JP2006095490A - 塗布方法、光学フィルム及び反射防止フィルム - Google Patents

塗布方法、光学フィルム及び反射防止フィルム Download PDF

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Abstract

【課題】薄層の塗布を行った場合でも、幅方向の膜厚を均一にでき、長手方向の膜厚の変動を抑制でき、スジ等の発生を抑え、安定した塗布を維持できる塗布方法、光学フィルム及び反射防止フィルムを提供する。
【解決手段】支持体Wの走行方向上流側より減圧チャンバ40とスロットダイ13とを隣接して設けるとともに、スロットダイに対向させてバックアップローラ11を設け、減圧チャンバにより張力を与えバックアップローラに巻き掛けて連続走行させる支持体上に、スロットダイを使用して塗布液14を塗布する塗布方法。バックアップローラに巻き掛けられた支持体表面とスロットダイ先端とのクリアランスを100μm以下の所定値に設定するとともに、クリアランスの変動を設定値の±7%以内に抑えて塗布液を塗布する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、塗布方法、光学フィルム及び反射防止フィルムに係り、特に、薄い塗布膜を均一に形成するのに好適な塗布方法、及びこの塗布方法を使用して製造する光学フィルム、特に反射防止フィルムに関する。
光学フィルムとしての反射防止フィルムは、液晶表示装置(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)や陰極管表示装置(CRT)のような様々な画像表示装置に使用されている。また、眼鏡やカメラのレンズにも、反射防止フィルムが使用されている。
このような反射防止フィルム等の光学フィルムの製造方法としては、化学蒸着(CVD)法や物理蒸着(PVD)法、物理蒸着法の一種である真空蒸着法やスパッタリング法等が使用できるが、生産性が低く大量生産には適していない。
一方、無機微粒子の塗布により反射防止フィルム等の光学フィルムを製造する方法は、生産性が高く大量生産には適している。このような塗布方法としては、ディップコート法、マイクログラビア法、リバースロールコート法等が挙げられるが、ディップコート法は、段状のムラが発生しやすく、リバースロールコート法、マイクログラビア法は、ロールの偏芯やたわみにより段状のムラが発生しやすく、また、これらの塗布方式は後計量方式であるため、安定した膜厚の確保が比較的困難である。
これに対し、ダイコート法は、前計量塗布方式であるため、膜厚の安定性が高い利点があり、ポケットの形状を規定したりリップの形状を規定したりする内容の提案が各種なされている(特許文献1〜4等)。
このうち、特許文献1は、スロットの間隙をリップ接液面の全域に亘って均一にする内容の提案である。特許文献2は、リップエッジ等の形状を規定し、ビードを十分大きくする内容の提案である。特許文献3は、バックアップロールの回転による振れを小さくして、段ムラ等の欠点を減少させる内容の提案である。特許文献4は、光学フィルム対象としたもので、ダイに保温機能を与え、幅方向の膜厚分布を均一にさせる内容の提案である。
特開平9−253555号公報 特開平11−169769号公報 特開2003−251260号公報 特開2003−285343号公報
しかしながら、上記従来のダイコート法で薄層(たとえば、ウェット膜厚で100μm以下)の塗布を行った場合、幅方向の膜厚が不均一になったり、長手方向の膜厚が変動したり、ビード形状の不安定化によりスジを発生させたりし、安定した塗布を維持することが難しいという問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、薄層(たとえば、ウェット膜厚で100μm以下)の塗布を行った場合であっても、幅方向の膜厚を均一にでき、長手方向の膜厚の変動を抑制でき、スジ等の発生を抑え、安定した塗布を維持できる塗布方法、及びこの塗布方法を使用して製造する光学フィルム、特に反射防止フィルムを提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明は、支持体の走行方向上流側より減圧チャンバとスロットダイとを隣接して設けるとともに、前記スロットダイに対向させてバックアップローラを設け、前記減圧チャンバにより張力を与えるとともに、前記バックアップローラに巻き掛けて連続走行させる前記支持体上に、前記スロットダイを使用して塗布液を塗布する塗布方法において、前記バックアップローラに巻き掛けられた前記支持体表面と前記スロットダイ先端とのクリアランスを100μm以下の所定値に設定するとともに、前記クリアランスの変動を設定値の±7%以内に抑えて前記塗布液を塗布することを特徴とする塗布方法を提供する。
