JP6447688B2 - 露光用部材、露光マスクの保持部材 - Google Patents

露光用部材、露光マスクの保持部材 Download PDF

Info

Publication number
JP6447688B2
JP6447688B2 JP2017173751A JP2017173751A JP6447688B2 JP 6447688 B2 JP6447688 B2 JP 6447688B2 JP 2017173751 A JP2017173751 A JP 2017173751A JP 2017173751 A JP2017173751 A JP 2017173751A JP 6447688 B2 JP6447688 B2 JP 6447688B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
exposure mask
exposure
holding member
frame body
film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017173751A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017227914A (ja
Inventor
成住 顕
顕 成住
徳彦 大村
徳彦 大村
中村 剛
中村  剛
雅也 塚崎
雅也 塚崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Publication of JP2017227914A publication Critical patent/JP2017227914A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6447688B2 publication Critical patent/JP6447688B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Liquid Crystal (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Polarising Elements (AREA)
  • Devices For Indicating Variable Information By Combining Individual Elements (AREA)

Description

本発明は、露光用部材、露光マスクの保持部材に関する。
近年、3次元表示可能なフラットパネルディスプレイが提供されている。ここでフラットパネルディスプレイにおいて3次元表示をするには、通常、何らかの方式で右目用の画像と、左目用の画像とを、それぞれ選択的に視聴者の右目及び左目に提供することが必要である。右目用の画像と左目用の画像とを選択的に提供する方法としては、例えば、パッシブ方式が知られている。このパッシブ方式の3次元表示方式について図を参照しながら説明する。
図7は、液晶表示パネルを使用したパッシブ方式の3次元表示の一例を示す概略図である。この図7の例では、液晶表示パネルの垂直方向に連続する画素を、順次交互に、右目用の画像を表示する右目用画素、左目用の画像を表示する左目用画素に振り分け、それぞれ右目用及び左目用の画像データで駆動し、これにより右目用の画像と左目用の画像とを同時に表示する。なおこれにより液晶表示パネルの画面は、例えば短辺が垂直方向で長辺が水平方向となる帯状の領域により、右目用の画像を表示する領域と左目用の画像を表示する領域とに交互に区分される。
さらにパッシブ方式では、液晶表示パネルのパネル面にパターン位相差フィルムを配置し、右目用及び左目用の画素からの直線偏光による出射光を、右目用及び左目用で回転方向の異なる円偏光に変換する。このためパターン位相差フィルムは、液晶表示パネルにおける領域の設定に対応して、遅相軸方向(屈折率が最大となる方向)が直交する2種類の帯状領域が順次交互に形成される。これによりパッシブ方式では、対応する偏光フィルタを備えてなる眼鏡を装着して、右目用の画像と左目用の画像とをそれぞれ選択的に視聴者の右目及び左目に提供する。なお、ここでこの隣接する帯状領域の遅相軸方向は、通常、水平方向に対して、+45度と−45度の組み合わせ、又は0度と+90度の組み合わせが採用される。なおこの図7の例では、通常の画像表示装置における呼称に習って画面の長辺方向を水平方向として示す。
このパッシブ方式は、応答速度の遅い液晶表示装置でも適用することができ、さらにパターン位相差フィルムと円偏光メガネとを用いた簡易な構成で3次元表示することができる。
