JP2014010358A - パターン位相差フィルムの製造装置及び製造方法 - Google Patents

パターン位相差フィルムの製造装置及び製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】パッシブ方式による3次元画像表示に適用するパターン位相差フィルムに関して、高い精度により簡易かつ大量に作製することができるパターン位相差フィルムの製造装置及び製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の製造装置1は、位相差層形成用組成物13’を乾燥する乾燥部72の内部又は出口以降に設けられ、位相差層13との配向状態を撮影する撮影部91と、該撮影が行われたことに応じて、撮影部91による撮影結果から、第1配向領域上の第1位相差領域13Aと、第2配向領域上の第2位相差領域13Bとの、幅方向の相対的位置関係を計測するパターン計測部92と、パターンの計測が行われたことに応じて、パターン計測部による計測結果に基づいて、第1マスク21と第2マスク22の幅方向の相対的位置関係を調整するマスク幅方向調整部93とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、パッシブ方式による3次元画像表示に適用するパターン位相差フィルムの製造装置及び製造方法に関するものである。
フラットパネルディスプレイは、従来、2次元表示のものが主流であった。しかしながら、近年、3次元表示可能なフラットパネルディスプレイが注目を集めており、一部市販もされている。そして今後のフラットパネルディスプレイは3次元表示可能であることが当然に求められる傾向にあり、3次元表示可能なフラットパネルディスプレイの検討が幅広い分野において進められている。
フラットパネルディスプレイにおいて3次元表示をするには、通常、何らかの方式で右目用の映像と、左目用の映像とを、それぞれ選択的に視聴者の右目及び左目に提供することが必要である。右目用の映像と左目用の映像とを選択的に提供する方法としては、例えば、パッシブ方式が知られている。このパッシブ方式の3次元表示方式について図を参照しながら説明する。図9は、液晶表示パネルを使用したパッシブ方式の3次元表示の一例を示す概略図である。この図9の例では、垂直方向に連続する液晶表示パネルの画素を、順次交互に、右目用及び左目用に割り当て、それぞれ右目用及び左目用の画像データで駆動し、これにより右目用の映像と左目用の映像とを同時に表示する。また液晶表示パネルのパネル面にパターン位相差フィルムを配置し、右目用及び左目用の画素からの直線偏光による出射光を、右目用及び左目用で方向の異なる円偏光に変換する。これによりパッシブ方式では、対応する偏光フィルタを備えてなるめがねを装着して、右目用の映像と左目用の映像とをそれぞれ選択的に視聴者の右目及び左目に提供する。
このパッシブ方式は、応答速度の低い液晶表示装置でも適用することができ、さらにパターン位相差フィルムと円偏光メガネとを用いた簡易な構成で3次元表示することができる。このようなことから、パッシブ方式の液晶表示装置は今後の表示装置の中心的存在となるものとして非常に注目されている。
ところでパッシブ方式に係るパターン位相差フィルムは、画素の割り当てに対応して透過光に位相差を与えるパターン状の位相差層が必要である。このパターン位相差フィルムは、まだ広く研究、開発が行われておらず、標準的な技術としても確立されているものがないのが現状である。
このパターン位相差フィルムに関して、特許文献1には、配向規制力を制御した光配向膜をガラス基板上に形成し、この光配向膜により液晶の配列をパターンニングする作製方法が開示されている。しかしながら、この特許文献1に開示の方法では、1回目の紫外線照射時のみにマスク(石英ガラス上に任意にクロムパターニングされているマスク)を用い、2回目の紫外線照射時にはマスクが用いられていない。この場合、マスクの位置の調整が比較的容易であるという利点を有するが、1回目の紫外線が照射された第1領域において再び2回目の紫外線が照射されることになるため、該第1領域における光配向膜の配向が解除され得る。そこで、所望のパターン化位相差フィルムを得るため、2回目の紫外線照射量を1回目の紫外線照射量よりも小さくしなければならず、配向領域ごとに配向制御力の程度が異なり得る。
2回目の紫外線照射量を1回目の紫外線照射量と同じにするため、2回目の紫外線照射時においてもパターニングされているマスクを用い、上記第1領域の間にパターニングされた第2領域が形成されるようにすることも考えられる。しかしながら、この場合、1回目のマスクと2回目のマスクのいずれもがパターニングされているため、マスクの位置を厳密に調整しないと第1領域と第2領域とが重なってしまう。そのため、パターン位相差フィルムの製造を開始する前の下準備に多大な時間を要する。
また、特許文献2には、レーザーの照射によりロール版の周囲に微細な凹凸形状を形成し、この凹凸形状を転写してパターン状に配向規制力を制御した光配向膜を作製する方法が開示されている。この特許文献2に開示の方法では、レーザーの走査によりロール版の全周に漏れ無くレーザーを照射することが必要である。従ってロール版の作製に時間を要する問題がある。また高価なレーザー加工装置を使用しなければならない問題もある。
特開2005−49865号公報 特開2010−152296号公報
