JP2002346466A - 微粒子を固着させたフイルムの製造方法 - Google Patents

微粒子を固着させたフイルムの製造方法

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JP2002346466A
JP2002346466A JP2001158223A JP2001158223A JP2002346466A JP 2002346466 A JP2002346466 A JP 2002346466A JP 2001158223 A JP2001158223 A JP 2001158223A JP 2001158223 A JP2001158223 A JP 2001158223A JP 2002346466 A JP2002346466 A JP 2002346466A
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coating film
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fine particles
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JP2001158223A
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Shotaro Ogawa
正太郎 小川
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フイルムの支持体上にビーズを高密度に単層
配置する。 【解決手段】 PVA水溶液にホウ酸を添加した。溶液
にビーズ2を分散し、分散液5を調製する。20℃の分
散液5を塗布装置10によって支持体6上に塗布し、塗
布膜12を形成する。支持体6をローラ33により乾燥
ゾーン20に搬送する。乾燥ゾーン20で、温度調節装
置21により40℃に加熱する。塗布膜12中の溶媒
は、乾燥ゾーン20で蒸発する。ビーズ2は、支持体6
上に沈降した後に固化する。支持体6を巻取り装置36
で巻き取るとフイルムが得られる。溶媒の蒸発時には、
PVA水溶液とホウ酸によって塗布膜12の粘性の上昇
が抑制される。ビーズ2は支持体6上に均一に沈降し、
単層かつ高密度な配置になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、微粒子を固着させ
たフイルムの製造方法に関し、透過型スクリーン材料や
光拡散フイルムなどの光学フイルムに好適に用いられる
フイルムの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】支持体上に微粒子(以下、ビーズまたは
微小ビーズと称する)が固着しているフイルムは、光学
材料として様々な用途があり、例えば、透過型スクリー
ン材料,光拡散フイルムなどに使用されている。このよ
うなフイルムの製造方法は、接着層を形成した後に、微
小ビーズを連続的に走行している支持体上に散布するこ
とにより行われる。しかし、微粒子の直径が30μm以
下のような小さい微小ビーズを散布しようとすると、ビ
ーズが舞い上がりやすいため、支持体上に均一に配置さ
せるのは極めて困難である。
【0003】そこで、ビーズとバインダーとを含む分散
液を支持体に一定量付着させた後に乾燥させることによ
り、ビーズが重なることなく、高密度に単層配置させる
方法が知られている。例えば、ビーズを溶媒に分散させ
た分散液を支持体上に塗布する方法が知られている。分
散液を支持体上に塗布する方法として、浸漬(ディッ
プ)塗布法(特開平5−288903号,特開平7−1
16502号,特開平7−185311号の各公報)、
スピン塗布法(特開平6−210158号公報)、ロー
ルもしくはバーによる塗布法(特開昭61−17156
9号,特開平5−16595号公報)やスライドコート
法やエクストルージョンコート法など(特開平8−24
8216号公報)が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、浸漬法
は、ビーズを高密度に配置できるものの分散液が流れや
すく、ビーズの粒子径が小さいものでないと適用が困難
である。さらに支持体の移動速度が0.001〜0.1
m/minの範囲でしか適用が困難であり、極めて生産
性に劣る。また、スピン塗布法は、分散液の損失が多
く、また円板1枚ごとの製造であるため生産性が劣る。
また、ロールもしくはバーによる塗布法,すロイドコー
ト法,エクストルージョン法は、支持体への分散液の付
着量を制御するのが困難であるため、ビーズを均一かつ
高密度に配置することは極めて難しい。また、支持体上
に塗布した分散液から形成された塗布膜が、乾燥してい
く間にビーズが沈降しながら支持体に付着していくた
め、支持体上でのビーズの配置に関して、抜けや重なり
が発生しやすい問題がある。
【0005】ビーズの抜けや重なりが発生するプロセス
について、図2を用いて説明する。図2(a)には、支
持体41上に塗布膜42が形成された際の、概略断面図
を示している。この際には、塗布膜42は、分散液43
中のビーズ44が偏ることなく均一に分散している。し
かし、塗布膜42の乾燥が始まり、分散液43中の溶媒
が蒸発し始めると、図2(b)に示すように塗布膜42
の厚みが薄くなり、ビーズ44が不均一に沈降し始め
る。また、溶媒が蒸発することでビーズ44や分散液4
