JP2015184436A - パターン位相差フィルム、光学フィルム及び画像表示装置 - Google Patents

パターン位相差フィルム、光学フィルム及び画像表示装置 Download PDF

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裕介 橋本
藍 新貝
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Abstract

【課題】ロールにより提供される長尺の透明フィルム材の連続した処理により生産されるパターン位相差フィルムに関して、この透明フィルム材の不均一な伸縮によるクロストークの増大を有効に回避し、さらにはパターン位相差フィルムを効率良く配置することができるようにする。
【解決手段】長尺透明フィルムを順次処理して作成されるパターン位相差フィルム1において、透過光に位相差を付与する第1の領域と、前記第1の領域とは異なる位相差を透過光に付与する第2の領域とが順次設けられた位相差層を備え、定盤11に載置した際の定盤11の表面からの浮き上がり量が5mm以下であるようにする。
【選択図】図4

Description

本発明は、パッシブ方式による3次元画像表示装置に係るパターン位相差フィルムに関するものである。
近年、パッシブ方式により3次元画像を表示する画像表示装置が提供されている。ここで図5は、液晶表示パネルを使用したパッシブ方式の画像表示装置を示す概略図である。パッシブ方式の画像表示装置は、垂直方向又は水平方向(この図5の例では、垂直方向)に連続する液晶表示パネルの画素を、順次交互に、右目用及び左目用に割り当て、それぞれ右目用及び左目用の画像データで駆動し、これにより右目用の画像と左目用の画像とを同時に表示する。また液晶表示パネルのパネル面(視聴者側面)にパターン位相差フィルムを配置し、右目用の画素及び左目用の画素からの直線偏光による出射光を、右目用及び左目用で方向の異なる円偏光に変換する。これによりパッシブ方式では、対応する偏光フィルタを備えてなる眼鏡を装着して、右目用の画像と左目用の画像とをそれぞれ選択的に視聴者の右目及び左目に提供し、3次元画像を表示する。
このためパターン位相差フィルムは、液晶表示パネルにおける画素の設定に対応して、遅相軸方向(屈折率が最大となる方向)が直交する2種類の帯状領域が順次交互に形成される。これによりパッシブ方式では、対応する偏光フィルタを備えてなる眼鏡を装着して、右目用の画像と左目用の画像とをそれぞれ選択的に視聴者の右目及び左目に提供する。なおここでこの隣接する帯状領域の遅相軸方向は、通常、水平方向に対して、+45度と−45度の組み合わせ、又は0度と+90度の組み合わせが採用される。なおこの図5の例では、通常の画像表示装置における呼称に習って画面の長辺方向を水平方向として示す。
このパッシブ方式は、応答速度の遅い画像表示装置でも適用することができ、さらにパターン位相差フィルムと円偏光メガネとを用いた簡易な構成で3次元表示することができる。なおパッシブ方式の画像表示装置では、図5の例による垂直方向に代えて、水平方向に連続する画素を順次交互に右目用及び左目用に振り分ける方法も採用される。
このパッシブ方式に係るパターン位相差フィルムは、画素の割り当てに対応して透過光に位相差を与えるパターン状の位相差層が必要である。このパターン位相差フィルムに関して、特許文献1には、配向規制力を制御した光配向層をガラス基板上に形成し、この光配向層により液晶の配列をパターンニングして位相差層を作製する方法が開示されている。また特許文献2には、レーザーの照射によりロール版の周側面に微細な凹凸形状を形成し、この凹凸形状を転写してパターン状に配向規制力を制御した配向層を作製する方法が開示されている。
またこのようなパターン位相差フィルムが使用される画像表示パネルは、古くは表示画面(有効表示画面)の幅と高さの数値比率であるアスペクト比が4:3のものが主流であった。しかしながら、近年、アスペクト比が16:9のものが殆んどである。また画像表示パネルは、インチによる対角線の長さにより表示画面の大きさが表されている。これによりアスペクト比16:9の42インチでは、有効表示画面は、横93cm、縦52.3cmとなり、アスペクト比16:9の100インチでは、有効表示画面は、横221.40cm、縦124.50cmとなる。因みに、アスペクト比4:3の場合、有効表示画面は、46インチで横93.5cm、縦70.1cmとなる。これによりパターン位相差フィルムは、使用される画像表示パネルのインチサイズに応じて、対応する有効表示画面の大きさに、いわゆる額縁の部位の大きさを加算した横長の形状により作製される。なおここで額縁は、画像表示パネルにおいて有効表示領域を囲む黒色枠形状の領域である。
