JP5411716B2 - 塗布装置及びそれを用いた光学フィルムの製造方法 - Google Patents

塗布装置及びそれを用いた光学フィルムの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、塗布装置及びそれを用いた光学フィルムの製造方法に係り、特に液晶表示装置に用いられる光学フィルムを製造する際の段状ムラ防止のための塗布技術に関する。
反射防止フィルム等の光学フィルムは、液晶表示装置(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)や陰極管表示装置(CRT)のような様々な画像表示装置に使用されている。また、眼鏡やカメラのレンズにも、反射防止フィルムが使用されている。
このような反射防止フィルムとしては、金属酸化物の透明薄膜を積層させた多層膜が、従来から普通に用いられている。複数の透明薄膜を用いる理由は、可視域でなるべく広い波長領域での光の反射を防止するためである。これら金属酸化物の透明薄膜は、化学蒸着(CVD)法や物理蒸着(PVD)法、特に物理蒸着法の一種である真空蒸着法やスパッタリング法により形成される。
しかし、これら化学蒸着(CVD)法や物理蒸着(PVD)法は効率が悪いため、これに代えて、反射防止膜用の塗布液を支持体に塗布形成する塗布法が行われるようになっている。
塗布法により塗布膜を形成する塗布装置として、バーコータ、リバースロールコータ、グラビアロールコータ、スロットダイコータ(エクストルージョンコータ)等の装置がある。しかし特に、スロットダイコータは他の塗布装置と比較して、高速、薄層の塗布が可能であることから光学用フィルムの塗布装置として多用されている。
このようなスロットダイコータを使用した、薄層塗布による反射防止フィルムの製造では、膜厚の均一性が製品の性能を大きく左右するために、非常にシビアな条件が求められる。特に、近年、この薄層塗布技術において、所望の機能を発現させるために、従来よりも薄い湿潤膜厚である10μm以下の領域の精密塗布技術に対する要求が高まっている。
即ち、このような光学フィルムは、塗布膜厚精度及び塗膜性状が厳しく、高精度な薄層塗布技術が必要とされる。特に反射防止フィルムにおいては微小な膜厚変動(段状ムラ)により、反射防止率が変わってしまい、所望の反射防止機能が発揮されなくなるからである。
ところで、スロットダイコータを使用した高精度な薄層塗布を実現させるためには、スロットダイとウェブの間に形成される塗布液ビードが安定かつ均一に形成される必要がある。このビードが安定しなくなる原因としては、スロットダイや周辺機器の振動、減圧変動等が挙げられるが、特に、塗布液をスロットダイに供給する際の送液脈動が大きな原因となると考えられる。
この送液脈動は、スロットダイからの塗布液の吐出量変動に直接つながり、ビードの形状変化をもたらす。その結果、支持体の塗布面には、支持体の走行方向に厚膜と薄膜とが交互に形成される、いわゆる段ムラと呼ばれる面状故障を引き起こすこととなる。
この塗布液の送液脈動の原因は、塗布液を供給するポンプの脈動、送液ライン内に配置された脱泡装置等の影響、配管ラインの振動など、様々なものに起因しており、解決は非常に困難なものである。
この塗布液の送液脈動の問題を解決すべく、これまでに各種の提案がなされている(特許文献1〜特許文献5等参照)が、塗布液の脈動による不具合が完全には解決されていない。
そこで、本出願人は、特許文献6に示すように、スロットダイのポケット内部又はポケットの給液口にオリフィスを設けることを提案した。
特開平5−31434号公報 特開2003−340355号公報 特開2004−351291号公報 特開2003−10761号公報 特開2002−45761号公報 特開2007−245024号公報
しかしながら、特許文献6は、オリフィスの上流側で発生した送液脈動の伝播をオリフィスによって防止することはできるが、オリフィスで配管流路を絞ることによってオリフィスの下流側に微小脈動が新たに発生するという問題があることが分かった。
昨今の反射防止フィルムの反射防止性能に対する要望は益々厳しくなっており、段状ムラが2%以下の反射防止フィルムを製造するには、下流側に発生する微小脈動をも防止する必要性がでてきた。同様に、反射防止フィルム以外の光学補償フィルム、防眩フィルム、防眩性反射防止フィルムの光学フィルムについても段状ムラが2%以下であることが必要である。
したがって、オリフィスにより送液脈動を防止するには、更なる改良が必要になってきている。この場合、オリフィスの上流側に塗布液中の泡が溜まり易くなったり、オリフィスの下流側に塗布液の液滞留が起こり易くなったりすることによる二次的な面状欠陥が発生しないようにする必要がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、簡単な構成で、オリフィスの上流側で発生した送液脈動を防止できるだけでなく、下流側に発生する微小脈動を効果的に抑制でき、しかも泡溜まりや液滞留も発生しないので、支持体に塗布される塗布膜の段状ムラを2%以下に抑制することができる塗布装置及びそれを用いた光学フィルムの製造方法を提供することを目的とする。
