JP5974604B2 - パターン位相差フィルムの製造方法 - Google Patents

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本発明は、パッシブ方式による3次元画像表示に適用するパターン位相差フィルムに関するものである。
近年、3次元表示可能なフラットパネルディスプレイが提供されている。ここでフラットパネルディスプレイにおいて3次元表示をするには、通常、何らかの方式で右目用の画像と、左目用の画像とを、それぞれ選択的に視聴者の右目及び左目に提供することが必要である。右目用の画像と左目用の画像とを選択的に提供する方法としては、例えば、パッシブ方式が知られている。このパッシブ方式の3次元表示方式について図を参照しながら説明する。図5は、液晶表示パネルを使用したパッシブ方式の3次元表示の一例を示す概略図である。この図5の例では、液晶表示パネルの垂直方向に連続する画素を、順次交互に、右目用の画像を表示する右目用画素、左目用の画像を表示する左目用画素に振り分け、それぞれ右目用及び左目用の画像データで駆動し、これにより右目用の画像と左目用の画像とを同時に表示する。なおこれにより液晶表示パネルの画面は、短辺が垂直方向で長辺が水平方向となる帯状の領域により、右目用の画像を表示する領域と左目用の画像を表示する領域とに交互に区分されることになる。
さらにパッシブ方式では、液晶表示パネルのパネル面にパターン位相差フィルムを配置し、右目用及び左目用の画素からの直線偏光による出射光を、右目用及び左目用で回転方向の異なる円偏光に変換する。このためパターン位相差フィルムは、液晶表示パネルにおける領域の設定に対応して、遅相軸方向(屈折率が最大となる方向)が直交する2種類の帯状領域が順次交互に形成される。これによりパッシブ方式では、対応する偏光フィルタを備えてなる眼鏡を装着して、右目用の画像と左目用の画像とをそれぞれ選択的に視聴者の右目及び左目に提供する。なおここでこの隣接する帯状領域の遅相軸方向は、通常、水平方向に対して、+45度と−45度、0度と+90度、又は0度と−90度の何れかの組み合わせが採用される。なおこの図5の例では、通常の画像表示装置における呼称に習って画面の長辺方向を水平方向として示す。
このパッシブ方式は、応答速度の遅い液晶表示装置でも適用することができ、さらにパターン位相差フィルムと円偏光メガネとを用いた簡易な構成で3次元表示することができる。
このパッシブ方式に係るパターン位相差フィルムは、画素の割り当てに対応して透過光に位相差を与えるパターン状の位相差層が必要である。このパターン位相差フィルムに関して、特許文献1には、配向規制力を制御した光配向膜をガラス基板上に形成し、この光配向膜により液晶の配列をパターンニングして位相差層を作成する方法が開示されている。また特許文献2には、レーザーの照射によりロール版の周側面に微細な凹凸形状を形成し、この凹凸形状を転写してパターン状に配向規制力を制御した光配向膜を作製する方法が開示されている。
ところでパターン位相差フィルムを使用したディスプレイ装置において、白色画面を表示したところ、図6に示すように、あたかもモアレ縞のように、他の部位に比して明るさの異なる帯状領域OBが発生した。この帯状領域OBは、一般の動画を表示した場合にも、視聴者に不自然な印象を与えるものであった。このような他の部位に比して明るさの異なる帯状領域OBの発生は防止することが望まれる。
特開2005−49865号公報 特開2010−152296号公報
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、パターン位相差フィルムを使用したパッシブ方式の画像表示装置において、他の部位に比して明るさの異なる帯状領域の発生を防止することができるパターン位相差フィルム、このパターン位相差フィルムを使用した画像表示装置、パターン位相差フィルムの製造用金型、パターン位相差フィルムの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ね、パターン位相差フィルムの配向膜において、右目用領域及び左目用領域間の段差を小さくするとの着想に至り、本発明を完成するに至った。
