JP5948947B2 - 位相差フィルム作成用シリンダー版及び位相差フィルム作成用シリンダー版の製造方法 - Google Patents

位相差フィルム作成用シリンダー版及び位相差フィルム作成用シリンダー版の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5948947B2
JP5948947B2 JP2012036634A JP2012036634A JP5948947B2 JP 5948947 B2 JP5948947 B2 JP 5948947B2 JP 2012036634 A JP2012036634 A JP 2012036634A JP 2012036634 A JP2012036634 A JP 2012036634A JP 5948947 B2 JP5948947 B2 JP 5948947B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
retardation film
pattern
orientation
layer
plate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2012036634A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013171253A (ja
Inventor
聖人 伊東
聖人 伊東
堀 健一
健一 堀
司 鮎澤
司 鮎澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2012036634A priority Critical patent/JP5948947B2/ja
Publication of JP2013171253A publication Critical patent/JP2013171253A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5948947B2 publication Critical patent/JP5948947B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Polarising Elements (AREA)

Description

本発明は、位相差フィルム作成用シリンダー版及び位相差フィルム作成用シリンダー版の製造方法に関するものである。
映像表現において、立体視できる映像が普及してきた。その中でパッシブ方式という立体視の技術が知られている。スクリーンからの反射画像やディスプレイからの画像に、予め右目用の画像と左目用の画像を表示させて、右目画像用レンズと左目画像用レンズを装備したメガネを装着して観賞するものである。
ディスプレイの場合、ディスプレイの観察者側の面に、直線偏光板と直線偏光面と角度を持つ位相差板を置くことにより、映像光を円偏光に変換することができる。位相差板を置く角度により左円偏光と右円偏光の映像光が形成される。
ディスプレイの右目用の画像と左目用の画像の信号を表示する画素は、映像信号を操作することにより固定できるので、右目用の画像の画素の上に直線偏光板と組み合わせて例えば、右円偏光を生じる位相差板を置き、左目用の画像の画素の上に左円偏光を生じる位相差板を置くことにより、右円偏光の画像と左円偏光の画像を同時に観察者に向けて送り出すことができる。
右円偏光を通し、左円偏光を遮断するレンズを右に、左円偏光を通し、右円偏光を遮断するレンズを左に装備したメガネを装着することにより、右目用画像を右で見て、左目用画像を左目で見ることができる。その結果、両画像が立体視を得るために作られた映像であれば、観察者は立体映像を偽視的に見ることができる。
当該位相差板は、ディスプレイの画素に相当する微小なサイズで、両画像の画素の位置に合せてパターン状に設けられねばならず、精度よくしかも大量に製造することは困難であった。また、大量生産で安定した製品が得られるような耐久性のある印刷版は得られていなかった。
特許文献1には、特定の方向に延在する複数の溝を表面に有する型を利用して、該複数の溝の延在方向に沿って配向する性質を持つ重合性の液晶材料を塗布し、硬化させて位相差板を作成する方法が記載されている。しかしながら、重合性液晶材料を配向させる型の製造方法は、薄板を並べて溝をつけた後、溝の方向の異なる薄板を交互に並べ替えるという手間のかかる方法であったり、シリンダーロールに溝状の型を押し付けて圧力転写したり、あるいはバイトで切削加工するなど、位置精度の低い、パターンもストライプ状のパターンしか形成できないものであった。また、型の耐久性も劣ると思われる。
