JP2010169951A - 光学素子およびその製造方法ならびに表示装置 - Google Patents

光学素子およびその製造方法ならびに表示装置 Download PDF

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晃人 栗山
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Abstract

【課題】簡易なプロセスで製造することの可能な光学素子およびその製造方法ならびにそのような光学素子を備えた表示装置を提供する。
【解決手段】基材11の表面全体に、ポリα−スチレンを含む第1材料膜130Aを形成したのち、印刷法を用いて、第1材料膜130Aとは異なる材料(ポリイミド)を含む第2材料膜130Bを第1材料膜130Aの表面の一部に帯状に形成する。次に、表面にラビング布を巻き付けたローラRを表面に押し付けると共に回転させ、所定の方向R1に移動させる。これにより、ローラRを移動させた方向R1と平行な方向に延在する複数の溝が形成されるので、一度のラビング処理によって配向特性の互いに異なる配向膜13A,13Bが形成される。
【選択図】図10

Description

本発明は、配向性を有する材料を配向させる光学素子およびその製造方法ならびにそのような光学素子を備えた表示装置に係わる。本発明は、特に偏光眼鏡を用いた立体映像の観察に際して好適に用いられる光学素子およびその製造方法ならびにそのような光学素子を備えた表示装置に関する。
従来から、偏光眼鏡を用いるタイプの立体映像表示装置として、左目用画素と右目用画素とで異なる偏光状態の光を射出させるものがある。このような表示装置は、視聴者が偏光眼鏡をかけた上で、左目用画素からの射出光を左目のみに入射させ、右目用画素からの射出光を右目のみに入射させることにより、立体映像の観察を可能とするものである。
例えば、特許文献1では、左目用画素と右目用画素とで異なる偏光状態の光を射出させるために位相差素子が用いられている。この位相差素子では、一の方向に遅相軸または進相軸を有する片状位相差部材が左目用画素に対応して設けられ、上記片状位相差部材とは異なる方向に遅相軸または進相軸を有する片状位相差部材が右目用画素に対応して設けられている。
特許第3360787号公報
ところで、上述したような位相差素子を製造するためには、例えば、右目用の片状位相差部材を作製するときと、左目用の片状位相差部材を作製するときのそれぞれにおいて、ラビング処理を行うことが必要となる。そのため、製造プロセスが複雑となっていた。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、簡易なプロセスで製造することの可能な光学素子およびその製造方法ならびにそのような光学素子を備えた表示装置を提供することにある。
本発明の光学素子は、基材と、基材上に形成された、材料の互いに異なる複数種類の配向膜とを備えたものである。各配向膜は、基材の法線方向から見たときに他の配向膜によって覆われていない露出面を有しており、各配向膜の露出面は、第1方向に延在する複数の溝を有している。
本発明の表示装置は、画像信号に基づいて駆動される表示パネルと、表示パネルを照明するバックライトユニットと、表示パネルとの関係でバックライトユニットとは反対側に設けられた位相差素子とを備えたものである。この表示装置に内蔵された位相差素子は、上記した光学素子を含むものである。具体的には、この位相差素子は、基材と、基材上に形成された、材料の互いに異なる複数種類の配向膜と、複数種類の配向膜上に形成された光学異方性層とを備えたものである。各配向膜は、基材の法線方向から見たときに他の配向膜によって覆われていない露出面を有しており、各配向膜の露出面は、第1方向に延在する複数の溝を有している。光学異方性層は、溝の構造および配向膜の材料に応じて配向している。
本発明の光学素子およびそれを備えた表示装置では、材料の互いに異なる複数種類の配向膜が基材上に形成されており、かつ各配向膜の露出面には、第1方向に延在する複数の溝が形成されている。ここで、各配向膜の露出面に形成された複数の溝は、第1方向のラビング処理によって形成することが可能である。つまり、複数種類の配向膜は、一回のラビング処理だけで一括で作製することが可能である。
本発明の第1の光学素子の製造方法は、以下の2つの工程を含むものである。
(A1)基材の表面全体に第1材料膜を形成したのち、第1材料膜とは異なる材料を含む第2材料膜を第1材料膜の表面の一部に形成する工程
(A2)第1材料膜および第2材料膜を含む表面に対して、第1方向にラビング処理を施すことにより第1方向に延在する複数の溝を形成する工程
本発明の第2の光学素子の製造方法は、以下の2つの工程を含むものである。
(B1)基材表面の所定の領域に第1材料膜を形成したのち、第1材料膜とは異なる材料を含む第2材料膜を基材表面のうち第1材料膜によって覆われていない領域に形成する工程
(B2)第1材料膜および第2材料膜を含む表面に対して、第1方向にラビング処理を施すことにより第1方向に延在する複数の溝を形成する工程
本発明の第1および第2の光学素子の製造方法では、基材表面に設けられた第1材料膜および第2材料膜を含む表面に対して、第1方向にラビング処理を施すことにより第1方向に延在する複数の溝が形成される。つまり、本発明では、一回のラビング処理だけで複数種類の配向膜が一括で形成される。
本発明の光学素子および表示装置ならびに第1および第2の光学素子の製造方法によれば、複数種類の配向膜を一回のラビング処理だけで一括で作製することができるようにしたので、本発明の光学素子を簡易なプロセスで製造することができる。
