JP2013186177A - 賦型用金型の製造方法及び賦型用金型の製造装置 - Google Patents

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敏明 佐藤
Tsukasa Ayusawa
司 鮎澤
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Abstract

【課題】賦型用金型に由来する欠陥の発生を有効に回避してパターン位相差フィルム等を製造できるようにする。
【解決手段】賦型用金型の母材に、ストライプ状にマスクを作成するマスク作成工程SP4と、マスクを検査して欠陥を検出する検査工程SP5と、検査工程SP5の検査結果に基づいて欠陥を修整するマスク修整工程SP6と、マスク修整工程SP6で欠陥を修整した母材をラビング又は研削して、賦型に係る凹凸形状を作成する凹凸形状の作成工程SP8とを備えるようにする。ここでマスク修整工程SP6は、ペンのペン先又は筆の筆先を母材に押圧してこのペン又は筆のインクの付着によりマスクの欠陥を修整する。
【選択図】図5

Description

本発明は、例えばパッシブ方式による3次元画像表示に適用するパターン位相差フィルムの製造に適用することができる。
フラットパネルディスプレイは、従来、2次元表示のものが主流であった。しかしながら、近年、3次元表示可能なフラットパネルディスプレイが注目を集めており、一部市販もされている。そして今後のフラットパネルディスプレイは、3次元表示可能であることが当然に求められる傾向にあり、3次元表示可能なフラットパネルディスプレイの検討が幅広い分野において進められている。
フラットパネルディスプレイにおいて3次元表示をするには、通常、何らかの方式で右目用の映像と、左目用の映像とを、それぞれ選択的に視聴者の右目及び左目に提供することが必要である。右目用の映像と左目用の映像とを選択的に提供する方法としては、例えば、パッシブ方式が知られている。このパッシブ方式の3次元表示方式について図を参照しながら説明する。図10は、液晶表示パネルを使用したパッシブ方式の3次元表示の一例を示す概略図である。この図10の例では、液晶表示パネルの垂直方向に連続する画素を、順次交互に、右目用の映像を表示する右目用画素、左目用の映像を表示する左目用画素に振り分け、それぞれ右目用及び左目用の画像データで駆動し、これにより右目用の映像と左目用の映像とを同時に表示する。なおこれにより液晶表示パネルの画面は、短辺が垂直方向で長辺が水平方向となる帯状の領域により、右目用の映像を表示する領域と左目用の映像を表示する領域とに交互に区分されることになる。
さらにパッシブ方式では、液晶表示パネルのパネル面にパターン位相差フィルムを配置し、右目用及び左目用の画素からの直線偏光による出射光を、右目用及び左目用で回転方向の異なる円偏光に変換する。このためパターン位相差フィルムは、液晶表示パネルにおける領域の設定に対応して、遅相軸方向(屈折率が最大となる方向)が直交する2種類の帯状領域が順次交互に形成される。これによりパッシブ方式では、対応する偏光フィルタを備えてなる眼鏡(メガネ)を装着して、右目用の映像と左目用の映像とをそれぞれ選択的に視聴者の右目及び左目に提供する。なおここでこの隣接する帯状領域の遅相軸方向は、通常、水平方向に対して、+45度と−45度、0度と+90度、又は0度と−90度の何れかの組み合わせが採用される。なおこの図10の例では、通常の画像表示装置における呼称に習って画面の長辺方向を水平方向として示す。
このパッシブ方式は、応答速度の遅い液晶表示装置でも適用することができ、さらにパターン位相差フィルムと円偏光メガネとを用いた簡易な構成で3次元表示することができる。従ってパッシブ方式の液晶表示装置は、今後の3次元表示装置の中心的存在となるものとして非常に注目されている。
このパッシブ方式に係るパターン位相差フィルムは、画素の割り当てに対応して透過光に位相差を与えるパターン状の位相差層が必要である。このパターン位相差フィルムに関して、特許文献1には、配向規制力を制御した光配向膜をガラス基板上に形成し、この光配向膜により液晶の配列をパターンニングして位相差層を作成する方法が開示されている。また特許文献2には、レーザーの照射によりロール版の周囲に微細な凹凸形状を形成し、この凹凸形状を転写(賦型)してパターン状に配向規制力を制御した光配向膜を作製する方法が開示されている。
