JP2015041064A - パターン位相差フィルムの製造方法及び露光装置 - Google Patents

パターン位相差フィルムの製造方法及び露光装置 Download PDF

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政典 福田
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Abstract

【課題】光配向膜によるパターン位相差フィルムに関して、従来に比して一段と精度を向上する。
【解決手段】長尺の透明フィルム材による基材2を搬送しながら順次処理してパターン位相差フィルムを作製するパターン位相差フィルムの製造方法において、基材2を搬送ローラ21に巻き付けて搬送しながら、搬送ローラ21に対向するように搬送ローラ21の周方向に順次配置した第1及び第2のマスク16A、16Bをそれぞれ使用した第1及び第2の露光処理により光配向膜を作製する。搬送ローラ21は、第1及び第2の露光処理に供する部位の温度が、異なる温度に設定された。
【選択図】図4

Description

本発明は、例えばパッシブ方式による3次元画像表示装置に係るパターン位相差フィルムに関するものである。
近年、パッシブ方式により3次元画像を表示する画像表示装置が提供されている。ここで図6は、液晶表示パネルを使用したパッシブ方式の画像表示装置を示す概略図である。パッシブ方式の画像表示装置は、垂直方向又は水平方向(この図6の例では、垂直方向)に連続する液晶表示パネルの画素を、順次交互に、右目用及び左目用に割り当て、それぞれ右目用及び左目用の画像データで駆動し、これにより右目用の画像と左目用の画像とを同時に表示する。また液晶表示パネルのパネル面(視聴者側面)にパターン位相差フィルムを配置し、右目用の画素及び左目用の画素からの直線偏光による出射光を、右目用及び左目用で方向の異なる円偏光に変換する。これによりパッシブ方式では、対応する偏光フィルタを備えてなる眼鏡を装着して、右目用の画像と左目用の画像とをそれぞれ選択的に視聴者の右目及び左目に提供し、3次元画像を表示する。
このためパターン位相差フィルムは、液晶表示パネルにおける画素の設定に対応して、遅相軸方向(屈折率が最大となる方向)が直交する2種類の帯状領域が順次交互に形成される。これによりパッシブ方式では、対応する偏光フィルタを備えてなる眼鏡を装着して、右目用の画像と左目用の画像とをそれぞれ選択的に視聴者の右目及び左目に提供する。なおここでこの隣接する帯状領域の遅相軸方向は、液晶表示パネルに用いられる偏光板の透過軸の向きにより選択され、液晶表示パネルに用いられる偏光板の透過軸が水平方向に対して0度と+90度の組合せで用いられる場合は、通常、水平方向に対して、+45度と−45度の組み合わせが採用され、液晶表示パネルに用いられる偏光板の透過軸が水平方向に対して+45度と−45度の組合せで用いられる場合は、又は0度と+90度の組み合わせが採用される。なおこの図6の例では、通常の画像表示装置における呼称に習って画面の長辺方向を水平方向として示す。
このパッシブ方式は、応答速度の遅い画像表示装置でも適用することができ、さらにパターン位相差フィルムと円偏光メガネとを用いた簡易な構成で3次元表示することができる。なおパッシブ方式の画像表示装置では、図6の例による垂直方向に代えて、水平方向に連続する画素を順次交互に右目用及び左目用に振り分ける方法も採用される。
このパッシブ方式に係るパターン位相差フィルムは、画素の割り当てに対応して透過光に位相差を与えるパターン状の位相差層が必要である。光配向の手法により光配向膜を作製するパターン位相差フィルムでは、このパターン状の位相差層に対応するように、右目用の領域と左目用の領域とで偏光方向が直交する直線偏光による紫外線の照射により光配向膜が作製される。またこの光配向膜により位相差層の液晶を配向させた状態で硬化させることにより、位相差層が作製される。このパターン位相差フィルムに関して、特許文献1には、配向規制力を制御した光配向膜をガラス基板上に形成し、この光配向膜により液晶の配列をパターンニングして位相差層を作製する方法が開示されている。