本発明の請求項1の塗布装置は前記目的を達成するために、塗布液を配管によりスロットダイのポケットに送液してスロット先端から吐出し、前記スロット先端と連続走行する支持体との間のクリアランスに塗布液ビードを形成することにより前記支持体に塗布液を塗布する塗布装置において、前記配管径方向の端部位置のみにオリフィスが形成されると共に、該オリフィスの入口側には該オリフィスに至る先細形状の入口テーパ流路が形成され、前記オリフィスの出口側には該オリフィスから延びる先太形状の出口テーパ流路が形成されていることを特徴とする
ここで、「オリフィス」とは、一般的には、管路の途中に挿入して流路を絞り、変化した圧力を検出して流量を測定するための孔のあいた円板を指すが、ここでは配管流路を絞るための小さな孔を言う。
発明者は、オリフィス(孔)の下流側に発生する微小脈動の原因を鋭意検討した結果、オリフィスを配管径方向の中央部位置に設けるのではなく、配管径方向の端部位置に設けるという簡単な構成で微小脈動を効果的に防止できるとの知見を得た。また、オリフィスを配管の径方向端部に設けることによる泡溜まりや液滞留の懸念についても、オリフィスの入口側に先細形状の入口テーパ流路を形成し、出口側に先太形状の出口テーパ流路形成することで解消することができるとの知見を得た。
本発明によれば、配管径方向の端部位置のみにオリフィスが形成されると共に、該オリフィスの入口側には該オリフィスに至る先細形状の入口テーパ流路が形成され、オリフィスの出口側には該開口から延びる先太形状の出口テーパ流路が形成されている。これにより、オリフィスの上流側で発生した送液脈動を防止できるだけでなく、下流側に発生する微小脈動を効果的に抑制でき、支持体に塗布される塗布膜の段状ムラを2%以下に抑制することができる。また、入口テーパ流路及び出口テーパ流路を設けることにより、オリフィスを端部位置に設けることにより懸念される泡溜まりや液滞留も発生しない。
したがって、この塗布装置を用いて反射防止フィルムを製造すれば、従来にない高い反射防止性能のフィルムを製造することができる。また、この塗布装置を用いれば、反射防止フィルムに限らず光学補償フィルム、防眩フィルム、防眩性反射防止フィルム等の光学フィルムについても段状ムラや泡故障等の面状欠陥が抑制された高精度ものを製造することが可能となる。
本発明の塗布装置においては、前記オリフィスが形成される配管径方向の端部位置は、配管の径方向断面において配管中心からの半径方向距離において2/3以上外側の領域であることが好ましい。これにより、オリフィス下流側の微小脈動をより効果的に抑制することができる。
なお、オリフィスは、スロットダイのポケットの給液口より5000mm以内の距離に設けることが好ましい。また、配管の断面積に対するオリフィスの孔断面積の面積比は0.1以下であることが好ましい。
本発明の塗布装置においては、前記入口テーパ流路は、配管長方向におけるテーパ開始位置から前記オリフィス位置までの長さをL1とし、配管径をRとしたときに、L1≧(1/4)Rを満足することが好ましい。
また、前記出口テーパ流路は、配管長方向における前記オリフィス位置からテーパ終了位置までの長さをL2とし、配管径をRとしたときに、L2≧(1/4)Rを満足することが好ましい。
これは、L1やL2が(1/4)Rよりも小さくなって、入口テーパ流路及び出口テーパ流路のテーパ角度が90°に近づくと、オリフィスの上流側及び下流側において泡溜まりや液滞留が発生し易くなるためである。
L1やL2を(1/4)Rよりも大きくする限界としては、10R≧L1、10R≧L2が好ましく、5R≧L1、5R≧L2が一層好ましく、2R≧L1、2R≧L2が特に好ましい。
本発明の請求項5の光学フィルムの製造方法は前記目的を達成するために、連続走行する支持体にスロットダイから光学用塗布液を塗布する塗布工程と、前記塗布された塗布層を乾燥する乾燥工程と、を少なくとも備えた光学フィルムの製造方法において、前記塗布工程では、請求項1〜4の何れか1の塗布装置を用いて前記光学塗布液を前記支持体に塗布することを特徴とする。
本発明の光学フィルムの製造方法によれば、塗布工程において請求項1〜4の何れか1に記載される塗布装置を用いて光学塗布液を支持体に塗布するようにしたので、段状ムラや泡故障等の塗布欠陥のない高精度な光学フィルムを製造することができる。
ここで、「段状むら」とは、膜厚の厚い塗布部分と、膜厚の薄い塗布部分とが、支持体走行方向に交互に形成される面状欠陥を言う。また「泡故障」とは、スロットダイの狭隘なスロットに塗布液中の泡が引っ掛かり、泡が引っ掛かった部分の塗布液量が他よりも少なくなるために、支持体走行方向に向かって塗布膜厚が他よりも薄い筋が形成される面状欠陥を言う。
本発明の光学フィルムの製造方法においては、塗布膜に段状ムラができると良好な光学特性が得られない、例えば光学補償フィルム、反射防止フィルム、防眩フィルム、防眩性反射防止フィルム等において特に有効である。これらの光学フィルムにおいて段状ムラの具体的な好ましい範囲は、2%以下であり、1%以下であることが一層好ましい。
