JP6155767B2 - パターン位相差フィルムの製造方法及びパターン位相差フィルムの露光装置 - Google Patents

パターン位相差フィルムの製造方法及びパターン位相差フィルムの露光装置 Download PDF

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本発明は、パッシブ方式による3次元画像表示装置に係るパターン位相差フィルムに関するものである。
近年、パッシブ方式により3次元画像を表示する画像表示装置が提供されている。ここで図7は、液晶表示パネルを使用したパッシブ方式の画像表示装置を示す概略図である。パッシブ方式の画像表示装置は、垂直方向又は水平方向(この図7の例では、垂直方向)に連続する液晶表示パネルの画素を、順次交互に、右目用及び左目用に割り当て、それぞれ右目用及び左目用の画像データで駆動し、これにより右目用の画像と左目用の画像とを同時に表示する。また液晶表示パネルのパネル面(視聴者側面)にパターン位相差フィルムを配置し、右目用の画素及び左目用の画素からの直線偏光による出射光を、右目用及び左目用で方向の異なる円偏光に変換する。これによりパッシブ方式では、対応する偏光フィルタを備えてなる眼鏡を装着して、右目用の画像と左目用の画像とをそれぞれ選択的に視聴者の右目及び左目に提供し、3次元画像を表示する。
このためパターン位相差フィルムは、液晶表示パネルにおける画素の設定に対応して、遅相軸方向(屈折率が最大となる方向)が直交する2種類の帯状領域が順次交互に形成される。これによりパッシブ方式では、対応する偏光フィルタを備えてなる眼鏡を装着して、右目用の画像と左目用の画像とをそれぞれ選択的に視聴者の右目及び左目に提供する。なおここでこの隣接する帯状領域の遅相軸方向は、通常、水平方向に対して、+45度と−45度、又は0度と+90度の組み合わせが採用される。なおこの図7の例では、通常の画像表示装置における呼称に習って画面の長辺方向を水平方向として示す。
このパッシブ方式は、応答速度の遅い画像表示装置でも適用することができ、さらにパターン位相差フィルムと円偏光メガネとを用いた簡易な構成で3次元表示することができる。なおパッシブ方式の画像表示装置では、図7の例による垂直方向に代えて、水平方向に連続する画素を順次交互に右目用及び左目用に振り分ける方法も採用される。
このパッシブ方式に係るパターン位相差フィルムは、画素の割り当てに対応して透過光に位相差を与えるパターン状の位相差層が必要である。このパターン位相差フィルムに関して、特許文献1には、配向規制力を制御した光配向層をガラス基板上に形成し、この光配向層により液晶の配列をパターンニングして位相差層を作成する方法が開示されている。また特許文献2には、レーザーの照射によりロール版の周側面に微細な凹凸形状を形成し、この凹凸形状を転写してパターン状に配向規制力を制御した光配向層を作製する方法が開示されている。
このようなパターン位相差フィルムは、画像表示パネルにおける画素の設定に対応した帯状領域を精度良く作成することが必要である。具体的に、この帯状領域の境界幅が大きくなったり、ばらついたりすると、光漏れやピッチズレを生じる。なおピッチズレとは、画像表示パネルにおける画素の並びに対して、パターン位相差フィルムにおける領域の並びがずれる現象である。これら光漏れ、ピッチズレが著しくなると、画像表示装置では、クロストーク、色ずれ等の弊害が発生することになる。なおクロストークは、視聴者の右目及び左目にそれぞれ選択的に供給すべき画像表示パネルの出射光が、これとは逆に左目及び右目に漏れ込む現象である。3次元画像表示では、クロストークが激しくなると著しく立体感が損なわれることになる。
特開2005−49865号公報 特開2010−152296号公報
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、パッシブ方式の画像表示装置に適用されるパターン位相差フィルムに関して、画像表示パネルの画素の設定に対応する帯状領域を高い精度により作成することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ね、光配向膜の作製に供する露光用のマスクについて、マスクと露光対象との間隔を小さくすると共に、マスクに設けられたスリットの長さを制限するとの着想に至り、本発明を完成するに至った。