ここで光配向の手法を適用して配向層を作製する場合、上述した2種類の帯状領域に対応する2回の露光処理が必要であり、この2回の露光処理により右目用の画素及び左目用の画素にそれぞれ対応する配向能を設定する。またこのような2回の露光処理による光配向層を作製する方法には、1回目及び2回目の1方のみマスクを使用する方法と、1回目及び2回目の双方でマスクを使用する方法とがある。
また1回目及び2回目の1方のみマスクを使用する方法では、光配向膜材料の持つ特性により1回目の露光処理でマスクを使用し、2回目の露光処理で全面に紫外線を照射する方法、1回目の露光処理で全面に紫外線を照射し、2回目の露光処理でマスクを使用する方法がある。1回目及び2回目の1方のみマスクを使用する方法では、いずれの露光方法を用いた場合でも、低い露光量で所望の特性が得られるほうがプロセスの高速化、使用エネルギー量の低下の点から好ましい。1回目の露光処理でマスクを使用し、2回目の露光処理で全面に紫外線を照射する方法の場合、1回目の露光時に紫外線が照射された領域にも2回目の露光時に紫外線が照射されるため、2回目の紫外線照射により1回目の紫外線照射領域の配向能が消失しないよう、1回目の露光量を配向能の付与に必要な露光用よりも高めに設定する必要がある。一方、1回目の露光処理で全面に紫外線を照射し、2回目の露光処理でマスクを使用する方法の場合、2回目の紫外線照射により1回目の紫外線照射領域の1部の配向能を書き換えなければならないため2回目の露光量を配向能の付与に必要な露光量よりも高めに設定する必要がある。このように1回目及び2回目の1方のみマスクを使用する方法では1回目及び2回目の双方でマスクを使用する方法に比して1方の露光量を高めに設定しなければならない欠点がある。しかしながら1回目及び2回目の双方でマスクを使用する方法では、露光量を配向能付与に必要な最小露光量に抑えることが可能となる反面、マスクの数が増大することになる。またフォトマスクの配置に、高度なアライメントが必要になる欠点がある。
特許文献2には、光配光膜を作製するフィルム材を搬送ローラに巻き付けて搬送するようにして、この搬送ローラを間に挟んで対向するように2つのマスクを配置して露光処理することにより、搬送過程におけるフィルム材の蛇行によるアライメント精度の低下を防止する方法が開示されている。なおこのような露光処理に供する搬送ローラは、露光時の温度上昇によるフィルム材の幅方向の伸びを抑制するために、通常、冷却機能が設けられており、この冷却機能により紫外線の照射による温度上昇を低減する。
ところでこのように搬送ローラを間に挟んで対向するように2つのマスクを配置し、さらに搬送ローラに冷却機能を設ける場合にあっても、パターン位相差フィルムの精度を確保する点で実用上未だ不十分な問題がある。
特開2005−49865号公報 特開2013−97204号公報
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、光配向膜によるパターン位相差フィルムに関して、従来に比して一段と精度を向上することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ね、搬送ローラの周囲に順次1回目の露光処理用のマスク、2回目の露光処理用のマスクを配置して露光処理するようにして、1回目及び2回目の露光処理に供する部位における搬送ローラの表面温度を異ならせるとの着想に至り、本発明を完成するに至った。
(1) 長尺の透明フィルム材による基材を搬送しながら順次処理してパターン位相差フィルムを作製するパターン位相差フィルムの製造方法において、
前記基材を搬送ローラに巻き付けて搬送しながら、前記搬送ローラに対向するように前記搬送ローラの周方向に順次配置した第1及び第2のマスクをそれぞれ使用した第1及び第2の露光処理により光配向膜を作製し、
前記搬送ローラは、
前記第1及び第2の露光処理に供する部位の温度が、異なる温度に設定された。
(1)によれば、第1及び第2の露光処理における基材の温度をほぼ同一の温度に設定することができ、基材の温度変化による精度の劣化を防止することができる。
(2) (1)において、
前記第1及び第2のマスクは、
トータルピッチが同一に設定された。
(2)によれば、マスクの種類の増大を有効に回避することができ、工程管理を簡略化することができる。
(3) (1)又は(2)において、
前記搬送ローラは、
内外周方向に空隙を形成して軸部材及び外筒部材が同軸状に配置され、
