JP2014122970A - パターン位相差フィルムの製造方法、露光装置及びマスク - Google Patents

パターン位相差フィルムの製造方法、露光装置及びマスク Download PDF

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啓介 三浦
Keiji Kashima
啓二 鹿島
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顕 成住
Nobuo Naito
暢夫 内藤
Yosuke Kosaka
洋介 高坂
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Abstract

【課題】パッシブ方式による3次元画像表示に適用するパターン位相差フィルムに関して、従来に比して斜め光を十分に遮光することができるようにする。
【解決手段】透明フィルムによる基材に光配向材料膜を作製する光配向材料膜作製工程と、マスクを用いた光配向材料膜の露光処理により、光配向膜を作製する露光工程と、光配向膜の上に、右目用の透過光に対応する位相差を与える右目用の領域と、左目用の透過光に対応する位相差を与える左目用の領域とによる位相差層を作製する位相差層作製工程とを備える。マスク16が、第1の領域又は第2の領域に対応するSスリットが設けられた薄板のスリット部16Aと、スリット部16Aに比して厚みが厚く、スリットSより幅広に開口S1が形成された遮光部16Bとの積層により作製される。
【選択図】図9

Description

本発明は、パッシブ方式による3次元画像表示に適用するパターン位相差フィルムの製造方法等に関するものである。
近年、3次元表示可能なフラットパネルディスプレイが提供されている。ここでフラットパネルディスプレイにおいて3次元表示をするには、通常、何らかの方式で右目用の画像と、左目用の画像とを、それぞれ選択的に視聴者の右目及び左目に提供することが必要である。右目用の画像と左目用の画像とを選択的に提供する方法としては、例えば、パッシブ方式が知られている。このパッシブ方式の3次元表示方式について図を参照しながら説明する。図11は、液晶表示パネルを使用したパッシブ方式の3次元表示の一例を示す概略図である。この図11の例では、液晶表示パネルの垂直方向に連続する画素を、順次交互に、右目用の画像を表示する右目用画素、左目用の画像を表示する左目用画素に振り分け、それぞれ右目用及び左目用の画像データで駆動し、これにより右目用の画像と左目用の画像とを同時に表示する。なおこれにより液晶表示パネルの画面は、例えば短辺が垂直方向で長辺が水平方向となる帯状の領域により、右目用の画像を表示する領域と左目用の画像を表示する領域とに交互に区分されることになる。
さらにパッシブ方式では、液晶表示パネルのパネル面にパターン位相差フィルムを配置し、右目用及び左目用の画素からの直線偏光による出射光を、右目用及び左目用で回転方向の異なる円偏光に変換する。このためパターン位相差フィルムは、液晶表示パネルにおける領域の設定に対応して、遅相軸方向(屈折率が最大となる方向)が直交する2種類の帯状領域が順次交互に形成される。これによりパッシブ方式では、対応する偏光フィルタを備えてなる眼鏡を装着して、右目用の画像と左目用の画像とをそれぞれ選択的に視聴者の右目及び左目に提供する。なおここでこの隣接する帯状領域の遅相軸方向は、通常、水平方向に対して、+45度と−45度、又は0度と+90度の組み合わせが採用される。なおこの図10の例では、通常の画像表示装置における呼称に習って画面の長辺方向を水平方向として示す。
このパッシブ方式は、応答速度の遅い液晶表示装置でも適用することができ、さらにパターン位相差フィルムと円偏光メガネとを用いた簡易な構成で3次元表示することができる。
このパッシブ方式に係るパターン位相差フィルムは、画素の割り当てに対応して透過光に位相差を与えるパターン状の位相差層が必要である。このパターン位相差フィルムに関して、特許文献1には、配向規制力を制御した光配向膜をガラス基板上に形成し、この光配向膜により液晶の配列をパターンニングして位相差層を作成する方法が開示されている。また特許文献2には、全面を露光処理した後、露光処理用のマスクを使用して露光処理することにより光配向膜を作製し、この光配向膜の配向規制力により液晶層を配向させて硬化させることにより、パターン位相差フィルムを作製する方法が開示されている。