特開2010‐152296号公報
位相差フィルムを作成する版で、耐久性のある版を得ることを課題とする。
第1の発明は、円筒状の基体と、該基体上に設けられた金属層と、該金属層上に所定のパターン状に配置されたダイアモンドライクカーボン層とからなる位相差フィルム作成用シリンダー版であって、前記金属層は第1の方向の配向性表面を有しており、前記ダイアモンドライクカーボン層は、前記第1の方向とは異なる第2の方向の配向性表面を有していることを特徴とする位相差フィルム作成用シリンダー版である。
第2の発明は、前記第1の方向の配向性表面が占める総面積と、前記第2の方向の配向性表面が占める総面積の比が1対1であることを特徴とする請求項1に記載の位相差フィルム作成用シリンダー版である。
第3の発明は、前記第2の方向の配向性表面を有しているダイアモンドライクカーボン層が、ダイアゴナル配列、または、デルタ配列を形成していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の位相差フィルム作成用シリンダー版である。
また、第4の発明は、円筒状の基体の上に金属層を設ける工程と、該金属層表面を一定方向に研磨することにより第1の方向の配向性表面を形成する工程と、該金属層の第1の方向の配向性表面上にレジストを塗布し、乾燥してレジスト層を形成する工程と、該レジスト層をパターン状に露光する工程と、パターン状に露光したレジスト層を現像する工程と、現像により露出した前記金属層の上、及び、パターン状に形成されたレジスト層の上にダイアモンドライクカーボン層を全面に形成する工程と、パターン状に形成されたレジスト層の上に形成されたダイアモンドライクカーボン層を研磨により除去する工程と、前記金属層の上に形成されたダイアモンドライクカーボン層の表面に第2の方向の配向性表面を形成する工程と、前記金属層の上に形成されているレジスト層を除去する工程からなることを特徴とする位相差フィルム作成用シリンダー版の製造方法である。
また、第5の発明は、前記第1の方向の配向性表面を形成する工程で形成する第1の方向の配向性表面が占める総面積と、前記第2の方向の配向性表面を形成する工程で形成する第2の方向の配向性表面が占める総面積の比が、1対1であることを特徴とする請求項4に記載の位相差フィルム作成用シリンダー版の製造方法である。
また、第6の発明は、前記レジスト層をパターン状に露光する工程で形成するパターンが、ダイアゴナル配列、または、デルタ配列を形成していることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の位相差フィルム作成用シリンダー版の製造方法である。
本発明の位相差フィルム作成用シリンダー版は、耐久性が高い。本製造法はカラー画素のダイアゴナル配列やカラー画素のデルタ配列などの複雑な配列に対応する位相差フィルムも製造することができる。
位相差フィルム作成用版の断面図 本発明の位相差フィルム作成用版の製造工程を説明する工程図 基体の上に金属層を形成した位相差フィルム作成用版の断面図 第1の方向の配向性表面を形成した位相差フィルム作成用版の断面図 レジストを塗布乾燥してレジスト層を形成した位相差フィルム作成用版の断面図 レジスト層をパターン状に露光する工程を示す模式図 パターン状に露光したレジスト層を現像する工程を示す模式図 レジスト層を現像した位相差フィルム作成用版の断面図 DLC層を全面にコーティングした位相差フィルム作成用版の断面図 DLC層をレジスト層面まで研磨した位相差フィルム作成用版の断面図 DLC層表面に第2の方向の配向性表面を形成した位相差フィルム作成用版の断面図 研磨の方法を示す模式図 カラー画素の配列方法と形成される配向性表面の例を説明する図
以下、本発明の位相差フィルム作成用版について、図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の位相差フィルム作成用版10の断面図である。図1のように本発明の位相差フィルム作成用版10は、基体1の上に金属層2が設けられており、該金属層2の上には所定のパターン状にダイアモンドライクカーボン層3(ダイアモンドライクカーボン層を、本明細書ではDLC層と呼ぶ)が設けられている。また前記金属層2は第1の方向の配向性表面12を有しており、前記DLC層3は前記第1の方向とは異なる第2の方向の配向性表面13を有している。基体1は、例えば銅板やシリンダー上にメッキされた銅円筒などが使用できる。金属層2は銅表面にメッキされた金属層であり、金属の硬度や取り扱いやすさから例えばニッケルメッキなどが利用できる。また前記金属層2の第1の方向の配向性表面12には、微細な溝が形成されている。
