JP2015184438A - パターン位相差フィルム、光学フィルム、画像表示装置及びパターン位相差フィルムの製造方法 - Google Patents

パターン位相差フィルム、光学フィルム、画像表示装置及びパターン位相差フィルムの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ロールにより提供される長尺透明フィルムの連続した処理により生産されるパターン位相差フィルムに関して、糊抜けの部位の発生を低減する。
【解決手段】長尺透明フィルムによる基材2を順次処理して作成されるパターン位相差フィルム1において、透過光に位相差を付与する第1の領域と、前記第1の領域とは異なる位相差を透過光に付与する第2の領域とが順次交互に設けられた位相差層4を備え、さらに粘着剤層5とセパレータフィルム6とを備える。全周において、基材2が粘着剤層5より外方に突出するように端面が斜めに作成される。
【選択図】図4

Description

本発明は、パッシブ方式による3次元画像表示装置に係るパターン位相差フィルムに関するものである。
近年、パッシブ方式により3次元画像を表示する画像表示装置が提供されている。ここで図5は、液晶表示パネルを使用したパッシブ方式の画像表示装置を示す概略図である。パッシブ方式の画像表示装置は、垂直方向又は水平方向(この図5の例では、垂直方向)に連続する液晶表示パネルの画素を、順次交互に、右目用及び左目用に割り当て、それぞれ右目用及び左目用の画像データで駆動し、これにより右目用の画像と左目用の画像とを同時に表示する。また液晶表示パネルのパネル面(視聴者側面)にパターン位相差フィルムを配置し、右目用の画素及び左目用の画素からの直線偏光による出射光を、右目用及び左目用で方向の異なる円偏光に変換する。これによりパッシブ方式では、対応する偏光フィルタを備えてなる眼鏡を装着して、右目用の画像と左目用の画像とをそれぞれ選択的に視聴者の右目及び左目に提供し、3次元画像を表示する。
このためパターン位相差フィルムは、液晶表示パネルにおける画素の設定に対応して、遅相軸方向(屈折率が最大となる方向)が直交する2種類の帯状領域が順次交互に形成される。これによりパッシブ方式では、対応する偏光フィルタを備えてなる眼鏡を装着して、右目用の画像と左目用の画像とをそれぞれ選択的に視聴者の右目及び左目に提供する。なおここでこの隣接する帯状領域の遅相軸方向は、通常、水平方向に対して、+45度と−45度の組み合わせ、又は0度と+90度の組み合わせが採用される。なおこの図5の例では、通常の画像表示装置における呼称に習って画面の長辺方向を水平方向として示す。
このパッシブ方式は、応答速度の遅い画像表示装置でも適用することができ、さらにパターン位相差フィルムと円偏光メガネとを用いた簡易な構成で3次元表示することができる。なおパッシブ方式の画像表示装置では、図5の例による垂直方向に代えて、水平方向に連続する画素を順次交互に右目用及び左目用に振り分ける方法も採用される。
このパッシブ方式に係るパターン位相差フィルムは、画素の割り当てに対応して透過光に位相差を与えるパターン状の位相差層が必要である。このパターン位相差フィルムに関して、特許文献1には、配向規制力を制御した光配向層をガラス基板上に形成し、この光配向層により液晶の配列をパターンニングして位相差層を作製する方法が開示されている。また特許文献2には、レーザービームの照射によりロール版の周側面に微細な凹凸形状を形成し、この凹凸形状を転写してパターン状に配向規制力を制御した配向層を作製する方法が開示されている。
パターン位相差フィルムは、長尺透明フィルムである基材を順次処理して位相差層等が設けられた後、さらに粘着剤層、セパレータフィルムが設けられ、その後、所望の大きさに切断されて作製される。これによりパターン位相差フィルムは、ロール材の連続した処理により効率良く生産される。またセパレータフィルムを剥離することにより粘着材層が露出し、この粘着剤層により貼り付け対象に貼り付けて保持される。