従来、この種のマスクには、いわゆる石英クロムマスクが使用されている。ここで図12は、この石英クロムマスクを示す平面図である。このマスクは、露光に供する光(以下、露光光と呼ぶ)を透過させるスリットSが連続するように作製される。ここでスリットSは、画像表示装置における右目用の画像を表示する領域又は左目用の画像を表示する領域に対応する開口である。従ってスリットSは、画像表示装置における領域の設定に対応するピッチにより繰り返し配置される。
図13は、A−A腺により断面を取って示すマスクの端面図である。マスクは、透明板状部材による支持部材41の一方の側の面に遮光部42を配置して形成される。ここで支持部材41は、露光光に対して十分な透過率を備えた板材が適用され、石英クロムマスクでは石英ガラスにより作製される。遮光部42は、金属等の遮光部材による遮光膜を蒸着等により支持部材41に形成した後、エッシングによりこの遮光膜にスリットSを形成して作製される。石英クロムマスクは、この遮光部材に係る金属にクロムが適用され、遮光部52は、例えば膜厚100nm程度により作製される。
ところでこの種の露光処理にあっては、平行光線により露光することが望まれる。しかしながら従来のマスクによっては、露光面Mに対して鉛直方向から斜めに傾いて入射する非平行光、迷光(以下、斜め光と呼ぶ)を十分に遮光し得ず、斜め光がスリットSを通過して露光面Mに到達する。
このように露光面Mに到達する斜め光は、平行光線による主光線に比して光量が少ないものの、主光線による露光領域の幅を広げることになり、さらにはこの主光線による露光領域のエッジをぼやかすことになり、これにより露光精度を劣化させることになる。その結果、パターン位相差フィルムにおいては、このような斜め光により右目用の画像と左目用の画像とに対応する領域の作製精度が劣化する問題がある。より具体的には、右目用の画像又は左目用の画像に対応する領域の領域幅、右目用の画像及び左目用の画像に対応する領域間の境界について、作製精度が低下することになる。
特開2005−49865号公報 特開2012−042530号公報
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、パッシブ方式による3次元画像表示に適用するパターン位相差フィルムに関して、従来に比して斜め光を十分に遮光することができるパターン位相差フィルムの製造方法、露光装置及びマスクを提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ね、部材の厚みにより斜め光を制限する部位を別途、設ける、との着想に至り、本発明を完成するに至った。
(1) 透明フィルムによる基材に光配向材料膜を作製する光配向材料膜作製工程と、
マスクを用いた前記光配向材料膜の露光処理により光配向膜を作製する露光工程と、
前記光配向膜の上に、透過光に対応する位相差を与える第1の領域と、透過光に前記第1の領域とは異なる位相差を与える第2の領域とによる位相差層を作製する位相差層作製工程とを備え、
前記マスクが、
前記第1の領域又は前記第2の領域に対応するスリットが設けられた板状の部材によるスリット部と、
前記スリット部に比して厚みが厚く、前記スリットより幅広に開口が形成された遮光部との積層により作製された
パターン位相差フィルムの製造方法。
(1)によれば、遮光部の厚みにより斜め光の入射角度を制限することにより、斜め光を十分に遮光することができる。また遮光部とスリット部を積層するようにして、スリットより幅広に開口を作製することにより、十分な精度を確保して簡易な加工によりマスクを作製することができる。
(2) パターン位相差フィルムに係る光配向膜の製造に供する露光装置において、
光源より出射された露光光を、マスクを介して光配向材料膜に照射することにより、前記光配向膜を作製し、
前記マスクが、
前記パターン位相差フィルムに係る領域の設定に対応するスリットが繰り返し設けられた板状の部材によるスリット部と、
前記スリット部に比して厚みが厚く、前記スリットより幅広に開口が形成された遮光部との積層により作製された
露光装置。
