JP6024240B2 - パターン位相差フィルムの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、パッシブ方式による3次元画像表示に適用するパターン位相差フィルムの製造方法に関するものである。
フラットパネルディスプレイは、従来、2次元表示のものが主流であった。しかしながら、近年、3次元表示可能なフラットパネルディスプレイが注目を集めており、一部市販もされている。そして今後のフラットパネルディスプレイは3次元表示可能であることが当然に求められる傾向にあり、3次元表示可能なフラットパネルディスプレイの検討が幅広い分野において進められている。
フラットパネルディスプレイにおいて3次元表示をするには、通常、何らかの方式で右目用の映像と、左目用の映像とを、それぞれ選択的に視聴者の右目及び左目に提供することが必要である。右目用の映像と左目用の映像とを選択的に提供する方法としては、例えば、パッシブ方式が知られている。このパッシブ方式の3次元表示方式について図を参照しながら説明する。図12は、液晶表示パネルを使用したパッシブ方式の3次元表示の一例を示す概略図である。この図12の例では、垂直方向に連続する液晶表示パネルの画素を、順次交互に、右目用及び左目用に割り当て、それぞれ右目用及び左目用の画像データで駆動し、これにより右目用の映像と左目用の映像とを同時に表示する。また液晶表示パネルのパネル面にパターン位相差フィルムを配置し、右目用及び左目用の画素からの直線偏光による出射光を、右目用及び左目用で方向の異なる円偏光に変換する。これによりパッシブ方式では、対応する偏光フィルタを備えてなるめがねを装着して、右目用の映像と左目用の映像とをそれぞれ選択的に視聴者の右目及び左目に提供する。
このパッシブ方式は、応答速度の低い液晶表示装置でも適用することができ、さらにパターン位相差フィルムと円偏光メガネとを用いた簡易な構成で3次元表示することができる。このようなことから、パッシブ方式の液晶表示装置は今後の表示装置の中心的存在となるものとして非常に注目されている。
ところでパッシブ方式に係るパターン位相差フィルムは、画素の割り当てに対応して透過光に位相差を与えるパターン状の位相差層が必要である。このパターン位相差フィルムは、まだ広く研究、開発が行われておらず、標準的な技術としても確立されているものがないのが現状である。
このパターン位相差フィルムに関して、特許文献1には、複数の搬送ローラにより連続的に搬送される長尺状の支持体上に、感光性組成物を供給し、感光性組成物の感光性膜を形成する第1の工程、及び支持体上の感光性膜をパターン露光する第2の工程、を少なくとも含み、第2の工程において、2つの搬送ローラ間に配置されたドラムの表面に支持体が押し付けられた状態で、その上に配置された感光性膜に対してパターン露光を行うことが提案されている。しかしながら、特許文献1に記載の方法では、右目用の透過光に対応する位相差を与える右目用の領域の幅と、左目用の透過光に対応する位相差を与える左目用の領域の幅とを均一にすることが難しい。右目用の領域の幅と、左目用の領域の幅とがばらつくと、パターン位相差フィルムを液晶表示パネルに適用する際、画素の開口とパターン位相差フィルムの領域幅との不一致が生じ、3次元表示する際にクロストーク等の原因となる。このように、右目用の領域の幅と、左目用の領域の幅とがばらつくことは、パターン位相差フィルムとして好ましくないため、右目用の領域の幅と、左目用の領域の幅とがより均一になる手法を簡便に提供することが求められている。
また、特許文献2には、レーザーの照射によりロール版の周囲に微細な凹凸形状を形成し、この凹凸形状を転写してパターン状に配向規制力を制御した光配向膜を作製する方法が提案されている。この方法では、レーザーの走査によりロール版の全周に漏れ無くレーザーを照射することが必要である。従ってロール版の作製に時間を要する問題がある。また高価なレーザー加工装置を使用しなければならない問題もある。
特開2012−042530号公報 特開2010−152296号公報
