JP2006272128A - 塗布方法及び防眩性フィルムの製造方法 - Google Patents

塗布方法及び防眩性フィルムの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】沈降性粒子を含む塗布液、特にマット粒子等を含み、低粘度の塗布液を低塗布量で、前計量方式で塗布する際の粒子沈降に伴うスジ状欠陥、点状欠陥、塗布量分布などの面状欠陥を防止する。
【解決手段】粒径1μm以上の粒子を0.5重量%以上含み、粒子の比重が塗布液より0.01g/cm3 以上大きく、粘度が10mPa・s以下の塗布液Fを、スロット16へ供給するマニホールド14とマニホールドと連通し塗布液を外部に吐出させるスロットとを内部に備えたスロットダイ12を使用して連続走行する可撓性支持体上に塗布する塗布方法である。塗布中は液供給口とット以外の開口を全て閉じて送液量の全量を可撓性支持体上に塗布し、塗布を一時中断させ、その間にマニホールド内の塗布液中の沈降粒子を除去し、その後、塗布を再開させる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、塗布方法及び防眩性フィルムの製造方法に係り、特に、沈降性のマット粒子を含む防眩性フィルムの製造に好適な塗布方法及び防眩性フィルムの製造方法に関する。
防眩性フィルム等の光学フィルムは、液晶表示装置(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)や陰極管表示装置(CRT)のような様々な画像表示装置に使用されている。
このような塗布方法及び防眩性フィルムの製造方法としては、各種組成の塗布液(たとえば、防眩性フィルムでは、沈降性のマット粒子を含む塗布液)を帯状可撓性の支持体(以下、「ウェブ」という)に塗布して形成する塗布法により製造されるのが一般的である。このような塗布法に関する改良技術の提案は、従来より各種なされている(特許文献1〜3等)。
このうち、特許文献1は、ダイコータを使用した塗布法において、マニホールド内の粒子(顔料等)の沈降・凝縮を防止するために、マニホールド流量が少なくなる端部を曲線状に細くするマニホールド形状にし、沈降した粒子を流速に比例する壁面せん断力によって引き剥がす旨の提案である。
特許文献2は、ダイコータを使用した塗布法において、固体と液体の密度差が大きい固液分散系の液を均一に塗布するために攪拌機を設ける旨の提案である。
特許文献3は、エクストルージョンダイを使用して粒径2.5μmの粒子を含む塗布液を塗布する旨の提案である。
このように、光学フィルムの製造に採用される塗布法としては、特に有機溶剤を溶媒として用い、前計量方式で塗布する塗布方法が望ましいとされている。
すなわち、スライドコート、カーテンコート、ファウンテンコート、エクストルージョンコート、毛細管現象を利用した口金ノズルを用いたスリットコート等のように塗布液の全量をウェブに塗布する前計量方式は、ロールコートやバーコート等のように塗布液の一部をウェブに塗布し、一部を還流させる後計量方式と比較した場合、原理的にコータとウェブとが非接触であり摩擦やせん断による故障がない点、全量塗布なので外気に触れたりせん断がかかった塗布液を循環しないため液劣化がない点、(特にエクストルージョンコートの場合)塗布直前まで塗布液を外気に触れさせないため、揮発性が高い有機溶剤系塗布液を取り扱うのに適する点、等で優れた特徴を持っている。
特開2003−71354号公報 特開平5−15829号公報 特開2004−50535号公報
しかしながら、光学フィルムの製造に前計量方式の塗布方法を採用する場合、ウェブの幅方向に許容限度を超える塗布量分布を生じたり、欠陥となる塗布スジを生じたりする問題点がある。
光学フィルムの薄膜は一般に湿潤膜厚が薄く、概ね20ml/m2 以下である。この膜厚は、前計量方式が多用されている水系写真用感光性材料等の塗布では採用されていない低塗布量である。そしてこの場合、必然的に送液量が少なくなる。この低送液量に起因する粒子の沈降によって、膜厚偏差±5%以内、製品によっては±1%以内が要求されることがある光学薄膜にとって、ウェブの幅方向に許容限度を超える塗布量分布を生じたり、欠陥となる塗布スジを生じたりすることとなる。
液中の粒子沈降速度はストークスの抵抗法則が示す通り、液と粒子との比重差、液粘度、及びレイノルズ数に支配されるため、粘度が低い程、また、液と粒子との比重差がある程、沈降しやすい。したがって、前計量方式で低送液量の場合は、マニホールド内における塗布液の滞在時間が長くなり、液粘度が高い磁気材料や高送液量の写真系感光材料の前計量塗布に比べて、粒子の沈降による弊害が顕著に現れる。
また光学フィルムの薄膜の場合、屈折率や液晶配向等、商品設計上物性が厳密に規定される場合が多く、従来のように沈降防止剤(増粘剤)を簡単に添加することができない。前記の塗料組成物に樹脂ビーズの沈降防止剤として粒径0.5μm以下、好ましくは0.1〜0.25μmのシリカビーズを含ませる方法もあるが、添加するほど塗膜の透明性に悪影響を与える。
また、防眩層用の塗布液の場合、粒径や素材は光学特性と密接に関わることや、乾燥ムラに対処するために、溶媒の乾燥速度を考慮して種々の溶媒を用いたいニーズがあり、塗布液と粒子との比重差をゼロにすることは極めて難しい。
また、粒子濃度が1〜7%程度と高い防眩層用の塗布液では、マット粒子の素材を変えて、溶媒との比重差を小さくすることは可能ではあるものの、液物性により粒子の沈降を皆無にすることは難しい。したがって、粒子沈降への対処が工程面でもなされることが望まれている。
特許文献1では、マニホールドの径を小さくして流速を高める構成が提案されているが、粒子の沈降を完全に防止するには、よほどマニホールドの径を小さくして流速を上げ、壁面のせん断力でマニホールド内に粒子が沈降しない程度まで流速を大きくしなければならない。本発明者は、この条件を鋭意検討した結果、完全に沈降を防ぐ方策は難しいことが解った。
すなわち、マニホールド径を小さくする程、マニホールドの機械加工精度が直接的に塗布量分布に影響し、また、洗浄性が悪くなる問題が生じる。また、わずかでも粒子が沈降した場合、マニホールド径が小さいがために沈降・凝集した粗大粒子がスロットへ容易に運ばれやすく、スロットに詰まってスジになったり、塗布されて点状欠陥になってしまう。更に、マニホールド径にテーパーをつけるのは、ダイ製作工程が複雑になるという問題もある。
一方、特許文献2のような構成は、攪拌機構によりマニホールド内に乱流を生じさせ、これによりかえって塗布量分布が不均一になってしまう。したがって、防眩層の塗布のように、精度が必要な低流量の前計量塗布への適用は好ましくないと言える。