3中バインダの濃度が上昇して、塗布膜42の粘度が上
昇していく。このため、ビーズ44の沈降は、次第に遅
くなり、図2(c)に示すように完全に沈降しない状態
で固定されてしまい、ビーズ44の抜けや重なりが発生
する。
【0006】特に、ビーズの濃度を20〜30%以下と
薄くした分散液を用いると、塗布した直後に形成される
塗布膜の状態では、均一にビーズが分散されていてもビ
ーズの間隔が広いため、沈降するのにも時間を要し、ビ
ーズが重なったり、離れたりして固定されてしまう傾向
が高い。これに対して、ビーズの濃度が50%以上のよ
うな分散液を用いると、塗布膜の厚みを薄くすることが
必要になり、かつ塗布液の流動が悪くなるので、均一な
塗布は極めて困難となる。また、分散液から形成される
塗布膜が引き伸ばされるときに、塗布膜がちぎれやす
く、均一な塗布は困難である。なお、特開平8−248
216号公報では、分散液中のビーズ径とバインダ量の
関係を規定しているが、この条件だけでは、ビーズを高
密度に配置させることは困難である。
【0007】本発明は、支持体に高密度かつ単層配置す
るように微粒子を固着させたフイルムの製造方法を提供
することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の微粒子を固着さ
せたフイルムの製造方法は、微粒子を支持体に固着させ
たフイルムの製造方法において、溶媒にバインダを溶解
させた溶液に前記微粒子を分散させた分散液を前記支持
体上に塗布し、塗布膜を形成した後に、前記塗布膜の粘
度上昇を抑制しながら、前記溶媒を蒸発させることによ
り、前記微粒子が均一に沈降して、支持体上に単層かつ
高密度に配置される。この場合、前記バインダが、温度
変化に伴って前記塗布膜の粘性を変化させる物質であ
り、温度制御により前記塗布膜の粘性上昇を抑制するも
のであっても良い。また、前記分散液に、温度変化に伴
って前記塗布膜の粘性を変化させる物質をさらに含有さ
せたものでも良い。さらに、前記塗布膜の粘性を変化さ
せる物質が、前記分散液を構成する溶媒の体積に対して
0.01〜5%の範囲であることが、製造されたフイル
ムの品質を一定に保つためにより好ましい。
【0009】前記粘性が変化する物質が、温度上昇に伴
い前記塗布膜の粘性が低下するものであって、前記塗布
膜の乾燥中の膜面温度を、前記塗布膜を形成した際の温
度より高い温度に制御することが好ましい。また、前記
分散液を塗布した際の温度が、20〜40℃の範囲であ
り、前記塗布膜の乾燥中の膜面温度を30〜60℃の範
囲に制御することが、支持体上に微粒子を単層かつ高密
度に配置したフイルムの生産性を高めるために好まし
い。なお、塗布膜の乾燥中の膜面温度とは、塗布膜を乾
燥するゾーン内に設けられた温度計により測定された湿
球温度を意味している。
【0010】また、本発明の微粒子を固着させたフイル
ムの製造方法には、前記粘性が変化する物質が、温度低
下に伴って前記塗布膜の粘性が低下するものであって、
前記塗布膜の乾燥中の膜面温度を、前記塗布膜を形成し
た際の温度より低い温度に制御する製造方法も含まれ
る。また、前記分散液を塗布した際の温度が、30〜5
0℃の範囲であり、前記塗布膜の乾燥中の膜面温度を1
0〜30℃の範囲に制御することが好ましい。
【0011】塗布膜が乾燥している間に、物理的な振動
または超音波を前記支持体に与えることが好ましい。ま
た、前記振動または超音波を前記支持体に与える時間
が、5秒以上であることがより好ましい。
【0012】乾燥した後の前記バインダの体積濃度が、
前記微粒子の体積に対して1〜30%であることが前記
分散液を良好に塗布するために好ましい。より好ましく
は、2〜15%、最も好ましくは、3〜10%である。
濃度が高いと微粒子が重なって配置しにくく、濃度が低
いと微粒子の支持体への接着が不十分になる。
【0013】前記微粒子の平均直径が、0.1〜20μ
mの範囲であることが好ましい。より好ましくは1〜2
0μmである。微粒子の直径が小さすぎると、高濃度分
散が困難になり微粒子濃度を低くする必要が生じ、支持
体への高密度な配置が困難になる。また、前記分散液中
の前記微粒子の体積濃度が、0.1〜20%の範囲で構
成されていることが好ましい。なお、微粒子の体積濃度
とは、微粒子の体積/(溶媒の体積+微粒子の体積)×
100(%)で規定される値を意味している。
【0014】前記支持体上に形成された塗布膜を加圧し
て、前記微粒子を支持体に押し付けることが、前記支持
体上に前記微粒子を均一に単層かつ高密度に配置するた
めに好ましい。また、前記加圧を、前記分散液を構成し
ている溶媒の80%以上が蒸発した後に行うことがより
好ましい。さらに、前記微粒子の平均直径から±10%
以内の直径を有する微粒子が、体積比で全微粒子の90
%以上で構成されていることが好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】[支持体]支持体の原料には特に
限定されないが、製造されるフイルムの用途に応じて、
支持体を構成する原料の光透過率から決められる。製造
されたフイルムを再帰性反射シートや光拡散シートのよ
うな光学フイルムに用いる場合には、一般に透明な支持
体を用いる。透明な支持体は、通常、ガラスまたはプラ
スチックから製造される。光学フイルムとしては、柔軟
かつ軽量であるプラスチック製支持体を用いることが好
ましい。プラスチックに用いるポリマーとしては、セル
ロースポリエステル,セルロースポリエーテル,ポリカ