このパッシブ方式に係るパターン位相差フィルムは、画素の割り当てに対応して透過光に位相差を与えるパターン状の位相差層が必要である。このパターン位相差フィルムに関して、特許文献1には、配向規制力を制御した光配向層をガラス基板上に形成し、この光配向層により液晶の配列をパターンニングして位相差層を作成する方法が開示されている。また特許文献2には、全面を露光処理した後、露光マスクを使用して露光処理することにより光配向層を作製し、この光配向層の配向規制力により液晶層を配向させて硬化させることにより、パターン位相差フィルムを作製する方法が開示されている。
このパターン位相差フィルムにおいて、光配向層は、対応する配向規制力を備えた領域であって、右目用の画像を視聴者の右目に与える領域(以下、「領域A」と記す)と、領域Aとは異なる方向に配向した領域であって、左目用の画像を視聴者の左目に与える領域(以下、「領域B」と記す)とを順次交互に密接して作製することが必要になる。これら領域A及び領域Bは、複数のスリットを有する露光マスクを介して光配向層材料に活性エネルギー線の1つである紫外線を照射し、露光を行うことによって形成される。
図8、図9は、この領域Aと領域Bとを形成するために行われる露光を説明するための図である。図8は、露光に使用される紫外線の光源71を示し、図9は、露光中の光源71、露光マスク72、透明フィルム基材74、ロール73の位置関係を模式的に示している。露光工程では、ロール73により光配向膜材料を塗布した透明フィルム基材74(トリアセテートセルロース(TAC)、アクリル等)を搬送しながら、ロール73に対向するように配置された露光マスク72を介して光源71より紫外線を照射する。なお光源71は、露光処理に必要な紫外線の光量を確保するために、それぞれ紫外線照射ランプを備えた光源ユニット71aが複数設けられ、この図8の例ではこの複数の光源ユニット71aが水平方向に2列の千鳥配置により設けられる。
特開2005−49865号公報 特開2012−42530号公報
ところで図8に示すように、この種の露光装置では、光源ユニットから照射された光線がコリメーション角を持っており、複数の光源ユニットからの光線が照射されるスリットではそれぞれの光線のコリメーション角により、スリットを通過する光線が透明フィルム基材74上の光配向材料膜に照射される範囲(露光範囲)が、各光源ユニットでずれることになる。
図10は、この露光範囲の位置ずれの説明に供する図である。図10中に示したΔ2は、光源ユニット71aが横方向(図9中に示したTD方向)に複数列配置されていることによって生じたズレである。また、図10中に示したΔ1は、光源ユニット71aが縦方向(図9中に示したTD方向と直交するMD方向)に複数列配置されていることによって生じたズレである。
パターン位相差フィルムによる画像表示装置では、領域A及びBの延長方向である水平方向に延長するスジが見て取られる場合がある。より具体的に、このスジは、スジの延長方向と直交する方向である垂直方向に、表示画面の輝度レベルが徐々に変化する濃淡により観察され、これにより水平方向に延長するスジにより観察される。種々に検討した結果、このスジは、上述した露光範囲のずれが、領域A及びBの繰り返し方向で変化することにより、領域A及びBの境界の幅が領域A及びBの繰り返し方向で変化して発生することが判った。なおこのような領域A及びBの境界は、配向層が十分な光量により露光されていない領域であり、配向層が十分に配向規制力を備えていない領域であることにより、液晶層(位相差層)は未配向の領域となる。
図10に示した露光範囲の位置ズレは、露光マスク72とロール73とを近接させることによって低減することができる。従ってこのようにすれば、露光範囲のずれによるスジの発生も低減できると考えられる。しかしながら、紫外線露光の工程では、露光の過程で露光マスク72を保持する保持部材が過熱されて撓み、露光マスク72とロール73との距離を一定に保つことができないことが知られている。このため、現状では、露光マスク72とロール73との距離が規制されてしまい、このような露光範囲のずれにより発生するスジを十分に抑圧することができなかった。
本発明は、上記の点に鑑みて行われたものであって、露光範囲のずれにより発生するスジを低減することができる露光用部材、露光マスクの保持部材を提供することを目的とする。
本発明の発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ね、光配向層を形成するための露光マスクの撓みを抑制する、との着想に至り、本発明を完成するに至った。
(1) フィルム基材上に形成された光配向材料膜への活性エネルギー線の照射に用いられる露光用部材であって、
筋状の複数のスリットがその長手方向と直交する方向に配列された露光マスクと、
前記露光マスクを保持する保持部材と、
を備え、
前記保持部材は、前記露光マスクを固定する枠体を備え、