また、防眩層の塗布をダイを使用して行う例は、特許文献3等、少数存在するが、粒子の沈降に対処した具体的な塗布方法が開示されたものはない。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、沈降性粒子を含む塗布液、特にマット粒子等を含み、低粘度の塗布液を低塗布量で、前計量方式で塗布する際の粒子沈降に伴うスジ状欠陥、点状欠陥、塗布量分布などの面状欠陥を防止する塗布方法及び防眩性フィルムの製造方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明は、粒径1μm以上の粒子を0.5重量%以上含み、該粒子の比重が塗布液より0.01g/cm3 以上大きく、粘度が10mPa・s以下の塗布液を、スロットへ供給するマニホールドと該マニホールドと連通し前記塗布液を外部に吐出させる前記スロットとを内部に備えたスロットダイを使用して連続走行する可撓性支持体上に塗布する塗布方法において、塗布中は液供給口と前記スロット以外の開口を全て閉じて送液量の全量を前記可撓性支持体上に塗布し、塗布を一時中断させ、その間に前記マニホールド内の前記塗布液中の沈降粒子を除去し、その後、塗布を再開させることを特徴とする塗布方法を提供する。
また、本発明は、粒径1μm以上の粒子を0.5重量%以上含み、該粒子の比重が塗布液より0.01g/cm3 以上大きく、粘度が10mPa・s以下の塗布液を、スロットへ供給するマニホールドと該マニホールドと連通し前記塗布液を外部に吐出させる前記スロットとを内部に備えるスロットダイを使用して連続走行する可撓性支持体上に塗布する塗布方法において、前記スロットダイの塗布液供給口と別位置に設けられた塗布液排出口より前記マニホールドに供給された前記塗布液の一部を引き抜くことにより前記マニホールド全域で前記塗布液の幅方向線流速を1mm/s以上にすることを特徴とする塗布方法を提供する。
本発明によれば、防眩性塗布液に代表されるような、塗布液が低粘度で粒子を含み、粒子と比重差がある塗布液をスロットダイで薄層均一塗布する際、塗布液排出口より塗布液の一部を常時または間欠的に引き抜いたり、適宜マニホールド内を掃除することによって、粒子沈降に伴うスジ状欠陥、点状欠陥、塗布量分布などの面状欠陥を防止できる。
すなわち、本発明は、粒子の沈降を完全に防止しようとする従来技術と発想を異にするものであり、粒子の沈降が生じることを前提に、その影響を最小限に止める方法を提供するものである。
ダイの端部で液の流速が落ちて、そこに粒子が沈降する現象には変わりがないため、本発明で用いられるダイの形態は、マニホールドへの液供給口がダイ中央付近で排出口がダイ幅方向両端である中央給液型であっても良く、マニホールドへの液供給口がダイ幅方向の片端で排出口がダイ幅方向他端であるサイド給液型であっても良い。
本発明において、塗布一時中断中に、前記スロット以外の開口から前記マニホールド内の前記塗布液を排出させ、前記マニホールド内の前記塗布液の線流速を10mm/s以上で10秒以上保持させる工程を含むことが好ましい。
また、本発明において、1時間以上、前記液供給口及び前記スロット以外の開口を閉じて前記マニホールド内に前記塗布液を存在させることが好ましい。
また、本発明において、前記ダイを塗布位置と異なる位置に置いて前記塗布液の流量を増加させる工程を含むことが好ましい。
また、本発明において、前記可撓性支持体を塗布位置において回転部材に巻き掛けて支持するとともに、前記可撓性支持体の走行方向上流側の塗布ビードを減圧する、又は、下流側の塗布ビードを加圧することが好ましい。このように、支持体をバックアップローラ等の回転部材で支持した状態で塗布を行えば、支持体の凹凸形状の影響を受けにくく、塗布膜が安定的に形成でき良好な面状を得ることができるからである。
また、本発明において、前記スロットダイがエクストルージョン方式の塗布ヘッドであることが好ましい。このようなエクストルージョンコーターは、各種タイプのスロットダイコーターのなかでも、低粘度の塗布液の塗布に適しており、本発明の効果が良好に得られる。
また、本発明において、前記光学フィルムが防眩性フィルムであることが好ましい。このような防眩性フィルムに、本発明の効果が発揮できる。
以上説明したように、本発明によれば、塗布する際の粒子沈降に伴うスジ状欠陥、点状欠陥、塗布量分布などの面状欠陥を防止できる。
以下、添付図面に従って、本発明に係る塗布方法及び防眩性フィルムの製造方法の好ましい実施の形態について詳説する。
図1は、本発明に係る塗布方法及び防眩性フィルムの製造方法が適用される防眩性フィルムの製造ライン10を示す構成図である。図2は、この製造ラインのうち、塗布手段であるスロットダイ12(塗布ヘッド)の一部を切断して示す斜視図であり、図3は、スロットダイ12の先端部分と帯状可撓性の支持体(以下、「ウェブW」という)との位置関係を示す概略断面図である。
防眩性フィルムの製造ライン10は、図1に示されるように、送り出し機66からウエブW(予め配向膜形成用のポリマー層が形成された透明なウエブWの場合もある)が送り出されるようになっている。ウエブWはガイドローラ68によってガイドされて除塵機74に送りこまれようになっている。除塵機74は、ウエブWの表面に付着した塵を取り除くことができるようになっている。
除塵機74の下流にはエクストルージョン方式の塗布ヘッドであるスロットダイ12が設けられており、ディスコネマティック液晶を含む塗布液がウエブWに塗布できるようになっている。この塗布工程において、ウェブWを巻き掛けて支持するバックアップローラ11に相対するように、スロットダイ12が設けられている。このスロットダイ12には塗布液Fが供給されるようになっている。
この下流には、乾燥ゾーン76、加熱ゾーン78が順次設けられており、ウエブW上に液晶層が形成できるようになっている。更に、この下流には紫外線ランプ80が設けられており、紫外線照射により、液晶を架橋させ、所望のポリマーを形成できるようになっている。そして、この下流に設けられた巻取り機82により、ポリマーが形成されたウエブWが巻き取られるようになっている。
図2及び図3に示されるように、スロットダイ12には、塗布液を供給できるような下記の液供給系が設けられている。すなわち、スロットダイ12の本体13には、長手方向(ウェブWの幅方向)に延びたマニホールド14と、マニホールド14と連通するとともに、長手方向(ウェブWの幅方向)においてウェブWと対向し、開口部より塗布液Fを塗出するスロット16と、マニホールド14へ塗布液Fを供給する液供給口18と、マニホールド14から塗布液Fを引き抜く液排出口20と、を備えている。
マニホールド14は、「液溜め部」又は「ポケット」とも称され、その断面が略円形をなし(断面を矩形とすることも可)、図2に示されるように、ウェブWの幅方向に略同一の断面形状をもって延長された液溜め機能を有する空洞部である。その有効長さは、通常、塗布幅と同等又は若干長く設定される。
マニホールド14の貫通した両端開口部は、図2に示されるように、本体13の両端部に取付けられる閉鎖板22、24により閉止されている。なお、既述の液供給口18は閉鎖板22に、液排出口20は閉鎖板24にそれぞれ設けられている。
スロット16(「スリット」とも称呼される)は、マニホールド14からウェブWに向け、通常、0. 01〜0. 5mmの開口幅をもってスロットダイ12の本体13内部を貫通し、かつマニホールド14と同じようにウェブWの幅方向に延長された比較的狭隘な流路であり、ウェブWの幅方向の開口長さは塗布幅と略同等に設定される。このスロット16の開口幅は、20μm以下の薄層の塗布を行う場合には、小さくすることが望ましく、300μm以下とするのが好ましい。
なお、スロット16におけるウェブWに向けた流路の長さは、塗布液Fの液組成、物性、供給流量、供給液圧、等の諸条件を考慮して適宜設定し得る。すなわち、塗布液FがウェブWの幅方向に均一な流量と液圧分布をもって層流状にスロット16から供給できればよい。
