JP2014059351A - 光学フィルム、画像表示装置、光学フィルムの製造用金型、光学フィルムの製造方法及び光学フィルムの製造用金型の製造方法 - Google Patents

光学フィルム、画像表示装置、光学フィルムの製造用金型、光学フィルムの製造方法及び光学フィルムの製造用金型の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】パターン位相差フィルム等の光学フィルムにおいて、従来に比して一段と精度良く透過光に位相差を付与する。
【解決手段】透明フィルム材による基材2上に、配向膜3、位相差層4が順次設けられ、前記配向膜3の配向規制力により前記位相差層4の液晶材料をパターンニングして、前記位相差層4により透過光に位相差を付与する光学フィルム1である。前記配向膜3が、高さが5nm以下による突条が20μm以下のピッチにより形成されて、隣接する前記突条3の境界における位相差の変化が10nm以下に抑圧されている。
【選択図】図6

Description

本発明は、パッシブ方式による3次元画像表示に適用する光学フィルムであるパターン位相差フィルム等の光学フィルムに関するものである。
近年、パッシブ方式により3次元画像を表示する画像表示装置が提供されている。ここで図7は、液晶表示パネルを使用したパッシブ方式の画像表示装置を示す概略図である。パッシブ方式の画像表示装置は、垂直方向又は水平方向(この図7の例では、垂直方向)に連続する液晶表示パネルの画素を、順次交互に、右目用及び左目用に割り当ててそれぞれ右目用及び左目用の画像データで駆動し、これにより右目用の画像と左目用の画像とを同時に表示する。また液晶表示パネルのパネル面にパターン位相差フィルムを配置し、右目用の画素及び左目用の画素からの直線偏光による出射光を、右目用及び左目用で方向の異なる円偏光に変換する。これによりパッシブ方式では、対応する偏光フィルタを備えてなる眼鏡を装着して、右目用の画像と左目用の画像とをそれぞれ選択的に視聴者の右目及び左目に提供し、3次元画像を表示する。
このためパターン位相差フィルムは、液晶表示パネルにおける画素の設定に対応して、遅相軸方向(屈折率が最大となる方向)が直交する2種類の帯状領域が順次交互に設けられる。なおここでこの隣接する帯状領域の遅相軸方向は、通常、水平方向に対して、+45度と−45度、0度と+90度の何れかの組み合わせが採用される。このパッシブ方式は、応答速度の遅い液晶表示装置でも適用することができ、さらにパターン位相差フィルムと円偏光メガネとを用いた簡易な構成で3次元表示することができる。
このパッシブ方式に係るパターン位相差フィルムは、画素の割り当てに対応して透過光に位相差を与えるパターン状の位相差層が必要である。このパターン位相差フィルムに関して、特許文献1には、配向規制力を制御した光配向膜をガラス基板上に形成し、この光配向膜により液晶の配列をパターンニングして位相差層を作成する方法が開示されている。また特許文献2には、レーザーの照射によりロール版の周側面に微細な凹凸形状を形成し、この凹凸形状を転写してパターン状に配向規制力を制御した光配向膜を作製する方法が開示されている。
ところでパターン位相差フィルムでは、位相差層で正しく位相差を付与することができない場合、右目用の画像及び左目用の画像をそれぞれ視聴者の右目及び左目に選択的に供給することが困難になり、画質の劣化が知覚されるようになる。そこでパターン位相差フィルムでは、位相差層を精度良く作製することが求められる。
特開2005−49865号公報 特開2010−152296号公報 特開2010−152296号公報
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、パッシブ方式の3次元画像表示に係るパターン位相差フィルム等の光学フィルムに関して、従来に比して一段と精度良く位相差層を作製することができる光学フィルム、この光学フィルムを使用した画像表示装置、この光学フィルムの製造用金型等を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ね、賦型処理により配向膜の作製に供するロール版に関して、母材表面の平滑化処理に供するバイトの送りピッチを低減することにより、母材表面の平滑度を向上し、母材表面の凹凸に起因する光学特性のばらつきを低減するとの知見を得、本発明を完成するに至った。