前記枠体は、前記露光マスクを固定した状態の前記枠体を65℃、120分で加熱した場合、当該加熱の前と後とにおいて、前記フィルム基材と前記露光マスクの前記フィルム基材と対向する側の面との距離の最小値と最大値との差で表される反り量の変化を、40μm以内に保持することを特徴とする露光用部材。
(1)によれば、露光工程における露光マスクの反り量の変化を小さくし、露光マスク表面とフィルム基材表面との距離を一定に保つことができる。その結果、この距離を小さくして露光範囲のずれを小さくすることができ、その結果、スリットを用いた露光により区分される第1領域と第2領域との境界幅の変化を小さくし、この境界幅の変化により発生するスジを低減することができる。またこのように距離を小さくすることによりスリット端部の光散乱を抑止でき、これによっても第1領域と第2領域との境界幅の変化を小さくし、この境界幅の変化により発生するスジを低減することができる。
(2) 前記枠体は、線膨張係数が0〜12.4×10-6/℃以下であることを特徴とする(1)に記載の露光用部材。
(2)によれば、露光工程における露光マスクの反り量の変化を小さくし、露光マスク表面とフィルム基材表面との距離を一定に保つことができる。
(3) 前記枠体は、グラナイト、インバー、スーパーインバー、コバルト、石英ガラス、セラミック、超低熱膨張鋳鉄の何れかにより形成されていることを特徴とする(1)又は(2)に記載の露光用保持部材。
(3)によれば、露光工程における露光マスクの反り量の変化を小さくし、露光マスク表面とフィルム基材表面との距離を一定に保つことができる。
(4) フィルム基材上に形成された光配向材料膜への活性エネルギー線の照射に用いられ、筋状の複数のスリットがその長手方向と直交する方向に配列された露光マスクを保持する露光マスクの保持部材であって、
該露光マスクの保持部材は、前記露光マスクを固定する枠体を備え、
前記枠体は、前記露光マスクを固定した状態の前記枠体を65℃、120分で加熱した場合、当該加熱の前と後とにおいて、前記フィルム基材と前記露光マスクの前記フィルム基材と対向する側の面との距離の最小値と最大値との差で表される反り量の変化を、40μm以内に保持することを特徴とする露光マスクの保持部材。
(4)によれば、露光工程における露光マスクの反り量の変化を小さくし、露光マスク表面とフィルム基材表面との距離を一定に保つことができる。その結果、露光マスクをフィルム基材に十分近づけて露光することができ、露光範囲のずれを小さくすることができ、スリットを用いた露光により区分される第1領域と第2領域との境界幅の変化を小さくし、この境界幅の変化により発生するスジを低減することができる。またこのように露光マスクをフィルム基材に充分に近づけて露光することによりスリット端部の光散乱を抑止でき、これによっても第1領域と第2領域との境界幅の変化を小さくし、この境界幅の変化により発生するスジを低減することができる。
(5) 前記枠体は、線膨張係数が0〜12.4×10-6/℃以下であることを特徴とする(4)に記載の露光マスクの保持部材。
(5)によれば、露光工程における露光マスクの反り量の変化を小さくし、露光マスク表面とフィルム基材表面との距離を一定に保つことができる。
(6) 前記枠体は、グラナイト、インバー、スーパーインバー、コバルト、石英ガラス、セラミック、超低熱膨張鋳鉄の何れかにより形成されていることを特徴とする(4)又は(5)に記載の露光マスクの保持部材。
(6)によれば、露光工程における露光マスクの反り量の変化を小さくし、露光マスク表面とフィルム基材表面との距離を一定に保つことができる。
本発明は、露光範囲のずれにより発生するスジを低減することができる露光用部材、露光用マスクの保持部材を提供することができる。
本発明の第1実施形態の光学フィルムによって形成されたパターン位相差フィルムを説明するための図である。 本発明の第1実施形態のパターン位相差フィルムの製造工程を説明するためのフローチャートである。 図2に示したフローチャートに示したステップS202の工程を説明するための模式的な図である。 図3に示した露光マスクを保持するための保持部材を説明するための図である。 第1実施形態の効果を説明するための図である。 図4に示したマイクログラナイト製の保持部材で露光マスクを保持して露光した場合の境界幅を示した図である。 液晶表示パネルを使用したパッシブ方式の3次元表示の一例を示す概略図である。 領域Aと領域Bとを形成するために行われる露光を説明するための図である。 配向層を形成するための露光に使用される光源を示した図である。 露光の位置ずれの説明に供する図である。
以下、本発明の第1実施形態ないし第3実施形態を説明する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態の光学フィルムとして形成されたパターン位相差フィルム10を説明するための図である。図1において、画像表示装置100は、パターン位相差フィルム10が液晶表示パネル11のパネル面(視聴者側面)に図示しない粘着剤により貼り付けて保持される。