このようなパターン位相差フィルムは、右目用及び左目用の画素からの出射光がそれぞれ確実に右目及び左目に入射するように、部分的な欠陥の発生を有効に回避して透過光に対応する位相差を与えることが必要である。このため例えば特許文献2に開示のように、賦型用の金型により配向膜を作成する場合、この賦型用金型に起因する欠陥の発生を有効に回避することが求められる。
特開2005−49865号公報 特開2010−152296号公報
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、賦型用金型に起因する欠陥の発生を有効に回避できるようにすることを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ね、賦型用金型の製造工程の途中に、マスキングに係る欠陥を検出、修整する工程を設けるとの着想に至り、本発明を完成するに至った。
具体的には、本発明では、以下のようなものを提供する。
(1) ライン状の凹凸形状を賦型して配向膜の作成に供する賦型用金型の製造方法であって、
前記賦型用金型の母材に、ストライプ状にマスクを作成するマスク作成工程と、
前記マスクを検査して欠陥を検出する検査工程と、
前記検査工程の検査結果に基づいて前記欠陥を修整するマスク修整工程と、
前記マスク修整工程で欠陥を修整した前記母材をラビング又は研削して、前記凹凸形状を作成する凹凸形状の作成工程とを備え、
前記マスク修整工程は、
ペンのペン先又は筆の筆先を前記母材に押圧して前記ペン又は筆のインクの付着により前記マスクの欠陥を修整する。
(1)によれば、ペン又は筆を使用して簡易にマスクの欠陥を修整することができ、これにより簡易に、賦型用金型に由来する欠陥を有効に回避することができる。
(2) ライン状の凹凸形状を賦型して配向膜の作成に供する賦型用金型の製造装置であって、
前記賦型用金型は、
前記賦型用金型の母材に、ストライプ状のマスクを作成した状態で、前記母材をラビング又は研削して前記凹凸形状が作成され、
前記賦型用金型の製造装置は、
前記ストライプ状のマスクを作成した前記母材を保持する保持機構と、
前記保持機構により保持した前記母材にペン又は筆を押圧して前記ペン又は筆のインクを前記母材の表面に付着させる修整ユニットとを備え、
前記インクの付着により前記マスクの欠陥を修整する。
(2)によれば、ペン又は筆を使用して簡易にマスクの欠陥を修整することができ、これにより、簡易に、賦型用金型に由来する欠陥を回避することができる。
(3) (2)において、前記賦型用金型は、
円柱形状又は円筒形状による前記母材の周側面に前記凹凸形状が作成されたロール版であり、
前記保持機構は、
前記母材の回転軸により、回転可能に前記母材を保持し、
前記賦型用金型の製造装置は、
前記回転軸に沿って延長するねじ軸により前記修整ユニットの位置を変位させる可動機構を備え、
前記可動機構により前記修整ユニットを前記欠陥の位置に変位させた後、前記ペン又は筆を前記母材に押圧した状態で前記母材を回転させることにより、前記ストライプの延長方向に前記欠陥を修整する。
(3)によれば、ロール版による賦型用金型の製造装置に適用して、簡易、賦型用金型に由来する欠陥を回避することができる。
本発明によれば、賦型用金型に起因する欠陥の発生を有効に回避してパターン位相差フィルム等を製造することができる。
本発明の第1実施形態に係るパターン位相差フィルムを示す図である。 図1のパターン位相差フィルムの製造工程の説明に供する図である。 図1のパターン位相差フィルムの賦型用金型の生産工程を示す図である。 図3の続きを示す図である。 製造工程の全体構成を示す図である。 欠陥の処理に係る製造装置を示す図である。 図6の製造装置の修整ユニットの詳細を示す図である。 欠陥修整の説明に供する図である。 図8とは異なる例による欠陥修整の説明に供する図である。 パッシブ方式による3次元画像表示の説明に供する図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態に係る画像表示装置に適用されるパターン位相差フィルムを示す図である。この第1実施形態に係る画像表示装置は、垂直方向(図1においては左右方向が対応する方向である)に連続する液晶表示パネルの画素が、順次交互に、右目用の映像を表示する右目用画素、左目用の映像を表示する左目用画素に振り分けられて、それぞれ右目用及び左目用の画像データで駆動される。これにより画像表示装置は、右目用の映像を表示する帯状の領域と、左目用の映像を表示する帯状の領域とに表示画面が交互に区分され、右目用の映像と左目用の映像とを同時に表示する。この画像表示装置は、この液晶表示パネルのパネル面に、図1に示すパターン位相差フィルム1が配置され、このパターン位相差フィルム1により右目用及び左目用の画素からの出射光にそれぞれ対応する位相差を与える。これによりこの画像表示装置は、パッシブ方式により所望の立体画像を表示する。