本発明によれば、支持体表面とスロットダイ先端とのクリアランスを100μm以下の所定値に設定するとともに、このクリアランスの変動を設定値の±7%以内に抑えて塗布を行うので、幅方向の膜厚を均一にでき、長手方向の膜厚の変動を抑制でき、スジ等の発生を抑え、安定した塗布状態を維持できる。
すなわち、クリアランスの変動を設定値の±7%以内とすることにより、ビード部内の圧力差を幅方向で均一にして、その結果スロットダイのポケットとビード部内の圧力差から生じるスロット吐出流量分布も均一化できる。その結果、この吐出流量分布は±2%以下となり高精度の膜厚偏差の塗布膜が得られる。
本発明において、前記支持体の走行を停止させた状態で、前記支持体の幅方向において10箇所の前記クリアランスを測定し、該測定値の全てが設定値の±7%以内になった後に前記塗布液の塗布を開始することが好ましい。このような設定を行えば、クリアランスの変動を抑制でき、本発明の効果が一層発揮できる。
また、本発明において、前記塗布液の塗布を停止させた状態で、前記支持体の幅方向の少なくとも1箇所において、前記バックアップローラの円周方向の位置を変えて4箇所の前記クリアランスを測定し、該測定値の全てが設定値の±7%以内になった後に前記塗布液の塗布を開始することが好ましい。このような設定を行えば、更にクリアランスの変動を抑制でき、本発明の効果が一層発揮できる。
また、本発明において、前記スロットダイ先端において、上流側リップランドの先端エッジの曲率半径及び/又は下流側リップランドの後端エッジの曲率半径を10μm以下とすることが好ましい。このようなスロットダイ先端とすることにより、ビードの動的接触位置を支持体の幅方向で安定にでき、塗布量分布も安定化する。
また、本発明において、前記スロットダイ先端部分を超硬部材で形成することが好ましい。このような、精密加工が容易な超硬部材をスロットダイ先端部分に使用することにより、エッジの曲率半径を小さく加工することができ、また、スロットダイ先端部分の真直度を良好にすることができる。なお、超硬部材とは、超硬合金やセラミックス部材等の所定硬度以上の部材を意味する。
また、本発明において、前記スロットダイ先端部分の表面粗さRaを0.4μm以下とすることが好ましい。このように、表面粗さが小さいスロットダイ先端部分であれば、ビードの形状を一定に保つことが容易にできる。
また、本発明において、前記スロットダイ先端において、下流側リップランド長さを100μm以下とすることが好ましい。このようなリップランド長さであれば、薄膜を形成するための、微量の塗布量を選定する際に、好適なビードを形成できる。
また、係る本発明は、前記の塗布方法によって得られる塗布層を少なくとも1層有することを特徴とす光学フィルム及び反射防止フィルムを提供する。
以上説明したように、本発明によれば、幅方向の膜厚を均一にでき、長手方向の膜厚の変動を抑制でき、スジ等の発生を抑え、安定した塗布状態を維持できる。
以下、添付図面に従って本発明に係る塗布方法、光学フィルム及び反射防止フィルムの好ましい実施の形態について詳説する。
図1は、本発明に係る塗布方法に使用される塗布装置のスロットダイ13及びその周辺を示す斜視図である。図2は、スロットダイ13の周辺部を示すコーター10の部分断面図である。なお、図2では、減圧チャンバー40の図示を省略してある。
コーター10はバックアップローラ11に支持されて連続走行するウェブWに対して、スロットダイ13から塗布液14をビード14aにして塗布することにより、ウェブW上に塗膜14bを形成する塗布装置である。
スロットダイ13の内部にはポケット15、スロット16が形成されている。ポケット15は、その断面が曲線及び直線で構成されており、たとえば、図2に示されるような略円形でもよいし、又は半円形でもよい。ポケット15は、スロットダイ13の幅方向にその断面形状をもって延長された塗布液の液溜め空間で、その有効延長の長さは、塗布幅と同等か若干長めにするのが一般的である。