本発明の一実施の形態に係る位相差素子の構成の一例を表す斜視図である。 図1の位相差素子のA−A矢視方向の断面構成の一例を表す断面図と、図1の位相差素子の配向膜の構成の一例を表す上面図である。 図1の位相差素子の液晶層の配向方向の一例について説明するための模式図である。 図1の位相差素子の液晶層の配向方向の他の例について説明するための模式図である。 図3の液晶層の配向状態に対応した溝を有する配向膜の構成の一例を表す上面図である。 図1の位相差素子の液晶層の配向方向のその他の例について説明するための模式図である。 図6の液晶層の配向状態に対応した溝を有する配向膜の構成の一例を表す上面図である。 図3の液晶層の配向状態を模式的に表した模式図である。 図1の位相差素子の製造方法の一例を説明するための断面図である。 図9に続く工程について説明するための斜視図である。 図10に続く工程について説明するための断面図である。 図1の位相差素子の光学的な作用の一例について説明するための模式図である。 第1位相差領域からの射出光に対する偏光眼鏡の光学的な作用の一例について説明するための模式図である。 第2位相差領域からの射出光に対する偏光眼鏡の光学的な作用の一例について説明するための模式図である。 図1の位相差素子の他の例について表す構成図である。 図15の位相差素子の製造方法の一例を説明するための断面図である。 図16に続く工程について説明するための斜視図である。 図17に続く工程について説明するための断面図である。 図1の位相差素子の適用例に係る表示装置の構成の一例を表す断面図である。
以下、発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。

1.実施の形態(位相差素子)
2.変形例(配向膜のバリエーション)
3.適用例(表示装置)
<実施の形態>
図1は、本発明の一実施の形態に係る位相差素子1(光学素子)の構成の一例を斜視的に表したものである。図2(A)は、図1の位相差素子1のA−A矢視方向の断面構成の一例を表したものである。
位相差素子1は、例えば、入射した偏光光の偏光状態を変化させるものである。この位相差素子1は、例えば、図1、図2(A)に示したように、基材11と、位相差層12とを有している。
[基材11]
基材11は、例えば、ガラス基板や樹脂フィルムによって構成されている。樹脂フィルムとしては、入射光に対して透明なものであって、かつ、光学異方性の小さい、つまり複屈折の小さいものが好ましい。そのような特性を持つ樹脂フィルムであって、かつ商用としてよく使われているものとしては、例えば、TAC(トリアセチルセルロース)、COP(シクロオレフィンポリマー)、PMMA(ポリメチルメタクリレート)などが挙げられる。
[位相差層12]
位相差層12は、光学異方性を有する薄い層である。この位相差層12は、基材11の表面に設けられたものであり、例えば、後述の液晶表示パネル40の光射出側の表面(偏光板41B)に貼り付けられる。この位相差層12は、配向膜13および液晶層14(光学異方性層)を、基材11側から順に有している。
[配向膜13(配向膜13A,13B)]
配向膜13は、複数種類の配向膜を含んで構成されており、例えば、図2(A)に示したように、配向膜13A(第1種類の配向膜)および配向膜13B(第2種類の配向膜)の2層構造となっている。配向膜13Aは、基材11の表面全体に接して設けられている。一方、配向膜13Bは、配向膜13Aの表面の一部に接して設けられており、例えば、図2(A),(B)に示したように、一の方向に延在する帯状の形状となっている。なお、図2(B)は、配向膜13の上面構成の一例を模式的に表したものである。
配向膜13Bは、配向膜13Aの表面に複数、設けられており、複数の配向膜13Bは、所定の間隙を介して並列配置されている。そのため、配向膜13Aは、基材11の法線方向から見たときに他の配向膜(配向膜13B)によって覆われていない露出面S1を有している。露出面S1は、配向膜13B同士の間隙または配向膜13Bの脇に設けられており、例えば、図2(B)に示したように、配向膜13Bの延在方向と同一方向に延在する帯状の形状となっている。各配向膜13Bも、基材11の法線方向から見たときに他の配向膜(配向膜13A)によって覆われていない露出面S2を有している。配向膜13Bの上面および両側面が、露出面S2に対応している。露出面S2は、露出面S1同士の間隙または露出面S1の脇に設けられており、例えば、図2(B)に示したように、配向膜13Bの延在方向と同一方向に延在する帯状の形状となっている。
なお、配向膜13Aおよび配向膜13Bのそれぞれの幅は、図2(A),(B)に示したように、互いに等しくなっていてもよいし、図示しないが、互いに異なっていてもよい。また、露出面S1および露出面S2は共に、図2(B)に示したように、矩形状となっていてもよいし、図示しないが、それ以外の形状となっていてもよい。また、配向膜13Bの長手方向の長さが、図2(B)に示したように、配向膜13を横断する長さとなっていてもよいし、図示しないが、配向膜13を横断する長さよりも短くなっていてもよい。また、配向膜13Bは、図2(B)に示したように、一の方向(図中ではX軸方向)に並列配置されていたが、図示しないが、マトリクス状に並列配置されていてもよい。
配向膜13は、例えば、図2(B)に示したように、所定の方向に延在する複数の溝13Cをその表面に有している。複数の溝13Cは、後述するようにラビング処理によって形成されたものである。複数の溝13Cは、配向性を有する材料(例えば液晶材料)を接触させたときに、その材料を溝13Cの延在方向D1(第1方向)に配向させるか、または基材11の面内方向であって、かつ延在方向D1と直交する方向に配向させる性質を有している。つまり、配向膜13は、水平用配向膜である。なお、配向性を有する材料が、延在方向D1に沿って配向するか、延在方向D1と直交する方向に配向するかは、配向膜13の材料の性質によって決定される。複数の溝13Cは、露出面S1および露出面S2の双方に形成されている。複数の溝13Cの一部は、露出面S1および露出面S2の双方に渡って連続して形成されている。