具体的には、本発明では、以下のようなものを提供する。
(1) 透明フィルム材による基材上に、配向膜、位相差層が順次設けられ、前記配向膜の配向規制力により前記位相差層の液晶材料をパターンニングして、前記位相差層による透過光に位相差を付与する光学フィルムにおいて、
前記配向膜は、高さが5nm以下による突条が20μm以下のピッチにより形成されて、隣接する前記突条の境界における位相差の変化が10nm以下に抑圧される。
(1)によれば、突条の大きさを制限することにより、突条の境界における急激な位相差の変化を充分に抑圧することができ、これにより従来に比して一段と精度良く位相差層を作製してなる光学フィルムを生産することができる。
(2) (1)において、前記配向膜は、
ライン状凹凸形状の延長方向が、第1の方向である第1の領域と、前記ライン状凹凸形状の延長方向が、前記第1の方向と異なる第2の方向である第2の領域とが、順次交互に設けられる。
(2)によれば、パッシブ方式による3次元画像表示に適用されるパターン位相差フィルムに関して、従来に比して一段と精度良く位相差層を作製してなる光学フィルムを生産することができる。
(3) (1)又は(2)に記載の光学フィルムを画像表示パネルの表側面に配置する。
(3)によれば、従来に比して一段と精度良く位相差層を作製してなる光学フィルムを適用して画像表示装置を構成することができる。
(4) 賦型処理により配向膜の生産に供される光学フィルムの製造用金型であって、
円柱形状又は円筒形状による母材表面に、面出し作業による凹溝がピッチ20μm以下、深さ5nm以下により形成され、さらにライン状の凹凸形状が形成される。
(4)によれば、賦型処理により凹溝に対応して作製される突条の大きさを制限することができ、これにより突条の境界における急激な位相差の変化を充分に抑圧することができ、その結果、従来に比して一段と精度良く位相差層を作製してなる光学フィルムを生産することができる。
(5) 透明フィルム材による基材上に、配向膜を作製する配向膜作製工程と、
前記配向膜の上に、前記配向膜の配向規制力により液晶材料をパターンニングして、透過光に位相差を付与する位相差層を作製する位相差層作製工程とを備え、
前記配向膜作製工程は、
ロール版を製造するロール版の製造工程と、
前記ロール版を使用した賦型処理により前記配向膜を作製する賦型処理工程とを備え、
前記ロール版の製造工程は、
円筒形状又は円柱形状による母材を回転させながら、前記母材の周側面にバイトを所定の深さで切り込み、回転軸に沿った方向に移動させることにより、前記母材の周側面を平滑化する面出し工程と、
前記母材の周側面に、前記賦型処理に供する凹凸形状を作製する凹凸形状の作製工程とを備え、
前記面出し工程は、
前記バイトの送りピッチが、20μm以下に設定される。
(5)によれば、面出し処理によりロール版に作製される凹溝を充分に小さくして、この凹溝により発生する配向膜における突条を充分に小さくすることができ、その結果、突条の境界における急激な位相差の変化を充分に抑圧して、従来に比して一段と精度良く位相差層を作製してなる光学フィルムを生産することができる。
(6) 賦型処理により配向膜の生産に供されるロール版の製造方法であって、
円筒形状又は円柱形状による母材を回転させながら、前記母材の周側面にバイトを所定の深さで切り込み、軸方向に移動させることにより、前記母材の周側面を平滑化する面出し工程と、
前記母材の周側面に、前記賦型処理に供する凹凸形状を作製する凹凸形状の作製工程とを備え、
前記面出し工程は、
前記バイトの送りピッチが、20μm以下に設定される。
(6)によれば、面出し処理によりロール版に作製される凹条を充分に小さくして、この凹条により発生する配向膜における突条を充分に小さくすることができ、その結果、突条の境界における急激な位相差の変化を充分に抑圧して、従来に比して一段と精度良く位相差層を作製してなる光学フィルムを生産することができる。
本発明によれば、パッシブ方式の画像表示装置に適用されるパターン位相差フィルム等の光学フィルムに関して、従来に比して一段と精度良く透過光に位相差を付与することができる。
