JP2007073730A - ステンシルマスクブランク及びステンシルマスク並びにそれを用いた荷電粒子線のパターン露光方法 - Google Patents

ステンシルマスクブランク及びステンシルマスク並びにそれを用いた荷電粒子線のパターン露光方法 Download PDF

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Abstract

【課題】SOIウェハを用いて作成されるステンシルマスクにおいて、メンブレン形成によりステンシルマスクに発生する局所的な変形を抑制し、ステンシルマスクの平坦性を向上させ、高精度の転写精度を有するステンシルマスク及びそのためのステンシルマスクブランク並びにそのマスクを用いた荷電粒子線のパターン露光方法を提供する。
【解決手段】単結晶シリコンウェハからなる支持基板103と、メンブレン形成領域に転写パターンを設けるための活性層101と、前記支持基板103と活性層101の間に形成された埋め込み酸化膜層102と、前記支持基板103のもう一方の側にメンブレン形成領域のみに対応して設けた局所変形防止層104とを有し、前記メンブレン形成領域に対応する開口部107を、前記局所変形防止層104と、前記支持基板103と、前記中間絶縁層102に設けたことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子線やイオンビーム等の荷電粒子線露光に用いられるステンシルマスクブランク及びステンシルマスク並びにそれを用いた荷電粒子線のパターン露光方法に関する。
近年、LSI等の微細化が急速に進み、これらの素子の更なる微細な回路パターンを形成するためのリソグラフィー技術の開発が進められている。特に線幅65nm以下のパターン形成においては、従来のArFエキシマレーザーを露光光源として用いた露光方式では解像限界に達し、パターン形成が困難となる。このため、これに変わるリソグラフィー技術として、レンズと露光対象ウェハ間を空気よりも屈折率の高い媒体で満たし、実効的な解像度を向上させる液浸リソグラフィー法が注目されている。この方法によれば、従来のArFエキシマレーザーで形成が困難であった65nm以下のパターンを形成することが可能であると期待されている。
しかし、液浸リソグラフィー法を用いた場合、実効的な解像度は向上させることは可能であるが焦点深度が低下する。このため高アスペクト比のホールパターンの形成が困難となり、また、液浸リソグラフィー法によっても45nmノード以下の微細パターンに対しては解像限界に達する可能性がある。この場合、液浸リソグラフィー法に代わる新たな露光技術が必要であり、この方法の一つに電子線リソグラフィーが挙げられる。
電子線リソグラフィーは、従来用いられてきたArFやKrF等のエキシマレーザーの代わりに荷電粒子線を露光光源として利用する技術である。電子線リソグラフィーでは露光光源となる電子線を転写マスクに照射し、転写マスク上に形成された電子線透過孔によって所望のパターンに整形された電子線により露光対象ウェハ上のレジストを感光させ微細パターンの形成を行なう。
電子線リソグラフィーの中でも、転写マスクにより所望のパターンに整形した電子線を電磁レンズにより1/4に縮小し、ウェハ上への転写を行なうEPL(lectron
beam rojection ithography)は45nmノード以下の微細パターン形成技術として期待されており、研究開発が進められている。
この露光に用いられる転写マスクの製造にはSOI(ilicon nsulator)ウェハが多く用いられている。図2は、SOIウェハの構造の一例を断面で示す説明図である。SOIウェハは図に示すように、支持基板ウェハとなる単結晶シリコン(以下、支持基板と記述)(203)上に中間絶縁層としての埋め込み酸化膜(uried oxide layer:以下BOX層と記述)と呼ばれるシリコン酸化膜(202)が形成され、その上に活性層(以下SOI層と記述)と呼ばれる単結晶シリコン(201)が形成された3層構造となっている。EPL用転写マスクの作製に用いられるSOIウェハは、通常、支持基板の膜厚が725μm、BOX層の厚みが1μm、活性層の膜厚は1μm〜2μm程度の層構成のウェハであり、ウェハ直径は8インチである。
図3は、SOIウェハを用いて作製された転写マスクの例を断面で示す説明図である。図で、支持基板には電子線を透過させるための開口部(305)が形成され、活性層上には電子線を微細パターンに形成するための電子線透過孔(304)が形成される。図よりわかるように電子線透過孔が形成される領域は、支持基板及びBOXが除去され、活性層