ところでこの種の光学フィルムの製造工程では、ロールにより提供される長尺透明フィルム材を順次処理して所望の光学フィルムを作成しており、この長尺透明フィルム材の熱、応力等による不均一な伸縮を完全には防止し得ない。なおこの光学フィルムの作成に係る長尺透明フィルム材の順次の処理は、光学フィルムの機能を担保するための塗工液の塗布、この塗布した塗工液の加熱乾燥、紫外線の照射等の処理である。またこの種の光学フィルムにおいて、この長尺透明フィルム材への主な応力は、例えば製造各工程で最も適した位置で塗工液を塗布、乾燥し、さらには紫外線照射を行うために長尺透明フィルムに常時加えられている張力であり、長尺透明フィルム材の幅方向の中央部に比して、長尺透明フィルム材の幅方向の端部で大きい。その結果、この種の光学フィルムの製造工程では、ロールによる提供される長尺透明フィルム材の長手方向の長さが、幅方向の端部で、中央部に比して長くなり、長尺透明フィルム材の幅方向の端部において、うねりが発生する場合がある。なおパターン位相差フィルムは、長尺透明フィルム材の長手方向が長辺の延長方向となるように生産されてことにより、このようなうねりはパターン位相差フィルムでは長辺側に発生する。
パターン位相差フィルムは、画像表示パネルの画素ピッチにより右目用と左目用との帯状領域が順次交互に設けられていることにより、このような不均一な伸縮が発生すると種々の不都合が発生する。すなわちパターン位相差フィルムでは、このような不均一な伸縮が発生すると、画像表示パネルに精度良く各帯状領域を配置することが困難になり、その結果、甚だしい場合には、クロストークが発生することになる。なおここでクロストークは、本来、右目及び左目に提供することが必要な右目用画素及び左目用画素からの出射光が、これとは異なり左目及び右目に漏れ込む現象である。この種の画像表示装置において、クロストークが激しくなると画質劣化が著しくなる。具体的に、クロストークにより、表示画像の立体感が損なわれ、著しい場合には、二重写しにより画像が知覚されることになる。またこのような不均一な伸縮が発生すると、画像表示パネルに配置する際のマージンが低下することになり、パターン位相差フィルムを効率良く配置することが困難になる。また、このような不均一な伸縮を有するパターン位相差フィルムは、偏光板と貼り合せ画像表示パネルと一体化した後、環境条件により偏光板からはがれたり、画像表示パネルから偏光板ごとはがれたりすることがある。
特に、このような不均一な収縮によるクロストーク、パターン位相差フィルムの配置に係る作業性の劣化は、表示画面が大きくなると著しくなり、実際上、長辺の長さが1m程度を超えると(アスペクト比16:9で42インチ以上である)、クロストークの発生、作業性の劣化が著しくなる。
特開2005−49865号公報 特開2010−152296号公報
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、ロールにより提供される長尺の透明フィルム材の連続した処理により生産されるパターン位相差フィルムに関して、この透明フィルム材の不均一な伸縮によるクロストークの増大を有効に回避し、さらにはパターン位相差フィルムを効率良く配置することができるようにする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ね、パターン位相差フィルムの不均一な伸縮の程度を一定範囲に留めるようにする、との着想に至り、本発明を完成するに至った。
(1) 長尺透明フィルムを順次処理して作成されるパターン位相差フィルムにおいて、
透過光に位相差を付与する第1の領域と、前記第1の領域とは異なる位相差を透過光に付与する第2の領域とが順次設けられた位相差層を備え、
前記長尺透明フィルム材及び前記位相差層の何れを定盤側として前記定盤に載置した場合であっても、前記定盤の表面からの浮き上がり量が5mm以下である。