具体的には、本発明では、以下のようなものを提供する。
(1) 透明フィルム材による基材上に、配向膜、位相差層が順次設けられ、
前記配向膜の配向規制力により前記位相差層で画像表示パネルからの出射光に対応する位相差を与え、
前記位相差層は、
右目用画像データで駆動される前記画像表示パネルの画素からの出射光に対応する位相差を与える帯状による右目用領域と、左目用画像データで駆動される前記画像表示パネルの画素からの出射光に対応する位相差を与える帯状による左目用領域とが順次交互に設けられ、
前記配向膜は、
前記右目用領域と左目用領域との間に、100μm以下、20nm以上の段差が設けられている。
(1)によれば、段差が小さいことにより、画像表示パネルからの斜め出射光に対して、右目用領域と左目用領域の交互の繰り返しによる規則性を緩和することができ、これにより他の部位に比して明るさの異なる帯状領域の発生を防止することができる。
(2) 画像表示装置において、(1)のパターン位相差フィルムを配置する。
(2)によれば、他の部位に比して明るさの異なる帯状領域の発生を防止することができる画像表示装置が構成される。
(3) 母材の表面に、ライン状の凹凸形状が作製された帯状による第1の領域と、前記第1の領域におけるライン状の凹凸形状とは延長方向が異なるライン状の凹凸形状が作製された帯状による第2の領域とが、順次、交互に作製されたパターン位相差フィルムの製造用金型であって、
前記第1の領域と第2の領域との間に、100μm以下、20nm以上の段差が設けられている。
(3)によれば、この製造用金型により製造されるパターン位相差フィルムにおいて、この第1及び第2の領域に対応する領域間の段差を小さくすることができ、この対応する領域の繰り返しによる規則性を緩和することができる。これにより他の部位に比して明るさの異なる帯状領域の発生を防止することができる。
(4) 製造用金型を作製する製造用金型の作製工程と、
前記製造用金型を使用した賦型処理により基材上に配向膜を作製する配向膜作製工程と、
前記配向膜の上に位相差層を作製する位相差層作製工程とを備え、
前記製造用金型は、
母材の表面に、ライン状の凹凸形状が作製された帯状による第1の領域と、前記第1の領域におけるライン状の凹凸形状とは延長方向が異なるライン状の凹凸形状が作製された帯状による第2の領域とが、順次、交互に作製され、
前記製造用金型の作製工程は、
前記母材の表面の全面に、前記第1の領域に対応するライン状の凹凸形状を作製する第1の凹凸形状作製工程と、
前記第1の凹凸形状作製工程によりライン状の凹凸形状が全面に作製された前記母材の表面の、前記第2の領域に対応する部位に、対応するラインの凹凸形状を備えた無機材料層を作製する無機材料層の作製工程とを備え、
前記無機材料層を膜厚100μm以下、20nm以上により作製する。
(4)によれば、パターン位相差フィルムにおける、第1及び第2の領域に対応する領域間の段差を小さくすることができ、この対応する領域の繰り返しによる規則性を緩和することができる。これにより他の部位に比して明るさの異なる帯状領域の発生を防止することができる。
本発明によれば、パターン位相差フィルムを使用したパッシブ方式の画像表示装置において、他の部位に比して明るさの異なる帯状領域の発生を防止することができる。
本発明の第1実施形態に係るパターン位相差フィルムを示す図である。 図1のパターン位相差フィルムの製造工程の説明に供する図である。 ロール版の製造工程を示す図である。 図3の続きを示す図である。 パッシブ方式による3次元画像表示の説明に供する図である。 他の部位に比して明るさの異なる帯状領域の説明に供する図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態に係る画像表示装置に適用されるパターン位相差フィルムを示す図である。この第1実施形態に係る画像表示装置は、垂直方向(図1(a)においては左右方向が対応する方向である)に連続する液晶表示パネルの画素が、順次交互に、右目用の画像を表示する右目用画素、左目用の画像を表示する左目用画素に振り分けられて、それぞれ右目用及び左目用の画像データで駆動される。これにより画像表示装置は、右目用の画像を表示する帯状の領域と、左目用の画像を表示する帯状の領域とに表示画面が交互に区分され、右目用の画像と左目用の画像とを同時に表示する。この画像表示装置は、この液晶表示パネルのパネル面に、この図1に示すパターン位相差フィルム1が配置され、このパターン位相差フィルム1により右目用及び左目用の画素からの出射光にそれぞれ対応する位相差を与える。これによりこの画像表示装置は、パッシブ方式により所望の立体画像を表示する。