次に、スロットダイ12の先端部分について、図3を参照しながら説明する。スロット16は、スロットダイ12の本体13(図2参照)のフロントエッジ26とバックエッジ28とにより形成される。スロットダイ12の本体13の上面(ウェブWと対向する面)には、上流側より、フロントエッジ面26a、バックエッジ面28aがそれぞれ形成されている。
図3に示されるように、フロントエッジ面26aは断面が略直線状に、バックエッジ面28aは、断面が山型に形成されている。また、フロントエッジ面26aの後端エッジ部26bとバックエッジ面28aの先端エッジ部28bとには所定の段差が設けられ、塗布液Fの所定厚さの膜が形成できるようになっている。
なお、図3に示されるフロントエッジ面26a、バックエッジ面28aの断面形状は一例であり、他の断面形状、たとえば円弧状、放物線状等、各種の形状が採用できる。
スロット16の、マニホールド14との境界部から開口部までの距離(ウェブWに向けた流路の長さ)は、スロット16のウェブWの幅方向の開口長さ、塗布液Fの液組成、物性、供給流量、供給液圧、等の諸条件により異なるが、スロット16のウェブWの幅方向の開口長さが1000〜1200mm程度の場合には30〜80mmの範囲が好ましく採用できる。
なお、図示の構成と異なり、スロットダイ12に減圧チャンバーを設けることもできる。
次に、スロットダイ12に塗布液Fを供給する液供給系について説明する。図4は、液供給系30の構成を説明する正面図である。この液供給系30において、塗布液タンク32に蓄えられている塗布液Fは、ポンプ34によって給液配管36を経て圧送され、スロットダイ12の液供給口18(図2参照)に供給されるようになっている。
一方、スロットダイ12の液排出口20にも、戻り配管38が接続されており、バルブ40を経て塗布液タンク32の上部より塗布液タンク32に塗布液Fが戻るように配管されている。
この構成により、スロットダイ12のマニホールド14の入口(液供給口18)に供給される塗布液Fの一部がマニホールド14の出口(液排出口20)より引き抜かれるようになっている。すなわち、マニホールド14内の塗布液Fを回流させることができる。
このようにすることによって、低粘度の塗布液Fであっても、また、沈降性の高い粒子を含む塗布液Fであっても、塗布液Fはマニホールド14内を均一な速い速度で流れるので、塗布面上の幅方向(ウェブWの走行方向と垂直な方向)の均一性が向上する。また、引き抜いた塗布液Fを密閉した系のまま塗布液タンク32に戻すことにより、密閉性を保つことが可能である。更に、マニホールド14内に泡が付着し残留することを防ぐこともできる。
なお、バルブ40は、開閉具合を変化させることにより、塗布液タンク32に戻す塗布液Fの量を微調整できるように設けられたもので、必須の構成要素ではない。また、バルブ40に代えて、塗布液Fの引き抜き用の新たなポンプを設ける構成をも採用できる。
ポンプ34としては、ダイヤフラムポンプを用いることが望ましい。ポンプ34としてギアポンプを採用することもできるが、塗布液Fに含まれる粒子の径が大きい場合には、ギアポンプでは噛み込みがあるので、ダイヤフラムポンプを用いることが望ましい。
塗布液タンク32には、攪拌手段(たとえば、スターラ)を設けることが好ましい。すなわち、沈降性粒子を含む塗布液Fが常に攪拌される状態になっていることが好ましい。
給液配管36及び戻り配管38としては、塗布液Fに含まれる気泡の引っ掛かり(付着)を防止できるよう、内面が平滑なストレート形状を用いることが望ましい。
次に、上記の防眩性フィルムの製造ライン10による塗布方法について説明する。
防眩性フィルム等の光学フィルムに用いるウェブWとしては、透明なプラスチックフィルムを用いることが好ましい。プラスチックフィルムの材料の例には、セルロースエステル(例、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、プロピオニルセルロース、ブチリルセルロース、アセチルプロピオニルセルロース、ニトロセルロース)、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステル(例、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−1,2−ジフェノキシエタン−4,4' −ジカルボキシレート、ポリブチレンテレフタレート)、ポリスチレン(例、シンジオタクチックポリスチレン)、ポリオレフィン(例、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチルペンテン)、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリメチルメタクリレート及びポリエーテルケトンが含まれる。
特に、トリアセチルセルロースが好ましく用いられる。トリアセチルセルロースフィルムとしては、TAC−TD80U(富士写真フィルム(株)製)等の公知のもの、公開技報番号2001−1745にて公開されたものが好ましく用いられる。
ウェブWの光透過率は、80%以上であることが好ましく、86%以上であることが更に好ましい。ウェブWのヘイズは、2.0%以下であることが好ましく、1.0%以下であることが更に好ましい。ウェブWの屈折率は、1.4〜1.7であることが好ましい。
ウェブWの厚さは特に限定されないが、30〜150μmが好ましく、40〜130μmがより好ましく、70〜120μmが更に好ましい。
塗布液F用分散媒としては、特に限定されない。単独でも2種以上を混合して使用してもよい。
好ましい分散媒体としては、沸点が60〜170°Cの液体を用いることが好ましい。分散溶媒の具体例としては、水、アルコール(例、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ベンジルアルコールメタノール、イソブチルアルコール等)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン)、エステル(例、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、蟻酸メチル、蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸ブチル)、エチルエーテル、1,4 −ジオキサン等のエーテル類、エチレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素類、ノルマルヘキサン等の脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素(例、ベンゼン、トルエン、キシレン)、アミド(例、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、n−メチルピロリドン)、エーテル(例、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラハイドロフラン)、エーテルアルコール(例、1−メトキシ−2−プロパノール)、クロルベンゼン、オルトージクロルベンゼン等の塩化芳香族炭化水素類、モノクロルメタン等のメタン誘導体、モノクロルエタン等のエタン誘導体等を含む塩化脂肪族炭化水素類、が挙げられる。