(1)によれば、配向膜作成工程、位相差層作成工程等により順次長尺透明フィルム材を処理してパターン位相差フィルムを作成する場合において、パターン位相差フィルムの不均一な伸縮を実用上十分な範囲に留めることができ、これにより生産性の低下を有効に回避して、透明フィルム材の不均一な伸縮によるクロストークの増大を有効に回避し、さらにはパターン位相差フィルムを効率良く配置することができる。
(2) (1)において、
前記長尺透明フィルム材及び前記位相差層の何れを定盤側として前記定盤に載置した場合であっても、前記定盤からの浮き上がり量が3mm以上、5mm未満の浮き上がりが、20個/m以下である。
(2)によれば、パターン位相差フィルムの不均一な伸縮を一段と小さな範囲に留めることができ、これにより一段と透明フィルム材の不均一な伸縮によるクロストークの増大を有効に回避し、さらにはパターン位相差フィルムを効率良く配置することができる。
(3) (1)又は(2)に記載のパターン位相差フィルムが、直線偏光板に貼り合わされた光学フィルム。
(3)によれば、透明フィルム材の不均一な伸縮によるクロストークの増大を有効に回避し、さらには効率良く配置することができるパターン位相差フィルムと直線偏光板とを一体化してなる光学フィルムを提供することができる。
(4) (3)に記載の光学フィルムを画像表示パネルのパネル面に配置した画像表示装置。
(4)によれば、透明フィルム材の不均一な伸縮によるクロストークの増大を有効に回避し、さらにはパターン位相差フィルムを効率良く配置することができるパターン位相差フィルムを使用して、3次元画像表示可能な画像表示装置を提供することができる。
本発明は、ロールにより提供される長尺の透明フィルム材の連続した処理により生産されるパターン位相差フィルムに関して、この透明フィルム材の不均一な伸縮によるクロストークの増大を有効に回避し、さらにはパターン位相差フィルムを効率良く配置することができる。特に、このような長尺透明フィルム材の不均一な伸縮によるクロストーク等は、画面サイズが42インチを超えると著しくなる。従って本発明は、特に、42インチ以上の大画面による画像表示装置パネルに関して、長尺透明フィルム材の不均一な伸縮によるクロストークを低減し、さらにはパターン位相差フィルムを効率良く配置することができる。
本発明の第1実施形態に係るパターン位相差フィルムの説明に供する図である。 図1のパターン位相差フィルムの製造工程を示すフローチャートである。 図1のパターン位相差フィルムの露光工程の説明に供する図である。 浮き上がりの説明に供する図である。 パッシブ方式による3次元画像表示の説明に供する図である。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態に係る画像表示装置に適用されるパターン位相差フィルムを示す図である。この第1実施形態に係る画像表示装置は、垂直方向(図1においては左右方向が対応する方向である)に連続する液晶表示パネルの画素が、順次交互に、右目用の画像を表示する右目用画素、左目用の画像を表示する左目用画素に振り分けられて、それぞれ右目用及び左目用の画像データで駆動される。これにより画像表示装置は、右目用の画像を表示する帯状の領域と、左目用の画像を表示する帯状の領域とに表示画面が交互に区分され、右目用の画像と左目用の画像とを同時に表示する。この画像表示装置は、この液晶表示パネルのパネル面(視聴者側面)に、パターン位相差フィルム1が配置され、このパターン位相差フィルム1により右目用及び左目用の画素からの出射光にそれぞれ対応する位相差を与える。これによりこの画像表示装置は、パッシブ方式により所望の立体画像を表示する。