配向膜13Aの上面のうち配向膜13Bで覆われている部分、すなわち配向膜13Aの上面のうち露出面S1以外の表面は、凹凸のない平坦面となっていることが好ましい。ただし、その表面に、後述するようにラビング処理などの影響によって若干の凹凸が形成されていてもよい。なお、何らかの理由で上述した表面に凹凸が形成されている場合や、配向膜13Bが極端に薄い場合には、下地側の配向膜13Aが、配向膜13Bに用いられる材料の配向能よりも弱い(劣っている)配向能を有していることが好ましい。これは、製造過程において、下地側の配向膜13Aの配向作用が配向膜13B上の材料に及ぶのを防止するためである。
配向膜13Aは、配向性を有する材料を接触させたときに、その材料を基材11の面内方向であって、かつ溝13Cの延在方向D1と直交する方向に配向させる性質を有している。そのような性質を有する材料としては、例えば、ポリα−ポリスチレンが挙げられる。ポリα−スチレンには、ポリα−メチルスチレン、ポリα−メトキシスチレン、ポリα−ヒドロキシスチレンなどが含まれるが、溶解性や配向能の観点から、配向膜13Aには、ポリα−メチルスチレンが用いられることが好ましい。
配向膜13Bは、配向性を有する材料を接触させたときに、その材料を溝13Cの延在方向D1に配向させる性質を有している。そのような性質を有する材料としては、例えば、ポリイミドが挙げられる。
[液晶層14]
液晶層14は、配向膜13A,13Bの双方の表面(露出面S1,S2)上に形成されたものであり、溝13Cの構造および配向膜13A,13Bの材料に応じて配向しているものである。液晶層14は、例えば、図2(B)、図3(A),(B)に示したように、当該液晶層14のうち配向膜13Aの露出面S1上において、基材11の面内方向であって、かつ溝13Cの延在方向D1と直交する方向に配向している。液晶層14は、さらに、例えば、図2(B)、図3(A),(B)に示したように、当該液晶層14のうち配向膜13Bの露出面S2上において、溝13Cの延在方向D1に配向している。つまり、液晶層14の配向方向は、配向膜13A,13Bの配置に対応して異なっている。そこで、本実施の形態では、図2(A)、図3(A)に示したように、液晶層14のうち配向膜13Aと対応(対向)する領域を第1位相差領域14Aと称し、液晶層14のうち配向膜13Bと対応(対向)する領域を第2位相差領域14Bと称するものとする。
第1位相差領域14Aおよび第2位相差領域14Bは、例えば、図3(A)に示したように、共通する一の方向に延在する帯状の形状となっている。これら第1位相差領域14Aおよび第2位相差領域14Bは、基材11の面内方向に、隣接して規則的に配置されており、具体的には、第1位相差領域14Aおよび第2位相差領域14Bの短手方向に交互に配置されている。従って、第1位相差領域14Aおよび第2位相差領域14Bが互いに隣接する(接する)境界線L1は、第1位相差領域14Aおよび第2位相差領域14Bの長手方向と同一の方向を向いている。
第1位相差領域14Aは、図3(A),(B)に示したように、隣接する第2位相差領域14Bとの境界線L1と直交以外の角度θ1(0°<θ1<90°)で交差する方向に遅相軸AX1を有している。一方、第2位相差領域14Bは、図3(A),(B)に示したように、隣接する第1位相差領域14Aとの境界線L1と直交以外の角度θ2(0°<θ2<90°)で交差する方向であって、かつ遅相軸AX1の向きとは異なる方向に遅相軸AX2を有している。遅相軸AX1および遅相軸AX2は、互いに直交する方向を向いている。
ここで、「遅相軸AX1の向きとは異なる方向」とは、単に、遅相軸AX1の向きとは異なるということを意味しているだけでなく、境界線L1に関して、遅相軸AX1とは反対方向に回転しているということを意味している。つまり、遅相軸AX1,AX2は、境界線L1を挟んで互いに異なる方向に回転している。遅相軸AX1の角度θ1と、遅相軸AX2の角度θ2とは、絶対値としては(回転方向を考慮しない場合には)、互いに等しいことが好ましい。ただし、これらが、製造誤差などによって若干、互いに異なっていてもよく、場合によっては製造誤差よりも大きな角度で互いに異なっていてもよい。なお、上記した製造誤差としては、第1位相差領域14Aおよび第2位相差領域14Bを製造する技術によっても異なるが、例えば最大で1°〜2°程度である。
角度θ1,θ2の好ましい値は、位相差素子1の用途によって異なる。例えば、円偏光タイプの偏光眼鏡を用いて立体映像を表示する表示装置の画像表示面に位相差素子1を設ける場合には、例えば、図3(B)に示したように、角度θ1は−45°となり、角度θ2は+45°となることが好ましい。また、直線偏光タイプの偏光眼鏡を用いて立体映像を表示する表示装置の画像表示面に位相差素子1を設ける場合には、例えば、図4(A),(B)に示したように、角度θ1は−67.5°となり、角度θ2は+22.5°となることが好ましい。ただし、この場合には、溝13Cは、例えば、図5に示したように、図3(A)の場合よりも浅い角度で境界線L1と交差する方向に延在している。
角度θ1,θ2の好ましい値は、上記の例に限定されるものではなく、例えば、図6(A),(B)に示したように、角度θ1は−90°となり、角度θ2は0°となることが好ましい。このとき、溝13Cは、例えば、図7に示したように、境界線L1と平行な方向に延在している。なお、以下の記述において、特に説明のない場合には、図2(B)、図3(A),(B)に示したように、角度θ1が+45°となり、角度θ2が−45°となっているものとする。