中でも、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン及びブタノールが特に好ましく、ケトン類の単独又は2種以上の混合により作成される塗布用分散媒が特に好ましい。
本発明の塗布方式は、液物性により塗布可能な上限の速度が大きく影響を受けるため、塗布する瞬間の液物性、特に粘度及び表面張力を制御する必要がある。
粘度については10Pa・s以下であることが好ましく、8mPa・s以下であることがより好ましい。一方、粘度が低いほど粒子は沈降しやすいため、マニホールド内の流速を上げる本発明の沈降防止策と組み合わせて条件最適化を図ることができる。
塗布液Fによっては、せん断速度により粘度が変化するものもあるため、上記の値は塗布される瞬間のせん断速度における粘度を示している。塗布液Fにチキソトロピー剤を添加して、高せん断のかかる塗布時は粘度が低く、塗布液Fにせん断が殆どかからない乾燥時は粘度が高くなると、乾燥時のムラが発生しにくくなり、好ましい。
また、液物性ではないが、ウェブに塗布される塗布液Fの量も、塗布可能な上限の速度に影響を与える。ウェブに塗布される塗布液Fの量は2.0〜20.0g/m2 であることが好ましい。ウェブに塗布される塗布液Fの量を増やすと、塗布可能な上限の速度が上がるため好ましいが、ウェブに塗布される塗布液Fの量を増やしすぎると、乾燥にかかる負荷が大きくなるため、液処方・工程条件によって最適なウェブに塗布される塗布液Fの量を決めることが好ましい。
表面張力については、15〜36mN/mの範囲にあることが好ましい。レベリング剤を添加するなどして表面張力を低下させることは、乾燥時のムラが抑止されるため好ましい。一方、表面張力が下がりすぎると、塗布可能な上限の速度が低下してしまうため、17〜34mN/mの範囲がより好まく、19〜32mN/mの範囲が更に好ましい。
粒子と塗布液の比重差が大きいほど本発明の効果が大きく、比重差が0.01以上ある場合に有効に用いられ、特に比重差が0.1以上の時に顕著な効果を発揮する。
一般に、粒径が大きいほど粒子沈降速度は速くなる。粒子自体が重いために、一旦沈降した粒子を流速アップで除去する(流速を上げてマニホールド内壁面剪断力を上げることで沈降粒子を巻き上げる)ことも難しくなる傾向がある。粒径1μm以下の粒子は沈降速度が遅いため、本発明を用いなくても長時間塗布時の沈降による弊害はあまり問題にならない。
防眩性フィルムの基本的な構成は、以下のようにできる。図5は、防眩性フィルムの一例を模式的に示す概略断面図である。防眩性フィルム50は、ウェブW、ハードコート層52、防眩性ハードコート層54、そして屈折率が最も低い低屈折率層56の順序の層構成となっている。
防眩性ハードコート層54には、微粒子60が分散しており、防眩性ハードコート層54の微粒子60以外の部分の素材の屈折率が1.48〜2.00の範囲にあることが好ましく、低屈折率層56の屈折率は1.38〜1.49の範囲にあることが好ましい。
ハードコート層はこのように防眩性を有するハードコート層でもよいし、防眩性を有しないハードコート層でもよく、1層でもよいし、複数層、たとえば2層〜4層で構成されていてもよい。したがって、図5に示されるハードコート層52は必須の構成ではないがフィルム強度付与のために設けられることが好ましい。
同様に低屈折率層56においても1層で構成されていてもよいし、複数層で構成されていてもよい。
防眩層は微粒子を含有する活性線硬化樹脂層である。活性線硬化樹脂層とは紫外線や電子線のような活性線照射により架橋反応等を経て硬化する樹脂を主たる成分とする層をいう。
活性線硬化樹脂としては、エチレン性不飽和二重結合を有するモノマーを含む成分が好ましく用いられ、紫外線や電子線のような活性線を照射することによって硬化させて防眩層が形成される。活性線硬化樹脂としては紫外線硬化性樹脂や電子線硬化性樹脂等が代表的なものとして挙げられるが、紫外線照射によって硬化する樹脂が好ましい。
紫外線硬化性樹脂としては、たとえば、紫外線硬化型ウレタンアクリレート系樹脂、紫外線硬化型ポリエステルアクリレート系樹脂、紫外線硬化型エポキシアクリレート系樹脂、紫外線硬化型ポリオールアクリレート系樹脂、または紫外線硬化型エポキシ樹脂等が好ましく用いられる。
紫外線硬化型アクリルウレタン系樹脂は、一般にポリエステルポリオールにイソシアネートモノマー、またはプレポリマーを反応させて得られた生成物に更に2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(以下アクリレートにはメタクリレートを包含するものとしてアクリレートのみを表示する)、2−ヒドロキシプロピルアクリレート等の水酸基を有するアクリレート系のモノマーを反応させることによって容易に得ることができる。たとえば、特開昭59−151110号に記載のものを用いることができる。
紫外線硬化型ポリエステルアクリレート系樹脂としては、一般にポリエステルポリオールに2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシアクリレート系のモノマーを反応させると容易に形成されるものを挙げることが出来、特開昭59−151112号に記載のものを用いることができる。
紫外線硬化型エポキシアクリレート系樹脂の具体例としては、エポキシアクリレートをオリゴマーとし、これに反応性希釈剤、光反応開始剤を添加し、反応させて生成するものを挙げることが出来、特開平1−105738号に記載のものを用いることができる。
紫外線硬化型ポリオールアクリレート系樹脂の具体例としては、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等を挙げることができる。
これら紫外線硬化性樹脂の光反応開始剤としては、具体的には、ベンゾイン及びその誘導体、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、α−アミロキシムエステル、チオキサントン等及びこれらの誘導体を挙げることができる。光増感剤と共に使用してもよい。上記光反応開始剤も光増感剤として使用できる。
また、エポキシアクリレート系の光反応開始剤の使用の際、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン等の増感剤を用いることができる。紫外線硬化樹脂組成物に用いられる光反応開始剤また光増感剤は該組成物100質量部に対して0.1〜15質量部であり、好ましくは1〜10質量部である。
樹脂モノマーとしては、たとえば、不飽和二重結合が一つのモノマーとして、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、ベンジルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、酢酸ビニル、スチレン等の一般的なモノマーを挙げることができる。
また不飽和二重結合を二つ以上持つモノマーとして、エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ジビニルベンゼン、1,4−シクロヘキサンジアクリレート、1,4−シクロヘキシルジメチルアジアクリレート、前出のトリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリルエステル等を挙げることができる。