前記軸部材の外周及び前記外筒部材の内周に周側面が当接するように、かつ円周方向に変位しないように保持されて、かつ回転自在に、前記外筒部材の周方向に順次複数の円柱部材が設けられ、
前記外筒部材の周方向に隣接する前記円柱部材間の空隙の少なくとも一部に、温度設定用の液体が循環供給される。
(3)によれば、具体的構成により、第1及び第2の露光処理に供する部位の温度を、異なる温度に設定することができる。
(4) 長尺の透明フィルム材による基材を搬送しながら順次露光処理して、パターン位相差フィルムに係る光配向膜を作製する露光装置において、
前記基材を搬送ローラに巻き付けて搬送しながら、前記搬送ローラに対向するように前記搬送ローラの周方向に順次配置した第1及び第2のマスクをそれぞれ使用した第1及び第2の露光処理により光配向膜を作製し、
前記搬送ローラは、
前記第1及び第2の露光処理に供する部位の温度が、異なる温度に設定された。
(4)によれば、第1及び第2の露光処理における基材の温度をほぼ同一の温度に設定することができ、基材の温度変化による精度の劣化を防止することができる。
本発明は、光配向膜によるパターン位相差フィルムに関して、従来に比して一段と精度を向上することができる。
本発明の第1実施形態に係るパターン位相差フィルムの説明に供する図である。 図1のパターン位相差フィルムの製造工程を示すフローチャートである。 図2の露光工程の説明に供する図である。 露光装置の説明に供する図である。 露光時における精度劣化の説明に供する図である。 パッシブ方式による3次元画像表示の説明に供する図である。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態に係るパターン位相差フィルムを示す図である。この第1実施形態に係る画像表示装置は、垂直方向(図1においては左右方向)に連続する液晶表示パネルの画素が、順次交互に、右目用の画像を表示する右目用画素、左目用の画像を表示する左目用画素に振り分けられて、それぞれ右目用及び左目用の画像データで駆動される。これにより画像表示装置は、右目用の画像を表示する帯状の領域と、左目用の画像を表示する帯状の領域とに表示画面が交互に区分され、右目用の画像と左目用の画像とを同時に表示する。この画像表示装置は、この液晶表示パネルのパネル面に、この図1に示すパターン位相差フィルム1が配置され、このパターン位相差フィルム1により右目用及び左目用の画素からの出射光にそれぞれ対応する位相差を与える。これによりこの画像表示装置は、パッシブ方式により所望の立体画像を表示する。
パターン位相差フィルム1は、例えばトリアセチルセルロース等の透明フィルム材による基材2に配向膜3、位相差層4が順次作製される。パターン位相差フィルム1は、位相差層4が液晶材料により形成され、この液晶材料の配向を配向膜3の配向規制力によりパターンニングする。なおこの液晶分子の配向を図1では細長い楕円により示す。このパターンニングにより、パターン位相差フィルム1は、液晶表示パネルにおける画素の割り当てに対応して、一定の幅により、右目用の領域Aと、左目用の領域Bとが順次交互に帯状に形成され、右目用及び左目用の画素からの出射光にそれぞれ対応する位相差を与える。透明フィルム材は配向膜3、位相差層4を作製する面の反対側の面に反射防止膜の作製処理等を実行したものを用いることができる。
パターン位相差フィルム1は、光配向材料による光配向材料膜が作製された後、いわゆる光配向の手法によりこの光配向材料膜に直線偏光による紫外線を照射して配向膜3が形成される。ここでこの光配向材料膜に照射する紫外線は、その偏光の方向が右目用の領域Aと左目用の領域Bとで90度異なるように設定され、これにより位相差層4に設けられる液晶材料に関して、右目用の領域A及び左目用の領域Bとで対応する向きに液晶分子を配向させ、透過光に対応する位相差を与える。