以上説明したように、本発明の塗布装置によれば、簡単な構成で、オリフィスの下流側に発生する微小脈動を防止でき、しかも泡溜まりや液滞留も発生しないので、支持体に塗布される塗布膜の段状ムラを2%以下に抑制することができる。
したがって、本発明の光学フィルムの製造方法のように、本発明の塗布装置を用いて光学用塗布液を支持体に塗布すれば、光学特性に優れた光学フィルムを得ることができる。
本実施の形態の塗布装置の全体構成図 スロットダイの一部を切断して内部を示す斜視図 スロットダイでウェブに塗布液を塗布している説明図 オリフィス部の構造を説明する説明図 オリフィスを形成する位置を説明する説明図 オリフィス部における入口テーパ流路と出口テーパ流路を説明する説明図 オリフィス部における入口テーパ流路と出口テーパ流路の変形例を説明する説明図 実施例の試験1〜6で使用したオリフィス部の構造を説明する説明図 実施例の試験7〜12で使用したオリフィス部の構造を説明する説明図 実施例の試験1〜12の試験結果をまとめた表図
以下、本発明の塗布装置及びそれを用いた光学フィルムの製造方法の好ましい実施の形態について詳細に説明する。
[塗布装置の全体構成]
図1は、本実施の形態の塗布装置を反射防止フィルムの製造ラインの塗布工程に設けたものである。なお、本実施の形態では、反射防止フィルムの製造ラインの塗布工程に設けた例で説明するが、これに限定されるものではなく、光学補償フィルム、防眩フィルム、防眩性反射防止フィルム等の光学フィルムに適用できる。
この反射防止フィルムの製造ラインは、ロール状の支持体フィルム(以下、「ウェブ」と称する)Wを連続的に送り出す工程と、ウェブWを巻き取る工程との間に、塗布工程と乾燥工程(他に、塗布膜を硬化する工程を有することもある)等を適宜必要な数だけ設置したものである。
図1に示される塗布装置10は、塗布位置においてウェブWを巻き掛けるバックアップローラ11に相対するように、スロットダイ12が設けられている。このスロットダイ12には配管42を介して反射防止用の塗布液14が供給される。即ち、スロットダイ12は塗布液14を貯留する塗布液タンク40と配管42によって連結され、配管42には、上流側より順に、送液ポンプ46、圧力計48、減圧脱気装置50、濾過フィルタ52、流量計54、オリフィス部56が設けられる。
配管42としては、内径を15mm以下とし、ストレート形状のフッ素樹脂又は内周部が研磨された金属部材とすることが好ましい。このように、小径の配管42にストレート形状のフッ素樹脂(たとえば、商標名:「テフロン」)又は内周部が研磨された金属部材を使用すれば、配管内の塗布液14の流れが良好となり、気泡の排除に有効である。
また、送液ラインより送液脈動を排除するためにも、オリフィス部56手前の配管42は振動の伝播を少なくすることが望ましい。したがって、配管自身を剛性の低いフッ素樹脂(たとえば、商標名:「テフロン」)で形成したり、肉厚の小さいベローズ状の配管で形成したり、防振材を配したりする等の構成が好ましい。
送液ポンプ46としては、公知の各種タイプのポンプが使用できるが、本発明のように、配管42内に加圧状態を発生させる場合、塗布液14を送る送液ポンプ46はダイヤフラムポンプであることが特に好ましい。
圧力計48は公知の各種タイプの圧力計が使用できる。濾過フィルタ52や減圧脱気装置50は、塗布液14の組成等に応じて適宜の仕様のものが採用できる。流量計54としては、公知の各種タイプの流量計が使用できるが、コリオリ式流量計が好ましく使用できる。
オリフィス部56は、上記した各種の機器類46、48、50、52、54の最後、即ちスロットダイ12に最も近くなるように配置されることが好ましい。具体的には、スロットダイ12のポケット18の給液口22から5000mm以内の距離に設けることが好ましい。なお、オリフィス部56の詳細については後述する。
図2は、スロットダイ(塗布ヘッド)12の一部を切断して示す斜視図であり、図3は、スロットダイ12の先端部分とウェブWとの位置関係を示す概略断面図である。
図2及び図3に示されるように、スロットダイ12には、塗布液14を供給できるような下記の液供給系が設けられている。即ち、スロットダイ12内部には、長手方向(ウェブWの幅方向)に延びたポケット(液溜め部)18と、ポケット18と連通すると共に、長手方向(ウェブWの幅方向)においてウェブWと対向し、スロット先端20aより塗布液を塗出するスロット20(スリットとも言う)と、ポケット18へ塗布液14を供給する液供給口22と、を備えている。
ポケット18は、「液溜め部」又は「マニホールド」とも称され、その断面が略円形をなし、図2に示されるように、ウェブWの幅方向に略同一の断面形状をもって延長された液溜め機能を有する空洞部である。その有効長さは、通常、塗布幅と同等又は若干長く設定される。ポケット18の貫通した両端開口部は、図2に示されるように、本体16の両端部に取付けられる閉鎖板26、28により閉止されている。なお、既述の液供給口22は閉鎖板26に設けられている。