ここでパターン位相差フィルム1は、TAC(トリアセチルセルロース)等の透明フィルムからなる基材2の一方の面上に、配向膜3、位相差層4が順次作製される。パターン位相差フィルム1は、位相差層4が屈折率異方性を保持した状態で固化(硬化)された液晶材料により形成され、この液晶材料の配向を配向膜3の配向規制力によりパターンニングする。なおこの液晶分子の配向を図1(a)では細長い楕円により誇張して示す。このパターンニングにより、パターン位相差フィルム1は、液晶表示パネルにおける画素の割り当てに対応して、一定の幅により、右目用の領域Aと左目用の領域Bとが順次交互に帯状に形成され、右目用及び左目用の画素からの出射光にそれぞれ対応する位相差を与える。
配向膜3は、基材2の表面に、微細な凹凸形状の賦型に供する樹脂である賦型用樹脂が塗付され、この賦型用樹脂の賦型処理により凹凸形状が作製される。この実施形態では、この賦型用樹脂に紫外線硬化性樹脂が適用される。なお紫外線硬化樹脂としては、アクリレート系、メタクリレート系、エポキシ系等の単量体、プレポリマー、或いはこれらの混合物にベンゾフェノン、芳香族ヨードニウム等の光重合開始剤を添加したものを適用することができる。
これによりパターン位相差フィルム1は、基材2の表面に紫外線硬化性樹脂5が塗布された後、この紫外線硬化性樹脂5の表面に微小な凹凸形状が形成され、この微小な凹凸形状により配向膜3が形成される。パターン位相差フィルム1は、後述する賦型用金型(製造用金型)の表面に作製された微小な凹凸形状を転写して、配向膜3に係る微小な凹凸形状が作製され、この凹凸形状による配向規制力により位相差層4をパターンニングする。このため配向膜3は、右目用及び左目用の帯状領域A及びBにそれぞれ対応する帯状の領域が順次交互に形成され、それぞれ微小な凹凸形状が作製される。ここでこの微小な凹凸形状は、一方向に延長するライン状(線状)の凹凸形状により形成され、この一方向に延長する方向が右目用領域Aと左目用領域Bとで90度異なる方向となるように、かつ各領域の延長方向(水平方向であり、図1(a)においては右上と左下とを結ぶ方向)に対して45度傾くように形成される。なおこの各領域の延長方向に対する傾きにあっては、基材2のリタデーションが無視できない程度に大きい場合には、リタデーション値に応じて、適宜、増減される。パターン位相差フィルム1は、この図1に示す基本構成に加えて、粘着層、セパレータフィルム、反射防止フィルム等が必要に応じて設けられる。
図2は、このパターン位相差フィルム1の製造工程を示す略線図である。この製造工程10は、基材2がロールにより提供され、この基材2を供給リール11から供給する。製造工程10は、ダイ12によりこの基材2に紫外線硬化樹脂の塗布液を塗布する。この製造工程10において、ロール版20は、パターン位相差フィルム1の配向膜3に係る凹凸形状が周側面に形成された円筒形状の賦型用金型である。製造工程10は、紫外線硬化樹脂が塗布された基材2を加圧ローラ14によりロール版20の周側面に押圧し、高圧水銀燈からなる紫外線照射装置15による紫外線の照射により紫外線硬化樹脂を硬化させる。これにより製造工程10は、ロール版20の周側面に形成された凹凸形状を基材2に転写する。その後、剥離ローラ16によりロール版20から基材2を剥離し、ダイ19により液晶材料を塗布する。またその後、紫外線照射装置17による紫外線の照射により液晶材料を硬化させた後、巻き取りリール18に巻き取る。パターン位相差フィルム1は、この巻き取りリール18に巻き取ったシート材に、必要に応じて粘着層、反射防止層等を形成した後、所望の大きさに切断して作製される。これによりパターン位相差フィルム1は、ロールにより提供される基材2を連続して処理して効率良く大量生産される。