ポケット15への塗布液14の供給は、スロットダイ13の側面から、又はスロット開口部16aとは反対側の面の中央から行う。また、ポケット15には塗布液14が漏れ出ることを防止する栓が設けられている。
スロット16は、ポケット15からウェブWへの塗布液14の流路であり、ポケット15と同様にスロットダイ13の幅方向にその断面形状をもち、ウェブ側に位置する開口部16aは、一般に、図示しない幅規制板のようなものを用いて、概ね塗布幅と同じ長さの幅になるように調整する。このスロット16のスロット先端における、バックアップローラ11のウェブ走行方向の接線とのなす角は、30°以上90°以下が好ましい。
スロット16の開口部16aが位置するスロットダイ13の先端リップ17は、先細り状に形成されており、その先端はランドと呼ばれる平坦部18とされている。このランド18であって、スロット16に対してウェブWの走行方向の上流側を上流側リップランド18a、下流側を下流側リップランド18bと称する。上流側リップランド18aと下流側リップランド18bのウェブWとの距離は等しくなっている。
上流側リップランド18aのランド長さIUPは特に限定はされないが、500μm〜1mmの範囲が好ましく採用される。下流側リップランド18bのランド長さILOは30μm以上100μm以下であり、好ましくは30μm以上80μm以下である。
下流側リップのランド長さILOが30μmよりも短い場合は、先端リップ17のエッジ又はランドが欠けやすく、塗膜にスジが発生しやすくなり、結果的には塗布が不可能になる。また、下流側の濡れ線位置の設定が困難になり、塗布液が下流側で広がりやすくなるという問題も発生する。この下流側での塗布液の濡れ広がりは、濡れ線の不均一化を意味し、塗布面上にスジなどの不良形状を招くという問題につながることが従来より知られている。
一方、下流側リップのランド長さILOが100μmよりも長い場合は、上流側の減圧度を大きくする必要がでてきて、ビードの安定性が損われ、薄層塗布を行うことは不可能である。
スロットダイ13の先端部分である上流側リップランド18a及び下流側リップランド18bは、超硬部材で形成されている。スロットダイ13の先端部分にステンレス鋼等のような材質を用いると、ダイ加工の段階でだれてしまい、先端リップの加工精度を満足できない場合が多い。したがって、高い加工精度を維持するためには、特許第2817053号公報に記載されているような超硬材質のものを用いることが好ましい。
具体的には、スロットダイ13の少なくとも先端リップを、平均粒径5μm以下の炭化物結晶を結合してなる超硬合金にすることが好ましい。超硬合金としては、タングステンカーバイド(以下、WCと称す)等の炭化物結晶粒子をCo(コバルト)等の結合金属によって結合したものなどがあり、結合金属としては他にTi(チタン)、Ta(タンタル)、Nb(ニオブ) 及びこれらの混合金属を用いることもできる。WC結晶の平均粒径としては、粒径3μm以下が更に好ましい。
また、スロットダイ13の先端において、上流側リップランド18a及び下流側リップランド18bの先端エッジの曲率半径を10μm以下とすることが好ましい。また、スロットダイ13の先端部分(上流側リップランド18a及び下流側リップランド18b)の表面粗さRaを0.4μm以下とすることが好ましい。このようなスロットダイ13の先端部分とすることにより、ビードの形状を一定に保つことが容易にできる。
図1において、スロットダイ13に対し、ウェブWの走行方向側とは反対側に、ビード14aに対して充分な減圧調整を行えるよう、接触しない位置に減圧チャンバー40が設置されている。減圧チャンバー40は、その作動効率を保持するためのバックプレート40aとサイドプレート40bを備えており、バックプレート40aとウェブWの間、サイドプレート40bとウェブWの間にはそれぞれ隙間GB、GSが設けられている。
本発明の塗布方法においては、公知の各種溶媒を用いた塗布液を使用することができる。たとえば、水、各種ハロゲン化炭化水素、アルコール、エーテル、エステル、ケトンなどを単独又は複数混合して使用することができる。