(1) 長尺による透明フィルム材を搬送しながら順次処理してパターン位相差フィルムを作製するパターン位相差フィルムの製造方法において、
前記透明フィルム材に、光配向材料膜を作製する光配向材料膜作製工程と、
マスクを用いた前記光配向材料膜の露光処理により、光配向の手法を適用して配向膜を作製する露光工程と、
前記配向膜の上に、右目用の透過光に対応する位相差を与える右目用の領域と、左目用の透過光に対応する位相差を与える左目用の領域とによる位相差層を作製する位相差層作製工程とを備え、
前記露光工程は、
搬送用のロールにより前記透明フィルム材を搬送しながら、前記搬送用のロールに対抗するように保持した前記マスクを使用して露光処理し、
前記マスクには、
前記光配向材料膜の露光に供するスリットであって、前記透明フィルム材の搬送方向に延長するスリットが、延長方向と直交する方向に繰り返し形成され、
前記マスクと前記搬送用のロールとの間隔が100μm以上、300μm以下であり、
前記スリットの長さが5mm以上、50mm以下であり、
前記搬送用のロールの直径が、100mm以上、500mm以下であるようにする。
(1)によれば、スロットの中央においても、スロットの上下端にあっても、スロットの透過光が大きく広がらないうちに露光に供することができ、これにより境界幅のばらつきを低減すると共に、境界幅が大きくならないようにすることができ、その結果、画像表示パネルの画素の設定に対応する帯状領域を高い精度により作成することができる。
(2) (1)において、
前記露光工程は、
線膨張係数が0〜12.4×10-6/℃以下の材料による枠体により前記マスクを保持する。
(2)によれば、露光により温度上昇した場合でも、枠体の熱膨張によるマスクの反り等を防止しして、マスクと露光対象との間隔が変化しないようにすることができ、その結果、一段と精度を向上することができる。
(3)光配向材料膜が作成された長尺による透明フィルム材を搬送しながら露光処理してパターン位相差フィルムの生産に使用されるパターン位相差フィルムの露光装置において、
搬送用のロールにより前記透明フィルム材を搬送しながら、前記搬送用のロールに対抗するように保持したマスクを使用して露光処理し、
前記マスクには、
前記光配向材料膜の露光に供するスリットであって、前記透明フィルム材の搬送方向に延長するスリットが、延長方向と直交する方向に繰り返し形成され、
前記マスクと前記搬送用のロールとの間隔が100μm以上、300μm以下であり、
前記スリットの長さが5mm以上、50mm以下であり、
前記搬送用のロールの直径が、100mm以上、500mm以下である。
(3)によれば、スロットの中央においても、スロットの上下端にあっても、スロットの透過光が大きく広がらないうちに露光に供することができ、これにより境界幅のばらつきを低減すると共に、境界幅が大きくならないようにすることができ、その結果、画像表示パネルの画素の設定に対応する帯状領域を高い精度により作成することができる。
(4) (3)において、線膨張係数が0〜12.4×10-6/℃以下の材料による枠体により前記マスクを保持する。
(4)によれば、露光により温度上昇した場合でも、枠体の熱膨張によるマスクの反り等を防止しして、マスクと露光対象との間隔が変化しないようにすることができ、その結果、一段と精度を向上することができる。
パッシブ方式の画像表示装置に適用されるパターン位相差フィルムに関して、画像表示パネルの画素の設定に対応する帯状領域を高い精度により作成することができ、光漏れやピッチズレを十分に低減することができる。
パッシブ方式による画像表示装置におけるスジの確認結果を示す図である。 図1のパターン位相差フィルムの製造工程を示すフローチャートである。 図2の露光工程の説明に供する図である。 図2の露光工程に使用するマスクを示す図である。 露光工程の説明に供する図である。 パターン位相差フィルムの境界の説明に供する図である。 パッシブ方式による3次元画像表示の説明に供する図である。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態に係るパターン位相差フィルムを示す図である。