配向性表面とは、一定方向に凹凸形状や微細な筋を設けたり、ポリイミドなどの高分子を塗布して一定方向にラビング処理をしたりしたものである。棒状の液晶分子が、接触する他の物体の微細表面形状などに影響されて配向する性質を利用して、該配向性表面上で一定方向に配向させる目的のものである。
配向性表面上に重合性液晶を塗布して配向させた後、重合させて液晶フィルムを作成すると、液晶は光学異方性を持つため該液晶フィルムは位相差フィルムとして作用する。
DLC層3はイオンプレーティング法で形成されるアモルファス状硬質炭素薄膜である。PVD装置やCVD装置でも製造することができる。ダイアモンドに次ぐ硬度を持ち、低摩耗性、樹脂に対する離型性、低摩擦などの性質を持つ。
DLC層3は金属層2の上に設けられており、DLC層3表面には第2の方向の配向性表面13が形成されている。この第2の方向の配向性表面13の配向性の向きは、第1の方向の配向性表面12の配向性の向きとは異なる角度で、二つの配向性の向きのなす角度が例えば90度の角度で設けられている。
また、第2の方向の配向性表面13を備えるDLC層3は、パターン状に設けられており、そのパターンは立体画像の画素の位置、例えば右目用画像を表示するディスプレイ画素群のパターンと同一か、あるいは鏡像となっている。第1の方向の配向性表面12を備える金属層2のDLC層3で覆われていない部分は、やはりパターン状となり、例えば左目用画像を表示するディスプレイ画素群のパターンと同一か、あるいは鏡像となっている。そのため、第1の方向の配向性表面12の占める総面積と、第2の方向の配向性表面13の占める総面積の比は1対1である。ただ、利用しない冗長な部分を設ける場合は必ずしも1対1である必要はない。
第1の方向の配向性表面12をニッケルメッキで形成する場合、硬質のニッケルメッキは位相差フィルムの複製に耐える強度を備えているうえに、ニッケル表面にパターン状に設けられた第2の方向の配向性表面13のDLC層3はダイアモンドに次ぐ硬度をもつため、本発明の位相差フィルム作成用版の耐久性はさらに高くなる。
また、DLC層3の表面は樹脂との離型性が良好であり、硬化させた位相差フィルムを剥離するときの剥離力も低下するため、硬化した位相差フィルムが剥がれ易く、位相差フィルムが傷み難いので歩留まりも他の版にくらべて良好となる。
イオンプレーティング技術などで金属表面にDLC層3をコーティング加工する業者もあり、数メートルの部品も表面加工が可能な業者があるので、DLCコーティングをするにはそのような専門業者を利用することが簡便である。例えばナノテック株式会社のNANОCOAТ−4000の装置は3.5m長さの印刷用シリンダーへのDLCコーティングが可能である。
次に、製造方法について図に従って説明する。
図2に示すように、本発明の位相差フィルム作成用版の製造方法は、まず基体の上に金属層を設ける工程Aと、金属表面を一定方向に研磨することにより第1の方向の配向性表面を形成する工程Bと、金属層の第1の方向の配向性表面上にレジストを塗布し、乾燥してレジスト層を形成する工程Cと、レジスト層をパターン状に露光する工程Dと、パターン状に露光したレジスト層を現像する工程Eと、現像面にダイアモンドライクカーボン層を設ける工程Fと、パターン状のレジスト層の上に形成されたダイアモンドライクカーボン層を除去する工程Gと、金属層の上に形成されたダイアモンドライクカーボン層の表面に第2の方向の配向性表面を形成する工程Hと、金属層の上に形成されているレジスト層を除去する工程Iからなるものである。
図3は、基体1の上に金属層2を設けた位相差フィルム作成用版の断面図を表わす。
図4は、金属層2の表面を一定の方向に研磨して第1の方向の配向性表面12を形成した位相差フィルム作成用版の断面図を表わす。破線矢印で示す部分が第1の方向の配向性表面12である。研磨の方法については後で述べる。
図5は、レジストを塗布乾燥した位相差フィルム作成用版の断面図を表わす。4が塗布されたレジスト層である。