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、パッシブ方式による3次元画像表示に適用するパターン位相差フィルムに関して、高い精度により簡易かつ大量に作製することができるパターン位相差フィルムの製造装置及び製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ね、光配向膜形成後の透明フィルム基材を流れ方向に連続又は不連続に移動して、流れ方向に沿ったストライプ状の第1マスクを介して第1偏光を露光してストライプ状の第1配向領域を形成する第1露光手段と、流れ方向に沿ったストライプ状の第2マスクを介して第1偏光とは異なる第2偏光を露光して、第1配向領域の間にストライプ状の第2配向領域を形成する第2露光手段とを備えるパターン位相差フィルム製造装置において、位相差層との配向状態を撮影する撮影手段を乾燥手段の内部又は出口以降に設け、この撮影の結果から、第1配向領域上の第1位相差領域と、第2配向領域上の第2位相差領域との、幅方向の相対的位置関係を計測するパターン計測手段と、この計測の結果に基づいて、第1マスクと第2マスクの前記幅方向の相対的位置関係を調整するマスク幅方向調整手段とをさらに設けることで、パターン位相差フィルムの精度が高まることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明では、以下のようなものを提供する。
(1)本発明は、所定幅の長尺の透明フィルム基材を搬送しながら順次処理してパターン位相差フィルムを製造するパターン位相差フィルム製造装置であって、前記透明フィルム基材上に光配向膜を形成する光配向膜形成手段と、前記光配向膜形成後の透明フィルム基材を流れ方向に連続又は不連続に移動して、前記流れ方向に沿ったストライプ状の第1マスクを介して第1偏光を露光してストライプ状の第1配向領域を形成する第1露光手段と、前記流れ方向に沿ったストライプ状の第2マスクを介して前記第1偏光とは異なる第2偏光を露光して、前記第1配向領域の間にストライプ状の第2配向領域を形成する第2露光手段と、位相差層の形成に供する位相差層形成用組成物を前記露光後の光配向膜上に塗工する位相差層形成用組成物塗工手段と、前記位相差層形成用組成物を乾燥する乾燥手段を有し、前記位相差層形成用組成物から前記位相差層を形成する位相差層形成手段と、前記乾燥手段の内部又は出口以降に設けられ、前記位相差層との配向状態を撮影する撮影手段と、前記撮影が行われたことに応じて、前記撮影手段による撮影結果から、前記第1配向領域上の第1位相差領域と、前記第2配向領域上の第2位相差領域との、幅方向の相対的位置関係を計測するパターン計測手段と、前記パターンの計測が行われたことに応じて、前記パターン計測手段による計測結果に基づいて、前記第1マスクと第2マスクの前記幅方向の相対的位置関係を調整するマスク幅方向調整手段と、を備えるパターン位相差フィルム製造装置である。
(2)また、本発明は、前記撮影手段が前記透明フィルム基材の幅方向の両端に設けられ、前記幅方向の相対的位置関係の調整は、これら両端での前記パターン計測手段による計測結果に基づいて行われる、(1)に記載のパターン位相差フィルム製造装置である。
(3)また、本発明は、前記撮影手段が、前記第1位相差領域を撮影する第1撮影手段と、前記第2位相差領域を撮影する第2撮影手段と、前記第1撮影手段による撮影結果と前記第2撮影手段による撮影結果とを合成する合成手段とを有する、(1)又は(2)に記載のパターン位相差フィルム製造装置である。
(4)また、本発明は、前記マスク幅方向調整手段が、前記パターン計測手段によってマスク同士の前記相対的位置関係が一定の閾値を超えてずれていると判断された場合に前記閾値内に調整する、(1)から(3)のいずれかに記載のパターン位相差フィルム製造装置である。
(5)また、本発明は、前記第1マスク及び第2マスクには、本来の幅方向露光領域の外側に相当する位置に、前記相対的位置関係を計測するための別のマスクパターンがそれぞれ形成されている、(1)から(4)のいずれかに記載のパターン位相差フィルム製造装置である。
(6)また、本発明は、(1)から(5)のいずれかに記載のパターン位相差フィルム製造装置を用いてパターン位相差フィルムの製造方法である。
(7)また、本発明は、前記透明フィルム基材と異なるリード基材を、前記パターン位相差フィルム製造装置に通紙し、前記リード基材上の幅方向に沿って前記露光により発色するラベルを貼り、次いで仮露光による発色を行い、幅方向の発色の濃淡によって前記第1位相差領域と第2位相差領域との幅方向の相対的位置関係を計測し、この計測結果に基づいて前記第1マスクと第2マスクの前記幅方向の相対的位置関係を予備調整する予備マスク幅方向調整を行なった後、(6)に記載の方法を開始するパターン位相差フィルムの製造方法である。
従来、パターン位相差フィルム10の製造前に位相差層のパターンを目視で計測していたが、本発明によると、撮影部91が位相差層13の配向状態を撮影し、パターン計測部92がその撮影結果から位相差層13のパターンを計測し、マスク幅方向調整部93がその計測結果に基づいて、第1マスク21と第2マスク22の幅方向の相対的位置関係を調整するため、該調整に要する時間を大幅に短縮できるだけでなく、該調整に要する材料を大幅に削減できる。また、製造中に配向パターンのずれが生じた場合であっても、人手を介することなく配向方向を調整できるため、製造ラインを停止させることなく配向方向を調整できる。