画像表示装置100は、垂直方向(図1においては左右方向が対応する方向である)に連続する液晶表示パネル11の画素が、順次交互に、右目用の画像を表示する右目用画素、左目用の画像を表示する左目用画素に振り分けられて、それぞれ右目用及び左目用の画像データで駆動される。これにより画像表示装置は、右目用の画像を表示する帯状の領域と、左目用の画像を表示する帯状の領域とに表示画面が交互に区分され、右目用の画像と左目用の画像とを同時に表示する。画像表示装置100は、液晶表示パネル11のパネル面に、パターン位相差フィルム10が配置され、パターン位相差フィルム10により右目用及び左目用の画素からの出射光にそれぞれ対応する位相差を与える。これにより画像表示装置100は、パッシブ方式により所望の立体画像を表示する。
ここで、パターン位相差フィルム10は、TAC(トリアセチルセルロース)、アクリル等の透明フィルムからなる透明フィルム基材1の一方の面上に、光配向層2、位相差層3、粘着剤層(図示せず)が順次作成され、この粘着剤等により画像表示パネルのパネル面に保持される。パターン位相差フィルム10は、屈折率異方性を保持した状態で固化(硬化)された液晶材料により位相差層3が形成され、この液晶材料の配向を光配向層2の配向規制力によりパターンニングする。なお、この液晶分子の配向を図1では細長い楕円により誇張して示す。この光配向層2の配向規制力によるパターンニングにより、パターン位相差フィルム10は、液晶表示パネルにおける画素の割り当てに対応して、一定の幅により、右目用の領域Aと左目用の領域Bとが順次交互に帯状に形成され、右目用及び左目用の画素からの出射光にそれぞれ対応する位相差を与える。
パターン位相差フィルム10は、光配向材料により光配向材料膜が作成された後、いわゆる光配向の手法により、この光配向材料膜に直線偏光による紫外線を照射して光配向層2が形成される。ここでこの光配向材料膜に照射する紫外線は、その偏光の方向が右目用の領域Aと左目用の領域Bとで90度異なるように設定され、これにより位相差層3に設けられる液晶材料に関して、右目用の領域A及び左目用の領域Bとで対応する向きに液晶分子を配向させ、透過光に対応する位相差を与える。なお光配向材料は、光配向の手法を適用可能な各種の材料を適用することができるものの、この実施形態では、一旦配向した後には、紫外線の照射によって配向が変化しない、例えば光2量化型の材料を使用する。
この光2量化型の材料については、「M.Schadt, K.Schmitt, V. Kozinkov and V. Chigrinov : Jpn. J. Appl.Phys., 31, 2155 (1992)」、「M. Schadt, H. Seiberle and A. Schuster : Nature, 381, 212(1996)」等に開示されており、例えば「ROP-103」の商品名により既に市販されている。
また、位相差層3に係る液晶材料としては、従来公知の位相差層の材料を用いることができる。このような材料としては、例えば、ネマチック液晶相を発現する液晶材料が挙げられる。ネマチック液晶相を発現する液晶材料は、従来公知の液晶材料を用いれば良く、例えば、棒状の液晶分子、ポリマー液晶及び重合性液晶化合物等が挙げられる。
[光学フィルムの製造工程]
図2は、第1実施形態のパターン位相差フィルムの製造工程を説明するためのフローチャートである。パターン位相差フィルムの製造工程では、ロールより透明フィルム基材1が順次引き出され、光配向材料膜が順次形成される(ステップS201)。光配向材料膜は、各種の製造方法を適用することができる。第1実施形態では、光配向材料をベンゼン等の溶媒に分散させた成膜用液体をダイにより塗布した後、乾燥して作成される。
続いて、第1実施形態の製造工程では、領域Aまたは領域B(図2では領域Aとする)に偏光紫外線が照射され、領域Aまたは領域Bが露光される(ステップS202)。次に、領域A、領域Bを含む光配向材料膜の全面が露光される(ステップS203)。ステップS202、S203により、光配向層2が作成される。ステップS202において照射される偏光紫外線とステップS203において照射される偏光紫外線とは、それぞれ第1偏光方向及び第2偏光方向である偏光方向が互いに90度異なる直線偏光された紫外線である。なおパターン位相差フィルムは、光配向材料によって始めに全面を偏光紫外線により露光した後、マスクを使用して露光する場合もあり、この場合は、ステップS202とステップS203との順序が入れ替えられる。