のみの単層自立膜(以下、メンブレンと記述)となっている。このメンブレンの膜厚は露光に使用される電子線の加速電圧とメンブレン上に形成するパターンサイズによって決定される。電子線露光では電子線透過孔を透過する電子線以外はメンブレンによって遮蔽もしくは十分に散乱する必要があり、電子線遮蔽の観点からはメンブレンの膜厚は厚いほうが望ましい。しかし、メンブレンの膜厚を厚くすると、メンブレン上に形成する電子線透過孔のアスペクト比も上昇するため、電子線透過孔形成のための技術的な負荷が増大する。メンブレンの膜厚はこれらの要因の兼ね合いにより決定され、先に述べたEPLではメンブレンとなる活性層の膜厚は1μmから2μmとなり、このメンブレン上に実際に形成するパターン寸法の4倍体の電子線透過孔が形成される。このようにメンブレン上に電子線透過孔が形成された転写マスクはステンシルマスクと呼ばれる。
図4は、SOIウェハを用いたステンシルマスクの製造工程の一例を断面で示す説明図である。図に示す例示をもとに、以下にステンシルマスクの製造工程の一例を説明する。まず、SOIウェハ(406)を用意し(図4(a))、その支持基板側に開口部を形成するためのレジスト(407)を塗布する(図b)。このレジストを露光現像し、開口部のレジストパターン(408)を形成する(図c)。このレジストパターンをエッチングマスクとして、ドライエッチングもしくはウェットエッチングにより支持基板をエッチングする(図d)。この際の支持基板のエッチングはBOX層をエッチングストッパー層として行われる。エッチングにより支持基板を加工した後にBOX層を除去し、レジストを剥離して開口部(405)を完成し、ステンシルマスクブランクとする(図e)。
次にメンブレン(409)となった活性層に電子線透過孔の形成を行う。まず、活性層側に電子線透過孔形成用のレジストを塗布し電子線描画機等によりレジストをパターニングし電子線透過孔のレジストパターン(410)を形成する(図f)。このレジストパターンをエッチングマスクとして活性層をエッチングし、電子線透過孔(411)を形成した後、レジストを剥離してステンシルマスク(412)が完成する(図g)。上述のステンシルマスク製造方法は、支持基板を加工して開口部を形成した後にメンブレンとなった活性層の加工を行う方式を採っているが、先に活性層をBOX層までエッチングし、電子線透過孔を形成した後に、開口部を形成する方法によっても、上記ステンシルマスクの形成は可能である。
このように、通常ステンシルマスクの製造では、電子線透過孔と開口部を別個に形成するため、メンブレン上に電子線透過孔を形成する場合や支持基板を加工して裏面開口部を形成する場合にはエッチングストッパー層が必要となる。ステンシルマスクの製造にSOIウェハを使用する利点は活性層をメンブレン層として、BOX層をエッチングストッパー層として各々利用することが可能な点である。シリコンウェハ上にメンブレン層及びエッチングストッパー層をCVD(Chemical Vapor Deposition)法やPVD(Physical Vapor Deposition) 法等により形成する場合、各層の膜厚の精密な制御や、膜欠陥の管理が必要となり、ステンシルマスク製造にかかる工程数と製造コストが増加する。これに対し技術完成度の高いSOIウェハをステンシルマスク製造用ウェハとして用いることにより、ステンシルマスク製造の工程数とコストを削減することが可能となる。上記の理由によりSOIウェハは電子線リソグラフィーの転写マスク作製用の基板として多く用いられている。
予めメンブレンやエッチングストッパーが構成されているSOIウェハを用いることにより、転写マスクの製造自体は容易となるが、この際にSOIウェハの層構成に起因する大きな問題が発生する。それは転写マスク全体に発生する変形である。この変形は大きく2つに分けられ、1つはBOX層を構成するシリコン酸化膜が有する圧縮応力に起因するSOIウェハ自体の変形であり、もう1つはメンブレンを構成するSOI層の応力に起因する局所的な変形である。以下、個々の変形について説明する。
はじめに、BOX層の応力に起因するSOIウェハ自体の変形について説明する。一般