(2)によれば、遮光部の厚みにより斜め光の入射角度を制限することにより、斜め光を十分に遮光することができる。また遮光部とスリット部を積層するようにして、スリットより幅広に開口を作製することにより、十分な精度を確保して簡易な加工によりマスクを作製することができる。
(3) (2)において、
前記遮光部は、
それぞれ前記開口が作製された複数の板材の積層により形成される。
(3)によれば、厚みの薄い板材の積層により厚みの厚い遮光部を作製することができ、一段と簡易な加工によりマスクを作製することができる。
(4) 前記遮光部は、
前記複数の板材の、前記スリットの繰り返し方向へのシフトにより、前記開口の内側壁面に段差が形成される。
(4)によれば、シフトにより発生する段差により斜め光を遮光することができることにより、一段と確実に斜め光を遮光することができる。
(5) パターン位相差フィルムに係る光配向膜の製造に供するマスクにおいて、
前記マスクが、
前記パターン位相差フィルムに係る領域の設定に対応するスリットが設けられた板状の部材によるスリット部と、
前記スリット部に比して厚みが厚く、前記スリットより幅広に開口が形成された遮光部との積層により作製される。
(5)によれば、遮光部の厚みにより斜め光の入射角度を制限することにより、斜め光を十分に遮光することができる。また遮光部とスリット部を積層するようにして、スリットより幅広に開口を作製することにより、十分な精度を確保して簡易な加工によりマスクを作製することができる。
パッシブ方式による3次元画像表示に適用するパターン位相差フィルムに関して、従来に比して斜め光を十分に遮光することができる。
本発明の第1実施形態に係るパターン位相差フィルムを示す図である。 図1のパターン位相差フィルムの製造工程を示すフローチャートである。 図2の露光工程の説明に供する図である。 図2の露光工程に係る露光装置を示す図である。 マスクの原理説明に供する図である。 各部の設定の説明に供する図である。 斜め光の遮光の説明に供する図表である。 図7の図表による特性曲線図である。 図2の露光工程に使用するマスクを示す図である。 第2実施形態に係るマスクを示す図である。 パッシブ方式による3次元画像表示の説明に供する図である。 石英クロムマスクを示す図である。 図12をAーA線により切り取って示す端面図である。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態に係る画像表示装置に適用されるパターン位相差フィルムを示す図である。この第1実施形態に係る画像表示装置は、垂直方向(図1においては左右方向)に連続する液晶表示パネルの画素が、順次交互に、右目用の画像を表示する右目用画素、左目用の画像を表示する左目用画素に振り分けられて、それぞれ右目用及び左目用の画像データで駆動される。これにより画像表示装置は、右目用の画像を表示する帯状の領域と、左目用の画像を表示する帯状の領域とに表示画面が交互に区分され、右目用の画像と左目用の画像とを同時に表示する。この画像表示装置は、この液晶表示パネルのパネル面に、この図1に示すパターン位相差フィルム1が配置され、このパターン位相差フィルム1により右目用及び左目用の画素からの出射光にそれぞれ対応する位相差を与える。これによりこの画像表示装置は、パッシブ方式により所望の立体画像を表示する。
ここでパターン位相差フィルム1は、TAC(トリアセチルセルロース)等の透明フィルムからなる基材2の一方の面上に、配向膜3、位相差層4が順次作製される。パターン位相差フィルム1は、位相差層4が屈折率異方性を保持した状態で固化(硬化)された液晶材料により形成され、この液晶材料の配向を配向膜3の配向規制力によりパターンニングする。なおこの液晶分子の配向を図1では細長い楕円により誇張して示す。このパターンニングにより、パターン位相差フィルム1は、液晶表示パネルにおける画素の割り当てに対応して、一定の幅により、右目用の領域(第1の領域)Aと、左目用の領域(第2の領域)Bとが順次交互に帯状に形成され、右目用及び左目用の画素からの出射光にそれぞれ対応する位相差を与える。パターン位相差フィルム1おいては、配向膜3が光配向膜により作製される。