ところでパターン位相差フィルムは、図6に示すように、端部に、本来存在すべきはずの粘着剤が存在しない部位(以下、糊抜けの部位と呼ぶ)が発生する場合がある。種々に検討したところ、糊抜けは、パターン位相差フィルムの端部が種々の部材に接触し、この接触した部位の粘着剤が接触対象に付着して除去されることにより発生することが判った。なおこのような糊抜けに係る部材は、例えば工程における各種の設備、部材のみならず、生産した他のパターン位相差フィルムも含まれる。
このような糊抜けの部位は、パターン位相差フィルムを画像表示パネルに貼り付けた際に、画像表示パネルのパネル面から局所的に浮き上がった部位となる。これにより糊抜けの部位が発生すると、パターン位相差フィルム1は、画像表示装置としての信頼性が劣化することになる。また糊抜けの部位が発生する場合には、パターン位相差フィルムに接触した部材に粘着剤が付着して取り残されていることにより、この取り残された粘着剤がパターン位相差フィルムに付着する等によりパターン位相差フィルムの生産が害されることになる。
特開2005−49865号公報 特開2010−152296号公報
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、ロールにより提供される長尺の透明フィルムの連続した処理により生産されるパターン位相差フィルムに関して、糊抜けの部位の発生を低減することができるようにする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ね、斜めの切断により、パターン位相差フィルムの全周において、基材が粘着剤層より外方に突出するようにパターン位相差フィルムを作成する、との着想に至り、本発明を完成するに至った。
(1) 長尺透明フィルムによる基材を順次処理して作成されるパターン位相差フィルムにおいて、
透過光に位相差を付与する第1の領域と、前記第1の領域とは異なる位相差を透過光に付与する第2の領域とが順次交互に設けられた位相差層を備え、
さらに粘着剤層とセパレータフィルムとを備え、
全周において、前記基材が前記粘着剤層より外方に突出するように、端面が斜めに作成される。
(1)によれば、配向膜作成工程、位相差層作成工程等により順次長尺透明フィルム材を処理して作成されるパターン位相差フィルムにおいて、全周で、粘着剤層より基材が外方に突出していることにより、端面に部材が接触する場合に、この部材が粘着剤層に接触しないようにし、さらには粘着剤層端面との接触面積を低減することができ、これによりこの接触した部材により粘着剤が持ち去られないようにして、糊抜けの部位の発生を低減することができる。
(2) (1)において、
前記端面と前記基材側の表面との成す角度が、50度以上、75度以下である。
(2)によれば、一段と確実に、端面に接触した部材が粘着剤層に接触しないようにし、さらにはこの部材の粘着剤層端面との接触面積を低減することができ、一段と確実に糊抜けの部位の発生を低減することができる。
(3) (1)又は(2)に記載のパターン位相差フィルムが、直線偏光板に貼り合わされた光学フィルム。
(3)によれば、糊抜けの部位の発生を低減してなるパターン位相差フィルムと直線偏光板とを一体化してなる光学フィルムを提供することができる。
(4) (3)に記載の光学フィルムを画像表示パネルのパネル面に配置した画像表示装置。
(4)によれば、糊抜けの部位の発生を低減してなるパターン位相差フィルムを使用して、3次元画像表示可能な画像表示装置を提供することができる。
(5) 長尺透明フィルムによる基材を順次処理してパターン位相差フィルムを作成するパターン位相差フィルムの製造方法において、
透過光に位相差を付与する第1の領域と、前記第1の領域とは異なる位相差を透過光に付与する第2の領域とが順次交互に設けられた位相差層を前記基材に作製する位相差層作成工程と、
前記基材及び位相差層の積層体に粘着剤層、セパレータフィルムを設ける粘着剤層作成工程と、
前記基材、位相差層、粘着剤層、セパレータフィルムの積層体を切断して前記パターン位相差フィルムを作成する切断工程とを備え、
前記切断工程は、
全周において、前記基材が前記粘着剤層より外方に突出するように、前記基材、位相差層、粘着剤層、セパレータフィルムの積層体を斜めに切断する。