に、薄膜の応力は引っ張り応力と圧縮応力に分けられ、引っ張り応力は膜自体が収縮する方向に力が働き、引っ張り応力を有する薄膜が形成された基板は薄膜側に凹型に変形する。圧縮応力は薄膜自身が伸長する方向に力が働くため、成膜後の基板は薄膜側に凸型に変形する。SOIウェハの変形の原因となるBOX層は圧縮応力であり、この圧縮応力はSOI層側に凸型に反った変形を発生させる。この反り量はSOIウェハの製造方法により多少のばらつきは生じるが、概ねBOX層の応力値と膜厚により決定する。BOX層を構成するシリコン酸化膜は加熱処理により形成される熱酸化膜であり、その応力は約300MPaの圧縮応力である。SOIウェハ全体の反り量はSOIウェハを構成する各層の膜厚や口径等によっても異なるが、例えばEPLの転写マスク作製用として用いられるSOIウェハでは活性層の膜厚が2μm、BOX層の膜厚が1μm、支持基板の膜厚が725μmと仮定するとSOIウェハ全体で活性層側に約85μm膨らんだ形の反りが発生する。
上記の理由により転写マスク全体が変形した場合、メンブレン上に形成される電子線透過孔の位置精度に悪影響を及ぼす。例えば、転写マスクは静電チャック方式のマスクフォルダーに設置された状態で、露光機の中に設置されるが、大きな反りを有する転写マスクをマスクフォルダーに設置すると、転写マスク全体に変形が生じる。この変形した転写マスクを用いて転写されたパターンは位置精度が著しく低下するため、改善が必要となるが、チャッキングによって発生する転写マスク全体の変形は規則性及び再現性がなく、あらかじめ変形を予測して電子線透過孔の位置を決定する等の補正手段を講じることは困難である。
次に、SOI層の応力によって発生するステンシルマスクの局所的な変形について説明する。ステンシルマスクの局所的な変形は、支持基板及びBOX層を加工し、ステンシル状態とした際にメンブレンの応力に起因して発生するものである。通常、メンブレンを構成するSOI層は、BOX層の圧縮応力によってメンブレン上に撓みが発生するのを防ぐため、不純物注入処理等により引っ張り応力になるよう調整がなされている。このため、支持基板及びBOX層の除去によりメンブレンが形成されると、メンブレンの引っ張り応力により、メンブレン形成領域が局所的に変形する。特にメンブレン形成領域では支持基板及びBOX層が除去されているため、機械的な強度が著しく低下し応力による変形が発生しやすくなっている。図5は、従来の方法により形成されたEPL用ステンシルマスクの一例の説明図で、(a)は平面で見た説明図、(b)は断面で見た説明図である。特に図に示すようにEPLで一般的に使用されているステンシルマスクでは、メンブレン形成領域(501)はSOIウェハの34%を占め、メンブレンの応力により非常に大きな変形(502)が発生する。このようにして発生した局所的な歪みは、静電チャック(503)によって補正することが不可能な領域で発生するため、機械的な補正を行なうことが不可能となる。このため、結果としてマスクに局所的な歪みが発生し、マスクの転写精度を悪化させる原因となる。
このため、高い転写精度を実現することが可能な転写マスクを提供するためには、BOX層の有する圧縮応力により発生するマスク全体の変形やSOI層の引っ張り応力に起因するステンシルマスクの局所的な変形を抑制することが必須となる。BOX層の圧縮応力に起因するSOIウェハ全体の反りを緩和する方法としては、例えば、SOIウェハの支持基板側に応力及び膜厚を制御した薄膜を形成する方法(特許文献1参照)や、予めSOIウェハの支持基板に形成されているSiO2層を反り調整層として用いる方法が提案されている。(特許文献2参照)
以下に公知の文献を記す。
特開2004−111828号公報 特開2002−151385号公報。
しかし、これらの提案は、BOX層の圧縮応力によるSOIウェハ全体の変形を補正することは可能であるが、実際に電子線が照射されるメンブレン領域の変形、つまりSOI層の引っ張り応力に起因するステンシルマスクの局所的な変形を抑制することは不可能である。
本発明はSOIウェハを用いて作成されるステンシルマスクにおいて、メンブレン形成によりステンシルマスクに発生する局所的な変形を抑制し、ステンシルマスクの平坦性を向上させ、高精度の転写精度を有するステンシルマスク及びそのためのステンシルマスクブランク並びにそのマスクを用いた荷電粒子線のパターン露光方法を提供することを目的とする。
本発明は、係る課題に鑑みなされたもので、請求項1の発明は、単結晶シリコンウェハからなる支持基板と、メンブレン形成領域に転写パターンを設けるための活性層と、前記支持基板と活性層の間に形成された埋め込み酸化膜層と、前記支持基板のもう一方の側にメンブレン形成領域のみに対応して設けた局所変形防止層とを有し、前記メンブレン形成領域に対応する開口部を、前記局所変形防止層と、前記支持基板と、前記中間絶縁層に設けたことを特徴とするステンシルマスクブランクとしたものである。
本発明の請求項2の発明は、前記局所変形防止層は、応力及び膜厚を制御することによりメンブレンの応力による局所的な変形を抑制していることを特徴とする請求項1に記載のステンシルマスクブランクとしたものである。