図2は、このパターン位相差フィルム1の製造工程を示すフローチャートである。パターン位相差フィルム1の製造工程は、ロールに巻き取った長尺フィルムにより基材2が提供され、この基材2をロールより送り出して光配向材料膜が順次作製される(ステップSP1−SP2)。ここで光配向材料膜は、各種の製造方法を適用することができるものの、この実施の形態では、光配向材料をベンゼン等の溶媒に分散させた成膜用液体をダイにより塗布した後、乾燥して作製される。なお光配向材料は、光配向の手法を適用可能な各種の材料を適用することができるものの、この実施形態では、繰り返しの露光処理により配向方向がその都度変化する材料が適用される。このような材料としては、例えば、光異性化反応型の光配向材料を使うことができる。なお光異性化に関しては、「W.M.Gibbons, PJ.Shannon, S.T.Sun and B.J.Swetlin:Nature,351,49(1991)」で報告されている。
続いてこの製造工程は、露光工程により紫外線を照射して光配向膜が作製される(ステップSP3)。続いてこの製造工程は、位相差層作製工程において、ダイ等により液晶材料を塗布した後、紫外線の照射によりこの液晶材料を硬化させ、位相差層4が作製される(ステップSP4)。続いてこの製造工程は、必要に応じて反射防止膜の作製処理等を実行した後、切断工程において、所望の大きさに切り出してパターン位相差フィルム1が作製される(ステップSP5−SP6)。
図3は、光配向膜に係る露光工程の詳細を示す図である。この製造工程は、全面に直線偏光による紫外線(偏光紫外線)を照射することにより、光配向材料膜の全面を右目用の領域A又は光目用の領域Bに対応する方向に配向させる(図3(A))。続いてこの工程は、1回目の露光処理とは偏光方向が90度異なる直線偏光によりマスク16を介して紫外線を照射し、これにより2回目の露光処理を実行して左目用の領域B又は右目用の領域Aを選択的に配向させる。これによりこの露光工程では、1回目の露光処理により全面が一様に配向した光配向材料膜に対して、2回目の露光処理により左目用の領域B又は右目用の領域Aを選択的に配向し直し、光配向膜3を作製する。
図4は、2回目の露光処理に供する露光装置の説明に供する斜視図である。マスク16は、長尺による基材2の幅により形成され、この基材2の搬送方向に延長する細長い矩形の形状によるスリットSが一定の間隔で順次設けられる。ここでスリットSは、右目用領域又は前記左目用領域に対応する幅及びピッチにより繰り返し設けられる。この露光装置は、ロール17に対向するようにマスク16が配置され、ロール17により搬送する基材2に、図示しない光源から射出される紫外線を、直線偏光板、マスク16を介して照射する。
従ってこの2回目のマスク16を使用した露光処理において、斜め光により露光の精度が劣化する場合には、2回目の露光処理により配向し直して作製する左目用の領域B又は右目用の領域Aの幅が、マスクに形成されたスリットの幅より大きくなったり、さらにこの2回目の露光処理に係る領域の外側領域(右目用領域A又は左目用領域Bとの境界)で正しい方向に光配向材料膜が配向してない部位が発生することになる。なおこのように正しい方向に光配向材料膜が配向していない部位では、位相差層に係る液晶材料を正しい方向に配向させることが困難になり、その結果、パターン位相差フィルムでは、右目用領域A及び左目用領域Bの間の境界幅が幅広になり、著しい場合にはクロストークの発生原因となる。なおクロストークは、本来、右目に入射する画像表示パネルからの光の一部が左目に入射したり、これとは逆に、本来、左目に入射する画像表示パネルからの光の一部が右目に入射したりする現象であり、3次元画像表示において立体感を喪失させる原因となる。
そこでこの実施形態では、マスク16に厚みの厚い遮光部を設け、この部位により斜め光を制限する。図5は、この遮光部の説明に供する図である。ここでマスク16は、厚みが十分に厚いものであるとする。この場合、露光光Lが平行光線である場合、マスク16に形成されたスリットSの形状による光束によりマスク16の透過光が露光面Mに到達することになる。従ってこの場合、露光面Mは、スリットSにより露光される。これに対して斜め光は、スリットSに入射した場合でも、傾きが大きい場合、スリットSの内側壁面により遮光させることになる。その結果、マスク16の厚みを厚くすると、傾きの大きな斜め光が露光面Mに到達しないようにすることができる。これらによりマスク16の厚みを厚くすることにより、斜め光を十分に遮光して露光精度を向上し、光配向膜の作製精度を向上することができる。