この第1実施形態に係る画像表示装置は、垂直方向(図1においては左右方向)に連続する液晶表示パネルの画素が、順次交互に、右目用の映像を表示する右目用画素、左目用の映像を表示する左目用画素に振り分けられて、それぞれ右目用及び左目用の画像データで駆動される。これにより画像表示装置は、右目用の映像を表示する帯状の領域と、左目用の映像を表示する帯状の領域とに表示画面が交互に区分され、右目用の映像と左目用の映像とを同時に表示する。この画像表示装置は、この液晶表示パネルのパネル面に、この図1に示すパターン位相差フィルム1が配置され、このパターン位相差フィルム1により右目用及び左目用の画素からの出射光にそれぞれ対応する位相差を与える。これによりこの画像表示装置は、パッシブ方式により所望の立体画像を表示する。
パターン位相差フィルム1は、例えばトリアセチルセルロース等の透明フィルム材による基材2に配向膜3、位相差層4が順次作製される。パターン位相差フィルム1は、位相差層4が液晶材料により形成され、この液晶材料の配向を配向膜3の配向規制力によりパターンニングする。なおこの液晶分子の配向を図1では細長い楕円により示す。このパターンニングにより、パターン位相差フィルム1は、液晶表示パネルにおける画素の割り当てに対応して、一定の幅により、右目用の領域Aと、左目用の領域Bとが順次交互に帯状に形成され、右目用及び左目用の画素からの出射光にそれぞれ対応する位相差を与える。
パターン位相差フィルム1は、光配向材料による光配向材料膜が作製された後、いわゆる光配向の手法によりこの光配向材料膜に直線偏光による紫外線を照射して配向膜3が形成される。ここでこの光配向材料膜に照射する紫外線は、その偏光の方向が右目用の領域Aと左目用の領域Bとで90度異なるように設定され、これにより位相差層4に設けられる液晶材料に関して、右目用の領域A及び左目用の領域Bとで対応する向きに液晶分子を配向させ、透過光に対応する位相差を与える。
図2は、このパターン位相差フィルム1の製造工程を示すフローチャートである。パターン位相差フィルム1の製造工程は、ロールに巻き取った長尺フィルムにより基材2が提供され、この基材2をロールより送り出して光配向材料膜が順次作製される(ステップSP1−SP2)。ここで光配向材料膜は、各種の製造方法を適用することができるものの、この実施の形態では、光配向材料をベンゼン等の溶媒に分散させた成膜用液体をダイにより塗布した後、乾燥して作製される。なお光配向材料は、光配向の手法を適用可能な各種の材料を適用することができるものの、この実施形態では、一旦配向した後には、紫外線の照射によって配向が変化しない、例えば光2量化型の材料を使用する。なおこの光2量化型の材料については、「M.Schadt, K.Schmitt, V. Kozinkov and V. Chigrinov : Jpn. J. Appl.Phys.,
31, 2155 (1992)」、「M. Schadt, H. Seiberle and A.
Schuster : Nature, 381, 212 (1996)」等に開示されており、例えば「ROP-103」の商品名により既に市販されている。
続いてこの製造工程は、露光工程により紫外線を照射して光配向膜が作製される(ステップSP3)。続いてこの製造工程は、位相差層作製工程において、ダイ等により液晶材料を塗布した後、紫外線の照射によりこの液晶材料を硬化させ、位相差層4が作製される(ステップSP4)。続いてこの製造工程は、必要に応じて反射防止膜の作製処理等を実行した後、切断工程において、所望の大きさに切り出してパターン位相差フィルム1が作製される(ステップSP5−SP6)。
図3は、この露光工程の詳細を示す図である。この製造工程は、右目用の領域A又は左目用の領域Bに対応する部位を遮光したマスク16を介して、直線偏光による紫外線(偏光紫外線)を照射することにより、遮光されていない側の、左目用の領域B又は右目用の領域Aについて、光配向材料膜を所望の方向に配向させる(図3(A))。これによりこの製造工程は、1回目の露光処理を実行する。続いてこの製造工程は、1回目の露光処理とは偏光方向が90度異なる直線偏光により紫外線を全面に照射し、1回目の露光処理で未露光の、右目用の領域A又は左目用の領域Bについて、光配向材料膜を所望の方向に配向させる(図3(B))。これによりこの製造工程では、2回の露光処理により、右目用の領域Aと左目用の領域Bとを順次露光処理して配向膜3を作製する。