ここでパターン位相差フィルム1は、TAC(トリアセチルセルロース)、アクリル、シクロオレフィンポリマー等の透明フィルムからなる基材2の一方の面上に、配向層3、位相差層4、感圧粘着剤による粘着剤層5、セパレータフィルム6が順次設けられる。パターン位相差フィルム1は、セパレータフィルム6を引き剥がして粘着剤層5を露出させた後、この粘着剤層5により液晶表示パネルに係る直線偏光板に貼り付けられる。パターン位相差フィルムは、その後、この直線偏光板と一体に画像表示パネルのパネル面に貼り付けられることにより、画像表示パネルのパネル面に配置される。なお基材2は、種々の透明フィルム材を広く適用することができるものの、光学的等方性に優れ、光学的特性に優れたTACのフィルム材を適用することが好ましい。粘着剤層5は、例えばアクリル系粘着剤等、この種の光学フィルムの貼り合せに使用する各種の粘着剤を適用することができる。セパレータフィルム6は、この実施形態では、後工程での透過光による光学特性(欠陥)の検査の妨げにならないように、透明であって、かつ配向性の小さなフィルムが適用される。より具体的に、ポリエチレンフィルム、PET(Polyethylene terephthalate)フィルム等を適用することができる。
パターン位相差フィルム1は、屈折率異方性を保持した状態で固化(硬化)された液晶材料により位相差層4が形成され、この液晶材料の配向を配向層3の配向規制力によりパターンニングする。なおこの液晶分子の配向を図1では細長い楕円により誇張して示す。このパターンニングにより、パターン位相差フィルム1は、液晶表示パネルにおける画素の割り当てに対応して、一定の幅により、右目用の領域(第1の領域である)Aと左目用の領域(第2の領域である)Bとが順次交互に帯状に形成され、右目用及び左目用の画素からの出射光にそれぞれ対応する位相差を与える。
パターン位相差フィルム1は、光配向材料により光配向材料層が作製された後、この光配向材料層に直線偏光による紫外線を照射し、これにより光配向の手法を適用して配向層3が形成される。ここでこの光配向材料層に照射する紫外線は、その偏光の方向が右目用の領域Aと左目用の領域Bとで90度異なるように設定され、これにより位相差層4に設けられる液晶材料に関して、右目用の領域Aと左目用の領域Bとで対応する向きに液晶分子を配向させ、透過光に対応する位相差を与える。なお光配向材料は、光配向の手法を適用可能な各種の材料を適用することができるものの、この実施形態では、一旦配向した後には、紫外線の照射によって配向が変化しない、例えば光2量化型の材料を使用する。なおこの光2量化型の材料については、「M.Schadt, K.Schmitt, V. Kozinkov and V. Chigrinov : Jpn. J. Appl.Phys., 31, 2155 (1992)」、「M. Schadt, H. Seiberle and A. Schuster : Nature, 381, 212 (1996)」等に開示されており、例えば「ROP-103」(Rolic technologies Ltd.社製)の商品名により既に市販されている。
さらにこの実施形態において、パターン位相差フィルム1は、基材2の他方の面に、反射防止層7、保護フィルム8が順次設けられる。ここで反射防止層7は、外光の写り込みによる視認性の劣化を防止するための防眩性ハードコート層と、いわゆるクリア系反射防止表面材の塗布により白っぽさを低減してコントラストを向上させる低反射層との積層により構成され、これによりこの実施形態では透明感を確保して反射率を低減し、高品位の画像を表示する。
保護フィルム8は、生産過程、搬送過程等において、パターン位相差フィルム1の傷つきを防止するために配置される。保護フィルム8は、この実施形態では、後工程での透過光による光学特性(欠陥)の検査の妨げにならないように、透明であって、かつ配向性の小さなフィルムが適用される。より具体的に、ポリエチレンフィルム、PET(Polyethylene terephthalate)フィルム等を適用することができる。
〔位相差層〕
位相差層4は、重合性液晶組成物を含有する。この重合性液晶組成物は、液晶性を示し分子内に重合性官能基を有する液晶化合物(以下、「棒状化合物」ともいう。)のほか、アンチブロッキング剤等を含有させることができる。
棒状化合物は、屈折率異方性を有し、配向層3の配向規制力により規則的に配列することにより、所望の位相差性を付与する機能を有する。棒状化合物として、例えば、ネマチック相、スメクチック相等の液晶相を示す材料が挙げられるが、他の液晶相を示す液晶化合物と比較して規則的に配列させることが容易である点で、ネマチック相を示す棒状化合物を用いることがより好ましい。
本実施形態において用いられる棒状化合物の具体例としては、例えば、下記式(1)〜(16)で表される化合物を例示できる。