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、パッシブ方式による3次元画像表示に適用するパターン位相差フィルムに関して、右目用の透過光に対応する位相差を与える右目用の領域の幅と、左目用の透過光に対応する位相差を与える左目用の領域の幅とが均一である点で精度が高い位相差フィルムを、より簡易かつ大量に作製できる製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために、鋭意研究を重ねたところ、異なる配向領域をストライプ状に交互に形成するパターン配向処理工程において、第1光源及び/又は第2光源からマスクに入る光の幅方向の光量振れに応じて、マスクに入る光の光量を調整することで、右目用の透過光に対応する位相差を与える右目用の領域の幅と、左目用の透過光に対応する位相差を与える左目用の領域の幅とを均一にでき、その結果、パターン位相差フィルムの精度が大幅に高まることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明では、以下のようなものを提供する。
(1)本発明は、パターン位相差フィルムの製造方法であって、所定幅の透明フィルム基材上に光配向膜を形成する光配向膜形成工程と、前記光配向膜形成後の透明フィルム基材を流れ方向に連続又は不連続に移動して、前記流れ方向に沿ったストライプ形状のマスクを介する偏光露光を少なくとも1回含む、光源からの偏光露光を2回行い、異なる配向領域をストライプ状に交互に形成するパターン配向処理工程と、前記パターン配向処理された光配向膜上に液晶層を形成することで、右目用の透過光に対応する位相差を与える右目用の領域と、左目用の透過光に対応する位相差を与える左目用の領域とを、前記ストライプ状に交互に形成するパターン位相差層形成工程とを備え、前記パターン配向処理工程において、前記右目用の領域の幅と前記左目用の領域の幅との振れに応じて、少なくとも1回の露光時における前記光配向膜への前記流れ方向の光量を調整する、パターン位相差フィルムの製造方法である。
(2)また、本発明は、パターン位相差フィルムの製造方法であって、所定幅の透明フィルム基材上に、液晶性を発現し得る光配向液晶膜を形成する光配向液晶膜形成工程と、前記光配向液晶膜形成後の透明フィルム基材を流れ方向に連続又は不連続に移動して、前記流れ方向に沿ったストライプ形状のマスクを介する偏光露光を少なくとも1回含む、光源からの偏光露光を2回行い、右目用の透過光に対応する位相差を与える右目用の領域と、左目用の透過光に対応する位相差を与える左目用の領域とをストライプ状に交互に形成するパターン配向処理工程とを備え、前記パターン配向処理工程において、前記右目用の領域の幅と前記左目用の領域の幅との振れに応じて、少なくとも1回の露光時における前記光配向液晶膜への前記流れ方向の光量を調整する、パターン位相差フィルムの製造方法である。
(3)また、本発明は、1回目の偏光露光時に用いる第1光源と前記透明フィルム基材との間、又は2回目の偏光露光時に用いる第2光源と前記透明フィルム基材との間の少なくとも一方に、前記幅方向毎に前記流れ方向の光量の一部を遮蔽する光遮蔽部材を備えることで、前記光配向膜への前記流れ方向の光量を調整する、(1)又は(2)に記載のパターン位相差フィルムの製造方法である。
(4)また、本発明は、前記光遮蔽部材は、前記ストライプ形状のマスクを介してあらかじめ仮露光を行い、仮露光後のそれぞれの配向領域幅を幅方向に沿って測定してマスク自体のストライプ幅との差を幅シフト量として求め、この幅シフト量の前記幅方向の変化を反映した形状である、(3)に記載のパターン位相差フィルムの製造方法である。
(5)また、本発明は、1回目の偏光露光時に用いる第1の光遮蔽部材と、2回目の偏光露光時に用いる第2の光遮蔽部材と、を備える(3)又は(4)に記載のパターン位相差フィルムの製造方法である。
本発明によれば、右目用の透過光に対応する位相差を与える右目用の領域の幅と、左目用の透過光に対応する位相差を与える左目用の領域の幅とが均一である点で精度が高い位相差フィルムを、簡易かつ大量に作製できる。