液晶層14は、例えば、液晶分子14C(液晶材料)と、高分子(図示せず)とを含んで構成されている。高分子は、例えば、等方性の低分子材料(例えば、配向膜に対して配向性を示さない紫外線硬化樹脂もくしは熱硬化樹脂)を硬化させることによって形成されたものである。また、この高分子は、例えば、異方性の低分子材料(液晶分子14Cの配向方向に沿って配向した、配向性を有する紫外線硬化樹脂もくしは熱硬化樹脂)を硬化させることによって形成されたものである。
図8(A)は、液晶層14のうち第1位相差領域14Aにおける液晶分子14Cの配向状態を模式的に表したものである。図8(B)は、液晶層14のうち第2位相差領域14Bにおける液晶分子14Cの配向状態を模式的に表したものである。なお、図8(A),(B)には、角度θ1が+45°となり、角度θ2が−45°となっている場合の液晶分子14Cの配向状態が例示されている。
液晶分子14Cは、図8(A)に示したように、第1位相差領域14Aにおいて、基材11の面内方向であって、かつ配向膜13の溝13Cの延在方向D1と直交する方向に配向している。その結果、第1位相差領域14Aの配向軸AX1が溝13Cの延在方向D1と直交する方向を向いている。一方、液晶分子14Cは、図8(B)に示したように、第2位相差領域14Bにおいて、配向膜13の溝13Cの延在方向D1と平行な方向に配向している。その結果、第2位相差領域14Bの配向軸AX2が溝13Cの延在方向D1と平行な方向を向いている。なお、液晶分子14Cの配向方向は、溝13Cの構造および配向膜13(配向膜13A,13B)の材料に応じて決定される。
[製造方法]
以下に、本実施の形態の位相差素子1の製造方法について、図9(A)〜(D)から図16(A)〜(C)を参照しながら説明する。
まず、ガラス基板またはプラスチックフィルム基板からなる透明な基材11の表面全体に、例えばスピンコート法などを用いて、例えばポリα−スチレンを含む第1材料膜130Aを形成する(図9(A))。次に、例えば、第1材料膜130Aに対して所定の熱Hを加えることにより、第1材料膜130Aを乾燥させる(図9(B))。
次に、たとえば、印刷法などを用いて、第1材料膜130Aとは異なる材料(例えばポリイミド)を含む第2材料膜130Bを第1材料膜130Aの表面の一部に帯状に形成する(図9(C))。このとき、上面には、第2材料膜130Bだけでなく第1材料膜130Aも露出している。次に、例えば、第2材料膜130Bに対して所定の熱Hを加えることにより、第2材料膜130Bを乾燥させる(図9(D))。
ここで、第2材料膜130Bは、第1材料膜130Aの材料よりも乾燥し易い(つまり、乾燥時間の短い)材料によって構成されていることが好ましい。第2材料膜130Bを乾燥させる際に、第1材料膜130Aに対して不要な熱を長時間、与えるのを防止することができるからである。
次に、例えば表面にラビング布を巻き付けたローラRを、第1材料膜130Aおよび第2材料膜130Bを含む表面に押し付けると共に回転させ、所定の方向R1に移動させる(図10)。これにより、ローラRを移動させた方向R1と平行な方向に延在する複数の溝13Cが形成される(図2(B)参照)。なお、ローラRを移動させる代わりに、基材11を所定の方向R1に移動させてもよい。
次に、配向膜13の表面全体に、例えばスピンコート法などを用いて、例えば、液晶分子14Cと、等方性もしくは異方性の低分子材料(紫外線硬化樹脂もくしは熱硬化樹脂)を含む第3材料膜140を形成する(図11(A))。次に、例えば、第3材料膜140に対して所定の熱Hを加えることにより、第3材料膜140を乾燥させる(図11(B))。
次に、第3材料膜140に対して、例えば紫外線を照射することによって、第3材料膜140に含まれる低分子材料を硬化させる(図11(C))。これにより、配向膜13Aの表面上において、液晶分子14Cが、例えば、図8(A)に示したように、基材11の面内方向であって、かつ溝13Cの延在方向D1と直交する方向に配向した状態で固定される。また、配向膜13Bの表面上において、液晶分子14Cが、例えば、図8(B)に示したように、溝13Cの延在方向D1に配向した状態で固定される。このようにして、本実施の形態の位相差素子1が製造される。
[作用・効果]
次に、本実施の形態の位相差素子1の作用および効果について説明する。
図12は、位相差素子1の光学的な作用の一例を模式的に表したものである。位相差素子1では、基材11側に配置された光源(またはデバイス)から照射された直線偏光光Linが基材11に入射すると、例えば、第1位相差領域14Aから右楕円偏光光Lout1が射出され、第2位相差領域14Bから左楕円偏光光Lout2が射出される。
このとき、観察者(図示せず)が、位相差素子1からの射出光を、円偏光タイプの偏光眼鏡(図示せず)を介して観察した場合には、右楕円偏光光Lout1および左楕円偏光光Lout2は以下に例示した作用を受けたのち、観察者の眼に到達する。
[偏光眼鏡]
位相差素子1の作用について説明する前に、まず、上述した円偏光タイプの偏光眼鏡について、図13(A),(B)を用いて説明する。偏光眼鏡は、観察者の眼球の前に装着されるものであり、例えば、図13(A),(B)に示したように、右目用眼鏡21および左目用眼鏡22を有している。
右目用眼鏡21は、例えば、偏光板21Aおよび右目用位相差フィルム21Bを有している。一方、左目用眼鏡22は、例えば、偏光板22Aおよび左目用位相差フィルム22Bを有している。右目用位相差フィルム21Bは、偏光板21Aの表面であって、かつ光入射側に設けられたものである。左目用位相差フィルム22Bは、偏光板22Aの表面であって、かつ光入射側に設けられたものである。