Figure 2015184436
Figure 2015184436
〔製造工程〕
図2は、このパターン位相差フィルム1の製造工程を示すフローチャートである。パターン位相差フィルム1の製造工程は、この図2に示す処理工程により長尺透明フィルム材を順次処理してパターン位相差フィルムを生産する。ここでこの製造工程は、ロールに巻き取った長尺透明フィルム材により基材2が提供され、反射防止層作成工程SP2において、基材2の表面処理により、基材2に防眩性ハードコート層、低反射層が順次作成されて反射防止層7が作成される。なお低反射層にあっては、防眩性ハードコート層、低反射層に係る各種の構成を広く適用することができる。製造工程では、このようにして反射防止層を作成してなる基材が、一旦、ロールに巻き取られて次工程に供給される。
製造工程では、この次工程に係る続く配向層作成工程SP3において、光配膜に係る塗工液がダイ等により塗布された後、乾燥、硬化され、これにより光配向材料層が作製される。続いてこの配向層作成工程SP3は、露光工程により紫外線を照射して光配向層が作製される。ここで露光工程では、マスクを使用した直線偏光による紫外線の照射により、右目用領域又は左目用領域に対応する領域を選択的に露光処理した後、偏光方向が直交する直線偏光による紫外線を全面に照射することにより、実行される。
続いてこの製造工程は、位相差層作製工程SP4において、ダイ等により液晶材料の塗工液を塗工、乾燥させた後、紫外線の照射によりこの液晶材料を硬化させ、位相差層4が作製される。製造工程は、続く保護フィルム配置工程SP5において、保護フィルム8が配置される。また続く粘着剤層作成工程SP6において、粘着剤層5、セパレータフィルム6を配置する。また続く切断工程SP7において、所望の大きさに切り出してパターン位相差フィルム1が作製される。より具体的に、この実施形態では、基材2に位相差層4等を積層してなる積層体を搬送しながら、基材2の幅方向にこの積層体を例えば3分割してそれぞれロールに巻き取る。またこの巻き取ったロールから積層体を引き出して所望の大きさに切断することによりパターン位相差フィルム1を作成する。この製造工程は、続く検査工程SP8において、欠陥、外観等が検査される。
図3は、露光工程の詳細を示す図である。この製造工程は、右目用の領域A又は光目用の領域Bに対応する部位を遮光したマスク16を介して、直線偏光による紫外線(偏光紫外線)を照射することにより、遮光されていない側の、左目用の領域B又は右目用の領域Aについて、光配向材料膜を所望の方向に配向させる(図3(A))。これによりこの製造工程は、1回目の露光処理を実行する。続いてこの製造工程は、1回目の露光処理とは偏光方向が90度異なる直線偏光により全面に紫外線を照射し、これにより1回目の露光処理で未露光の右目用領域A又は左目用領域Bを露光処理し、右目用の領域A又は光目用の領域Bについて、光配向材料膜を所望の方向に配向させる(図4(B))。これによりこの製造工程では、2回の露光処理により、右目用の領域Aと左目用の領域Bとを順次露光処理して配向層3を作製する。
ここで上述した製造工程ではロールにより提供される透明フィルム材による基材2を搬送しながら順次処理してパターン位相差フィルム1を作成しており、この搬送処理過程における応力、熱等により基材2に不均一な伸縮が発生し、その結果、基材2の幅方向の端部にうねりが発生する場合がある。
そこでこの実施形態では、検査工程SP8において、ランダムな抜き取り検査により不均一な伸縮の大きさを計測し、この計測結果により製造工程を管理する。より具体的に、基材の幅方向の端部におけるうねりの大きさを計測することにより、不均一な伸縮の大きさを計測する。またこの計測結果を事前に設定された判定基準値により判定して製品を出荷することにより、出荷するパターン位相差フィルムについては、この判定基準値に対応する一定値以下に不均一な伸縮の程度を留める。またこの計測結果に基づいて、基材2の搬送速度等の、パターン位相差フィルム1の製造工程の条件を変更し、これにより不均一な伸縮の程度を一定値以下に留めて効率良くパターン位相差フィルム1を生産する。