本発明において使用し得る紫外線硬化樹脂の市販品としては、アデカオプトマーKR・BYシリーズ:KR−400、KR−410、KR−550、KR−566、KR−567、BY−320B(旭電化(株)製);コーエイハードA−101−KK、A−101−WS、C−302、C−401−N、C−501、M−101、M−102、T−102、D−102、NS−101、FT−102Q8、MAG−1−P20、AG−106、M−101−C(広栄化学(株)製);セイカビームPHC2210(S)、PHCX−9(K−3)、PHC2213、DP−10、DP−20、DP−30、P1000、P1100、P1200、P1300、P1400、P1500、P1600、SCR900(大日精化工業(株)製);KRM7033、KRM7039、KRM7130、KRM7131、UVECRYL29201、UVECRYL29202(ダイセル・ユーシービー(株)製);RC−5015、RC−5016、RC−5020、RC−5031、RC−5100、RC−5102、RC−5120、RC−5122、RC−5152、RC−5171、RC−5180、RC−5181(大日本インキ化学工業(株)製);オーレックスNo.340クリヤ(中国塗料(株)製);サンラッドH−601、RC−750、RC−700、RC−600、RC−500、RC−611、RC−612(三洋化成工業(株)製);SP−1509、SP−1507(昭和高分子(株)製);RCC−15C(グレース・ジャパン(株)製)、アロニックスM−6100、M−8030、M−8060(東亞合成(株)製)等を適宜選択して利用できる。
また、具体的化合物例としては、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等を挙げることができる。
防眩性ハードコート層に使用される無機微粒子としては、酸化珪素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化スズ、酸化インジウム、ITO、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成ケイ酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム及びリン酸カルシウムを挙げることができる。特に、酸化珪素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウムなどが好ましく用いられる。
また有機粒子としては、ポリメタアクリル酸メチルアクリレート樹脂粉末、アクリルスチレン系樹脂粉末、ポリメチルメタクリレート樹脂粉末、シリコン系樹脂粉末、ポリスチレン系樹脂粉末、ポリカーボネート樹脂粉末、ベンゾグアナミン系樹脂粉末、メラミン系樹脂粉末、ポリオレフィン系樹脂粉末、ポリエステル系樹脂粉末、ポリアミド系樹脂粉末、ポリイミド系樹脂粉末、或いはポリ弗化エチレン系樹脂粉末等紫外線硬化性樹脂組成物に加えることができる。特に好ましくは、架橋ポリスチレン粒子(たとえば、綜研化学製SX−130H、SX−200H、SX−350H)、ポリメチルメタクリレート系粒子(たとえば、綜研化学製MX150、MX300)が挙げられる。
これらの微粒子粉末の平均粒径としては、1 〜5μmが好ましく1.5〜4μmであることが特に好ましい。
また、粒径の異なる2種以上の微粒子を含有することも好ましく、少なくとも1種は防眩層の平均膜厚よりも粒径が大きな微粒子であると防眩性の効果を高める上で好ましい。防眩層の平均膜厚よりも粒径が大きな微粒子は、有機物微粒子が用いられる。
紫外線硬化樹脂組成物と微粒子の割合は、樹脂組成物100質量部に対して、0.1〜50質量部となるように配合することが望ましい。
紫外線硬化樹脂層は、JIS B0601で規定される中心線平均粗さ(Ra)が、0.01〜0.5μmの防眩層であることが好ましい。中心線平均粗さ(Ra)は光干渉式の表面粗さ測定器で測定することが好ましく、たとえばWYKO社製RST/PLUSを用いて測定することができる。
十分な耐久性、耐衝撃性を付与する観点から、防眩層の膜厚は0.5μm〜10μmの範囲が好ましく、更に好ましくは、1μm〜5μmである。
防眩層表面の微細な凹凸は、上記記載の微粒子の添加量、粒径、膜厚等を調整することにより、より好ましい凹凸を有する防眩層を得ることができる。
防眩層表面の微細な凹凸は市販の触針式表面粗さ測定機或いは市販の光学干渉式表面粗さ測定機等によって測定することができる。たとえば、光学干渉式表面粗さ測定機によって、約4000μm2 の範囲(55μm×75μm)について凹凸を2次元的に測定し、凹凸を底部側より等高線のごとく色分けして表示する。
防眩層を付与した防眩フィルムの上に反射防止層を設けることができる。防眩フィルムの最上層に低屈折率層を形成し、その間に高屈折率層の金属酸化物層を形成したり、更に防眩フィルムと高屈折率層との間に更に中屈折率層(金属酸化物の含有量或いは樹脂バインダーとの比率、金属の種類を変更して屈折率を調整した金属酸化物層)を設けることは、反射率の低減のために、好ましい。
高屈折率層の屈折率は、1.55〜2.30であることが好ましく、1.57〜2.20であることが更に好ましい。中屈折率層の屈折率は、基材であるセルロースエステルフィルムの屈折率(約1.5)と高屈折率層の屈折率との中間の値となるように調整する。中屈折率層の屈折率は、1.55〜1.80であることが好ましい。
各層の厚さは、5nm〜0.5μmであることが好ましく、10nm〜0.3μmであることが更に好ましく、30nm〜0.2μmであることが最も好ましい。金属酸化物層のヘイズは、5%以下であることが好ましく、3%以下であることが更に好ましく、1%以下であることが最も好ましい。
金属酸化物層の強度は、1kg荷重の鉛筆硬度で3H以上であることが好ましく、4H以上であることが最も好ましい。金属酸化物層を塗布により形成する場合は、無機微粒子とバインダーポリマーとを含むことが好ましい。
中屈折率層或いは高屈折率層などの金属酸化物層に用いる無機微粒子は、屈折率が1.80〜2.80であることが好ましく、1.90〜2.80であることが更に好ましい。無機微粒子の一次粒子の重量平均径は、1〜150nmであることが好ましく、1〜100nmであることが更に好ましく、1〜80nmであることが最も好ましい。
層中での無機微粒子の重量平均径は、1〜200nmであることが好ましく、5〜150nmであることがより好ましく、10〜100nmであることが更に好ましく、10〜80nmであることが最も好ましい。
無機微粒子の平均粒径は、20〜30nm以上であれば光散乱法により、20〜30nm以下であれば電子顕微鏡写真により測定される。無機微粒子の比表面積は、BET法で測定された値として、10〜400m2 /gであることが好ましく、20〜200m2 /gであることが更に好ましく、30〜150m2 /gであることが最も好ましい。
無機微粒子は、金属の酸化物から形成された粒子である。金属の酸化物または硫化物の例として、二酸化チタン(例、ルチル、ルチル/アナターゼの混晶、アナターゼ、アモルファス構造)、酸化錫、酸化インジウム、ITO、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム等が挙げられる。