(5)によれば、配向膜作成工程、位相差層作成工程等により順次長尺透明フィルム材を処理してパターン位相差フィルムを作成する場合において、パターン位相差フィルムの全周で、粘着剤層より基材が外方に突出していることにより、端面に部材が接触する場合に、この部材が粘着剤層に接触しないようにし、さらには粘着剤層端面との接触面積を低減することができ、これによりこの接触した部材により粘着剤が持ち去られないようにして、糊抜けの部位の発生を低減することができる。
本発明は、ロールにより提供される長尺透明フィルムの連続した処理により生産されるパターン位相差フィルムに関して、糊抜けの部位の発生を低減することができる。
本発明の第1実施形態に係るパターン位相差フィルムの説明に供する図である。 図1のパターン位相差フィルムの製造工程を示すフローチャートである。 図1のパターン位相差フィルムの露光工程の説明に供する図である。 切断工程の説明に供する図である。 パッシブ方式による3次元画像表示の説明に供する図である。 糊抜けの部位の説明に供する図である。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態に係る画像表示装置に適用されるパターン位相差フィルムを示す図である。この第1実施形態に係る画像表示装置は、垂直方向(図1においては左右方向が対応する方向である)に連続する液晶表示パネルの画素が、順次交互に、右目用の画像を表示する右目用画素、左目用の画像を表示する左目用画素に振り分けられて、それぞれ右目用及び左目用の画像データで駆動される。これにより画像表示装置は、右目用の画像を表示する帯状の領域と、左目用の画像を表示する帯状の領域とに表示画面が交互に区分され、右目用の画像と左目用の画像とを同時に表示する。この画像表示装置は、この液晶表示パネルのパネル面(視聴者側面)に、パターン位相差フィルム1が配置され、このパターン位相差フィルム1により右目用及び左目用の画素からの出射光にそれぞれ対応する位相差を与える。これによりこの画像表示装置は、パッシブ方式により所望の立体画像を表示する。
ここでパターン位相差フィルム1は、TAC(トリアセチルセルロース)、アクリル、シクロオレフィンポリマー等の透明フィルムからなる基材2の一方の面上に、配向層3、位相差層4、感圧粘着剤による粘着剤層5、セパレータフィルム6が順次設けられる。パターン位相差フィルム1は、セパレータフィルム6を引き剥がして粘着剤層5を露出させた後、この粘着剤層5により液晶表示パネルに係る直線偏光板に貼り付けられる。パターン位相差フィルムは、その後、この直線偏光板と一体に画像表示パネルのパネル面に貼り付けられることにより、画像表示パネルのパネル面に配置される。なお基材2は、種々の透明フィルム材を広く適用することができるものの、光学的等方性に優れ、光学的特性に優れたTACのフィルム材を適用することが好ましい。粘着剤層5は、例えばアクリル系粘着剤等、この種の光学フィルムの貼り合せに使用する各種の粘着剤を適用することができる。セパレータフィルム6は、この実施形態では、後工程での透過光による光学特性(欠陥)の検査の妨げにならないように、透明であって、かつ配向性の小さなフィルムが適用される。より具体的に、ポリエチレンフィルム、PET(Polyethylene terephthalate)フィルム等を適用することができる。
パターン位相差フィルム1は、屈折率異方性を保持した状態で固化(硬化)された液晶材料により位相差層4が形成され、この液晶材料の配向を配向層3の配向規制力によりパターンニングする。なおこの液晶分子の配向を図1では細長い楕円により誇張して示す。このパターンニングにより、パターン位相差フィルム1は、液晶表示パネルにおける画素の割り当てに対応して、一定の幅により、右目用の領域Aと左目用の領域Bとが順次交互に帯状に形成され、右目用及び左目用の画素からの出射光にそれぞれ対応する位相差を与える。