続いて、第1実施形態では、光配向層2上にダイ等によって液晶材料が塗布された後(ステップS204)、液晶材料を加熱することによって乾燥させる(ステップS205)。さらに、乾燥の後、紫外線の照射によって液晶材料を硬化させ(ステップS206)、液晶でなる位相差層3が作成される。以上の処理がされたフィルムは、必要に応じて反射防止膜の作成処理等が施された後、切断工程において、所望の大きさに切り出されてパターン位相差フィルム10となる。
図3は、図2に示したフローチャートに示したステップS202の工程を説明するための模式的な図である。この工程では、大径のロール17に巻き付けて透明フィルム基材1を搬送するようにして、ロール17に対向するように露光マスク16が配置され、直線偏光による紫外線が露光マスク16を介し、図1に示した領域Aに照射される。また露光マスク16は、透明フィルム基材1の搬送方向であるMD方向に延長するスリットSが、延長方向と直交するTD方向に一定のピッチにより繰り返し形成され、このスリットSを介して透明フィルム基材1に紫外線が照射される。なお、露光マスク16は、片面にクロム膜による遮光膜を形成した合成石英製であり、この遮光膜にスリットSが形成さる。また、スリットSの延長方向の長さは5〜100mmである。
露光マスク16は、スリットSの長手方向のほぼ中央部において、露光マスク16の表面からの鉛直線が、ロール17の回転軸とほぼ交差するように配置される。この第1実施形態では、ステップS202の工程開始前、この鉛直線に係る露光マスク16とロール17表面との距離(ロール17の表面が最も露光マスク16に接近する部位の、ロール17表面と露光マスク16表面との距離)が略150μmとなる位置に、保持部材により露光マスク16を保持するものとした。なお露光マスク16とロール17表面との距離は、100μm以上、200μm以下に設定して、実用上十分な精度により露光処理することができる。なおここでこの工程開始前の状態は、紫外線の照射を開始していない状態であり、各部材が室温(約20度)に保持された状態である。
図4(a)、(b)は、図3に示した露光マスク16を保持するための保持部材20を説明するための図である。図4(a)は、保持部材20の上面図、図4(b)は、図4(a)中に示した矢線A−A’に沿う保持部材20の端面図である。
保持部材20は、透明フィルム基材1上に形成された光配向層材料の露光に使用される露光マスク16を保持するための露光マスク16の保持部材である。保持部材20は、露光マスク16を固定する枠体21を備えている。
枠体21は、露光マスク16のロール17と対向する側の表面に接する部材21aと、表面に対する裏面に接する部材21bとを有し、これら部材21a及び21bにより露光マスク16の上下端に透明フィルム基材1の幅方向に対応する方向に延長する凹溝が形成され、この凹溝により露光マスク16を表裏で保持している。
ところで、枠体21に露光マスク16を保持して露光を行った場合、紫外線の照射によって枠体21が加熱されて温度上昇することが知られている。この加熱による温度上昇は、露光時間が長くなるにつれて高くなる。このとき、枠体21は、露光マスク16を、その中央部分がロール17の表面から遠ざかる方向に撓ませて、露光マスク16とロール17表面との距離が変化することになる。より具体的には、スリットの連続する方向の両端部で、露光マスク16とロール17表面との距離が最も小さくなり(上述した150μm)、このスリットの連続する方向の中央部でこの距離が最も大きくなる。
第1実施形態では、露光マスク16を固定した状態の枠体21を65度、120分で加熱した場合、この加熱(以下、「予備加熱」と記す)の前と後とにおいて、露光マスク16の透明フィルム基材1(第1実施形態では、ロール17表面と同じとする)と対向する側の面(以下、「露光マスク表面」と記す)と透明フィルム基材1の表面との距離の最大値と最小値の差(以下、「反り量」と記す)を、22%以内にした。
具体的には、第1実施形態は、枠体21を、線膨張係数が0〜12.4×10-6/℃以下の材料である、マイクログラナイトで構成した。
図5は、第1実施形態の効果を説明するための図であって、予備加熱の前後で枠体21及び露光マスク16の反り量が変化することを示している。図5のグラフに示したデータは、マイクログラナイトの枠体21に石英ガラス製の露光マスク16を固定したものである。図5の縦軸は露光マスク16表面とロール17表面との距離(ギャップ)を示していて、横軸は、露光マスク16の一方の端部を基準にした、露光マスク16の幅方向の長さを示している。
図5中に示したプロットのうち、黒い菱形のプロットは露光マスク16の予備加熱前のデータを示し、黒い四角形のプロットは露光マスク16の予備加熱後のデータを示している。
また、図5中に示したプロットのうち、白丸のプロット及び×形状のプロットは、第1実施形態と比較するための既存技術のデータを示している。既存技術は、超々ジェラルミン(JIS規格では「A7075」)製の保持部材を用いて露光マスク16を保持して行われる露光であって、白丸のプロットは予備加熱前、×形状のプロットは予備加熱後のデータを示している。