本発明の第1実施形態に係るパターン位相差フィルムを示す図である。 図1のパターン位相差フィルムの製造工程の説明に供する図である。 ロール版の製造工程を示す図である。 図3の続きを示す図である。 面出し工程の説明に供する図である。 バイトの送りピッチの説明に供する図である。 パッシブ方式による3次元画像表示の説明に供する図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態に係る画像表示装置に適用されるパターン位相差フィルムを示す図である。この第1実施形態に係る画像表示装置は、垂直方向(図1においては左右方向が対応する方向である)に連続する液晶表示パネルの画素が、順次交互に、右目用の画像を表示する右目用画素、左目用の画像を表示する左目用画素に振り分けられて、それぞれ右目用及び左目用の画像データで駆動される。これにより画像表示装置は、右目用の画像を表示する帯状の領域と、左目用の画像を表示する帯状の領域とに表示画面が交互に区分され、右目用の画像と左目用の画像とを同時に表示する。この画像表示装置は、この液晶表示パネルのパネル面に、パターン位相差フィルム1が配置され、このパターン位相差フィルム1により右目用及び左目用の画素からの出射光にそれぞれ対応する位相差を与える。これによりこの画像表示装置は、パッシブ方式により所望の立体画像を表示する。
ここでパターン位相差フィルム1は、TAC(トリアセチルセルロース)等の透明フィルムからなる基材2の一方の面上に、配向膜3、位相差層4が順次作製される。パターン位相差フィルム1は、屈折率異方性を保持した状態で固化(硬化)された液晶材料により位相差層4が形成され、この液晶材料の配向を配向膜3の配向規制力によりパターンニングする。なおこの液晶分子の配向を図1では細長い楕円により誇張して示す。このパターンニングにより、パターン位相差フィルム1は、液晶表示パネルにおける画素の割り当てに対応して、一定の幅により、右目用の領域(第1の領域)Aと左目用の領域(第2の領域)Bとが順次交互に帯状に形成され、右目用及び左目用の画素からの出射光にそれぞれ対応する位相差を与える。
配向膜3は、基材2の表面に、微細な凹凸形状の賦型に供する樹脂である賦型用樹脂が塗付され、この賦型用樹脂の賦型処理により凹凸形状が作製される。この実施形態では、この賦型用樹脂に紫外線硬化性樹脂5が適用される。なお紫外線硬化性樹脂としては、アクリレート系、メタクリレート系、エポキシ系等の単量体、プレポリマー、或いはこれらの混合物にベンゾフェノン、芳香族ヨードニウム等の光重合開始剤を添加したものを適用することができる。
これにより配向膜3は、右目用及び左目用の帯状領域A及びBにそれぞれ対応する帯状の領域が順次交互に形成され、それぞれ微小な凹凸形状が作製される。ここでこの微小な凹凸形状は、一方向に延長するライン状(線状)の凹凸形状により形成され、この一方向に延長する方向が右目用領域Aと左目用領域Bとで90度異なる方向となるように、かつ各領域の延長方向(水平方向であり、図1においては右上と左下とを結ぶ方向)に対して45度傾くように形成される。なおこの各領域の延長方向に対する傾きにあっては、基材2のリタデーションが無視できない程度に大きい場合には、リタデーション値に応じて、適宜、増減される。パターン位相差フィルム1は、この図1に示す基本構成に加えて、粘着層、セパレータフィルム、反射防止フィルム等が必要に応じて設けられる。
図2は、このパターン位相差フィルム1の製造工程を示す略線図である。この製造工程10は、基材2がロールにより提供され、この基材2を供給リール11から供給する。製造工程10は、ダイ12によりこの基材2に紫外線硬化性樹脂の塗布液を塗布する。この製造工程10において、ロール版20は、パターン位相差フィルム1の配向膜3に係る凹凸形状が周側面に形成された円筒形状の賦型用金型である。製造工程10は、紫外線硬化性樹脂5が塗布された基材2を加圧ローラ14によりロール版20の周側面に押圧し、高圧水銀燈からなる紫外線照射装置15による紫外線の照射により紫外線硬化性樹脂5を硬化させる。これにより製造工程10は、ロール版20の周側面に形成された凹凸形状を基材2に転写する。その後、剥離ローラ16によりロール版20から基材2を硬化した紫外線硬化性樹脂5と一体に剥離し、ダイ19により液晶材料を塗布する。またその後、紫外線照射装置17による紫外線の照射により液晶材料を硬化させた後、巻き取りリール18に巻き取る。パターン位相差フィルム1は、この巻き取りリール18に巻き取ったシート材に、必要に応じて粘着層、反射防止層等を形成した後、所望の大きさに切断して作製される。これによりパターン位相差フィルム1は、ロールにより提供される基材2を連続して処理して効率良く大量生産される。