図6はレジスト層4をパターン露光して硬化部5を形成する工程を表わす模式図である。6は未露光部である。22は露光装置であり、例えば、レーザー描画装置を用いることができる。レジスト層4はポジ型でもネガ型でもどちらでも良く、図6ではネガ型のレジスト層4を用いており露光部が硬化するように描いているが、ポジ型のレジストであれば露光部が現像時に除去される。また露光装置22はレーザー描画装置に限定されることなく、たとえば、紫外線光源を用いてマスクを介して紫外線を照射してもよい。
レジスト層にパターン露光して、第1の方向の配向性表面の箇所と第2の方向の配向性表面の箇所を正確に指定できるので、本発明ではテレビのRGB画素の配列において、単純なストライプ配列だけでなく、ダイアゴナル配列や、デルタ配列のような複雑な配列にも対応することができる。
露光装置22による露光が終了すると、図7に示すように噴射用ノズル23から現像液を噴射して未露光部6を除去する。図8は未露光部6を現像により除去した後の位相差フィルム作成用版の断面図を表わす。
図9は、イオンプレーティングやCVD、あるいはPVDなどの装置により、全面にDLC層3を形成した後の位相差フィルム作成用版の断面図である。
図10は研磨工程で、硬化部5とDLC層3の厚みを揃える工程である。この工程でDLCは、ディスプレイの画素に関係付けられるパターン状に分離される。
図11はDLC層3表面を研磨して、第2の方向の配向性表面を形成する工程を表す。破線矢印で示す第2の方向の配向性表面13の配向性の方向は、第1の方向の配向性表面の配向性の方向と90度の角度をなすように形成される。
次に、レジストの硬化部5を除去することにより第1の方向の配向性表面12が露出して、図1の本発明の位相差フィルム作成用版10が完成する。
図12は位相差フィルム作成用版の表面を研磨加工する際の模式図である。
31はシリンダー形状の位相差フィルム作成用版で、例えば時計回りに回転している。ゴムロール35と加圧装置36で、32の研磨テープを位相差フィルム作成用版に押し付けながら、研磨テープ32は巻取り部34と給紙部33に装着し、巻取り部により研磨テープを巻き取ることにより位相差フィルム作成用版面を研磨できる。またゴムロール35、加圧装置36、研磨テープ32、巻取り部34および給紙部33を含む研磨装置40は、シリンダーの軸に平行に移動が可能であり、左右に移動させながら研磨することにより、シリンダー形状の位相差フィルム作成用版の全面を研磨することができる。
シリンダーは鉄芯でできており、通常は銅を厚くメッキした後研磨して表面を整えた後
にニッケルメッキを行う。ニッケルメッキの後に再度表面を整えるために研磨する。さらに本発明では、図9のレジスト層の硬化部5の上の余分なDLC層3を研磨により除去して図10の形状にするためにも研磨装置は使用される。
研磨装置40は配向性表面を形成するためにも使用される。第1の方向の配向性表面12を形成するには、例えばシリンダー形状の位相差フィルム作成用版31を回転させながら、研磨装置40を紙面の表面から裏面方向に計算された一定の速度で動かすことにより、版上に斜めの微細な溝をつけることができる。シリンダーの回転速度と研磨装置の移動速度を調整することにより、版上に右45度の角度で全面に細かな溝を形成して、第1の方向の配向性表面を形成することができる。
第2の方向の配向性表面は、図10のシリンダー形状の位相差フィルム作成用版を同様に回転させながら、研磨装置を紙面の裏面から表面方向に一定速度で移動させながら研磨することで形成することができる。この時研磨テープに接触するのはDLC層3だけで、第1の方向の配向性表面はレジストの硬化部5で保護されている。また、DLCは硬いので簡単に磨耗して下の金属メッキ面まで削られることはない。第2の方向の配向性表面の斜めの微細な溝は、第1の方向の配向性表面と90度をなす角度に形成される。
液晶ディスプレイやプラズマディスプレイは、カラー画像を映すためにRGBの画素を持っている。図13に示すようにRGBの画素の配列の方法にはいくつかの種類があり、51はカラー画素のストライプ配列を表わしている。53はカラー画素のダイアゴナル配列を表わしている。55はカラー画素のデルタ配列を表わしている。
右目用の画像の画素のパターンは色々考えられるが、52、54,56に示す斜線部のパターンは、51、53、55の3種の画素配列に対応する第1の方向の配向性表面のパターン例を示す。必ずしもこのパターンである必要はなく、異なるパターンでも可能である。無地のパターンが第2の方向の配向性表面のパターンとなる。52、54、56の図から明らかなように、第1の方向の配向性表面が占める総面積と、第2の方向が配向性表面の占める総面積の比が1対1である。