本発明の第1実施形態に係るパターン位相差フィルムを示す図である。 図1のパターン位相差フィルムの製造工程を示すフローチャートである。 図2の露光工程の説明に供する図である。 1回目の露光工程に係る設備を示す図である。 2回目の露光工程に係る設備を示す図である。 図1のパターン位相差フィルムの製造するに先立って行う工程を示すフローチャートである。 第2マスク18の一例を示す図である。 光遮蔽部材19の一例を示す図である。 開口に光遮蔽部材19を取り付けた第2マスク18の一例を示す図である。 開口に光遮蔽部材19a,19bを取り付けた第2マスク18の他の例を示す図である。 マスクの補正結果の説明に供する図である。 パッシブ方式による3次元画像表示の説明に供する図である。
以下、本発明の具体的な実施形態について、詳細に説明するが、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。
<第1実施形態>
[パターン位相差フィルム1]
図1は、本発明の第1実施形態に係るパターン位相差フィルム1を示す図である。パターン位相差フィルム1は、透明フィルム材による基材2に光配向膜3、パターン位相差層4(以下「位相差層4」ともいう。)が順次作製される。パターン位相差フィルム1は、位相差層4が液晶材料により形成され、この液晶材料の配向を光配向膜3の配向規制力によりパターンニングする。なおこの液晶分子の配向を図1では細長い楕円により示す。このパターンニングにより、パターン位相差フィルム1は、液晶表示パネルにおける画素の割り当てに対応して、一定の幅により、右目用の領域Aと、左目用の領域Bとが順次交互に帯状に形成され、右目用及び左目用の画素からの出射光にそれぞれ対応する位相差を与える。
パターン位相差フィルム1は、光配向材料を含有する光配向膜が形成された後、いわゆる光配向の手法によりこの光配向膜3に直線偏光による紫外線を照射してストライプ状の配向領域が形成される。光配向膜3に照射する紫外線は、その偏光の方向が右目用の配向領域と左目用の配向領域とで90度異なるように設定され、これにより位相差層4に設けられる液晶材料に関して、右目用の透過光に対応する位相差を与える右目用の領域A、及び左目用の透過光に対応する位相差を与える左目用の領域Bとで対応する向きに液晶分子を配向させ、透過光に対応する位相差を与える。
[パターン位相差フィルム1の製造工程]
図2は、このパターン位相差フィルム1の製造工程を示すフローチャートである。まず、
ロールに巻き取った所定幅の長尺フィルムにより所定幅の透明フィルム基材2(以下「基材2」ともいう。)が提供され、この基材2をロールより送り出して光配向膜3が順次作製される(ステップSP1)。ここで光配向膜3は、各種の製造方法を適用することができるものの、この実施の形態では、光配向材料をベンゼン等の溶媒に分散させた成膜用液体をダイにより塗布した後、乾燥して作製される。なお光配向材料は、光配向の手法を適用可能な各種の材料を適用できる。本実施形態では、一旦配向した後には、紫外線の照射によって配向が変化しない、光二量化型の材料を使用してもよいし、一旦配向した後であっても、紫外線を照射すると配向が変化する材料を使用してもよい。光二量化型の材料については、「M.Schadt, K.Schmitt, V. Kozinkov and V. Chigrinov : Jpn. J. Appl.Phys., 31, 2155 (1992)」、「M. Schadt, H. Seiberle and A. Schuster : Nature, 381, 212(1996)」等に開示されており、例えば、ROP−103(ロリック社製)の商品名により既に市販されている。
続いて、パターン配向処理工程が行われる(ステップSP2)。このパターン配向処理工程では、光配向膜3を形成した後の基材2を流れ方向に連続又は不連続に移動して、第1光源(図示せず)から第1マスク16(図4参照)を介して第1偏光を露光する第1露光処理、及び、第2光源(図示せず)から第2マスク18(図5参照)を介して第1偏光と異なる第2偏光を露光する第2露光処理を行ない、第1マスク16及び/又は第2マスク18を流れ方向に沿ったストライプ形状とすることで、異なる配向領域をストライプ状に交互に形成する。
本実施形態では、上記光二量化型の材料を使用し、1回目にはストライプ形状のマスクを用いた露光を行い、2回目にはストライプ無しのマスクを用いた露光を行っているが、これに限るものではない。例えば、1回目にはストライプ形状のマスクを用いた露光を行い、2回目にはマスク無しの露光を行ってもよい。また、1回目、2回目の両方においてストライプ形状のマスクを用いた露光を行ってもよい。