図3及び図4は、パターン位相差フィルムの製造用金型であるロール版20の製造工程を示す図である。なおこの図3及び図4において、パターン位相差フィルム1の領域A、Bに対応する領域を、それぞれ符号ARA、ARBにより示す。この製造工程では、母材40の周側面に下地層41を作製した後、面出し工程において、母材40の周側面を切削により平滑化する(図3(a))。ここで母材40は、ロール版20の外形形状に対応する円筒形状又は円柱形状の金属材料である。母材40は、加工のしやすさや寸法安定性などから金属材料であることが好ましく、アルミニウム、ニッケル、クロム、ステンレス、銅などであることがより好ましい。なおこの実施形態において、母材40は、アルミニウムのパイプ材を切断して作製される。
下地層41は、上層に設けられる材料層について、母材40に対する密着力を強化するためと、面出加工を施すために設けられる。この実施形態では、下地層41は、銅を充分な厚みでメッキして作製される。
続いてこの工程は、下地層41の上に、第1の無機材料層42を作製する。この実施形態では、この第1の無機材料層42にニッケル層が適用され、スパッタリングにより膜厚100nmのニッケル層を作製する。なおこの第1の無機材料層42は、金属材料、無機酸化物、無機窒化物、無機炭化物などの各種無機材料を広く適用することができるものの、加工のしやすさなどから、クロム、チタン、ニッケル、タングステン、ステンレス系金属材料、アルミ、SiO、SiO、Al、Cr、TiO、Si、AlN、TiN、SiOxNy、SiC、WC、DLCなどから選択される。
続いてこの工程は、図3(b)に示すように、マスク作製工程において、レジスト材料により、右目用領域Aに対応する領域ARAを被覆し、かつ左目用領域Bに対応する領域ARBを露出させたマスク43Aが作製される。続いてこの工程は、図3(c)に示すように、第1の凹凸形状作製工程において、ラビング処理により全面に微小なライン状凹凸形状を形成する。なお図3及び図4では、便宜上、ラビングロールRによりラビング処理を示す。
続いてこの工程は、マスク43Aを除去した後、図4(d)に示すように、マスク43Aとは逆に、左目用領域Bに対応する領域ARBを被覆し、かつ右目用領域Aに対応する領域ARAを露出させたマスク43Bが作製される。続いてこの工程は、図4(e)に示すように、第2の凹凸形状作製工程において、ラビング処理により全面に微小なライン状凹凸形状を形成する。
その後、製造工程は、図4(f)に示すように、レジスト除去工程において、マスク43Bを除去する。これらによりこの製造工程は、交互のマスクラビングにより配向膜3の領域A及びBに対応する凹凸形状を作製し、ロール版20を作製する。
図5は、面出し工程の説明に供する図である。面出し工程50は、ロール版20に係る円筒形状の母材40をその中心軸aがほぼ水平になるように保持し、矢印Aにより示すように、この状態で電動機を備えたロール版駆動部51によりこの母材40をこの中心軸aを回転中心にして所定の回転速度で回転駆動する。この状態でこの面出し工程50は、この切削加工用のバイト52を母材40の周側面に所定の深さで切り込み、周側面を切削する。またこの状態で、矢印Bにより示すように、電動機を備えたバイト送り部53により母材40の回転中心軸に沿った方向にバイト52を移動させる。これによりこの面出し工程50は、母材40の回転速度とバイト52の送り速度とで決まるピッチにより順次母材40の周側面を切削して平滑化する。
〔光学特性の改善〕