シリンダー幅1300mm、シリンダー直径350mmの鋼鉄製シリンダー表面に、銅メッキを3.5mmの厚さで全面に施した。表面を研磨した後、硬質ニッケルメッキを1.5mmの厚みで全面に施した。ニッケル表面をバフ研磨した後、シリンダーを図12の方向に回転させながら♯20000の研磨テープで、研磨装置を左から右に移動させ、紙面では表面から裏面方向に移動させながら研磨して、シリンダーの軸に対して右45度の角度に第1の方向の配向性表面を形成して、図4の形状の位相差フィルム作成用版を得た。以下、シリンダー形状の版ではなく、平面形状の版の模式図で表示している。
シリンダー表面を洗浄、乾燥後、レーザー直描液状レジストのゾンネ(登録商標)LDI(関西ペイント株式会社製)を乾燥膜厚1.5μmとなるように全面に塗布し乾燥した。シリンダーを回転させながらレーザー描画装置22でパターンを露光した後、噴射用ノズル23から現像液を噴射して現像し、図8の形状の位相差フィルム作成用版を得た。
DLCコーティング装置で、DLCを1.8μmの厚さで全面にコーティングして図9の形状の位相差フィルム作成用版を得た。
シリンダー形状の位相差フィルム作成用版31の全面を0.3μm研磨して、レジストの硬化部5が露出するまでDLC層を研磨して図10の形状の位相差フィルム作成用版を得た。
♯20000の研磨テープで第1の方向の配向性表面を形成したときとは反対に、研磨装置を右から左に移動させながら研磨して、第1の方向の配向性表面12の配向方向と90度をなす角度で微細な溝を形成して、第2の方向の配向性表面13をパターン状に形成されたDLC層3の表面に形成して、図11の形状の位相差フィルム作成用版を得た。
シリンダー表面に残ったレジスト硬化部5を除去、洗浄して、図1に示す、本発明の位相差フィルム作成用版10を作成した。
この位相差フィルム作成用版10に紫外線硬化性液晶樹脂を塗布すると、該紫外線硬化性液晶樹脂は位相差フィルム作成用版10の表面に設けられた配向性表面に沿って配向される。プライマー処理したポリエステルフィルムのプライマー処理面を、第1の方向の配向性表面および第2の方向の配向性表面のそれぞれの方向に配向した紫外線硬化性液晶樹脂と重ね合わせ、ポリエステルフィルムの面から紫外線を露光すると、紫外線硬化性液晶樹脂が硬化してポリエステルフィルム上に転写される。硬化した液晶樹脂は配向しているので、第1の方向に配向して位相差を持つ領域と、第2の方向に配向して位相差を持つ領域がパターン状に形成される。
具体的には、シリンダー形状の位相差フィルム作成用版(以下シリンダー版と呼ぶ)の下部から、つけロールにより一定量の紫外線硬化性液晶樹脂をシリンダー版に供給し、シリンダー版とシリンダー版に接する耐熱ガラスロールの間にポリエステルフィルムを導入し、ガラスロールの内側から紫外線を照射して、ポリエステルフィルム上にパターン状に配向して硬化した液晶樹脂を転写させる。
このようにして、パターン状に右円偏光と左円偏光を形成できるパターン位相差フィルムを製造することができる。ポリエステルフィルムを10万m通してパターン位相差フィルムを製造したが、製造の前後で傷の発生もなく、本発明の位相差フィルム作成用版は充分な耐久性があることがわかった。
製造したパターン位相差フィルムと直線偏光板をディスプレイの前面に貼り合わせて、
右目用画像と左目用画像を表示させたところ、立体用メガネを着用して立体画像が視認できた。パターン位相差フィルムが所定の性能を備えた品質であることを確認できた。
本発明のパターン位相差フィルム作成用版は、これを使用して連続的に精度良くパターン位相差フィルムを作成することが可能で、位相差フィルム作成用版の耐久性も高く産業上有用に使用することができる。
1:基体
2:金属層
3:ダイアモンドライクカーボン層
4:レジスト層
5:硬化部
6:未露光部
10:位相差フィルム作成用版
12:第1の方向の配向性表面
13:第2の方向の配向性表面
22:露光装置
23:噴射用ノズル
31:シリンダー形状の位相差フィルム作成用版
32:研磨テープ
33:給紙部
34:巻取り部
35:ゴムロール
36:加圧装置
40:研磨装置
51:カラー画素のストライプ配列
52:配向性表面のパターン例
53:カラー画素のダイアゴナル配列
54:配向性表面のパターン例
55:カラー画素のデルタ配列
56:配向性表面のパターン例