スロット20は、ポケット18からウェブWに向け、狭隘な開口幅(スロットクリアランス)をもってスロットダイ12の本体16内部を貫通し、かつポケット18と同じようにウェブWの幅方向に延長された狭隘な流路である。そして、ウェブWの幅方向の開口長さは塗布幅と略同等に設定される。反射防止フィルムで使用されるスロットダイのスロットクリアランスは通常150μm以下であり、このような狭隘なスロットクリアランスでは塗布液中に泡があるとスロット入口に泡が引っ掛かり易い。この結果、泡が引っ掛かった部分の塗布液量が他よりも少なくなり、これによりウェブWの走行方向に塗布膜厚が他よりも薄い筋が形成される。これが塗布膜に形成される泡故障である。
スロット20の、ポケット18との境界部からスロット先端20aまでの距離(ウェブWに向けた流路の長さ)は、スロット20のウェブWの幅方向の開口長さ、塗布液の液組成、物性、供給流量、供給液圧、等の諸条件を考慮して適宜設定し得る。即ち、塗布液がウェブWの幅方向に均一な流量と液圧分布をもって層流状にスロット20から供給できればよい。例えば、スロット20のウェブWの幅方向の開口長さが1000〜1200mm程度の場合には、ポケット18との境界部からスロット先端20aまでの距離は30〜80mmの範囲を好ましく採用できるが、これに限定されない。
スロット20は、スロットダイ12の本体16のフロントエッジ30とバックエッジ32とにより形成される。スロットダイ12の本体16の上面(ウェブWと対向する面)には、上流側より、フロントエッジ面30a、バックエッジ面32aがそれぞれ形成されている。
図2に示されるように、フロントエッジ面30aは断面が略直線状に、バックエッジ面32aは、断面が山型に形成されている。また、フロントエッジ面30aの後端エッジ部30bとバックエッジ面32aの先端エッジ部32bとには所定の段差が設けられ、塗布液14の所定厚さの膜が形成できるようになっている。
なお、図2に示されるフロントエッジ面30a、バックエッジ面32aの断面形状は一例であり、他の断面形状、たとえば円弧状、放物線状等、各種の形状が採用できる。
次に、スロットダイ12の先端部分について、図3を参照しながら説明する。なお、図3においては、フロントエッジ面30a、バックエッジ面32aの断面形状が図2のものと異なって形成されている。
図3に示される塗布装置10において、バックアップローラ11に支持されて連続走行するウェブWに対して、スロットダイ12から塗布液14をビード14aにして塗布することにより、ウェブW上に塗布膜14bを形成できるようになっている。
このスロット20のスロット先端20aにおける、バックアップローラ11のウェブ走行方向の接線とのなす角は、30°以上90°以下が好ましい。
スロット先端20aが位置するスロットダイ12のフロントエッジ30及びバックエッジ32の、フロントエッジ面30aは、平坦状に形成されており、バックエッジ面32aは、先細り状に形成されている。
以上のスロットダイ12は、精度良く塗布するために振動対策が施されていることが好ましい。このため、基礎部を独立に構成するなどして振動の影響を最小限にすることが好ましい。また、スロットダイ12の重量を大きくして安定した構造とすることができる。
[オリフィス部]
次に、本発明の特徴部分であるオリフィス部56について説明する。
このオリフィス部56は、図4に示されるように、配管42の径方向端部位置のみにオリフィス(孔)56Aが形成されると共に、該オリフィス56Aの入口側には該オリフィス56Aに至る先細形状の入口テーパ流路56Bが形成され、オリフィス56Aの出口側にはオリフィス56Aから延びる先太形状の出口テーパ流路56Cが形成されて構成される。即ち、入口テーパ流路56Bは入口テーパaによって先細形状に形成され、出口テーパ流路56Cは出口テーパbによって先太形状に形成される。
また、図5に示すように、オリフィス56Aが形成される配管42の径方向端部位置は、配管42の径方向断面において配管中心Oからの半径方向距離において2/3以上外側の領域であることが好ましい。
ここで、配管42の径方向端部位置のみにオリフィス56Aが形成されるとは、配管中心Oからの半径方向距離において2/3未満の領域には、オリフィス56Aを形成しないことを意味する。
また、配管42の断面積に対するオリフィス56Aの孔断面積の面積比は0.1以下であることが好ましい。オリフィス56Aの孔形状は円、楕円、四角等を選択することができる。
図1及び図4に示すように、配管42が水平状態かスロットダイ12に向かって上向き又は下向きに傾斜している場合には、オリフィス56Aが形成される径方向端部位置は、配管42の上側端部位置に形成される。但し、配管42が略直立している場合、オリフィス56Aの形成位置は配管の径方向端部位置であれば何処でもよい。
次に、入口テーパ流路56Bと出口テーパ流路56Cの好ましい態様について説明する。