ところでこのようにして作製されるパターン位相差フィルム1について、クロスニコル配置による直線偏光板の間に挟持した状態で、領域A及びBが消光位になるようにパターン位相差フィルムを配置して領域A及びBを観察した。この場合、領域A及びBでは、消光位に係る黒色の背景の中に、領域A及びBの延長方向に延長するスジ状の模様が観察された。これにより領域A及びBでは、周辺の部位に比して透過光に与える位相差が異なる領域がスジ状に一定のピッチで形成されていることが判った。
またレンズを用いた微小領域を測定可能な位相差測定装置を使用して領域A及びBについて位相差を測定したところ、このようなスジ状の模様に対応して、一定のピッチで位相差の急激な変化が観察された。このようなスジ状の領域における急激な位相差の変化を低減することができれば、一段と精度良く位相差層を作製して画質を向上することができる。
そこでこのスジ状の模様を詳細に検討したところ、このスジ状模様のピッチが、面出し工程におけるバイトの送りピッチに等しいことが判った。またさらにロール版20の凹凸形状を回転軸に沿った方向に計測したところ、図6(a)に示すように、面出し工程におけるバイト52に切削痕による凹凸形状が確認された。なおこの凹凸形状は、バイト52の切削痕跡に対応する凹溝の連続である。またこれにより図6(b)に示すように、パターン位相差フィルム1においても、ロール版20の凹凸形状に対応する断面円弧形状の突条が配向膜3の表面に見て取られ、パターン位相差フィルム1では、この凹凸形状に係る隣接する突条の境界で、位相差が急激に変化することが判った。
より具体的にノーズ角12Rによるバイトを使用し、送りピッチ50μmにより面出し処理した場合、ピッチPが50μm、深さDが26nmにより凹溝が作製された(図6(a))。またこれによりパターン位相差フィルム1においても、ピッチPが50μm、高さHが26nmによる突条が見られた。
そこでこの実施形態では、面出し工程におけるバイトの送りピッチを20μm以下に設定した。ここでバイトの送りピッチを20μmに設定し、ノーズ角12Rのバイトを使用する場合、ロール版に作製される凹溝はピッチPが20μm、深さDが5nmとなり、このロール版を使用して作成されるパターン位相差フィルムにおいては、ピッチPが20μm、高さHが5nmにより突条が作製された。またこの場合、パターン位相差フィルムにおいては、突条の境界における位相差の急激な変化を10nm以下に抑圧することができ、これにより従来に比して格段的に光学特性を向上することができた。なおこの境界における位相差の変化量は、境界以外の部位で離散的に測定した複数の計測結果による平均値と、境界の部位における急激な位相差のピーク値との差分絶対値である。
以上の構成によれば、面出し工程におけるバイトの送りピッチを20μm以下に設定することにより、従来に比して一段と精度良く透過光に位相差を付与することが可能に、光学フィルムを生産することができ、さらには光学フィルムの生産可能な製造用金型を得ることができる。
またこのようにして生産して光学フィルムにおいて、5nm以下による突条が20μm以下のピッチにより連続するように配向膜を作製して、従来に比して一段と精度良く透過光に位相差を付与することができる。
〔他の実施形態〕
以上、本発明の実施に好適な具体的な構成を詳述したが、本発明は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述の実施形態の構成を種々に変更することができる。
すなわち上述の実施形態では、母材表面に下地層を設けた後、面出し処理する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、下地層を設ける前に面出し処理する場合等、下地層を省略する場合等、要は母材の表面を面出し処理により平滑化する場合に広く適用することができる。
すなわち上述の実施形態では、紫外線硬化性樹脂を賦型用樹脂に適用する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、紫外線硬化性樹脂以外の各種の賦型用樹脂を広く適用することができ、また軟化させた基材を直接ロール版に押し付けて賦型する場合にも広く適用することができる。