偏光板21A,22Aは、偏光眼鏡の光射出側に配置されており、ある一定の振動方向の光(偏光)のみを通過させる。偏光板21A,22Aの偏光軸AX4,AX5はそれぞれ、位相差素子1に入射する直線偏光光の偏光軸AX3(図12参照)と直交する方向を向いている。偏光軸AX4,AX5はそれぞれ、例えば、図12、図13(A),(B)に示したように、偏光軸AX3が垂直方向を向いている場合には水平方向を向いており、図示しないが、偏光軸AX4が水平方向を向いている場合には垂直方向を向いている。
右目用位相差フィルム21Bおよび左目用位相差フィルム22Bは、光学異方性を有する薄い層である。右目用位相差フィルム21Bの遅相軸AX6および左目用位相差フィルム22Bの遅相軸AX7は、図13(A),(B)に示したように、水平方向および垂直方向のいずれの方向とも交差する方向を向いており、偏光板21A,22Aの偏光軸AX4,AX5とも交差する方向を向いている。また、遅相軸AX6,AX7は、遅相軸AX6,AX7との二等分線が境界線L1と直交する方向を向くような方向に向いていることが好ましい。また、遅相軸AX6は、遅相軸AX1の向きと同一の方向か、またはその方向と対応する方向を向いており、遅相軸AX2の向きと異なる方向を向いている。一方、遅相軸AX7は、遅相軸AX2と同一の方向か、またはその方向と対応する方向を向いており、遅相軸AX1の向きと異なる方向を向いている。
偏光眼鏡が上述したような構成となっているとき、右楕円偏光光Lout1に対応する光は、図13(A),(B)に示したように、偏光板21Aだけを透過して、観察者の右目に到達する。一方、左楕円偏光光Lout2に対応する光は、図14(A),(B)に示したように、偏光板22Aだけを透過して、観察者の左目に到達する。このようにして、右楕円偏光光Lout1に対応する光が観察者の右目に到達し、左楕円偏光光Lout2に対応する光が観察者の左目に到達した結果、観察者は、例えば、位相差素子1の光射出面に立体画像が表示されているかのように認識することができる。
ところで、本実施の形態では、製造過程において、基材11表面に設けられた第1材料膜130Aおよび第2材料膜130Bを含む表面に対して、所定の方向R1にラビング処理を施すことによりラビング方向(R1)に延在する複数の溝13Cが形成される。つまり、本実施の形態では、一回のラビング処理だけで、配向特性の互いに異なる2種類の配向膜13A,13Bが一括で形成される。これにより、例えば、配向膜13Aを作製するときと、配向膜13Bを作製するときのそれぞれにおいて、ラビング処理を行う必要がないので、位相差素子1を簡易なプロセスで製造することができ、位相差素子1の製造コストを低減することができる。また、配向膜13A,13Bを、印刷法を用いて形成した場合には、フォトリソグラフィ法を用いて形成した場合と比べて、位相差素子1を簡易に製造することができ、位相差素子1の製造コストをさらに低減することができる。
[変形例]
上記実施の形態では、配向膜13は、配向膜13Aおよび配向膜13Bの2層構造となっていたが、例えば、図15(A),(B)に示したように、基材11の表面上に、帯状の配向膜13Aと帯状の配向膜13Bとを交互に配置した単層構造(並列配置構造)となっていてもよい。
[製造方法]
以下に、本変形例に係る位相差素子の製造方法について、図16(A)〜(D)から図17(A)〜(C)を参照しながら説明する。
まず、ガラス基板またはプラスチックフィルム基板からなる透明な基材11の表面の一部に、例えば印刷法などを用いて、例えばポリα−スチレンを含む第1材料膜130Aを帯状に形成する(図16(A))。次に、例えば、第1材料膜130Aに対して所定の熱Hを加えることにより、第1材料膜130Aを乾燥させる(図16(B))。
次に、例えば印刷法などを用いて、第1材料膜130Aとは異なる材料(例えばポリイミド)を含む第2材料膜130Bを、基材11の表面のうち第1材料膜130Aによって覆われていない領域(第1材料膜130Aの未形成領域)に帯状に形成する(図16(C))。このとき、第1材料膜130Aおよび第2材料膜130Bの表面が同一面内に位置した状態で上面に露出している。次に、例えば、第2材料膜130Bに対して所定の熱Hを加えることにより、第2材料膜130Bを乾燥させる(図16(D))。
次に、例えば表面にラビング布を巻き付けたローラRを、第1材料膜130Aおよび第2材料膜130Bを含む表面に押し付けると共に回転させ、所定の方向R1に移動させる(図17)。これにより、ローラRを移動させた方向R1と平行な方向に延在する複数の溝13Cが形成される(図2(B)参照)。なお、ローラRを移動させる代わりに、基材11を所定の方向R1に移動させてもよい。
次に、配向膜13の表面全体に、例えばスピンコート法などを用いて、例えば、液晶分子14Cと、等方性もしくは異方性の低分子材料(紫外線硬化樹脂もくしは熱硬化樹脂)を含む第3材料膜140を形成する(図18(A))。次に、例えば、第3材料膜140に対して所定の熱Hを加えることにより、第3材料膜140を乾燥させる(図18(B))。
次に、第3材料膜140に対して、例えば紫外線を照射することによって、第3材料膜140に含まれる低分子材料を硬化させる(図18(C))。これにより、配向膜13Aの表面上において、液晶分子14Cが、例えば、図8(A)に示したように、基材11の面内方向であって、かつ溝13Cの延在方向D1と直交する方向に配向した状態で固定される。また、配向膜13Bの表面上において、液晶分子14Cが、例えば、図8(B)に示したように、溝13Cの延在方向D1に配向した状態で固定される。このようにして、本変形例に係る位相差素子が製造される。