また、光配向膜3として、紫外線を照射すると配向が変化する材料を使用する場合、1回目にはストライプ無しのマスクを用いた露光を行い、2回目にはストライプ形状のマスクを用いた露光を行ってもよいし、1回目にはマスク無しの露光を行い、2回目にはストライプ形状のマスクを用いた露光を行ってもよい。また、1回目、2回目の両方においてストライプ形状のマスクを用いた露光を行ってもよい。
続いて、パターン位相差層形成工程が行われる。このパターン位相差層形成工程では、パターン配向処理された光配向膜3上に位相差層4を形成することで、右目用の透過光に対応する位相差を与える右目用の領域Aと、左目用の透過光に対応する位相差を与える左目用の領域Bとを、光配向膜3と同じくストライプ状に交互に形成する。位相差層4には、例えば、重合性液晶を含む材料等が用いられる。重合性液晶を含む材料を、ダイコートなどで製膜して、その後加熱することで、液晶分子を配向膜3の配向方向に並ばせる。その後、位相差層4に紫外線を照射することで、液晶分子の配向状態を保ったまま硬化させる。硬化の手法としては、紫外線の照射に限らず、熱を加えることも考えられるが、本実施形態では基材2がフィルムであるため、基材の耐熱性を考慮すると紫外線照射によって硬化させることが好ましい。
続いて、必要に応じて反射防止膜の作製処理等を実行した後、切断工程において、所望の大きさに切り出す(ステップSP4)。上記の工程を経てパターン位相差フィルム1が作製される。
[パターン配向処理工程]
図3から図5は、第1実施形態に係るパターン配向処理工程の詳細を示す図である。まず、図3を参照して説明する。パターン配向処理工程は、右目用の領域A又は光目用の領域Bに対応する部位を遮光したスリットS入りの第1マスク16を介して、第1光源(図示せず)から直線偏光による紫外線(偏光紫外線)を照射することにより、遮光されていない側の、左目用の領域B又は右目用の領域Aについて、光配向膜3を所望の方向に配向させる(図3(A))。これによりこの製造工程は、1回目の露光処理を実行する。続いて、略全体が開口された中空形状の第2マスク18を介して、第2光源(図示せず)から1回目の露光処理とは偏光方向が90度異なる直線偏光により紫外線を全面に照射し、1回目の露光処理で未露光の、右目用の領域A又は光目用の領域Bについて、光配向膜3を所望の方向に配向させる(図3(B))。これら2回の露光処理により、右目用の領域Aと左目用の領域Bとがストライプ状に交互に形成される。本実施形態では、第1光源から第1マスク16に入る光の幅方向の光量振れ及び/又は第2光源から第2マスク18に入る光の幅方向の光量振れに応じて、マスク16,18に入る光の流れ方向の光量を幅方向毎に調整している。この調整は、第2光源と基材2との間に、幅方向毎に流れ方向の光量の一部を遮蔽する光遮蔽部材19を設けることによって行われる。
図4は、1回目の露光処理に供する設備を示す図である。1回目の露光処理では、大径のロール17に巻き付けて基材2を搬送するようにして、このロール17に対向するように第1マスク16が配置され、直線偏光による紫外線が第1マスク16を介して照射される。また第1マスク16は、基材2の搬送方向に延長するスリットSが、延長方向と直交する方向に一定のピッチにより繰り返し形成され、このスリットSを介して基材2に紫外線を照射する。
ところで、右目用の領域Aと左目用の領域Bとの作製精度が低く、右目用の領域Aが所定のピッチより大きくなり、左目用の領域Bが所定のピッチより狭くなると、液晶表示パネルに実装して3次元表示させた際に、右目で見たときは問題ないが、左目で見たときに右目の画像の一部が見えてしまい、クロストークとなって、品質低下につながる。
そこで、この実施形態では、図5に示すように、2回目の露光処理において、パターン位相差フィルムのピッチに基づいて作製された光遮蔽部材19が設けられている。このピッチは、ディスプレイパネルの画素(ピクセル)のピッチと合致するようになっている。1回目の露光処理では、大径のロール20に巻き付けて基材2を搬送するようにして、このロール20に対向するように第2マスク18が配置される。第2マスクの開口には光遮蔽部材19が設けられ、直線偏光による紫外線は、光遮蔽部材19及び第2マスク18を介して照射される。これによりこの実施形態では、精度の劣化を有効に回避して基材2に照射する光量を増大させ、基材2の搬送速度を高速度化する。