本発明のパターン位相差フィルム製造装置1を示す図である。 第1露光部4及び第2露光部5の説明に供する図である。 マスク21,22の説明に供する図である。 位相差層13における第1位相差領域13A及び第2位相差領域13Bの説明に供する図である。 撮影部91、パターン計測部92及びマスク幅方向調整部93を用いる前の配向パターンの一例を示す図である。 撮影部91、パターン計測部92及びマスク幅方向調整部93を用いた後の配向パターンの一例を示す図である。 第1マスク21及び第2マスク22において、本来の幅方向露光領域の外側に相当する位置に別のマスクパターンを形成したときの一例を示す図である。 上記別のマスクパターンを有するマスク21,22を介してエネルギー線を照射したときの配向パターンの一例を示す図である。 パッシブ方式による3次元画像表示の説明に供する図である。
以下、本発明の具体的な実施形態について、詳細に説明するが、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。
<パターン位相差フィルム製造装置1>
図1は、本発明に係るパターン位相差フィルムの製造装置1の一例を示す。この製造装置1は、所定幅の長尺の透明フィルム基材を搬送しながら順次処理してパターン位相差フィルムを製造する。製造装置1は、ロールに巻き取った長尺フィルムから基材11を提供する基材提供部2と、この基材11に光配向膜形成用組成物を塗工して光配向膜12(図4参照)を形成する光配向膜形成部3と、光配向膜形成後の基材11を流れ方向に連続又は不連続に移動して、流れ方向に沿ったストライプ状の第1マスクを介して第1偏光を露光してストライプ状の第1配向領域を形成する第1露光部4と、流れ方向に沿ったストライプ状の第2マスクを介して、第1偏光とは異なる第2偏光を露光して、第1配向領域の間にストライプ状の第2配向領域を形成する第2露光部5と、位相差層13の形成に供する位相差層形成用組成物13’を露光後の光配向膜12上に塗工する位相差層形成用組成物塗工部6と、位相差層形成用組成物13’から位相差層13(図4参照)を形成する位相差層形成部7と、位相差層13を形成した後のフィルムを巻き取る、巻き取り部8とを備える。
位相差層形成部7は、位相差層形成用組成物13’の層厚を均一にするレベリング部71と、位相差層形成用組成物13’の塗膜に含まれる棒状化合物を液晶相形成温度以上に加温する乾燥部72と、該棒状化合物にエネルギー線を露光する照射する第3露光部73とを備え、乾燥部の内部又は出口以降には、位相差層13との配向状態を撮影する撮影部91と、この撮影が行われたことに応じて、撮影部91による撮影結果から、第1配向領域上の第1位相差領域13A(図4参照)と、前記第2配向領域上の第2位相差領域13B(図4参照)との、幅方向の相対的位置関係を計測するパターン計測部92と、パターンの計測が行われたことに応じて、パターン計測部92による計測結果に基づいて、第1マスクと第2マスクの幅方向の相対的位置関係を調整するマスク幅方向調整部93とを備える。
[基材提供部2]
基材11の提供にあたっては、長尺フィルムを連続的に搬送できるものであれば、特に限定されるものではなく、一般的な搬送手段を用いる方法を用いることができる。具体的には、ロール状の長尺フィルムを供給する巻き出し機及び長尺フィルムを巻き取る巻き取り機等を用いる方法、ベルトコンベア、搬送用ロール等を用いる方法を挙げることができる。また、エアの吐出と吸引とを行うことにより、長尺配向膜形成用フィルムを浮上させた状態で搬送する浮上式搬送台を用いる方法であっても良い。
また、搬送時の長尺フィルムへのテンション付与の有無については、長尺フィルムを安定的に連続搬送できる方法であれば特に限定されるものではないが、所定のテンションを加えた状態で搬送されることが好ましい。より安定的に連続搬送することができるからである。
搬送手段の色としては、長尺フィルムに偏光紫外線が照射される部位に配置される場合には、長尺フィルムを透過した偏光紫外線を反射しない色であることが好ましい。具体的には、黒色であることが好ましい。このような黒色とする方法としては、例えば、表面をクロム処理する方法を挙げることができる。
ロールの形状としては、安定的に長尺フィルムを搬送することができるものであれば特に限定されるものではないが、長尺フィルムに偏光紫外線が照射される部位に配置される場合には、長尺フィルムの表面と、紫外線照射装置との距離を一定に保つことができるものであることが好ましく、通常、真円形状であることが好ましい。
[光配向膜形成部3]
光配向膜形成用組成物は、偏光照射により光配向性を発揮する光配向材料と、この光配向材料を溶かす溶媒とを含有する。光配向材料とは、偏光紫外線の照射により配向規制力を発現できる材料をいう。配向規制力とは、光配向材料を含む配向層を形成し、この配向層上に棒状化合物からなる層を形成したとき、棒状化合物を所定の方向に配列させる機能をいう。