ところで、本変形例においても、製造過程において、基材11表面に設けられた第1材料膜130Aおよび第2材料膜130Bを含む表面に対して、所定の方向R1にラビング処理を施すことによりラビング方向(R1)に延在する複数の溝13Cが形成される。つまり、本変形例でも、一回のラビング処理だけで、配向特性の互いに異なる2種類の配向膜13A,13Bが一括で形成される。これにより、例えば、配向膜13Aを作製するときと、配向膜13Bを作製するときのそれぞれにおいて、ラビング処理を行う必要がないので、位相差素子を簡易なプロセスで製造することができ、位相差素子の製造コストを低減することができる。また、配向膜13A,13Bを、印刷法を用いて形成した場合には、フォトリソグラフィ法を用いて形成した場合と比べて、位相差素子を簡易に製造することができ、位相差素子の製造コストをさらに低減することができる。
<適用例>
以下に、上記実施の形態またはその変形例に係る位相差素子1の適用例について説明する。図19は、上記実施の形態またはその変形例に係る位相差素子1を備えた表示装置3の断面構成の一例を表したものである。
[表示装置3の構成]
本適用例の表示装置3は、偏光眼鏡を眼球の前に装着した観察者(図示せず)に対して立体映像を表示する偏光眼鏡方式の表示装置である。この表示装置3は、バックライトユニット30、液晶表示パネル40(表示パネル)および位相差素子1をこの順に積層して構成されたものである。この表示装置3において、位相差素子1の表面が映像表示面となっており、観察者側に向けられている。なお、本適用例では、映像表示面が垂直面(鉛直面)と平行となるように表示装置3が配置されているものとする。また、映像表示面は長方形状となっており、映像表示面の長手方向が水平方向と平行となっているものとする。また、観察者は偏光眼鏡を眼球の前に装着した上で、映像表示面を観察するものとする。
[バックライトユニット30]
バックライトユニット30は、例えば、反射板、光源および光学シート(いずれも図示せず)を有している。反射板は、光源からの射出光を光学シート側に戻すものであり、反射、散乱、拡散などの機能を有している。この反射板は、例えば、発泡PET(ポリエチレンテレフタレート)などによって構成されている。これにより、光源からの射出光を効率的に利用することができる。光源は、液晶表示パネル40を背後から照明するものであり、例えば、複数の線状光源が等間隔で並列配置されたり、複数の点状光源が2次元配列されたりしたものである。なお、線状光源としては、例えば、熱陰極管(HCFL;Hot Cathode Fluorescent Lamp)、冷陰極管(CCFL;Cold Cathode Fluorescent Lamp)などが挙げられる。また、点状光源としては、例えば、発光ダイオード(LED;Light Emitting Diode)などが挙げられる。光学シートは、光源からの光の面内輝度分布を均一化したり、光源からの光の発散角や偏光状態を所望の範囲内に調整したりするものであり、例えば、拡散板、拡散シート、プリズムシート、反射型偏光素子、位相差板などを含んで構成されている。
[液晶表示パネル40]
液晶表示パネル40は、複数の画素が行方向および列方向に2次元配列された透過型の表示パネルであり、映像信号に応じて各画素を駆動することによって画像を表示するものである。この液晶表示パネル40は、例えば、図19に示したように、バックライトユニット30側から順に、偏光板41A、透明基板42、画素電極43、配向膜44、液晶層45、配向膜46、共通電極47、カラーフィルタ48、透明電極49および偏光板41Bを有している。
ここで、偏光板41Aは、液晶表示パネル40の光入射側に配置された偏光板であり、偏光板41Bは液晶表示パネル40の光射出側に配置された偏光板である。偏光板41A,41Bは、光学シャッタの一種であり、ある一定の振動方向の光(偏光)のみを通過させる。偏光板41A,41Bはそれぞれ、例えば、偏光軸が互いに所定の角度だけ(例えば90度)異なるように配置されており、これによりバックライトユニット30からの射出光が液晶層を介して透過し、あるいは遮断されるようになっている。
偏光板41Aの透過軸(図示せず)の向きは、バックライトユニット30から射出された光を透過可能な範囲内に設定される。例えば、バックライトユニット30から射出される光の偏光軸が垂直方向となっている場合には、偏光板41Aの透過軸も垂直方向を向いており、バックライトユニット30から射出される光の偏光軸が水平方向となっている場合には、偏光板41Aの透過軸も水平方向を向いている。なお、バックライトユニット30から射出される光は直線偏光光である場合に限られるものではなく、円偏光や、楕円偏光、無偏光であってもよい。
偏光子41Bの偏光軸の向きは、液晶表示パネル40を透過した光を透過可能な範囲内に設定される。例えば、偏光子41Aの偏光軸の向きが水平方向となっている場合には、偏光子41Bの偏光軸はそれと直交する方向(垂直方向)を向いており、偏光子41Aの偏光軸の向きが垂直方向となっている場合には、偏光子41Bの偏光軸はそれと直交する方向(水平方向)を向いている。
透明基板42,49は、一般に、可視光に対して透明な基板である。なお、バックライトユニット30側の透明基板には、例えば、透明画素電極に電気的に接続された駆動素子としてのTFT(Thin Film Transistor;薄膜トランジスタ)および配線などを含むアクティブ型の駆動回路が形成されている。画素電極43は、例えば酸化インジウムスズ(ITO;Indium Tin Oxide)からなり、画素ごとの電極として機能する。配向膜44は、例えばポリイミドなどの高分子材料からなり、液晶に対して配向処理を行う。液晶層45は、例えばVA(Virtical Alignment)モード、TN(Twisted Nematic)モードまたはSTN(Super Twisted Nematic)モードの液晶からなる。この液晶層45は、図示しない駆動回路からの印加電圧により、バックライトユニット30からの射出光を画素ごとに透過または遮断する機能を有している。共通電極47は、例えばITOからなり、共通の対向電極として機能する。カラーフィルタ49は、バックライトユニット30からの射出光を、例えば、赤(R)、緑(G)および青(B)の三原色にそれぞれ色分離するためのフィルタ部48Aを配列して形成されている。このカラーフィルタ49では、フィルタ部48Aは画素間の境界に対応する部分に、遮光機能を有するブラックマトリクス部48Bが設けられている。