図7は、この斜め光に係る遮光の確認に供した検討結果を示す図表である。図6に示すように、Dはマスク16の厚みであり、WはスリットSの幅であり、θは、マスク16に対する斜め光の入射角である。図8は、この図7の検討結果を特性曲線により示すものであり、L1及びL2は、それぞれWが0.5mm、0.3mmの場合である。この検討結果によれば、厚みDを厚くすればする程、斜め光を十分に遮光して露光精度を向上し、光配向膜の作製精度を向上することができることが判る。
ここで光配向層に適用する材料の感度、光源からの主光線に対する斜め光の光量等によっても変化するものの、実際上、この種の露光工程では、斜め入射光を3度以下に低減して、より好ましくは2度以下に低減することができれば、実用上十分に露光精度を確保することができる。これによりWが0.5mmの場合には、厚みDを20mm以上に設定して、またWが0.3mmの場合には、厚みDを15mm以上に設定して、実用上十分に露光精度を確保することができる。
しかしながらこのような厚みの厚い遮光部については、精度良くスリットSを作製することが困難になる。そこでこの実施形態では、図9に示すように、スリットSを高い寸法精度により作製した薄板の板状の部材であるスリット部16Aに、スリット部16Aに比して厚みが厚く、かつスリットSより幅広に、スリットSに対応して開口S1が形成されている遮光部16Bとの積層によりマスク16を構成する。ここでこのスリット部16A、遮光部16Bは、熱膨張係数の小さな部材により作製される。より具体的に、例えばステンレス材、コバルト合金による金属材、チタン合金による金属材、インバー材、グラッシーカーボン等を適用することができる。
より具体的に、スリット部16Aは、例えば厚み0.1mmにより形成され、ワイヤカット加工、レーザ加工等によりスリットSが作製される。なおスリット部16Aは、厚みを厚くすると加工精度が劣化することにより、少なくとも0.5mm以下の厚みであることが望ましい。
遮光部16Bは、スリット部16Aと同種の材料により例えば厚み10mm(斜め光の入射角を3度に制限する場合)により形成され、ワイヤカット加工、レーザ加工等によりスリットSに対応する開口S1が作製される。また遮光部16Bは、スリットSを通過する主光線である平行光線の光路を妨げないように、開口の作製精度のばらつき、スリット部16Aとの組み立て精度の分だけ、スリットSに対して幅広に開口S1が作製される。
これらスリット部16A、遮光部16Bは、例えば拡散接合の手法により一体化されるものの、一体化の手法にあっては、種々の手法を広く適用することができる。なお開口S1の内側壁面は、斜め光を確実に遮光する観点より、正反射面以外の、乱反射面、光吸収面等であることが望ましい。
この実施形態では、スリットを高い寸法精度により作製した薄板のスリット部と、スリット部に比して厚みが厚く、スリットSより幅広に開口が形成された遮光部との積層によりマスクを作製することにより、パッシブ方式による3次元画像表示に適用するパターン位相差フィルムに関して、従来に比して斜め光を十分に遮光して露光精度を確保することができる。
〔第2実施形態〕
図10は、本発明の第2実施形態に係るマスクを示す端面図である。このマスク26は、スリット部26Aと遮光部26Bとの積層により作製される。またスリット部26Aは、第1実施形態に係るスリット部16Aと同一に構成される。
このマスク26において、遮光部26Bは、スリット部26Aに比して厚みが厚く、かつスリットSより幅広に、スリットSに対応して開口S1が形成される。また遮光部26Bは、スリット部26Aと同一材料による複数の板材26B1、26B2、26B3、……、26BNの積層により構成される。マスク26は、これにより遮光部26Bについても厚みの薄い板材の積層により加工精度を十分に確保できるように構成される。