ーボネート,ポリスチレン,ポリアクリレート,ポリメ
タクリレート,ポリスルホン,ポリエステル,ポリエチ
レン,ポリビニルアルコール及びノルボルネン樹脂など
が挙げられるが、これらに限定されない。本発明におい
ては、セルロースエステル(例えばセルローストリアセ
テート),ポリエステル(例えばポリエチレンテレフタ
レート),ポリカーボネート,ポリビニルアルコール,
ポリスルホンおよびポリエーテルスルホンが好ましく用
いられる。
【0016】支持体は、通常、薄いフイルム状で用いら
れる。その厚さは、特に限定されないが、25〜350
μmの厚さであることが好ましい。より好ましくは30
〜310μmであり、最も好ましくは45〜200μm
の範囲である。なお、25μmより薄い支持体を用いる
と、後述するバインダの影響で、支持体がカールする場
合がある。このような場合には支持体にビーズを散布す
る面と反対面にカール防止層を設けることが好ましい。
カール防止層は、後述するバインダを構成するポリマー
と同一のポリマーから作製することが好ましい。
【0017】支持体は、支持体を構成するポリマーを溶
媒に溶解して、その溶液を製膜することにより得られ
る。製膜方法としては、公知の溶液製膜法や溶融流延法
が挙げられるがこれらに限定されない。溶液製膜法で
は、ポリマー溶液を流延ベルト上に流延して、支持体を
ポリマー膜として形成する。また、溶融流延法では、ポ
リマー樹脂を加熱,溶融して流延する。支持体を作製す
る場合において、ポリマー溶液または溶融されたポリマ
ー樹脂に添加剤を混合しても良い。添加剤としては、例
えば、可塑剤,紫外線吸収剤,滑剤,劣化防止剤,分散
剤,染料,顔料,消泡剤,潤滑剤,褐色防止剤,防腐剤
などが挙げられるがこれらに限定されず、公知のいずれ
の化合物をも用いることができる。なお、添加剤は、支
持体製造工程のいずれの段階で添加しても良い。
【0018】[分散液]分散液は、溶媒に溶解されたバ
インダと、溶媒中に分散しているビーズと後述する粘性
の上昇を抑制する物質(以下、粘性調整剤)とから構成
されている。また、任意の添加剤を添加しておくことも
できる。なお、バインダが粘性調整剤の機能を兼ね備え
ているものであっても良い。この場合には、特に粘性調
整剤を分散液中に添加する必要は無い。本発明におい
て、バインダの溶解,ビーズの分散,添加剤の添加及び
粘性調整剤の添加の順番は、任意の順に行うことができ
る。また、これらを同時に溶媒中に入れて、分散液を作
製することも可能である。なお、以下の説明において分
散液を連続塗布装置に用いる場合には、塗布液と称する
場合がある。
【0019】(溶媒)溶媒は、バインダを溶解すると共
に、ビーズが均一に分散され、そのビーズと反応しない
ものが用いられる。具体的には、水または有機溶媒を用
いることができる。有機溶媒としては、例えば脂肪族炭
化水素(例えば、ペンタン,ヘキサン,ヘプタン,オク
タン,イソオクタン,シクロヘキサンなど),芳香族炭
化水素(例えば、ベンゼン,トルエン,キシレンな
ど),ハロゲン化炭化水素(例えば、塩化メチル,メチ
レンクロライド,四塩化炭素,トリクロロエタンな
ど),アルコール(例えば、メタノール,エタノール,
イソプロピルアルコール,n−ブチルアルコールな
ど),ケトン(例えば、アセトン,メチルエチルケトン
など),エステル(例えば、ギ酸メチル,ギ酸エチル,
酢酸メチル,酢酸エチルなど)およびそれらの混合物が
挙げられるが、以上に記載した溶媒に限定されない。
【0020】また、バインダに用いられるポリマーと支
持体を構成するポリマーとが、溶媒に対する溶解性が類
似する場合には、支持体上に分散液を塗布した際に、分
散液の溶媒が支持体表面を溶解または膨潤させるため、
バインダの接着力、すなわちビーズを固定する能力が強
化される効果が得られるためにより好ましい。
【0021】(バインダ)バインダは、ビーズを支持体
上に固定するために用いる。バインダとしては、天然ま
たは合成ポリマーを用いることができる。例えば、セル
ロースエステル,セルロースエーテル,ポリカーボネー
ト,ポリスチレン,ポリアクリレート,ポリメタクリレ
ート,ポリスルホン,ポリエステル,ポリエチレン,ポ
リビニルアルコール(以下、PVAと称する場合があ
る),ゼラチン,ポリ酢酸ビニル,ポリ塩化ビニル,ポ
リ塩化ビニリデン,ポリビニルブチラール,ポリウレタ
ン,ポリプロピレンおよびノルボルネン樹脂が挙げられ
るがこれらに限定されない。また、バインダには、粘着
剤として公知のポリマーを用いても良い。
【0022】バインダは、支持体上に固化した際の屈折
率が、支持体を構成するポリマーの屈折率にできる限り
近い物を用いることが、製造されたフイルムを光学フイ
ルムに用いる際に、その光透過率を均一にするために好
ましい。具体的には、バインダに用いられるポリマーと
支持体を構成しているポリマーとの屈折率の差が0.5
未満であることが好ましく、より好ましくは0.2未満
であり、最も好ましくは0.1未満である。特に好まし
くは、支持体を構成するポリマーとバインダに用いられ
るポリマーとを同じ成分のポリマーを用いることであ
る。
【0023】製造されたフイルムを光拡散シートに用い
る場合には、バインダの屈折率とビーズの屈折率との差
が一定以上の値であることが好ましい。好ましくは、両
屈折率の比が0.95以下または1.05以上であるこ
とが好ましい。より好ましくは、0.83以下または
1.15以上、最も好ましくは0.71以下または1.