[光遮蔽部材19の作製]
図6は、光遮蔽部材19を作製する工程を示すフローチャートである。光遮蔽部材19の作製は光配向膜3の形成(ステップSP1)に先立って行われる。まず、ロールに巻き取った長尺フィルムにより基材2が提供され、この基材2をロールより送り出して光配向膜3が順次仮形成される(ステップSP11)。光配向膜3は、ステップSP1と同じ方法で仮作製される。
続いて、仮パターン配向処理工程を行う(ステップSP12)。この仮パターン配向処理工程では、光配向膜3に第1偏光及び第2偏光を仮露光し、異なる配向領域がストライプ状に交互に形成される。ここでは、光遮蔽部材19の作製前であるため、第2マスク18に光遮蔽部材19が取り付けられていない。
続いて、パターン位相差層仮形成工程において、ダイ等により液晶材料を塗布した後、加熱により、液晶分子を配向させて、紫外線の照射によりこの液晶材料を硬化させ、位相差層が仮作製される(ステップSP13)。続いて、必要に応じて反射防止膜の仮作製処理等を実行した後、切断工程において、所望の大きさに切り出し、仮パターン位相差フィルムが仮作製される(ステップSP14)。続いて、仮作製された後の仮パターン位相差フィルムのピッチを計測し、この計測の結果に基づき光遮蔽部材19を作製する(ステップSP15)。
図7は、第2マスク18を示す図である。第2マスク18にスリットは設けられておらず、略全体に開口を有する。
図8は、光遮蔽部材19を示す図である。光遮蔽部材19は、仮露光後のそれぞれの配向領域幅を幅方向に沿って測定してマスク自体のストライプ幅との差を幅シフト量として求め、この幅シフト量の幅方向の変化を反映した形状となっている。
図9は、光遮蔽部材19が取り付けられた第2マスク18を示す図である。本実施形態では、第2光源と基材2との間に上記第2マスク18が設けられ、第2光源からの光は、基材2上の光配向膜3に露光される。
ところで、本実施形態では、光遮蔽部材19を取り付ける部材をスリット無しのマスクとしているが、これに限られるものではない。マスクはガラス製であることが多く高価であるため、スリット無しの中空形状を有する金属板等に光遮蔽部材19を取り付けてもよい。
<他の実施形態>
以上、本発明の実施に好適な具体的な構成を詳述したが、本発明は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述の実施形態の構成を種々に変更することができる。
第1の実施形態では、遮蔽の態様として、光遮蔽部材19をマスク自体に装着するものとしているが、これに限るものではなく、マスク自体に流れ方向遮蔽幅が形成されているものとしてもよい。
第1の実施形態では、1枚の光遮蔽部材19を第2マスク18の片側から取り付けているが、これに限るものではなく、図10に示すように、遮蔽幅を半分にした2枚の光遮蔽部材19a,19bを第2マスク18の両側から取り付けるようにしてもよい。
第1の実施形態では、所定幅の基材2上に光配向膜3を形成する光配向膜形成工程と、光源から光配向膜3への偏光露光を2回行い、異なる配向領域をストライプ状に交互に形成するパターン配向処理工程と、パターン配向処理された光配向膜3上に液晶層4を形成することで、右目用の透過光に対応する位相差を与える右目用の領域と、左目用の透過光に対応する位相差を与える左目用の領域とを、ストライプ状に交互に形成するようにしているが、これに限るものではない。つまり、第1の実施形態では、基材2上に光配向膜3と液晶層4との2層を形成してパターン位相差フィルムを作製しているが、これに限るものではない。例えば、所定幅の透明フィルム基材上に、液晶性を発現し得る光配向液晶膜を形成する光配向液晶膜形成工程と、この光配向液晶膜形成後の透明フィルム基材を流れ方向に連続又は不連続に移動して、流れ方向に沿ったストライプ形状のマスクを介する偏光露光を少なくとも1回含む、光源からの偏光露光を2回行い、右目用の透過光に対応する位相差を与える右目用の領域と、左目用の透過光に対応する位相差を与える左目用の領域とをストライプ状に交互に形成するパターン配向処理工程とを備え、パターン配向処理工程において、右目用の領域の幅と左目用の領域の幅との振れに応じて、少なくとも1回の露光時における光配向液晶膜への前記流れ方向の光量を調整するようにして、パターン位相差フィルムを製造してもよい。すなわち、基材2上に光配向液晶膜の1層だけを形成してパターン位相差フィルムを作製してもよい。光配向液晶膜を構成する材料として、例えば、特許第3945790号、特開2008−276149号に記載にものが挙げられる。
