−IN)−10℃)の温度範囲内で10秒
    以上保持する工程を有することを特徴とする光学補償フ
    ィルムの製造方法。
  9. 【請求項9】 長尺支持体上に、溶剤と液晶性化合物を
    含む塗布液を連続的に塗布して液晶層を塗設する光学補
    償フィルムの製造方法において、該長尺支持体上に該液
    晶層を塗設後、該液晶層中の液晶性化合物を等方相から
    ネマティック相となる温度(T−IN)〜((T−I
    N)−20℃)の温度範囲内で20秒以上保持する工程
    を有することを特徴とする光学補償フィルムの製造方
    法。
  10. 【請求項10】 長尺支持体上に、溶剤と液晶性化合物
    を含む塗布液を連続的に塗布して液晶層を塗設する光学
    補償フィルムの製造方法において、該液晶層を塗設後、
    該液晶層の温度調節を金属ベルト上または金属板上で搬
    送させて行なう工程を有することを特徴とする請求項5
    〜9のいずれか1項に記載の光学補償フィルムの製造方
    法。
  11. 【請求項11】 長尺支持体上に液晶層を塗設後、該液
    晶層中の液晶性化合物の温度を等方相からネマティック
    相となる温度(T−IN)以下、且つ、該ネマティック
    相から等方相となる温度(T−NI)以上に保持しなが
    ら、活性エネルギー線を照射する工程を有することを特
    徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の光学補
    償フィルムの製造方法。
  12. 【請求項12】 酸素濃度が2%以下の条件下、活性エ
    ネルギー線を照射する工程を有することを特徴とする請
    求項11に記載の光学補償フィルムの製造方法。
  13. 【請求項13】 長尺支持体上に液晶層を塗設後、偏光
    板をクロスニコルになるように配置し、該長尺支持体を
    該偏光板の間に通し、搬送しながら透過光を用いて、該
    液晶層のムラの状態を監視する工程を有することを特徴
    とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の光学補償
    フィルムの製造方法。
  14. 【請求項14】 液晶性化合物を含む塗布液の塗布時に
    おける長尺支持体の表面電位を−5〜+5kVに調整す
    ることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記
    載の光学補償フィルムの製造方法。
  15. 【請求項15】 長尺支持体上に、溶剤と液晶性化合物
    を含む塗布液を連続的に塗布して液晶層を塗設する光学
    補償フィルムの製造方法において、該液晶層中の残存溶
    剤量が10質量%以下になるまで、該液晶層を非接触で
    乾燥させることを特徴とする光学補償フィルムの製造方
    法。
  16. 【請求項16】 請求項1〜15のいずれか1項に記載
    の光学補償フィルムの製造方法で製造した光学補償フィ
    ルムを偏光板に貼合したことを特徴とする光学補償機能
    を有する偏光板。
  17. 【請求項17】 請求項1〜15のいずれか1項に記載
    の光学補償フィルムの製造方法で製造した光学補償フィ
    ルムを有する液晶ディスプレイ。
  18. 【請求項18】 請求項1〜15のいずれか1項に記載
    の光学補償フィルムの製造方法で製造したことを特徴と
    する光学補償フィルム。
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