Claims (6)

  1. 円筒状の基体と、該基体上に設けられた金属層と、該金属層上に所定のパターン状に配置されたダイアモンドライクカーボン層とからなる位相差フィルム作成用シリンダー版であって、
    前記金属層は第1の方向の配向性表面を有しており、前記ダイアモンドライクカーボン層は、前記第1の方向とは異なる第2の方向の配向性表面を有していることを特徴とする位相差フィルム作成用シリンダー版。
  2. 前記第1の方向の配向性表面が占める総面積と、前記第2の方向の配向性表面が占める総面積の比が1対1であることを特徴とする請求項1に記載の位相差フィルム作成用シリンダー版。
  3. 前記第2の方向の配向性表面を有しているダイアモンドライクカーボン層が、ダイアゴナル配列、または、デルタ配列を形成していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の位相差フィルム作成用シリンダー版
  4. 円筒状の基体の上に金属層を設ける工程と、
    該金属層表面を一定方向に研磨することにより、第1の方向の配向性表面を形成する工程と、
    該金属層の第1の方向の配向性表面上にレジストを塗布し、乾燥してレジスト層を形成する工程と、
    該レジスト層をパターン状に露光する工程と、
    該パターン状に露光したレジスト層を現像する工程と、
    該現像により露出した前記金属層の上、及び、パターン状に形成されたレジスト層の上にダイアモンドライクカーボン層を全面に形成する工程と、
    該パターン状に形成されたレジスト層の上に形成されたダイアモンドライクカーボン層を研磨により除去する工程と、
    前記金属層の上に形成されたダイアモンドライクカーボン層の表面に第2の方向の配向性表面を形成する工程と、
    前記金属層の上に形成されているレジスト層を除去する工程からなることを特徴とする位相差フィルム作成用シリンダー版の製造方法
  5. 前記第1の方向の配向性表面を形成する工程で形成する第1の方向の配向性表面が占める総面積と、前記第2の方向の配向性表面を形成する工程で形成する第2の方向の配向性表面が占める総面積の比が、1対1であることを特徴とする請求項4に記載の位相差フィルム作成用シリンダー版の製造方法。
  6. 前記レジスト層をパターン状に露光する工程で形成するパターンが、
    ダイアゴナル配列、または、デルタ配列を形成していることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の位相差フィルム作成用シリンダー版の製造方法。
JP2012036634A 2012-02-22 2012-02-22 位相差フィルム作成用シリンダー版及び位相差フィルム作成用シリンダー版の製造方法 Expired - Fee Related JP5948947B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012036634A JP5948947B2 (ja) 2012-02-22 2012-02-22 位相差フィルム作成用シリンダー版及び位相差フィルム作成用シリンダー版の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012036634A JP5948947B2 (ja) 2012-02-22 2012-02-22 位相差フィルム作成用シリンダー版及び位相差フィルム作成用シリンダー版の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013171253A JP2013171253A (ja) 2013-09-02
JP5948947B2 true JP5948947B2 (ja) 2016-07-06

