JP2016071052A - 光学フィルム及び画像表示装置 - Google Patents

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政典 福田
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Abstract

【課題】簡易な設置作業により広い視野角を確保して、パッシブ方式の3次元画像表示における画質劣化を防止する。【解決手段】第1及び第2の帯状領域A及びBの繰り返しによる周期構造による位相型回折格子4において、第1及び第2の帯状領域A及びBが、透過光に与える位相差が異なる領域であり、等しい領域幅であって、領域幅が100μm以下15μm以上である。【選択図】図5

Description

本発明は、パッシブ方式による3次元画像表示装置に関するものである。
近年、パッシブ方式により3次元画像を表示する画像表示装置が提供されている。ここで図9は、液晶表示パネルを使用したパッシブ方式の画像表示装置を示す概略図である。パッシブ方式の画像表示装置は、垂直方向又は水平方向(この図9の例では、垂直方向)に連続する液晶表示パネルの画素を、順次交互に、右目用及び左目用に割り当て、それぞれ右目用及び左目用の画像データで駆動し、これにより右目用の画像と左目用の画像とを同時に表示する。また液晶表示パネルのパネル面(視聴者側面)にパターン位相差フィルムを配置し、右目用の画素及び左目用の画素からの直線偏光による出射光を、右目用及び左目用で方向の異なる円偏光に変換する。これによりパッシブ方式では、対応する偏光フィルタを備えてなる眼鏡を装着して、右目用の画像と左目用の画像とをそれぞれ選択的に視聴者の右目及び左目に提供し、3次元画像を表示する。
このためパターン位相差フィルムは、液晶表示パネルにおける画素の設定に対応して、遅相軸方向(屈折率が最大となる方向)が直交する2種類の帯状領域が順次交互に形成される。これによりパッシブ方式では、対応する偏光フィルタを備えてなる眼鏡を装着して、右目用の画像と左目用の画像とをそれぞれ選択的に視聴者の右目及び左目に提供する。なおここでこの隣接する帯状領域の遅相軸方向は、通常、水平方向に対して、+45度と−45度の組み合わせ、又は0度と+90度の組み合わせが採用される。なおこの図9の例では、通常の画像表示装置における呼称に習って画面の長辺方向を水平方向として示す。
このパッシブ方式は、応答速度の遅い画像表示装置でも適用することができ、さらにパターン位相差フィルムと円偏光メガネとを用いた簡易な構成で3次元表示することができる。なおパッシブ方式の画像表示装置では、図9の例による垂直方向に代えて、水平方向に連続する画素を順次交互に右目用及び左目用に振り分ける方法も採用される。
しかしながらこの方法により3次元画像表示する場合、視聴者の右目及び左目には、それぞれ奇数ライン及び偶数ラインの画素からの出射光のみ、又はこれとは逆にそれぞれ偶数ライン及び奇数ラインの画素からの出射光のみ、選択的に、入射することになる。これにより視聴者は、奇数ライン及び偶数ラインがマスクされた、いわゆる歯抜け状態の画像を視聴することになり、その結果、著しく画質が劣化する。
特許文献1には、この問題を解決する工夫が提案されている。この特許文献1に開示の提案では、画素ピッチによるシリンドリカルレンズによりレンチキュラーレンズを構成し、このレンチキュラーレンズを画像表示パネルのパネル面に配置することにより、奇数ライン及び偶数ラインの画素からの出射光を、それぞれ隣接する偶数ライン及び奇数ラインに振り分ける。これによりこの特許文献1に開示の工夫によれば、パッシブ方式による3次元画像表示における画質劣化を低減することができる。
しかしながらこの方法の場合、レンチキュラーレンズを構成するシリンドリカルレンズと、画像表示パネルの画素とを精度良く位置決めすることが必要であり、設置作業が煩雑になる問題がある。特に、画像表示パネルが大型化すると、設置作業にあっては、著しく煩雑になる。また上下方向に視点を移動させた場合には、画像表示パネルの画素と、対応するシリンドリカルレンズとが視線方向で位置ずれすることになる。これにより視野角が制限される問題がある。
特開平9−304740号公報
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、簡易な設置作業により広い視野角を確保して、パッシブ方式の3次元画像表示における画質劣化を防止することを目的とする。
画像表示パネルのパネル面全面に位相型回折格子を配置し、この位相型回折格子により奇数ライン及び偶数ラインの画素からの出射光を、それぞれ隣接する偶数ライン及び奇数ラインに振り分けるとの着想に至り、本発明を完成するに至った。
具体的には、本発明では、以下のようなものを提供する。
(1) 第1及び第2の帯状領域の繰り返しによる周期構造による位相型回折格子において、
前記第1及び第2の帯状領域が、
透過光に与える位相差が異なる領域であり、
等しい領域幅であって、領域幅が100μm以下15μm以上である。
(1)によれば、例えば奇数ライン及び偶数ラインをそれぞれ右目用及び左目用の画像データにより駆動してパッシブ方式により3次元画像表示する場合に、奇数ライン及び偶数ラインの画素からの出射光を、それぞれ隣接する偶数ライン及び奇数ラインに振り分けることができ、これにより歯抜けの状態の表示を有効に回避して画質劣化を防止することができる。また何ら画像表示パネルに係る画素に対して位置決めしなくても良いことにより、簡易な設置作業により広い視野角を確保することができる。
(2) (1)において、透明フィルムによる基材上に形成された紫外線硬化型液晶による位相差層により前記第1及び第2の帯状領域が形成され、
前記第1及び第2の帯状領域は、
遅軸方向が直交するように設定された。
(2)によれば、パターン位相差フィルムの製造プロセスを利用して位相型回折格子を効率良く作成することができる。
(3) (1)又は(2)において、
前記第1及び第2の帯状領域は、
位相差値が200nm以上300nm以下である。
(3)によれば、0次光を充分に抑圧することができることにより、0次光による急激な輝度変化を解消して違和感のない画像を表示することができる。
(4) 画像表示パネルのパネル面にパターン位相差フィルムが配置されている画像表示装置において、
(1)、(2)、(3)の何れかに記載の位相型回折格子が、前記パターン位相差フィルムの視聴者側に、前記位相型回折格子における第1及び第2の帯状領域の延長方向が、前記パターン位相差フィルムにおける帯状領域の延長方向となるようにして配置された画像表示装置。
(4)によれば、パッシブ方式による3次元画像表示において、奇数ライン及び偶数ラインの画素からの出射光を、それぞれ隣接する偶数ライン及び奇数ラインに振り分けることができ、これにより歯抜けの状態の表示を有効に回避して画質劣化を防止することができる。また何ら画像表示パネルに係る画素に対して位置決めしなくても良いことにより、簡易な設置作業により広い視野角を確保することができる。
(5) (4)において、前記画像表示パネルのカラーフィルタの前記パターン位相差フィルム側面から前記位相型回折格子までの光学距離をL、前記パターン位相差フィルムにおける帯状領域の幅をW、前記位相型回折格子における前記第1及び第2の帯状領域の繰り返しピッチdとした場合に、
W≧2×550×L/d
である。
(5)によれば、奇数ライン及び偶数ラインの画素からの出射光を、隣々接の奇数ライン及び偶数ラインへの漏れ込まないようにして、効率良く画質劣化を防止することができる。
本発明によれば、簡易な設置作業により広い視野角を確保して、パッシブ方式の3次元画像表示における画質劣化を防止することができる。
本発明の第1実施形態に係る画像表示装置を示す図である。 図1の画像表示装置に係る画質劣化の説明に供する図である。 表示画面を正面より見た場合を例により画質劣化の説明に供する図である。 位相型回折格子の配置の説明に供する図である。 位相型回折格子を示す図である。 図5の位相型回折格子の製造工程を示す図である。 図6の製造工程における露光工程の説明に供する図である。 検討結果を示す図表である。 パッシブ方式による3次元画像表示の説明に供する図である。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態に係る画像表示装置を示す図である。この画像表示装置1は、画像表示パネル2のパネル面(視聴者側面)にパターン位相差フィルム3、位相型回折格子4が順次配置される。
ここで画像表示パネル2は、液晶表示パネルであり、バックライト6の前面に液晶パネル7が配置される。また液晶パネル7は、直線偏光板9及び10により液晶セル11を挟持して構成される。なお直線偏光板9及び10は、それぞれ直線偏光板としての光学的機能を担う光学機能層13を透明基材14A及び14Bにより挟持して構成される。また液晶セル11は、透明電極を作成してなるガラス基板により液晶を挟持して構成され、出射面側にカラーフィルタ16、カバーガラス17が設けられる。
この実施形態において、画像表示パネル2は、偶数ライン及び奇数ラインの各画素がそれぞれ右目用画像データ及び左目用画像データにより駆動され、これにより右目用の画像及び左目用の画像を同時に表示し、この表示に係る各画素の出射光を直線偏光板10を介して出射する。
パターン位相差フィルム3は、この画像表示パネル2に対応して、TAC(トリアセチルセルロース)等の透明フィルム材による基材3Aに、液晶材料によりパターンニングされた位相差層3Bが設けられ、この位相差層3Bにより、右目用及び左目用に各画素から出射される画像表示パネル2の出射光に対応する位相差を付与し、これにより視聴者の右目及び左目に選択的に対応する画素の出射光を提供する。より具体的にパターン位相差フィルム3は、画像表示パネル2における偶数ライン及び奇数ラインに対応するように、画像表示パネル2からの直線偏光による出射光に+45度及び−45度の位相差を付与する第1及び第2の帯状領域が順次交互に設けられ、これにより右目用及び左目用で回転方向の異なる円偏光により画像表示パネル2の出射光を出射する(図9参照)。なおこれによりパターン位相差フィルム3は、第1及び第2の帯状領域が画像表示パネル2の水平方向(ラインの延長方向)に延長するように形成される。
これにより画像表示装置1は、パッシブ方式により3次元画像を表示し、このパターン位相差フィルム3からの出射光を直接視聴者に提供したのでは、右目及び左目でそれぞれ奇数ライン及び偶数ラインがマスクされた歯抜け状態の画像を視聴することになり、著しく画質が劣化することになる。そこでこの実施形態では、位相型回折格子4により画質劣化を防止する。
ここで位相型回折格子4は、画像表示パネル2の全面に設けられ、画像表示パネル2におけるラインの繰り返し方向に、パターン位相差フィルム3における第1及び第2の帯状領域の繰り返しピッチ(画像表示パネル2のラインピッチ)に比して短い繰り返しピッチにより第1及び第2の帯状領域による周期構造が形成された回折格子である。これにより画像表示装置1では、奇数ライン及び偶数ラインの画素からの出射光を、それぞれ隣接する偶数ライン及び奇数ラインに振り分けて歯抜け状態の画像表示を防止し、パッシブ方式の3次元画像表示における画質劣化を防止する。ここで位相型回折格子4において、この第1及び第2の帯状領域は、厚み方向に光学的光路長の異なる領域であり、この実施形態では後述するように紫外線硬化型液晶により遅相軸方向が異なるように作成されて、光学的光路長が異なるように設定される。
図2は、この画質劣化の防止の説明に供する図である。画像表示パネル2では、奇数ライン及び偶数ラインをそれぞれ右目用及び左目用の画像データで駆動することにより、図2においては、符号R及びLにより右目用及び左目用の画像表示に供するラインを示す。画像表示パネル2では、図2(A)に示すように、右目用の画像と左目用の画像とを同時に表示することになる。これにより対応する眼鏡を装着して画像表示パネル2の表示を視聴する場合、図2(B1)により示すように、右目においては、右目用に割り当てたラインR1、R2からの出射光のみ選択的に入射し、左目用に割り当てたラインL1、L2についてはマスクされた状態となり、これにより歯抜け状態の画像を視聴することになる。また左目においては、図2(B2)に示すように、左目用に割り当てたラインL1、L2からの出射光のみ選択的に入射し、右目用に割り当てたラインR1、R2についてはマスクされた状態となり、これによりこの場合も歯抜け状態の画像を視聴することになる。これらにより視聴者において、画質劣化が知覚されることになる。
これに対して位相型回折格子4により奇数ライン及び偶数ラインの画素からの出射光を、それぞれ隣接する偶数ライン及び奇数ラインに振り分ける場合にあっては、図2(C1)及び(C2)に示すように、マスクされたラインにも対応する画像表示パネル2の出射光を割り当てて、このような歯抜けの状態を有効に回避することができ、これにより画質劣化を防止することができる。
図3は、図2との対比により、画像表示装置1の出射面を平面視した場合を示す概念図である。図3(A1)及び(A2)は、それぞれ図2(B1)及び(B2)に対応し、位相型回折格子4を配置しない場合、視聴者は、右目及び左目で、それぞれ右目用のラインR1、R2、R3及び左目用のラインL1、L2、L3のみの画像を視聴することなる。図3(B1)及び(B2)は、図2(C1)及び(C2)にそれぞれ対応し、位相型回折格子4を配置した場合、奇数ライン及び偶数ラインの画素からの出射光を、それぞれ隣接する偶数ライン及び奇数ラインに振り分けて歯抜けの状態の表示を有効に回避することができ、これにより画質劣化を防止することができる。
ここでこのように奇数ライン及び偶数ラインの画素からの出射光を、それぞれ隣接する偶数ライン及び奇数ラインに振り分ける場合にあって、隣々接ラインにまで出射光を振り分けてしまうと、その分、垂直方向の解像度が劣化することになる。そこで位相型回折格子4の周期構造に係る繰り返しピッチdは、以下のように設定される。
図4に示すように、回折による分離角(+1次光と0次光との成す角)をθ、出射光の波長をλとすると、次式の関係式が成立する。
d=λ/tanθ ……(1)
液晶パネル7に設けられたカラーフィルタ16のカバーガラス17側表面から位相型回折格子4までの光学距離をLとする。分離角θにより位相型回折格子4において+1次光と−1次光とにより形成されるカラーフィルタの像間距離(分離幅)をhとすると、2tanθ=h/Lであることから、(1)式から次式を求めることができる。
d=2λ・L/h ……(2)
この(2)式を変形すると、次式の関係式が得られる。
h=2λ・L/d ……(3)
ここでこの分離幅hが、液晶表示パネルのラインピッチと一致すれば、隙間なく、また隣々接ラインにまで出射光を振り分けることなく、奇数ライン及び偶数ラインの画素からの出射光を、それぞれ隣接する偶数ライン及び奇数ラインに振り分けることができる。
ここで波長λを可視光域の中心波長550nmとすると、(3)式は、次式により表される。
h=2×550×L/d〔μm〕 ……(4)
液晶表示パネルのラインピッチと、パターン位相差フィルムに帯状領域の幅とは等しいことにより、この帯状領域の幅Wが次式の関係式を満足するように設定すると、隙間なく、また隣々接ラインにまで出射光を振り分けることなく、奇数ライン及び偶数ラインの画素からの出射光を、それぞれ隣接する偶数ライン及び奇数ラインに振り分けることができる。
W=2×550×L/d〔μm〕 ……(5)
この(5)式から、次式の関係式が成立するように、位相型回折格子4の繰り返しピッチdを設定すれば、垂直方向の解像度の低下を回避しつつ、画質を改善することができる。
W≧2×550×L/d〔μm〕 ……(6)
より具体的に、液晶パネル7の画素ピッチ(ラインピッチ)は、300μm程度であり、これに対応してパターン位相差フィルム3は、帯状領域の幅Wが設定されることにより、位相型回折格子4は、位相型回折格子4を構成する第1及び第2の帯状領域の幅(繰り返しピッチdの1/2である(図5参照))を100μm以下、より好ましくは50μm以下に設定して、十分に垂直方向の解像度の低下を回避しつつ、画質を改善することができる。なおこの帯状領域の幅の下限値にあっては、十分な生産性を確保する観点より、15μm以上とされる。
