JP2013127520A - 光学フィルムの製造装置及び光学フィルムの製造方法 - Google Patents

光学フィルムの製造装置及び光学フィルムの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】パッシブ方式による3次元画像表示に関して、高い品質により効率良くパターン位相差フィルム等の光学フィルムを量産することができるようにする。
【解決手段】配向膜の作製された透明フィルムによる基材2を中間リール24から引き出して、液晶層を作製する工程に搬送する場合に、この中間リール24から引き出す基材2の帯電量を低減する除電機構を設ける。
【選択図】図6

Description

本発明は、パッシブ方式による3次元画像表示に適用するパターン位相差フィルム等に関するものである。
フラットパネルディスプレイは、従来、2次元表示のものが主流であった。しかしながら、近年、3次元表示可能なフラットパネルディスプレイが注目を集めており、一部市販もされている。そして今後のフラットパネルディスプレイは3次元表示可能であることが当然に求められる傾向にあり、3次元表示可能なフラットパネルディスプレイの検討が幅広い分野において進められている。
フラットパネルディスプレイにおいて3次元表示をするには、通常、何らかの方式で右目用の映像と、左目用の映像とを、それぞれ選択的に視聴者の右目及び左目に提供することが必要である。右目用の映像と左目用の映像とを選択的に提供する方法としては、例えば、パッシブ方式が知られている。このパッシブ方式の3次元表示方式について図を参照しながら説明する。図7は、液晶表示パネルを使用したパッシブ方式の3次元表示の一例を示す概略図である。この図7の例では、液晶表示パネルの垂直方向に連続する画素を、順次交互に、右目用の映像を表示する右目用画素、左目用の映像を表示する左目用画素に振り分け、それぞれ右目用及び左目用の画像データで駆動し、これにより右目用の映像と左目用の映像とを同時に表示する。なおこれにより液晶表示パネルの画面は、短辺が垂直方向で長辺が水平方向となる帯状の領域により、右目用の映像を表示する領域と左目用の映像を表示する領域とに交互に区分されることになる。
さらにパッシブ方式では、液晶表示パネルのパネル面にパターン位相差フィルムを配置し、右目用及び左目用の画素からの直線偏光による出射光を、右目用及び左目用で回転方向の異なる円偏光に変換する。このためパターン位相差フィルムは、液晶表示パネルにおける領域の設定に対応して、遅相軸方向(屈折率が最大となる方向)が互いに直交する2種類の帯状領域が順次交互に形成される。これによりパッシブ方式では、対応する偏光フィルタを備えてなる眼鏡(メガネ)を装着して、右目用の映像と左目用の映像とをそれぞれ選択的に視聴者の右目及び左目に提供する。ちなみにこの隣接する帯状領域の遅相軸方向は、通常、水平方向に対して、+45度と−45度、0度と+90度、0度と−90度の何れかの組み合わせが採用される。なおこの図7の例では、通常の画像表示装置における呼称に習って画面の長辺方向を水平方向として示す。パッシブ方式では、この図7における水平方向に連続する画素を垂直方向(画面の短辺方向)を長辺とする帯状領域に右目用及び左目用に振り分けて駆動すると共に、これに対応するようにパターン位相差フィルムを作製しても、同様に3次元画像を表示することができる。
このパッシブ方式は、応答速度の遅い液晶表示装置でも適用することができ、さらにパターン位相差フィルムと円偏光メガネとを用いた簡易な構成で3次元表示することができる。従ってパッシブ方式の液晶表示装置は、今後の3次元表示装置の中心的存在となるものとして非常に注目されている。
このパッシブ方式に係るパターン位相差フィルムは、画素の割り当てに対応して透過光に位相差を与えるパターン状の位相差層が必要である。このパターン位相差フィルムは、まだ広く研究、開発が行われておらず、標準的な技術としても確立されているものがないのが現状である。
このパターン位相差フィルムに関して、特許文献1には、配向規制力を制御した光配向膜をガラス基板上に形成し、この光配向膜により液晶の配列をパターンニングして位相差層を作成する方法が開示されている。また特許文献2には、レーザーの照射によりロール版の周囲に微細な凹凸形状を形成し、この凹凸形状を転写してパターン状に配向規制力を制御した光配向膜を作製する方法が開示されている。
このようなパターン位相差フィルムは、高い品質により効率良く量産できることが望まれるものの、従来の手法においては、係る観点において、実用上未だ不十分な問題がある。より具体的には、効率良く量産する観点からは、ロール版を使用して作成する方法が優れるものの、ロール版を使用する場合には、品質の点で未だ不十分な問題がある。