[基本動作]
次に、本適用例に係る表示装置3において画像を表示する際の基本動作の一例について説明する。
まず、バックライト30から照射された光が液晶表示パネル30に入射している状態で、映像信号として右目用画像および左目用画像を含む視差信号が液晶表示パネル40に入力される。すると、例えば、奇数行の画素から右目用画像光(直線偏光光)が出力され、偶数行の画素から左目用画像光(直線偏光光)が出力される。
その後、右目用画像光および左目用画像光は、位相差素子1の第1位相差領域14Aおよび第2位相差領域14Bによって楕円偏光に変換され、位相差素子1の基材11を透過したのち、表示装置3の画像表示面から外部に出力される。このとき、第1位相差領域14Aを通過した光が、例えば、上記実施の形態の右楕円偏光光Lout1に対応し、第2位相差領域14Bを通過した光が、例えば、上記実施の形態の左楕円偏光光Lout2に対応するものとする。
その後、表示装置1の外部に出力された光は、偏光眼鏡に入射し、右目用位相差フィルム21Bおよび左目用位相差フィルム22Bによって楕円偏光から直線偏光に戻されたのち、偏光眼鏡の偏光板21A,22Aに入射する。
このとき、偏光板21A,22Aへの入射光のうち右楕円偏光光Lout1に対応する光の偏光軸は、偏光板21Aの偏光軸AX4と平行となっており、偏光板22Aの偏光軸AX5と直交している。従って、偏光板21A,22Aへの入射光のうち右楕円偏光光Lout1に対応する光は、偏光板21Aだけを透過して、観察者の右目に到達する(図13(A),(B)参照)。
一方、偏光板21A,22Aへの入射光のうち左楕円偏光光Lout2に対応する光の偏光軸は、偏光板21Aの偏光軸AX4と直交しており、偏光板22Aの偏光軸AX5と平行となっている。従って、偏光板21A,22Aへの入射光のうち左楕円偏光光Lout2に対応する光は、偏光板22Aだけを透過して、観察者の左目に到達する(図13(A),(B)参照)。
このようにして、右楕円偏光光Lout1に対応する光が観察者の右目に到達し、左楕円偏光光Lout2に対応する光が観察者の左目に到達した結果、観察者は表示装置3の映像表示面に立体画像が表示されているかのように認識することができる。
ところで、本適用例に係る表示装置3には、簡易なプロセスで製造された位相差素子1が搭載されている。そのため、配向膜13Aを作製するときと、配向膜13Bを作製するときのそれぞれにおいて、ラビング処理を行っていた従来タイプの位相差素子が搭載されているものと比べて、表示装置3の製造コストを低減することができる。
以上、実施の形態、変形例および実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明はこれらの実施の形態等に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。
例えば、上記実施の形態等では、偏光眼鏡として円偏光タイプが用いられる場合を主に例示して本発明を説明したが、本発明は、偏光眼鏡として直線偏光タイプなど、他のタイプの偏光眼鏡を用いることはもちろん可能である。また、実施の形態および変形例で示した位相差素子1は、立体映像表示装置以外のデバイスに対してももちろん適用可能なものである。
また、上記実施の形態等では、位相差素子1において光学異方性層として液晶層14が用いられている場合が例示されていたが、他の配向性材料によって構成されたものが用いられていてもよい。
また、上記実施の形態等では、配向膜13は、配向特性の互いに異なる2種類の配向膜13A,13Bを有していたが、例えば、配向特性の互いに異なる3種類の配向膜を有していてもよい。
また、上記実施の形態等では、配向膜13Aは、配向性を有する材料を接触させたときに、その材料を基材11の面内方向であって、かつ溝13Cの延在方向D1と直交する方向に配向させる性質を有しており、かつ配向膜13Bは、配向性を有する材料を接触させたときに、その材料を溝13Cの延在方向D1に配向させる性質を有してした。しかし、配向膜13A,13Bがそのような性質を常に有している必要はない。例えば、配向膜13Aが、配向性を有する材料を接触させたときに、その材料を溝13Cの延在方向D1に配向させる性質を有しており、かつ配向膜13Bが、配向性を有する材料を接触させたときに、その材料を基材11の面内方向であって、かつ溝13Cの延在方向D1と直交する方向に配向させる性質を有していてもよい。
また、上記実施の形態等では、位相差素子1において配向膜13上に液晶層14が設けられている場合が例示されていたが、デバイスの製造方法や用途によっては液晶層14が設けられていない場合もあり得る。もっとも、その場合には、その素子には、位相差を生じさせる光学異方性層が存在しないので、その素子は、単に配向膜を備えた素子ということになる。
1…位相差素子、3…表示装置、11…基材、12…位相差層、13…配向膜、13A…第1配向膜、13B…第2配向膜、13C…溝、14…液晶層、14A…第1位相差領域、14B…第2位相差領域、14C…液晶分子、21…右目用眼鏡、21A,22A…偏光板、21B…右目用位相差フィルム、22…左目用眼鏡、22B…左目用位相差フィルム、30…バックライトユニット、40…液晶表示パネル、41A,41B…偏光板、42,49…透明基板、43…画素電極、44,46…配向膜、45…液晶層、47…共通電極、48…カラーフィルタ、48A…フィルタ部、48B…ブラックマトリクス部、AX1,AX2…配向軸、AX3〜AX7…偏光軸、D1…延在方向、L1…境界線、H…熱、L…紫外線、Lin…直線偏光光、Lout1…右楕円偏光光、Lout2…左楕円偏光光、R…ローラ、S1,S2…露出面、θ1,θ2…角度。