パターン位相差フィルム1は、光配向材料により光配向材料層が作製された後、いわゆる光配向の手法によりこの光配向材料層に直線偏光による紫外線を照射し、これにより光配向の手法を適用して配向層3が形成される。ここでこの光配向材料層に照射する紫外線は、その偏光の方向が右目用の領域(第1の領域)Aと左目用の領域(第2の領域)Bとで90度異なるように設定され、これにより位相差層4に設けられる液晶材料に関して、右目用の領域Aと左目用の領域Bとで対応する向きに液晶分子を配向させ、透過光に対応する位相差を与える。なお光配向材料は、光配向の手法を適用可能な各種の材料を適用することができるものの、この実施形態では、一旦配向した後には、紫外線の照射によって配向が変化しない、例えば光2量化型の材料を使用する。なおこの光2量化型の材料については、「M.Schadt, K.Schmitt, V. Kozinkov and V. Chigrinov : Jpn. J. Appl.Phys., 31, 2155 (1992)」、「M. Schadt, H. Seiberle and A. Schuster : Nature, 381, 212 (1996)」等に開示されており、例えば「ROP-103」(Rolic technologies Ltd.社製)の商品名により既に市販されている。
さらにこの実施形態において、パターン位相差フィルム1は、基材2の他方の面に、反射防止層7、保護フィルム8が順次設けられる。ここで反射防止層7は、外光の写り込みによる視認性の劣化を防止するための防眩性ハードコート層と、いわゆるクリア系反射防止表面材の塗布により白っぽさを低減してコントラストを向上させる低反射層との積層により構成され、これによりこの実施形態では透明感を確保して反射率を低減し、高品位の画像を表示する。
保護フィルム8は、生産過程、搬送過程等において、パターン位相差フィルム1の傷つきを防止するために配置される。保護フィルム8は、この実施形態では、後工程での透過光による光学特性(欠陥)の検査の妨げにならないように、透明であって、かつ配向性の小さなフィルムが適用される。より具体的に、ポリエチレンフィルム、PET(Polyethylene terephthalate)フィルム等を適用することができる。
〔位相差層〕
位相差層4は、重合性液晶組成物を含有する。この重合性液晶組成物は、液晶性を示し分子内に重合性官能基を有する液晶化合物(以下、「棒状化合物」ともいう。)のほか、アンチブロッキング剤等を含有させることができる。
棒状化合物は、屈折率異方性を有し、配向層3の配向規制力により規則的に配列することにより、所望の位相差性を付与する機能を有する。棒状化合物として、例えば、ネマチック相、スメクチック相等の液晶相を示す材料が挙げられるが、他の液晶相を示す液晶化合物と比較して規則的に配列させることが容易である点で、ネマチック相を示す棒状化合物を用いることがより好ましい。
本実施形態において用いられる棒状化合物の具体例としては、例えば、下記式(1)〜(16)で表される化合物を例示できる。
Figure 2015184438
Figure 2015184438
〔製造工程〕
図2は、このパターン位相差フィルム1の製造工程を示すフローチャートである。パターン位相差フィルム1の製造工程は、ロールに巻き取った長尺フィルムにより基材2が提供され、反射防止層作成工程SP2において、基材2の表面処理により、基材2に防眩性ハードコート層、低反射層が順次作成されて反射防止層7が作成される。なお低反射層にあっては、防眩性ハードコート層、低反射層に係る各種の構成を広く適用することができる。製造工程では、このようにして反射防止層を作成してなる基材が、一旦、ロールに巻き取られてパターン位相差フィルム1に係る原反として次工程に供給される。
製造工程では、この次工程に係る続く配向層作成工程SP3において、光配膜に係る塗工液がダイ等により塗布された後、乾燥、焼成され、これにより光配向材料層が作製される。続いてこの配向層作成工程SP3は、露光工程により紫外線を照射して光配向層が作製される。ここで露光工程では、マスクを使用した直線偏光による紫外線の照射により、右目用領域又は左目用領域に対応する領域を選択的に露光処理した後、偏光方向が直交する直線偏光による紫外線を全面に照射することにより、実行される。