25以上である。
【0024】バインダは、支持体上で乾燥,固化した後
にビーズを固定する機能を有するためビーズに対して適
当な量を分散液中に含有させる必要がある。バインダが
ビーズに過剰であるとビーズを覆ってしまい、ビーズの
機能を損なうおそれがある。また、バインダがビーズに
対して不足しているとビーズを支持体上に十分な量を固
定できないばかりでなく、一度保持したビーズが脱離す
るおそれもある。そこで、乾燥した後のバインダの体積
濃度が、ビーズの体積に対して1〜30%であることが
好ましい。より好ましくは、2〜15%であり、最も好
ましくは3〜10%である。
【0025】(微粒子)支持体上に固定される微粒子
(ビーズ)の原料は、特に限定されない。しかし、製造
されたフイルムを光学フイルムとして用いる場合には、
透明な材料から構成されていることが好ましい。ビーズ
には、ガラスまたは金属ビーズ,マイクロカプセルなど
の球形の微粒子が挙げられる。また透明な材料として、
ガラスまたはプラスチックを用いることが好ましい。一
般には、光透過率および耐久性の点からガラスが好まし
く用いられる。ビーズの形状は、球形に近い方が、均一
に塗布される点およびフイルムの品質の点から好まし
い。また、ビーズを支持体上に単層かつ高密度に配置す
るためビーズの粒子直径が均一に近いものを用いること
が好ましい。本発明においては、全微粒子の平均直径か
ら±10%以内の直径を有する微粒子が体積比で、全微
粒子中の90%以上であることが好ましい。また、微粒
子の直径は、フイルムの用途に応じて決められる。しか
しながら、原則的にはフイルムの品質を良好にすること
および塗布を均一にするために、なるべく小さな粒子で
あることが好ましい。ビーズの平均粒子直径は、0.1
〜20μmであることが好ましい。また、本発明に係る
フイルムを液晶表示装置の光拡散シートに用いる場合に
は、液晶の画素(マトリックス)よりも小さいビーズを
用いる必要がある。
【0026】多量のビーズを分散液中に分散させると、
分散液の粘性の上昇を抑制しても、ビーズが多量に分散
しているため、溶媒の蒸発に伴って直ちに重なりが生じ
るおそれがある。そこで、本発明において分散液中のビ
ーズの体積濃度は、0.1〜20%であることが好まし
い。
【0027】(粘性調整剤)粘性調整剤は、分散液から
形成された塗布膜中の溶媒が蒸発することによりバイン
ダなどの溶質の濃度が上昇しても、温度を変化させるこ
とで塗布膜の粘性が上昇することを抑制するために用い
られる。例えば、粘性調整剤としてゼラチン,ホウ酸,
多糖類,PVAなどが挙げられるがこれらに限定されな
い。
【0028】例えば粘性調整剤にゼラチンを用い、溶媒
を水とした分散液から塗布膜を形成すると、塗布膜を加
熱して溶媒を蒸発させている際に、ゼラチン水溶液は温
度上昇に伴ってその粘性が低下するために塗布膜の粘性
の上昇を抑制することができる。また、分散液にPVA
水溶液を用いた場合には、ホウ酸を用いることができ
る。さらに、カラギーナン(carrageenan ),アルギン
酸ナトリウム,カルボキシメチルセルロースなどの多糖
類を粘性調整剤として添加することにより、塗布膜を加
熱して乾燥した際に、溶媒の蒸発に伴う塗布膜の粘性の
上昇を抑制できる。なお、ホウ酸などの酸を粘性調整剤
として用いる場合には、分散液のpH調整を行うこと
が、粘性の上昇を抑制するために好ましい。
【0029】また、粘性調整剤には、冷却時に塗布膜の
粘性を低下させるものを用いることもできる。塗布膜の
乾燥において、ビーズを支持体上に単層かつ高密度に配
置するために塗布膜を室温より低い温度にするため冷却
して乾燥する場合もある。この際には、粘性調整剤に、
温度低下に伴って粘性が低下する物質を用いる。例え
ば、アクリルアミドが挙げられるがこれに限定されな
い。
【0030】前述した粘性調整剤がゼラチンなどバイン
ダとしても用いられる物質である場合には、分散液に他
の粘性調整剤を添加する必要は無い。この場合には、ゼ
ラチンが、塗布膜の粘性の上昇を抑制しつつ、ビーズを
支持体上に固定するバインダとなる。また、粘性調整剤
は、支持体上で固化するためフイルムの品質を劣化させ
ない物質を選択する必要がある。さらに、多量の粘性調
整剤を分散液に添加するとフイルムの品質を変化させる
おそれが生じる。また、あまり少量を添加しても粘性の
上昇を抑制する機能が発生しにくいため、分散液中に添
加する粘性調整剤の量は、分散液を構成する溶媒に対し
て0.01〜5%が好ましい。
【0031】[フイルムの製造方法]本発明に係るフイ
ルムの製造方法について、製造ラインを示した図1を参
照して説明する。図1の製造ラインにおいては、タンク
1中には、バインダ,粘性調整剤及び添加剤を溶解した
溶液が注入されている。粘性調整剤は、前述したように
塗布膜を乾燥する際に加熱で行うか冷却で行うかによ
り、好ましい物質が選択されている。この溶液にビーズ
2をホッパー3により所定の量を添加する。タンク1内
の溶液をモータ(図示しない)によって回転する撹拌翼
4により撹拌し、ビーズ2を溶液中に均一に分散して、
分散液5を調製する。
【0032】図1に示すように支持体6は、送出し装置
30から送出され、ローラ31,32により塗布装置1
0まで搬送される。支持体の搬送速度は、公知の搬送速
度範囲であれば、本発明を適用できるが、具体的には、
1〜100m/minの範囲であれば、良好な品質のフ
イルムを生産性良く得られる。
【0033】分散液5は、ポンプ7により塗布装置10
まで送液される。塗布装置10において、支持体6はバ
ックアップローラ11に巻き掛けられながら搬送されて
いる。塗布装置10から流れ出た分散液5は、支持体6
上に流延して、塗布膜12を形成する。塗布装置10に
は、流延を安定して行うために減圧チャンバ装置13が
備え付けられているが、本発明においてこの実施形態に
限定されない。
【0034】塗布膜12の乾燥を加熱または冷却で行う
ため、予め分散液5を塗布する際の分散液5の温度を測
定しておく必要がある。分散液5を支持体6に塗布する
温度は、公知のいずれの温度であっても、本発明には適
用可能である。しかしながら、後述する乾燥温度の制御
する範囲との関係で、20〜50℃の範囲で行うことが
好ましい。また、塗布時の分散液5の温度測定は、分散
液5の液温を測定しても良いし、塗布装置10の一部に
温度測定機(図示しない)を取り付け、その測定値を分
散液5の液温と見なすこともできる。
【0035】図1では、スライドコート法によって支持
体上に分散液を単層塗布する塗布装置を示したが、本発
明においては、2層以上の多層塗布装置を利用すること
もできる。さらに、エクストルージョン塗布装置やカー
テン塗布装置を用いることもできる。また、本発明にお
いて、支持体上に分散液を塗布する方法は、連続塗布装
置を用いた方法に限定されない。例えば、支持体を分散
液に含浸させるディップ法やスピン塗布法を適用するこ
とも可能である。
【0036】塗布膜12が形成された支持体6は、図1
に示すようにローラ33によって搬送され、乾燥ゾーン
20に送りこまれる。乾燥ゾーン20には、温度調節装
置21,振動装置22,ニップ装置23が設けられてい
る。
【0037】温度調節装置21は、送風機26により乾
燥ゾーン20内の大気を循環させながら温度調節を行え
るように取り付けられている。温度調節装置21には、
大気を加熱するために加熱装置(ヒータ)が設けられて
おり、大気を加熱した後に送風機26により乾燥ゾーン
20内に加熱大気を送風する。また、送風機26の下方
には、湿球式温度計28が取り付けられている。湿球式
温度計28によって、加熱大気の温度を測定し、その温
度を塗布膜12の乾燥時の膜面温度とする。本発明にお
いて、前述した分散液5を塗布した際の液温と乾燥時の
膜面温度と大きく異なると、塗布膜12の粘性が急激に
変化するために好ましくない。本発明において、塗布し
た際の分散液5の液温が20〜40℃の場合に、加熱乾
燥時の膜面温度は30〜60℃であることが好ましい。
【0038】また、乾燥ゾーン20内の大気を冷却し
て、塗布膜12の溶媒を蒸発させる必要がある場合に
は、温度調節装置21が冷却装置(図示しない)から構
成されていても良い。さらに、温度調節装置21が加熱
装置と冷却装置の両方を備えるものであっても良い。塗
布膜12の溶媒の蒸発を冷却により行う場合にも、前述
した加熱の場合と同様に塗布した際の分散液の液温と大
きく異なることは、塗布膜12の粘性が急激に変化する
ために好ましくない。本発明において、塗布した際の分
散液5の液温が30〜50℃の場合に、冷却乾燥時の膜
面温度は10〜30℃であることが好ましい。
【0039】振動装置22は、支持体6に振動を付与す
ることで、塗布膜12中の余剰のビーズ2を除去するこ
とで、支持体6上にビーズ2を単層かつ高密度に配置し
やすくなる。また、支持体6上の余剰なビーズ2を除去
するために振動装置22に代えて超音波発生装置(図示
しない)を用いても良い。本発明においては、振動また
は超音波によって余剰なビーズを除去する時間は、5秒
以上であることが好ましい。
【0040】ニップ装置23は、ニップローラ24とバ
ックアップローラ25とから構成され、支持体6上に浮
き上がって配置されているビーズ2を支持体6に押し付
けてビーズ2を支持体6上に固定する。支持体6へのニ
ップ(加圧)は、塗布膜12の溶媒の蒸発が進行してい
ない状態で行うと、塗布膜12の形状に歪みが生じるた
めに好ましくない。そこで、支持体6へのニップは、塗
布膜12中の溶媒が、分散液5を作製した際の溶媒量か
ら80%以上蒸発した後に行うことが好ましい。また、
ニップ圧があまりに高いと支持体6やビーズ2に傷など
が生じるおそれがあるために好ましくない。しかしニッ
プ圧があまりに低いと、支持体6上に浮き上がったビー
ズ2を押し付ける効果が得られにくい。そこで、本発明
においてニップ圧は、5〜100kg/cm2 であるこ
とが好ましい。
【0041】なお、本発明において塗布膜12を乾燥さ