特開2005−49865号公報 特開2010−152296号公報
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、パッシブ方式に係るパターン位相差フィルム等の光学フィルムに関して、高い品質により効率良く量産できるようにすることを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ね、位相差層を構成する液晶層に発生する放射状のコートムラが静電気の放電により発生することを見出し、この静電気による帯電量を低減する除電機構を設けるとの着想に至り、本発明を完成するに至った。
具体的には、本発明では、以下のようなものを提供する。
(1) 透明フィルムによる基材上に配向膜、液晶層が順次作製される光学フィルムの製造装置において、
前記配向膜が作製された前記基材を中間リールから引き出して、前記液晶層を作製する工程に搬送し、
前記中間リールから引き出す前記基材の帯電量を低減する除電機構が設けられる。
(1)によれは、除電機構により基材の帯電量を低減することにより、基材に帯電した電荷の放電を防止し、この放電によるコートムラの発生を有効に回避することができる。これによりロールにより処理して効率良くパターン位相差フィルム等の光学フィルムを量産するようにして、光学フィルムの品質を向上することができる。
(2) (1)において、前記除電機構は、
接地されて、前記中間リールから前記基材が引き剥がされる箇所に沿って配置された導電性の部材を備える。
(2)によれば、除電機構が、接地されて、前記中間リールから前記基材が引き剥がされる箇所に沿って配置された導電性の部材を備えることにより、クリーンルーム内での生産に適用して、光学フィルムの品質を向上することができる。
(3) (2)において、前記除電機構は、
前記中間リールの巻径を検出する巻径検出部と、
前記巻径検出部の検出結果に基づいて、前記巻径の変化に追従させて前記導電性の部材の位置を可変する可動部とを備える。
(3)によれば、巻径の変化に追従させて前記導電性の部材の位置を可変することにより、基材を送り出して巻径が変化した場合でも、除電機構の機能が低下しないように維持することができ、これにより安定して光学フィルムの品質を保持することができる。
(4) (1)、(2)又は(3)において、
前記光学フィルムが、パッシブ方式による画像表示に使用するパターン位相差フィルムであるようにする。
(4)によれば、パターン位相差フィルムの製造装置に適用して、高い品質により効率良くパターン位相差フィルムを量産することができる。
(5) 透明フィルムによる基材上に配向膜、液晶層が順次作製される光学フィルムの製造方法において、
前記配向膜が作製された前記基材を中間リールから引き出して、前記液晶層を作製する工程に搬送し、
前記中間リールから引き出す前記基材の帯電量を低減する除電の工程を有する。
(5)によれば、除電の工程により基材の帯電量を低減することにより、基材に帯電した電荷の放電を防止し、この放電によるコートムラの発生を有効に回避することができる。これによりロールにより処理して効率良くパターン位相差フィルム等の光学フィルムを量産するようにして、パターン位相差フィルムの品質を向上することができる。
本発明によれば、高い品質により効率良くパターン位相差フィルム等の光学フィルムを量産することができる。
本発明の第1実施形態に係るパターン位相差フィルムを示す図である。 図1のパターン位相差フィルムの製造工程の説明に供する図である。 図2の続きを示す図である。 図3の金型の製造方法の説明に供する図である。 図4の続きを示す図である。 除電機構を示す図である。 パッシブ方式による3次元画像表示の説明に供する図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態に係る画像表示装置に適用されるパターン位相差フィルムを示す図である。この第1実施形態に係る画像表示装置は、液晶表示パネルの垂直方向(図1においては左右方向)に連続する画素が、順次交互に、右目用の映像を表示する右目用画素、左目用の映像を表示する左目用画素に振り分けられて、それぞれ右目用及び左目用の画像データで駆動される。これにより画像表示装置は、右目用の映像を表示する帯状の領域と、左目用の映像を表示する帯状の領域とに表示画面が交互に区分され、右目用の映像と左目用の映像とを同時に表示する。この画像表示装置は、この液晶表示パネルのパネル面に、この図1に示すパターン位相差フィルム1が配置され、このパターン位相差フィルム1により右目用及び左目用の画素からの出射光にそれぞれ対応する位相差を与える。これによりこの画像表示装置は、パッシブ方式により所望の立体画像を表示する。