図5に示したように、第1実施形態の露光マスク16の予備加熱前の反り量は232μmであるのに対し、予備加熱後の反り量は272μmである。つまり、第1実施形態の保持部材20は、線膨張係数が8.3×10-6/℃の部材であり、予備加熱の前後で反り量の変化は40μmとなる。このため、第1実施形態は、65度、120分の予備加熱の前後で反り量の変化が40μm以内になる、との条件を満たしている。
一方、既存技術のように、超々ジェラルミン製の保持部材を使って露光マスク16を保持した場合、露光マスクの反り量は、予備加熱の前で第1実施形態と同様に214μmであるのに対し、予備加熱後は494μmになっている。したがって、既存技術の保持部材は、予備加熱の前後で露光マスク16の反り量を、280μmも変化させるものであることが分かる。
以上のことから、第1実施形態の保持部材20は、既存技術よりも露光工程中に発生する露光マスクの反りを軽減することができる。このため、露光工程中の露光マスク16とロール17表面との距離の変化が小さくなるから、露光マスク16をロール17に近接させて配置することができる。そして、露光マスク16をロール17に近接させることにより、図10について上述した露光範囲のずれを小さくし、域Aと領域Bとの間の境界幅の変化を小さくすることができ、その結果、この境界幅の変化により発生するスジを低減することができる。またこのように近接させることにより、スリット端部の光散乱を抑止し、これによっても境界幅の変化を低減してスジを抑圧することができる。
図6は、図4に示したマイクログラナイト製の保持部材20で露光マスク16を保持して露光した光配向層2の領域Aと領域Bの境界に現れる境界の幅を示した図である。この境界の幅は、直交ニコル配置による直交偏光板間にパターン位相差フィルムを配置して、領域A及びBが消光位になるようにパターン位相差フィルムを回転させた状態で、境界の部位で測定される透過光量のピーク値を計測し、このピーク値の5%の光量が検出される部位間の距離を計測して求められる。図6の縦軸は境界の幅を実測した長さであり、横軸はパターン端部を基準にした透明フィルム基材1の幅方向の長さを示している。
なお、図6に示したデータは、図5に示したように、露光マスク16とロール17表面との距離の最小値が150μmになるように保持部材20が露光マスク16を保持して取得したものである。図示するように、第1実施形態によれば、境界の幅を、4.7μm以上、8μm以下の範囲にすることができ、その結果、境界幅の変化を低減し、スジの発生を充分に抑圧することができた。
具体的に図6に示したデータを、標準偏差σを表す式(1)に代入することにより、σ=0.7μmを得た。しかして標準偏差σが大きい場合には、境界幅が大きくばらつく場合であり、標準偏差σが0.7μm以下であるようにして、確実にスジの発生を防止することができる。
なお、式(1)中の「n」はデータ数、「x」は各データの値であり、「x」のバーは、平均値である。
なお、線膨張係数が0〜12.4×10-6/℃以下の材料としては、マイクログラナイトの他、インバー、スーパーインバー、コバルト、石英ガラス、セラミックスを適用することができる。インバー、スーパーインバー、コバルト、石英ガラス、セラミックス、超低熱膨張鋳鉄の線膨張係数は、以下の通りである。
・インバー 1.2×10-6/℃
・スーパーインバー 0.0×10-6/℃
・コバルト 12.4×10-6/℃
・石英ガラス 0.56×10-6/℃
・セラミックス 7.1×10-6/℃
・超低熱膨張鋳鉄 0〜3.5×10-6/℃
また保持部材は、線膨張係数が0〜12.4×10-6/℃であれば、上記した材料の他、どのような材料を使っても保持部材を作成することが可能である。
[他の実施形態]
なお、本発明の実施形態は、以上説明した構成に限定されるものではない。例えば、第1実施形態では、紫外線を照射して光配向層及び位相差層を形成しているが、本実施形態は、このような構成に限定されるものではない。例えば、活性エネルギー線として電子線を使用し、電子線の照射によって硬化する材料を使って光配向層または位相差層を形成するものであってもよい。
また露光マスクを使用して領域A又はBを選択的に露光した後、全面を露光する代わりに、全面を露光した後、露光マスクを使用して領域A又はBを選択的に露光する場合、領域A及びBをそれぞれ露光マスクを使用して順次露光する場合にも広く適用することができる。
1:透明フィルム基材
2:光配向層
3:位相差層
3a:液晶材料
10:パターン位相差フィルム
11:液晶表示パネル
16:露光マスク
17:ロール
20:保持部材
21:枠体
21a、21b:部材
100:画像表示装置