ここでパターン位相差フィルム1は、TAC(トリアセチルセルロース)等の透明フィルムからなる基材2の一方の面上に、配向膜3、位相差層4が順次作製される。パターン位相差フィルム1は、位相差層4が屈折率異方性を保持した状態で固化(硬化)された液晶材料(例えばアクリル系の重合性液晶)により形成され、この液晶材料の配向を配向膜3の配向規制力によりパターンニングする。なおこの液晶分子の配向を図1では細長い楕円により誇張して示す。このパターンニングにより、パターン位相差フィルム1は、液晶表示パネルにおける画素の割り当てに対応して、一定の幅により、右目用の領域Aと、左目用の領域Bとが順次交互に帯状に形成され、右目用及び左目用の画素からの出射光にそれぞれ対応する位相差を与える。
パターン位相差フィルム1は、微細形状の賦型に供する賦型用樹脂である紫外線硬化性樹脂が基材2の表面に塗布され、この紫外線硬化性樹脂により表面に微小な凹凸形状が形成されて賦型層5が作成される。パターン位相差フィルム1は、この賦型層5の表面の凹凸形状により配向膜3が形成される。パターン位相差フィルム1は、後述する金型の表面に作製された微小な凹凸形状を転写して、配向膜3に係る微小な凹凸形状が作製され、この凹凸形状による配向規制力により位相差層4をパターンニングする。このため配向膜3は、右目用及び左目用の帯状領域A及びBにそれぞれ対応する帯状の領域が順次交互に形成され、それぞれ微小な凹凸形状が作製される。ここでこの微小な凹凸形状は、一方向に延長するライン状(線)の凹凸形状により形成され、この一方向に延長する方向が右目用領域Aと左目用領域Bとで90度異なる方向となるように、かつ各領域の延長方向(表示画面では水平方向であり、図1においては右上と左下とを結ぶ方向)に対して45度傾くように形成される。パターン位相差フィルム1は、この図1に示す基本構成に加えて、粘着層、セパレータフィルム、反射防止フィルム等が必要に応じて設けられる。
〔パターン位相差フィルム製造工程〕
図2は、このパターン位相差フィルム1の製造工程を示す略線図である。この製造工程10は、基材2がロールにより提供され、この基材2を供給リール11から供給する。製造工程10は、ダイ12によりこの基材2に紫外線硬化樹脂の塗布液を塗布する。なお紫外線硬化樹脂としては、アクリレート系、メタクリレート系、エポキシ系等の単量体、プレポリマー、或いはこれらの混合物にベンゾフェノン、芳香族ヨードニウム等の光重合開始剤を添加したものを使用することができる。ロール版20は、賦型用金型であり、パターン位相差フィルム1の配向膜3に係る凹凸形状が周側面に形成された円筒形状の金型である。
製造工程10は、紫外線硬化樹脂が塗布された基材2を加圧ローラ14によりロール版20に押圧し、高圧水銀燈からなる紫外線照射装置15による紫外線の照射により紫外線硬化樹脂を硬化させる。これにより製造工程10は、ロール版20の周側面に形成された凹凸形状を基材2に転写(賦型)して賦型層5を作成する。その後、剥離ローラ16によりロール版20から基材2を剥離し、ダイ19により液晶材料を塗布する。またその後、紫外線照射装置17による紫外線の照射により液晶材料を硬化させ、これにより位相差層4を作成する。この工程10は、続いて基材2を巻き取りリール18に巻き取る。パターン位相差フィルム1は、この巻き取りリール18に巻き取ったシート材に、必要に応じて粘着層、反射防止層等を形成した後、所望の大きさに切断して作製される。これによりパターン位相差フィルム1は、ロール版20を用いた凹凸形状の転写により、ロールにより提供される基材2を連続して処理して効率良く大量生産される。
〔ロール版製造工程〕