ここでパターン位相差フィルム1は、TAC(トリアセチルセルロース)等の透明フィルムからなる基材2の一方の面上に、配向膜3、位相差層4が順次作製される。パターン位相差フィルム1は、液晶層である位相差層4が屈折率異方性を保持した状態で固化(硬化)された液晶材料により形成され、この液晶材料の配向を配向膜3の配向規制力によりパターンニングする。なおこの液晶分子の配向を図1では細長い楕円により誇張して示す。このパターンニングにより、パターン位相差フィルム1は、液晶表示パネルにおける画素の割り当てに対応して、一定の幅により、右目用の領域Aと、左目用の領域Bとが順次交互に帯状に形成され、右目用及び左目用の画素からの出射光にそれぞれ対応する位相差を与える。
パターン位相差フィルム1は、基材2の表面に紫外線硬化性樹脂5が塗布された後、この紫外線硬化性樹脂5の表面に微小な凹凸形状が形成される。パターン位相差フィルム1は、この紫外線硬化性樹脂5の表面の凹凸形状により配向膜3が形成される。パターン位相差フィルム1は、後述する金型の表面に作製された微小な凹凸形状を転写して、配向膜3に係る微小な凹凸形状が作製され、この凹凸形状による配向規制力により位相差層4をパターンニングする。このため配向膜3は、右目用及び左目用の帯状領域A及びBにそれぞれ対応する帯状の領域が順次交互に形成され、それぞれ微小な凹凸形状が作製される。ここでこの微小な凹凸形状は、一方向に延長するライン状(線)の凹凸形状により形成され、この一方向に延長する方向が右目用領域Aと左目用領域Bのうちの何れか一方向に対応する第1の領域及び右目用領域Aと左目用領域Bのうちの他方向に対応する第2の領域とで互いに90度異なる方向となるように、かつ各領域の延長方向(水平方向であり、図1に於いては右上と左下とを結ぶ方向に対応)に対して45度傾くように形成される。なおこの各領域の延長方向に対する傾きにあっては、基材2のリタデーションが無視できない程度に大きい場合には、リタデーション値に応じて、適宜、増減される。パターン位相差フィルム1は、この図1に示す基本構成に加えて、粘着層、セパレータフィルム、反射防止フィルム等が必要に応じて設けられる。
〔パターン位相差フィルム製造工程〕
図2は、このパターン位相差フィルム1の製造工程の前半部分を示す略線図である。この製造工程10は、基材2に配向膜3を作製する配向膜作製工程である。この製造工程10は、基材2がロールにより提供され、この基材2を供給リール11から供給する。製造工程10は、紫外線硬化性樹脂の塗布工程12において、この基材2に順次紫外線硬化性樹脂を塗布する。より具体的に、この塗布工程12は、ダイ13により紫外線硬化性樹脂の塗布液を塗布する。製造工程10は、続く乾燥工程17において、基材2に塗布した紫外線硬化性樹脂を乾燥させる。このため乾燥工程17は、乾燥機18に導き、ここで100℃の熱風により10分間紫外線硬化性樹脂を乾燥させ、未硬化の状態で次工程に送出する。
続いてこの製造工程10は、賦型工程19において、転写用金型の表面に形成された微細なライン状の凹凸形状を紫外線硬化性樹脂の表面に転写して配向膜3を作製する。すなわちこの賦型工程19においては、円筒形状によるロール版20が転写用金型であり、このロール版20の表面に転写に供する微細な凹凸形状が形成されている。賦型工程19は、押圧ローラ19Aによりこの基材2に設けられた紫外線硬化性樹脂層をロール版20に押圧し、この状態で紫外線照射装置23からの紫外線を基材2側から照射し、紫外線硬化性樹脂を硬化させる。また剥離ローラ19Bによりロール版20から基材2を剥離した後、図示しない紫外線照射装置により紫外線を再度照射して未硬化の紫外線硬化性樹脂を硬化させ、中間リール24に巻き取って続く工程に送出する。
図3は、このパターン位相差フィルム1の製造工程の後半部分を示す略線図である。この製造工程30は、位相差層4の作製工程である。この製造工程30は、図2の製造工程10で配向膜3が作製された基材2の供給を中間リール24により受ける。この製造工程30は、液晶材料の塗布工程31において、ダイ33によりこの基材2に順次液晶材料を塗布する。この塗布された液晶材料は、配向膜3上において、配向膜3の配向規制力により、図1に示す帯状の領域A、領域B内に係るライン状の凹凸形状の走行方向(延長方向)に配向する。