ウェブWとしては、公知の各種ウェブを用いることができる。一般的にはポリエチレンテレフタレート、トリアセチルセルロース、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、セルロースダイアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリアミド等の公知の各種プラスチックフィルム、紙、紙にポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンブテン共重合体等の炭素数が2〜10のα−ポリオレフィン類を塗布またはラミネートした各種積層紙、アルミニウム、銅、スズ等の金属箔等、あるいは帯状基材の表面に予備的な加工層を形成させたものが含まれる。
本発明の塗布方法に用いる塗布液として、光学補償シート塗布液、反射防止フィルム塗布液、防眩性付与液磁性塗布液、写真感光性塗布液、磁性塗布液、視野角拡大塗布液、表面保護液、帯電防止液、滑性用塗布液、カラーフィルター用顔料液等が使用できるが、これらに限定される訳ではない。
また、湿潤膜厚が100μm以下の薄層を塗布する系に有効であるが、特に20μm以下の精密塗布を行う系が好ましく、単層の1回塗布のみならず、重層逐次塗布に対しても、特に各層の湿潤膜厚が20μm以下の高精度の薄膜塗布の場合に有効である。塗布液の粘度としては0.0005〜0.1N・s/m2 、また表面張力としては20〜70mN/mの範囲が好ましい。
塗布速度は概ね100m/分程度までの領域で適用可能である。また、一般に塗布するのが困難といわれる領域や湿潤膜厚がより薄い塗布系、粘度が高い領域で、より効果を発揮する。
次に、上記の塗布装置を使用した塗布方法について説明する。
先ず、塗布装置を運転しない状態で、バックアップローラ11にウェブWを巻き掛ける。そして、ウェブWの表面とスロットダイ13の先端部分(上流側リップランド18a及び下流側リップランド18b)とのクリアランスを100μm以下の所定値に設定する。次いで、シックネスゲージを使用して、ウェブWの幅方向において10箇所のクリアランスを測定し、この測定値の全てが設定値の±7%以内になるように、スロットダイ13の位置を調整する。
次いで、ウェブWの幅方向の少なくとも1箇所において、バックアップローラ11の円周方向の位置を90度毎に変えて4箇所のクリアランスを、エリアセンサ型レーザー変位計を用いて測定し、測定値の全てが設定値の±7%以内になるように、バックアップローラ11の心振れを調整する。
以上のように調整することにより、塗布装置の運転中にも、クリアランスの変動を設定値の±7%以内に抑えて塗布液の塗布が行える。
以上、本発明に係る塗布方法の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、各種の態様が採り得る。
たとえば、本実施形態では、スロットダイ13の上流側リップランド18aと下流側リップランド18bのウェブWとの距離は等しくなっているが、下流側リップランド18bと上流側リップランド18aのウェブWとの距離に差を設ける、いわゆる、オーバーバイト形状のスロットダイを採用することもでき、これによっても、本発明と同様の効果を得ることができる。
〔実施例1〕
光学フィルムである防眩フィルム用の塗布液を、以下のように調整した。
先ず、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとの混合物(DPHA、日本化薬(株)製)75g、粒径約30nmの酸化ジルコニウム超微粒子分散物含有ハードコート塗布液(デソライトZ−7401、JSR(株)製)240gを、104gのメチルエチルケトン/シクロヘキサノン=54/46重量%の混合溶媒に溶解した。
得られた溶液に、光重合開始剤(イルガキュア907、チバファインケミカルズ(株)製)10gを加え、攪拌溶解した後に、20重量%の含フッ素オリゴマーのメチルエチルケトン溶液からなるフッ素界面活性剤(メガファックF−176PF、大日本インキ(株)製)0.93gを添加した(なお、この溶液を塗布、紫外線硬化させて得られた塗布膜の屈折率は1.65であった。)。