光配向材料は、偏光を照射することにより上記配向規制力を発現するものであれば特に限定されるものではない。このような光配向材料はシス−トランス変化によって分子形状のみを変化させて配向規制力を可逆的に変化させる光異性化材料と、偏光を照射することにより分子そのものを変化させる光反応材料とに大別することができる。本発明においては上記光異性化材料及び上記光反応材料のいずれであっても好適に用いることができるが、光反応材料を用いることがより好ましい。光反応材料は、偏光が照射されることによって分子が反応して配向規制力を発現するものであるため、不可逆的に配向規制力を発現することが可能になる。したがって、光反応材料の方が配向規制力の経時安定性において優れるからである。光反応材料については、「M.Schadt, K.Schmitt, V. Kozinkov and V. Chigrinov : Jpn. J. Appl.Phys., 31, 2155 (1992)」、「M. Schadt, H. Seiberle and A. Schuster : Nature, 381, 212 (1996)」等に開示されており、例えば「ROP-103」の商品名により既に市販されている。
本実施形態では、グラビアコートの手法を適用して光配向膜形成用組成物を塗工しているが、これに限るものではない。具体的には、グラビアコート法のほか、リバースコート法、ナイフコート法、ディップコート法、スプレーコート法、エアーナイフコート法、ロールコート法、プリント法、浸漬引き上げ法、カーテンコート法、ダイコート法、キャスティング法、バーコート法、エクストルージョンコート法、E型塗布方法等を用いることができる。
光配向膜形成用組成物を塗布する厚さは、所望の平面性を達成できる範囲内であれば特に限定されるものではないが、0.03μm〜10μmの範囲内であることが好ましく、0.03μm〜5μmの範囲内であることがより好ましく、0.05μm〜3μmの範囲内であることがさらに好ましい。
[第1露光部4及び第2露光部5]
第1露光部4及び第2露光部5について、図2を参照しながら説明する。まず、図2の(A)に示すように、右目用の領域に対応する第1配向準備領域12’Aを遮光せず、左目用の領域に対応する第2配向準備領域12’Bだけを遮光した第1マスク21を介して、直線偏光による紫外線(偏光紫外線)を光配向膜形成用層12’に向けて照射することにより、遮光されていない第1配向準備領域12’Aを所望の方向に配向させる。続いて、図2の(B)に示すように、左目用の領域に対応する第1配向準備領域12’Bを遮光せず、右目用の領域に対応する第2配向準備領域12’Aだけを遮光した第2マスク22を介して、直線偏光による紫外線(偏光紫外線)を光配向膜形成用層12’に向けて照射することにより、遮光されていない第2配向準備領域12’Bを所望の方向に配向させる。これら2回の紫外線照射により、2種類の配向パターンが形成される。
図2の例では、まず第1配向準備領域12’Aに偏光紫外線を照射し、その後、第2配向準備領域12’Bに偏光紫外線を照射しているが、この順番に限るものではなく、まず第2配向準備領域12’Bに偏光紫外線を照射し、その後、第1配向準備領域12’Aに偏光紫外線を照射してもよい。
図3に示すように、マスク21,22のパターンは、基材11の搬送流れ方向に沿ったストライプ状であることが好ましい。より詳しくは、長尺の基材11の長手方向に互いに平行な帯状のパターンであること、すなわち、パターン照射が、長尺の基材11の長手方向に互いに平行な帯状のパターンに偏光紫外線を照射するものであることが好ましい。偏光紫外線の照射位置を固定し、長尺フィルムを長手方向に搬送することで容易に形成できるからである。また、精度良くパターン状に照射できるからである。また、図6で説明する位相差層13における、右目用の領域に対応する第1位相差領域13A及び左目用の領域に対応する第2位相差領域13Bが形成されているパターンと、表示装置に用いられるカラーフィルタ等において画素が形成されているパターンとを対応関係にすることが容易になるからである。
マスク21,22のパターン幅、すなわち、偏光紫外線の照射幅及び照射間隔(非照射幅)としては、同一であってもよく、あるいは異なっていてもよいが、右目用の領域に対応する領域の幅と左目用の領域に対応する領域との幅は同一であることが好ましい。位相差層13における第1位相差領域13A及び第2位相差領域13Bが形成されているパターンと、画素部が形成されているパターンとを対応関係にすることが容易になり、その結果、フラットパネルディスプレイを容易に製造できるからである。カラーフィルタのストライプラインと位置を合わせる場合は、右目用の領域に対応する領域及び左目用の領域に対応する領域が形成されたパターンと、上記カラーフィルタのストライプパターンとを対応関係となるような幅で照射されることが好ましい。
三次元表示用途の場合、パターン幅は、50μm〜1000μmの範囲内であることが好ましく、100μm〜600μmの範囲内であることがより好ましい。なお、ここでいうパターン幅は、パターン位相差フィルム10(図4参照)に含まれる基材11が安定収縮状態での、光配向膜12のパターン幅を指す。
マスク21,22を構成する材料としては、所望の開口部を形成できるものであれば特に限定されるものではないが、紫外線による劣化がほとんどない金属や石英等を挙げることができる。具体的には、SUS等の金属基板をエッチング加工、レーザー加工、又は電鋳加工によりパターンニングし、さらに必要に応じてニッケルメッキ等の表面処理を施したものを用いることができる。また、ソーダライムガラスや石英からなる基板上に、エマルジョン(銀塩)や、クロムからなる遮光膜を有するものとすることができる。
中でも、合成石英にCrをパターニングしたものであることが好ましい。温度・湿度変化等に対する寸法安定性と紫外線透過率とに優れ、光配向膜形成用組成物からなる光配向膜形成用層12’に精度良く紫外線を照射でき、結果として精度の高い光配向膜12を形成できるからである。