図3及び図4は、パターン位相差フィルムの製造用金型であるロール版20の製造工程を示す図である。なおこの図3及び図4において、パターン位相差フィルム1の領域A、Bに対応する領域を、それぞれ符号ARA、ARBにより示す。この製造工程では、母材40の表面を研磨して平滑化した後(図3(a))、第1の凹凸形状作製工程において、母材40の全面に微小なライン状凹凸形状による第1凹凸領域42を形成する(図3(b))。ここで母材40は、ロール版20の外形形状に対応する円筒形状又は円柱形状の金属材料である。母材40は、後述するレジスト層43等を剥離除去可能に積層できるものであれば特に限定されるものではなく、ニッケル、クロム、チタン、銅、コバルト等の各種金属材料、SiO、DLC(ダイヤモンド状炭素)、TiO、等の各種無機酸化物等を広く適用することができる。しかしながら後述するレジスト層43等を剥離除去可能に積層する観点から、金属材料、DLC、TiO等であることが好ましく、ニッケル、クロム、DLCであることがより好ましい。またスパッタリング等の手法を適用して各種の金属材料層を表面に作製したものを適用しても良く、例えばこの表面の金属材料層にタングステン、チタン、金属化合物である酸化チタン、窒化チタン、タングステンカーバイド、酸化クロム、クロムモリブデン、ニッケルクロムモリブデンを適用すれば、強度を向上させることができる。また密着強度を向上する等の目的で、中間層を介して、母材表面に金属材料層を設けることもできる。
第1凹凸領域42は、母材40の周側面に、配向膜3の右目用領域又は左目用領域の凹凸形状に対応する微小な凹凸形状を作製して形成される。具体的に、この実施形態では、ラビングロールRを用いたラビング処理によりこの凹凸形状が作製される。
続いてロール版20は、マスク作製工程において、レジスト材料により、右目用領域Aに対応する領域ARAを被覆し、かつ左目用領域Bに対応する領域ARBを露出させたマスクが作製される(図3(c))。なおこのように作成することにより、マスクはストライプ状に作成されることになる。すなわちこの工程では、ポジ型のレジスト剤を全面に塗布した後、露光、現像処理することにより、左目用領域Bに対応する領域ARBを露出させたマスクが作製される。なおレジストの厚みは、薄い方が後工程で剥離しやすいので好ましいが、薄すぎると厚みムラを生じやすいので、1μm〜5μm程度が望ましい。なおレジスト材料としては特に限定されるものではなく、ネガ型レジスト材料を適用しても良い。また塗布方法、露光方法にあっても種々の手法を広く適用することができる
続いて図4(d)に示すように、薄膜作製工程において、全面に、無機材料の第2層膜44が、0.1μmの膜厚で作製される。これによりレジスト層43によりマスクされていない母材40の表面に、第2層膜44からなる第2層パターンが形成される。なおこの第2層膜44は、例えばスパッタリングの手法を適用してクロム、チタン、ニッケル等の金属材料、金属化合物、DLCを成膜して作製される。
続いて図4(e)に示すように、第2の凹凸形状作製工程において、第1凹凸領域42と異なる方向(この実施形態では第1凹凸領域42のラビング方向とは90度の角度をなす方向である)に全面をラビングロールRを使用してラビング処理し、第2層膜44の表面に凹凸形状を作製する。その後、製造工程は、図4(f)に示すように、続くレジスト除去工程において、レジスト層43を、その上層の第2層膜44と共に除去し、これにより2回の凹凸形状作製処理により配向膜3の領域A及びBに対応する凹凸形状を作製する。なお上記ロール版の製造は、空気清浄度が管理されたクリーンルーム内で行われ、これにより異物の付着により製造不良を有効に回避する。
〔金型修整工程〕
ところで図3及び図4の工程により作成されたロール版20においては、マスク作製工程(図3(c))において、右目用領域Aに対応する領域ARAを被覆し、かつ左目用領域Bに対応する領域ARBを露出させたマスクを作成し、このマスクを利用して領域ARA及びARBで延長方向が直交するライン状の凹凸形状が作成される。従ってマスクの作成工程における洗浄等の処理において、このマスクが部分的に欠落すると、この欠落した部位では、正しい方向に延長するように凹凸形状を作成することが困難になり、パターン位相差フィルムでは、対応する部位で正しく位相差を設定することが困難になる。これによりパターン位相差フィルムでは、賦型用金型に由来する欠陥が発生することになる。
そこでこの実施形態は、図3及び図4について上述した製造工程10において、途中に中間検査工程、修整工程を設け、マスクに係る欠陥を検出して修整する。図5は、図3及び図4の製造工程を中間検査工程及び修整工程と共に示すフローチャートである。この製造工程は、平滑化処理工程(ステップSP2)、第1の凹凸形状作成工程(ステップSP3)、マスク作成工程(ステップSP4)に続いて、中間検査工程(ステップSP5)、修整工程(ステップSP6)が設けられる。なおここでこれら平滑化処理工程、第1の凹凸形状作成工程、マスク作成工程は、それぞれ図3(a)、(b)、(c)について上述した工程である。