図3及び図4は、パターン位相差フィルムの製造用金型であるロール版20の製造工程を示す図である。なおこの図3及び図4において、パターン位相差フィルム1の領域A、Bに対応する領域を、それぞれ符号ARA、ARBにより示す。この製造工程では、面出し工程において、母材40の周側面を切削により平滑化する。続いてこの製造工程は、下地層41が作製される(図3(a))。ここで母材40は、ロール版20の外形形状に対応する円筒形状の金属材料である。母材40は、加工のしやすさや寸法安定性などから金属材料であることが好ましく、ニッケル、クロム、ステンレス、銅などであることがより好ましい。なおこの実施形態において、母材40は、銅が適用される。
下地層41は、上層に設けられる材料層について、母材40に対する密着力を強化するために設けられる。この実施形態では、下地層41は、無電解メッキにより、リンをドープしたニッケル層により膜厚500nmで作製される。
続いてこの工程は、下地層41の上に、第1の無機材料層42を作製する。この実施形態では、この第1の無機材料層42にニッケル層が適用され、スパッタリングにより膜厚100nmのニッケル層を作製する。なおこの第1の無機材料層42には、金属材料、無機酸化物、無機窒化物、無機炭化物などの各種無機材料を広く適用することができるものの、加工のしやすさなどから、クロム、チタン、ニッケル、タングステン、ステンレス系金属材料、アルミ、SiO、SiO、Al、Cr、TiO、Si、AlN、TiN、SiONy、SiC、WC、DLCなどを適用することができる。
続いてこの工程は、図3(b)に示すように、第1の凹凸形状作製工程において、第1の無機材料層42の全面に微小なライン状の凹凸形状を形成する。ここでこのライン状凹凸形状は、配向膜3の右目用領域又は左目用領域の凹凸形状に対応する微小な凹凸形状である。この実施形態では、ラビング布を使用したラビング処理によりこの凹凸形状が作製される。なお図3及び図4では、便宜上、ラビングロールRによりラビング処理を示す。
続いてこの工程は、マスク作製工程において、レジスト材料により、右目用領域Aに対応する領域ARAを被覆し、かつ左目用領域Bに対応する領域ARBを露出させたマスク43が作製される(図3(c))。すなわちこの工程では、ポジ型のレジスト剤を全面に塗布した後、露光、現像処理することにより、左目用領域Bに対応する領域ARBを露出させたマスクが作製される。なおレジスト材料としては特に限定されるものではなく、ネガ型レジスト材料を適用しても良い。また塗布方法、露光方法にあっても種々の手法を広く適用することができる。
続いて図4(d)に示すように、薄膜作製工程において、全面に、第2の無機材料層44が作製される。この実施形態では、スパッタリングにより所定膜厚tのニッケル層を作製し、これによりこの第2の無機材料層44にニッケル層が適用される。なおこの第2の無機材料層44は、金属材料、無機酸化物、無機窒化物、無機炭化物などの各種無機材料を広く適用することができるものの、加工のしやすさなどから、クロム、チタン、ニッケル、タングステン、ステンレス系金属材料、アルミ、SiO、SiO、Al、Cr、TiO、Si、AlN、TiN、SiONy、SiC、WC、DLCなどから選択される。
続いて図4(e)に示すように、第2の凹凸形状作製工程において、第1の無機材料層42におけるライン状の凹凸形状の延長方向とは異なる方向(この実施形態では第1の無機材料層42におけるラビング方向とは90度の角度をなす方向である)に全面をラビング処理し、第2の無機材料層(ニッケル層)44の表面に凹凸形状を作製する。その後、製造工程は、図4(f)に示すように、続くレジスト除去工程において、マスク43を、その上層の第2の無機材料層44と共に除去する。これらによりこの製造工程は、2回の凹凸形状作製処理により配向膜3の領域A及びBに対応する凹凸形状を作製し、ロール版20を作製する。
〔段差の設定〕