また上述の実施形態では、本発明をパターン位相差フィルムに適用して、右目用領域及び左目用領域による第1及び第2の領域が交互に連続するように位相差層を作製する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、全面に一様にライン状の凹凸形状を作製して例えば1/2位相差板、1/4位相差板を作製する場合、これらを基板と一体に積層して円偏光板を構成する場合、又はこれらの位相差層を配向膜と共に直接積層して円偏光板を構成する場合、このような円偏光板と直線偏光板とを積層して反射防止フィルムを作製する場合等、配向膜の配向規制力により位相差層の液晶材料を配向させて透過光に位相差を付与する種々の光学フィルムに広く適用することができる。
また上述の実施形態では、液晶表示パネルの使用を前提とする場合について述べたが、本発明はこれに限らず、有機ELパネル、プラズマディスプレイパネルの使用を前提とする場合にも広く適用することができ、また偏光フィルタを一体に設ける場合にも広く適用することができる。
1 パターン位相差フィルム
2 基材
3 配向膜
4 位相差層
5 紫外線硬化性樹脂
10 製造工程
11 供給リール
12、19 ダイ
14 加圧ローラ
15、17 紫外線照射装置
16 剥離ローラ
18 巻き取りリール
20 ロール版
40 母材
41 下地層
42 無機材料層
43A、43B マスク
50 面出し工程
51 ロール版駆動部
52 バイト
53 バイト送り部

Claims (6)

  1. 透明フィルム材による基材上に、配向膜、位相差層が順次設けられ、前記配向膜の配向規制力により前記位相差層の液晶材料をパターンニングして、前記位相差層により透過光に位相差を付与する光学フィルムにおいて、
    前記配向膜は、高さが5nm以下による突条が20μm以下のピッチにより形成されて、隣接する前記突条の境界における位相差の変化が10nm以下に抑圧された
    光学フィルム。
  2. 前記配向膜は、
    ライン状凹凸形状の延長方向が、第1の方向である第1の領域と、前記ライン状凹凸形状の延長方向が、前記第1の方向と異なる第2の方向である第2の領域とが、順次交互に設けられた
    請求項1に記載の光学フィルム。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の光学フィルムを画像表示パネルの表側面に配置した
    画像表示装置。
  4. 賦型処理により配向膜の生産に供される光学フィルムの製造用金型であって、
    円柱形状又は円筒形状による母材表面に、面出し作業による凹溝がピッチ20μm以下、深さ5nm以下により形成され、さらにライン状の凹凸形状が形成された
    光学フィルムの製造用金型。
  5. 透明フィルム材による基材上に、配向膜を作製する配向膜作製工程と、
    前記配向膜の上に、前記配向膜の配向規制力により液晶材料をパターンニングして、透過光に位相差を付与する位相差層を作製する位相差層作製工程とを備え、
    前記配向膜作製工程は、
    ロール版を製造するロール版の製造工程と、
    前記ロール版を使用した賦型処理により前記配向膜を作製する賦型処理工程とを備え、
    前記ロール版の製造工程は、
    円筒形状又は円柱形状による母材を回転させながら、前記母材の周側面にバイトを所定の深さで切り込み、回転軸に沿った方向に移動させることにより、前記母材の周側面を平滑化する面出し工程と、
    前記母材の周側面に、前記賦型処理に供する凹凸形状を作製する凹凸形状の作製工程とを備え、
    前記面出し工程は、
    前記バイトの送りピッチが、20μm以下に設定された
    光学フィルムの製造方法。
  6. 賦型処理により配向膜の生産に供される光学フィルムの製造用金型の製造方法であって、
    円筒形状又は円柱形状による母材を回転させながら、前記母材の周側面にバイトを所定の深さで切り込み、軸方向に移動させることにより、前記母材の周側面を平滑化する面出し工程と、
    前記母材の周側面に、前記賦型処理に供する凹凸形状を作製する凹凸形状の作製工程とを備え、
    前記面出し工程は、
    前記バイトの送りピッチが、20μm以下に設定された
    光学フィルムの製造用金型の製造方法。
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