図4は、1回目の露光処理に供するマスクを示す平面図である。マスク16は、長尺による基材2の幅により形成され、この基材2の搬送方向に延長する細長い矩形の形状によるスリットが一定の間隔で順次設けられる。これによりこの製造工程では、このスリットの下を基材2が搬送されている期間の間、光源からの光を基材2に照射し、1回目の露光処理を実行する。ここでマスク16は、石英ガラス等による透明板状支持部材16Aの表面に、クロム等による遮光部16Bを設けて作成される(図5参照)。
図5は、このマスク16を使用した露光工程に使用される露光装置を示す図である。なおこの図5においては、露光に供する光を矢印により示す。この露光装置20は、搬送用、露光用のロールであるバックアップロール21に巻きつけて基材2を搬送する。この露光装置20は、このバックアップロール21に対向するように、マスクホルダ22によりマスク16が保持される。マスクホルダ22は、透明板状支持部材16Aを保持することによりマスク16を保持する枠体であり、この実施形態では線膨張係数の小さなマイクログラナイトにより構成される。このように線膨張係数の小さな材料によりマスクホルダ22を構成することにより、この実施形態では、紫外線の照射によりマスク16の温度が大きく変化した場合でも、マスク16に反り等の変形が発生しないようにし、これによりマスク16とバックアップロール21表面との距離が変化しないようにする。なおマスクホルダ22については、線膨張係数が0〜12.4×10-6/℃以下の材料であれば種々の材料を適用することができ、例えばマイクログラナイトに代えて、インバー、スーパーインバー、コバルト、石英ガラス、セラミックスを適用しても良い。
マスク16は、スリットの長手方向のほぼ中央部において、マスク16の表面からの鉛直線が、バックアップロール21の回転軸とほぼ交差するように配置される。これによりマスク16は、このマスク16の表面からの鉛直方向によりバックアップロール21の表面までの距離を見た場合、スリットの中央部分で最もバックアップロール21の表面までの距離が小さくなり、スリットの上下端で最もバックアップロール21の表面までの距離が大きくなるように保持される。なおバックアップロール21は、クーリングロールと呼ばれ、紫外線の照射による温度上昇を低減する冷却用のパイプ等が配置されている。
露光装置20は、ランプユニット23から射出される紫外線を、ミラーユニット24、直線偏光板25、ミラーユニット26を介してマスク16に導き、このマスク16の透過光により露光処理する。ここでランプユニット23は、このバックアップロール21の回転軸に沿った方向に紫外線照射用のランプが並んで配置され、これによりバックアップロール21の回転軸方向にほぼ均一な光量により露光用の紫外線を射出する。ミラーユニット24は、バックアップロール21の回転軸方向に沿って延長するミラー24Aにより、このランプユニット23から出射される紫外線の光路をほぼ90度折り曲げて出射し、直線偏光板25は、この露光装置20の露光処理に係る領域A又は領域Bに対応する偏光面によりこのミラーユニット24からの出射光を出射する。ミラーユニット26は、ミラー26Aにより、直線偏光板25から出射される紫外線の光路をほぼ90度折り曲げてマスク16に向けて出射する。ここでミラー26Aは、バックアップロール21の回転軸方向が延長方向であるシリンドリカル凹面鏡であり、これによりバックアップロール21の回転軸方向と直交する方向について、出射光の発散を低減して出射する。
ところでこのようにしてバックアップロール21の回転軸方向に沿ってランプを並べたランプユニット23からの出射光をミラー26A等を介してマスク16に導く場合、理想的な平行光線により露光に供する光をマスク16に導くことは困難であり、マスク16の出射光にあっては、ある程度発散することになる。またさらにマスク16におけるスリットの並び方向がランプユニット23におけるランプの並び方向であることにより、マスク16からの出射光は、ランプの並び方向であるこの回転軸に沿った方向で、透過光の発散の程度が変化することになる。