続いてこの製造工程30は、続く乾燥工程34において、乾燥機35により基材2に塗布した液晶材料を熱風で乾燥させる。製造工程30は、続く紫外線照射工程36において、押圧ローラ36Aを介して基材2をローラ37に巻き付け、ここで紫外線照射装置38からの紫外線を照射する。なおここでローラ37は、内部を冷却水が循環する鉄製の冷却ローラであり、これによりこの製造工程30は、基材2の温度上昇を抑制する。これらによりこの製造工程30は、液晶材料を、液晶分子が所定のパターン状に(図1に於ける配向膜3上のライン状凹凸形状の延長方向と合致した配向パターンで)配向した状態のままで硬化させて位相差層4を作製し、剥離ローラ36Bを介して基材2を送出する。製造工程30は、続いて必要に応じて粘着層、反射防止層等を形成した後、所望の大きさに切断してパターン位相差フィルム1を作製する。これによりパターン位相差フィルム1では、ロール版20を用いた凹凸形状の転写により、ロールにより提供される基材2を連続して処理して、簡易な製造工程で効率良く大量に作製される。
〔ロール版製造工程〕
図4及び図5は、パターン位相差フィルムの製造用金型であるロール版20の製造工程を示す図である。なおこの図4及び図5において、パターン位相差フィルム1の領域A、Bに対応する領域を、それぞれ符号ARA、ARBにより示す。この製造工程では、母材40の表面を研磨して平滑化した後(図4(a))、第1の凹凸形状作製工程において、母材40の全面に微小なライン状凹凸形状による第1凹凸領域42を形成する(図4(b))。ここで母材40は、ロール版20の外形形状に対応する円筒形状の金属材料である。母材40は、後述するレジスト層43等を剥離除去可能に積層できるものであれば特に限定されるものではなく、ニッケル、クロム、チタン、銅、コバルト等の各種金属材料、SiO、DLC(ダイヤモンド状炭素)、TiO、等の各種無機酸化物等を広く適用することができるものの、後述するレジスト層43等を剥離除去可能に積層する観点から、金属材料、DLC、TiO等であることが好ましく、ニッケル、クロム、DLCであることがより好ましい。またスパッタリング等の手法を適用して各種の金属材料層を表面に作製したものを適用しても良く、例えばこの表面の金属材料層にタングステン、チタン、金属化合物である酸化チタン、窒化チタン、タングステンカーバイド、酸化クロム、クロムモリブデン、ニッケルクロムモリブデンを適用すれば、強度を向上させることができる。
第1凹凸領域42は、母材40の表面に、配向膜3の右目用領域又は左目用領域の凹凸形状に対応する微小な凹凸形状を作製して形成される。なおここで言う表面とは円筒形状をした母材40の円筒としての側面を意味する。具体的に、この実施形態では、ラビングロールRによるラビング処理によりこの凹凸形状が作製される。
続いてロール版20は、マスク作製工程において、レジスト材料により、右目用領域Aに対応する領域ARAを被覆し、かつ左目用領域Bに対応する領域ARBを露出させたマスクが作製される。すなわちこの工程では、ポジ型のレジスト剤を全面に塗布した後、紫外線により露光し、現像処理することにより、左目用領域Bに対応する領域ARBを露出させたマスクが作製される。なおレジスト材料としては特に限定されるものではなく、ネガ型レジスト材料を適用しても良い。また塗布方法、露光方法にあっても種々の手法を広く適用することができる。
続いて図5(d)に示すように、薄膜作製工程において、全面に、無機材料の第2層膜44が、0.1μmの膜厚で作製される。これによりレジスト層43によりマスクされていない母材40の表面に、第2層膜44からなる第2層パターンが形成される。なおこの第2層膜44は、例えばスパッタリングの手法を適用してクロム、チタン、ニッケル等の金属材料、金属化合物、DLCを成膜して作製される。
続いて図5(e)に示すように、第2の凹凸形状作製工程において、第1凹凸領域42と異なる方向(この実施形態では第1凹凸領域42のラビング方向とは90度の角度をなす方向である)に全面をラビングロールRによりラビング処理し、第2層膜44の表面に凹凸形状を作製する。その後、製造工程は、図5(f)に示すように、続くレジスト除去工程において、レジスト層43を、その上層の第2層膜44と共に除去し、これにより2回の凹凸形状作製処理により配向膜3の領域A及びBに対応する凹凸形状を作製する。
〔除電機構〕
ところで上述した製造工程10、30によりパターン位相差フィルムを生産したところ、液晶層である位相差層4に放射状のコートムラが発見された。このようなコートムラが発生すると、位相差層4は、当該箇所で透過光に正しい位相差を付与することが困難になり、これにより右目に選択的に入射させるべき右目用の映像光が左目に漏れ込んだり、これと逆に左目に選択的に入射させるべき左目用の映像光が右目に漏れ込んだりするクロストークが局所的に発生し、著しく画質を劣化させる。これによりパターン位相差フィルムの品質が低下することになる。またコートムラ自体が視認される場合もあり、この場合もパターン位相差フィルムの品質を著しく劣化させることになる。