続いてこの製造工程は、位相差層作製工程SP4において、ダイ等により液晶材料の塗工液を塗工、乾燥させた後、紫外線の照射によりこの液晶材料を硬化させ、位相差層4が作製される。製造工程は、続く保護フィルム配置工程SP5において、保護フィルム8が配置される。また続く粘着剤層作成工程SP6において、粘着剤層5、セパレータフィルム6を配置する。また続く切断工程SP7において、所望の大きさに切り出してパターン位相差フィルム1が作製される。より具体的に、この実施形態では、基材2に位相差層4等を積層してなる積層体を搬送しながら、基材2の幅方向にこの積層体を3分割してそれぞれロールに巻き取る。またこのロールから積層体を引き出して所望の大きさに切断することによりパターン位相差フィルム1を作成する。この製造工程は、続く検査工程SP8において、欠陥、外観等が検査される。
図3は、露光工程の詳細を示す図である。この製造工程は、右目用の領域A又は光目用の領域Bに対応する部位を遮光したマスク16を介して、直線偏光による紫外線(偏光紫外線)を照射することにより、遮光されていない側の、左目用の領域B又は右目用の領域Aについて、光配向材料膜を所望の方向に配向させる(図3(A))。これによりこの製造工程は、1回目の露光処理を実行する。続いてこの製造工程は、1回目の露光処理とは偏光方向が90度異なる直線偏光により全面に紫外線を照射し、これにより1回目の露光処理で未露光の右目用領域A又は左目用領域Bを露光処理し、右目用の領域A又は光目用の領域Bについて、光配向材料膜を所望の方向に配向させる(図3(B))。これによりこの製造工程では、2回の露光処理により、右目用の領域Aと左目用の領域Bとを順次露光処理して配向層3を作製する。
〔パターン位相差フィルムの詳細構成〕
図4は、パターン位相差フィルム1の端部を詳細に示す図である。パターン位相差フィルム1は、全周において、基材2が粘着剤層5より外方に突出するように、端面が斜めに作成される。ここでパターン位相差フィルム1は、切断工程SP7における斜めの切断により、より具体的には、切断に供する積層体表面の鉛直方向に対して、斜めに傾いた方向よりレーザービームを斜め照射してこの積層体を切断することにより、端面が斜めに作成される。なお切断方法は、このように斜めに切断できることを前提に、例えばトムソン刃により切断する場合等、種々の手法を広く適用することができる。
このように全周において、基材2が粘着剤層5より外方に突出するように、端面を斜めに作成すれば、パターン位相差フィルムの端面に部材が接触する場合に、粘着剤層5の端面により先に基材2の端面がこの部材に接触することになる。またこの実施形態では、さらに基材2より先に、保護フィルム8の端面、反射防止層7の端面が当該部材に接触することになる。これにより粘着剤層5の端面に当該部材が接触する頻度を従来に比して格段的に低減することができる。また仮に基材2等が端部で変形することにより、粘着剤層5の端面に当該部材が接触する場合でも、粘着剤層5の端面と当該部材との接触面積を従来に比して格段的に低減することができる。これらにより糊抜けの部位の発生を充分に低減することができる。またこのようにパターン位相差フィルム1の全周で、基材2が粘着剤層5より外方に突出するように設定することにより、何れの部位に部材が接触する場合でも、糊抜けの部位の発生を確実に低減することができる。
パターン位相差フィルム1は、このように端面を斜めに作成するようにして、端面と基材2側表面との成す角度θが、50度以上、75度以下であるように設定される。すなわちこの角度θが小さい場合には、基材2の端部から粘着剤層5の端部までの距離を充分に確保することができるものの、部材への接触により基材2の端部が変形し易くなり、その結果、糊抜けの部位の発生を十分に低減できなくなる。特に50度より小さくなると切断時にフィルムのたわみなどの問題から安定して切断することが難しくなる。しかしながらこれとは逆に、角度θが90度に近づくと、基材2の端部から粘着剤層5の端部までの距離を充分に確保することが困難になり、これによりこの場合も糊抜けの部位の発生を十分に低減できなくなる。これによりこのように角度θが、50度以上、75度以下であるように設定されば、一段と確実に糊抜けの部位の発生を低減することができる。