図6に示すように、入口テーパ流路56Bは、配管長方向におけるテーパ開始位置Pからオリフィス位置Qまでの長さをL1とし、配管径をRとしたときに、L1≧(1/4)Rを満足することが好ましい。
また、出口テーパ流路56Cは、配管長方向におけるオリフィス位置Qからテーパ終了位置Rまでの長さをL2とし、配管径をRとしたときに、L2≧(1/4)Rを満足することが好ましい。
図6から分かるように、配管径Rに対するL1が小さいほど、テーパ角度(α+β)が大きい方向にシフトし、L1が0(ゼロ)のときに直角な90°になる。逆に、配管径Rに対するL1が大きいほど、テーパ角度(α+β)が小さい方向にシフトし、テーパ角度が寝た状態になる。
同様に、配管径Rに対するL2が小さいほど、テーパ角度(γ+δ)が大きい方向にシフトし、L2が0(ゼロ)のときに直角な90°になる。逆に、配管径Rに対するL2が大きいほど、テーパ角度(γ+δ)が小さい方向にシフトし、テーパ角度が寝た状態になる。
発明者は、オリフィス56Aの入口側と出口側における泡溜まりの発生や液滞留の発生を効果的に防止するための入口テーパ流路56Bと出口テーパ流路56Cとのテーパ傾斜状態を鋭意検討した結果、入口テーパ流路56BがL1≧(1/4)Rを満足し、出口テーパ流路56CがL2≧(1/4)Rを満足することが重要であることを見出した。
なお、L1及びL2を(1/4)Rよりも小さくする方向、即ちテーパ角度が寝てくる方向の限度については、10R≧L1、10R≧L2が好ましく、5R≧L1、5R≧L2が一層好ましく、2R≧L1、2R≧L2が特に好ましい。したがって、図6に示した格子模様部分である10R≧L1≧(1/4)R及び10R≧L2≧(1/4)Rの範囲が、泡溜まり防止や液滞留防止に最も好ましい。
なお、図7のように、オリフィス56Aが配管径方向の最端部から中央部側に寄って形成され、入口テーパ流路56Bと、出口テーパ流路56Cとにそれぞれ2つのテーパー角度(αとβ、γとδ)が形成される場合、L1=X=Y、L2=Z=Wの関係に限定されるものではなく、XとY、ZとWが異なっていてもよく、更にはX、Y、Z、Wの全てが異なっていてもよい。
上記の如く構成されるオリフィス部56は、配管42を絞ることで形成してもよく、あるいはオリフィス部56を別途製造して、配管42途中に連結することで形成してもよい。
[ウェブ及び塗布液溶媒]
次に、反射防止フィルム等の光学フィルムに用いるウェブ及び塗布液を分散する分散媒の好ましい態様を説明する。
ウェブWとしては、透明なプラスチックフィルムを用いることが好ましい。プラスチックフィルムの材料の例には、セルロースエステル(例、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、プロピオニルセルロース、ブチリルセルロース、アセチルプロピオニルセルロース、ニトロセルロース)、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステル(例、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−1,2−ジフェノキシエタン−4,4' −ジカルボキシレート、ポリブチレンテレフタレート)、ポリスチレン(例、シンジオタクチックポリスチレン)、ポリオレフィン(例、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチルペンテン)、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリメチルメタクリレート及びポリエーテルケトンが含まれる。
特に、トリアセチルセルロースが好ましく用いられる。トリアセチルセルロースフィルムとしては、TAC−TD80U(富士写真フィルム(株)製)等の公知のもの、公開技報番号2001−1745にて公開されたものが好ましく用いられる。
ウェブWの光透過率は、80%以上であることが好ましく、86%以上であることが更に好ましい。ウェブWのヘイズは、2.0%以下であることが好ましく、1.0%以下であることが更に好ましい。ウェブWの屈折率は、1.4〜1.7であることが好ましい。
ウェブWの厚さは特に限定されないが、30〜150μmが好ましく、40〜130μmがより好ましく、70〜120μmが更に好ましい。
塗布液用分散媒としては、特に限定されない。単独でも2種以上を混合して使用してもよい。好ましい分散媒体は、トルエン、キシレン、スチレン等の芳香族炭化水素類、クロルベンゼン、オルトージクロルベンゼン等の塩化芳香族炭化水素類、モノクロルメタン等のメタン誘導体、モノクロルエタン等のエタン誘導体等を含む塩化脂肪族炭化水素類、メタノール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール等のアルコール類、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類、エチルエーテル、1,4 −ジオキサン等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、エチレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素類、ノルマルヘキサン等の脂肪族炭化水素類、脂肪族又は芳香族炭化水素の混合物等が該当する。