更に、この溶液に個数平均粒径2.0μm、屈折率1.61の架橋ポリスチレン粒子(SX−200HS、綜研化学(株)製)20gを、160gのメチルエチルケトン/シクロヘキサノン=54/46重量%の混合溶媒に高速ディスパにて5000rpmで1時間攪拌分散し、孔径10μm、3μm、1μmのポリプロピレン製フィルタ(それぞれPPE−10、PPE−03、PPE−01、いずれも富士写真フイルム(株)製)にて濾過して得られた分散液29gを添加、攪拌した後、孔径30μmのポリプロピレン製フィルタで濾過して防眩層用の塗布母液として調製した。
更にこの溶液に、メチルエチルケトン(以下、「MEK」と略す)を添加して、以下の3種類の濃度のものを作成した。
(1)MEK添加なし:この塗布液の粘度は0.007N・s/m2 であり、表面張力は0.033N/mであり、固形分と溶媒の質量比は50/50であった。
(2)MEK960g添加:この塗布液の粘度は0.003N・s/m2 であり、表面張力は0.029N/mであり、固形分と溶媒の質量比は17/83であった。
(3)MEK1344g添加:この塗布液の粘度は0.003N・s/m2 であり、表面張力は0.028N/mであり、固形分と溶媒の質量比は13/87であった。
ウエブWとして、厚さ80μmで幅が1300mmのトリアセチルセルロースフィルム(以下、「TAC」と略す)を使用した。
本発明のダイコータにより、上記の塗布液(調整液)の液量をウエブの面積1m2 当り、(1)液は5ml/m2 、(2)液は15ml/m2 (3)液は20ml/m2 になるように塗布した。
この際、塗布速度は5m/分、減圧度は0.3kPasで実施した。ダイコータの先端部は、ステンレス鋼製のものを用いた。なお、乾燥時に塗膜面に直接風が当たらないように、塗布直後の塗布面のの10cm上空に囲いを設け、サイドも囲って乾燥した。
ウエブWの走行中のクリアランスを、エリアセンサ型レーザー変位計を用いてウエブWの幅方向の3箇所で測定し、その最大値を測定値として採用した。塗布後の塗膜面の膜厚測定は、塗膜中の酸化ジルコニアの量を蛍光X線により分析することにより行った。膜厚を幅方向に10箇所測定し、3回測定した平均値より、最大値−最小値をとって、この値を膜厚分布とした(単位:%)。以上の条件及び結果を図3の表に纏める。なお、ここでは液は(2)液を使用した。
図3の表において、例1及び例2は、クリアランスの設定値を100μm超の150μmとするものであり、参考値である。例3〜例7は、クリアランスの設定値を100μm以下とするものである。
例3〜例7の、クリアランスの設定値を100μm以下の各種の値とするもののうち、クリアランスの偏差率のR(レンジ)が14%以下、すなわち、クリアランスが設定値の±7%以内であれば、膜厚分布は4%を達成した。
なお、クリアランスの設定値を150μmとする例1及び例2は、クリアランスの偏差率が大きくても、膜厚分布に与える影響は軽微であった。
〔実施例2〕
光学フィルムである防眩フィルム用の塗布液及びウエブWは、実施例1と同一のものを使用した。
本発明のダイコータにより、上記の塗布液(調整液)の液量をウエブの面積1m2 当り、(1)液は5ml/m2 、(2)液は15ml/m2 (3)液は20ml/m2 になるように塗布した。
この際、塗布速度は5m/分、減圧度は0.3kPasで実施した。ダイコータの先端部は、ステンレス鋼製のものを用いた。なお、乾燥時に塗膜面に直接風が当たらないように、塗布直後の塗布面の10cm上空に囲いを設け、サイドも囲って乾燥した。
塗布装置を運転しない状態で、バックアップローラ11にウェブWを巻き掛け、シックネスゲージを使用して、ウェブWの幅方向において10箇所のクリアランスを測定し、その偏差を記録した。
また、塗布後の塗膜面の膜厚をウェブW幅方向において10箇所測定し、この測定を3回行い、平均値を膜厚分布とした(単位:%)。この膜厚測定は、塗膜中の酸化ジルコニアの量を蛍光X線により分析することにより行った。以上の条件及び結果を図4の表に纏める。なお、ここでは液は、塗布膜厚に応じて(1)液〜(3)液を使い分けた。
図4の表において、例1〜例4は、クリアランスの設定値を100μm超の150μm及び200μmとするものであり、参考値である。例5〜例11は、クリアランスの設定値を100μm以下とするものである。
例5〜例11の、クリアランスの設定値を100μm以下の各種の値とするもののうち、クリアランスの偏差率のR(レンジ)が14%以下、すなわち、クリアランスが設定値の±7%以内であれば、塗布量分布は4%を達成した。