ところでこのようにして第1及び第2の無機材料層42、44を順次成膜して作製する場合、ロール版20においては、第2の無機材料層44の厚みt(図4(f))の分だけ、右目用領域及び左目用領域に対応する領域ARA、ARB間に段差が発生する。従って図1(b)に部分的に拡大して示すように、パターン位相差フィルム1では、このロール版20における段差に対応して、右目用領域A及び左目用領域Bに段差tが発生することになる。
ここで図6について上述した他の部位に比して明るさの異なる帯状領域OBは、見る方向を変化させるとその形状が変化することにより、モアレと同様に、規則正しい繰り返し模様の重ね合わせにより視覚的に発生するものと考えられる。画像表示パネルでは、マトリックス状に画素が配置され、画素間にはいわゆるブラックマトリックスによる遮光部が設けられる。これに対してパターン位相差フィルムにおいては、位相差層に右目用の領域と左目用の領域とが交互に設けられ、この右目用及び左目用の領域間の境界が、画像表示パネルの遮光部と重なり合うように配置される。しかしながらこのように右目用及び左目用の領域間の境界が、画像表示パネルの遮光部に重なり合うように配置しても、各画素から斜め出射する出射光は、右目用及び左目用の領域間の境界を透過することになり、これによりパターン位相差フィルムにおける右目用領域及び左目用領域の作製周期と、画像表示パネルにおける遮光部の作製周期との規則性により帯状領域OBが観察されると考えられる。パターン位相差フィルム1において、段差tは、パターン位相差フィルムにおける右目用領域及び左目用領域の作製周期を強調する構成であると言え、この段差を小さくすることができれば、右目用領域及び左目用領域の作製周期による規則性を緩和して、他の部位に比して明るさの異なる帯状領域OBの発生を低減することができると考えられる。
そこでこの実施形態では、第2の無機材料層44を厚み100μm以下、20nm以上により成膜し(図4(d))、より具体的には、厚み50nmにより成膜し、これによりロール版20において、右目用領域及び左目用領域に対応する領域ARA、ARB間に段差を100μm以下、20nm以上である50nmに設定した(図4(e))。またこれによりパターン位相差フィルム1における右目用領域A及び左目用領域Bの段差を100μm以下、20nm以上である50nmに設定し(図1(b))、これにより帯状領域の発生を防止した。なお実験した結果によれば、この段差を100μm以下、20nm以上であるように設定すれば、実用上充分に視認することが困難な程度に、帯状領域の発生を低減できることが判った。
すなわち第2の無機材料層44の厚みが100nmを超えると、上述したモアレ縞のようなムラが顕著に観察されることになる。またこれとは逆に、この厚みが20nmを下回ると、第2の凹凸形状作製工程において領域ARBを十分に覆うことができず、第1の凹凸形状作製工程において作製された微細な凹凸形状が、その上層の第2の無機材料層44の表面に現れることになる。その結果、第1の凹凸形状作製工程において作製された微細な凹凸形状と第2の凹凸形状作製工程において作製された微細な凹凸形状が混在することとなり、位相差層における液晶の配列を乱し、μオーダーの領域における遅相軸の方向のばらつきが大きくなり、引いては立体表示の品質が低下することになる。
この実施形態では、パターン位相差フィルムの配向膜における右目用領域と左目用領域との間の段差を、100μm以下、20nm以上に設定することにより、他の部位に比して明るさの異なる帯状領域の発生を防止することができる。
またこのパターン位相差フィルムの製造用金型において、対応する領域間の段差を100μm以下、20nm 以上に設定することにより、この金型を使用して配向膜を作成するパターン位相差フィルムにおいて、他の部位に比して明るさの異なる帯状領域の発生を防止することができる。
〔他の実施形態〕
以上、本発明の実施に好適な具体的な構成を詳述したが、本発明は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述の実施形態の構成を種々に変更し、さらに組み合わせることができる。