図2は、このパターン位相差フィルム1の製造工程を示すフローチャートである。パターン位相差フィルム1の製造工程は、ロールに巻き取った長尺透明フィルム材により基材2が提供され、この基材2をローラより送り出して光配向材料膜が順次作製される(ステップSP1−SP2)。ここで光配向材料膜は、各種の製造方法を適用することができるものの、この実施の形態では、光配向材料をベンゼン等の溶媒に溶解させた成膜用液体をダイにより塗布した後、乾燥して作製される。なお光配向材料は、光配向の手法を適用可能な各種の材料を適用することができるものの、この実施形態では、例えば光2量化型の材料を使用する。なおこのような光二量化型材料として、シンナメート、クマリン、ベンジリデンフタルイミジン、ベンジリデンアセトフェノン、ジフェニルアセチレン、スチルバゾール、ウラシル、キノリノン、マレインイミド、又はシンナミリデン酢酸誘導体を有するポリマーが挙げられる。中でも、配向規制力が良好である点で、シンナメート、クマリンの一方又は両方を有するポリマーが好ましく用いられる。このような光二量化型材料の具体例としては、例えば特開平9−118717号公報、特表平10−506420号公報、特表2003−505561号公報及びWO2010/150748号公報、「M.Schadt,K.Schmitt,V.Kozinkov and V.Chigrinov:Jpn.J.Appl.Phys.,31,2155(1992)」、「M.Schadt,H.Seiberle and A.Schuster:Nature,381,212(1996)」に記載された化合物を挙げることができる。
続いてこの製造工程は、露光工程により紫外線を照射して光配向膜が作製される(ステップSP3)。続いてこの製造工程は、位相差層作製工程において、ダイ等により液晶材料を塗布した後、紫外線の照射によりこの液晶材料を硬化させ、位相差層4が作製される(ステップSP4)。続いてこの製造工程は、必要に応じて反射防止膜の作製処理等を実行した後、切断工程において、所望の大きさに切り出してパターン位相差フィルム1が作製される(ステップSP5−SP6)。
図3は、この露光工程の詳細を示す図である。この製造工程は、右目用の領域A又は光目用の領域Bに対応する部位を遮光したマスク16Aを介して、直線偏光による紫外線(偏光紫外線)を照射することにより、遮光されていない側の、左目用の領域B又は右目用の領域Aについて、光配向材料膜を所望の方向に配向させる(図3(A))。これによりこの製造工程は、1回目の露光処理を実行する。続いてこの製造工程は、1回目の露光処理とは逆に、左目用領域B又は右目用領域Aに対応する部位を遮光したマスク16Bを介して、1回目の露光処理とは偏光方向が90度異なる直線偏光により、右目用領域A又は左目用領域Bを露光処理し、右目用の領域A又は光目用の領域Bについて、光配向材料膜を所望の方向に配向させる(図4(B))。これによりこの製造工程では、それぞれマスクを使用した2回の露光処理により、右目用の領域Aと左目用の領域Bとを順次露光処理して配向膜3を作製する。
〔露光装置〕
図4は、露光工程に係る露光装置の構成を示す図である。露光装置20は、搬送ローラ21に基材2を巻きつて搬送する。露光装置20は、この搬送ローラ21を間に挟んで対向するように、基材2の搬入側及び搬出側に、それぞれ1回目及び2回目の露光処理に使用するマスク16A、16Bが設けられる。なおマスク16A及び16Bは、平板形状による石英ガラスにクロム層により遮光層を形成して作成され、この遮光層に、領域A、Bにそれぞれ対応する細長いスリットが基材2の幅方向(この図4では紙面の奥行方向)に繰り返し形成される。露光装置20では、回転中心がほぼ水平になるように搬送ローラ21が配置され、この搬送ローラ21の両側に、垂直にマスク16A及び16Bが配置され、これによりマスク16A、16Bが自重で変形しないように設定される。
露光装置20は、このマスク16A及び16Bの両側に偏光露光光源22A、22Bが配置される。ここで偏光露光光源22A、22Bは、1回目及び2回目の露光処理に供する直線偏光による紫外線を射出する光源であり、紫外線を射出する光源、この光源からの紫外線を直線偏光による紫外線に変換して射出するワイヤーグリッド等が設けられる。
これらによりこの露光装置1では、1つの搬送ローラ21を間に挟んで対向するように配置した2つのマスク16A、16Bにより順次露光処理することにより、この連続する露光処理間の搬送過程におけるフィルム材の蛇行に起因するアライメント精度の低下を防止し、高い精度により配向膜を作製する。
しかしながらこのようにマスク16A、16Bを配置して露光処理する場合、露光処理により基材2の表面温度が変化し、その結果、基材2の幅方向の寸法が変化する。因みにトリアセチルセルロースフィルムにおいて熱膨張係数は、約100ppmである。その結果、露光精度が劣化する恐れがある。すなわち図5(A)に示すように、例えば1回目の露光処理により右目用領域Aを露光処理するものとする。この場合、1回目の露光処理後においては、右目用領域Aの間の領域である左目用領域Bが未露光の領域となっており、本来、この未露光の領域に2回目の露光処理で配向能を設定することになる。