また、第1の実施形態では、第2光源からの2回目の露光時のみに光遮蔽部材19を用いているが、これに限るものではない。位相差フィルムの精度を上げるため、第1マスクに対応する第1の光遮蔽部材と、第2マスクに対応する第2の光遮蔽部材との両方を設けてもよい。この場合、光配向膜形成工程に先立つ工程として、基材2に、光配向膜3を仮作製する1回目の光配向膜仮形成工程と、第1光源から基材2上の光配向膜3に仮露光する第1仮露光処理からなる1回目の仮パターン配向処理工程と、光配向膜3の上に前記右目用の領域と左目用の領域とによる位相差層4を仮作製する1回目のパターン位相差層仮形成処理と、位相差層4を仮形成した後の仮パターン位相差フィルムのピッチを計測し、この計測の結果に基づき第1光遮蔽部材を作製する第1光遮蔽部材作製工程とを行った後、2回目の上記光配向膜仮形成工程と、上記第1光源と上記基材2との間に上記第1光遮蔽部材が装着されている条件下で行われる上記第1仮露光処理、及び上記第2光源から上記基材2上の上記光配向膜3に仮露光する第2仮露光処理を含む2回目の仮パターン配向工程と、2回目の前記パターン位相差層仮形成工程と、上記位相差層を仮形成した後の仮パターン位相差フィルムのピッチを計測し、この計測の結果に基づき上記第2光遮蔽部材を作製する第2光遮蔽部材作製工程とを行うこととなる。
また第1の実施形態では、液晶表示パネルの使用を前提としたパターン位相差フィルムを作製する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、有機ELパネル、プラズマディスプレイパネルの使用を前提に、偏光フィルタを一体に設ける場合にも広く適用することができる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
[光遮蔽部材の作製]
まず、光遮蔽部材を作製した。透明フィルム基材に光配向膜を仮形成した後、1080本のスリットSを有する第1マスクを介して、第1光源から光配向膜に紫外線を仮露光し、第2光源から、短辺が30mmの矩形開口を有する第2マスクを介して、第2光源から光配向膜に紫外線を仮露光した。そして、異なる配向領域がストライプ状に交互に形成された仮露光後の配向膜の上に右目用の領域と左目用の領域とによる位相差層を仮形成し、仮形成後の仮パターン位相差フィルムのピッチを計測した。ピッチの計測は、測長機(AMIC−1300、ソキアファインシステム社製)を用いて行うことができる。通常の可視光で位相差を視認することはできないが、偏光板の上に仮パターン位相差フィルムを置いて、測長機のカメラ側に円偏光板を取り付けることで、パターンが白黒のパターンとして認識できるため、測長機でピッチを計測できる。
上記計測の結果に基づき光遮蔽部材を作製した。光遮蔽部材における、幅方向毎の流れ方向遮蔽幅は、ストライプ形状の第1マスク又は第2マスクを介してあらかじめ仮露光を行い、仮露光後のそれぞれの配向領域幅を幅方向に沿って測定してマスク自体のストライプ幅との差を幅シフト量として求め、この幅シフト量の上記幅方向の変化を反映した形状である。
[パターン位相差フィルムの作製]
続いて、上記光遮蔽部材を用いて実施例に係るパターン位相差フィルムを作成した。透明フィルム基材に光配向膜を作製した後、上記第1マスクを介して、第1光源から光配向膜に紫外線を露光し、第2光源から、矩形開口に上記光遮蔽部材を取り付けた上記第2マスクを介して、第2光源から光配向膜に紫外線を露光した。そして、異なる配向領域がストライプ状に交互に形成された露光後の配向膜の上に右目用の領域と左目用の領域とによる位相差層を作製し、作製後のパターン位相差フィルムのピッチを計測した。第2マスクの矩形開口に上記光遮蔽部材を取り付けた場合を実施例とし、該光遮蔽部材を取り付けていない場合を比較例とした。結果を図11に示す。