Claims (4)

  1. フィルム基材上に形成された光配向材料膜への活性エネルギー線の照射に用いられる露光用部材であって、
    筋状の複数のスリットがその長手方向と直交する方向に配列された露光マスクと、
    前記露光マスクを保持する保持部材と、
    を備え、
    前記保持部材は、前記露光マスクを両面から挟持して固定する枠体を備え、
    前記枠体は、線膨張係数が0〜12.4×10 -6 /℃以下であり、
    さらに、前記枠体は、前記露光マスクを固定した状態の前記枠体を65℃、120分で加熱した場合、当該加熱の前と後とにおいて、前記フィルム基材と前記露光マスクの前記フィルム基材と対向する側の面との距離の最小値と最大値との差で表される反り量の変化を、40μm以内に保持すること、
    を特徴とする露光用部材。
  2. 請求項1に記載の露光マスクの保持部材において、
    前記枠体は、グラナイト、インバー、スーパーインバー、コバルト、石英ガラス、セラミック、超低熱膨張鋳鉄の何れかにより形成されていること、
    を特徴とする露光用保持部材。
  3. フィルム基材上に形成された光配向材料膜への活性エネルギー線の照射に用いられ、筋状の複数のスリットがその長手方向と直交する方向に配列された露光マスクを保持する露光マスクの保持部材であって、
    該露光マスクの保持部材は、前記露光マスクを両面から挟持して固定する枠体を備え、
    前記枠体は、線膨張係数が0〜12.4×10 -6 /℃以下であり、
    さらに、前記枠体は、前記露光マスクを固定した状態の前記枠体を65℃、120分で加熱した場合、当該加熱の前と後とにおいて、前記フィルム基材と前記露光マスクの前記フィルム基材と対向する側の面との距離の最小値と最大値との差で表される反り量の変化を、40μm以内に保持すること、
    を特徴とする露光マスクの保持部材。
  4. 請求項3に記載の露光マスクの保持部材において、
    前記枠体は、グラナイト、インバー、スーパーインバー、コバルト、石英ガラス、セラミック、超低熱膨張鋳鉄の何れかにより形成されていること、
    を特徴とする露光マスクの保持部材。
JP2017173751A 2012-12-12 2017-09-11 露光用部材、露光マスクの保持部材 Active JP6447688B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012271726 2012-12-12
JP2012271726 2012-12-12