中でも、二酸化チタン、酸化錫及び酸化インジウムが特に好ましい。無機微粒子は、これらの金属の酸化物を主成分とし、更に他の元素を含むことができる。主成分とは、粒子を構成する成分の中で最も含有量(質量%)が多い成分を意味する。他の元素の例としては、Ti、Zr、Sn、Sb、Cu、Fe、Mn、Pb、Cd、As、Cr、Hg、Zn、Al、Mg、Si、P及びSが挙げられる。
無機微粒子は表面処理されていてもよい。表面処理は、無機化合物または有機化合物を用いて実施することができる。表面処理に用いる無機化合物の例としては、アルミナ、シリカ、酸化ジルコニウム及び酸化鉄が挙げられる。中でもアルミナ及びシリカが好ましい。
表面処理に用いる有機化合物の例としては、ポリオール、アルカノールアミン、ステアリン酸、シランカップリング剤及びチタネートカップリング剤が挙げられる。中でも、シランカップリング剤が最も好ましい。二種類以上の表面処理を組み合わせて処理されていても構わない。
無機微粒子の形状は、米粒状、球形状、立方体状、層状、紡錘形状或いは不定形状であることが好ましい。二種類以上の無機微粒子を金属酸化物層に併用してもよい。
金属酸化物層中の無機微粒子の割合は、5〜90体積%であることが好ましく、より好ましくは10〜65体積%であり、更に好ましくは20〜55体積%である。
無機微粒子は、媒体に分散した分散体の状態で、金属酸化物層を形成するための塗布液に供される。無機微粒子の分散媒体としては、沸点が60〜170°C°Cの液体を用いることが好ましい。
分散溶媒の具体例としては、水、アルコール(例、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ベンジルアルコール)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン)、エステル(例、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、蟻酸メチル、蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸ブチル)、脂肪族炭化水素(例、ヘキサン、シクロヘキサン)、芳香族炭化水素(例、ベンゼン、トルエン、キシレン)、アミド(例、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、n−メチルピロリドン)、エーテル(例、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラハイドロフラン)、エーテルアルコール(例、1−メトキシ−2−プロパノール)が挙げられる。中でも、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン及びブタノールが特に好ましい。
無機微粒子は、分散機を用いて媒体中に分散することができる。分散機の例としては、サンドグラインダーミル(例、ピン付きビーズミル)、高速インペラーミル、ペッブルミル、ローラーミル、アトライター及びコロイドミルが挙げられる。サンドグラインダーミル及び高速インペラーミルが特に好ましい。また、予備分散処理を実施してもよい。予備分散処理に用いる分散機の例としては、ボールミル、三本ロールミル、ニーダー及びエクストルーダーが挙げられる。
金属酸化物層は、架橋構造を有するポリマー(以下、「架橋ポリマー」ともいう)をバインダーポリマーとして用いることが好ましい。架橋ポリマーの例として、ポリオレフィン等の飽和炭化水素鎖を有するポリマー(以下「ポリオレフィン」と総称する)、ポリエーテル、ポリウレア、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミン、ポリアミド及びメラミン樹脂等の架橋物が挙げられる。
中でも、ポリオレフィン、ポリエーテル及びポリウレタンの架橋物が好ましく、ポリオレフィン及びポリエーテルの架橋物が更に好ましく、ポリオレフィンの架橋物が最も好ましい。また、架橋ポリマーが、アニオン性基を有することは、更に好ましい。アニオン性基は、無機微粒子の分散状態を維持する機能を有し、架橋構造は、ポリマーに皮膜形成能を付与して皮膜を強化する機能を有する。
上記アニオン性基は、ポリマー鎖に直接結合していてもよいし、連結基を介してポリマー鎖に結合していてもよいが、連結基を介して側鎖として主鎖に結合していることが好ましい。
低屈折率層の形成に用いる含フッ素樹脂には、耐傷性を改善するために酸化珪素微粒子を添加して用いるのが好ましい。添加量は、屈折率と耐傷性との兼ね合いで調整される。酸化珪素微粒子は、市販の有機溶剤に分散されたシリカゾルをそのまま塗布組成物に添加することができ、或いは市販の各種シリカ紛体を有機溶剤に分散して使用することもできる。
低屈折率層形成用の塗布組成物は、主に低沸点の溶媒を含むことが好ましい。具体的には、沸点が100°C以下の溶媒が全溶媒の50質量%以上であることが好ましい。これによって、防眩層のように凹凸を有する基材表面に塗布した場合でも、速やかに乾燥させることができ、塗布液の流動による微細な膜厚むらが低減され、反射率の増加が抑制される。
また、沸点が100°C以上の溶媒が含まれていると乾燥むらや白濁むらが抑制されるため好ましく、沸点が100°C以上の溶媒が0.1〜50質量%含有していることが好ましい。
低屈折率層用の塗布組成物に用いられる低沸点の溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類、メチルセロソルブ等のエーテルアルコール類、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類等の中から、塗布組成物中に含まれる固形分の溶解性の高いものが好ましく用いられる。
沸点が100°Cを越える塗布溶媒としては、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、メチル−イソブチルケトン等のケトン類、ジアセトンアルコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテルアルコール類、1−ブタノール、2−ブタノール等のアルコール類等が用いられる。
反射防止膜の各層は、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、マイクログラビアコート法やエクストルージョンコート法により、塗布により形成することができる。
沈降性粒子を含む低粘液のスロットダイ塗布の代表例としての防眩性フィルムの製造は、以下のように行われる。
送り出し機66のウェブWが巻回されたロールからウェブWがクリーン室に連続的に送り出され、クリーン室内で、ウェブWに帯電している静電気を静電除電装置により除電し、引き続きウェブW上に付着している異物を、除塵装置74により除去する。引き続きクリーン室内に設置されているスロットダイ12において塗布液FがウェブW上に塗布される。この塗布工程については、後で詳述する。
塗布液Fが塗布されたウェブWは、乾燥ゾーン76、加熱ゾーン78を経て、表面に液晶層が形成される。更に紫外線ランプ80により液晶層が照射され、液晶が架橋されることにより、所望のポリマーが形成される。そして、このポリマーが形成されたウエブ16は巻取り機82により巻き取られる。