[結果]
光遮蔽部材が設けられていない場合、図11(A)に示すように、設計目標(0mmで示す)に対する領域幅の差が大きくなっていることが分かる。しかしながら、光遮蔽部材が設けられている場合(図11(B))、何ら補正しない場合に比べ、設計目標(0mmで示す)に対する領域幅の差が全体的に低下し、パターン位相差フィルムの精度が格段に向上していることが分かる。
実施例によれば、マスクを使用して露光処理した後、全面を露光して配向膜を作製する場合に、光源と基材との間に光遮蔽部材を設けることでマスクにおけるスリットの幅を、露光する領域の幅より幅狭とすることにより、高い精度でパターン位相差フィルムを作製することができる。またこの場合連続した長尺透明フィルムの処理により、簡易に大量生産することができる。
1 パターン位相差フィルム
2 基材
3 配向膜
4 位相差層
16 第1マスク
17 ロール
18 第2マスク
19 光遮蔽部材
S スリット

Claims (6)

  1. パターン位相差フィルムの製造方法であって、
    所定幅の透明フィルム基材上に光配向膜を形成する光配向膜形成工程と、
    前記光配向膜形成後の透明フィルム基材を流れ方向に連続又は不連続に移動して、前記流れ方向に沿ったストライプ形状のマスクを介する偏光露光を少なくとも1回含む、光源からの偏光露光を2回行い、異なる配向領域をストライプ状に交互に形成するパターン配向処理工程と、
    前記パターン配向処理された光配向膜上に液晶層を形成することで、右目用の透過光に対応する位相差を与える右目用の領域と、左目用の透過光に対応する位相差を与える左目用の領域とを、前記ストライプ状に交互に形成するパターン位相差層形成工程とを備え、
    前記パターン配向処理工程において、前記右目用の領域の幅と前記左目用の領域の幅との振れに応じて、少なくとも1回の露光時における前記光配向膜への前記流れ方向の光量を調整する、パターン位相差フィルムの製造方法。
  2. パターン位相差フィルムの製造方法であって、
    所定幅の透明フィルム基材上に、液晶性を発現し得る光配向液晶膜を形成する光配向液晶膜形成工程と、
    前記光配向液晶膜形成後の透明フィルム基材を流れ方向に連続又は不連続に移動して、前記流れ方向に沿ったストライプ形状のマスクを介する偏光露光を少なくとも1回含む、光源からの偏光露光を2回行い、右目用の透過光に対応する位相差を与える右目用の領域と、左目用の透過光に対応する位相差を与える左目用の領域とをストライプ状に交互に形成するパターン配向処理工程とを備え、
    前記パターン配向処理工程において、前記右目用の領域の幅と前記左目用の領域の幅との振れに応じて、少なくとも1回の露光時における前記光配向液晶膜への前記流れ方向の光量を調整する、パターン位相差フィルムの製造方法。
  3. 1回目の偏光露光時に用いる第1光源と前記透明フィルム基材との間、又は2回目の偏光露光時に用いる第2光源と前記透明フィルム基材との間の少なくとも一方に、前記幅方向毎に前記流れ方向の光量の一部を遮蔽する光遮蔽部材を備えることで、前記光配向膜への前記流れ方向の光量を調整する、請求項1に記載のパターン位相差フィルムの製造方法。
  4. 1回目の偏光露光時に用いる第1光源と前記透明フィルム基材との間、又は2回目の偏光露光時に用いる第2光源と前記透明フィルム基材との間の少なくとも一方に、前記幅方向毎に前記流れ方向の光量の一部を遮蔽する光遮蔽部材を備えることで、前記光配向液晶膜への前記流れ方向の光量を調整する、請求項2に記載のパターン位相差フィルムの製造方法。
  5. 前記光遮蔽部材は、前記ストライプ形状のマスクを介してあらかじめ仮露光を行い、仮露光後のそれぞれの配向領域幅を幅方向に沿って測定してマスク自体のストライプ幅との差を幅シフト量として求め、この幅シフト量の前記幅方向の変化を反映した形状である、請求項3又は4に記載のパターン位相差フィルムの製造方法。
  6. 1回目の偏光露光時に用いる第1の光遮蔽部材と、2回目の偏光露光時に用いる第2の光遮蔽部材と、を備える請求項3から5のいずれかに記載のパターン位相差フィルムの製造方法。
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