しかしながら基材2は、1回目の露光処理により温度上昇して幅方向の寸法が増大し、その結果、1回目の未露光領域から幅方向にずれが領域を2回目で露光処理し、その結果、パターン位相差フィルム1では、1回目及び2回目の露光処理によってのみ露光処理された領域Aa及びBb、露光処理が2回繰り返された領域Ab、1回も露光処理されていない領域Baが発生することになり、これにより精度が劣化することになる。なおこのように露光処理が2回繰り返された領域Ab、1回も露光処理されていない領域Baは、画像表示パネルからの出射光を正しく円偏光に変換できないことになり、その結果、右目及び左目に供給すべき画像表示パネルの出射光が、これは逆に左目及び右目に供給されることになり、画質が著しく劣化することになる。
なおこのような温度上昇を見込んで、1回目の露光処理と2回目の露光処理とで、繰り返し作成するスリットの大きさ、ピッチを変更することも考えられるものの、このようにするとマスクの種類が著しく増大することになる。
なお搬送ローラは、冷却機能が設けられており、このような基材2の温度変化は、搬送ローラの冷却機能により緩和されることになるもの、この場合でも、2回目の露光処理時の基材2の温度は、1回目の露光処理終了時の温度に2回目の露光処理による温度上昇を加えた値となり、結局、1回目の露光処理時と2回目の露光処理時とで基材2の温度が異なることになる。
そこでこの露光装置20では、1回目の露光処理に供する部位と、2回目の露光処理に供する部位とで搬送ローラ21の表面温度を異ならせるようにし、これにより基材2の温度を1回目の露光処理と2回目の露光処理とでほぼ同一温度に設定し、精度の劣化を防止する。
すなわち搬送ローラ21は、回転中心軸(図示せず)に対して回転自在に円柱形状による軸部材21Aが配置され、この軸部材21Aと同軸状に円筒形状による外筒部材21Bが設けられる。ここで軸部材21Aの外周と外筒部材21Bの内周との間は、一定の空隙が形成され、この空隙の部位、軸部材21Aに対して斜め45度方向の4か所に、軸部材21Aに外筒部材21Bを保持する円柱部材21Cが配置される。ここでこの円柱部材21Cは、周側面が軸部材21Aの外周及び外筒部材21Bの内周に当接して気密を保つように構成され、これにより搬送ローラ21は、連続する円柱部材21C間に、空隙25A、25B、25C、25Dが形成される。
ここでこれら円柱部材21Cは、搬送ローラ21の周方向には変位しないように保持されて、各円柱部材21Cの中心軸を回転中心にして回転可能に構成される。搬送ローラ21は、軸部材21A、外筒部材21B、円柱部材21Cの全部又は一部を電動機等を使用して回転駆動により、外筒部材21Bを回転させて基材2を搬送し、さらに外筒部材21Bが回転しても空隙25A、25B、25C、25Dが搬送ローラ21の周方向に変位しないように構成される。
搬送ローラ21は、外筒部材21Bの両端端部の構成により、これら空隙25A、25B、25C、25Dがそれぞれ密閉空間とされ、各密閉空間25A、25B、25C、25Dに温度設定用の液体(水、油等である)が循環供給される。これにより搬送ローラ21は、1回目の露光処理に供する部位と、2回目の露光処理に供する部位とで表面温度が所望の温度に設定することができ、これらの部位の表目温度が異なる温度に設定され。
より具体的に、この実施形態では室温を30℃に設定して、1回目の露光処理に係る空隙25Aには、温度30度により温度設定用の液体が供給され、続く空隙25B及び2回目の露光処理に係る空隙25B、25Cでは、温度25度により温度設定用の液体が供給され、続く空隙25Dでは、温度30度により温度設定用の液体が供給され、これらにより1回目の露光処理時と2回目の処理時とで基材2の表面温度をほぼ等しい温度に設定する。
またこの温度設定に対応して、この露光装置20では、1回目の露光処理に供するマスク16Aと2回目の露光処理に供するマスク16Bとでは、トータルピッチが等しくなるように設定される。ここでトータルピッチは、パターン位相差フィルム1の帯状領域の幅方向の寸法を規定するものであり、表示画面の上下端に対応する所定本数の帯状領域の幅により定義される。これによりこの実施形態では、マスクの種類の増大を有効に回避して工程管理を簡略化できるように構成される。