Claims (16)

  1. 基材と、
    前記基材上に形成された、材料の互いに異なる複数種類の配向膜と
    を備え、
    各配向膜は、前記基材の法線方向から見たときに他の配向膜によって覆われていない露出面を有し、
    前記各配向膜の露出面は、第1方向に延在する複数の溝を有する
    光学素子。
  2. 前記各配向膜の露出面に形成された複数の溝は、前記第1方向のラビング処理によって形成されたものである
    請求項1に記載の光学素子。
  3. 前記複数種類の配向膜のうち第1種類の配向膜は、配向性を有する材料を接触させたときに、その材料を前記基材の面内方向であって、かつ前記第1方向と直交する方向に配向させる性質を有し、
    前記複数種類の配向膜のうち第2種類の配向膜は、配向性を有する材料を接触させたときに、その材料を前記第1方向に配向させる性質を有する
    請求項1に記載の光学素子。
  4. 前記複数種類の配向膜のうち第1種類の配向膜は、ポリα−スチレンを含み、
    前記複数種類の配向膜のうち第2種類の配向膜は、ポリイミドを含む
    請求項3に記載の光学素子。
  5. 前記複数種類の配向膜上に形成されると共に、前記溝の構造および前記配向膜の材料に応じて配向した光学異方性層をさらに備える
    請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の光学素子。
  6. 前記光学異方性層は、前記複数種類の配向膜のうち第1種類の配向膜の露出面上において、前記基材の面内方向であって、かつ前記第1方向と直交する方向に配向し、前記複数種類の配向膜のうち第2種類の配向膜の露出面上において、前記第1方向に配向している
    請求項5に記載の光学素子。
  7. 前記光学異方性層は、液晶材料を含む
    請求項5に記載の光学素子。
  8. 基材の表面全体に第1材料膜を形成したのち、前記第1材料膜とは異なる材料を含む第2材料膜を前記第1材料膜の表面の一部に形成する工程と、
    前記第1材料膜および前記第2材料膜を含む表面に対して、第1方向にラビング処理を施すことにより前記第1方向に延在する複数の溝を形成する工程と
    を含む光学素子の製造方法。
  9. 前記ラビング処理の施された後の第1材料膜は、前記ラビング処理の施された後の第2材料膜と比べて、配向性を有する材料を接触させたときに、その材料を配向させる能力において劣っている
    請求項8に記載の光学素子の製造方法。
  10. 前記ラビング処理の施された後の第1材料膜は、配向性を有する材料を接触させたときに、その材料を前記基材の面内方向であって、かつ前記第1方向と直交する方向に配向させる性質を有し、
    前記複数種類の配向膜のうち第2種類の配向膜は、配向性を有する材料を接触させたときに、その材料を前記第1方向に配向させる性質を有する
    請求項8に記載の光学素子の製造方法。
  11. 前記ラビング処理の施された後の第1材料膜は、配向性を有する材料を接触させたときに、その材料を前記第1方向に配向させる性質を有し、
    前記複数種類の配向膜のうち第2種類の配向膜は、配向性を有する材料を接触させたときに、その材料を前記基材の面内方向であって、かつ前記第1方向と直交する方向に配向させる性質を有する
    請求項8に記載の光学素子の製造方法。
  12. 前記ラビング処理の施された後の表面上に、前記溝の構造ならびに前記第1材料膜および前記第2材料膜の材料に応じて配向する光学異方性層を形成する工程をさらに含む
    請求項8ないし請求項11のいずれか一項に記載の光学素子の製造方法。
  13. 基材表面の所定の領域に第1材料膜を形成したのち、前記第1材料膜とは異なる材料を含む第2材料膜を前記基材表面のうち前記第1材料膜によって覆われていない領域に形成する工程と、
    前記第1材料膜および前記第2材料膜を含む表面に対して、第1方向にラビング処理を施すことにより前記第1方向に延在する複数の溝を形成する工程と
    を含む光学素子の製造方法。
  14. 画像信号に基づいて駆動される表示パネルと、
    前記表示パネルを照明するバックライトユニットと、
    前記表示パネルとの関係で前記バックライトユニットとは反対側に設けられた位相差素子と
    を備え、
    前記位相差素子は、
    基材と、
    前記基材上に形成された、材料の互いに異なる複数種類の配向膜と、
    前記複数種類の配向膜上に形成された光学異方性層と
    を備え、
    各配向膜は、前記基材の法線方向から見たときに他の配向膜によって覆われていない露出面を有し、
    前記各配向膜の露出面は、第1方向に延在する複数の溝を有し、
    前記光学異方性層は、前記溝の構造および前記配向膜の材料に応じて配向している
    表示装置。
  15. 前記複数種類の配向膜のうち第1種類の配向膜は、配向性を有する材料を接触させたときに、その材料を前記基材の面内方向であって、かつ前記第1方向と直交する方向に配向させる性質を有し、
    前記複数種類の配向膜のうち第2種類の配向膜は、配向性を有する材料を接触させたときに、その材料を前記第1方向に配向させる性質を有する
    請求項14に記載の光学素子。
  16. 前記光学異方性層は、前記第1種類の配向膜の露出面上において、前記基材の面内方向であって、かつ前記第1方向と直交する方向に配向し、前記第2種類の配向膜の露出面上において、前記第1方向に配向している
    請求項15に記載の光学素子。
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