本発明では、メンブレンの応力による局所的な変形を抑制し、メンブレンの高さ変動によるパターン位置ズレを補正可能としている。
本発明の請求項3の発明は、前記局所変形防止層の応力及び膜厚の制御は、形成されるメンブレンの膜厚及び応力と、メンブレン対ストラットの面積比とをもとに応力及び膜厚を決定することであることを特徴とする請求項2に記載のステンシルマスクブランクとしたものである。
本発明の請求項4の発明は、前記局所変形防止層を構成する材料はシリコン、チタン、タンタルからなる群の内1種類以上の金属または合金、もしくはこれらの酸化物もしくは窒化物であることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項に記載のステンシルマスクブランクとしたものである。
本発明の請求項5の発明は、請求項1〜4いずれか1項に記載のステンシルマスクブランクを用いて、リソグラフィー技術により活性層に転写パターンが形成されたことを特徴とするステンシルマスクとしたものである。
本発明の請求項6の発明は、請求項5記載のステンシルマスクに荷電粒子線を照射し、転写パターンの形状に荷電粒子線を形成する工程を具備することを特徴とする荷電粒子線のパターン露光方法としたものである。
本発明によれば、SOIウェハを用いてステンシルマスクを作製する場合において、メンブレン形成によって発生するステンシルマスクの局所的な変形を防止することが可能とな
る。これにより、優れた転写精度を有する転写マスクを製造することが可能となる。
さらに、本発明の露光方法によると、試料基板上に形成されたレジストに対し、精度よいパターン露光が長期間可能となり、その結果、半導体等のパターンの製造を、高い歩留まりで行なうことが出来る。
以下、本発明の内容についてステンシルマスクの製造工程を例にとり説明する。図1は、本発明のステンシルマスクブランク及びマスクの製造工程の実施の形態例を、断面で示す説明図である。まずSOIウェハを用意し(図1(a))、その支持基板(103)側のメンブレン形成領域に対応した箇所に、局所変形防止層(104)を形成する(図b)。
局所変形防止層を形成した後、支持基板側に裏面開口用のレジストパターン(105)を形成する(図c)。このレジストパターンをエッチングマスクとして、局所変形防止層のエッチングを行ない、局所変形防止層からなる裏面開口パターン(106)を形成する(図d)。局所変形防止層のエッチングには、ドライエッチング法もしくはウェットエッチング法いずれによっても行うことが可能であるが、ウェットエッチング法でパターニングを行う際には、サイドエッチングの発生による著しい寸法変化が発生する可能性があるので、注意が必要である。また、局所変形防止層を構成する材料がシリコンである場合、支持基板と同時に加工することで作製工程の短縮を図ることが可能となる。
次に支持基板の裏面開口部(107)を形成する(図e)。この際の支持基板の加工は、レジストパターンをエッチングマスクとしてドライエッチング法により支持基板をエッチングする方法や、強アルカリ溶液を用いたシリコンの異方性ウェットエッチング法による加工が可能である。この場合、エッチングによって局所変形防止層の膜厚が変化すると、変形制御量が変化するため、局所変形防止層の膜厚変動が発生しないよう注意が必要である。支持基板加工の後に、BOX層を除去して開口部を形成し、ステンシルマスクブランク(108)を完成させる(図f)。
次に、メンブレンとなったSOI層上に電子線レジストを塗布し、電子線描画により表面に電子線透過孔のレジストパターンを形成する。このレジストパターンをエッチングマスクとしてメンブレンを加工し、電子線透過孔を形成した後に、レジストを除去して、ステンシルマスク(109)を完成させる(図g)。
局所変形防止層を構成する材料はシリコン、ジルコニウム、モリブデン、金、白金、銀、パラジウム、タングステン、チタン、タンタル、ハフニウム、クロム、インジウムからなる群の内1種類以上の金属または合金、もしくはこれらの酸化物もしくは窒化物を利用できる。特にシリコン、チタン、タンタルからなる郡の内1種類以上の金属又は合金もしくはこれらの酸化物もしくは窒化物においては、シリコン支持基板のエッチング工程と一緒にエッチングが可能なため好ましい。
また、本発明による荷電粒子線の露光方法では、試料基板上に形成されたレジストに対し、精度良いパターン露光が可能となり、その結果、半導体等のパターンの製造を、高い歩留まりで行なうことが出来る。