以上の構成によれば、1回目の露光処理に供する部位と2回目の露光処理に供する部位とで温度を異ならせることにより、高い精度によりパターン位相差フィルムを作製することができる。
またこのことを有効に利用して第1及び第2のマスクでトータルピッチを同一とすることにより、工程管理を簡略化することができる。
〔他の実施形態〕
以上、本発明の実施に好適な具体的な構成を詳述したが、本発明は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述の実施形態の構成を種々に組み合わせたり、変更したりすることができる。
すなわち上述の実施形態では、斜め45度方向に円柱部材を4本配置する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、円柱部材の数及び配置の位置は必要に応じて種々に設定することができる。
また上述の実施形態では、搬送ローラを間に挟んで対向するようにマスクを配置する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、搬送ローラの周方向に順次マスクを配置する場合に広く適用することができる。
また上述の実施形態では、搬送ローラの全ての空隙に温度設定用の液体を供給する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、一部の空隙にのみ温度設定用の液体を供給するようにしてもよい。またさらに各液体の温度にあっても、種々に変更することができる。
また上述の実施形態では、軸部材、外筒部材、円柱部材により搬送ローラを構成する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、搬送ローラにあっては、要は、1回目の露光処理に供する部位と2回目の露光処理に供する部位とで表面温度を所望温度に設定できれば良く、種々の構成を広く適用することができる。
1 パターン位相差フィルム
2 基材
3 配光膜
4 位相差層
16A、16B マスク
20 露光装置
21 搬送ローラ
21A 軸部材
21B 外筒部材
21C 軸部材
22A、22B 偏光露光光源
25A、25B、25C、25D 空隙

Claims (4)

  1. 長尺の透明フィルム材による基材を搬送しながら順次処理してパターン位相差フィルムを作製するパターン位相差フィルムの製造方法において、
    前記基材を搬送ローラに巻き付けて搬送しながら、前記搬送ローラに対向するように前記搬送ローラの周方向に順次配置した第1及び第2のマスクをそれぞれ使用した第1及び第2の露光処理により光配向膜を作製し、
    前記搬送ローラは、
    前記第1及び第2の露光処理に供する部位の温度が、異なる温度に設定された
    パターン位相差フィルムの製造方法。
  2. 前記第1及び第2のマスクは、
    トータルピッチが同一に設定された
    請求項1に記載のパターン位相差フィルムの製造方法。
  3. 前記搬送ローラは、
    内外周方向に空隙を形成して軸部材及び外筒部材が同軸状に配置され、
    前記軸部材の外周及び前記外筒部材の内周に周側面が接触するように、円周方向に変位しないように保持されて、かつ回転自在に、前記外筒部材の周方向に順次複数の円柱部材が設けられ、
    前記外筒部材の周方向に隣接する前記円柱部材間の空隙の少なくとも一部に、温度設定用の液体が循環供給される
    請求項1又は請求項2に記載のパターン位相差フィルムの製造方法。
  4. 長尺の透明フィルム材による基材を搬送しながら順次露光処理して、パターン位相差フィルムに係る光配向膜を作製する露光装置において、
    前記基材を搬送ローラに巻き付けて搬送しながら、前記搬送ローラに対向するように前記搬送ローラの周方向に順次配置した第1及び第2のマスクをそれぞれ使用した第1及び第2の露光処理により光配向膜を作製し、
    前記搬送ローラは、
    前記第1及び第2の露光処理に供する部位の温度が、異なる温度に設定された
    露光装置。
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