合成石英マスクの厚さとしては、寸法精度良くパターンを形成できるものであれば特に限定されるものではないが、1mm〜20mmの範囲内であることが好ましく、3mm〜18mmの範囲内であることがより好ましく、5mm〜16mmの範囲内であることがさらに好ましい。厚さが上述の範囲内であることにより、たわまないものとすることができ、寸法精度の高いものとすることができるとともに、フォトマスクとしてハンドリングする際に重過ぎることがないからである。
偏光紫外線の偏光方向は、右目用の領域に対応する領域に対する偏光方向と、左目用の領域に対応する領域に対する偏光方向とが異なるものであれば特に限定されるものではないが、両者の間で90°異なるものであることが好ましい。第1位相差領域13Aと第2位相差領域13Bとの間で屈折率が最も大きくなる方向(遅相軸方向)を互いに直交する関係とすることができることから、三次元表示が可能な表示装置をより好適に製造できるためである。
90°異なる方向とは、パターン位相差フィルム10を用いて三次元表示が可能な表示装置を形成した際に、精度良く三次元表示を行うことができるものであれば特に限定されるものではないが、通常、90°±3°の範囲内であることが好ましく、90°±2°程度の範囲内であることがより好ましく、90°±1°程度の範囲内であることがさらに好ましい。高性能な三次元表示が可能な表示装置とすることができるからである。
偏光紫外線は、集光されていても良いし、集光されていないものであっても良いが、パターン照射が搬送用ロール上の長尺フィルムに対して行われるような場合、すなわち、偏光紫外線が照射される領域内で、偏光紫外線の光源からの距離の差が生じる場合には、搬送方向に対して集光されていることが好ましい。光源からの距離による影響を低減し、パターン精度良く配向領域を形成することができるからである。
集光方法としては、一般的に用いられる方法、例えば、所望の形状を有する集光リフレクターや集光レンズを用いる方法を挙げることができる。本発明においては、偏光紫外線が搬送方向と直交する方向(幅方向)に対して平行光となるものであることが好ましく、平行化方法としては一般的に用いられる方法、例えば、所望の形状を有する集光リフレクターや集光レンズを用いる方法を挙げることができる。
偏光紫外線の波長は、光配向材料等に応じて適宜設定されるものであり、一般的な光配向材料に配向規制力を発現させる際に用いられる波長とすることができ、具体的には、波長が210nm〜380nm、好ましくは230nm〜380nm、さらに好ましくは250nm〜380nmの照射光を用いることが好ましい。
紫外線の光源としては、低圧水銀ランプ(殺菌ランプ、蛍光ケミカルランプ、ブラックライト)、高圧放電ランプ(高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ)、ショートアーク放電ランプ(超高圧水銀ランプ、キセノンランプ、水銀キセノンランプ)等が例示できる。中でも、メタルハライドランプ、キセノンランプ、高圧水銀ランプ灯等を好ましく用いることができる。
偏光紫外線の生成方法としては、偏光紫外線を安定的に照射できる方法であれば特に限定されるものではないが、一定方向の偏光のみが通過できる偏光子を介して紫外線照射する方法を用いることができる。
このような偏光子としては、偏光光の生成に一般的に用いられるものを使用することができ、例えば、スリット状の開口部を有するワイヤーグリッド型偏光子や、石英板を複数枚積層してブリュースター角を利用して偏光分離する方法や、屈折率の異なる蒸着多層膜のブリュースター角を利用して偏光分離する方法を用いるもの等を挙げることができる。
本実施形態では、1回目の露光時と2回目の露光時との両方においてスリットSを有するマスク21,22を用いているため、1回目の露光時における偏光紫外線の照射量と、2回目の露光時における偏光紫外線の照射量とは同じであることが好ましい。照射量を同じにすることで、配向領域ごとの光配向膜12の配向規制力の程度を同じにすることができる。偏光紫外線の照射量は、所望の配向規制力を有する配向領域を形成できる必要があり、波長310nmである場合、5mJ/cm〜500mJ/cmの範囲内であることが好ましく、5mJ/cm〜300mJ/cmの範囲内であることがより好ましく、5mJ/cm〜100mJ/cmの範囲内であることがさらに好ましい。
偏光紫外線の照射距離、すなわち、偏光紫外線の照射を受ける長尺フィルムの搬送方向の距離としては、各露光処理で上述の照射量とすることができるものであれば特に限定されるものではなく、ライン速度等に応じて適宜設定することができる。照射距離が短い場合には、パターン精度の高いものとすることが容易となり、照射距離が長い場合には、ライン速度の速い場合でも十分な配向規制力を有する配向領域とすることができるといった利点がある。なお、照射距離を長くする方法としては、各露光処理での偏光紫外線の照射回数を複数回としたり、搬送方向に照射面積を広くする方法を挙げることができる。
薄膜に対して偏光紫外線を照射する際、薄膜の温度が一定となるように温度調節することが好ましい。配向領域を精度良く形成することができるからである。薄膜の温度は、15℃〜90℃であることが好ましく、15℃〜60℃であることがより好ましい。温度調節の方法としては、一般的な加熱・冷却装置等の温度調節装置を用いる方法を挙げることができる。具体的には所定の温度の空気を送風することができる送風装置を用いる方法や、上記搬送手段として、温度調節可能なものを用いる方法、より具体的には、温度調節可能な搬送用ロールやベルトコンベア等を用いる方法を挙げることができる。