これら溶媒の中でも、ケトン類の単独又は2種以上の混合により作成される塗布用分散媒が特に好ましい。
本発明の塗布装置は、液物性により塗布可能な上限の速度が大きく影響を受けるため、塗布する瞬間の液物性、特に粘度及び表面張力を制御する必要がある。
粘度については0.01Pa・s以下であることが好ましく、0.005Pa・s以下がより好ましく、0.002Pa・s以下が更に好ましい。
塗布液によっては、せん断速度により粘度が変化するものもあるため、上記の値は塗布される瞬間のせん断速度における粘度を示している。塗布液にチキソトロピー剤を添加して、高せん断のかかる塗布時は粘度が低く、塗布液にせん断が殆どかからない乾燥時は粘度が高くなると、乾燥時のムラが発生しにくくなり、好ましい。
また、液物性ではないが、ウェブに塗布される塗布液の量も、塗布可能な上限の速度に影響を与える。ウェブに塗布される塗布液の量は2.0〜10ml/mであることが好ましい。ウェブに塗布される塗布液の量を増やすと、塗布可能な上限の速度が上がるため好ましいが、ウェブに塗布される塗布液の量を増やしすぎると、乾燥にかかる負荷が大きくなるため、液処方・工程条件によって最適なウェブに塗布される塗布液の量を決めることが好ましい。
表面張力については、15〜36mN/mの範囲にあることが好ましい。レベリング剤を添加するなどして表面張力を低下させることは、乾燥時のムラが抑止されるため好ましい。一方、表面張力が下がりすぎると、塗布可能な上限の速度が低下してしまうため、17〜32mN/mの範囲がより好まく、19〜26mN/mの範囲が更に好ましい。
[反射防止フィルム]
次に、多層構成の反射防止フィルムの製造方法の一例について説明する。
ウェブWが巻回されたロールからウェブWがクリーン室に連続的に送り出され、クリーン室内で、ウェブWに帯電している静電気を静電除電装置により除電し、引き続きウェブW上に付着している異物を、除塵装置により除去する。
次に、クリーン室内に設置されている上記説明した塗布装置10で塗布液がウェブW上に塗布される。即ち、塗布液タンク40より送液ポンプ46により圧送された塗布液14は、圧力計48、減圧脱気装置50、濾過フィルタ52、オリフィス部56を経て配管42によりスロットダイ12に供給される。この塗布液の送液において、配管径方向の端部位置のみにオリフィス56Aが形成されると共に、該オリフィス56Aの入口側には該オリフィスに至る先細形状の入口テーパ流路56Bが形成され、オリフィス56Aの出口側には該オリフィス56Aから延びる先太形状の出口テーパ流路56Cが形成されているオリフィス部56を設けた。これにより、オリフィス56Aの上流側で発生した送液脈動を防止できるだけでなく、下流側に発生する微小脈動を効果的に抑制でき、ウェブWに塗布される塗布膜の段状ムラを2%以下に抑制することができる。また、入口テーパ流路56B及び出口テーパ流路56Cを設けることにより、オリフィス56Aを端部位置に設けることにより懸念される泡溜まりや液滞留も発生しない。
次に、塗布液が塗布されたウェブWは乾燥室に送られて乾燥される。
乾燥した塗布膜を有するウェブWは、乾燥室から放射線硬化室へ送り出され、放射線が照射されて塗布層に含有されるモノマーが重合して硬化する。更に、放射線により硬化した層を有するウェブWは熱硬化部へ送られ、加熱されて硬化を完結させ、硬化が完結した層を有するウェブWは巻き取られてロール状となる。
上記工程は、各層の形成毎に行ってもよいし、塗布部−乾燥室−放射線硬化部−熱硬化室を複数設けて、各層の形成を連続的に行うことも可能であるが、生産性の観点から各層の形成を連続的に行うことが好ましい。
以上、本発明の実施の形態に係る塗布装置及びそれを用いて光学フィルムの一例である反射防止フィルムの製造方法を説明したが、本実施の形態は反射防止フィルムに限らず光学補償フィルム、防眩フィルム、防眩性反射防止フィルム等の光学フィルムに適用できる。
[実施例1]
次に、本発明の実施例及び比較例について説明する。
[供試塗布液]
次の調合による塗布液(反射防止膜用の塗布液)を試験に供した。即ち、屈折率が1.42である、熱架橋性含フッ素ポリマーを6重量%含むメチルエチルケトン溶液(JN−7228、JSR(株)製)93gに、MEK−ST(平均粒径10nm〜20nm、固形分濃度30重量%のSiO2ゾルのメチルエチルケトン分散物、日産化学(株)製)を8g、メチルエチルケトンを94g、及びシクロヘキサノンを6gを添加し、攪拌した。その後、孔径1μmのポリプロピレン製フィルタ(PPE−01)で濾過して、低屈折率層用の塗布液を調製した。塗布液の粘度及び表面張力を、それぞれ、0.0007Pa・s(0.7cp)、23mN/m(23dyn)とした。
[塗布条件]
図1に示す塗布装置10を使用して、送液ポンプ46(ダイアフラムポンプ)により、塗布液タンク40からスロットダイ12に配管42を介して塗布液14を供給し、スロットダイ12から連続走行されるウェブWに塗布液14を塗布した。