せる方法は、図1に示した実施形態に限定される訳でな
い。また、振動装置22,ニップ装置23は、必ずしも
取り付けられている必要はない。
【0042】乾燥ゾーン20で塗布膜12の溶媒が蒸発
した支持体6は、続いて調湿ゾーン29に送られる。調
湿ゾーン29は、急激な温湿度の変化によるフイルムの
変形を抑制するために設けられている。調湿ゾーン29
内で溶媒が蒸発した塗布膜12と支持体6は、フイルム
として最も好ましい湿度に調節される。しかしながら、
本発明のフイルムの製造方法では、塗布膜と支持体の調
湿を必ずしも行う必要はない。
【0043】調湿ゾーン29から送出された支持体6
は、ローラ34,35により搬送されて、巻取り装置3
6により巻き取られ、フイルムが得られる。
【0044】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明の態様は、これに限定されない。また、説
明において実施例1でその製造方法を詳細に説明し、実
施例2〜4および比較例1〜3については、実施例1と
同じ条件については説明を省略している。
【0045】実験は、支持体上に微小ビーズを形成して
サンプルを作成し、このサンプルのビーズ配置空隙率
(以下、配置空隙率と称する)とビーズ重なり率(以
下、重なり率と称する)とを測定した。配置空隙率と
は、観察した支持体の領域に対し全体に対してビーズ間
の空隙が占める割合を意味している。また、重なり率と
は、観察した支持体領域のビーズ数に対して重なってい
るビーズの割合である。これら配置空隙率,重なり率
は、サンプルの表面を顕微鏡により観察し、画像を読み
取り2値化処理によって解析する。本発明のフイルムに
おいては、配置空隙率は20%以下であることが好まし
い。また、重なり率は1%以下であることが好ましい。
なお、得られた値は表1にまとめて示す。
【0046】支持体上に塗布液を塗布する際の液温は、
塗布装置中の液温を接触式温度計で測定し、その測定値
を塗布液の液温とした。また、乾燥時の塗布膜の膜面温
度は、図1に示すように送風機26の下方に取り付けら
れた湿球温度計28により、乾燥風の温度を測定し、膜
面温度とした。さらに、各実験において振動装置による
振動を支持体に付与した場合には○を、付与しない場合
には×を表1中に示した。また、ニップ装置による加圧
(30kg/cm2 )の有無も○及び×で表1中に示し
た。さらに、フイルムの製造後に、フイルム面状評価を
下記の指標に基づいて行った。これら評価結果につい
て、後に表1にまとめて示す。 (1)フイルムの面状目視評価 ビーズの支持体への接着が良好であった....○ ビーズの支持体への接着に一部に不良が生じた....△ ビーズの支持体への接着に抜けが多く生じた....×
【0047】[実施例1] (塗布液の調製)実施例1の塗布液は、PVA(重合度
1700)が3重量%となるように溶解したPVA水溶
液を調製したものを用いた。このPVA水溶液にビーズ
を溶媒の体積に対して10%分散させ、粘性調整剤とし
てホウ酸を溶媒の体積に対して0.1%となるように混
合した。また、ホウ酸の粘性の上昇を抑制する機能をよ
り良く発現させるためにpH調整し、さらに、PVA水
溶液を支持体上に良好に塗布できるように塗布助剤とし
て界面活性剤を添加した。なお、ビーズには、綜研化学
(株)製のアクリル単分散粒子MX−1000(平均粒
子の直径10μm,比重1.19)を用いた。以下の説
明において、この塗布液を塗布液Aと称する。この塗布
液Aは、温度が20℃から40℃に上昇すると、その粘
性が低下する性質を有している。このため、乾燥ゾーン
において、溶媒である水が蒸発し、分散液中の溶質の濃
度上昇に伴う粘性の上昇が抑制される特性である。
【0048】(塗布)支持体には、PETから形成され
た厚み150μm,幅300mmのフイルムを用いて、
図1に示すフイルム製造ラインにより、塗布液Aをビー
ズの抜けや重なりが発生しないように調整された送液量
で、ポンプにより塗布装置に送液した。この塗布液Aの
温度を20℃に調整し、塗布装置により20m/min
にて走行する支持体上に塗布し、塗布膜を形成した。
【0049】(乾燥)塗布膜の乾燥は、膜面温度が40
℃,4分間、乾燥ゾーンを搬送させながら行った。な
お、この際に図1に示す温度調節装置21により、膜面
温度を40℃に温度の調節を行った。さらに、調湿ゾー
ン29で、支持体の湿度調整を行った後にフイルムのサ
ンプルが得られた。
【0050】(評価)得られたサンプルの表面を顕微鏡
により観察し、画像を読み取った後に、2値化処理によ
る解析で、配置空隙率及び重なり率を求めた。配置空隙
率は、17%であり、重なり率は0.4%であった。ま
た、得られたフイルムの表面を観察したところ、ビーズ
の接着性は良好(○)であった。
【0051】[実施例2]実施例2では、振動装置によ
り振動を20秒間、支持体に付与した以外は実施例1と
同じ条件で実験を行った。実験結果については、表1に
まとめて示す。