このコートムラを種々に検討したところ、製造工程30において、中間リール24から基材2引き出す際の剥離帯電により配向膜3の表面が帯電し、液晶材料の塗布工程31においてこの帯電による蓄積電荷が放電することによってコートムラが発生することが判った。特に、パターン位相差フィルム1では、配向膜の配向規制力により液晶層である位相差層をパターニングしていることにより、このような配向膜表面の放電については、位相差層における液晶の配向を著しく害することになり、これにより配向膜における放電は厳重に防止することが必要になる。
そこでこの実施形態では、この中間リール24から基材2を引き出す箇所に除電機構を設け、この除去機構により配向膜3の帯電量(帯電電荷量)を低減して放電を防止し、コートムラの発生を防止する。なお配向膜3に係る紫外線硬化性樹脂の塗布液、位相差層4の塗布液に帯電防止剤を添加しても、帯電の電荷量を低減することができ、放電を防止することができ、これによりコートムラの発生を防止することができる。しかしながらこの場合、位相差層4における液晶材料の配列が乱れる副作用がある。これに対して除電機構により帯電の電荷量を低減してコートムラの発生を防止する場合には、このような副作用の発生を防止することができる。
図6は、この除電機構を示す図である。ここで上述したように製造工程30では、製造工程10により配向膜3を作製した基材2が、配向膜3が内側になるように中間リール24に巻き取られて供給される。製造工程30では、この中間リール24が給紙ロールとして機能し、ローラ24A、24Bを介してこの中間リール24より基材2を巻き出して液晶材料の塗布工程31に順次送出する。パターン位相差フィルム1は、この中間リール24から基材2を巻き出す際に剥離帯電し、除電機構50は、この剥離帯電荷よる帯電量を低減するように配置される。
すなわち除電機構50は、中間リール24に巻き取られた基材2の幅より軸長の長い回動軸51が、中間リール24の回転中心軸とほぼ平行に、中間リール24の円周外方に保持され、この回動軸51の両端に、1対のアーム52が設けられる。また除電機構50は、この1対のアーム52の先端を結ぶように、除電紐53が設けられる。ここで除電紐53は、例えばステンレス、銅等の金属材料による導電性を有する紐状の部材である。除電機構50は、基材2が中間リール24より引き剥がされる箇所の直後の、配向膜3側に、基材2より離間してこの除電紐53が配置され、この除電紐53が接地される。これにより除電機構50は、接地された除電紐53により配向膜3の帯電量を低減し、コートムラの発生を有効に回避する。
除電機構50において、巻径検出部54は、中間リール24の巻径を検出する。なお巻径の検出方法は、光学手法等により直接、中間リール24の巻径を検出する場合、一定速度で基材2を送り出すようにして変化する中間リール24の回転速度により巻径を検出する場合等、種々の検出手法を広く適用することができる。
除電紐可動部55は、この巻径検出部54の検出結果に基づいて、図示しないモータを駆動して回動軸51を回動させ、中間リール24の巻径の変化に追従させて除電紐53の位置を中間リール24の半径方向に可変する。これにより除電紐可動部55は、中間リール24の巻表面に対して除電紐53を一定位置に保持し、中間リール24の巻径の変化による機能の低下を防止する。なお除電機構50においては、中間リール24側に先端が折れ曲がるようにくの字状にアーム52が作製され、これによっても中間リール24の巻径の変化による機能の低下を防止するように構成される。
以上の構成によれば、中間リールより基材を引き出す箇所に、除電機構を設けて基材の帯電量を低減することにより、基材に帯電した電荷の放電を防止し、この放電によるコートムラの発生を有効に回避することができる。これによりロールにより処理して効率良くパターン位相差フィルムを量産するようにして、パターン位相差フィルムの品質を向上することができる。
またこの除電機構が、接地されて、前記中間リールから前記基材が引き剥がされる箇所に沿って配置された導電性の部材であることにより、クリーンルーム内での生産に適用して、パターン位相差フィルムの品質を向上することができる。
また巻径検出部、除電紐可動部によって巻径の変化に追従させて除電紐の位置を可変することにより、基材を送り出して巻径が変化した場合でも、除電機構の機能が低下しないように維持することができ、これにより安定してパターン位相差フィルムの品質を保持することができる。
〔他の実施形態〕
以上、本発明の実施に好適な具体的な構成を詳述したが、本発明は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述の実施形態の構成を種々に変更することができる。