図4は、この不均一な伸縮の大きさの計測の説明に供する図である。計測工程では、ランダムに抜き取った検査対象のパターン位相差フィルム1を定盤11に載置する。ここで定盤11は、表面が平坦に仕上げられた計測用のテーブルであり、パターン位相差フィルム1を載置するのに十分な大きさを備える。この実施形態では、張力を与えないようにしてパターン位相差フィルム1を定盤11に載置する。ここでこのように平坦な面にパターン位相差フィルム1を載置して、このパターン位相差フィルム1の基材2に不均一な伸縮が存在しない場合、パターン位相差フィルム1は全面が定盤11に密着することになる。しかしながらパターン位相差フィルム1の基材2に不均一な伸縮が存在する場合、局所的にパターン位相差フィルム1が定盤11の表面から浮き上がることになる。またこの浮き上がり量Dは、不均一な伸縮が大きい場合程、大きくなる。またこの浮き上がった部位の数にあっても、不均一な伸縮が大きい場合程、増大することになる。そこでこの実施の形態では、この浮き上がり量D及び浮き上がりの数の計測により不均一な伸縮の程度を計測する。このように定盤に載置して浮き上がりを計測する場合にあっては、基材2の不均一な伸縮を客観的かつ確実に計測することができる。
より具体的にパターン位相差フィルム1の1辺に沿って、パターン位相差フィルム1の一方の端部から他方の端部に端面を見た場合に、定盤11の表面からパターン位相差フィルム1が浮き上がった後、浮き上がり量が小さくなって定盤11の表面にパターン位相差フィルム1が接触するまでを1つの浮き上がりとする。またこの1つの浮き上がりの中で、最も定盤11の表面から浮き上がっている部位の浮き上がり量Dを、当該浮き上がりの浮き上がり量Dと定義する。
またこの浮き上がり量Dにあっては、パターン位相差フィルム1の自重によっても変化することにより、セパレータフィルム6を定盤11側とした場合(以下、表面側の配置と呼ぶ)と、この場合の裏返しの場合であるセパレータフィルム6を定盤11とは逆とした場合(以下、裏面側の配置と呼ぶ)とでそれぞれ浮き上がりを計測する。この工程は、この表面側の配置と裏面側の配置とで、それぞれパターン位相差フィルム1の外周に沿って浮き上がり量Dを計測する。また計測した複数の箇所の浮き上がり量Dのうちで、最も値の大きな浮き上がり量Dを最大浮き上がり量DMAXと定義する。なお浮き上がりは、パターン位相差フィルムの長辺に沿った箇所で発生することにより、浮き上がりの計測は、長辺に沿ってのみ実行してもよい。また浮き上がりは、基材2の幅方向の両端側で最も発生し易いことにより、この両端に対応する部位でのみ計測してもよい。
この実施形態では、この最大浮き上がり量DMAXにより不均一な伸縮に係る第1の計測値を取得し、この第1の計測値に係る判定基準値の設定により、パターン位相差フィルム1を出荷検査する。またこの第1の計測値によりパターン位相差フィルム1の制御工程を管理する。これによりこの実施形態では、この製造工程より出荷されるパターン位相差フィルム1については、表側の配置及び裏側の配置の双方において、最大浮き上がり量DMAXを5mm以下に設定する。ここで最大浮き上がり量DMAXを5mm以下に設定すれば、基材2の不均一な伸縮を実用上十分に低減することができる。従ってクロストークの発生を有効に回避することができ、また効率の低下を有効に回避してパターン位相差フィルムを配置することができる。特に、このような長尺透明フィルム材の不均一な伸縮によるクロストーク等は、画面サイズが42インチを超えると著しくなる。従って本発明は、特に、42インチ以上の大画面による画像表示装置パネルに関して、長尺透明フィルム材の不均一な伸縮によるクロストークを低減し、さらにはパターン位相差フィルムを効率良く配置することができる。
さらにこの実施形態では、この第1の計測値の同様の処理により、この製造工程より出荷されるパターン位相差フィルム1については、表面側の配置、裏面側の配置の何れの場合であっても、浮き上がり量が3mm以上、5mm未満の浮き上がりが、20個/m以下であるようにする。
このようにさらに浮き上がり量が3mm以上、5mm未満の浮き上がりが、20個/m以下であるようにすれば、一段と基材2の不均一な伸縮を低減することができ、その結果、クロストークの発生を一段と低減し、さらに一段と効率の低下を有効に回避してパターン位相差フィルムを配置することができる。