[位相差層形成用組成物塗工部6]
図1に戻り、位相差層形成用組成物塗工部6について説明する。本実施形態では、位相差層形成用組成物13’の供給装置から位相差層形成用組成物13’を塗工している。具体的な塗工の方法としては、光配向膜12上に位相差層形成用組成物13’からなる塗膜を安定的に形成できる方法であれば特に限定されない。
位相差層形成用組成物13’は、液晶性を示し分子内に重合性官能基を有する棒状化合物を含む。棒状化合物は、屈折率異方性を有し、光配向材料に偏光紫外線を照射することによって発現される配向パターンに沿って規則的に配列することにより、所望の位相差性を付与する機能を有する。棒状化合物として、例えば、ネマチック相、スメクチック相等の液晶相を示す材料が挙げられるが、他の液晶相を示す液晶化合物と比較して規則的に配列させることが容易である点で、ネマチック相を示す液晶化合物を用いることがより好ましい。
位相差層形成用組成物13’の量は、光配向膜12上に塗布する塗布方法に応じて、位相差層形成用組成物13’の粘度を所望の値にできるものであれば特に限定されないが、上記組成物中、5質量部〜40質量部の範囲内であることが好ましく、10質量部〜30質量部の範囲内であることがより好ましい。5質量部未満であると、棒状化合物が少なすぎるために、位相差層13への入射光を適切に配向できない可能性があるため、好ましくない。30質量部を超えると、位相差層形成用組成物13’の粘度が高くなりすぎるため、作業性が劣るため、好ましくない。
[位相差層形成部7]
位相差層形成部7は、位相差層形成用組成物13’の層厚を均一にするレベリング部71と、位相差層形成用組成物13’の塗膜に含まれる棒状化合物を液晶相形成温度以上に加温する乾燥部72と、該棒状化合物にエネルギー線を照射する第3露光部73とを備える。
〔レベリング部71〕
レベリング部71では、位相差層形成用層の層厚を均一にする。位相差層形成用組成物13’からなる位相差層形成用層の厚さは、その後に形成される位相差層13の面内位相差がλ/4分に相当するような範囲内となるように塗布することが好ましい。これにより、第1位相差領域13A及び第2位相差領域13Bを通過する直線偏光を、互いに直交関係にある円偏光にすることができ、結果として、より精度良く三次元映像を表示できるためである。
位相差層13の厚さを位相差層13の面内位相差がλ/4分に相当するような範囲内の距離にする場合、具体的にどの程度の距離にするかは、棒状化合物の種類により適宜決定されることになる。一般的な棒状化合物を用いる場合、当該距離は0.5μm〜2μmの範囲内となるが、これに限られるものではない。
〔乾燥部72〕
乾燥部72では、位相差層形成用組成物13’の塗膜に含まれる棒状化合物を液晶相形成温度以上に加温し、光配向膜12に含まれる第1配向領域及び第2配向領域の異なる配向方向に沿って、棒状化合物を配列させる。
図4は、本実施形態に係る製造装置1を用いて形成される位相差層13のパターンを模式的に示した図である。パターン位相差フィルム10は、透明フィルム材による基材11に光配向膜12、位相差層13が順次形成される。位相差層13のパターンは、光配向膜12のパターンと同一となり、右目用の領域に対応する第1配向領域上には、右目用の領域に対応する第1位相差領域13Aが形成され、左目用の領域に対応する第2配向領域上には、左目用の領域に対応する第2位相差領域13Bが形成される。
ところで、乾燥部72を用いて棒状化合物を液晶相形成温度以上に加温する際、棒状化合物が所望の方向に配列されるだけでなく、位相差層形成用組成物13’の塗膜が乾燥される。塗膜の乾燥は、残留する溶媒量に応じて適宜調整すればよいが、上記塗膜に当てる乾燥風の風速は、3m/秒以下であることが好ましく、特に2m/秒以下であることが好ましい。
また、温度条件としては、用いた液晶の液晶→等方相転移温度にもよるが、40℃〜150℃の範囲内であることが好ましく、50℃〜120℃の範囲内であることがより好ましく、特に、55℃〜110℃の範囲内であることがさらに好ましい。また、乾燥時間としては、0.2分〜30分の範囲内であることが好ましく、0.5分〜10分の範囲内であることがより好ましく、特に、0.5分〜5分の範囲内であることがさらに好ましい。この条件であることにより、安定的に溶媒を除去できるからである。
〔第3露光部73〕
第3露光部は、重合性棒状化合物を重合し硬化させるために用いられる。重合性棒状化合物を重合させる方法としては、重合性棒状化合物が有する重合性官能基の種類に応じて任意に決定すればよいが、本実施形態では、適量の重合開始剤を加えて、活性放射線の照射により硬化させる方法を用いている。活性放射線としては、重合性棒状化合物を重合することが可能な放射線であれば特に限定されるものではないが、通常は装置の容易性等の観点から紫外光又は可視光を使用することが好ましく、具体的には、光配向膜12を形成する際に用いた紫外線と同様とすることができる。このような硬化処理を経ることにより、互いに重合して、網目(ネットワーク)構造の状態にすることができるため、列安定性を備え、かつ、光学特性の発現性に優れた位相差層13を形成できる。
[撮影部91]
本実施形態に係る製造装置1は、さらに撮影部91を備える。撮影部91は、乾燥部の内部又は出口以降に設けられ、位相差層13との配向状態を撮影する。マスク幅方向調整部93による調整をできるだけ迅速に行うため、撮影部91は、位相差層13に含まれる溶剤が十分に揮発する箇所であればできるだけ乾燥部72の入口に近い箇所に設けられることが好ましい。乾燥部72の入口以前では、位相差層13に溶剤が含まれるため、位相差層13との配向状態を適切に撮影できない可能性があるため、好ましくない。