Family

ID=49265186

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012036634A Expired - Fee Related JP5948947B2 (ja) 2012-02-22 2012-02-22 位相差フィルム作成用シリンダー版及び位相差フィルム作成用シリンダー版の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5948947B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6152083B2 (ja) * 2014-11-11 2017-06-21 日東電工株式会社 非偏光部を有する偏光子の製造方法

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4218372B2 (ja) * 2003-03-06 2009-02-04 コニカミノルタオプト株式会社 光学素子用金型の製造方法
US7217445B2 (en) * 2003-12-15 2007-05-15 Nitto Denko Corporation Aligned liquid crystal layer containing Lewis acids and process for increasing the tilt
JP2009090663A (ja) * 2007-09-20 2009-04-30 Think Laboratory Co Ltd グラビア両面同時印刷装置
JP4547641B2 (ja) * 2008-09-22 2010-09-22 ソニー株式会社 位相差板の製造方法
JP2011104952A (ja) * 2009-11-20 2011-06-02 Toshiba Corp インプリント用ブランクス、インプリント用テンプレート及びその製造方法
JPWO2012008326A1 (ja) * 2010-07-12 2013-09-09 デクセリアルズ株式会社 原盤の製造方法、配向膜の製造方法、位相差板の製造方法および表示装置の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013171253A (ja) 2013-09-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9310543B2 (en) Patterned retardation film for three-dimensional display and method for producing mold for patterned alignment film for three-dimensional display
JP5885348B2 (ja) パターニングされた位相差フィルムの製造方法
JP5948947B2 (ja) 位相差フィルム作成用シリンダー版及び位相差フィルム作成用シリンダー版の製造方法
JP5516565B2 (ja) 光学フィルムの製造装置及び光学フィルムの製造方法
JP2013140306A (ja) パターン位相差フィルムの製造方法
JP2013200356A (ja) 位相差フィルム作成用版及び位相差フィルム作成用版の製造方法
JP5845859B2 (ja) ラビング装置、ラビング方法及びパターン位相差フィルムの製造方法
JP2014010220A (ja) 光学フィルム、画像表示装置及び光学フィルムの製造用金型
JP2013113938A (ja) パターン位相差フィルム、画像表示装置、パターン位相差フィルムの製造用金型及びパターン位相差フィルムの製造方法
JP6209884B2 (ja) 光学フィルムの製造方法及び光学フィルム用賦型金型の製造方法
JP2007090595A (ja) 光学部品用成形型
JP5974604B2 (ja) パターン位相差フィルムの製造方法
JP2012242773A (ja) パターン位相差フィルムの作製方法、パターン位相差フィルム作製用の金型及びその作製方法
JP2012247508A (ja) パターン位相差フィルムの作製方法、パターン位相差フィルム作製用金型の作製方法
JP2012242519A (ja) 3次元表示用パターン配向膜用原版の製造方法
JP5772550B2 (ja) ラビング装置、ラビング方法及びパターン位相差フィルムの製造方法
JP2012242517A (ja) 3次元表示用パターン配向膜用原版の製造方法
JP2012242521A (ja) 3次元表示用パターン配向膜用原版の製造方法
JP2013120348A (ja) パターン位相差フィルムの製造用金型の製造方法及びパターン位相差フィルムの製造方法
JP2012226218A (ja) 3次元表示用パターン配向膜用原版およびその製造方法
JP2012247511A (ja) 3次元表示用パターン配向膜用原版の製造方法
JP2012242514A (ja) 3次元表示用パターン配向膜用原版の製造方法
JP2014059351A (ja) 光学フィルム、画像表示装置、光学フィルムの製造用金型、光学フィルムの製造方法及び光学フィルムの製造用金型の製造方法
JP2013015753A (ja) パターン位相差フィルムの製造方法
JP2013186177A (ja) 賦型用金型の製造方法及び賦型用金型の製造装置

Legal Events

Date Code Title Description
RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20130823

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20141219

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150925

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150929

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20151130

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160510

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160523

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5948947

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees