JP6156017B2 - パターン位相差フィルムの製造方法、露光装置及びマスク - Google Patents

パターン位相差フィルムの製造方法、露光装置及びマスク Download PDF

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Description

本発明は、パッシブ方式による3次元画像表示に適用するパターン位相差フィルムの製造方法等に関するものである。
近年、パッシブ方式により3次元画像を表示する画像表示装置が提供されている。ここで図16は、液晶表示パネルを使用したパッシブ方式の画像表示装置を示す概略図である。パッシブ方式の画像表示装置は、垂直方向又は水平方向(この図16の例では、垂直方向)に連続する液晶表示パネルの画素を、順次交互に、右目用及び左目用に割り当て、それぞれ右目用及び左目用の画像データで駆動し、これにより右目用の画像と左目用の画像とを同時に表示する。また液晶表示パネルのパネル面(視聴者側面)にパターン位相差フィルムを配置し、右目用の画素及び左目用の画素からの直線偏光による出射光を、右目用及び左目用で方向の異なる円偏光に変換する。これによりパッシブ方式では、対応する偏光フィルタを備えてなる眼鏡を装着して、右目用の画像と左目用の画像とをそれぞれ選択的に視聴者の右目及び左目に提供し、3次元画像を表示する。
このためパターン位相差フィルムは、液晶表示パネルにおける画素の設定に対応して、遅相軸方向(屈折率が最大となる方向)が直交する2種類の帯状領域が順次交互に形成される。なおここでこの隣接する帯状領域の遅相軸方向は、通常、水平方向に対して、+45度と−45度の組み合わせ、又は0度と+90度の組み合わせが採用される。なおこの図16の例では、通常の画像表示装置における呼称に習って画面の長辺方向を水平方向として示す。
このパッシブ方式は、応答速度の遅い画像表示装置でも適用することができ、さらにパターン位相差フィルムと円偏光メガネとを用いた簡易な構成で3次元表示することができる。なおパッシブ方式の画像表示装置では、図16の例による垂直方向に代えて、水平方向に連続する画素を順次交互に右目用及び左目用に振り分ける方法も採用される。
このパッシブ方式に係るパターン位相差フィルムは、画素の割り当てに対応して透過光に位相差を与えるパターン状の位相差層が必要である。パターン位相差フィルムでは、このパターン状の位相差層に対応するように配向能が設定された配向膜が作製される。またこの配向膜の上に、重合性液晶化合物の塗工液を塗工して乾燥硬化させることにより、配向膜の配向規制力で配向させた状態で液晶材料を硬化(固化)させ、これにより位相差層が作製される。また配向膜は、いわゆる光配向の手法を適用して作製する方法(特許文献1)、微細凹凸形状を転写(賦型)して作製する方法が採用されている。
ここで光配向の手法を適用して配向層を作製する場合、上述した2種類の帯状領域に対応する2回の露光処理が必要であり、この2回の露光処理の1方又は双方でマスクを使用してフィルム材を選択的に露光処理する。特許文献2には、長尺フィルム材を搬送ローラに巻き付けて搬送するようにして、この搬送ローラに対向するようにマスクを配置して露光処理する方法が開示されている。
従来、この種のマスクには、フォトマスクであるクロムマスクが使用される。ここでこのクロムマスクは、透明板状部材による支持部材の一方の側の面に、金属等の遮光部材による遮光膜を蒸着等により形成した後、エッチングによりこの遮光膜にスリットを形成して作製される。このクロムマスクは、支持部材に合成石英ガラスが適用され、また遮光膜に係る遮光部材にクロムが適用される。この種のマスクに関して、特許文献3には、フォトマスクに代えて、金属板材によるマスクであるメタルマスクを適用することが開示されている。また特許文献4には、スクリーン印刷に供するメタルマスクにおいて、貫通孔を断面台形状により作製することにより、印刷精度を向上する方法が開示されている。
ところでフォトマスクは、高い精度により露光処理することができるものの、作製に時間を要し、高価な問題がある。これに対してメタルマスクにあっては、フォトマスクに比して短時間で作成することができ、また安価に作成することができるものの、精度の点で未だ不十分な問題がある。
特開2005−49865号公報 特開2012−042530号公報 特開2013−97204号公報 特開平5−338108号公報
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、パッシブ方式による3次元画像表示に適用するパターン位相差フィルムに関して、十分な精度により露光処理することができ、短時間で安価にマスクを作成できるようにすることを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ね、メタルマスクを適用して光配向膜を作製するようにして、露光対象側で幅狭となるようにスリットを作製して露光精度を向上する、との着想に至り、本発明を完成するに至った。
(1)において、長尺透明フィルム材による基材を搬送しながら順次処理してパターン位相差フィルムを作製するパターン位相差フィルムの製造方法において、
前記基材に光配向材料膜を作製する光配向材料膜作製工程と、
マスクを用いた前記光配向材料膜の露光処理により光配向膜を作製する露光工程と、
前記光配向膜の上に、透過光に対応する位相差を与える第1の領域と、透過光に前記第1の領域とは異なる位相差を与える第2の領域とによる位相差層を作製する位相差層作製工程とを備え、
前記マスクは、
前記第1又は第2の領域に対応するスリットが設けられたメタルマスクであり、
透明板状部材に沿わせて配置され、
前記スリットの幅が、露光対象側に向かって先細りの形状により形成される。
(1)によれば、メタルマスクにより安価にかつ短時間で作成することができる。また露光対象側に向かって先細りの形状により形成する場合には、十分な精度により露光処理することができる
(2) (1)において、前記マスクは、
熱膨張係数の絶対値が1ppm/℃以下であり、
前記透明板状部材との熱膨張係数の差が1ppm/℃以下である。
(2)によれば、露光時の温度上昇によっても、変形等が生じないようにすることができ、これにより安定かつ高い精度によりパターン位相差フィルムを生産することができる。
(3) (1)又は(2)において、
前記透明板状部材が、合成石英ガラスである。
(3)によれば、より具体的構成により十分な精度により露光処理することができる。また紫外線により露光する場合に、十分な信頼性を確保して効率良く露光することができる。
(4) (1)、(2)又は(3)において、
前記マスクは、
前記スリットの長手方向の両端の、端部から外側の部位であって、前記端部から20mm以内の部位で、前記透明板状部材に保持された。
(4)によれば、例えばマスクを垂直に保持する場合に、自重による撓み等を有効に回避することができる。
(5) (1)、(2)、(3)又は(4)において、
前記透明板状部材には、
少なくとも前記マスクを保持する部位に遮光膜が形成された。
(5)によれば、遮光膜により露光に供する紫外線等の、マスクを保持する接着剤等への照射を防止することができ、この接着剤等の劣化を防止して信頼性を向上することができる。
(6) (1)、(2)、(3)、(4)又は(5)において、
前記マスクが、第1のパターン位相差フィルムに対応する第1のマスクと、第2のパターン位相差フィルムに対応する第2のマスクとであり、
前記第1及び第2のマスクが、前記基材の幅方向に密接して配置された。
(6)によれば、透明板状部材に沿わせてメタルマスクを配置する構成を有効に利用して、多面取りによりパターン位相差フィルムを生産することができ、生産効率を向上することができる。
(7) パターン位相差フィルムに係る光配向膜の製造に供する露光装置において、
光源より出射された露光光を、マスクを介して光配向材料膜に照射することにより、前記光配向膜を作製し、
前記マスクが、
前記パターン位相差フィルムの第1又は第2の領域に対応するスリットが設けられたメタルマスクであり、
透明板状部材に沿わせて配置され、
前記スリットの幅が、露光対象側に向かって先細りの形状により形成された。
(7)によれば、メタルマスクにより安価にかつ短時間で作成することができる。また露光対象側に向かって先細りの形状により形成する場合には、十分な精度により露光処理することができる。
(8) パターン位相差フィルムに係る光配向膜の製造に供するマスクにおいて、
前記マスクは、
複数のスリットが設けられたメタルマスクであり、
透明板状部材に沿わせて配置され、
前記スリットの幅が、露光対象側に向かって先細りの形状により形成された。
(7)によれば、メタルマスクにより安価にかつ短時間で作成することができる。また露光対象側に向かって先細りの形状により形成する場合には、十分な精度により露光処理することができる。
パッシブ方式による3次元画像表示に適用するパターン位相差フィルムに関して、十分な精度により露光処理することができ、短時間で安価にマスクを作成することができる。
本発明の第1実施形態に係るパターン位相差フィルムを示す図である。 図1のパターン位相差フィルムの製造工程を示すフローチャートである。 図2の露光工程の説明に供する図である。 図2の露光工程に係る露光装置を示す図である。 マスクの説明に供する図である。 図4をA−A線により切り取って示す断面図である。 スリットの断面形状の説明に供する図表である。 露光対象とは逆側に先細りとした場合の説明に供する図である。 露光対象側に先細りとした場合の説明に供する図である。 両面より同時にエッチングした場合の断面形状を示す図である。 先細りの断面形状を示す図である。 両面で同一のマスクによりエッチングした場合の断面形状を示す図である。 位置ずれの裕度の説明に供する図である。 本発明の第1実施形態に係るマスクの説明に供する図である。 多面取りの説明に供する図である。 パッシブ方式による3次元画像表示の説明に供する図である。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態に係る画像表示装置に適用されるパターン位相差フィルムを示す図である。この第1実施形態に係る画像表示装置は、垂直方向(図1においては左右方向)に連続する液晶表示パネルの画素が、順次交互に、右目用の画像を表示する右目用画素、左目用の画像を表示する左目用画素に振り分けられて、それぞれ右目用及び左目用の画像データで駆動される。これにより画像表示装置は、右目用の画像を表示する帯状の領域と、左目用の画像を表示する帯状の領域とに表示画面が交互に区分され、右目用の画像と左目用の画像とを同時に表示する。この画像表示装置は、この液晶表示パネルのパネル面に、この図1に示すパターン位相差フィルム1が配置され、このパターン位相差フィルム1により右目用及び左目用の画素からの出射光にそれぞれ対応する位相差を与える。これによりこの画像表示装置は、パッシブ方式により所望の立体画像を表示する。
ここでパターン位相差フィルム1は、TAC(トリアセチルセルロース)等の透明フィルムからなる基材2の一方の面上に、配向膜3、位相差層4が順次作製される。パターン位相差フィルム1は、位相差層4が屈折率異方性を保持した状態で固化(硬化)された液晶材料により形成され、この液晶材料の配向を配向膜3の配向規制力によりパターンニングする。なおこの液晶分子の配向を図1では細長い楕円により誇張して示す。このパターンニングにより、パターン位相差フィルム1は、液晶表示パネルにおける画素の割り当てに対応して、一定の幅により、右目用の領域(第1の領域)Aと、左目用の領域(第2の領域)Bとが順次交互に帯状に形成され、右目用及び左目用の画素からの出射光にそれぞれ対応する位相差を与える。パターン位相差フィルム1おいては、配向膜3が光配向膜により作製される。
図2は、このパターン位相差フィルム1の製造工程を示すフローチャートである。パターン位相差フィルム1の製造工程は、ロールに巻き取った長尺透明フィルムにより基材2が提供され、この基材2をロールより送り出して光配向材料膜が順次作製される(ステップSP1−SP2)。ここで光配向材料膜は、各種の製造方法を適用することができるものの、この実施の形態では、光配向材料をベンゼン等の溶媒に分散させた成膜用液体をダイにより塗布した後、乾燥して作製される。なお光配向材料は、光配向の手法を適用可能な各種の材料を適用することができるものの、この実施形態では、繰り返しの露光処理により配向方向がその都度変化する材料が適用される。このような材料としては、例えば、光異性化反応型の光配向材料を使うことができる。なお光異性化に関しては、「W.M.Gibbons, PJ.Shannon, S.T.Sun and B.J.Swetlin:Nature,351,49(1991)」で報告されている。
続いてこの製造工程は、露光工程により偏光した紫外線を照射して光配向膜が作製される(ステップSP3)。続いてこの製造工程は、位相差層作製工程において、ダイ等により液晶材料を塗布した後、紫外線の照射によりこの液晶材料を硬化させ、位相差層4が作製される(ステップSP4)。続いてこの製造工程は、必要に応じて反射防止膜の作製処理等を実行した後、切断工程において、所望の大きさに切り出してパターン位相差フィルム1が作製される(ステップSP5−SP6)。
図3は、光配向膜に係る露光工程の詳細を示す図である。この製造工程は、全面に直線偏光による紫外線(偏光紫外線)を照射することにより、光配向材料膜の全面を右目用の領域A又は左目用の領域Bに対応する方向に配向させる(図3(A))。続いてこの工程は、1回目の露光処理とは偏光方向が90度異なる直線偏光によりマスク16を介して紫外線を照射し、これにより2回目の露光処理を実行して左目用の領域B又は右目用の領域Aを選択的に配向させる。これによりこの露光工程では、1回目の露光処理により全面が一様に配向した光配向材料膜に対して、2回目の露光処理により左目用の領域B又は右目用の領域Aを選択的に配向し直し、光配向膜3を作製する。
図4は、2回目の露光処理に供する露光装置の説明に供する斜視図であり、図5はマスクの部位に係る構成を詳細に示す分解斜視図である。マスク16は、長尺による基材2の幅により形成され、この基材2の搬送方向に延長する細長い矩形の形状によるスリットSが一定の間隔で順次設けられる。ここでスリットSは、右目用領域又は前記左目用領域に対応する幅及びピッチにより繰り返し設けられる。この露光装置は、ロール17に対向するようにマスク16が配置され、ロール17により搬送する基材2に、図示しない光源から射出される紫外線を、直線偏光板、マスク16を介して照射する。
この実施形態では、マスク16がメタルマスクにより構成され、平板形状による透明板状部材19にマスク16を保持して配置する。ここでメタルマスクでは、従来のフォトマスクを使用する場合に比して、短時間で安価にマスクを作製できるように構成される。しかしながらメタルマスクは、精度が劣る欠点がある。ここでメタルマスクの作製方法としては、レーザーにより加工する方法とエッチングにより加工する方法とがある。このうちレーザーによる加工では、開口部にレーザー照射で溶融した金属が再付着してバリが発生することにより精度良く開口を加工することが難しく、またレーザーの熱で寸法が変化し、その結果、長寸法精度を得ることが難しい等の問題がある。これによりこの実施形態では、エッチングにより加工してメタルマスクを作成する。またエッチングによる加工においては、金属板材の厚みの1/10程度が加工精度となることから、厚みを薄くすればする程、精度を向上することができ、厚みtを100μm以下とすることが望ましい。しかしながら実用性、生産性を考慮すると、厚みを厚くすることが望まれる。そこでこの実施形態では、マスク16の厚みtを100μmに設定する。なおエッチングによってメタルマスクを作成する場合、フォトレジストパターンを作製するために、マスクを作製する必要がある。しかしながらこのフォトレジストパターンを作製するためマスクは、フィルムマスクや合成石英ガラス以外のガラスマスク(例えばソーダガラス等)の、従来のクロムマスクに比して各段的に安価なマスクを使用することができる。
またさらに図4をB−B線により断面を取って図6にスリットの幅方向の断面を示すように、露光対象側に向かって先細りとなる断面台形形状により各スリットSを作製し、これにより露光精度を向上する。
すなわち図7に示すように、スリットSの内側壁面が垂直に作成されている場合、光源からの光(以下、露光光と呼ぶ)Lは、このスリットSの形状によりマスク16を透過し、スリットSの形状により露光することになる。しかしながらエッチング処理により厚み100μm程度のメタルマスクを作製する場には、このような垂直な壁面によりスリットを作製することは困難であり、例えば露光対象側からエッチング処理した場合には、図8に示すように、露光対象とは逆側が先細りとなるようにスリットSが作製される。またこれは逆に露光対象とは逆側からエッチング処理した場合には、図9に示すように、露光対象側が先細りとなるようにスリットSが作製され、光対象側及びこれとは逆側から同時にエッチング処理した場合には、図10に示すように、厚さ方向のほぼ中央が最も幅狭となった断面形状によりスリットSが作製される。これらの場合において、露光光Lは、このように作成された断面形状における最も幅狭の部位で露光形状が決まることになる。ここで露光光Lは、完全には平行光線により構成できないことにより、露光対象から最も幅狭の部位が遠ざかるに従って、この最も幅狭の部位に対する露光形状の相違が大きくなる。これによりこの実施形態では、図9に示すように、露光対象側に向かって先細りの断面形状によりスリットSを作製する。
また露光対象側、これとは逆側の一方側からエッチングすると、両側から同時にエッチングする場合に比してエッチングする厚さが厚くなることによりエッチング時間が長くなり、またエッチング精度も低下する。しかしながら両側でフォトレジストパターンを同一形状に設定して、同時にエッチング処理する場合には、中細り形状によりスリットSが作製されることになる(図12参照)。そこでこの実施形態では、図11に示すように、露光対象側面に作成するフォトレジストパターンMK1を領域A又は領域Bの幅により作製する。またこれとは逆側面に作成するフォトレジストパターンMK2については、フォトレジストパターンMK1に係る領域幅より幅広に作成し、光対象側面及びこれとは逆側面から同時並列的にエッチング処理し、これにより露光対象側に向かって先細りの断面形状によりスリットSを作製する。なおマスク16は、厚みtが100μmであることにより、この場合、フォトレジストパターンMK1に係る領域幅より30μm程度幅広にフォトレジストパターンMK2の領域幅を設定して、露光対象側に向かって先細りの断面形状によりスリットSを作製することができる。
なおこのように両面のフォトレジストパターンMK1及びMK2で領域幅に差を設けてエッチング処理する場合には、この両面のフォトレジストパターンMK1及びMK2の位置ずれによる、領域幅の変化を低減することができる。すなわち図12に示すように、この両面におけるフォトレジストパターンMK1及びMK2を同一形状により作製した場合、図12との対比により図13(A)に示すように、位置ずれした分だけ、最も幅狭の部位の幅が狭くなり、これにより位置ずれした分だけ、露光する部位の幅(破線間の間隔である)が狭くなる。しかしながらこの実施形態のようにフォトレジストパターンMK1及びMK2で領域幅に差を設けて露光対象側に先細りによりスリットを作製する場合には、図13(B)により示すように、この先細りに係る分だけ、フォトレジストパターンMK1及びMK2の位置ずれに対する裕度を確保することができる。
しかしてこの実施形態では、この厚み100μmのマスク16を平板形状による透明板状部材19に沿わせて保持することにより(図4及び図5参照)、マスク16の撓み、変形を有効に回避してマスク16を平坦に保持する。ここでこの透明板状部材19には、厚みTが20mmの合成石英ガラスが適用される。合成石英ガラスは、熱膨張係数が0.4ppm/℃である。この透明板状部材19にマスク16を保持するようにして、マスク16と透明板状部材19とで熱膨張率が大きく異なると、露光時における紫外線の照射による温度上昇によりマスク16が撓み、透明板状部材19からマスク16が浮き上がってしまうことになる。これによりマスク16と透明板状部材19との熱膨張率の差は、1ppm/℃以下とすることが必要なことが判った。これによりマスク16は、透明板状部材19に合成石英ガラスを使用する場合、熱膨張係数が1.4ppm/℃以下、−0.6ppm/℃以上であることが必要である。
またマスク16の熱膨張率が大きい場合には、露光時における紫外線の照射による温度上昇によりマスク16に形成されたスリットSの幅、間隔が変化することになり、その結果、パターン位相差フィルムの精度が低下することになる。この場合、マスク16は、熱膨張率の絶対値を1ppm/℃以下とすることが必要なことが判った。これらにより透明板状部材19に合成石英ガラスを使用する場合、マスク16は、熱膨張率が1.0ppm/℃以下、−0.6ppm/℃以上であることが必要である。
これによりこの実施形態では、熱膨張率が小さなインバー材を複数用意して熱膨張係数を計測し、熱膨張率が上述の条件を満足するインバー材を選択してマスク16を作製する。なおインバー材より一段と熱膨張率が小さなスーパーインバー材を使用してマスク16を作製するようにしてもよい。これによりこの実施形態では一段と精度良くパターン位相差フィルムを作製する。
マスク16(図5)は、スリットSの長手方向の両縁部の外側の部位に、透明板状部材19への貼り付けしろが設けられ、透明板状部材19は、少なくともこの貼り付けしろに対応する領域に遮光膜20が形成され、この遮光膜20の部位に挟まれた中央領域21が露光光を透過してマスク16に露光光を供給する部位に設定される。またこの遮光膜20に、帯状に例えばエポキシ接着剤である接着剤22が塗布され、この接着剤22によりマスク16が貼り付けられて保持される。この実施形態では、これにより光配向膜の作製に係る露光工程において、遮光膜20により露光光が接着剤22を照射しないように保持され、紫外線の照射による接着剤22の劣化を有効に回避して信頼性を向上する。またこのように紫外線が照射しないように保持することにより、接着剤の選択の幅を拡大することができる。なお接着剤22にあっては、露光時の温度上昇に対して十分な信頼性を確保することが必要であり、少なくとも100℃以上の耐熱性を確保することが必要である。
また遮光膜20にあっては、例えばクロム等の金属膜により作製してもよく、紫外線を遮光するテープ等を広く適用することができる。また遮光膜20は、要は接着剤20への紫外線の照射を防止することができれば良く、板状部材19の入射面側に金属等の遮光部材を配置しても良く、必要に応じて種々の構成を採用することができる。
またこのように接着剤22を塗布して、スリットSの対応する側の端部と、接着剤22を塗布した部位との間隔Wを極力小さくし、より具体的にはこの実施形態ではこの間隔Wを20mm以内とし、これによりマスク16を垂直に保持して露光する場合に、マスク16の自重により変形を有効に回避する。
以上の構成によれば、メタルマスクを透明板状部材により保持するようにして、スリット幅方向の断面形状が露光対象側に先細となるようにスリットを作製することにより、短時間で安価にマスクを作成するようにして、十分な精度により露光処理することができる。
またスリットの長手方向の両縁部にて、透明板状部材にマスクを保持することにより、マスクの変形を有効に回避して開口近傍でマスクを保持することができ、これにより一段と高い精度により露光処理することができる。
またマスクの熱膨張率の絶対値を1ppm/℃以下とすることにより、露光時の紫外線の照射によるマスクの変形を有効に回避することができ、これによっても一段と高い精度により露光処理することができる。
〔第2実施形態〕
この実施形態では、図5との対比により図14に示すように、マスク16のスリットSの長手方向の両縁部に形成される貼り付けしろに矩形の開口を設け、この矩形の開口により、透明板状部材19の遮光膜20を見て取ることができるようにする。この実施形態では、この開口を覆い隠するようにテープを貼り付けることにより、接着剤22に代えて、又は接着剤22に加えてこのテープによりマスク16を透明板状部材19に保持する。なお開口に代えて、幅広のスリットを設けるようにしてもよく、種々の形状を広く適用することができる。なお貼り付けに使用するテープには耐熱温度が100℃以上の耐熱性のあるものが必要になる。具体的にこのテープンには、ポリイミドテープ(例えばプトンテープ(登録商標))等を適用することができる。この実施形態では、透明板状部材19へのマスク16の保持方法が異なる点を除いて第1実施形態と同一に構成される。
この実施形態では、テープを使用してマスク16を透明板状部材19に保持するようにしても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
〔第3実施形態〕
図15は、本発明の第3の実施形態に係る露光工程の説明に供する図である。この実施形態は、図15に係る構成が異なる点を除いて、上述の実施形態と同一に構成される。
この露光工程では、メタルマスクを透明板状部材に保持して配置する構成を有効に利用して、2つのマスク16A及び16Bの端部を密接させるようにして、基材2の幅方向にこの2つのマスク16A及び16Bを並べて合成石英ガラス19に配置する。ここで例えばマスク16A及び16Bは、それぞれ32インチ及び42インチの画像表示パネルに適用されるパターン位相差フィルム用のマスクである。これによりこの実施形態では、この2種類の画面サイズに係るパターン位相差フィルムを多面取りにより同時に生産する。また生産計画に基づいて、2つのマスク16A及び16Bの双方又は一方を、他のメタルマスクと交換してパターン位相差フィルムを生産する。
以上の構成によれば、2つのマスクの端部を密接させるようにして、基材の幅方向に2つのマスクを並べて配置することにより、メタルマスクを透明板状部材に保持して配置する構成を有効に利用して、効率良くパターン位相差フィルムを生産することができる。
またこの場合、各マスク16A、16Bの外形形状をエッチングにより作製することにより、外形形状の寸法精度を高い精度により作製することができる。その結果、2つのマスク16A及び16Bで端部を接触させて密接配置する場合に、マスク16A及び16Bの間での位置精度を充分に確保することができる。因みに、この密接配置に係る横方向については、10μm程度の位置精度が必要であり、この位置精度については十分に確保することができる。またこの方向と直交する方向については、単にマスク16A及び16Bを並べて配置することになるものの、この方向については、基材の搬送方向であることにより、位置ずれに対して十分に余裕がある。これによりこのようにマスクを並べて配置して多面取りにより生産する場合でも、十分な精度によりパターン位相差フィルムを作製することができる。
〔他の実施形態〕
以上、本発明の実施に好適な具体的な構成を詳述したが、本発明は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述の実施形態を種々に組み合わせ、さらに上述の実施形態の構成を種々に変更することができる。