以下、塗布液Fを塗布する工程について説明する。
塗布液タンク32よりポンプ34により圧送された塗布液Fは、給液配管36によりスロットダイ12に供給される。液供給口18よりロットダイ12に供給された塗布液Fは、マニホールド14内部を液排出口20に向って所定の流速で流れるとともに、その一部がスロット16を経て開口部より塗出し、ウェブW上に塗布される。
この際、マニホールド14へ塗布液Fを供給する液供給量と、マニホールド14から塗布液Fを引き抜く液引き抜き量とは、マニホールド14内全域の塗布液Fの流速が0.1mm/秒以上になるようにする必要がある。
なお、沈降性の粒子を含む塗布液Fであっても、比較的短時間の塗布で粒子沈降に伴う影響が少ない場合には、間欠的に塗布液Fの一部を引き抜くことによって、粒子沈降に伴う欠陥を防止できる。
その場合には塗布液排出口20よりマニホールド14に供給された塗布液Fの一部を排出することにより、10秒以上、マニホールド14内の塗布液Fの流速を10mm/秒以上になるようにする必要がある。マニホールド内の沈降粒子を除去することが目的なので、単に排出口を開けて液を排出するだけでなく、ポンプを用いて引き抜いたり、洗浄液をマニホールド内に注入して押し出したり、積極的な沈降除去手法を用いてももちろん良い。
連続して1時間以上塗布を行う際には、生産性との兼ね合いもあるが、悪影響が出る前に沈降粒子を除去する必要がある。一旦沈降粒子を除去すれば、塗布を再開した後しばらく粒子沈降に伴うスジ状欠陥、点状欠陥、塗布量分布などの面状欠陥を防止することができる。
次に、塗布液Fを塗布する工程における、粒子沈降への対処以外の留意点について説明する。光学フィルムの製造においては、上記の粒子沈降以外に、塗布液F中の微細な気泡により、スジ状欠陥、点状欠陥などの面状欠陥を生じやすい。以下の説明は、主に塗布液F中の気泡に対処するための留意点である。
塗布の際に、塗布液F中の気泡がスロット16の入口(閉鎖板22の下面)に引っ掛かると塗布スジを生じやすいので、気泡を除去することが望ましい。このため、塗布液Fとして脱気液を用いることが望ましい。この場合、膜脱気装置等の導入が採用できる。その際、粒子の沈降がなるべく起きないよう条件を整えることが望ましい。
液供給系30の塗布液タンク32においては、気泡が混入するなど塗布液F中の酸素飽和度が上がらない程度に攪拌条件を整えることが望ましい。たとえば、攪拌速度が速すぎたり、攪拌具(プロペラ等)が液面近くにあると、塗布液Fへ気泡が混入する原因となるので、このようなことがないように留意する必要がある。
なお、塗布液Fの脱気を塗布液タンク32の下流で行うとより気泡が発生しにくい。また、塗布液Fの脱気を塗布液タンク32に投入する前に行っておくとより良い。
以上、本発明に係る沈降性粒子を含む液(防眩性塗布液)の塗布方法の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、各種の態様が採り得る。
たとえば、本実施形態において、図4に示されるような構成の液供給系30が採用されているが、これ以外の各種の態様が採り得る。一例として、給液配管36に濾過フィルタ、膜脱気装置、流量計、圧力センサ、圧力調整バルブ等を設け、給液配管36よりスロットダイ12に供給する塗布液Fの脱泡を図る構成も好ましく採用できる。
同様に、給液配管36及び戻り配管38に流量計、圧力センサ等を設け、これらの検出値により制御手段(CPU等)が塗布流量を算出し、適正値になるように制御手段(CPU等)がバルブ40やポンプ34を制御する構成も好ましく採用できる。
また、本実施形態では、スロットダイ12のフロントエッジ面26a及びバックエッジ面28aの形状が例示されているが、これ以外の各種の態様が採り得る。
また、本実施形態では、スロットダイ12の一端に液供給口18が設けられているが、これ以外の態様、たとえば、スロットダイ12の中央に液供給口が設けられ、スロットダイ12の両端に液排出口が設けられる態様も採り得る。
以下に、実施例をもって本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
紫外線硬化性ハードコート組成物(デソライトZ−7526、72重量%、JSR(株)製)250gを62gのメチルエチルケトン及び88gのシクロヘキサノンに溶解した溶液を加えた。(なお、この溶液を塗布後、紫外線硬化させて得られた塗布膜の屈折率は1.50であった。)
更に、この溶液を孔径30μmのポリプロピレン製フィルタ(PPE−30、富士写真フイルム(株)製)でろ過してハードコート層の塗布液を調製した。
厚さ80μm、幅1.5mのセルローストリアセテートフィルム(商品名:TAC−TD80U、富士写真フイルム(株)製)に、上記のハードコート層用塗布液をバーコータを用いて塗布し、120°Cで乾燥の後、160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm2 、照射量300mJ/cm2 の紫外線を照射して塗布層を硬化させた。これにより、ハードコート層が形成された。
防眩フィルム用の塗布液を調合した。ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとの混合物(DPHA、日本化薬(株)製)を91g、粒径約30nmの酸化ジルコニウム超微粒子分散物含有ハードコート塗布液(デソライトZ−7401、JSR(株)製)を199g、粒径約30nmの酸化ジルコニウム超微粒子分散物含有ハードコート塗布液(デソライトZ−7402、JSR(株)製)19gを52gのメチルエチルケトン/シクロヘキサノン=54/46重量%の混合溶媒に溶解させた。
得られた溶液に、光重合開始剤(イルガキュア907、チバファインケミカルズ(株)製)10gを加えた。(なお、この溶液を塗布後、紫外線硬化させて得られた塗布膜の屈折率は1.61であった。)
更に、この溶液に個数平均粒径1.99μm、粒径の標準偏差0.32μm(個数平均粒径の16%)の架橋ポリスチレン粒子(SX−200HS、綜研化学(株)製、比重1.05)を20g、80gのメチルエチルケトン100%溶媒に高速ディスパにて5000rpmで1時間攪拌分散し、孔径10μm、3μm、1μmのポリプロピレン製フィルタ(それぞれPPE−10、PPE−03、PPE−01、いずれも富士写真フイルム(株)製)にて順に濾過して得られた分散液29gを添加し、攪拌した後、孔径30μmのポリプロピレン製フィルタで濾過して防眩層用の塗布液を得た。
マニホールドの直径が20mm、マニホールドの幅方向長さが1.5mのダイを用いて、ハードコート液が塗布された支持体に、塗布量10ml/m2 、塗布幅1.45m、塗布速度20m/分で連続塗布し、上記ハードコート層と同一条件にて乾燥、紫外線硬化させて、厚さ約5μmの防眩層を形成した。
液条件を振って傾向を見るために、溶媒比、ハードコート組成物量、粒子材質、粒子径を適宜組み合わせてテストを行った。テストに用いた有機溶媒、粒子の物性を図6の表に示す。
以下、順に塗布結果(実施例1〜実施例6)を示す。
各実施例における各種の沈降除去策は、全てダイを塗布位置から退避させた位置で行った。沈降除去時も塗布時と同じ量の送液を続けた。