以下、EPL転写マスクの製造工程を例にとり、実施例の詳細について図を用いて説明する。図6は、本発明のステンシルマスクブランク及びマスクの製造工程の実施例を、断面で示す説明図である。まず、直径200mmのSOIウェハを用意した(図6(a))。このSOIウェハは活性層(601)及びBOX層(602)ならびに支持基板(60
3)の厚みが、各々2μm、1μm、725μmの両面研磨ウェハである。このSOIウェハの反りを測定したところ、SOI層(601)側に83μm反った形で変形が発生していた。この際の反り量は、SOIウェハの外周部から5mmの箇所を保持して測定した値である。また、測定では重力によるSOIウェハの歪みの影響を除外するため、SOI面を上面として測定した値と支持基板側を上面として測定した値の平均値を反り量と規定した。
このSOI基板の支持基板(603)側全面に反り調整層(610)として多結晶シリコンターゲットを用いて、DCマグネトロンスパッタ法によりアモルファスシリコン層を形成した。本実施例では、DCマグネトロンスパッタ法を用いてシリコン層を形成しているが、その他RF方式のスパッタ法でもシリコン層は形成可能であり、また、CVD法や蒸着法によっても形成可能である。
今回、反り調整層(610)として成膜したアモルファスシリコン層の膜厚は1.5μmであり、アモルファスシリコン層形成直後のSOI基板の反り量は支持基板側に約100μmの反りが発生していたが、このSOI基板を250℃の温度で1時間加熱処理した後のSOI基板の反り量は活性層側に3.7μmの凸型の形状であることが確認された。加熱処理を施した理由は、スパッタ法によって形成された薄膜の応力は熱的に不安定であるため、加熱処理により膜の結晶性を安定させ、マスク製造工程中の加熱処理等によって応力が変化するのを防ぐためである。
次にこのSOIウェハの支持基板(603)側のストラット及びメンブレンが形成されるメンブレン形成領域に合わせて、局所変形防止層(604)としてアモルファスシリコンをDCマグネトロンスパッタ法により形成した。この際、局所変形防止層(604)の応力及び膜厚は、実際に形成されるメンブレンの面積及びメンブレンを構成するSOI層の応力及び膜厚をもとに決定することが必要となる。本実施例では、EPL用ステンシルマスクを作製するため、メンブレン領域は10953mm2であるのに対し、ストラット領域は3477mm2となる。このため、事前に測定したSOI層の応力20MPa、膜厚2μmであることと、メンブレン領域及びストラット領域の面積比より、局所変形防止層となるアモルファスSiの膜厚は0.5μm、応力は200MPaの引っ張り応力となるように成膜時の圧力を調整した。
局所変形防止層(604)の形成方法としては、反り調整層(610)と同様にCVD、蒸着法、めっき法等を用いることが可能であるが、反り調整層(610)の形成と異なる点は、局所変形防止層(604)の形成領域が最終的にストラット上のみとなり、この領域に合わせたパターニングが必要となる点である。パターニング方法としては、成膜時のマスク処理等により、必要な箇所のみに成膜を行う方法や、支持基板側全面に成膜を行なった後に、ストラット形成領域に応じてエッチングやリフトオフ処理等によりパターニングする方法を用いることが可能である。また、局所変形防止層(604)を構成する材料が、反り調整層を構成する材料と異なる場合、レジストマスク等を用いて、ドライエッチングやウェットエッチングにより局所変形防止層(604)をパターニングすることも可能である(図b)。
次に、支持基板(603)を加工し支持基板の開口部(607)の形成を行った。開口部(607)のレジストパターン(605)を形成し(図c)、支持基板(603)のエッチングには、フルオロカーボン系ガスを用いたプラズマエッチングを用いて、エッチングストッパー層となるBOX層(602)までエッチングを行なった(図d)。この際のエッチングマスクには膜厚50μmのレジストLA−900を用い、支持基板(603)上に形成した反り調整層(610)及び局所変形防止層(604)も同時に加工した。エッチングマスクとして用いたLA−900は、支持基板(603)のエッチングが完了し
た後に有機溶剤を用いて除去した。本実施例では、反り調整層(610)及び局所変形防止層(604)を構成する材料がSiであるため、支持基板と同時にエッチングすることが可能であるが、反り調整層(610)及び局所変形防止層(604)を構成する材料が異なる場合、別途エッチング工程を設けることが必要となる。この場合、エッチングによるパターン形状悪化や寸法変化が発生しないよう、エッチング条件の最適化が別途必要となる。
次に、エッチングストッパー層として用いたBOX層(602)の除去を行ない、ステンシルマスクブランク(608)を完成させた(図e)。BOX層の除去には濃度5%の弗化水素酸を用いた。