また図2及び図4に示すように+1次光及び−1次光により画像表示する場合に、位相型回折格子4からの0次光は、この+1次光及び−1次光の像間に像を作成することになり、画像表示装置1では、この0次光による急激な輝度変化が発生することになり、+1次光及び−1次光による画像表示に悪影響を与えることになる。そこでこの実施形態では、パターン位相差フィルム3からの出射光に与える位相差が、位相型回折格子4における第1及び第2の帯状領域で1/2波長となるように、位相型回折格子4が作成される。より具体的に、後述するようにこの実施形態において、位相型回折格子4の第1及び第2の帯状領域は紫外線硬化型液晶により遅相軸方向が直交するように作成されることにより、この第1又は第2の帯状領域における遅相軸方向に対して、これと直交する方向が、1/2波長分の位相差を備えるように形成される。ここで可視光域の中心波長が550nmであることにより、この位相差が200nm以上300nm以下となるように作成して、十分に0次光の光量を抑圧して、0次光の影響による画質劣化を防止することができる。なおこのように位相型回折格子における第1及び第2の帯状領域を、紫外線硬化型液晶により遅相軸方向が直交するように作成すれば、種々の偏光方向による入射光に対して、位相型回折格子4を回折格子として機能させることができ、その結果、第1及び第2の帯状領域の遅相軸方向を種々の方向に設定することができる。
〔位相型回折格子の詳細構成〕
図5は、位相型回折格子4を示す図である。位相型回折格子4は、例えばトリアセチルセルロース等の透明フィルム材による基材4Aに配向層4C、位相差層4Bが順次作製される。位相型回折格子4は、位相差層4Bが紫外線硬化型液晶により形成され、この紫外線硬化型液晶の配向を配向層4Cの配向規制力によりパターンニングする。なお紫外線硬化型液晶に係る液晶分子の配向を図5では細長い楕円により示す。このパターンニングにより、位相型回折格子4は、上述した繰り返しピッチdにより、透過光に与える位相差が異なる第1及び第2の帯状領域A及びBが順次交互に帯状に形成され、これによりこの帯状領域A及びBの繰り返し方向の周期構造により透過光を回折する。なおこれにより第1及び第2の帯状領域A及びBは、領域幅がd/2により作成される。
位相型回折格子4は、光配向材料による光配向材料膜が作製された後、いわゆる光配向の手法によりこの光配向材料膜に直線偏光による紫外線を照射して配向層4Cが形成される。ここでこの光配向材料膜に照射する紫外線は、その偏光の方向が領域A及び領域Bで90度異なるように設定される。なお光配向層に代えて、基材4Aのラビング処理により配向層を作成してもよく、ラビング処理によるライン状微細凹凸形状を賦型処理により基材4Aの表面に作成して配向層を作成してもよい。位相差層4Bは、この配向層4Cの配向規制力により紫外線硬化型液晶が配向した状態で固化(硬化)して作成され、これにより位相型回折格子4は、領域A及びBで、透過光に異なる位相差を与える。
図6は、この位相型回折格子4の製造工程を示すフローチャートである。位相型回折格子4の製造工程は、ロールに巻き取った長尺透明フィルム材により基材4Aが提供され、この基材4Aをロールより引き出して光配向材料膜が順次作製される(ステップSP1−SP2)。ここで光配向材料膜は、各種の製造方法を適用することができるものの、この実施の形態では、光配向材料をベンゼン等の溶媒に分散させた成膜用液体をダイにより塗布した後、乾燥して作製される。なお光配向材料は、光配向の手法を適用可能な各種の材料を適用することができる。
続いてこの製造工程は、露光工程により紫外線を照射して光配向層が作製される(ステップSP3)。続いてこの製造工程は、塗工工程(ステップSP4)において、ダイ等により紫外線硬化型液晶の塗工液を塗工し、続く乾燥硬化工程(ステップSP5)において、塗工した塗工液を乾燥した後、紫外線の照射により硬化させ、位相差層4Bが作製される(ステップSP5)。続いてこの製造工程は、必要に応じて反射防止膜の作製処理等を実行した後、切断工程において、所望の大きさに切り出して位相型回折格子4が作製される(ステップSP6−SP7)。
図7は、この露光工程の詳細を示す図である。この製造工程は、第2領域B(又は第1の領域A)に対応する部位を遮光したマスク26を介して、直線偏光による紫外線(偏光紫外線)を照射することにより、遮光されていない側の、第1の領域A(又は第2の領域B)について、光配向材料膜を所望の方向に配向させる(図7(A))。これによりこの製造工程は、1回目の露光処理を実行する。続いてこの製造工程は、1回目の露光処理とは偏光方向が90度異なる直線偏光により紫外線を全面に照射し、1回目の露光処理で未露光の、第2の領域B(又は第1の領域A)について、光配向材料膜を所望の方向に配向させる(図7(B))。これによりこの製造工程では、2回の露光処理により、第1の領域Aと第2の領域Bとを順次露光処理して配向層4Cを作製する。
〔パターン位相差フィルム〕
パターン位相差フィルム3は、露光処理に供するマスク26、位相差層の膜厚が異なる点を除いて、位相型回折格子4と同一に構成される。これにより位相型回折格子4は、パターン位相差フィルム3の生産工程を有効に利用して生産することができる。
〔検討結果〕
図8は、検討結果の説明に供する図である。実施例1においては、TACによりフィルム基材の上に、紫外線硬化型液晶を用いて位相差値275nm、ピッチ200μmにより位相差層を作製して位相型回折格子を作成した。なお第1及び第2の帯状領域の幅は、これにより100μmである。
作成した位相型回折格子を厚み0.5mmのガラス基板上に固定し、奇数ライン及び偶数ラインを黒色及び白色により表示した液晶表示パネルのパネル面に配置した。またこのように配置して、位相型回折格子を配置したガラス基板と液晶表示パネルのパネル面との間に厚み1.5mmのスペーサを配置して、ガラス基板とパネル面との距離を可変しながら、表示画面の見え方を確認した。図8に示すように、このスペーサが31枚のとき、黒ラインが観察されなくなり、これにより歯抜け状態の画像表示を防止できるのが判った。なおこのスペーサを31枚介挿した場合の、位相型回折格子を配置したガラス基板と液晶表示パネルのパネル面との間の間隔は、46.5(1.5×31)mmであり、位相型回折格子を配置したガラス基板、位相型回折格子4の基材4A等による光学的光路長は、1.5mmであり、これらの総和の光学的光路長は、48mmであり、(5)式より計算される光学的光路長Lと一致することが確認された。
実施例2は、位相型回折格子4における繰り返しピッチdを100μmに設定した点を除いて、実施例1と同一に位相型回折格子4を作成した。この位相型回折格子4を実施例1と同一の条件により液晶表示パネルのパネル面に配置して表示画面を観察した。この実施例2では、スペーサが15枚のときに黒ラインが観察されなくなり、これにより歯抜け状態の画像表示を防止できるのが判った。なおこのスペーサを15枚介挿した場合の、位相型回折格子を配置したガラス基板と液晶表示パネルのパネル面との間の間隔は、22.5(1.5×15)mmであり、位相型回折格子を配置したガラス基板、位相型回折格子4の基材4A等による光学的光路長は、1.5mmであり、これらの総和の光学的光路長は、24mmであり、(5)式より計算される光学的光路長Lと一致することが確認された。
実施例3は、位相型回折格子4における繰り返しピッチdを60μmに設定した点を除いて、実施例1と同一に位相型回折格子4を作成した。この位相型回折格子4を実施例1と同一の条件により液晶表示パネルのパネル面に配置して表示画面を観察した。この実施例2では、スペーサが9枚のときに黒ラインが観察されなくなり、これにより歯抜け状態の画像表示を防止できるのが判った。なおこのスペーサを9枚介挿した場合の、位相型回折格子を配置したガラス基板と液晶表示パネルのパネル面との間の間隔は、13.5(1.5×9)mmであり、位相型回折格子を配置したガラス基板、位相型回折格子4の基材4A等による光学的光路長は、1.5mmであり、これらの総和の光学的光路長は、15mmであり、(5)式より計算される光学的光路長Lと一致することが確認された。
実施例4は、位相型回折格子4における繰り返しピッチdを40μmに設定した点を除いて、実施例1と同一に位相型回折格子4を作成した。この位相型回折格子4を実施例1と同一の条件により液晶表示パネルのパネル面に配置して表示画面を観察した。この実施例2では、スペーサが5枚のときに黒ラインが観察されなくなり、これにより歯抜け状態の画像表示を防止できるのが判った。なおこのスペーサを5枚介挿した場合の、位相型回折格子を配置したガラス基板と液晶表示パネルのパネル面との間の間隔は、7.5(1.5×5)mmであり、総和の光学的光路長は、9mmであり、(5)式より計算される光学的光路長Lと一致することが確認された。
実施例5は、位相型回折格子4における繰り返しピッチdを30μmに設定した点を除いて、実施例1と同一に位相型回折格子4を作成した。この位相型回折格子4を実施例1と同一の条件により液晶表示パネルのパネル面に配置して表示画面を観察した。この実施例2では、スペーサが4枚のときに黒ラインが観察されなくなり、これにより歯抜け状態の画像表示を防止できるのが判った。なおこのスペーサを4枚介挿した場合の、位相型回折格子を配置したガラス基板と液晶表示パネルのパネル面との間の間隔は、6(1.5×4)mmであり、総和の光学的光路長は、7.5mmであり、(5)式より計算される光学的光路長Lと一致することが確認された。
〔他の実施形態〕
以上、本発明の実施に好適な具体的な構成を詳述したが、本発明は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述の実施形態の構成を種々に変更することができる。
すなわち上述の実施形態では、紫外線硬化型液晶による位相差層により第1及び第2の帯状領域を形成して位相型回折格子を作成する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば厚みの異なる領域により第1及び第2の帯状領域を作成して位相型回折格子を作成する場合、さらには屈折率の異なる領域により第1及び第2の帯状領域を作成して位相型回折格子を作成する場合等に広く適用することができる。
また上述の実施形態では、奇数ライン及び偶数ラインをそれぞれ右目用及び左目用の画像データにより駆動すること前提に、順次交互の帯状領域を形成してパターン位相差フィルムを作成し、またこれに対応するように第1及び第2の帯状領域を作成して位相型回折格子を作成する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、これとは直交する方向の画素を順次交互に右目用及び左目用画像データにより駆動するようにして、これに対応するようにパターン位相差フィルム及び位相型回折格子の帯状領域を配置する場合にも広く適用することができる。
また上述の実施形態では、液晶表示パネルによる画像表示パネルにより3次元画像表示する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、有機ELによる画像表示パネルにより3次元画像表示する場合等にも広く適用することができる。
1 画像表示装置
2 画像表示パネル
3 パターン位相差フィルム
3A、4A 基材
3B、4B 位相差層
4C 配向層
6 バックライト
7 液晶パネル
9、10 直線偏光板
11 液晶セル
13 光学機能層
14A、14B 透明基材
16 カラーフィルタ
17 カバーガラス
26 マスク

Claims (5)

  1. 第1及び第2の帯状領域の繰り返しによる周期構造による位相型回折格子において、
    前記第1及び第2の帯状領域が、
    透過光に与える位相差が異なる領域であり、
    等しい領域幅であって、領域幅が100μm以下15μm以上である
    位相型回折格子。
  2. 透明フィルムによる基材上に形成された紫外線硬化型液晶による位相差層により前記第1及び第2の帯状領域が形成され、
    前記第1及び第2の帯状領域は、
    遅軸方向が直交するように設定された
    請求項1に記載の位相型回折格子。
  3. 前記第1及び第2の帯状領域は、
    位相差値が200nm以上300nm以下である
    請求項1又は請求項2に記載の位相型回折格子。
  4. 画像表示パネルのパネル面にパターン位相差フィルムが配置されている画像表示装置において、
    請求項1、請求項2、請求項3の何れかに記載の位相型回折格子が、前記パターン位相差フィルムの視聴者側に、前記位相型回折格子における第1及び第2の帯状領域の延長方向が、前記パターン位相差フィルムにおける帯状領域の延長方向となるようにして配置された
    画像表示装置。
  5. 前記画像表示パネルのカラーフィルタの前記パターン位相差フィルム側面から前記位相型回折格子までの光学距離をL、前記パターン位相差フィルムにおける帯状領域の幅をW、前記位相型回折格子における前記第1及び第2の帯状領域の繰り返しピッチdとした場合に、
    W≧2×550×L/d
    である
    請求項4に記載の画像表示装置。
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