すなわち上述の第3実施形態では、合成石英ガラス上に、2つのマスクを配置する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、3つ以上のマスクを配置するようにしてもよい。
また上述の実施形態では、全面を一様に露光した後、右目用領域又は左目用領域を選択的に露光し直して光配向膜を作製する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、右目用領域又は左目用領域を選択的に露光した後、全面に一様に紫外線を照射して未露光領域を露光することにより光配向膜を作製する場合、右目用領域又は左目用領域を選択的に露光した後、左目用領域又は右目用領域を選択的に露光して光配向膜を作製する場合にも広く適用することができる。
また上述の実施形態では、液晶表示パネルの使用を前提としたパターン位相差フィルムを作製する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、有機ELパネル、プラズマディスプレイパネルの使用を前提に、偏光フィルタを一体に設ける場合にも広く適用することができる。
1 パターン位相差フィルム
2 基材
3 配向膜
4 位相差層
16、16A、16B マスク
17 ロール
19 合成石英ガラス
20 遮光膜
21 中央領域
22 接着剤

Claims (8)

  1. 長尺透明フィルム材による基材を搬送しながら順次処理してパターン位相差フィルムを作製するパターン位相差フィルムの製造方法において、
    前記基材に光配向材料膜を作製する光配向材料膜作製工程と、
    マスクを用いた前記光配向材料膜の露光処理により光配向膜を作製する露光工程と、
    前記光配向膜の上に、透過光に対応する位相差を与える第1の領域と、透過光に前記第1の領域とは異なる位相差を与える第2の領域とによる位相差層を作製する位相差層作製工程とを備え、
    前記マスクは、
    前記第1又は第2の領域に対応するスリットが設けられたメタルマスクであり、
    透明板状部材に沿わせて配置され、
    前記スリットの幅が、露光対象側に向かって先細りの形状により形成された
    パターン位相差フィルムの製造方法。
  2. 前記マスクは、
    熱膨張係数の絶対値が1ppm/℃以下であり、
    前記透明板状部材との熱膨張係数の差が1ppm/℃以下である
    請求項1に記載のパターン位相差フィルムの製造方法。
  3. 前記透明板状部材が、合成石英ガラスである
    請求項1又は請求項2に記載のパターン位相差フィルムの製造方法。
  4. 前記マスクは、
    前記スリットの長手方向の両端の、端部から外側の部位であって、前記端部から20mm以内の部位で、前記透明板状部材に保持された
    請求項1、請求項2、請求項3の何れかに記載のパターン位相差フィルムの製造方法。
  5. 前記透明板状部材には、
    少なくとも前記マスクを保持する部位に遮光膜が形成された
    請求項1、請求項2、請求項3、請求項4の何れかに記載のパターン位相差フィルムの製造方法。
  6. 前記マスクが、第1のパターン位相差フィルムに対応する第1のマスクと、第2のパターン位相差フィルムに対応する第2のマスクとであり、
    前記第1及び第2のマスクが、前記基材の幅方向に密接して配置された
    請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5の何れかに記載のパターン位相差フィルムの製造方法。
  7. パターン位相差フィルムに係る光配向膜の製造に供する露光装置において、
    光源より出射された露光光を、マスクを介して光配向材料膜に照射することにより、前記光配向膜を作製し、
    前記マスクが、
    前記光配向膜の上の、透過光に対応する位相差を与える第1の領域、又は、透過光に前記第1の領域とは異なる位相差を与える第2の領域に対応するスリットが設けられたメタルマスクであり、
    透明板状部材に沿わせて配置され、
    前記スリットの幅が、露光対象側に向かって先細りの形状により形成された
    露光装置。
  8. パターン位相差フィルムに係る光配向膜の製造に供するマスクにおいて、
    前記マスクは、
    複数のスリットが設けられたメタルマスクであり、
    透明板状部材に沿わせて配置され、
    前記スリットの幅が、露光対象側に向かって先細りの形状により形成された
    マスク。
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