次に、メンブレン上に電子線透過孔を形成した。電子線露光用レジストを塗布し、電子線描画によりレジストパターンを完成させた。このレジストパターンをエッチングマスクとしてフルォロカーボン系ガスのプラズマエッチングを行ない、エッチング後に有機溶剤によりレジストを除去してステンシルマスク(609)を完成させた(図f)。
以上の方法により形成した転写マスクのメンブレン形成領域の変形量を測定したところ、0.5μmであり、局所変形防止層が形成されていない、通常のEPL用ステンシルマスクがメンブレン形成領域において示す約7μmの変形量に対して、大幅にその平坦度を向上させることが可能となることを確認した。実際に、局所変形防止処理を行なった本ステンシルマスクを用いて、転写テストを行なったところ、従来の転写マスクに比べ、パターン転写位置精度を大幅に向上させることが可能であることを確認した。
本発明は、電子線やイオンビーム等の荷電粒子線露光に用いられる転写マスクの製造方法に利用することが可能である。
本発明のステンシルマスクブランク及びマスクの製造工程の一例を断面で示す説明図である。 SOIウェハの構造の一例を断面で示す説明図である。 SOIウェハを用いて作製された転写マスクの例を断面で示す説明図である。 SOIウェハを用いたステンシルマスクの製造工程の一例を断面で示す説明図である。 従来の方法により形成されたEPL用ステンシルマスクの一例の説明図で、(a)は平面で見た説明図、(b)は断面で見た説明図である。 本発明のステンシルマスクブランク及びマスクの製造工程の実施例を断面で示す説明図である。
符号の説明
101、201、501、601・・・活性層を構成する単結晶シリコン膜
102、202、602・・・BOX層を構成するシリコン酸化膜
103、203、603・・・支持基板を構成する単結晶シリコン膜
107、305、405・・・開口部
104・・・局所変形防止層
105・・・裏面開口部形成用レジストパターン
106・・・局所変形防止層からなる裏面開口パターン
108・・・局所変形防止層が形成されたステンシルマスクブランクス
109・・・局所変形防止層が形成されたステンシルマスク
304、411・・・電子線透過孔
406・・・SOIウェハ
407・・・開口部形成用レジスト
408・・・開口部形成用レジストパターン
409・・・メンブレン
410・・・電子線透過孔形成用レジストパターン
412・・・ステンシルマスク
501・・・メンブレン形成領域
502・・・メンブレン応力により発生する変形
503・・・ステンシルマスク固定用静電チャック
604・・・局所変形防止層
605・・・開口部のレジストパターン
607・・・開口部
608・・・ステンシルマスクブランク
609・・・ステンシルマスク
610・・・反り調整層

Claims (6)

  1. 単結晶シリコンウェハからなる支持基板と、メンブレン形成領域に転写パターンを設けるための活性層と、前記支持基板と活性層の間に形成された埋め込み酸化膜層と、前記支持基板のもう一方の側にメンブレン形成領域のみに対応して設けた局所変形防止層とを有し、前記メンブレン形成領域に対応する開口部を、前記局所変形防止層と、前記支持基板と、前記中間絶縁層に設けたことを特徴とするステンシルマスクブランク。
  2. 前記局所変形防止層は、応力及び膜厚を制御することによりメンブレンの応力による局所的な変形を抑制していることを特徴とする請求項1に記載のステンシルマスクブランク。
  3. 前記局所変形防止層の応力及び膜厚の制御は、形成されるメンブレンの膜厚及び応力と、メンブレン対ストラットの面積比とをもとに応力及び膜厚を決定することを特徴とする請求項2に記載のステンシルマスクブランク。
  4. 前記局所変形防止層を構成する材料はシリコン、チタン、タンタルからなる群の内1種類以上の金属または合金、もしくはこれらの酸化物もしくは窒化物であることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項に記載のステンシルマスクブランク。
  5. 請求項1〜4いずれか1項に記載のステンシルマスクブランクを用いて、リソグラフィー技術により活性層に転写パターンが形成されたことを特徴とするステンシルマスク。
  6. 請求項5記載のステンシルマスクに荷電粒子線を照射し、転写パターンの形状に荷電粒子線を形成する工程を具備することを特徴とする荷電粒子線のパターン露光方法。
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