中間検査工程では、顕微鏡を使用した目視による観察により母材40の周側面を観察してマスクの欠陥を検出する。また続く修整工程においては、中間検査工程で発見された欠陥を修整する。この工程では、この修整工程で修整した母材40について、さらに薄膜作製工程(図4(d)、ステップSP7)、第2の凹凸形状作製工程(図4(e)、ステップSP8)、レジスト除去工程(図4(f)、ステップSP9)を実行してロール版20を作成する。
〔製造装置〕
図6は、このステップSP4の中間検査工程、ステップSP5の修整工程に適用される製造装置の概略構成を示す側面図及び正面図である。この製造装置50は、保持機構により母材40の回転軸の両端を保持することにより、この回転軸がほぼ水平となり、この回転軸により回転可能に、さらに周側面が他の部位に接触しないように、母材40を保持する。製造装置50は、図示しないフットスイッチの操作により保持機構により保持した母材40を矢印により示すようにゆっくりとした速度で回転させる。
製造装置50は、この母材40の回転軸と平行に、一対のねじ軸51、52が設けられる。ここでねじ軸51には、このねじ軸51と共にボールネジを構成するナット部53が設けられ、このナット部53には母材40の周側面を観察する顕微鏡54が設けられる。これにより製造装置50は、ねじ軸51及びナット部53により顕微鏡54の可動機構を構成し、ネジ軸51の回転により顕微鏡54を母材40の回転軸に沿った方向に移動させ、母材40の周側面を顕微鏡54により観察して中間検査工程に係る作業を実行し、さらには修整工程に係るマスクの欠陥修整作業を目視により確認しながら実行できるように構成される。
これに対してねじ軸52には、同様に、ネジ軸52と共にボールネジを構成するナット部55が設けられ、このナット部55にマスクの修整に供する修整ユニット56が設けられる。これにより製造装置50は、ねじ軸52及びナット部55により修整ユニット56の可動機構を構成し、ねじ軸52の回転により修整ユニット56を母材40の回転軸に沿った方向に移動させ、修整工程に係るマスクの欠陥修整を実行できるように構成される。
図7は、この修整ユニット56の構成を詳細に示す図である。修整ユニット56は、ロードセル58を介して、棒状の部材がナット部55より立ち上がり、その先端に保持部59が設けられ、この保持部59に油性のペン61が保持される。これにより修整ユニット56は、ロードセル58により押圧力をモニタしながら、母材40にペン61のペン先を押圧できるように構成される。
製造装置50は、このロードセル58による押圧力をモニタしたフィードバック制御により、所定の押圧力でペン61のペン先を母材40に押圧する。またこの状態で、母材40を回転させ、これにより円周方向に延長するようにペン61のインクを付着させてマスクの欠陥を修整する。なお欠陥が小さい場合には、母材40の回転を中止して、単にペン61のペン先を押圧して欠陥個所にインクを付着させるだけで欠陥を修整する。
ここでペン61には、母材40の表面に対して充分な濡れ性を有するインクによるペンが適用され、具体的に油性ペンが適用される。またペン61には、マスクの幅に対応するペン先のペンが適用され、具体的にこの実施形態では、領域ARA、ARBの幅がそれぞれ0.3mm程度であることにより、ペン先の太さが0.03〜0.3mmのペンを適用することができ、この実施形態では太さ0.2mmのペン先によるペンが適用される。なお領域ARA、ARBの幅がそれぞれ0.6mm程度である場合には、ペン先の太さが0.1〜0.6mmのペンを適用することができる。またペン61は、溶剤がアルコール系のものが望ましく、インキの粘度は200〜1000m・Pasが望ましい。またペン先は、フェルト等のやわらかいものが望ましく、さらに押圧力は、マスクの下層を損傷させないようにする観点から、筆圧に換算して10〜20gが望ましい。また、ペン以外による修正も可能である。その場合、筆に、有機溶媒に樹脂を溶かしたインキを少量つけて適用し、この筆の筆先を修整対象に押し付けてインクの付着により修整する。筆を使用する場合にインクとして適用できる樹脂としては、続くレジスト除去工程において、上層の第2層膜44とともに除去できるものであれば特に限定されるものではなく、ロジン系樹脂、ケトン樹脂、フェノール樹脂、テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、ブチラール樹脂、アクリル樹脂などを適用できる。