またこのように表面側の配置と裏面側の配置とで、最大浮き上がり量DMAXを一定値以下とし、さらには一定範囲の浮き上がりの個数を一定値以下とすることにより、基材2が巻き癖を有する場合にあっても、この巻き癖の影響を有効に回避して不均一な伸縮量を計測することができる。
〔他の実施形態〕
以上、本発明の実施に好適な具体的な構成を詳述したが、本発明は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述の実施形態の構成を種々に組み合わせたり、変更したりすることができる。
すなわち上述の実施形態では、最大浮き上がり量DMAXを5mm以下に設定すると共に、浮き上がり量が3mm以上、5mm未満の浮き上がりが、20個/cm以下であるように設定する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、実用上十分な場合には、最大浮き上がり量DMAXのみを5mm以下に設定するようにしてもよい。
また上述の実施形態では、抜き取り検査によりパターン位相差フィルムを定盤に載置して浮き上がりを計測し、この計測結果の管理によりパターン位相差フィルムの浮き上がりを一定値以下とする場合について述べたが、本発明はこれに限らず、この管理基準である浮き上がりの計測値にあっては、例えば切断前のパターン位相差フィルムに係る積層体を搬送しながら、その両端部における弛みを計測する場合等、種々の計測方法を広く適用することができる。
また上述の実施形態では、パターン位相差フィルムに粘着剤層、セパレータフィルムを設ける場合について述べたが、本発明はこれに限らず、直線偏光板との貼り合せの際に、直線偏光板又はパターン位相差フィルムに接着層を設ける場合等にも広く適用することができる。
また上述の実施形態では、マスクを使用した露光処理の後、全面を露光処理して光配向層を作製する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、これとは逆に全面を露光処理した後、マスクを使用して露光処理して光配向層を作製する場合、さらにはマスクを使用した露光処理の繰り返しにより光配向層を作製する場合等に広く適用することができる。なお1回目の露光処理で全面に紫外線を照射した後、2回目の露光処理でマスクを使用して露光処理する場合、配向層3には、繰り返しの露光処理により配向方向がその都度変化する材料が適用される。このような材料としては、例えば、光異性化反応型の光配向材料を使うことができる。なお光異性化に関しては、「W.M. Gibbons, P.J.Shannon, S.T. Sun and B.J. Swetlin : Nature, 351, 49 (1991)」で報告されている。
また上述の実施形態では、光配向層により配向層を作製する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、ラビング処理痕の賦型処理により配向層を作製する場合にも広く適用することができる。
1 パターン位相差フィルム
2 基材
3 配向層
4 位相差層
5 粘着剤層
6 セパレータフィルム
7 反射防止層
8 保護フィルム
11 定盤
16 マスク

Claims (4)

  1. 長尺透明フィルムを順次処理して作成されるパターン位相差フィルムにおいて、
    透過光に位相差を付与する第1の領域と、前記第1の領域とは異なる位相差を透過光に付与する第2の領域とが順次設けられた位相差層を備え、
    前記長尺透明フィルム材及び前記位相差層の何れを定盤側として前記定盤に載置した場合であっても、前記定盤の表面からの浮き上がり量が5mm以下である
    パターン位相差フィルム。
  2. 前記長尺透明フィルム材及び前記位相差層の何れを定盤側として前記定盤に載置した場合であっても、前記定盤からの浮き上がり量が3mm以上、5mm未満の浮き上がりが、20個/m以下である
    請求項1に記載のパターン位相差フィルム。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のパターン位相差フィルムが、直線偏光板に貼り合わされた
    光学フィルム。
  4. 請求項3に記載の光学フィルムを画像表示パネルのパネル面に配置した
    画像表示装置。
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