すなわち上述の実施形態では、導電性を有する紐状の部材である除電紐を配置する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば金属板材による導電板を配置する場合等、除電可能な各種の導電材料を配置しても良い。
また上述の実施形態では、中間リールから引き剥がされた直後の箇所に放電紐を配置する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、実用上充分な場合には、これら以外の箇所に、さらには複数個所に除電紐等を配置して除電してもよい。
また上述の実施形態では、ラビング処理によりロール版に凹凸形状を作製する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、研磨等により作製する場合にも広く適用することができる。
また上述の実施形態では、全面に1方向の凹凸形状を作製した母材表面のうち該1方向の凹凸形状を残す領域のみをレジスト膜によりマスクした後、他方向の凹凸形状を作製し、その後レジスト膜を除去してロール版を作製する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、種々の製造工程により作製した製造用金型によりパターン位相差フィルムを作製する場合に広く適用することができる。具体的に、右目用領域及び左目用領域に対応する領域を交互にマスクして、それぞれ凹凸形状を作製して製造用金型を作製する場合等にも広く適用することができる。
また上述の実施形態では、本発明をパターン位相差フィルムの生産に適用する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、基材上に配向膜を作成した後、液晶層を作製する各種の光学フィルムの生産に広く適用することができる。すなわち配向膜、液晶層を順次作製する場合には、配向膜における放電により液晶層の配向が著しく乱される。従って除電機構を設けることにより、配向膜、液晶層を設ける各種の光学フィルムにおいて、著しくい品質を向上することができる。
また上述の実施形態では、液晶表示パネルの使用を前提とする場合について述べたが、本発明はこれに限らず、有機ELパネル、プラズマディスプレイパネルの使用を前提とする場合にも広く適用することができ、また偏光フィルタを一体に設ける場合にも広く適用することができる。
1 パターン位相差フィルム
2 基材
3 配向膜
4 位相差層
5 紫外線硬化性樹脂
10、30 製造工程
11 供給リール
19A、19B、24A、24B、36A、36B、37 ローラ
12 塗布工程
12、33 ダイ
17、34 乾燥工程
18、35 乾燥機
19 賦型工程
20 ロール版
23、38 紫外線照射装置
24 中間リール
30 製造工程
31 塗布工程
36 紫外線照射工程
40 母材
42 第1凹凸領域
43 レジスト層
44 第2層膜
50 除電機構
51 回動軸
52 アーム
53 除電紐
54 巻径検出部
55 除電紐可動部

Claims (5)

  1. 透明フィルムによる基材上に配向膜、液晶層が順次作製される光学フィルムの製造装置において、
    前記配向膜が作製された前記基材を中間リールから引き出して、前記液晶層を作製する工程に搬送し、
    前記中間リールから引き出す前記基材の帯電量を低減する除電機構が設けられた
    光学フィルムの製造装置。
  2. 前記除電機構は、
    接地されて、前記中間リールから前記基材が引き剥がされる箇所に沿って配置された導電性の部材を備える
    請求項1に記載の光学フィルムの製造装置。
  3. 前記除電機構は、
    前記中間リールの巻径を検出する巻径検出部と、
    前記巻径検出部の検出結果に基づいて、前記巻径の変化に追従させて前記導電性の部材の位置を可変する可動部とを備える
    請求項2に記載の光学フィルムの製造装置。
  4. 前記光学フィルムが、パッシブ方式による画像表示に使用するパターン位相差フィルムである
    請求項1、請求項2、又は請求項3に記載の光学フィルムの製造装置。
  5. 透明フィルムによる基材上に配向膜、液晶層が順次作製される光学フィルムの製造方法において、
    前記配向膜が作製された前記基材を中間リールから引き出して、前記液晶層を作製する工程に搬送し、
    前記中間リールから引き出す前記基材の帯電量を低減する除電の工程を有する
    光学フィルムの製造方法。
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