これにより図6に示すように、パターン位相差フィルム1においては、右目用領域Aと左目用領域Bとの間の境界36の幅がばらつくことになる。ここでパターン位相差フィルム1は、クロスニコル配置による直線偏光板により挟持し、右目用領域A、左目用領域Bを消光位に設定した場合、境界36で光が透過する。これによりこの境界36の幅がばらつき、さらには大きくなると、パターン位相差フィルムの精度が低下して光漏れやピッチズレを生じ、その結果、クロストーク等が著しくなる。
そこでこの実施形態では、マスク16とバックアップロール21との間隔を小さくし、これによりマスク16から出射した光が大きく広がらないうちに露光に供するようにする。しかしながら単純にマスク16とバックアップロール21との間隔を小さくしただけでは、露光処理に供する基材2がマスク16に接触する恐れもある。そこでこの実施形態では、基材2がマスク16に接触しない範囲で、マスク16とバックアップロール21との間隔を小さくし、十分に生産性を確保した上で、境界幅の増大、ばらつきを低減する。
より具体的に、マスク16とバックアップロール21との間隔が100μmより小さいと、マスク16に基材2が接触する恐れがある。またこの間隔が500μm以上になると、と出射した光が大きく広がり、境界幅の増大、ばらつきが著しくなる。
また単に露光対象とマスクとの間隔を小さくしても、スリットの上下端では、バックアップロール21の回転軸方向で露光に供する光の広がりが大きく異なることになる。しかしながら単純に、スリットの長さHを短くしたのでは、露光に供する光量が不足することになる。これによりこの実施形態では、露光に供する光の光量を十分に確保可能な範囲で、スリットの長さH(図4参照)も制限し、これによりさらに一段と境界幅の増大、ばらつきを低減し、帯状領域の作製精度を向上させる。
より具体的に、スリットの長さHが50mmより大きくなると、スリットの上下端で露光に供する光の広がりが大きくなり、その結果、境界幅の増大、ばらつきが著しくなる。しかしながらスリットの長さHが5mmより短くなると、露光に供する光量が不足することになる。
なおこれらのマスク16とバックアップロール21との間隔、スリットの長さSにあっては、バックアップロール21が直径100mm以上、500mm以下であることを前提としたものである。バックアップロールは、露光処理対象である基材への張力を一定値に安定に保って生産性を向上させる観点等より、直径100mm以上、500mm以下であることが必要である。
これらによりバックアップロール21にあっては、直径100mm以上、500以下のものを適用して、マスク16とバックアップロール21との間隔を100μm以上、300μm以下に設定し、さらにマスクにおけるスリット長Hを5mm以上、50mm以下に設定して、実用上十分に境界幅を小さくし、さらには境界幅のばらつきを小さくすることができる。
なお境界幅は、クロスニコル配置による直線偏光板によりパターン位相差フィルムを挟持して領域A及び領域Bを消光位に設定した状態で、領域A及びBを横切るように走査して透過光量のピーク値を検出するようにして、透過光量がこのピーク値の5%程度の光量となる部位間の距離により検出した。
具体的にこの実施形態では、直径100mmのバックアップロール21に対して、マスク16とバックアップロール21との間隔(スリットのほぼ中央部分)を200μmに設定し、スリットの長さHを10mmに設定した。これにより実用上十分な精度によりパターン位相差フィルムを作製することができる。
またこのようにして境界幅の境界の計測に供したパターン位相差フィルムを液晶表示パネルに配置し、3次元画像表示時に見て取られるスジの強度を判定して実用に供するか否か判定した。ここでこの実施形態に係る条件により作製した場合、パターン位相差フィルム1においては、境界幅の平均値16.7μmであり、境界幅の相対標準偏差値(標準偏差/平均値)が8.0%であり、十分に実用に供することが判った。因みに、マスクホルダ22の材質を、線膨張係数の大きな材料(ステンレス)に戻したところ、境界幅の平均値17.5μmとなり、境界幅の相対標準偏差値(標準偏差/平均値)が8.4%となり、この場合、厳しい判定によれば実用に供し得ないことが判った。
なお境界幅の相対標準偏差値が、8.2〜13.6%の範囲については、画像表示パネルに配置する際の位置決め精度を各段的に向上させることにより、スジが判らないようにすることができるものの、このように位置決め精度を各段的に向上させる場合には、生産性が著しく低下し、これにより実用に供し得ないのである。また境界幅の相対標準偏差値が、13.6%より大きくなると、位置決め精度を向上しても、スジの発生を避け得ず、これにより実用に供し得なくなる。これにより境界幅の相対標準偏差値は、8.2%より小さいことが望まれる。
