JP2014044251A - 光学フィルム、画像表示装置及び光学フィルムの製造方法 - Google Patents

光学フィルム、画像表示装置及び光学フィルムの製造方法 Download PDF

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啓介 三浦
Keiji Kashima
啓二 鹿島
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顕 成住
Masanori Fukuda
政典 福田
Yusuke Nurishi
勇輔 塗師
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Abstract

【課題】パターン位相差フィルム等の光学フィルムにおいて、配向膜の配向規制力を修整することができるようにすることを目的とする。
【解決手段】透明フィルム材による基材2上に、配向膜3、位相差層4が順次設けられて透過光に位相差を付与する光学フィルム1において、位相差層4は、配向膜3の配向規制力により液晶材料が配向して透過光に対応する位相差を付与し、配向膜3は、位相差層4側面に、配向規制力を修整する配向規制力修整痕が形成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、位相差層を構成する液晶材料を配向膜により配向させ、この位相差層により透過光に位相差を付与する各種の光学フィルムに関するものである。
近年、フラットパネルディスプレイ等は、各種の光学フィルムを使用している。またこの種の光学フィルムの中には、例えばパターン位相差フィルムのように、液晶材料の配向により透過光に位相差を付与するものがある。
ここでパターン位相差フィルムは、パッシブ方式の3次元画像表示に適用される光学フィルムである。パッシブ方式では、画像表示パネルの垂直方向又は水平方向に連続する画素を、順次交互に、右目用及び左目用に割り当て、それぞれ右目用及び左目用の画像データで駆動する。これによりパッシブ方式では、右目用の画像と左目用の画像とを同時に表示する。なおこれにより画像表示パネルの画面は、例えば帯状の領域により、右目用の画像を表示する領域と左目用の画像を表示する領域とに表示画面が交互に区分される。
パターン位相差フィルムは、この右目用及び左目用の画素からの直線偏光による出射光を、右目用及び左目用で回転方向の異なる円偏光に変換して出射する。これによりパターン位相差フィルムは、対応する偏光フィルタを備えてなるめがねを装着するだけで、右目用の画像と左目用の画像とをそれぞれ選択的に視聴者の右目及び左目に提供することができるように、画像表示パネルからの出射光に対応する位相差を与える。
パターン位相差フィルムは、透明フィルムによる基材の表面に、配向規制力を制御した配向膜が作製され、さらに液晶材料が塗布される。パターン位相差フィルムは、この液晶材料が配向膜の配向規制力によりパターンニングされて硬化され、これによりこの液晶材料層により、画像表示パネルからの出射光に対応する位相差を与える。この配向膜は、例えば特許文献1、2に記載のように種々の作製手法があり、そのうちの1つが、賦型用金型の表面に形成された微細な凹凸形状を紫外線硬化性樹脂等による賦型用樹脂層に賦型して作製する方法である。また他の方法として、光配向の手法を適用して光配向膜により配向膜を作製する方法もある。ちなみにパターン位相差フィルムは、透過光に右目用及び左目用の位相差を付与する領域については、遅相軸方向が、通常、水平方向に対して、+45度と−45度、0度と+90度の何れかの組み合わせが採用される。
ところで配向膜による配向規制力を種々に修整することができれば、この修整により生産工程におけるばらつき等を補正することができ、便利であると考えられる。
特開2005−49865号公報 特開2010−152296号公報
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、パッシブ方式の3次元画像表示に係るパターン位相差フィルム等の光学フィルムに関して、配向膜の配向規制力を修整することができるようにすることを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ね、配向膜の表面に配向規制力修整痕を作製して配向膜の配向規制力を修整するとの知見を得、本発明を完成するに至った。
具体的には、本発明では、以下のようなものを提供する。
(1) 透明フィルム材による基材上に、配向膜、位相差層が順次設けられて透過光に位相差を付与する光学フィルムにおいて、
前記位相差層は、
前記配向膜の配向規制力により液晶材料が配向して前記透過光に対応する位相差を付与し、
前記配向膜は、
前記位相差層側の面に、配向規制力を修整する配向規制力修整痕が形成される。
(1)によれば、配向規制力修整痕により配向規制力を修整したパターン位相差フィルムを提供することができる。
(2) (1)において、
前記配向膜が、光配向膜である。
(2)によれば、光配向膜による光学フィルムに適用して、配向規制力を修整することができる。
(3) (1)において、
前記配向膜が、賦型用樹脂の表面の微細な凹凸形状により作製される。
(3)によれば、賦型処理により配向膜を作製する場合に適用して、配向規制力を修整することができる。
(4) (1)、(2)、又は(3)において、
前記位相差層により透過光に与える位相差が前記基材の全面で同一に作製される。
(4)によれば、1/2位相差板、1/4位相差板等の光学フィルムに適用して、配向膜の配向規制力を修整することができる。
(5) (1)、(2)、又は(3)において、
前記位相差層は、
透過光に与える位相差が異なる第1及び第2の領域が順次交互に作製される。
(5)によれば、パターン位相差フィルム等の光学フィルムに適用して、配向膜の配向規制力を修整することができる。
(6) (1)、(2)、(4)又は(5)に記載の光学フィルムを配置した画像表示装置。
(6)によれば、光学特性の優れた光学フィルムを使用した画像表示装置を提供することができる。
(7) 位相差層により透過光に位相差を付与する光学フィルムの製造方法において、
透明フィルム材による基材上に、配向膜を作製する配向膜作製工程と、
前記配向膜の配向規制力により液晶材料を配向させて前記位相差層を作製する位相差層作製工程とを備え、
さらに前記配向膜の前記位相差層側の面に、配向規制力を修整する配向規制力修整痕を形成して前記配向膜の配向規制力を修整する配向規制力修整工程を備える。
(7)によれば、配向規制力修整痕により配向規制力を修整することができる。
(8) (7)において、
前記配向規制力修整工程は、
前記基材の搬送速度に対して、前記基材を搬送する搬送用ローラの周速度を異ならせて発生する擦り傷により前記配向規制力修整痕を作製する。
(8)によれば、既存の生産工程に設けられた構成を有効に利用して、配向規制力を修整することができる。
本発明によれば、製造工程中で不可避的に生じる位相差層に係る液晶分子の配向を修整して所望の光学特性を確保することができる。
本発明の第1実施形態に係るパターン位相差フィルムを示す図である。 図1のパターン位相差フィルムにおける配向規制力の修整の説明に供する図である。 図1のパターン位相差フィルムの製造工程を示す図である。 露光工程の説明に供する図である。 配向規制力修整工程、位相差層作製工程の説明に供する図である。 配向規制力の修整結果を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る光学フィルムを示す図である。 図7の光学フィルムの製造工程の説明に供する図である。 本発明の第3実施形態に係る光学フィルムの説明に供する図である。 円偏光板と直線偏光板との関係の説明に供する図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態に係る画像表示装置に適用されるパターン位相差フィルムを示す図である。この第1実施形態に係る画像表示装置は、垂直方向(図1においては左右方向が対応する方向である)に連続する液晶表示パネルの画素が、順次交互に、右目用の画像を表示する右目用画素、左目用の画像を表示する左目用画素に振り分けられて、それぞれ右目用及び左目用の画像データで駆動される。これにより画像表示装置は、右目用の画像を表示する帯状の領域と、左目用の画像を表示する帯状の領域とに表示画面が交互に区分され、右目用の画像と左目用の画像とを同時に表示する。この画像表示装置は、この液晶表示パネルのパネル面(視聴者側面)に、パターン位相差フィルム1が配置され、このパターン位相差フィルム1により右目用及び左目用の画素からの出射光にそれぞれ対応する位相差を与える。これによりこの画像表示装置は、パッシブ方式により所望の立体画像を表示する。
ここでパターン位相差フィルム1は、TAC(トリアセチルセルロース)等の透明フィルムからなる基材2の一方の面上に、配向膜3、位相差層4が順次作製される。パターン位相差フィルム1は、屈折率異方性を保持した状態で固化(硬化)された液晶材料により位相差層4が形成され、この液晶材料の配向を配向膜3の配向規制力によりパターンニングする。なおこの液晶分子の配向を図1では細長い楕円により誇張して示す。このパターンニングにより、パターン位相差フィルム1は、液晶表示パネルにおける画素の割り当てに対応して、一定の幅により、右目用の領域(第1の領域)Aと左目用の領域(第2の領域)Bとが順次交互に帯状に形成され、右目用及び左目用の画素からの出射光にそれぞれ対応する位相差を与える。
パターン位相差フィルム1は、光配向材料により光配向材料膜が作製された後、いわゆる光配向の手法によりこの光配向材料膜に直線偏光による紫外線を照射し、これにより光配向膜により配向膜3が形成される。ここでこの光配向材料膜に照射する紫外線は、その偏光の方向が右目用の領域Aと左目用の領域Bとで90度異なるように設定され、これにより位相差層4に設けられる液晶材料に関して、右目用の領域A及び左目用の領域Bとで対応する向きに液晶分子を配向させ、透過光に対応する位相差を与える。なお光配向材料は、光配向の手法を適用可能な各種の材料を適用することができるものの、例えば光2量化型の材料を適用することができる。なおこの光2量化型の材料については、「M.Schadt, K.Schmitt, V. Kozinkov and V. Chigrinov : Jpn. J. Appl.Phys., 31, 2155 (1992)」、「M. Schadt, H. Seiberle and A. Schuster : Nature, 381, 212 (1996)」等に開示されており、例えば「ROP-103」の商品名により既に市販されている。また基材2には、例えばトリアセチルセルロースが適用される。
パターン位相差フィルム1は、この光配向による配向膜3の表面(位相差層4側面)に配向規制力修整痕が設けられる。ここで配向規制力修整痕は、配向膜3の配向規制力を修整する構成であり、微細かつ多数の擦り傷により構成される。この実施形態において、この配向規制力修整痕は、後述するように長尺フィルムによる基材を搬送する搬送用ローラの回転速度の制御により強弱が制御されて作製される。これによりこの実施形態では、この配向規制力修整痕の強弱により配向膜3の配向規制力を種々に修整することができるように設定される。
すなわち図2は、配向膜3の配向規制力の制御の説明に供する略線図である。光配向膜による配向規制力を符号Foにより示す。この配向規制力Foにより、配向規制力修整痕を設けない場合、位相差層4を構成する液晶材料は、この配向規制力Foに係る矢印の方向が液晶分子の長手方向となるように配向して硬化されることになり、その結果、位相差層4はその進相軸方向がこの矢印の方向となるように光学異方性が付与される。
しかしながらこの実施形態のように、搬送用ローラの回転速度の制御により、微細かつ多数の擦り傷による配向規制力修整痕が設けられた場合、この配向規制力修整痕による擦り傷は、基材2の長尺方向であるパターン位相差フィルム1の搬送方向に延長する方向に多数設けられることになる。その結果、この擦り傷により、あたかもこの搬送方向にラビング処理したかのような配向規制力Frが配向膜3に付加されることになり、その結果、配向膜3の配向規制力は、何ら配向規制力修整痕を設けない場合の配向規制力Foから、配向規制力Foと、修整痕による配向規制力Frとの合成の配向規制力Ftに修整されることになる。
またこの修整痕にあっては、パターン位相差フィルム1(基材2)の搬送速度に対して、搬送用ローラの周速度を大きく異ならせれば異ならせる程、大きさを大きくすることができ、これにより搬送用ローラの回転速度の制御により、この修整痕による配向規制力Frを種々に可変して、合成の配向規制力Ftを制御することができる。これによりこの実施形態では、配向膜3の配向規制力を修整して、生産工程中で不可避的に発生する、位相差層4における液晶分子の配向方向を補正し、当該パターン位相差フィルム1の光学特性を設計目標に設定する。
図3は、このパターン位相差フィルム1の製造工程を示すフローチャートである。パターン位相差フィルム1の製造工程は、ロールに巻き取った長尺フィルムにより基材2が提供され、この基材2をロールより送り出して光配向材料膜が順次作製される(ステップSP1−SP2)。ここで光配向材料膜は、各種の製造方法を適用することができるものの、この実施の形態では、光配向材料をベンゼン等の溶媒に分散させた成膜用液体をダイにより塗布した後、乾燥して作製される。
続いてこの製造工程は、露光工程により紫外線を照射して光配向膜が作製される(ステップSP3)。続いてこの製造工程は、必要に応じて、配向規制力修整工程において、配向規制力修整痕が作製され(ステップSP4)、これにより光配向膜による配向膜3の配向規制力が修整される。続いてこの製造工程は、位相差層作製工程において、ダイ等により液晶材料を塗布した後、紫外線の照射によりこの液晶材料を硬化させ、位相差層4が作製される(ステップSP5)。続いてこの製造工程は、必要に応じて反射防止膜の作製処理等を実行した後、切断工程において、所望の大きさに切り出してパターン位相差フィルム1が作製される(ステップSP6−SP7)。
図4は、この露光工程の詳細を示す図である。この製造工程は、右目用の領域A又は光目用の領域Bに対応する部位を遮光したマスク16を介して、直線偏光による紫外線(偏光紫外線)を照射することにより、遮光されていない側の、左目用の領域B又は右目用の領域Aについて、光配向材料膜を所望の方向に配向させる(図4(A))。これによりこの製造工程は、1回目の露光処理を実行する。続いてこの製造工程は、1回目の露光処理とは偏光方向が90度異なる直線偏光により紫外線を全面に照射し、1回目の露光処理で未露光の、右目用の領域A又は光目用の領域Bについて、光配向材料膜を所望の方向に配向させる(図4(B))。これによりこの製造工程では、2回の露光処理により、右目用の領域Aと左目用の領域Bとを順次露光処理して配向膜3を作製する。
図5は、配向規制力修整工程を、位相差層作製工程と共に示す図である。パターン位相差フィルム1の製造工程では、配向膜3を作製した基材2をロール11に巻き取ってこの工程に供給する。この工程は、ロール11から基材2を引き出して複数の搬送用ローラにより搬送する。この工程は、これら複数の搬送用ローラの1つである搬送用ローラ12が回転速度を独立して制御可能に構成される。また事前に中間製品の検査等により、配向規制力の補正に必要な補正量が求められ、この補正量に対して、基材2の搬送速度Voに対する搬送用ローラ12の周速度の偏差が比例するように、搬送用ローラ12の回転速度が制御される。これによりこの実施形態では、修整量に比例する大きさにより配向規制力修整痕を作製する。搬送用ローラ12は、周側面が鏡面仕上げにより平滑に仕上げられたステンレス等の金属材料により構成される。なお搬送用ローラ12は、配向規制力の補正に供する擦り傷を作製可能であることを条件に、この種のフィルム材の搬送に適用される各種の材料を適用することができる。具体的に、例えば鉄、アルミニウム等の金属による円柱形状又は円筒形状の部材、各種の樹脂材料による円柱形状又は円筒形状の部材等を適用することができる。また円柱形状、円筒形状の形状に代えて、領域A及びBに対応する段差を周側面に形成して軸方向に直径が変化するようにして、領域A及びBの一方の領域についてのみ、配向規制力を修整するようにしても良い。
この工程は、搬送用ローラ12により配向規制力修整痕を作製した基材2に、ダイ13により液晶材料を塗布した後、紫外線照射装置14により紫外線を照射して位相差層4を作製し、ロール15に巻き取って次工程に搬送する。
図6は、配向規制力修整痕による配向規制力の修整結果を示す特性曲線図である。この図6は、位相差層4における光軸の変化により修整結果を示すものであり、横軸は、基材2の幅方向の座標である。この図6において、符号L1により示す測定結果は、基材2の搬送速度Voと搬送用ローラ12の周速度Vrとが一致するように搬送用ローラ12の回転速度を制御した場合であり、何ら配向規制力修整痕を作製しない場合の光学特性である。これに対して符号L2の測定結果は、搬送用ローラ12が回転しないように設定することにより、基材2の搬送速度Voと搬送用ローラ12の周速度Vrとの偏差が、基材2の搬送速度Voと等しくなるように設定した場合である。この場合、位相差層4における光軸の向きを2.5度程度、補正できることが判る。
なおこの実施形態では、配向膜を作製した後に、配向規制力修整工程を設ける場合について述べたが、これに代えて、又はこれに加えて、光配向材料膜の成膜工程の後に配向規制力修整工程を設けてもよく、さらにはこれらに代えて、又はこれらに加えて第1回目の露光処理と第2回目の露光処理(図4)の間に配向規制力修整工程を設けるようにしてもよい。
またこのようにマスクを使用した露光処理の後、全面を露光処理して配向膜を作製する代わりに、全面を露光処理した後、マスクを使用して露光処理して配向膜を作製する場合、マスクを使用した交互の露光処理により配向膜を作製する場合にも広く適用することができる。
以上の構成によれば、配向膜に、配向規制力を修整する配向規制力修整痕を形成することにより、配向膜による配向規制力を修整することができ、これにより所望の光学特性による光学フィルムを得ることができる。
また配向膜が光配向膜である場合に、さらには右目用及び左目用の領域である、透過光に与える位相差が異なる第1及び第2の領域が順次交互に設けられたパターン位相差フィルムに適用して、光学特性を修整することができる。
またこの配向規制力修整痕を搬送用ローラの制御により実行することにより、既存の設備を有効に利用して配向規制力を修整することができる。
〔第2実施形態〕
図7は、本発明の第2実施形態に係るパターン位相差フィルムを示す図である。この図7に示す構成において、図1と同一の構成は、対応する符号を付して示し、重複した説明は省略する。このパターン位相差フィルム21は、配向膜3が賦型処理により作製される。
すなわちパターン位相差フィルム21は、賦型処理に供する賦型用樹脂の1つである紫外線硬化性樹脂25が基材2の表面に塗布された後、この紫外線硬化性樹脂25の表面に微小な凹凸形状が形成される。パターン位相差フィルム1は、この紫外線硬化性樹脂25の表面の凹凸形状により配向膜3が形成される。パターン位相差フィルム1は、この配向膜3に、右目用及び左目用の帯状領域A及びBにそれぞれ対応する帯状の領域が順次交互に形成され、それぞれ微小な凹凸形状が作製される。ここでこの微小な凹凸形状は、一方向に延長するライン状(線)の凹凸形状により形成され、この一方向に延長する方向が右目用領域Aと左目用領域Bのうちの何れか一方向に対応する第1の領域及び右目用領域Aと左目用領域Bのうちの他方向に対応する第2の領域とで互いに90度異なる方向となるように、かつ各領域の延長方向(水平方向であり、図1に於いては右上と左下とを結ぶ方向に対応)に対して45度傾くように形成される。
パターン位相差フィルム21は、この配向膜3の表面に、第1の実施形態と同様に、配向規制力修整痕が必要に応じて設けられ、この配向規制力修整痕により配向膜3の配向規制力を修整する。
図8は、このパターン位相差フィルム21の製造工程を示す略線図である。この製造工程30は、基材2がロールにより提供され、この基材2を供給リール31から供給する。製造工程30は、ダイ32によりこの基材2に紫外線硬化樹脂の塗布液を塗布する。この製造工程30において、ロール版40は、パターン位相差フィルム21の配向膜3に係る凹凸形状が周側面に形成された円筒形状の金型である。製造工程30は、紫外線硬化樹脂が塗布された基材2を加圧ローラ34によりロール版40に押圧し、高圧水銀燈からなる紫外線照射装置35による紫外線の照射により紫外線硬化樹脂を硬化させる。これにより製造工程30は、ロール版40の周側面に形成された凹凸形状を基材2に転写する。その後、剥離ローラ36によりロール版40から基材2を硬化した紫外線硬化性樹脂と一体に剥離し、ダイ39により液晶材料を塗布する。またその後、紫外線照射装置37による紫外線の照射により液晶材料を硬化させた後、巻き取りリール38に巻き取る。
この製造工程30では、賦型処理から液晶材料を塗布するまでの間、基材2を複数の搬送用ローラにより搬送し、この複数の搬送用ローラの1つである搬送用ローラ33により、搬送賦型処理により作製した配向膜3の表面に配向規制力修整痕を作製する。
この実施形態では、賦型処理によりライン状の微細な凹凸形状を作製して配向膜を作製する場合でも、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
〔第3実施形態〕
図9は、本発明の第3実施形態に係る光学フィルムを示す図である。この実施形態の画像表示装置は、パネル面である表側面にこの光学フィルム53が配置される。光学フィルム53は、直線偏光板55、円偏光板56を粘着層67により積層した積層体であり、画像表示パネル52側面に感圧接着剤による粘着層54が設けられ、この粘着層54により画像表示パネル52のパネル面に貼り付けられて保持される。
これによりこの光学フィルム53は、画像表示パネルのパネル面に向かう外来光を直線偏光板55により直線偏光に変換し、続く円偏光板56により円偏光に変換する。ここでこの円偏光による外来光は、画像表示パネル52の表面等で反射するものの、この反射の際に偏光面の回転方向が逆転する。その結果、この反射光は、到来時とは逆に、円偏光板56より、直線偏光板55により遮光される方向の直線偏光に変換された後、続く直線偏光板55により遮光され、その結果、外部への出射が著しく抑制される。これによりこの光学フィルム53は、外来光の反射を防止する。
ここで直線偏光板55は、TAC(トリアセチルセルロース)等の透明フィルムからなる基材65の下面側が鹸化処理された後、光学機能層66が設けられる。光学機能層66は、直線偏光板としての光学的機能を担う部位であり、例えばポリビニルアルコール(PVA)によるフィルム材に、ヨウ素化合物分子を吸着配向させて作製される。直線偏光板55は、粘着層67により円偏光板56と一体化される。ここで粘着層67は、例えばPVA(ポリビニルアルコール)糊を適用することができるものの、紫外線硬化性樹脂により一体化してもよい。
円偏光板56は、TAC(トリアセチルセルロース)等の透明フィルムからなる基材59の画像表示パネル52側面に、順次、1/2波長板用位相差層57、1/4波長板用位相差層58が設けられる。ここで1/2波長板用位相差層57、1/4波長板用位相差層58は、それぞれ1/2波長板用、1/4波長板用としての光学的機能層であり、配向した液晶材料を硬化して作製される。これによりこの実施形態では、可視光域の広い波長帯域で充分に外来光を反射することができるように構成される。
光学フィルム53は、紫外線硬化性樹脂63の賦型処理により1/2波長板用配向膜60が作成され、この1/2波長板用配向膜60の配向規制力により液晶材料を配向させた状態で硬化して1/2波長板用位相差層57が作成される。また続いて紫外線硬化性樹脂62が塗付された後、この紫外線硬化性樹脂62の賦型処理により1/4波長板用配向膜61が作成される。またこの1/4波長板用配向膜61の配向規制力により液晶材料を配向させた状態で硬化して1/4波長板用位相差層58が作成される。これによりこの光学フィルム53は、第2実施形態について上述したと同様の工程の繰り返しにより順次、基材59の一方の側の面に順次、1/2波長板用配向膜60、1/2波長板用位相差層57、1/4波長板用配向膜61、1/4波長板用位相差層58を作成して形成される。なおこれにより1/4波長板用配向膜61、1/4波長板用位相差層58は、それぞれ全面に一様な凹凸形状が作製されて作製されることになる。
この実施形態では、この光学フィルム53における1/2波長板用配向膜60、1/4波長板用配向膜61の双方、又は何れか1方に、第2実施形態について上述したと同様にして配向規制力修整痕が作製され、これにより配向規制力が修整されて所望の光学特性が確保される。
図10は、1/2波長板用位相差層57、1/4波長板用位相差層58と直線偏光板55との関係の説明に供する図である。光学フィルム53は、矢印により示す直線偏光板55の透過軸に対して、1/2波長板用位相差層57及び1/4波長板用位相差層58の遅相軸(それぞれ矢印により示す)が、それぞれ反時計回りに15度、73度の角度を成すように形成される。
より具体的に、1/4波長板用位相差層58は、面内位相差(Re)が125nm以上、150nm以下により作成され、1/2波長板用位相差層57は面内位相差(Re)が235nm以上、285nm以下により作成される。これにより光学フィルム53は、直線偏光板55側より入射する可視光域波長域(450〜750nm)の透過光を、楕円率0.8以上の円偏光により出射する。
この実施形態によれば、円偏光板に適用して、さらには円偏光板と直線偏光板とを積層した光学フィルムに適用して、全面で均一な配向規制力を設定する場合であっても、配向規制力修整痕により上述の実施形態と同様の効果を得ることができる。
なおこの実施形態では、基材59の1方の側の面に、1/2波長板用位相差層57及び1/4波長板用位相差層58を設ける場合について述べたが、本発明はこれに限らず、基材59の両面にそれぞれ1/2波長板用位相差層57及び1/4波長板用位相差層58を設ける場合、個別の基材に1/2波長板用位相差層57及び1/4波長板用位相差層58をそれぞれ作製した後、積層する場合にも広く適用することができる。
また賦型処理により1/2波長板用配向膜60、1/4波長板用配向膜61を作製する代わりに、これらの双方、又は一方を光配向膜により構成する場合にも広く適用することができる。
〔他の実施形態〕
以上、本発明の実施に好適な具体的な構成を詳述したが、本発明は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述の実施形態を種々に組み合わせるようにし、また上述の実施形態の構成を種々に変更することができる。
すなわち上述の実施形態では、紫外線硬化性樹脂を賦型用樹脂に適用する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、紫外線硬化性樹脂以外の各種の賦型用樹脂を広く適用することができ、また軟化させた基材を直接ロール版に押し付けて賦型する場合にも広く適用することができる。
また上述の実施形態では、ロール版により光学フィルムを生産する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、平板により光学フィルムを生産する場合にも広く適用することができる。
また上述の実施形態では、液晶表示パネルの使用を前提とする場合について述べたが、本発明はこれに限らず、有機ELパネル、プラズマディスプレイパネルの使用を前提とする場合にも広く適用することができ、また偏光フィルタを一体に設ける場合にも広く適用することができる。
1、21 パターン位相差フィルム
2、59、65 基材
3、60、61 配向膜
4、57、58 位相差層
11、15 ロール
12、33 搬送用ローラ
13 ダイ
14 紫外線照射装置
15、62、63 紫外線硬化性樹脂
16 マスク
17、67 粘着層
30 製造工程
31 供給リール
32、39 ダイ
34 加圧ローラ
35、37 紫外線照射装置
36 剥離ローラ
38 リール
40 ロール版
52 画像表示パネル
53 光学フィルム
54 粘着層
55 直線偏光板
56 円偏光板

Claims (8)

  1. 透明フィルム材による基材上に、配向膜、位相差層が順次設けられて透過光に位相差を付与する光学フィルムにおいて、
    前記位相差層は、
    前記配向膜の配向規制力により液晶材料が配向して前記透過光に対応する位相差を付与し、
    前記配向膜は、
    前記位相差層側の面に、配向規制力を修整する配向規制力修整痕が形成された
    光学フィルム。
  2. 前記配向膜が、光配向膜である
    請求項1に記載の光学フィルム。
  3. 前記配向膜が、賦型用樹脂の表面の微細な凹凸形状により作製された
    請求項1に記載の光学フィルム。
  4. 前記位相差層により透過光に与える位相差が前記基材の全面で同一に作製された
    請求項1、請求項2、請求項3の何れかに記載の光学フィルム。
  5. 前記位相差層は、
    透過光に与える位相差が異なる第1及び第2の領域が順次交互に作製された
    請求項1、請求項2、請求項3の何れかに記載の光学フィルム。
  6. 請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5の何れかに記載の光学フィルムをパネル面に配置した画像表示装置。
  7. 位相差層により透過光に位相差を付与する光学フィルムの製造方法において、
    透明フィルム材による基材上に、配向膜を作製する配向膜作製工程と、
    前記配向膜の配向規制力により液晶材料を配向させて前記位相差層を作製する位相差層作製工程とを備え、
    さらに前記配向膜の前記位相差層側の面に、配向規制力を修整する配向規制力修整痕を形成して前記配向膜の配向規制力を修整する配向規制力修整工程を備える
    光学フィルムの製造方法。
  8. 前記配向規制力修整工程は、
    前記基材の搬送速度に対して、前記基材を搬送する搬送用ローラの周速度を異ならせて発生する擦り傷により前記配向規制力修整痕を作製する
    請求項7に記載の光学フィルムの製造方法。
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