本実施形態では、撮影部91は、右目用の領域に対応する第1位相差領域13Aを撮影する第1撮影部と、左目用の領域に対応する第2位相差領域13Bを撮影する第2撮影部と、第1撮影部による撮影結果と第2撮影部による撮影結果とを合成する合成部とを有するものとしている。しかしながら、偏光板の設置の仕方によっては、1台の撮影装置(カメラ)で1回撮影するだけでも第1位相差領域13Aと第2位相差領域13Bとの両方を同時に撮影可能であり、第1位相差領域13Aと第2位相差領域13Bとを識別することは可能である。また、本実施形態のように2回撮影する場合であっても、1台の撮影装置(カメラ)で実現することは可能である。この場合、第1位相差領域13Aを撮影後、偏光板を回転させて第2位相差領域13Bを撮影すればよい。
図5は、このことを模式的に示す図である。図5の(a)は第1撮影部による撮影結果の一例を示し、図5の(b)は第2撮影部による撮影結果の一例を示す。図5の(c)は合成部による合成結果の一例を示す。
高精度のパターン位相差フィルム10を得るためには、第1位相差領域13Aと第2位相差領域13Bとが交互に連続することが好ましい。図5の(c)のパターンでは、第1位相差領域13Aと第2位相差領域13Bとが重なり合う箇所や第1位相差領域13A及び第2位相差領域13Bの両方が存しない箇所が存在するが、これらの箇所が存在することは、パターン位相差フィルム10の品質に影響を及ぼし得るため、好ましくない。
[パターン計測部92、マスク幅方向調整部93]
本実施形態に係る製造装置1は、さらにパターン計測部92及びマスク幅方向調整部93を備える。パターン計測部92は、パターン位相差フィルム10の精度を改善するため、撮影部91による撮影結果から、第1配向領域上の第1位相差領域13Aと、第2配向領域上の第2位相差領域13Bとの、幅方向の相対的位置関係を計測する。そして、マスク幅方向調整部93は、第1マスク21と第2マスク22の幅方向の相対的位置関係を調整する。
上記相対的位置関係の調整は、マスク21又はマスク22の位置を変え、スリットSの場所を調整すること等によって行われる。
マスク幅方向調整部93は、パターン位相差フィルム10の製造前に限らず、パターン計測部92によってマスク21,22同士の相対的位置関係が一定の閾値を超えてずれていると判断された場合に閾値内に調整することが好ましい。これによって、パターン位相差フィルム10の製造前に限らず、パターン位相差フィルム10の製造中においても製造ラインを停止させることなく第1マスク21と第2マスク22の幅方向の相対的位置関係を調整できる。
図6は、マスク幅方向調整部93が第1マスク21と第2マスク22の幅方向の相対的位置関係を調整した後の状態を模式的に示す図である。図6の(a)は第1撮影部による撮影結果の一例を示し、図6の(b)は第2撮影部による撮影結果の一例を示す。図6の(c)は合成部による合成結果の一例を示す。図6の(c)のパターンでは、第1位相差領域13Aと第2位相差領域13Bとが交互に連続している。そのため、高精度のパターン位相差フィルムを簡易かつ大量に作製できる。
ところで、2枚のマスク21,22の基材11の幅方向における長さが常に同一であるとはいえない。例えば、2枚のマスク21,22の設置位置がフィルムに対しての距離にずれが生じていたり、2枚のマスク21,22を保持する際に支持状態にばらつきがあったり、温度差によって2枚のマスク21,22の熱膨張の程度が異なることもあり得るためである。この場合、基材11の幅方向における一端側では第1位相差領域13Aの幅と第2位相差領域13Bの幅とが略均一であるにもかかわらず、他端側では第1位相差領域13Aの幅と第2位相差領域13Bの幅とが異なることもあり得る。第1位相差領域13Aの幅と、第2位相差領域13Bの幅とがばらつくと、パターン位相差フィルム10を液晶表示パネルに適用する際、画素の開口とパターン位相差フィルム10の領域幅との不一致が生じ、3次元表示する際にクロストーク等の原因となる。このように、第1位相差領域13Aの幅と、第2位相差領域13Bの幅とがばらつくことは、パターン位相差フィルム10として好ましくない。
そこで、撮影部91は、基材11の幅方向の両端に設けられ、幅方向の相対的位置関係の調整は、これら両端でのパターン計測部92による計測結果に基づいて行われることが好ましい。このようにすることで、第1位相差領域13Aの幅と、第2位相差領域13Bの幅とのばらつきをいっそう厳密に抑えることができる。なお、撮影部91は、基材11の幅方向の両端に2台設けられている必要はなく、1台のカメラを、基材11の幅方向に移動させて両端から撮影するようにしてもよい。
<変形例>