すなわち上述の実施形態では、配向膜における段差を小さくすることにより帯状領域の発生を防止する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、この構成に加えて、右目用領域A及び左目用領域B間の境界を蛇行させたり、幅広にすることにより、一段と確実に他の部位に比して明るさの異なる帯状領域の発生を防止することができる。
また上述の各実施形態の構成に加えて、右目用領域A及び左目用領域Bの領域幅を可変(変調)することにより、右目用領域A及び左目用領域Bの繰り返しによる規則性を緩和し、帯状領域の発生を一段と防止するようにしても良い。なおこの場合、例えば連続する右目用領域A及び左目用領域Bを一定本数毎区切ってグループ化し、各グループ単位で領域幅を可変しても良い。また領域単位で、ランダムに、又は一定のピッチで領域幅を可変しても良い。またさらに各領域の長手方向で領域幅を可変しても良い。
また上述の各実施形態の構成に加えて、画像表示パネル側の遮光部の処理により帯状領域の発生を一段と防止するようにしても良い。なおこの遮光部の処理にあっては、例えば遮光部のエッジを蛇行させる場合、遮光部の幅を可変(変調)する場合等、種々の手法を広く適用することができる。
また上述の実施形態の構成に加えて、斜めに傾いた微細な凹溝をロール版に作製し、これによりパターン位相差フィルムの配向層に斜めに傾いた微細な凸条を作製するようにしても良い。なおこのような凹溝の作製は、例えばロール版の面出し工程(図3(a))において、面出しに供する工具の軌跡を円周接線方向に対して斜めに傾けることにより実行することができる。
また上述の実施形態では、紫外線硬化性樹脂を賦型用樹脂に適用する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、紫外線硬化性樹脂以外の各種の賦型用樹脂を広く適用することができ、また軟化させた基材を直接ロール版に押し付けて賦型する場合にも広く適用することができる。
また上述の実施形態では、ロール版によりパターン位相差フィルムを生産する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、平板によりパターン位相差フィルムを生産する場合にも広く適用することができる。
また上述の実施形態では、液晶表示パネルの使用を前提とする場合について述べたが、本発明はこれに限らず、有機ELパネル、プラズマディスプレイパネルの使用を前提とする場合にも広く適用することができ、また偏光フィルタを一体に設ける場合にも広く適用することができる。
1 パターン位相差フィルム
2 基材
3 配向膜
4 位相差層
5 賦型層
10 製造工程
11 供給リール
12、19 ダイ
14 加圧ローラ
15、17 紫外線照射装置
16 剥離ローラ
18 巻き取りリール
20 ロール版
40 母材
41 下地層
42、44 無機材料層
43 マスク

Claims (1)

  1. 製造用金型を作製する製造用金型の作製工程と、
    前記製造用金型を使用した賦型処理により基材上に配向膜を作製する配向膜作製工程と、
    前記配向膜の上に位相差層を作製する位相差層作製工程とを備え、
    前記製造用金型は、
    母材の表面に、ライン状の凹凸形状が作製された帯状による第1の領域と、前記第1の領域におけるライン状の凹凸形状とは延長方向が異なるライン状の凹凸形状が作製された帯状による第2の領域とが、順次、交互に作製され、
    前記製造用金型の作製工程は、
    前記母材の表面の全面に、前記第1の領域に対応するライン状の凹凸形状を作製する第1の凹凸形状作製工程と、
    前記第1の凹凸形状作製工程によりライン状の凹凸形状が全面に作製された前記母材の表面の、前記第2の領域に対応する部位に、対応するライン凹凸形状を備えた無機材料層を作製する無機材料層の作製工程とを備え、
    前記無機材料層を膜厚100μm以下、20nm以上により作製する
    パターン位相差フィルムの製造方法。
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