なお、クリアランスの設定値を150μmとする例1〜例4は、クリアランスの偏差率が大きくても、塗布量分布に与える影響は軽微であった。
〔実施例3〕
光学フィルムである防眩フィルム用の塗布液及びウエブWは、実施例1と同一のものを使用した。
本発明のダイコータにより、上記の塗布液(調整液)の液量をウエブの面積1m2 当り、(1)液は5ml/m2 、(2)液は15ml/m2 (3)液は20ml/m2 になるように塗布した。
この際、塗布速度は5m/分、減圧度は0.3kPasで実施した。ダイコータの先端部は、ステンレス鋼製のものを用いた。なお、乾燥時に塗膜面に直接風が当たらないように、ダイコータの10cm上空に囲いを設け、ダイコータのサイドも囲って乾燥した。
塗布装置を運転しない状態で、バックアップローラ11にウェブWを巻き掛け、シックネスゲージを使用して、バックアップローラ11の円周方向の位置を90度毎に変えて4箇所のクリアランスを測定した。その測定を、ウェブWの幅方向に5箇所行い、バックアップローラ11の回転方向のピークtoピーク値のウェブWの幅方向の最大値を記録した。
また、塗布後の塗膜面の膜厚をウェブWの長手方向において20箇所(50mm毎)測定し、その偏差を算出し、膜厚分布とした(単位:%)。この膜厚測定は、塗膜中の酸化ジルコニアの量を蛍光X線により分析することにより行った。以上の条件及び結果を図5の表に纏める。なお、ここでは液は、塗布膜厚に応じて(1)液〜(3)液を使い分けた。
図5の表において、例1〜例3の、クリアランスの設定値を50μm以下の各種の値とするもののうち、クリアランスの偏差率のR(レンジ)が14%以下、すなわち、クリアランスが設定値の±7%以内であれば、塗布量分布は4%を達成した。
一方、ロール回転方向でクリアランス変動大きい例1は、横の縞状の分布が発生し所望の塗布量分布値内に収めることができなかった。
〔実施例4〕
光学フィルムである反射防止フィルム用の塗布液を、以下のように調整した。
屈折率が1.42であり、熱架橋性含フッ素ポリマーの6重量%のメチルエチルケトン溶液(JN−7228、JSR(株)製)93gに、MEK−ST(平均粒径10nm〜20nm、固形分濃度30重量%のSiO2 ゾルのメチルエチルケトン分散物、日産化学(株)製)8g、メチルエチルケトン94g及びシクロヘキサノン6gを添加、攪拌の後、孔径1μmのポリプロピレン製フィルタ(PPE−01)で濾過して、低屈折率層用塗布液を調製した。
塗布液の粘度を0.001N.s/m2 と、表面張力を0.024N/mとした。ウエブとして、実施例1のものを長尺で塗布し、これを送り出し機のローラに巻回して、再度繰り出して走行させた。ウエブの走行速度を5m/分とし、塗布時の膜厚が4μm(塗布量が4ml/m2 )になるようにして、ダイコータにより塗布した。その際、クリアランスは50μmに設定した。
例1〜例3のダイコータの先端部は、ステンレス鋼製のものを用いた。例4のダイコータの先端部は、WCの超硬材質を主成分とする材質のものを用いた。
また、例1及び例2では、ダイコータの上流側リップランド18a及び下流側リップランド18bの先端エッジの曲率半径が10μmのものを使用し、例3及び例4では、ダイコータの上流側リップランド18a及び下流側リップランド18bの先端エッジの曲率半径が5μmのものを使用した。
また、例1では、スロットダイ13の先端部分(上流側リップランド18a及び下流側リップランド18b)の表面粗さRaが1μmであり、例2及び例3では、0.4μmであり、例4では、0.1μmであった。
塗布後の塗膜面の膜厚をウェブWの幅方向において10箇所測定し、分布値を算出した。塗布膜厚は、光学膜厚計(干渉型)を用いて測定した。以上の条件及び結果を図6の表に纏める。
図6の表において、例1及び例2のようにダイコータの先端エッジの曲率半径が大きいものについては、全体にスジ状の厚さムラが発生し、所望の品質を得られなかった。ただし、表面粗さRaが大きい物(例1)と小さいもの(例2)では、そのスジ状の故障に差異がでて、結果的に分布に差を生じた。また、先端を超硬の素材にしたものも、ステンレス鋼製のものと同様の効果が得られ、なお且つ、長期使用の耐久性もあることが確認できた。
〔実施例5〕