塗布液14の塗布速度(ウェブWの走行速度)を40m/分とし、スロットダイ12への送液流量を385ml/分とした。スロット20の開口幅(スロットクリアランス)は、150μmに設定した。ウェブWとして、幅が1500mmのトリアセチルセルロース(TAC)を使用した。また、ウェブWに塗布する塗布液の塗布幅を1400mmとした。
そして、配管42に設けたオリフィス部56の構造を下記の図6(A)〜図7(M)に示す試験1〜12のように変えたときに、塗布液14の送液脈動の発生状態、泡溜まりの発生状態、液滞留の発生状態がどのようになるかを対比した。なお、送液ポンプ46、減圧脱気装置50、濾過フィルタ52の条件は、試験1〜12ともに同じであるので、詳細は省略する。
(試験1)図8(A)に示すように、配管径方向の上端部位置にオリフィス56Aが形成されると共に、該オリフィス56Aの入口側には該オリフィス56Aに至る先細形状の入口テーパ流路56Bが形成され、オリフィス56Aの出口側には該オリフィス56Aから延びる先太形状の出口テーパ流路56Cが形成されている。なお、入口テーパ流路56B及び出口テーパ流路56Cを有する試験のL1及びL2の長さは各試験において共通であり、L1=2R、L2=2Rになるようにした。また、塗布液14の流れは図8(A)の矢印に示すように左から右であり、試験2〜12も同様である。
(試験2)図8(B)に示すように、配管径方向の中央部位置にオリフィス56Aが形成されると共に、入口テーパ流路56B及び出口テーパ流路56Cが形成されている。
(試験3)図8(C)に示すように、配管径方向の下端部位置にオリフィス56Aが形成されると共に、入口テーパ流路56B及び出口テーパ流路56Cが形成されている。
(試験4)図8(D)に示すように、配管径方向の上端部位置にオリフィス56Aが形成されると共に、入口テーパ流路56Bのみが形成されている。
(試験5)図8(E)に示すように、配管径方向の中央部位置にオリフィス56Aが形成されると共に、入口テーパ流路56Bのみが形成されている。
(試験6)図8(F)に示すように、配管径方向の下端部位置にオリフィス56Aが形成されると共に、入口テーパ流路56Bのみが形成されている。
(試験7)図9(G)に示すように、配管径方向の上端部位置にオリフィス56Aが形成されると共に、出口テーパ流路56Cのみが形成されている。
(試験8)図9(H)に示すように、配管径方向の中央部位置にオリフィス56Aが形成されると共に、出口テーパ流路56Cのみが形成されている。
(試験9)図9(I)に示すように、配管径方向の下端部位置にオリフィス56Aが形成されると共に、出口テーパ流路56Cのみが形成されている。
(試験10)図9(J)に示すように、配管径方向の上端部位置にオリフィス56Aが形成されると共に、入口テーパ流路56BA及び出口テーパ流路56Cを形成していない。
次に示す試験11及び12は、オリフィス56Aを形成する配管径方向の端部位置の許容範囲について調べたものであり、塗布液、塗布条件、ウェブ等は試験1〜10と同様である。
(試験11)図9(K)に示すように、配管42の径方向断面において配管中心Oからの半径方向距離が1/2の位置にオリフィス中心位置がくるようにオリフィス56Aを形成した。
(試験12)図9(M)に示すように、配管42の径方向断面において配管中心Oからの半径方向距離が2/3の位置にオリフィス中心位置がくるようにオリフィス56Aを形成した。
なお、試験1〜12ともに配管42として樹脂製の透明配管を使用し、配管径R(図5参照)は15mmで同じである。また、試験1〜12ともにオリフィス56Aの断面積が配管断面積の0.1となる丸形状のものを使用した。
[送液脈動の測定]
送液脈動の測定は、図1に示すように、スロットダイとオリフィス部との間の配管42に、微圧差計60を設けることにより測定した。この微差圧計として、GEセンシング社製の高精度圧力トランスミッタ(型番PTXす620)を使用し、キーエンス(KYENCE)社製のデータレコーダー(型番:NR2000)に接続して送液脈動を測定した。そして、脈動圧力波の強度ピークを平均圧力で割った脈動率(%)の値で示し、1%以下を合格とした。これにより、ウェブWに塗布された塗布膜の段状ムラを2%以下にすることができる。
[泡溜まりの評価]
透明な配管42の外部から目視によって泡溜まりの発生状態及び泡溜まりの発生場所を観察し、○を合格とした。
○…泡溜まりの発生が全くなし
△…オリフィス入口側に泡溜まりが発生
□…オリフィス出口に少し泡溜まりが発生
▲…オリフィス出口側に多く泡溜まりが発生
×…オリフィス入口及び出口の両方に多く泡溜まりが発生
[液滞留の評価]
透明な配管42の外部から目視によって液滞留の発生状態を観察し、○を合格とした。
○…液滞留の発生が全くなし
△…オリフィス入口側に液滞留が発生
□…オリフィス出口に少し液滞留が発生
▲…オリフィス出口側に多く液滞留が発生
×…オリフィス入口及び出口の両方に多く液滞留が発生