【0052】[実施例3]実施例3では、ニップ装置に
より、支持体をニップした以外は実施例1と同じ条件で
実験を行った。実験結果については、表1にまとめて示
す。
【0053】[実施例4]実施例4では、振動装置によ
り振動を20秒間、支持体に付与した後に、さらに支持
体をニップした。その他は、実施例1と同じ条件で行っ
た。実験結果については、表1にまとめて示す。
【0054】[比較例1]比較例1では、膜面温度を2
0℃に調整した以外は、実施例1と同じ条件で実験を行
った。実験結果については表1にまとめて示す。
【0055】[比較例2]比較例2では、膜面温度を2
0℃に調整し、さらに振動装置による支持体への振動の
付与を20秒間行った。その後にニップ装置による支持
体のニップも行った。実験結果については表1にまとめ
て示す。
【0056】[比較例3]比較例3の塗布液は、PVA
を4重量%となるように溶解したPVA水溶液を調製し
たものを用いた。PVAは、実施例1と同じものを用い
た。このPVA溶液にビーズを溶媒の体積に対して10
%分散させ、PVA溶液を支持体上に良好に塗布できる
ように塗布助剤として界面活性剤を添加した。なお、ビ
ーズには、実施例1と同じものを用いた。以下の説明に
おいて、この塗布液を塗布液Bと称する。この塗布液B
は、粘性調整剤を含有していないため、塗布膜の乾燥時
に溶媒である水が蒸発することに伴う、粘性が上昇する
ことを抑制できない特性である。
【0057】塗布液Bを用いて実施例1と同じ条件で塗
布膜を形成した後に、乾燥ゾーン内の膜面温度を40℃
に調節して塗布膜中の溶媒を蒸発させた。なお、この際
に振動の付与や支持体のニップは行わなかった。実験結
果については表1にまとめて示す。
【0058】
【表1】
【0059】表1に示すように、実施例1は、配置空隙
率が20%以下となり、また重なり率も1%未満と良好
なサンプルを得られた。実施例2,3は、実施例1の条
件に、それぞれ振動,加圧を与えたので、配置空隙率及
び重なり率もより向上し、さらにビーズが支持体上に高
密度に配置された。また、実施例4では、振動,加圧を
与えたので最も良好なサンプルが得られた。
【0060】一方、比較例1では、乾燥条件が適切でな
く、乾燥中に粘度が急激に上昇したため、ビーズが沈降
途中で動きが悪くなり、高密度な配置ができなかった。
また、比較例2でも、乾燥中に粘度が急激に上昇してし
まう条件であるため、振動や加圧を与えても、十分な高
密度な配置にならなかった。さらに、比較例3では、乾
燥条件は、実施例1と同じであるが、塗布液Bの性質
が、塗布膜の粘性の上昇を抑制する特性になっていない
ため、高密度な配置ができなかった。
【0061】
【発明の効果】本発明の微粒子を固着させたフイルムの
製造方法によれば、微粒子を支持体に固着させたフイル
ムの製造方法において、溶媒にバインダを溶解させた溶
液に前記微粒子を分散させた分散液を前記支持体上に塗
布し、塗布膜を形成した後に、前記塗布膜の粘度上昇を
抑制しながら、前記溶媒を蒸発させることにより、微粒
子が重なることなく、支持体上に高密度に単層配置させ
ることができる。
【0062】また、前記塗布膜の粘度上昇を抑制する方
法が、温度変化に伴って前記分散液に前記塗布膜の粘性
を変化させる物質を含有させるため、微粒子を分散させ
た分散液を用いるフイルムの製造方法のいずれにも適用
可能である。
【0063】さらに、本発明の微粒子を固着させたフイ
ルムの製造方法は、前記粘性調整剤を温度上昇に伴い前
記塗布膜の粘性を低下させるものであれば、前記塗布膜
の乾燥温度を、前記塗布膜を形成した際の温度より高い
温度に制御することで、前記塗布膜の溶媒を蒸発できる
ため高い生産性を得ることができる。
【0064】さらには、前記粘性調整剤を温度低下に伴
って前記塗布膜の粘性を低下させるものであれば、前記
塗布膜の乾燥温度を、前記塗布膜を形成した際の温度よ
り低い温度に制御することで前記塗布膜の溶媒を蒸発で
きるため、溶媒の蒸発速度を幅広く選択することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る微粒子を固着させたフイルムを製
造するための製造ラインを示す図である。
【図2】塗布液中のビーズが沈降する様子を説明するた
めの概略図である。
【符号の説明】
2 ビーズ 5 分散液 6 支持体 10 塗布装置 12 塗布膜 20 乾燥ゾーン 21 温度調節装置 22 振動装置 23 ニップ装置 28 湿球温度計 29 調湿ゾーン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B05D 7/24 302 B05D 7/24 302G 303 303F G03B 21/62 G03B 21/62

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 微粒子を支持体に固着させたフイルムの
    製造方法において、 溶媒にバインダを溶解させた溶液に前記微粒子を分散さ