光学フィルムである反射防止フィルム用の塗布液及びウエブWは、実施例4と同一のものを使用し、塗布条件も実施例4と同一にした。クリアランスは50μmに設定した。
例1において、ダイコータの先端部の下流側リップランド18bのランド長さILOを500μmとし、減圧チャンバー40のサクション圧を−0.8kPaに設定した。例2において、ダイコータの先端部の下流側リップランド18bのランド長さILOを100μmとし、減圧チャンバー40のサクション圧を−0.2kPaに設定した。例3において、ダイコータの先端部の下流側リップランド18bのランド長さILOを50μmとし、減圧チャンバー40のサクション圧を−0.2kPaに設定した。
塗布後の塗膜面の膜厚をウェブWの幅方向において10箇所測定し、分布値を算出した。塗布膜厚は、光学膜厚計(干渉型)を用いて測定した。以上の条件及び結果を図7の表に纏める。
図7の表において、例1は塗り付き不良を起こし、膜厚分布の測定ができなかった。その他の例2及び例3では膜厚分布は良好であった。
本発明に係る塗布方法に使用される塗布装置のスロットダイ及び周辺を示す斜視図 スロットダイの周辺部を示すコーターの部分断面図 実施例1の条件及び結果を示す表 実施例2の条件及び結果を示す表 実施例3の条件及び結果を示す表 実施例4の条件及び結果を示す表 実施例5の条件及び結果を示す表
符号の説明
10…コーター、11…バックアップローラ、13…スロットダイ、14…塗布液、14a…ビード、14b…塗膜、15…ポケット、16…スロット、17…先端リップ、18…ランド、18a…上流側リップランド、18b…下流側リップランド、W…ウェブ

Claims (9)

  1. 支持体の走行方向上流側より減圧チャンバとスロットダイとを隣接して設けるとともに、前記スロットダイに対向させてバックアップローラを設け、前記減圧チャンバにより張力を与えるとともに、前記バックアップローラに巻き掛けて連続走行させる前記支持体上に、前記スロットダイを使用して塗布液を塗布する塗布方法において、
    前記バックアップローラに巻き掛けられた前記支持体表面と前記スロットダイ先端とのクリアランスを100μm以下の所定値に設定するとともに、
    前記クリアランスの変動を設定値の±7%以内に抑えて前記塗布液を塗布することを特徴とする塗布方法。
  2. 前記支持体の走行を停止させた状態で、前記支持体の幅方向において10箇所の前記クリアランスを測定し、該測定値の全てが設定値の±7%以内になった後に前記塗布液の塗布を開始することを特徴とする請求項1に記載の塗布方法。
  3. 前記塗布液の塗布を停止させた状態で、前記支持体の幅方向の少なくとも1箇所において、前記バックアップローラの円周方向の位置を変えて4箇所の前記クリアランスを測定し、該測定値の全てが設定値の±7%以内になった後に前記塗布液の塗布を開始することを特徴とする請求項1又は2に記載の塗布方法。
  4. 前記スロットダイ先端において、上流側リップランドの先端エッジの曲率半径及び/又は下流側リップランドの後端エッジの曲率半径を10μm以下とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の塗布方法。
  5. 前記スロットダイ先端部分を超硬部材で形成することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の塗布方法。
  6. 前記スロットダイ先端部分の表面粗さRaを0.4μm以下とすることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の塗布方法。
  7. 前記スロットダイ先端において、下流側リップランド長さを100μm以下とすることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の塗布方法。
  8. 前記請求項1〜7のいずれか1項に記載の塗布方法によって得られる塗布層を少なくとも1層有することを特徴とす光学フィルム。
  9. 前記請求項1〜7のいずれか1項に記載の塗布方法によって得られる塗布層を少なくとも1層有することを特徴とす反射防止フィルム。

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