[実施例1]
粒子濃度を3重量%、液粘度を5mPa・s、粒子材質をポリスチレン( 比重1.05、粒径1〜10μmの綜研化学(株)製SXシリーズ、粒径0.1μmと0.5μmのモリテックス(株)製粒子径標準粒子3000シリーズを使用。) の条件で行ったテスト結果を以下に示す。
液排出口を開き、メチルエチルケトンで湿らせた布をプラスチック製の棒の先端に付けて、マニホールド内を擦ることによって沈降粒子を除去した。その後液排出口を閉じて再送液・塗布を1時間行い、塗布面状の点状欠陥数を確認した。結果を図7の表に示す。
図7の表によれば、点状欠陥は全て反給液側に現れた。そして、粒子径が大きい場合、特に、本発明の工程が粒子沈降の弊害を抑えて長時間連続塗布するのに有効であることが解った。
[実施例2]
粒子径が3μm、液粘度が5mPa・s、粒子材質がポリスチレン( 比重1.05) 、液と粒子との比重差が0.2g/cm3 の条件で、粒子濃度を変化させ、送液開始1時間後の塗布面状の点状欠陥数を確認した。結果を図8の表に示す。
図8の表によれば、粒子濃度が高い場合、特に、本発明の工程が粒子沈降の弊害を抑えて長時間連続塗布するのに有効であることが解った。
[実施例3]
粒子径が3μm、粒子濃度が3%、粒子材質がポリスチレン( 比重1.05) 、液と粒子との比重差が0.2g/cm3 の条件で、溶媒組成比とハードコート組成物の濃度を変化させることによって液粘度を変え、送液開始1時間後の塗布面状の点状欠陥数を確認した。結果を図9の表に示す。
図9の表によれば、液粘度が低い場合、特に、本発明の工程が粒子沈降の弊害を抑えて長時間連続塗布するのに有効であることが解った。
[実施例4]
粒子径が3μm、粒子濃度が3%、液粘度が5mPa・sの条件を固定して、溶媒組成比( メチルエチルケトン、シクロヘキサノン) と粒子材質( シリカ、PMMA、ポリスチレン) とハードコート組成物量を変化させることによって液と粒子との比重差を変え、送液開始1時間後の塗布面状の点状欠陥数を確認した。結果を図10の表に示す。
図10の表によれば、液と粒子の比重差が大きい場合、特に、本発明の工程が粒子沈降の弊害を抑えて長時間連続塗布するのに有効であることが解った。
[実施例5]
粒子径が3μm、粒子濃度が3重量%、液粘度が5mPa・s、粒子材質がポリスチレン( 比重1.05) 、液と粒子との比重差が0.2g/cm3 の条件で、3時間連続送液後に液排出口のコックを開いて液を排出した。その後コックを閉じて再送液・塗布を1時間行い、塗布面状の点状欠陥数を確認した。結果を図11の表に示す。
図11の表によれば、マニホールド内の線流速を速くしてある程度以上の時間、その流速を保持することにより、充分な沈降粒子除去効果が得られることが解った。
[実施例6]
既述のハードコート層の上に、粒子径が3μm、粒子濃度が3重量%、液粘度が5mPa・s、粒子材質がポリスチレン( 比重1.05) 、液と粒子との比重差が0.2g/cm3 の液を、図2に示される反給液口から液を引き抜くスロットダイ12及び全量塗布型のスロットダイをそれぞれ使用して、24時間連続塗布を行い、塗布面状の点状欠陥数を比較した。
なお、全量塗布型のダイとは、図2に示される本発明のスロットダイ12を用いて示せば、液排出口20が設けられていないスロットダイであって、液供給口18より供給された塗布液Fがマニホールド14から引き抜かれることなく、塗布液Fの全量が塗布されるタイプのものである。結果を図12の表に示す。
図12の表によれば、マニホールド内全域で常にある程度以上の線流速を維持できる引き抜き塗布方式を用いることによって、沈降の弊害なく、長時間安定塗布できることが解った。
本発明に係る塗布方法及び防眩性フィルムの製造方法が適用される防眩性フィルムの製造ラインを示す構成図 スロットダイの一部を切断して示す斜視図 塗布ヘッドの先端部分とウェブとの位置関係を示す概略断面図 液供給系の構成を説明する正面図 防眩性フィルムの一例を模式的に示す概略断面図 実施例の条件を示す表 実施例1の条件及び結果を示す表 実施例2の条件及び結果を示す表 実施例3の条件及び結果を示す表 実施例4の条件及び結果を示す表 実施例5の条件及び結果を示す表 実施例6の条件及び結果を示す表
符号の説明
10…塗布工程、11…バックアップローラ、12…スロットダイ、14…マニホールド、16…スロット、18…液供給口、20…液排出口、30…液供給系、32…塗布液タンク、34…ポンプ、36…給液配管、38…戻り配管、F…塗布液、W…可撓性支持体(ウェブ)

Claims (10)

  1. 粒径1μm以上の粒子を0.5重量%以上含み、該粒子の比重が塗布液より0.01g/cm3 以上大きく、粘度が10mPa・s以下の塗布液を、スロットへ供給するマニホールドと該マニホールドと連通し前記塗布液を外部に吐出させる前記スロットとを内部に備えたスロットダイを使用して連続走行する可撓性支持体上に塗布する塗布方法において、
    塗布中は液供給口と前記スロット以外の開口を全て閉じて送液量の全量を前記可撓性支持体上に塗布し、
    塗布を一時中断させ、その間に前記マニホールド内の前記塗布液中の沈降粒子を除去し、
    その後、塗布を再開させることを特徴とする塗布方法。
  2. 塗布一時中断中に、前記スロット以外の開口から前記マニホールド内の前記塗布液を排出させ、前記マニホールド内の前記塗布液の線流速を10mm/s以上で10秒以上保持させる工程を含む請求項1に記載の塗布方法。
  3. 1時間以上、前記液供給口及び前記スロット以外の開口を閉じて前記マニホールド内に前記塗布液を存在させる請求項1又は2に記載の塗布方法。
  4. 前記ダイを塗布位置と異なる位置に置いて前記塗布液の流量を増加させる工程を含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の塗布方法。
  5. 粒径1μm以上の粒子を0.5重量%以上含み、該粒子の比重が塗布液より0.01g/cm3 以上大きく、粘度が10mPa・s以下の塗布液を、スロットへ供給するマニホールドと該マニホールドと連通し前記塗布液を外部に吐出させる前記スロットとを内部に備えるスロットダイを使用して連続走行する可撓性支持体上に塗布する塗布方法において、
    前記スロットダイの塗布液供給口と別位置に設けられた塗布液排出口より前記マニホールドに供給された前記塗布液の一部を引き抜くことにより前記マニホールド全域で前記塗布液の幅方向線流速を1mm/s以上にすることを特徴とする塗布方法。
  6. 前記可撓性支持体を塗布位置において回転部材に巻き掛けて支持するとともに、前記可撓性支持体の走行方向上流側の塗布ビードを減圧する、又は、下流側の塗布ビードを加圧する請求項1〜5のいずれか1項に記載の塗布方法。
  7. 前記スロットダイがエクストルージョンダイである請求項1〜6のいずれか1項に記載の塗布方法。
  8. 送液ポンプ以外の液排出手段を用いる請求項1〜7のいずれか1項に記載の塗布方法。
  9. 前記塗布液が防眩性粒子を含む請求項1〜8のいずれか1項に記載の塗布方法。
  10. 請求項9に記載の塗布方法を用いた防眩性フィルムの製造方法。


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