なお修正した部分の高さは周囲のレジストと同等もしくは低い方が望ましいことから、インクの乾燥膜厚により修整に供するインクの濃度、インクの付着量等が選定される。具体的に、周囲のレジストより修整個所が高いと、2回目のラビング処理時に、修正部分の樹脂とともに第2層膜が削られ、母材表面の傷になったりする。また周囲のレジストより修整個所が高い場合にあって、修正部分がストライプ端部に近い場合、又は修正部分がストライプ端部に掛かる場合、2回目のラビング方向によっては修正部分が邪魔になり、修正部分に隣接する領域ARAのストライプ境界付近がラビング不足となったりする恐れがある。
これによりこの実施形態では、マスクの欠陥を修復して、賦型用金型に由来するパターン位相差フィルムの欠陥を防止する。すなわち図8は、欠陥の修整結果の説明に供する図である。図8(A)は、何ら欠陥を修復していない状態を示す図であり、この図の例ではマスクに係るレジストが部分的に欠落していることがわかる。なおこの欠落した部位では、正しく凹凸形状を作成できないことにより、パターン位相差フィルムの対応する部位では正しく位相差を付与することが困難になる。図8(B)は、この欠陥を修復した状態を示す図である。この場合、マスクの延長方向に、マスクの端部に沿って、ペン61によるインクを塗付してマスクを修整することができ、これによりこのマスクの欠陥に係る賦型用金型に由来するパターン位相差フィルムの欠陥を防止することができる。
また図9は、レジスト残渣の付着に係る欠陥の説明に供する図である。図9(A)では、マスクの上にレジスト残渣が付着している場合である。この場合には、ペン61に代えて、先端がウレタンゴムの自己粘着タイプのペンスティックを配置して、このペンスティックにより異物を除去した後、ペン61によりインクを塗付して修復する。なお図9(B)はこのようにして修復を完了した図である。
なおこのようなレジストの修正方法として、マイクロディスペンサを使用してレジストを塗布して修整する方法(特開昭63−19657号)が開示されているものの、この方法では簡易にレジストを修復できない問題があり、この種のロール版の修復では実用的ではない。しかしながらこの実施形態のようにペンによりマスクを修復する場合には、パターン位相差フィルムの賦型用金型に適用して簡易かつ確実にマスクを修復することができる。
以上の構成によれば、ペン又は筆によりインクを付着してマスクの欠陥を修整することにより、賦型に供する凹凸形状を正しく作成して、賦型用金型に由来するパターン位相差フィルムの欠陥を有効に回避することができる。
また回転軸により母材を保持するようにして、この母材の回転によりマスクに係るストライプ方向にインクを順次付着させてマスクを修整することにより、ロール版であるパターン位相差フィルムの賦型用金型に適用して欠陥を確実に修整することができる。
〔第2実施形態〕
この実施形態では、上述した製造装置を使用するようにして、ペンの代わりに、所定の液体を含浸された面相筆を製造装置50の保持部59に保持し、この面相筆によりマスクの欠陥を修整する。なおここでこの所定の液体は、メタクリル酸ジメチルアミノエチル50モル%、スチレン40モル%、アクリル酸−ブチル10モル%を、アゾビスジメチルバレロニトリル触媒下で共重合させた樹脂を、エチルアルコールに10wt%含有するインキである。この実施形態では、この面相筆に関する構成が異なる点を除いて、第1の実施形態と同一に構成される。
この実施形態では、エチルアルコールを溶媒としたインクを適用する場合でも、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
〔他の実施形態〕
以上、本発明の実施に好適な具体的な構成を詳述したが、本発明は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述の実施形態の構成を種々に変更し、さらには組み合わせることができる。
すなわち上述の実施形態では、全面を一方向にラビング処理した後、マスクして異なる方向にラビング処理することにより配向膜の作成に供する賦型用金型を作成する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば右目用の領域と左目用の領域とを交互にマスクしてラビング処理することにより賦型用金型を作成する場合等、種々の方法によりマスクを使用して賦型用金型を作成する場合に広く適用することができる。