[総合評価]
上記評価項目である送液脈動、泡溜まり、液滞留の全てが合格の場合を○、一つでも不合格であれば×とした。
[試験効果]
試験1〜12の試験結果を図10の表に示した。
上記図10の表の試験1〜12の結果から分かるように、配管径方向の端部位置のみにオリフィス56Aが形成されると共に、入口テーパ流路56B及び出口テーパ流路56Cが形成されている試験1及び試験3は、送液脈動(0.5%)、泡溜まり(○)、液滞留(○)の全てが合格であり、総合評価が○であった。
また、試験1、2、11、12の対比結果から、オリフィス56Aが形成される配管径方向の端部位置は、配管42の径方向断面において配管中心Oからの半径方向距離において2/3の位置で脈動率が0.5%になった。
これに対して、オリフィス56Aが配管径方向の中央部(試験2、8)の場合には、脈動率が2.0%と大きかった。但し、オリフィス56Aが配管径方向の中央部に形成した試験5の脈動率が0.5%と試験2及び8よりも小さかった。またオリフィス56Aが配管径方向の1/2の試験11の位置の場合の脈動率が1.5%となり、合格圏である1%以下にはならなかった。
このことから、オリフィス上流側で発生した送液脈動をオリフィス56Aで防止し、且つオリフィス下流側に発生する微小脈動を抑制して、脈動率を1%以下にするには、配管42の径方向断面において配管中心Oからの半径方向距離において2/3以上外側の領域にオリフィス56Aを形成すればよいことが分かる。
また、入口テーパ流路56Bの有り無は、主として泡溜まりの発生状態に大きく影響するが、試験7や試験10のようにオリフィス位置が上端部位置であれば、入口テーパ流路56Bがなくても泡溜まりが○の評価になった。
また、出口テーパ流路56Cの有り無は、主として液滞留に大きく影響するが、試験8及び試験9のように、オリフィスが中央部位置又は下端部位置の場合には、出口テーパ流路56Cがあっても入口テーパ流路56Bがないと、入口側に泡溜まり及び液滞留が発生した。
以上の試験結果を総合すると、配管径方向の端部位置のみにオリフィスが形成し、該オリフィスの入口側と出口側とにテーパ流路を形成することで、脈動、泡溜まり、液滞留の全てを抑制することができる。また、試験5から分かるように、出口テーパ流路を設けないと泡溜まりや液滞留が悪くなるが、脈動に対しては良い方向に働くことが考察される。また、試験4、7から分かるように、オリフィス56Aを配管径方向の上端部位置に形成すれば、泡溜まりの問題は解決できるが、液滞留は解決できない。
10…塗布装置、11…バックアップローラ、12…スロットダイ、14…塗布液、14a…ビード、14b…塗布膜、18…ポケット、20…スロット、40…塗布液タンク、42…配管、46…送液ポンプ、50…減圧脱気装置、52…濾過フィルタ、56…オリフィス部、56A…オリフィス、56B…入口テーパ流路、56C…出口テーパ流路、60…微圧差計、a…入口テーパ、b…出口テーパ、W…可撓性支持体(ウェブ)

Claims (7)

  1. 塗布液を配管によりスロットダイのポケットに送液してスロット先端から吐出し、前記スロット先端と連続走行する支持体との間のクリアランスに塗布液ビードを形成することにより前記支持体に塗布液を塗布する塗布装置において、
    前記配管径方向の端部位置のみにオリフィスが形成されると共に、該オリフィスの入口側には該オリフィスに至る先細形状の入口テーパ流路が形成され、前記オリフィスの出口側には該オリフィスから延びる先太形状の出口テーパ流路が形成されていることを特徴とする塗布装置。
  2. 前記オリフィスが形成される配管径方向の端部位置は、配管の径方向断面において配管中心からの半径方向距離において2/3以上外側の領域であることを特徴とする請求項1の塗布装置。
  3. 前記入口テーパ流路は、配管長方向におけるテーパ開始位置から前記オリフィス位置までの長さをL1とし、配管径をRとしたときに、L1≧(1/4)Rを満足することを特徴とする請求項1又は2の塗布装置。
  4. 前記出口テーパ流路は、配管長方向における前記オリフィス位置からテーパ終了位置までの長さをL2とし、配管径をRとしたときに、L2≧(1/4)Rを満足することを特徴とする請求項1〜3の何れか1の塗布装置。
  5. 連続走行する支持体にスロットダイから光学用塗布液を塗布する塗布工程と、
    前記塗布された塗布層を乾燥する乾燥工程と、を少なくとも備えた光学フィルムの製造方法において、
    前記塗布工程では、請求項1〜4の何れか1の塗布装置を用いて前記光学塗布液を前記支持体に塗布することを特徴とする光学フィルムの製造方法。
  6. 前記光学フィルムは、光学補償フィルム、反射防止フィルム、防眩フィルム、防眩性反射防止フィルムの何れか1であることを特徴とする請求項5の光学フィルムの製造方法。
  7. 前記製造される光学フィルムの段状ムラは2%以下であることを特徴とする請求項6の光学フィルムの製造方法。
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