さらに遮光部26Bは、スリットSを透過する主光線を遮光しない範囲で、これら複数の板材26B1、26B2、26B3、……、26BNがスリットSの繰り返し方向にランダムにシフトした状態で、拡散接合等による一体に積層化され、これにより開口S1の内側壁面に、これら複数の板材26B1、26B2、26B3、……、26BNによる段差が形成される。これによりマスク26は、この段差によりさらに一段と斜め光を遮光することができる。
この実施形態では、厚みの薄い板材の積層により厚みの厚い遮光部を作製することにより、一段と簡易な加工により精度の高いマスクを作製して、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
またこれら複数の板材の、前記スリットの繰り返し方向へのシフトにより、開口の内側壁面に段差を形成することにより、この段差により斜め光を遮光して、一段と確実に斜め光を遮光することができる、
〔他の実施形態〕
以上、本発明の実施に好適な具体的な構成を詳述したが、本発明は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述の実施形態を種々に組み合わることができ、上述の実施形態の構成を種々に変更することができる。
すなわち上述の実施形態では、全面を一様に露光した後、右目用領域又は左目用領域を選択的に露光し直して光配向膜を作製する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、右目用領域又は左目用領域を選択的に露光した後、全面に一様に紫外線を照射して未露光領域を露光することにより光配向膜を作製する場合、右目用領域又は左目用領域を選択的に露光した後、左目用領域又は右目用領域を選択的に露光して光配向膜を作製する場合にも広く適用することができる。
また上述の実施形態では、液晶表示パネルの使用を前提としたパターン位相差フィルムを作製する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、有機ELパネル、プラズマディスプレイパネルの使用を前提に、偏光フィルタを一体に設ける場合にも広く適用することができる。
1 パターン位相差フィルム
2 基材
3 配向膜
4 位相差層
16、26 マスク
16A、26A スリット部
16B 26B 遮光部

Claims (5)

  1. 透明フィルムによる基材に光配向材料膜を作製する光配向材料膜作製工程と、
    マスクを用いた前記光配向材料膜の露光処理により光配向膜を作製する露光工程と、
    前記光配向膜の上に、透過光に対応する位相差を与える第1の領域と、透過光に前記第1の領域とは異なる位相差を与える第2の領域とによる位相差層を作製する位相差層作製工程とを備え、
    前記マスクが、
    前記第1の領域又は前記第2の領域に対応するスリットが設けられた板状の部材によるスリット部と、
    前記スリット部に比して厚みが厚く、前記スリットより幅広に開口が形成された遮光部との積層により作製された
    パターン位相差フィルムの製造方法。
  2. パターン位相差フィルムに係る光配向膜の製造に供する露光装置において、
    光源より出射された露光光を、マスクを介して光配向材料膜に照射することにより、前記光配向膜を作製し、
    前記マスクが、
    前記パターン位相差フィルムに係る領域の設定に対応するスリットが繰り返し設けられた板状の部材によるスリット部と、
    前記スリット部に比して厚みが厚く、前記スリットより幅広に開口が形成された遮光部との積層により作製された
    露光装置。
  3. 前記遮光部は、
    それぞれ前記開口が作製された複数の板材の積層により形成された
    請求項2に記載の露光装置。
  4. 前記遮光部は、
    前記複数の板材の、前記スリットの繰り返し方向へのシフトにより、前記開口の内側壁面に段差が形成された
    請求項3に記載の露光装置。
  5. パターン位相差フィルムに係る光配向膜の製造に供するマスクにおいて、
    前記マスクが、
    前記パターン位相差フィルムに係る領域の設定に対応するスリットが繰り返し設けられた板状の部材によるスリット部と、
    前記スリット部に比して厚みが厚く、前記スリットより幅広に開口が形成された遮光部との積層により作製された
    マスク。
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