    せた分散液を前記支持体上に塗布し、塗布膜を形成した
    後に、前記塗布膜の粘度上昇を抑制しながら、前記溶媒
    を蒸発させることを特徴とする微粒子を固着させたフイ
    ルムの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記バインダが、温度変化に伴って前記
    塗布膜の粘性を変化させる物質であり、温度制御により
    前記塗布膜の粘性上昇を抑制することを特徴とする請求
    項1に記載の微粒子を固着させたフイルムの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記分散液に、温度変化に伴って前記塗
    布膜の粘性を変化させる物質をさらに含有させたことを
    特徴とする請求項1に記載の微粒子を固着させたフイル
    ムの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記塗布膜の粘性を変化させる物質が、
    前記分散液を構成する溶媒の体積に対して、0.01〜
    5%の範囲であることを特徴とする請求項2または3に
    記載の微粒子を固着させたフイルムの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記粘性が変化する物質が、温度上昇に
    伴い前記塗布膜の粘性を低下させるものであって、 前記塗布膜の乾燥中の膜面温度を、前記塗布膜を形成し
    た際の温度より高い温度に制御することを特徴とする請
    求項2ないし4のいずれか1つに記載の微粒子を固着さ
    せたフイルムの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記分散液を塗布した際の温度が、20
    〜40℃の範囲であり、前記塗布膜の乾燥中の膜面温度
    を30〜60℃の範囲に制御することを特徴とする請求
    項5に記載の微粒子を固着させたフイルムの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記粘性が変化する物質が、温度低下に
    伴って前記塗布膜の粘性を低下させるものであって、 前記塗布膜の乾燥中の膜面温度を、前記塗布膜を形成し
    た際の温度より低い温度に制御することを特徴とする請
    求項2ないし4のいずれか1つに記載の微粒子を固着さ
    せたフイルムの製造方法。
  8. 【請求項8】 前記分散液を塗布した際の温度が、30
    〜50℃の範囲であり、前記塗布膜の乾燥中の膜面温度
    を10〜30℃の範囲に制御することを特徴とする請求
    項7に記載の微粒子を固着させたフイルムの製造方法。
  9. 【請求項9】 塗布膜が乾燥している間に、物理的な振
    動または超音波を前記支持体に与えることを特徴とする
    請求項1ないし8のいずれか1つに記載の微粒子を固着
    させたフイルムの製造方法。
  10. 【請求項10】 前記振動または超音波を前記支持体に
    与える時間が、5秒以上であることを特徴とする請求項
    9に記載の微粒子を固着させたフイルムの製造方法。
  11. 【請求項11】 乾燥した後の前記バインダの体積濃度
    が、前記微粒子の体積に対して1〜30%であることを
    特徴とする請求項1ないし10のいずれか1つに記載の
    微粒子を固着させたフイルムの製造方法。
  12. 【請求項12】 前記微粒子の平均直径が、0.1〜2
    0μmの範囲であることを特徴とする請求項1ないし1
    1のいずれか1つに記載の微粒子を固着させたフイルム
    の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記分散液中の前記微粒子の体積濃度
    が、0.1〜20%の範囲で構成されていることを特徴
    とする請求項1ないし12のいずれか1つに記載の微粒
    子を固着させたフイルムの製造方法。
  14. 【請求項14】 前記支持体上に形成された塗布膜を加
    圧して、前記微粒子を支持体に押し付けることを特徴と
    する請求項1ないし13のいずれか1つに記載の微粒子
    を固着させたフイルムの製造方法。
  15. 【請求項15】 前記加圧を、前記分散液を構成してい
    る溶媒の80%以上が蒸発した後に行うことを特徴とす
    る請求項14に記載の微粒子を固着させたフイルムの製
    造方法。
  16. 【請求項16】 前記微粒子の平均直径から±10%以
    内の直径を有する微粒子が、体積比で全微粒子の90%
    以上で構成されていることを特徴とする請求項1ないし
    15のいずれか1つに記載の微粒子を固着させたフイル
    ムの製造方法。
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