〔他の実施形態〕
以上、本発明の実施に好適な具体的な構成を詳述したが、本発明は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述の実施形態の構成を種々に変更することができる。
すなわち上述の実施形態では、位相差層の上に粘着剤層、セパレータフィルムを配置する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、基材の位相差層を設けた側とは逆側に粘着剤層、セパレータフィルムを設ける場合にも広く適用することができる。
また上述の実施形態では、マスクを使用した露光処理の後、全面を露光処理して光配向層を作製する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、これとは逆に全面を露光処理した後、マスクを使用して露光処理して光配向層を作製する場合、さらにはマスクを使用した露光処理の繰り返しにより光配向層を作製する場合等に広く適用することができる。なお1回目の露光処理で全面に紫外線を照射した後、2回目の露光処理でマスクを使用して露光処理する場合、配向層3には、繰り返しの露光処理により配向方向がその都度変化する材料が適用される。このような材料としては、例えば、光異性化反応型の光配向材料を使うことができる。なお光異性化に関しては、「W.M. Gibbons, P.J.Shannon, S.T. Sun and B.J. Swetlin : Nature, 351, 49 (1991)」で報告されている。
また上述の実施形態では、光配向層により配向層を作製する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、ラビング処理痕の賦型処理により配向層を作製する場合にも広く適用することができる。
1 パターン位相差フィルム
2 基材
3 配向層
4 位相差層
5 粘着剤層
6 セパレータフィルム
7 反射防止層
8 保護フィルム
16 マスク

Claims (5)

  1. 長尺透明フィルムによる基材を順次処理して作成されるパターン位相差フィルムにおいて、
    透過光に位相差を付与する第1の領域と、前記第1の領域とは異なる位相差を透過光に付与する第2の領域とが順次交互に設けられた位相差層を備え、
    さらに粘着剤層とセパレータフィルムとを備え、
    全周において、前記基材が前記粘着剤層より外方に突出するように、端面が斜めに作成された
    パターン位相差フィルム。
  2. 前記端面と前記基材側の表面との成す角度が、50度以上、75度以下である
    請求項1に記載のパターン位相差フィルム。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のパターン位相差フィルムが、直線偏光板に貼り合わされた
    光学フィルム。
  4. 請求項3に記載の光学フィルムを画像表示パネルのパネル面に配置した
    画像表示装置。
  5. 長尺透明フィルムによる基材を順次処理してパターン位相差フィルムを作成するパターン位相差フィルムの製造方法において、
    透過光に位相差を付与する第1の領域と、前記第1の領域とは異なる位相差を透過光に付与する第2の領域とが順次交互に設けられた位相差層を前記基材に作製する位相差層作成工程と、
    前記基材及び位相差層の積層体に粘着剤層、セパレータフィルムを設ける粘着剤層作成工程と、
    前記基材、位相差層、粘着剤層、セパレータフィルムの積層体を切断して前記パターン位相差フィルムを作成する切断工程とを備え、
    前記切断工程は、
    全周において、前記基材が前記粘着剤層より外方に突出するように、前記基材、位相差層、粘着剤層、セパレータフィルムの積層体を斜めに切断する
    パターン位相差フィルムの製造方法。
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