これによりこの実施形態において、パターン位相差フィルム1は、境界幅の平均値16.7μm、境界幅の相対標準偏差値(標準偏差/平均値)8.0%により作成されて、十分に高い精度により作成される。
〔他の実施形態〕
以上、本発明の実施に好適な具体的な構成を詳述したが、本発明は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述の実施形態の構成を種々に組み合わせたり、変更したりすることができる。
すなわち上述の実施形態では、マスクを使用した露光処理の後、全面を露光処理して光配光膜を作製する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、これとは逆に全面を露光処理した後、マスクを使用して露光処理して光配光膜を作製する場合、さらにはマスクを使用した露光処理の繰り返しにより光配光膜を作製する場合等に広く適用することができる。
また上述の実施形態では、線膨張係数の小さな材料によりマスクホルダを作製する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、実用上十分な特性を確保することができる場合には、通常の材料によるマスクホルダを適用してもよい。
1 パターン位相差フィルム
2 基材
3 配光膜
4 位相差層
16 マスク
20 露光装置
21 バックアップロール
22 マスクホルダ
23 ランプユニット
24、26 ミラーユニット
25 直線偏光板

Claims (2)

  1. 長尺による透明フィルム材を搬送しながら順次処理してパターン位相差フィルムを作製するパターン位相差フィルムの製造方法において、
    前記透明フィルム材に、光配向材料膜を作製する光配向材料膜作製工程と、
    マスクを用いた前記光配向材料膜の露光処理により、光配向の手法を適用して配向膜を作製する露光工程と、
    前記配向膜の上に、右目用の透過光に対応する位相差を与える右目用の領域と、左目用の透過光に対応する位相差を与える左目用の領域とによる位相差層を作製する位相差層作製工程とを備え、
    前記露光工程は、
    搬送用のロールにより前記透明フィルム材を搬送しながら、前記搬送用のロールに対抗するように保持した前記マスクを使用して露光処理し、
    前記マスクには、
    前記光配向材料膜の露光に供するスリットであって、前記透明フィルム材の搬送方向に延長するスリットが、延長方向と直交する方向に繰り返し形成され、
    前記マスクと前記搬送用のロールとの間隔が100μm以上、300μm以下であり、
    前記スリットの長さが5mm以上、50mm以下であり、
    前記搬送用のロールの直径が、100mm以上、500mm以下であ
    前記露光工程は、
    線膨張係数が0〜12.4×10 −6 /℃以下のマイクログラナイトによる枠体により前記マスクを保持する
    パターン位相差フィルムの製造方法。
  2. 光配向材料膜が作成された長尺による透明フィルム材を搬送しながら露光処理してパターン位相差フィルムの生産に使用されるパターン位相差フィルムの露光装置において、
    搬送用のロールにより前記透明フィルム材を搬送しながら、前記搬送用のロールに対抗するように保持したマスクを使用して露光処理し、
    前記マスクには、
    前記光配向材料膜の露光に供するスリットであって、前記透明フィルム材の搬送方向に延長するスリットが、延長方向と直交する方向に繰り返し形成され、
    前記マスクと前記搬送用のロールとの間隔が100μm以上、300μm以下であり、
    前記スリットの長さが5mm以上、50mm以下であり、
    前記搬送用のロールの直径が、100mm以上、500mm以下であり、
    線膨張係数が0〜12.4×10 −6 /℃以下のマイクログラナイトによる枠体により前記マスクを保持する
    パターン位相差フィルムの露光装置。
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