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013241982A Division JP2014134771A (ja) 2012-12-12 2013-11-22 光学フィルム、画像表示装置、露光用部材、露光マスクの保持部材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017227914A JP2017227914A (ja) 2017-12-28
JP6447688B2 true JP6447688B2 (ja) 2019-01-09

Family

ID=51413052

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013241982A Pending JP2014134771A (ja) 2012-12-12 2013-11-22 光学フィルム、画像表示装置、露光用部材、露光マスクの保持部材
JP2017173751A Active JP6447688B2 (ja) 2012-12-12 2017-09-11 露光用部材、露光マスクの保持部材

Family Applications Before (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013241982A Pending JP2014134771A (ja) 2012-12-12 2013-11-22 光学フィルム、画像表示装置、露光用部材、露光マスクの保持部材

Country Status (1)

Country Link
JP (2) JP2014134771A (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6640852B2 (ja) 2015-06-24 2020-02-05 株式会社東芝 白色光源システム

Family Cites Families (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5950539A (ja) * 1982-09-16 1984-03-23 Canon Inc マスク又はウエハ用吸着チヤツク
JPH07130647A (ja) * 1993-11-05 1995-05-19 Canon Inc マスク支持装置およびこれを用いた露光装置
JP3444967B2 (ja) * 1994-05-13 2003-09-08 大日本印刷株式会社 微細パターン形成用マスク板およびその製造方法
JPH10135121A (ja) * 1996-10-29 1998-05-22 Nikon Corp 投影露光装置
JP2002040628A (ja) * 2000-07-31 2002-02-06 Asahi Glass Co Ltd ペリクルおよびペリクル板とペリクルフレームとの接着方法
JP2003161946A (ja) * 2001-11-27 2003-06-06 Fujitsu Display Technologies Corp 液晶表示装置製造方法及び液晶表示装置
JP2007292829A (ja) * 2006-04-21 2007-11-08 Canon Inc 近接場露光用マスク、近接場露光用マスクの作製方法、近接場露光装置及びこのマスクを用いた近接場露光方法
JP5013941B2 (ja) * 2007-04-19 2012-08-29 キヤノン株式会社 ステージ装置、露光装置、及びデバイス製造方法
JP5163401B2 (ja) * 2008-09-29 2013-03-13 ウシオ電機株式会社 光照射装置のマスク保持手段
JP5335351B2 (ja) * 2008-10-01 2013-11-06 Hoya株式会社 マスクブランク用基板セット、マスクブランクセット、フォトマスクセット、及び半導体デバイスの製造方法
JP2012220608A (ja) * 2011-04-06 2012-11-12 Clean Technology Inc 3d光学フィルターの製造装置
JP2013143560A (ja) * 2012-01-13 2013-07-22 Canon Inc 露光装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017227914A (ja) 2017-12-28
JP2014134771A (ja) 2014-07-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9217925B2 (en) Method for producing pattern phase difference film, pattern phase difference film, and image display device
JP6447688B2 (ja) 露光用部材、露光マスクの保持部材
JP2015184438A (ja) パターン位相差フィルム、光学フィルム、画像表示装置及びパターン位相差フィルムの製造方法
US8871410B2 (en) Method for producing pattern phase difference film
JP2014115604A (ja) 光学フィルム、画像表示装置及び光学フィルムの製造方法
JP6064627B2 (ja) 光学フィルムの製造方法
JP5810735B2 (ja) パターン位相差フィルムの製造方法及び光学フィルムの製造方法
JP6008758B2 (ja) 光学フィルムの中間製品、光学フィルム、画像表示装置及び光学フィルムの製造方法
JP2014219596A (ja) 光学フィルムの製造方法
JP6048187B2 (ja) パターン位相差フィルム及び画像表示装置
JP6155767B2 (ja) パターン位相差フィルムの製造方法及びパターン位相差フィルムの露光装置
JP2014182200A (ja) 光学フィルムの製造方法
JP6024240B2 (ja) パターン位相差フィルムの製造方法
JP2014174363A (ja) パターン位相差フィルム及び画像表示装置
JP2015049389A (ja) 光学フィルムの製造方法、露光装置及びマスク
JP2015184437A (ja) パターン位相差フィルムの製造方法及び光学フィルムの製造方法
JP6156017B2 (ja) パターン位相差フィルムの製造方法、露光装置及びマスク
JP6427867B2 (ja) パターン位相差フィルムの製造方法
JP2015060148A (ja) 位相差フィルムの製造方法
JP6136665B2 (ja) パターン位相差フィルムの製造方法、マスク及びパターン位相差フィルムのロール体
JP2015166770A (ja) 紫外線照射装置、光学フィルムの製造方法
JP2015052693A (ja) パターン位相差フィルムの製造方法及び保護フィルム
JP2015049486A (ja) パターン位相差フィルムの製造方法、露光装置及びマスク
JP2015049418A (ja) パターン位相差フィルムの製造方法、露光装置及びマスク
JP2015184436A (ja) パターン位相差フィルム、光学フィルム及び画像表示装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180808

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180821

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181016

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20181106

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20181119

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6447688

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150