また上述の実施形態では、ラビング布を使用したラビング処理により賦型に供する凹凸形状を作成する場合に適用する場合ついて述べたが、本発明はこれに限らず、研磨により賦型に供する凹凸形状を作成する場合にも広く適用することができる。
また上述の実施形態では、ロール版による賦型用金型に本発明を適用する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、いわゆる平板による賦型用金型にも広く適用することができる。
また上述の実施形態では、賦型用樹脂に紫外線硬化性樹脂を適用して賦型層を作成する場合について、欠陥を修復する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、紫外線硬化性樹脂以外の各種の賦型用樹脂により賦型する場合、さらには軟化させた基材を直接押圧して賦型する場合等にも広く適用することができる。
また上述の実施形態では、液晶表示パネルの使用を前提とする場合について述べたが、本発明はこれに限らず、有機ELパネル、プラズマディスプレイパネルの使用を前提とする場合にも広く適用することができ、また偏光フィルタを一体に設ける場合にも広く適用することができる。
また上述の実施の形態では、パターン位相差フィルムの配向膜の作成に供する賦型用金型に本発明を適用する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、配向膜の作成に供する種々の賦型用金型に広く適用することができる。
1 パターン位相差フィルム
2 基材
3 配向膜
4 位相差層
5 賦型層
10、30 製造工程
11 供給リール
12、19 ダイ
14 加圧ローラ
15、17 紫外線照射装置
16 剥離ローラ
18 巻き取りリール
20 ロール版
40 母材
42 第1凹凸領域
43 レジスト層
44 第2層膜
50 修整装置
51、52 ねじ軸
53、55 ナット部
54 顕微鏡
56 修整ユニット
57 計測計
58 ロードセル
59 保持部
61 ペン

Claims (3)

  1. ライン状の凹凸形状を賦型して配向膜の作成に供する賦型用金型の製造方法であって、
    前記賦型用金型の母材に、ストライプ状にマスクを作成するマスク作成工程と、
    前記マスクを検査して欠陥を検出する検査工程と、
    前記検査工程の検査結果に基づいて前記欠陥を修整するマスク修整工程と、
    前記マスク修整工程で欠陥を修整した前記母材をラビング又は研削して、前記凹凸形状を作成する凹凸形状の作成工程とを備え、
    前記マスク修整工程は、
    ペンのペン先又は筆の筆先を前記母材に押圧して前記ペン又は筆のインクの付着により前記マスクの欠陥を修整する
    賦型用金型の製造方法。
  2. ライン状の凹凸形状を賦型して配向膜の作成に供する賦型用金型の製造装置であって、
    前記賦型用金型は、
    前記賦型用金型の母材に、ストライプ状のマスクを作成した状態で、前記母材をラビング又は研削して前記凹凸形状が作成され、
    前記賦型用金型の製造装置は、
    前記ストライプ状のマスクを作成した前記母材を保持する保持機構と、
    前記保持機構により保持した前記母材にペン又は筆を押圧して前記ペン又は筆のインクを前記母材の表面に付着させる修整ユニットとを備え、
    前記インクの付着により前記マスクの欠陥を修整する
    賦型用金型の製造装置。
  3. 前記賦型用金型は、
    円柱形状又は円筒形状による前記母材の周側面に前記凹凸形状が作成されたロール版であり、
    前記保持機構は、
    前記母材の回転軸により、回転可能に前記母材を保持し、
    前記賦型用金型の製造装置は、
    前記回転軸に沿って延長するねじ軸により前記修整ユニットの位置を変位させる可動機構を備え、
    前記可動機構により前記修整ユニットを前記欠陥の位置に変位させた後、前記ペン又は筆を前記母材に押圧した状態で前記母材を回転させることにより、前記ストライプの延長方向に前記欠陥を修整する
    請求項2に記載の賦型用金型の製造装置。
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