本実施形態では、撮影部91が第1位相差領域13A及び第2位相差領域13Bそのものを撮影し、パターン計測部92はその撮影結果に基づいて幅方向の相対的位置関係を計測していたが、これに限るものではない。例えば、図7に示すように、第1マスク21及び第2マスク22のそれぞれについて、パターン位相差フィルムを液晶表示パネルに適用したときの画素領域の外側に相当する位置に、第1マスク21と第2マスク22の幅方向の相対的位置関係を計測するための別のマスクパターン21A,22Aを形成してもよい。その際、図7の(a)に示すように、一方のマスクには上記外側の略中央に1つのマスクパターン21Aを設け、図7の(b)に示すように、他方のマスクには上記外側の両側に2つの別のマスクパターン22Aを設けることが好ましい。上記実施形態では、第1位相差領域13A及び第2位相差領域13Bが互いに密接し、パターン計測部92は、その密接した撮影結果に基づいて幅方向の相対的位置関係を計測する必要があったが、本変形例では、図8に示すように、マスクパターン21Aに起因する別の第1位相差領域14Aとマスクパターン22Aに起因する別の第2位相差領域14Bとが互いに離れているため、パターン計測部92は、別の第1位相差領域14Aと別の第2位相差領域14Bとの間の間隔を計測すればよく、マスク幅方向調整部93はその間隔が均一になるように調整すればよいので、マスク幅方向調整部93による間隔の調整が容易となる。
また、撮影部91、パターン計測部92及びマスク幅方向調整部93を用いた幅方向の調整に先立つ予備工程として、基材11と異なるリード基材を、パターン位相差フィルム製造装置1に通紙し、リード基材上の幅方向に沿って露光により発色するラベルを貼り、次いで仮露光による発色を行い、幅方向の発色の濃淡によって第1位相差領域13Aと第2位相差領域13Bとの幅方向の相対的位置関係を計測し、この計測結果に基づいて第1マスク21と第2マスク22の幅方向の相対的位置関係を予備調整する予備マスク幅方向調整を行ってもよい。これにより、幅方向の調整に要する時間をより短くすることができる。
1 パターン位相差フィルムの製造装置
3 光配向膜形成部
4 第1露光部
5 第2露光部
6 位相差層形成用組成物塗工部
7 位相差層形成部
8 巻き取り部
10 パターン位相差フィルム
11 基材
12 光配向膜
13 位相差層
91 撮影部
92 パターン計測部
93 マスク幅方向調整部

Claims (7)

  1. 所定幅の長尺の透明フィルム基材を搬送しながら順次処理してパターン位相差フィルムを製造するパターン位相差フィルム製造装置であって、
    前記透明フィルム基材上に光配向膜を形成する光配向膜形成手段と、
    前記光配向膜形成後の透明フィルム基材を流れ方向に連続又は不連続に移動して、前記流れ方向に沿ったストライプ状の第1マスクを介して第1偏光を露光してストライプ状の第1配向領域を形成する第1露光手段と、
    前記流れ方向に沿ったストライプ状の第2マスクを介して前記第1偏光とは異なる第2偏光を露光して、前記第1配向領域の間にストライプ状の第2配向領域を形成する第2露光手段と、
    位相差層の形成に供する位相差層形成用組成物を前記露光後の光配向膜上に塗工する位相差層形成用組成物塗工手段と、
    前記位相差層形成用組成物を乾燥する乾燥手段を有し、前記位相差層形成用組成物から前記位相差層を形成する位相差層形成手段と、
    前記乾燥手段の内部又は出口以降に設けられ、前記位相差層との配向状態を撮影する撮影手段と、
    前記撮影が行われたことに応じて、前記撮影手段による撮影結果から、前記第1配向領域上の第1位相差領域と、前記第2配向領域上の第2位相差領域との、幅方向の相対的位置関係を計測するパターン計測手段と、
    前記パターンの計測が行われたことに応じて、前記パターン計測手段による計測結果に基づいて、前記第1マスクと第2マスクの前記幅方向の相対的位置関係を調整するマスク幅方向調整手段と、を備えるパターン位相差フィルム製造装置。
  2. 前記撮影手段は、前記透明フィルム基材の幅方向の両端に設けられ、前記幅方向の相対的位置関係の調整は、これら両端での前記パターン計測手段による計測結果に基づいて行われる、請求項1に記載のパターン位相差フィルム製造装置。
  3. 前記撮影手段は、
    前記第1位相差領域を撮影する第1撮影手段と、
    前記第2位相差領域を撮影する第2撮影手段と、
    前記第1撮影手段による撮影結果と前記第2撮影手段による撮影結果とを合成する合成手段とを有する、請求項1又は2に記載のパターン位相差フィルム製造装置。
  4. 前記マスク幅方向調整手段は、前記パターン計測手段によってマスク同士の前記相対的位置関係が一定の閾値を超えてずれていると判断された場合に前記閾値内に調整する、請求項1から3のいずれかに記載のパターン位相差フィルム製造装置。
  5. 前記第1マスク及び第2マスクには、本来の幅方向露光領域の外側に相当する位置に、前記相対的位置関係を計測するための別のマスクパターンがそれぞれ形成されている、請求項1から4のいずれかに記載のパターン位相差フィルム製造装置。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載のパターン位相差フィルム製造装置を用いたパターン位相差フィルムの製造方法。
  7. 前記透明フィルム基材と異なるリード基材を、前記パターン位相差フィルム製造装置に通紙し、
    前記リード基材上の幅方向に沿って前記露光により発色するラベルを貼り、
    次いで仮露光による発色を行い、幅方向の発色の濃淡によって前記第1位相差領域と第2位相差領域との幅方向の相対的位置関係を計測し、
    この計測結果に基づいて前記第1マスクと第2マスクの前記幅方向の相対的位置関係を予備調整する予備マスク幅方向調整を行なった後、請求項6に記載の方法を開始するパターン位相差フィルムの製造方法。
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